説明

合成ガスと電力を共生産するためのプロセス

合成ガス生成ステージ(12)において、炭化水素原料を酸素と反応させて少なくともCOとH2を含む第1の温度の合成ガス(50)を製造することを含む、合成ガスと電力を共生産するためのプロセス(10)。空気分離ステージ(16)において、少なくとも1個のイオン輸送膜ユニット(16.1)によって圧縮空気流から空気を分離して、主に酸素から成るパーミエート流(42)と、第1の温度よりも低い第2の温度の酸素欠乏空気のリジェクト流(44)を発生させる。酸素欠乏空気のリジェクト流(44)を合成ガス(50)で間接的に加熱し、少なくとも1個のタービン(28)によって少なくとも一部膨張させて発電を行い、少なくとも一部膨張した酸素欠乏空気(54)のリジェクト流を発生させる。主に酸素から成るパーミエート流(42)の少なくとも一部を合成ガス生成ステージ(12)に供給して合成ガス生成用の酸素を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成ガスと電力を共生産(co-producing)するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
合成ガスは一酸化炭素(CO)と水素(H2)を含む混合物である。合成ガスは通常、2種のプロセスのいずれか、即ち、固体原料(石炭等)を酸素と蒸気でガス化するプロセス、或いは気体原料(天然ガス等)を酸素で改質すること(部分酸化改質として知られる)や水で改質すること(水蒸気改質として知られる)によるプロセスによって製造される。部分酸化改質と水蒸気改質の組み合わせ(即ち、自己熱改質)もよく利用される。合成ガスの製造に必要な酸素は通常、従来の深冷空気分離技術を利用して空気から得る。製造された合成ガスを用いて、フィッシャー−トロプシュ(Fischer−Tropsch)合成によって種々の炭素系化学製品(例えば、メタノールや液体炭化水素)を製造する。
【0003】
合成ガス製造プロセスはエネルギーを集中して行うプロセスであり、二酸化炭素排出の大きな要因である。二酸化炭素は温室効果ガスの中心であり、大気への排出は環境に好ましくない。
【0004】
二酸化炭素排出の問題は種々の方法、例えば、二酸化炭素の捕捉及び隔離や、熱効率の改善による二酸化炭素排出の削減、従来の炭素を利用した電力及び熱生成設備に替えて非炭素源(例えば、核エネルギー)を利用すること等によって対処することができる。
【0005】
合成ガス製造プロセスでは高温で操作を行う。合成ガス製造に利用する技術に応じて、900℃を超える温度で高温合成ガスを製造することができる。通常、廃熱ボイラを用いて高温合成ガスから熱を回収し、蒸気を発生させる。この蒸気を用いて深冷空気分離ユニット用の蒸気タービンを駆動する、及び/又は発電を行う。従来の深冷空気分離プロセスは相当量の電力を消費することに注意しなければならない。また、廃熱ボイラを用いて熱回収すると、廃熱ボイラで利用する大きな温度差駆動力のため、合成ガス製造プロセスにおける熱力学第2法則的損失が大きくなる。即ち、高温の熱を用いると同量の低温の熱に比べ大量の電力が得られるが、廃熱ボイラを用いる場合、高品質(即ち高温度)の熱は望ましくない低品質(即ち低温度)の熱となる。大きい温度差駆動力はプロセス全体の熱効率を低下させるため、二酸化炭素排出の問題を深刻化させる可能性がある。
【0006】
廃熱ボイラにおける大きな温度差駆動力を低減させるための一方法は、蒸気圧力を上昇させることか、或いは蒸気を過剰に加熱することである。しかし、水の臨界温度が374℃であるという事実からすれば、廃熱ボイラで飽和蒸気が生成し得る温度には上限がある。また、例えばランキンサイクルにおいて蒸気を利用して発電する場合、構造材料を考慮すると、通常は蒸気を565℃を超える過熱状態としない。
【0007】
従って、熱効率の改善によって二酸化炭素排出の削減を試みる際には、大きい温度差駆動力の問題への対処に重点を置くと共に、深冷空気分離プロセスの電力消費を削減することにも重点を置くべきである。しかし、深冷空気分離は確立された技術であるため、コストと電力消費の段階的な削減が期待されるにすぎない。空気から酸素を分離するための代替プロセスとしては、イオン輸送膜(Ion Transport Membranes)(ITM)の使用が挙げられる。ITM酸素プロセスではセラミック膜を高温(通常760〜930℃)で機能させることにより空気から酸素を分離する。ITM酸素技術は酸素製造コストを大幅に削減できるであろうと考えられている。この高温酸素製造プロセスは、酸素、電力及び蒸気が必要なプロセスとの統合に適している。ITM酸素プロセスでは、電気化学的駆動プロセスにおいて、セラミック膜によって高温で空気から酸素を分離する。空気中の酸素はセラミック膜の上流側表面でイオン化され、酸素分圧勾配によって移動される酸素イオンとして該膜内に拡散し、該膜の下流側で酸素分子を形成する。ITM酸素プロセスによって、実質的に純粋な高温酸素流(即ち、パーミエート流)と、相当量のエネルギーを回収可能な高温の加圧酸素欠乏流(即ち、リジェクト流)が生成する。ITM酸素プロセスを従来の深冷空気分離技術に匹敵する技術とするためには、該システムのオペレーション全体においてこのエネルギーを有効利用することが必要である。エネルギー回収とその有効利用は、膜モジュールとコンプレッサ、ガスタービン、高温ガスエキスパンダ、蒸気タービン及び熱交換器とを一体化させることによって可能となる。
【0008】
従来、核技術を利用する合成ガス製造プロセスの研究開発においては、合成ガス製造プロセスの操作温度を原子炉ループから得られる最高温の熱と合わせようとしてきた。高温ガス冷却原子炉は約750〜950℃の温度の熱を提供することができる。このような比較的低温では、適切な合成ガス製造プロセスの選択が制限され、ガス化プロセスを採用する場合には特に制限を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
合成ガス製造プロセスは通常、炭素系化学製品を製造するための大型設備の一部を構成する。このような設備では通常、800℃未満、更には通常500℃未満の温度で操作を行う更なる処理段階が行われる。このような更なる処理段階は、核関連熱源との熱統合の有力な候補となり得るが、合成ガス製造プロセスで製造される高温合成ガスとの熱統合の有力な候補でもあることが分かった。更に、約250℃未満の温度のこの種の設備においては、通常、多数の熱源やヒートシンクが存在し、温度が低くなると熱源が増えることも分かった。この場合、通常は過剰の低グレードの熱が得られる。従って、その代わりに、原子力熱源から低グレードの熱を得ようとする動機は殆どない。、より一般的な軽水原子炉が低グレードの熱を供給するための望ましい選択肢となる。従って、核熱源を炭素系化学製品を製造するための大型設備と統合する機会、特に、核熱源を合成ガス製造プロセスと統合する機会はなくなると考えられる。このようにして、核エネルギー、とりわけ、核での水分解による水素生成を利用するための戦略は大幅な変更を余儀なくされた。これに対し、本発明の実施形態では新たな異なるアプローチを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、合成ガスと電力を共生産するためのプロセスであって、
合成ガス生成ステージにおいて、炭化水素原料を酸素と反応させて少なくともCOとH2を含む第1の温度の合成ガスを製造することと、
空気分離ステージにおいて、少なくとも1個のイオン輸送膜ユニットによって圧縮空気流から空気を分離して、主に酸素から成るパーミエート流と、第1の温度よりも低い第2の温度の酸素欠乏空気のリジェクト流を発生させることと、
合成ガスを用いて酸素欠乏空気のリジェクト流を間接的に加熱し、前記加熱した酸素欠乏空気のリジェクト流を少なくとも1個のタービンによって少なくとも一部膨張させて発電を行い、少なくとも一部膨張した酸素欠乏空気のリジェクト流を発生させることと、
主に酸素から成るパーミエート流の少なくとも一部を合成ガス生成ステージに供給することにより合成ガス生成用の酸素を提供することとを含むプロセスを提供する。
【0011】
通常、合成ガス生成ステージで生成する合成ガスは900℃以上の温度である。一般に、酸素欠乏空気のリジェクト流は600℃以上の温度、より一般には700℃以上で得られるが、合成ガス生成ステージで生成する合成ガスの温度より低い。このように、酸素欠乏空気のリジェクト流は合成ガスから得られる高温熱用のヒートシンクを提供し、廃熱ボイラをヒートシンクとして用いる場合に通常直面する大きい温度差駆動力は低減される。
【0012】
本明細書において、用語「タービン」とは、タービンステージの概念を包含することを意図しており、従って、二以上のタービンへの言及があった場合には、タービンは別々のユニットか、二以上の明確に認識可能なタービンステージを含む単一ユニットか、或いは別々のユニットと二以上の明確に認識可能なタービンステージを含む一以上の単一ユニットとの組み合わせであると理解されたい。また、本明細書において、間接的な熱伝達(例えば、「間接的に加熱する」)とは、熱が熱伝達面を経由してある流体から他の流体に伝達する(この場合、これらの流体は互いに直接接触しておらず、従って混合していない)ことを意味する。
【0013】
本発明のプロセスは、空気分離ステージで圧縮空気流を分離する前に圧縮空気流を700℃の温度まで加熱することを含むことができる。この加熱は、例えば、可燃性ガスや石炭等の燃料を燃焼させるか、或いはこのような方法の如何なる適切な組み合わせによっても行うことができる。本発明の好ましい一実施形態においては、少なくとも核反応ステージからの熱を伝達することによって圧縮空気流を加熱する。この好ましい実施形態は、従来の炭素を利用した加熱に代えて非炭素源を用いるという利点を有する。
【0014】
少なくとも1個のイオン輸送膜ユニットでは、選択的透過性の非多孔質イオン輸送膜を用い、通常はこのような膜を複数用いる。このような膜は通常、無機酸化物セラミック材料、例えば、ジルコニアや当業者に知られている他の材料から成る。通常、膜の形態はチューブ、シート又はモノリシックハニカム構造である。本発明では、膜における酸素分圧差を利用して、酸素イオンを膜の供給側から浸透側(ここではイオンが再結合して電子と酸素ガスが生成する)へと移動させることが考えられる。しかし、原理的には、膜における電位差を利用する、即ち、電気駆動型のイオン輸送膜(即ち、電位差で駆動する外部回路で膜の浸透側から供給側へ電子が流れる)を用いることも可能である。酸素イオン状態の酸素を選択的に透過させる如何なる固体セラミック膜材料も(酸素分圧差を利用する混合導体型であろうと、膜における電位差を利用する固体電解質型であろうと)本発明で用いることができることは理解されよう。
【0015】
酸素欠乏空気のリジェクト流は作用流体として用いる。この作用流体は、本発明のプロセスの発電ステージで膨張させることができる。発電ステージにおいては、よく知られているブレイトンサイクル(Brayton cycle)(即ち、作用流体はガス状であり、サイクル時には凝縮しない)を利用する。発電ステージのブレイトンサイクルでは、少なくとも合成ガスからの発電用の熱(これは、酸素欠乏空気のリジェクト流に伝達した熱である)を効果的に受け取り、幾つかの実施形態においては、前述した核反応ステージからの熱(これは、圧縮空気流を分離する前に圧縮空気流に伝達した熱である)も効果的に受け取る。このように核反応ステージからの熱伝達を含む実施形態においては、熱の伝達は通常、核反応ステージのガス状冷却剤から圧縮空気流への間接的熱伝達による。このブレイトンサイクル型は間接的とも称されるが、それは、核反応ステージのガス状冷却剤が通常は閉じている一次ループ内で再循環し、熱が一次ループから二次ループに含まれる間接的ブレイトン電力サイクルの圧縮空気流へと伝達するからである。二次ループは開ループサイクル(即ち、作用流体が貫流で用いられ、膨張した作用流体はプロセスから排出されるサイクル)である。
【0016】
本発明の好ましい一実施形態においては、核反応ステージで高温ガス冷却核リアクタ(即ち、ガス状冷却剤を核リアクタに用いる)を用いる。通常用いるガス状冷却剤は高圧力(例えば、70bar(g))のヘリウムである。従って、一次ループ内で循環するガス状冷却剤は通常ヘリウムである。通常、ガス状冷却剤は、間接的熱伝達による核反応ステージのガス状冷却剤から圧縮空気流へ熱を伝達するのに用いる熱交換器装置の入口において、約750℃〜約950℃の温度であり、好ましくは約800℃〜約900℃の温度(例えば、約900℃)である。
【0017】
本発明のプロセスは、発電効率を上げるために、前記少なくとも1個のタービンで酸素欠乏空気のリジェクト流を一部膨張させた後、酸素欠乏空気のリジェクト流を少なくとも1回再加熱することと、再加熱した酸素欠乏空気のリジェクト流を少なくとも1個の更なるタービンで更に膨張させることとを含むことができる。酸素欠乏空気のリジェクト流の再加熱は通常、複数の段階での酸素欠乏空気のリジェクト流への熱付加と該リジェクト流の膨張とを伴う(即ち、得られる熱の一部で酸素欠乏空気のリジェクト流を加熱した後、酸素欠乏空気のリジェクト流を膨張させて第1の低圧とし、その後、酸素欠乏空気のリジェクト流を再度加熱し、酸素欠乏空気のリジェクト流を再度膨張させて、第1の低圧よりも低い第2の低圧とする)。従って、本発明の一実施形態においては、再加熱の概念を適用する(即ち、加熱又は再加熱した酸素欠乏空気のリジェクト流の加熱と膨張を実施することによって、合成ガスを用いる酸素欠乏空気のリジェクト流の加熱を複数の段階で行う)。このような一実施形態においては、発電ステージで少なくとも2個のタービンを用いることができ、酸素欠乏空気のリジェクト流が1個のタービンを通過した後、他のタービンを通過する前に、酸素欠乏空気のリジェクト流に合成ガスからの熱の少なくとも一部を伝達して酸素欠乏空気のリジェクト流を再加熱する。他の実施形態においては、合成ガス以外の熱源(例えば、核エネルギーや燃料ガスの燃焼)を用いて再加熱を行うこともできる。
【0018】
本発明のプロセスは、前記少なくとも一部膨張した酸素欠乏空気のリジェクト流を、圧縮空気流との熱伝達の関係において、発電に用いた後に冷却することを含むことができる。上述の核反応ステージから圧縮空気流への熱伝達を含む本発明の実施形態においては、この前記少なくとも一部膨張した酸素欠乏空気のリジェクト流の冷却は、圧縮空気流を核反応ステージからの熱で加熱する前に予備加熱することを含むことができる。換言すると、本発明のプロセスは、回復又は再生ブレイトン電力サイクルを効果的に用いることができる。
【0019】
本発明のプロセスは、発電ステージにおいて、前記加熱した酸素欠乏空気のリジェクト流を少なくとも1個のガスエキスパンダタービンで膨張させて、加熱した酸素欠乏空気のリジェクト流よりも低い温度及び低い圧力で少なくとも一部膨張した酸素欠乏空気のリジェクト流を発生させることを含むことができる。次いで、少なくとも1個のガスエキスパンダタービンを用い、例えば、発電機によって発電することができる。
【0020】
本発明のプロセスは、空気を圧縮して圧縮空気流を発生させることを含むことができる。少なくとも1個のガスエキスパンダタービンを用い、少なくとも1個のコンプレッサを駆動して圧縮空気流を発生させることができる。
【0021】
通常、圧縮空気流の圧力は少なくとも4バール(g)であり、より好ましくは約5.5bar(g)〜約21bar(g)(例えば、約15bar(g))である。
【0022】
圧縮空気流の温度は、空気分離ステージで分離する前に、約750℃以上であることが好ましく、約800℃以上であることがより好ましく、約825℃以上(例えば、約850℃)であることが最も好ましい。イオン輸送膜ユニットから得た酸素欠乏空気のリジェクト流も、合成ガスによる加熱によって加熱した酸素欠乏空気のリジェクト流を発生させる前には、実質的にこのような温度であることは理解されよう。
【0023】
加熱した酸素欠乏空気のリジェクト流の温度は、少なくとも一部膨張させて発電する前には、900℃以上とすることができるが、約1000℃以上であることが好ましく、約1100℃以上であることがより好ましく、約1150℃以上(例えば、約1200℃)であることが最も好ましい。加熱した酸素欠乏空気のリジェクト流の達成可能な最高温度は、合成ガスの温度によって決定されることは理解されよう。合成ガスの温度は、実際に可能な限り高い温度(例えば、約1300℃)であることが好ましい。
【0024】
とにかく、合成ガスの温度は、加熱した酸素欠乏空気のリジェクト流を900℃以上の温度まで確実に加熱するのに十分に高いことが好ましい。
【0025】
或いは、又は更に、本発明のプロセスは、前記少なくとも一部膨張した酸素欠乏空気のリジェクト流を用いて蒸気を発生させることを含むことができる。蒸気を用い、蒸気タービンによって更なる発電を行うことができる。従って、発電ステージは複合サイクルとして構成することができる。複合サイクルにおいては、熱はブレイトンサイクル(いわゆるトッピングサイクル)の膨張した作用流体から更なる電力サイクル(いわゆるボトミングサイクル)の作用流体へ伝達する。通常、ボトミングサイクルはランキンサイクルであり、通常は蒸気を作用流体として用いる。複合サイクル電力システムは、単独ブレイトンサイクルと比べて効率が上がることが知られている。
【0026】
発電ステージを複合サイクルとして構成する場合、ランキンサイクルも、その作用流体を再加熱及び/又は過熱する段階を含むように改変して、効率を更に上げることができる。再加熱や過熱は合成ガスの使用又は核熱の利用、或いは燃料ガスを燃焼させて行うことができる。
【0027】
発電ステージを複合サイクルとして構成する場合、蒸気を作用流体として用い、発生させた蒸気の一部をプロセスの加熱に向けて、本発明のプロセスを合成ガス、電力及び熱を共生産するためのプロセスとすることができる。或いは、合成ガスを利用する設備で発生させたプロセス蒸気をランキンサイクルに供給して発電を補完することができる。
【0028】
空気の圧縮は、合成ガス生成目的用の空気分離ステージで主に酸素から成るパーミエート流を発生させるために必要なものに加えて空気を圧縮できる規模の一以上のエアコンプレッサにおいて行うことができる。更なる圧縮空気は通常、イオン輸送膜ユニットを迂回させ、加熱した後、更なる発電に用いる。
【0029】
更なる圧縮空気は、核反応ステージ及び/又は合成ガスから熱を受け取ることができる。通常、更なる圧縮空気は加熱した後に膨張させて発電を行う。
【0030】
或いは、燃料ガスを更なる圧縮空気で燃焼させて燃焼ガスとし、燃焼ガスを膨張させて発電を行う。更なる圧縮空気は、先ず酸素欠乏空気のリジェクト流及び燃料と混合し、その後、混合物を燃焼させて燃焼ガスとし、次に燃焼ガスをガス膨張タービンによって膨張させて発電を行う。このような場合、本発明のプロセスは、先ず更なる圧縮空気と酸素欠乏空気のリジェクト流を混合することと、次に合成ガスを用いて混合物を加熱した後、加熱した混合物を燃焼用燃料ガスと混合することとを含むことが好ましい。
【0031】
主に酸素から成るパーミエート流は、イオン輸送膜ユニットにおける圧力差に起因して、圧力が低下することは理解されよう。従って、本発明のプロセスは通常、主に酸素から成るパーミエート流を再圧縮して、合成ガス生成ステージでの使用に適した圧力にすることを含む。
【0032】
本発明のプロセスは、炭化水素合成ステージにおいて、合成ガス生成ステージで生成した合成ガスから炭化水素を製造することを含むことができる。このような炭化水素合成の例としては、メタノール合成やフィッシャー−トロプシュ合成が挙げられる。合成ガス生成ステージでは、プロセスユニットに亘る圧力損失を考慮に入れて、十分に高い圧力で合成ガスを生成し、炭化水素合成を適切に高い圧力で行えるようにする必要がある。通常、合成ガスの圧力は約40bar(g)〜約50bar(g)(例えば、約45bar(g))である。
【0033】
合成ガスからの炭化水素の合成は、従来の如何なる方法によっても行うことができる。通常、合成ガスからの炭化水素の合成としては、一以上のフィッシャー−トロプシュ炭化水素合成ステージを用いたフィッシャー−トロプシュ合成が挙げられ、一以上の炭化水素生成物流とCO2、CO及びH2を含むフィッシャー−トロプシュ排ガスとが生成する。
【0034】
一以上のフィッシャー−トロプシュ炭化水素合成ステージには、如何なる適切な反応器(例えば、一以上の固定床反応器やスラリー床反応器、沸騰床反応器、乾燥粉末流動床反応器)をも設けることができる。反応器内の圧力は1bar(g)〜100bar(g)とすることができるが、通常は45bar(g)未満であり、温度は160℃〜380℃とすることができる。
【0035】
一以上のフィッシャー−トロプシュ炭化水素合成ステージは、280℃未満の温度で実施される低温フィッシャー−トロプシュ炭化水素合成ステージとすることができる。通常、このような低温フィッシャー−トロプシュ炭化水素合成ステージにおいては、炭化水素合成ステージは160℃〜280℃の温度、好ましくは220℃〜260℃(例えば、約250℃)で実施される。従って、このような低温フィッシャー−トロプシュ炭化水素合成ステージは、10〜50bar(g)の範囲(通常は45bar(g)未満)の所定操作圧力で実施される高鎖成長(high chain growth)の(通常はスラリー床の)反応ステージである。
【0036】
一以上のフィッシャー−トロプシュ炭化水素合成ステージは、少なくとも320℃の温度で実施される高温フィッシャー−トロプシュ炭化水素合成ステージとすることもできる。通常、このような高温フィッシャー−トロプシュ炭化水素合成ステージは、320℃〜380℃の温度(例えば、約350℃)及び10〜50bar(g)の範囲(通常は45bar(g)未満)の操作圧力で実施される。このような高温フィッシャー−トロプシュ炭化水素合成ステージは、通常二相流動床反応器を用いる低鎖成長(low chain growth)の反応ステージである。スラリー床反応器で連続液状生成物相を維持する能力によって特徴付けられ得る低温フィッシャー−トロプシュ炭化水素合成ステージとは対照的に、高温フィッシャー−トロプシュ炭化水素合成ステージでは、流動床反応器で連続液状生成物相を生成させることができない。
【0037】
合成ガス生成ステージは、固体炭素原料(例えば、石炭)をガス化するガス化ステージとすることができる。従来の如何なるガス化技術も用いることができるが、流出ガス温度が少なくとも900℃のガス化装置を用いることが好ましい。或いは、合成ガス生成ステージは、ガス状炭化水素原料(例えば、天然ガスや随伴ガス)を改質する改質ステージとすることもできる。従来の如何なる改質技術も用いることができる。
【0038】
本発明のプロセスは、高温合成ガスから酸素欠乏空気のリジェクト流へ熱を伝達させた後に合成ガスを更に冷却することを含むことができる。このように、合成ガスを合成ガスの更なる処理(例えば、前記炭化水素合成ステージ)に適した温度まで冷却することができる。合成ガスの更なる冷却は蒸気の発生を伴うことがある。
【0039】
以下、添付の概略図面を参照しつつ、例を挙げて本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る合成ガスと電力を共生産するためのプロセスの一実施形態を示す。
【図2】本発明に係る合成ガスと電力を処理するためのプロセスの他のより複雑な実施形態を示す。
【図3】本発明に係る合成ガスと電力と熱を生産するためのプロセスの別の実施形態を示す。
【図4】本発明に係る合成ガスと電力を共生産するためのプロセスの更なる実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1において、符号10は本発明に係る合成ガスと電力を共生産するためのプロセスの全体を示す。プロセス10は、合成ガス生成ステージ12と、核反応ステージ14と、少なくとも1個のイオン輸送膜16.1を含む空気分離ステージ16を含む。
【0042】
プロセス10には、エアコンプレッサ18、エアヒータ20、酸素コンプレッサ22、合成ガスクーラ24、合成ガス廃熱ボイラ26、ガスタービンエキスパンダ28及び炭化水素合成ステージ30が更に含まれる。
【0043】
核反応ステージ14では高温ガス冷却核リアクタ32を用いるが、ガス状冷却剤としてのヘリウムが高温ガス冷却核リアクタ32内を循環する。核反応ステージ14は、閉ヘリウムサイクル34において70bar(g)の圧力のヘリウムで実施される通常又は従来の高温ガス冷却核反応ステージとすることができる。図中、核反応ステージ14は非常に簡略化して示しており、このような通常の核反応ステージの詳細の大部分は示されていない。しかし、閉ヘリウムサイクル34内のヘリウムは、エアヒータ20に入る際に約900℃の温度となるのに十分な温度まで高温ガス冷却核リアクタ32内で加熱されることを注意されたい。
【0044】
空気流36はエアコンプレッサ18に吸引され、約15bar(g)の圧力まで圧縮されて、圧縮空気流38が生成する。エアヒータ20においては、熱は、間接的な熱伝達によって核反応ステージ14の閉ヘリウムサイクル34から圧縮空気流38へ伝達され、約700℃以上の温度の加熱圧縮空気流40が生成する。しかし、加熱圧縮空気流40はより高い温度(例えば、約850℃)であることが好ましい。
【0045】
加熱圧縮空気流40は、空気分離ステージ16でイオン輸送膜16.1によって分離され、主に酸素から成る(即ち、通常は酸素が少なくとも約98体積%の)パーミエート流42と酸素欠乏空気のリジェクト流44が生成する。酸素欠乏空気のリジェクト流44は加熱圧縮空気流40と実質的に同じ圧力(即ち、約15bar(g)からエアヒータ20及び空気分離ステージ16における圧力損失を差し引いた値)であることは理解されよう。
【0046】
パーミエート流42は、圧力が約1bar(g)であり、先ずパーミエート流クーラ43で冷却した後、酸素コンプレッサ22で圧縮して、合成ガス生成ステージ12で用いるのに適した圧力とする。通常、パーミエート流42は、約40bar(g)〜約50bar(g)の圧力(例えば、約45bar(g))まで圧縮する。
【0047】
合成ガス生成ステージ12においては、パーミエート流42由来の酸素の存在下、及び蒸気供給装置48から供給される蒸気の存在下で石炭供給装置46から供給される石炭をガス化して高温合成ガス50を製造する。高温合成ガス50は温度が少なくとも900℃である。
【0048】
本発明のプロセスは、高温合成ガス50の製造に用いる特定の技術には限定されないが、唯一の要件は、高温合成ガス50が十分に高い温度(例えば、900℃以上の温度)でなければならないことである。従って、合成ガス生成ステージ12では、図1に示すように、例えば、粉炭高温ガス化装置を用い、酸素及び蒸気を用いたガス化によって石炭から合成ガスを製造することができ、或いは、合成ガス生成ステージ12は、メタンを酸素又は蒸気で改質する改質ステージとすることができる。また、合成ガス生成ステージ12は、自己熱改質ステージとすることもできる。しかし、これらの技術全てにおいては、酸素が必要であり、プロセス10の場合には、一旦酸素コンプレッサ22で圧縮されれば、パーミエート流42によって提供される。
【0049】
高温合成ガス50は間接的熱伝達によって合成ガスクーラ24で冷却され、これによって、酸素欠乏空気のリジェクト流44が加熱される。高温合成ガス50は温度が約1300℃であり、リジェクト流44は約1200℃の温度まで加熱することが好ましい。こうして、酸素欠乏空気の加熱リジェクト流52が得られる。温度が約1200℃、圧力が約15bar(g)の加熱リジェクト流52を用いて発電できることは理解されよう。加熱リジェクト流52をガスタービンエキスパンダ28で膨張させて、少なくとも一部膨張した酸素欠乏空気のリジェクト流54を生成させる。ガスタービンエキスパンダ28を用い、発電機56を駆動させて発電を行う。
【0050】
高温合成ガス50は合成ガスクーラ24で冷却する。冷却合成ガス58は合成ガス廃熱ボイラ26に供給され、そこで更に冷却した後、冷却合成ガス58は炭化水素合成ステージ30に供給される。合成ガス廃熱ボイラ26は、ボイラ供給水60を受け取り、蒸気62が発生するが、これは発電に用いることもでき、又はプロセスの目的に用いる(例えば、蒸気供給装置48として合成ガス生成ステージ12で用いる)こともできる。
【0051】
炭化水素合成ステージ30は、合成ガスを用いて炭化水素64を合成する如何なる炭化水素合成ステージとすることもできる。例えば、炭化水素合成ステージは、メタノール合成ステージであってもよく、フィッシャー−トロプシュ炭化水素合成ステージであってもよい。
【0052】
図2において、符号100は、本発明に係る合成ガスと電力を共生産するためのプロセスの他の実施形態を示す。プロセス100はプロセス10と同様であり、特に明記しない限り、プロセス10に関して用いたものと同一の符号をプロセス100に関しても用い、同一又は同様のプロセスの特徴を示す。
【0053】
プロセス100では、ブレイトン電力サイクルの作用流体(即ち、リジェクト流44)の再加熱を用いる。従って、プロセス100は、リジェクト流再加熱器104と、他のガスタービンエキスパンダ106とを有する。高温合成ガス50は2個の流れに分かれ、1個は合成ガスクーラ24へと流れ、もう1個はリジェクト流再加熱器104へと流れた後、再結合し、炭化水素合成ステージ30に入る。
【0054】
プロセス100では、加熱リジェクト流52を複数のステージで膨張させるが、先ずガスタービンエキスパンダ28によって膨張させた後、ガスタービンエキスパンダ106によって膨張させて膨張リジェクト流108が生成する。高温合成ガス流50の内の1個を用いてガスタービンエキスパンダ28から得た少なくとも一部膨張したリジェクト流54を再加熱した後、少なくとも一部膨張したリジェクト流54をガスタービンエキスパンダ106で膨張させる。
【0055】
図2に示すように、ガスタービンエキスパンダ106を用いてエアコンプレッサ18を駆動することができる。このような駆動装置では通常、ガスタービンエキスパンダ106とエアコンプレッサ18との間で直接の機械的結合を利用する。
【0056】
再加熱器104を用い、複数のステージで加熱リジェクト流52を膨張させることによって、プロセス100のブレイトン電力サイクルの効率が上がる。
【0057】
図3において、符号200は、本発明に係る合成ガスと電力と熱を共生産するためのプロセスの別の実施形態を示す。この場合も、プロセス200とプロセス10との間には多くの類似性があるため、可能な限り同一の符号を用いて同一のプロセスの特徴を示す。
【0058】
プロセス200には、ボイラ206、過熱器208、蒸気タービン202及び蒸気復水器204が含まれる。蒸気タービン202、復水器204、ボイラ206及び過熱器208は、ブレイトントッピングサイクルと共に作動して蒸気(即ち、熱)と電力を産生するランキンボトミングサイクルの一部を構成するが、ここで、ブレイトントッピングサイクルには、エアヒータ20、合成ガスクーラ24及びガスタービンエキスパンダ28が含まれる。
【0059】
プロセス200においては、少なくとも一部膨張したリジェクト流54をボイラ206で冷却して蒸気210と冷却リジェクト流211が生成する。蒸気210は、冷却合成ガス58による間接的な熱伝達によって過熱器208で過熱して過熱蒸気212を発生する。過熱蒸気212の一部は蒸気タービン202を通過させて発電を行う。この一部の蒸気は蒸気復水器204で十分に凝縮させ、凝縮液214はボイラ206に戻す。ボイラ補給水216を凝集液214に添加する。符号218で示すように、過熱蒸気212の一部を回収し、プロセスの目的(例えば、プロセスの加熱)に用いる。
【0060】
また、図3に示すように、エアコンプレッサ18の規模は、パーミエート流42を生成させるために必要なものに加えて空気を圧縮できる(即ち、合成ガス生成ステージ12で必要な酸素に加えて空気を圧縮できる)程度である。更なる圧縮空気は空気分離ステージ16を通過しないが、エアヒータ20で加熱する。換言すると、加熱圧縮空気流40の迂回流220は空気分離ステージ16を迂回する。この迂回流220を用い、ガスタービンエキスパンダ28で更なる発電を行う。
【0061】
図4は、本発明に係る合成ガスと電力を共生産するためのプロセスの更なる実施形態を示し、該プロセス全体を符号300で示す。図2及び3の場合と同様に、特に明記しない限り、図4でも図1で用いたものと同一の符号を用いて同一又は同様のプロセスの特徴を示す。
【0062】
プロセス200の場合と同様に、プロセス300においては、エアコンプレッサ18の規模は、合成ガス生成ステージ12へ酸素を供給するパーミエート流42を発生させるために必要なものに加えて空気を圧縮できる程度である。また、更なる圧縮空気はエアヒータ20で加熱した後、迂回流302として空気分離ステージ16を迂回し、リジェクト流44と結合する。約850℃の温度の結合高温ガス流304は次に合成ガスクーラ24を通過し、約1200℃の温度まで加熱する。合成ガスクーラ24から得た加熱結合高温ガス流306は燃焼器308に供給され、ここで加熱結合高温ガス流306を燃料ガス310と混合する。この混合物を燃焼器308で燃焼して燃焼ガス312を生成し、これを次にガスタービンエキスパンダ314によって膨張させて更なる発電を行う。
【0063】
上述のように、本発明のプロセスの特段の利点は、該プロセスが発電用に十分確立した技術(即ち、エアコンプレッサやガスタービン)に基づくと共に、核関連の熱を用いる好ましい実施形態の場合には可能な限り完全に従来の核反応ステージに基づく点である。また、1サイクルで核反応ステージからの熱と高温合成ガスから得られる熱の両方を用いるため、単独型の原子炉や高温合成ガスの冷却に用いる単独型の蒸気生成システムとは対照的に、発電に要する規模の点で経済性がある。
【0064】
上述のように、本発明のプロセスによって、複数の問題、即ち、核エネルギーを合成ガス製造プロセスと統合する機会がないと思われる点;高温合成ガスを用いた(即ち、この900℃を超える温度で得られる熱をITM酸素プロセスから生じる高温加圧酸素欠乏流と合わせて、この流から抽出可能なエネルギーを更に増加させることによる)蒸気生成に伴う大きな温度差駆動力;酸素生成用の従来の深冷空気分離ユニットに必要な大電力;ITMシステムに必要な加熱;及び大規模な化学製品生成用の合成ガス製造プロセスに伴う二酸化炭素排出の諸問題に対する解決策が得られる。二酸化炭素排出の削減は、熱効率の改善や従来の炭素を利用した電力及び熱産生施設に代えて非炭素源(即ち、核エネルギー)を用いることによってもたらされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成ガスと電力を共生産するためのプロセスであって、
合成ガス生成ステージにおいて、炭化水素原料を酸素と反応させて少なくともCOとH2を含む第1の温度の合成ガスを製造することと、
空気分離ステージにおいて、少なくとも1個のイオン輸送膜ユニットによって圧縮空気流から空気を分離して、主に酸素から成るパーミエート流と、第1の温度よりも低い第2の温度の酸素欠乏空気のリジェクト流を発生させることと、
合成ガスを用いて酸素欠乏空気のリジェクト流を間接的に加熱し、前記加熱した酸素欠乏空気のリジェクト流を少なくとも1個のタービンによって少なくとも一部膨張させて発電を行い、少なくとも一部膨張した酸素欠乏空気のリジェクト流を発生させることと、
主に酸素から成るパーミエート流の少なくとも一部を合成ガス生成ステージに供給することにより合成ガス生成用の酸素を提供することとを含むプロセス。
【請求項2】
合成ガス生成ステージで製造した合成ガスは900℃以上の温度であり、酸素欠乏空気のリジェクト流は600℃以上の温度で得られるが、合成ガス生成ステージで製造した合成ガスの温度よりも低い、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
圧縮空気流を空気分離ステージで分離する前に、少なくとも核反応ステージからの熱を伝達することによって圧縮空気流を700℃以上の温度まで加熱することを含む、請求項1又は請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
発電の効率を上げるために、前記少なくとも1個のタービンで酸素欠乏空気のリジェクト流を一部膨張させた後、酸素欠乏空気のリジェクト流を少なくとも1回再加熱することと、再加熱した酸素欠乏空気のリジェクト流を少なくとも1個の更なるタービンで更に膨張させることとを含む、請求項1〜3のいずれかに記載のプロセス。
【請求項5】
前記少なくとも一部膨張した酸素欠乏空気のリジェクト流を、圧縮空気流との熱伝達の関係において、発電に用いた後に冷却することを含む、請求項1〜4のいずれかに記載のプロセス。
【請求項6】
合成ガスの温度は、加熱した酸素欠乏空気のリジェクト流を900℃以上の温度まで確実に加熱するために十分に高い、請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
【請求項7】
空気の圧縮は、合成ガス生成目的用の空気分離ステージで主に酸素から成るパーミエート流を発生させるために必要なものに加えて空気を圧縮できる規模の一以上のエアコンプレッサにおいて行い、更なる圧縮空気はイオン輸送膜ユニットを迂回させ、加熱した後、更なる発電に用いる、請求項1〜7のいずれかに記載のプロセス。
【請求項8】
更なる圧縮空気は核反応ステージ及び/又は合成ガスから熱を受け取る、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
燃料ガスを更なる圧縮空気で燃焼させて燃焼ガスを発生させ、燃焼ガスを膨張させて発電を行う、請求項7に記載のプロセス。
【請求項10】
更なる圧縮空気は、先ず酸素欠乏空気のリジェクト流及び燃料と混合させ、その後、混合物を燃焼させて燃焼ガスを発生させ、次に燃焼ガスをガス膨張タービンによって膨張させて発電を行う、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
炭化水素合成ステージにおいて、合成ガス生成ステージで製造した合成ガスから炭化水素を製造することを含む、請求項1〜10のいずれかに記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−527395(P2012−527395A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511397(P2012−511397)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052235
【国際公開番号】WO2010/134037
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(500159211)サソール テクノロジー(プロプライエタリー)リミテッド (25)
【Fターム(参考)】