説明

合成ガスを介してバイオマスをエタノールに変換するための方法

合成用ガスを介した合成経路を使用してエタノールを合成する方法及び装置が開示される。流動層及び合成用ガスの燃焼からの高温燃焼排ガスを使用した加熱を使用した蒸気ガス化器中でバイオマス等、バイオマスをガス化する方法及び装置が説明される。酢酸イリジウムを含む触媒を使用して一酸化炭素及び水素をエタノールに変換するための段階的触媒反応を使用して、合成用ガスをエタノールに変換する方法及び装置もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2006年4月5日出願の仮出願第60/789,067号明細書、及び2007年1月19日出願の仮出願第60/881,189号明細書の優先権を主張する。
【0002】
[技術分野]
本発明は、合成ガスのプロセスに関し、具体的にはバイオマスからエタノールを生成する方法に関する。このプロセスは、バイオマス材料からのエタノール(エチルアルコール)の生成に関する。エタノールの収率は、効果的な触媒ステップの選択により最大化される。
【0003】
[背景]
合成用ガス、又は「合成ガス」は、様々な量の酸化炭素(一酸化炭素等)及び水素を含有する混合ガスに対して与えられる名前である。この名前は、合成天然ガス、アンモニア、メチルアルコール(メタノール)、又は燃料の形成におけるその中間体としての使用に由来する。
【0004】
合成ガスは、例えば、加熱バルブを使用した炭素含有燃料のガス状生成物へのガス化,例えば石炭、バイオマス又は都市廃棄物のガス化等、多くの手法で発生させることができる。他の例としては、天然ガス、様々な源からのメタン、又は液体炭化水素の蒸気改質が挙げられる。合成ガスは可燃性であり、燃料源として、又は他の化学物質を生成するための中間体として使用されることが多い。また、合成ガスは、フィッシャートロプシュ触媒を使用した、燃料又は潤滑油用の合成石油の触媒を介した生成における中間体としても使用される。燃料としての使用のための合成ガスは、ほとんどの場合石炭又は都市廃棄物のガス化により生成される。
【0005】
水素及びアンモニアの大規模工業合成において中間体として使用される場合、合成ガスは(蒸気改質反応を介して)天然ガスからも生成される。大型の廃棄物エネルギーガス化設備で生成された合成ガスは、発電用の燃料として使用される。石炭ガス化プロセスは適度に効率的であり、電気が広く利用可能となる前は街灯や家庭の照明用の「灯用」ガス、又は石炭ガスとして従来知られたガスの製造に、何年もの間使用された。
【0006】
合成用ガスは、メタノールを生成するために広く使用されている。石炭からの合成用ガスは、数々の化学物質のアレイを生成するためにも使用される。「フィッシャートロプシュ燃料」と呼ばれるディーゼル燃料のクラスを生成するために触媒されることが可能である。
【0007】
近年、合成用ガスをエタノール及び酢酸の混合物に変換するよう特化された細菌が開発されている。エタノールへの化学経路は、これらの一段階プロセスでは効率的ではない。
【0008】
発酵又は他の生物学的プロセスを使用してバイオマスから直接エタノールを合成する数多くの方法も開示されている。これらのプロセスは、バイオマスに含有されるセルロースからエタノールを生成するために使用されているが、そのようなプロセスは、特に,リグノセルロース系バイオマスに含有されるリグニンを有用な生成物に変換する能力がないことにより大きな制限を受けている。
【0009】
本願では、精製及び水除去をほとんど必要とすることなく、合成用ガスを効率的にエタノールに変換するプロセスが開示される。このエタノールは、工業的使用のための代替燃料、化学的前駆体、又は医薬品若しくは飲料の添加物として適している。
【0010】
エチルアルコール(エタノール)は、飲料、工業プロセス、及びより最近では、ガソリンよりもきれいな燃焼を行う燃焼機関用の燃料として使用される広範な生成物である。
【0011】
エタノールの世界的需要が非常に高まっており、現在の北アメリカにおける燃料添加剤としての大規模な使用の試みにより、その需要は驚異的に増加するであろうことから、バイオマス全体を利用したプロセスが世界的なエタノールの生産能力を増加させるものと考えられる。
【0012】
本発明は、バイオマス材料から生成される合成用ガスを効率的にエタノールに変換することができる方法について説明する。
【0013】
[発明の開示]
本発明は、
合成ガスを提供するステップと、
前記合成ガスをメタノールに変換して、メタノール、一酸化炭素及び水素を生成するステップと、
触媒及び促進剤を、前記メタノール、一酸化炭素、及び水素と反応させて、酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸、及び水を含む混合物を生成するステップと、
前記混合物を分離して、促進剤、酢酸メチル及びメタノールの混合物、並びに酢酸及び水の混合物に分離するステップと、
前記酢酸メチル及びメタノールの混合物に水素を加え、該混合物を水素化触媒を用いて反応させてエタノールを生成するステップと
を含む、合成ガスからエタノールを生成する方法である。
【0014】
合成ガスをエタノールに変換する他のプロセスが開示される。合成ガスをメタノール、一酸化炭素、及び水素の混合物に変換し、触媒を使用してメタノール及び一酸化炭素の混合物を反応させて酢酸及び一酸化炭素を生成し、触媒の存在下で酢酸をエタノールと反応させて酢酸エチル及び水を含む混合物を生成し、水素化触媒を使用して酢酸エチルを水素と反応させてエタノールを生成する。
【0015】
バイオマス材料から生成された合成用ガス(合成ガス)をエチルアルコールに変換するプロセスが開示される。蒸気ガス化器中でバイオマスをガス化して合成ガスを生成し、該合成ガスを圧縮して1種又は複数種の触媒を用いて反応させてエタノールを生成する。本発明におけるバイオマスガス化器は、分配用プレートである底部及び管を有する箱型の槽であり、流動層を加熱するように前記管が高温ガスを運搬する。各触媒ステップは、利用可能な最善の方法を使用して達成され、触媒、槽、並びに適切な熱及び圧力を必要とする触媒ステップである。
【0016】
流動層による蒸気ガス化を使用して乾燥バイオマスから合成用ガスを生成する方法が開示される。層は床部用の分配プレートを有する箱状槽内にあり、高温ガスが管を通して送達され、バイオマスが注入されて合成ガスにガス化される。本発明のさらなる実施形態では、ガス化プロセスは、第2の空気吹きガス化器中で生成された低BTU合成用ガスの燃焼により加熱される。
【0017】
また、合成用ガスからエタノールを生成するための装置も開示され、該装置は、メタノール反応器と、金属触媒を有する酢酸メチル反応器と、酢酸メチル、酢酸、水素、及びヨウ化メチルを分離するための蒸留装置と、メタノールを生成するエタノール反応器とを含む。本発明のさらなる実施形態において、エタノールを生成するための装置は、燃料として、乾燥バイオマスを有する流動層を有する蒸気ガス化器からの合成用ガスを受ける。
【0018】
また、バイオマスからエタノールを生成する方法も開示され、該方法は、合成ガスを提供するステップと、前記合成ガスを、メタノールを含有する混合物に変換するステップと、メタノールを含む該混合物を反応させて酢酸メチル及びメタノールを含む混合物を得るステップと、酢酸メチル及びメタノールを含む該混合物を水素と反応させてエタノールを生成するステップとを含む。
【0019】
本発明の上述の特徴は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解される。
【0020】
[具体的な実施形態の詳細な説明]
定義。本明細書及び添付の請求項において使用される場合、以下の用語は、文脈上他の意味が必要とされない限り、指定された意味を有するものとする。
【0021】
本明細書で使用される場合、「備える」及び「備えている」という用語は、限定的ではなく、包含的で非制限的であると解釈される。具体的には、請求項を含む本明細書で使用される場合、「備える」及び「備えている」という用語、並びにそれらの変形は、特定の特徴、ステップ、又は構成要素が含まれることを意味する。これらの用語は、他の特徴、ステップ、又は構成要素の存在を除外するようには解釈されない。
【0022】
第1の好ましい実施形態として、バイオマスはエタノールに変換される。図1Aを参照すると、バイオマス処理機器101及び乾燥器102がプロセスの第1ステップにある。バイオマス処理機器101、例えばグラインダは、原料バイオマスを受けてガス化に適した大きさに加工する。ほとんどの場合、バイオマスは2インチ以下の寸法の立方体に切断、粉砕、寸断、又は切削されなければならない。
【0023】
このバイオマスは、加圧蒸気乾燥器102、例えばBMA(Niro)から供給されている蒸気乾燥器を使用して、30%から1%(好ましくは20%以下)の水分まで乾燥することができる。乾燥器102は、約275kPa(225kPaから325kPaの範囲)の圧力の蒸気を生成する。30%未満の水分の乾燥バイオマスは、次いでコンベヤを介して乾燥原材料貯蔵所(図示せず)に排出される。
【0024】
湿潤バイオマスからの水蒸気104は、蒸気乾燥器102から275kPaで回収され、蒸気ガス化器106への流動化蒸気105の供給のために過熱される。これは、蒸気ガス化器106を出る高温燃焼排ガス110により水蒸気が加熱される熱回収蒸気発生器103に水蒸気を通すことにより達成することができる。
【0025】
乾燥バイオマスの一部は、空気吹きガス化器107に供給され、低BTU合成ガス107aが生成される。この低BTU合成ガス107aは2つのサイクロン108a及び108bにおいて浄化され、あらゆる粒子状物質が除去され得る。浄化された低BTU合成ガス107bは、次いで低BTUガスバーナ109において燃焼され、高温燃焼排ガス110を生成する。この燃焼排ガスは、約1090℃(1000℃から1200℃の範囲)でバーナを出るが、内蔵熱交換器202を通して蒸気ガス化器106に加熱を提供する。代替の実施形態として、バーナ109は、メタン、埋立地ガス、天然ガス、又は、肥料若しくはバイオソリッドの嫌気性消化により生成されるメタン及び他の軽質炭化水素を含む、他の燃料を燃焼して燃焼排ガスを生成することができる。
【0026】
図3に示されるような、ここで利用される空気吹きガス化器の一実施形態は、フロリダ州クインシーの1日1000トンのガス化プラントにおいて商業的成功を示している。空気吹きガス化器は、炭素鋼等の金属外装及び内部の温度に耐えるために十分な耐熱性の内張りで構成された槽301とすることができる。一実施形態において、槽301は、垂直壁310及び天井306を有する円筒形の形状である。好ましい実施形態は、ドーム状の天井である。典型的な槽は、直径約8フィート、高さ約40フィートであるが、その設計は拡大又は縮小することができる。
【0027】
好ましい実施形態において、槽301は、その床部として分配プレート305を有し、また天井又は垂直壁310の上部に設けられた出口304を有する。反応器は、底部でケイ砂又は同様の材料の層303を有し、該ケイ砂は典型的には300ミクロンから400ミクロンの粒径を有する。ガス化器チャンバには層材料が搭載され、積載された燃料の最上部と天井との間には乾舷空間307が維持されている。
【0028】
分配プレート305は、穿孔された一連の孔を有し、各孔には(ネジ、溶接又はその他の確実な装着技術により)金属製キャップ付シリンダ309が取り付けられている。これらのシリンダのそれぞれは、プレート305の下のプレナム308から加圧された空気308aを引き込むように、底部では中空となっている。
【0029】
プレナム308は、加圧された空気が分配プレート305の下に供給されるチャンバである。典型的な実施形態では、プレナムは、分配プレート全体を包含し、空気進入口を有する逆ドーム形状のチャンバである。
【0030】
加圧された空気308aは分配用プレートの下のプレナムに導かれ、キャップ付シリンダ309を強制的に通されて層内に入り、層を流動化させる。分配プレート305上のシリンダの配置は、層全体にわたり均一に材料を流動化するように設計される。これを達成するために使用可能な構成は数多く存在する。1つの手法はプレート305上にシリンダ309を格子状パターンに設置することであるが、これは直線状、三角形、又は他のパターンであってもよい。
【0031】
また、空気吹きガス化器には、空気吹きガス化器の動作範囲である約750℃から900℃まで槽を加熱する始動バーナ302a、302b、及び302cを設けることができる。始動バーナ302a及び302bは、ガス化器の壁の外側に位置付けられてもよく、バーナ302cは直接層内に位置していてもよい。これらの始動バーナは、層がその動作温度に達すると停止され、層の温度は、乾燥バイオマス及び空気を槽に加えることにより維持される。空気吹きガス化器は、100kPaから175kPaの範囲で、大気圧又はその近傍で優先的に稼動される。
【0032】
バイオマスは、層が流動化されているときには乾燥バイオマスを層302の中央に供給し、層が流動化されていないときには層の上に供給する、テーパ状スクリューフィーダ303により空気ガス化槽301に供給することができる。テーパ状スクリューフィーダ311は、バイオマスがスクリューを通過するにつれて圧密され、その結果その槽内への開口部付近に槽への逆圧を防ぐ木の栓311aが形成されるように設計される。
【0033】
層303は、流動化されたときに、低BTU合成ガスによりケイ砂等のいずれの層材料も出口304から流出しないように、十分な乾舷空間307を維持するように天井306より下のレベルに維持される。理想的には、槽の状態は、生成された排出ガスが出口から出る前に乾舷空間内に少なくとも2秒間(1秒から5秒の範囲)の滞留時間を有するように維持される。直径8フィート、高さ40フィートの典型的な実施形態においては、層は、流動化されたときには15フィート未満、静止した状態では6フィート未満の高さを有する。
【0034】
図1Aに示される好ましいシステムの実施形態に戻ると、バーナ109により生成された燃焼排ガス110は、蒸気ガス化器106の内蔵熱交換器202に移送される。
【0035】
バイオマス蒸気ガス化器106の好ましい実施形態は、図2に示されるような独自の流動層システムである。反応器の設計は、壁210及び天井206を有する箱型の槽201であり、典型的な実施形態は、長さ20フィート、幅10フィート、及び高さ30フィートから40フィートであるが、他の多くの構成及び縮尺が可能である。分配プレート205は床部である。典型的な実施形態では、天井206はドーム形状又は半円筒形状である。分配用プレート205には孔が穿孔されており、該孔には、分配プレートの面に平行な方向に分配プレート205の下のプレナム208から層203内に蒸気を引き込むことができる、キャップ付シリンダ209が設置されている。空気吹きガス化器のように、これらのキャップ付シリンダは、分配プレートの下の空間と連通する中空の入口を有し、シリンダの長手方向軸を横断する1つ又は複数の出口孔を有する。この実施形態において、500℃から600℃の範囲に過熱された蒸気は、分配プレートの下のプレナム208に強制的に押し込まれ、層を均一に流動化するように、キャップ付シリンダ209から層203内に強制的に押し出される。他の実施形態において、非過熱蒸気を使用して層を流動化しガス化を促進することができる。キャップ付シリンダは、分配プレートの開口部に、ネジ留めされるか、溶接されるか、又はその他の手法で確実に装着され得る。
【0036】
プレナム208は、過熱蒸気が分配プレートの下に供給されるチャンバである。典型的な実施形態では、プレナムは、分配プレート全体を包含し、蒸気進入口を有する逆ドーム形状のチャンバである。
【0037】
空気吹きガス化器又は蒸気ガス化器において使用可能なそのようなシリンダの例は、図5における分配用プレート及びプレナムの断面図に見ることができる。プレート503は、該プレートに装着されるシリンダ501により満たされるギャップを有する。典型的には、シリンダ501は約6インチの長さを有し、そのうち1インチから4インチが分配プレートの上に出るように装着される。分配プレートは概して炭素鋼で構成され、約1/2インチの厚さを有する。この実施形態におけるシリンダは、ネジ山502を使用して装着されているが、溶接等の他の装着手法も使用可能である。シリンダは、シリンダにネジ留めされたキャップ506を有する。プレート503の下は、それを介して過熱蒸気又は空気がシリンダに分配されるプレナム508である。蒸気又は空気は、シリンダを通して中空領域505に進入する。この中空領域は、1/4インチから1インチの範囲、好ましくは1/2インチの内径を有する。この中空は、分配プレート505の面に平行な方向に蒸気又は空気が層507内へ通ることができるように、シリンダの軸を横断するように穿孔された1つ又は複数の小出口孔506へと導かれている。この実施形態において、シリンダのキャップ509、ひいては出口孔506は、分配プレート503の上方1インチから5インチのいずれにも延在する。好ましい実施形態における出口孔は、1/16インチから1/4インチの間の内径を有する。ガスの流出を絞ることにより、シリンダは層材料を流動化するために十分な力を提供する。
【0038】
図2に戻ると、層203は、鉱物、例えば粒状ケイ砂及び/若しくはドロマイト(タール形成を阻止する)若しくはかんらん石、又はそれらの組合せからなり、またケイ砂を槽中の適所に保持するためにセラミック球を層の上に有してもよい。バイオマス原料は、テーパ状スクリューフィーダ211を使用して蒸気ガス化器の層203に注入される。そのバイオマスを圧縮する作用により、該テーパ状スクリューフィーダはその出口でバイオマスの栓211aを生成するが、これは槽201への空気の進入を防止し、槽内のガスからの逆圧を防止する。プロセス全体において、窒素が関与する望ましくない化学反応を防止するために、バイオマスが実質的に空気を含まないことが重要である。このスクリューフィーダは、層が流動化されているときにはバイオマスが層の中央に注入され、層が流動化されていないときには層203の上に注入されるように位置付けられる。
【0039】
層及び木材原料は、ガス化器槽が最適なレベルに維持されるように加えられる。層203と天井206との間の乾舷空間207の広さは、流動化されたときに層からの鉱物がいずれも槽から押し出されないようなレベルに維持される。理想的には、乾舷空間におけるガスの滞留時間は、1秒から5秒の範囲、好ましくは2秒である。滞留時間が長いと、水性ガスシフト(COをH2及びCO2に変換する)や蒸気改質等の反応が生じるようになり、したがって水素の出力が最大化される。プロセス全体において、窒素が関与する望ましくない化学反応を防止するために、バイオマスが実質的に空気を含まないことが重要である。
【0040】
熱回収蒸気発生器103から生じることができる500℃から600℃の間(好ましくは550℃)の温度まで加熱された過熱蒸気105は、分配プレート205の下のプレナム208を通って、またキャップ付シリンダ209を通って蒸気ガス化器の層に注入される。蒸気は、層を均一に流動化するために十分な圧力で注入される。非過熱蒸気を使用して層を流動化しガス化を促進することもできる。
【0041】
分配プレート205上のキャップ付シリンダ209の配向の例は、分配プレート205を上から見た図である図4に見ることができる。ボルト209がプレートの周りに格子状パターンに均一に配置されているが、これは、図示されるように、直線状、又は三角形、又はその他の規則的な配置であってもよい。典型的には、キャップ付シリンダは、互いに1インチから6インチの間、好ましくは2インチの距離だけ離れている。このように、層の全体の領域が均一に流動化される。空気吹きガス化器の分配プレート305についても、同様のパターンを使用することができる。
【0042】
図2に戻ると、層203は、流動層の軸を横切って延在し高温燃焼排ガス110(これは約1090℃(1000℃から1200℃の範囲)の温度でバーナを出て蒸気ガス化器の流動層203に向かう)からの熱を伝達する複数のステンレススチール管からなる、内蔵熱交換器202を通して加熱される。このように、層は約815℃(750℃から900℃の範囲)の温度に維持される。図2(側面図)において、熱交換管202がガス化器の長さにわたり延在し、バーナ109からの高温燃焼排ガスを運搬することが分かる。
【0043】
蒸気ガス化器の端面図である図2Aは、どのように管が層中に配置されるかを示す。管202は、槽201の幅を横切り延在する束202aとして配置されている。これらの束は、壁又は天井に係止され管を適所に維持する支持体202bにより互いに保持されている。管は、清掃及びメンテナンスのためにグループとしてガス化器から容易に取り外すことができるように支持体により互いに保持されている。管は、典型的にはステンレススチール又は同様の材料で構成される。管は、1/2インチから4インチの間、好ましくは1.5インチから3インチの間の内径を有する。
【0044】
好ましい実施形態において、管の束202aは管の列で構成され、管の端部から見ると管が互いに対し三角形の配置を形成するように、列は互い違いとなっている。この構成において、管は流動層の加熱を補助するだけでなく、層を通過するガスのフローも補助する。これは、上昇ガスが上向きに進む際に常に管表面に突き当たらなければならず、それにより大きな気泡が破壊されてより小さな気泡が形成され、層全体にわたりガスと層材料との混合が改善されることにより達成される。
【0045】
好ましい配置において、管の第1の束は、分配プレートで示される層の底部から約2フィートから4フィートの場所に設けられる。必要に応じて、第2の束が第1の束の上方2フィートから4フィートに設置され、(必要に応じて)第3の束が第2の束の上方2フィートから4フィートに設置される。必要な束の数は、槽の大きさ、熱伝達率、燃焼排ガス温度を含む、多くの要因に依存する。このように、流体層はその深さ全体にわたり加熱される。典型的な配置において、幅10フィートのガス化器槽が20個の管の列を有するように、列は管の中心が互いに約6インチ離れるように離間している。管の束は、上昇ガスの表面接触を最大化するように上述の通り互い違いとなったこれらの列の2個から6個のいずれを有してもよい。
【0046】
必要な管の数は、入口の燃焼排ガス温度に加え、バイオマスの性質、管及び層材料の熱伝達率、並びに所望の層温度に大きく依存する。必要な管の数は、図7に示されるように、管にストリップを挿入することにより減らすことができる。この図において、断面で示された管701が、管の長さにわたりらせん状パターンでねじれたストリップ702を含有することが分かる。この挿入されたストリップは、いかなる熱伝導性金属からでも作製することができ、管の熱伝達率を2倍から10倍増加させ、したがって適正な熱伝達に必要な管の数を減らすことができる。
【0047】
槽は、ほぼ大気圧(100kPaから175kPaの範囲)に維持される。バブコックアンドウィルコックス(Babcock & Wilcox)及びABB/コンバッションエンジニアリング(Combustion Engineering)社製等の多くの流動化石炭燃焼蒸気ボイラーが、蒸気を生成するために層内熱伝達管を使用している。存在するいかなる揮発性有機物も、蒸気ガス化器中で環境的に安全な成分に変換される。図2に戻ると、蒸気ガス化器により生成された合成ガス114は、815℃(750℃から900度の範囲)で天井206の出口206から出る。
【0048】
図1に戻ると、蒸気ガス化器106の内蔵熱交換器202を出る燃焼排ガス110(ここでは約815℃(750℃から900℃の範囲)である)は、図1Aに示されるように、熱回収蒸気発生器103に供給される。この発生器103は、燃焼排ガスにより提供される熱を使用して蒸気を生成し加熱する。この蒸気は、乾燥器から生じる蒸気104を使用して蒸気ガス化器のための過熱蒸気105を生成するために使用されてもよく、又は乾燥器102での使用のための中間圧力蒸気113を生成してもよい。或いは、又はそれに加えて、形成された蒸気は外部使用のために使用されてもよく、又は、蒸気改質器117若しくはメタノール反応器120等の後の合成ステップに使用されてもよい。
【0049】
合成用ガス114は出口206を通って蒸気ガス化器から出て、2つのサイクロン分離器111a及び111bを通過し、実質的に全ての粒子状物質が除去される。粒子を含まない合成ガスは、第2の熱回収蒸気発生器112で冷却されて追加のプロセス蒸気を生成する。このプロセス蒸気は、乾燥器113、蒸気ガス化器106用の蒸気、蒸気改質器117用の改質蒸気、又はメタノール反応器120用の水性ガスシフト蒸気として使用されてもよく、或いはプラント外部のプロセスに使用されてもよい。好ましい実施形態において、第2の発生器112により生成された蒸気112aは、第1の発生器103に送られてさらに加熱され、蒸気ガス化器106用の過熱蒸気となる。
【0050】
高温合成用ガスは、次いで洗浄装置113を通してさらに浄化される。これは、ベンチュリ型湿式洗浄器又は保護層又はそれらのいくつかの組合せを使用して達成することができる。洗浄は、合成ガスが粒子状物質を含まない状態に保たれ、合成シーケンスにおいて利用される触媒に対し有害となり得る化合物を含まない状態となるように行われる。特に、合成ガスは、硫黄、金属、及び窒素化合物を含んではならない。また、合成ガスの組成は、高い割合の一酸化炭素及び水素を含有し、二酸化炭素、メタン、及びその他の炭化水素を可能な限り含有しないことが望ましい。必要に応じて、合成ガスはまた、含まれる水分を除去するために乾燥されている。最後に、合成用ガスは、さらなる不純物を除去するために苛性洗浄器113a中で処理することができる。
【0051】
浄化されると、二酸化炭素、及びメタン等の低分子炭化水素がより少なく、主に一酸化炭素及び水素で構成される合成用ガスは、燃料としての、又は数多くの合成経路の出発原料としての使用に好適となる。
【0052】
このように生成された合成用ガスは、数多くの既知の合成経路を使用してエタノールを合成するために使用することができる。一実施形態において、このバイオマスガス化プロセスにより生成された合成用ガスをフィッシャートロプシュ型触媒と接触させてエタノール及び炭化水素生成物の混合物を生成し、そこから既知の技術を使用してエタノールを分離する。この実施形態で使用可能な触媒には、周知のコバルト及び鉄触媒が含まれるが、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化レニウム、炭化モリブデン等の他の化合物も含まれる。
【0053】
他の実施形態において、このバイオマスガス化プロセスにより生成された合成用ガスを触媒と接触させ、メタノール、一酸化炭素、及び水素の混合物を生成する。次いで、このメタノール、一酸化炭素、及び水素の混合物を、酢酸ルテニウム等のメタノールホモロゲーション触媒の存在下で反応させ、エタノールを含有する混合物を生成する。米国特許第4,954,665号、第4,133,966号、第4,111,837号、第4,233,466号、及び第4,239,924号明細書が、参照により本明細書に組み入れられる。
【0054】
このプロセスに使用可能な触媒のいくつかの例は、Ir(CO)12、IrCl3、ジカルボニルジアイオダイドロジウム、RhCl3、RhI3、RhI2(CO)2である。
【0055】
このさらなる実施形態の代替として、メタノール、一酸化炭素、及び水素の混合物を、カルボニル化触媒の存在下で反応させ、部分的に酢酸及び水素を含む混合物を生成する。カルボニル化触媒は、第VIII族金属をベースとした不均一系触媒でも均一系触媒でもよい。米国特許第5,488,143号明細書が参照により本明細書に組み入れられる。次いで酢酸及び水素をデグッサ(Degussa)触媒等の水素化触媒の存在下で反応させ、エタノールを生成する。
【0056】
他の代替例において、150℃から300℃の間の温度、及び6900kPaから17000kPaの圧力で合成ガスの混合物をハロゲン化ロジウム触媒を用いて反応させてアセトアルデヒドを生成することができ、次いでこれを水素化触媒と触媒接触させてエタノールを生成することができる。米国特許第4,482,647号明細書が参照により本明細書に組み入れられる。
【0057】
好ましい実施形態において、図1B及び1Cに示されるように、バイオマスのガス化により生成された合成用ガスは、蒸気を用いて改質され、メタノールに変換され、次いでカルボニル化により酢酸メチル(及びより少量の酢酸)に変換される。この酢酸メチルを水素化触媒の存在下で水素と反応させ、メタノール及びエタノールを生成する。
【0058】
浄化された合成用ガス流115(主にCO及びH、並びにより少量のCO及びメタン)は、プロセスにおけるエタノールの収率を最大化するためにさらに処理される。合成ガスは、圧縮器ユニット116を使用して2400〜3500kPaの間、好ましくは3200kPaの圧力まで圧縮され、熱交換器116bを使用して220℃から450℃の間の温度(好ましくは225℃)まで加熱される。この圧縮器は、全ての段階に中間冷却を有する4段階式往復圧縮器である。各段階で凝縮した水を除去するために、各段階には水分離器が装備されている。定格2240kWの2つの電気モータが圧縮器の原動力を供給する。このプロセスは、再循環、さらなる処理、又は廃棄のために蒸気から除去される凝縮液116aを生成する。
【0059】
次いで合成ガスは蒸気改質器117に進入し、該改質器は、蒸気の添加により、合成用ガス中に存在するメタン及び他の軽質炭化水素をさらなる一酸化炭素及び水素に変換する。蒸気改質は卑金属触媒の存在下で行われ、3200kPa[範囲:2900〜3500kPa]の圧力、及び225℃[範囲:220〜450℃]で作用する。蒸気改質は既知の技術であり、多くの既知の商業的設計から選択可能で、ハルダートプソー(Haldor Topsoe A/S)社、ルルギ(Lurgi AG)社、又はICI等のそのようなユニットの既知の製造者から購入することができる。この目的に適した触媒は、ニッケル及び/又はコバルト、マンガン−ジルコニウム酸化物を含む、周期表の第VIII族元素の周知の改質触媒を含む。米国特許第7,090,789号及び第7,074,347号明細書が参照により本明細書に組み入れられる。他の実施形態において、特定のバイオマス原料により生成される合成ガスの組成に依存して、蒸気改質器を使用する必要はない。
【0060】
この段階において、合成ガスの組成に依存して、プラキサイア(Praxair)社のエタノールアミン除去システム等の二酸化炭素除去システム119を使用し、合成ガスを二酸化炭素除去に供してもよい。この段階において、最新機器により達成可能な限りの二酸化炭素119aが合成ガスから除去され、状況に依存して、貯蔵所に送られるか、プロセスの他の箇所で利用されるか、又は大気中に放出される。他の実施形態において、この二酸化炭素除去ステップは、第2の圧縮ステップ118の後に行われる。
【0061】
蒸気改質器117から出ると、次いで合成ガスは4700kPaから5500kPaの間(好ましくは4900kPa)の圧力までさらに圧縮され、220℃から300℃の間(好ましくは225℃)の温度まで加熱され、いかなる凝縮液118aも、再循環、さらなる処理、又は廃棄のために除去される。圧縮器116と同様に、この圧縮器118は、全ての段階に中間冷却を有する4段階式往復圧縮器である。各段階で凝縮した水を除去するために、各段階には水分離器が装備されている。定格2240kWの2つの電気モータが圧縮器の原動力を供給する。熱交換器118aは、ガスを動作温度まで加熱するために使用される。
【0062】
この時点で、圧縮器116から出て行く圧縮合成ガス116aは、4900kPa[範囲:4700〜5500kPa]の圧力、及び225℃[範囲:220〜300℃]の温度であり、このとき合成ガスは第1の触媒ステップに最適な温度及び圧力にある。合成用ガスは、次いで化学反応シーケンスの第1ステップである合成ガスのメタノール120への変換に供給される。合成用ガスのメタノールへの変換は確立されたプロセスであり、気相反応又は液相反応を介して達成することができる。メタノールは一般に、天然ガスの蒸気改質により生成された合成用ガスから生成され、今日様々な施設で商業的に製造されている。
【0063】
メタノール反応器のこの実施形態においては、一酸化炭素及び水素をそれぞれ1:2の比率で結合させてメタノールを形成する。好ましい実施形態では、スラリー反応器が使用される。スラリーの実施形態において、メタノール反応器120は、エアプロダクツ(Air Products)社から入手可能な市販のメタノール反応器であり、市販製品の技術者を有するという付加的利益が提供されその性能が保証される。エアプロダクツ(Air Products)社製反応器プロセスは極めて効率的であり、テネシー州キングスポートにある、石炭からメタノールを製造する世界最大の施設において利用されている。好ましい実施形態において、反応器120は、内部の垂直管を有する垂直型槽である。メタノール反応器中の触媒は卑金属で構成され、4900kPa[範囲:4700〜5500kPa]の圧力、及び225℃[範囲:220〜300℃]で作用する。一実施形態は、不活性鉱物油中に懸濁したアルミナに担持された銅及び酸化亜鉛を含む。加圧合成用ガスは、鉱物油触媒を含有する槽に吹き込まれ、垂直型槽の上から排気される。好ましい実施形態において、槽に進入する合成用ガスはある程度のメタノールを含有する。この追加のメタノールは、エタノール反応器から回収された再循環メタノールにより提供される。米国特許第3,888,896号、第4,031,123号、第4,639,470号、第4,910,227号、第4,628,066号、第4,567,204号、及び第4,628,066号明細書が、参照により本明細書に組み入れられる。反応は発熱反応であるため、管内の蒸気の生成に冷却水が提供される。
【0064】
エアプロダクツ(Air Products)社から公表されている情報によれば、0.6から4.0の水素対一酸化炭素比を使用してメタノールを生成することができることが公開されている。メタノール反応器は、反応器内で20%から90%、典型的には40%から70%の範囲内の一酸化炭素からメタノールへの変換効率を提供することができる。
【0065】
このメタノール反応器の実施形態において、合成用ガスがメタノール反応器内に滞留している間、メタノール反応器に進入するガスに蒸気を加えることにより、また二酸化炭素を除去することにより、必要な水素濃度を調節することができる。このステップは、合成用ガス中の水素対二酸化炭素比がエタノールの高収率生成に最適ではない場合があるため望ましいものとなり得る。この実施形態において、メタノール触媒は、蒸気の存在下、一酸化炭素を水素及び二酸化炭素に変換し、したがって水素対一酸化炭素比を増加させる。この反応は、メタノール変換と同様の圧力及び温度条件下で生じ、一段階で完了することができることが知られている。米国特許第4,946,477号明細書は、この種のメタノール/シフト反応の組合せについて開示しており、参照により本明細書に組み入れられる。米国特許第4,980,145号明細書もまた参照により本明細書に組み入れられる。
【0066】
このメタノール反応及びシフト反応を組み合わせた実施形態において、水性ガスシフトにおいて形成された二酸化炭素を除去するために、メタノール反応器120の出口に二酸化炭素除去ユニット121が介在する。一酸化炭素を除去して供給される蒸気の量を制御することにより、またメタノール反応器127の入口に再循環されるメタノール及び水素の量を制御することにより、メタノール反応器の出口での水素濃度を制御することができる。
【0067】
メタノール反応器に関しては他の実施形態が存在する。例えば、不活性材料上に担持された触媒の充填固体層を使用し、合成ガスをこの充填層に通してもよい。そのような方法では、通常のメタノール触媒を使用することができる。
【0068】
他の実施形態において、代替の触媒を使用することができる。本発明のプロセスにおいて使用されるメタノール合成触媒は、銅、銀、亜鉛、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、ガリウム、パラジウム、オスミウム、及びジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素の酸化物を含むことができる。触媒は、酸化銅等の銅ベースの触媒であってもよい。プロセスは、銅ベースの触媒を使用してもよく、また、銀、亜鉛、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、ガリウム、パラジウム、オスミウム、及びジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素の酸化物も含む。
【0069】
この実施形態におけるメタノール、CO及び水素の混合物は、水性ガスシフト反応からの水蒸気も含有する可能性もあるが、メタノール反応器から酢酸メチル反応器122へ通過する。この実施形態の酢酸メチル反応器は、幅約1インチ(1/2インチから2インチの範囲)及び長さ約20フィート(15フィートから30フィートの範囲)の1つ又は複数の垂直管を含む充填層反応器である。反応器122の好ましい実施形態において使用される触媒は、活性炭に吸着された酢酸イリジウムで構成され、垂直管内に充填される。反応器は、200℃から300℃の間(最適には220℃)の温度、及び1000kPaから1200kPaの間(最適には1034kPa)の圧力で動作する。ガスが反応器の入口に進入する前にヨウ化メチルガスが促進剤として加えられ、管内で反応が進んで、主に酢酸メチル及び水素、並びに少量の酢酸及び水の混合物が出口で生成される。反応は発熱反応であり、反応槽は、管の中を通って槽を通過するか、又は充填された管の周囲のジャケットの形態での、ダウサム(Dowtherm)等の熱交換媒体を使用して間接的に冷却される。
【0070】
他の実施形態において、広範な不均一系触媒を使用することができる。メタノールのカルボニル化に有用な触媒は、RhX、RhX.3HO、Rh(CO)、[Rh(CO)X]Y、Rh(CO)、Rh(NO、[Rh(CO)]Y、Rh、Rh(CHCOO).、[Rh(CX]、Rh[(CP](CO)X、Rh金属、RhX[(CP](CHX)、Rh(SnX)[(C)P]、RhX(CO)[(CQ]、(RZ)[Rh(CO)X]、(RZ)Rh(CO)X]、RhX[(CP.、RhX[(C).P]H、[(CP]3Rh(CO)H及びYRh(SnX(式中、XはCl、Br又はIであり、YはNa、Li又はKであり、ZはN、As又はPであり、QはAs、P又はSbであり、RはCからC12アルキル又はアリール基である)である。
【0071】
さらなる実施形態において、第2の共触媒を使用することもできる。そのような第2の触媒は、CoCl、RuCl、PdCl、PtCl、CuCl、AgNO、AuCl、CdCl、ZnCl、OsCl、IrCl、NiCl、MnCl、ReCl、CrCl、MoCl、WCl、VCl、NbCl、TaCl、TiCl、ZrCl、HfCl、LiI、NaI、KI、RbCl、BeCl、MgCl、CaCl、SrCl、BaClから選択することができる。米国特許第5,414,161号明細書が参照により本明細書に組み入れられる。
【0072】
他の実施形態において、ヨウ化メチルの他に広範な促進剤を使用することができる。これらの促進剤には、CHBr、CHCl、I、Br、Cl、HI、HBr、HClが含まれるが、これらに限定されない。
【0073】
他の代替の実施形態において、反応器は液相反応器であってもよい。一実施形態において、上に列挙されたような固体触媒を鉱物油等の不活性液体中に懸濁させてもよい。そのような実施形態において、気体反応物を該不活性液体中に吹き込んでもよい。
【0074】
カルボニル化反応の他の実施形態において、触媒は、溶液中に溶解された1種又は複数種の第VIII族金属の錯体で構成される均一系触媒である。この実施形態において、触媒を含有する溶液中に気体を溶解し、適した条件下で反応させる。この実施形態において、反応溶液を1回又は複数回蒸留してカルボニル化の生成物から触媒を含有する溶液を分離する。
【0075】
この実施形態におけるカルボニル化の均一系触媒には、多くの第VIII族錯体が適している。これらの触媒には、IrCl、IrI、IrBr、[Ir(CO)I]、[Ir(CO)Cl]、[Ir(CO)Br]、[Ir(CO)、[Ir(CO)Br、[Ir(CO)、[Ir(CH)I(CO)]−−、Ir(CO)12、IrCl.4HO、IrBr.4HO、Ir(CO)12、イリジウム金属、Ir、IrO、Ir(acac)(CO)、Ir(acac)、[IrO(OAc)(HO)][OAc]、及びヘキサクロロイリジウム酸[HIrCl]、[Rh(CO)Cl]、[Rh(CO)I]、[Rh(Cod)Cl]、塩化ロジウム(III)、塩化ロジウム(III)三水和物、臭化ロジウム(III)、ヨウ化ロジウム(III)、酢酸ロジウム(III)、ロジウムジカルボニルアセチルアセトネート、RhCl(PPh、及びRhCl(CO)(PPhが含まれる。米国特許第5,773,642号、第5,883,289号、第5,877,348号、第5,917,089号、第5,750,007号、第5,874,610号、第5,883,295号、第5,663,430号、第5,625,094号、及び第7,115,774号明細書が参照により本明細書に組み入れられるが、これらはメタノール等のアルコールからエステルへの均一なカルボニル化の方法を開示している。
【0076】
さらなる実施形態において、カルボニル化反応は、反応蒸留槽中で行うことができる。この場合、反応物は冷却されて、触媒を含有するそのような反応槽中に供給される。反応器は、反応を生成物の方向に傾けるために、槽を加熱して酢酸メチル等のより軽い沸騰した生成物を除去する。
【0077】
他の実施形態において、ヨウ化メチル以外のハロゲン化アルカン、例えば臭化エチル又はヨウ化エチル等の代替の触媒促進剤が使用される。
【0078】
図1Cに戻ると、酢酸メチル反応器120aから発生する混合物は、促進剤から分離されなければならない。酢酸メチル反応器から発生する混合物は、まずフラッシュ蒸留器ユニット123又は他の適した分離器においてフラッシュ蒸留に供され、水素が混合物の残りの部分から除去される。水素123aは直接エタノール反応器127に供給される。酢酸メチル、メタノール、水、及び酢酸を含む混合物の残りの部分123bは蒸留塔124に供給され、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水素、及びメタノールの混合物124aが酢酸及び水の混合物124bから分離される。ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びメタノールの混合物124aは蒸留塔125に送られ、ヨウ化メチル125aが共沸混合物として気相で回収され分離される。ヨウ化メチル促進剤125aは、次いで再循環されて酢酸メチル反応器122に進入するガスと合流する。酢酸メチル及びメタノールの混合物125bは、エタノール反応器127に送られる。
【0079】
他の実施形態において、酢酸メチル反応器から発生する混合物は、蒸留塔に供給されて、水及び酢酸の液体部分と、酢酸メチル、ヨウ化メチル、水素、及びメタノールの蒸気部分に分離される。酢酸メチル、ヨウ化メチル、及びメタノールの混合物は第2の蒸留装置に送られ、蒸気相のヨウ化メチルが分離されて酢酸メチル反応器へ再循環される。残りの酢酸メチル、メタノール、及び水素は、エタノール反応器127に送られる。
【0080】
好ましい実施形態において、酢酸及び水が他の蒸留塔126に送られ、酢酸126bからほとんどの水が除去される。酢酸126bは、次いで気化されてエタノール反応器127に供給される。水126aは除去され、プロセスに使用されるか廃棄される。
【0081】
エタノール反応器127は、160℃から300℃の範囲(最適には約260℃)の温度、及び3500kPaから4500kPaの圧力範囲(最適には4000kPa)で動作する充填層反応器である。触媒は、クロム、ニッケル、及び銅で構成される商業的に知られた水素化触媒(デグッサ(Degussa)社から入手可能)である。触媒は、不活性材料とともに充填層に搭載される。この実施形態における槽は、内径約1/2インチから2インチ、長さ約20フィート(15フィートから30フィートの範囲)の、1つ又は複数の垂直管である。反応では過剰の水素が使用され、好ましい実施形態では、酢酸メチルに対し10:1だけ水素過剰である(これは過剰なしから15:1だけ過剰の範囲となることができる)。水素は反応物の混合物にすでに存在している。水素が不十分である場合、外部源を使用することができる。エタノール反応器における反応は発熱反応であり、反応槽は、管の中を通って槽を通過するか、又は槽の管を囲むジャケットの形態での、ダウサム(Dowtherm)等の熱交換媒体を使用して間接的に冷却される。
【0082】
他の実施形態において、様々な水素化触媒を使用することができる。水素化反応に使用可能な水素化触媒には、銅を含有する化合物、例えばCu−Co−Zn、Cu−Zn−Fe、Cu−Co−Zn−Fe、Cu−Co−Zn−Fe−Ca、Cu−Co−Zn−Mo−Na、及びCu−Co−Zn−Fe等が含まれる。触媒は、蒸留水に溶解した(NHCO溶液を、Zn(OAc).2HO、Co(OAc).HO、Cu(OAc).HO、Fe(NO.9HO、(NHMo24.4HO、Ca(NO.4HO、NaOH、KPtCl、PdCl、RhCl、RuCl、NiCl、CrCl、WCl、OsCl及びAlClからなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物の溶液に加え、得られた混合物を約120℃の温度で一晩乾燥し、乾燥した材料を約450℃の温度で約16時間焼成することにより調製することができる。金属化合物は、0.01wt%から95wt%、より好ましくは0.1wt%から80wt%、最も好ましくは1wt%から50wt%の範囲の量で使用することができる。この種のエステルから酸への反応のための他の多くの触媒が利用可能であり、特性決定されている。米国特許第5,414,161号、第5,233,099号、第5,233,100号、及び第6,002,054号明細書が、参照により本明細書に組み入れられる。
【0083】
図1Cに戻ると、水素化反応器からの排出流127aは、メタノール、エタノール、水素、及び水からなる。水素128aは、蒸留塔128においてこの混合物からフラッシュ蒸留又は他の蒸留により分離され、水素128aはメタノール反応器120の入口に再循環される。残りのエタノール、メタノール、及び水の混合物128bは、蒸留装置129において蒸留され、蒸気分画のメタノール129aがメタノール反応器入口に再循環される。
【0084】
残りのエタノール分画129bと20%未満の水は、次いでスルザー(Sulzer)社設計のもの等のパーベーパレーションユニット130に送られ、水130bが分離され、規格グレードのエタノールが生成される。エタノールパーベーパレーションユニットからの無水アルコール130aは、次いで貯蔵タンクに導かれる。総容量が4,700,000リットル(1.2MM米ガロン)(約21日稼動)のエタノール貯蔵には、2つの貯蔵タンクが設けられる。変性のためのガソリンが貯蔵前に注入される。ガソリン変性剤は、5.263体積%で純エタノールに混合される。ガソリン貯蔵タンクは、235,000リットル(62,500米ガロン)の容量を有し、これは約16日間の稼動に十分である。
【0085】
本発明の他の実施形態において、図6に示されるように、4反応器カルボニル化を介したエタノールへの経路を使用してもよい。この実施形態において、上に概説したように、合成ガス流115はメタノール反応器120において変換される。これらのガスは液相反応器601に移送され、例えば炭素担持イリジウム等の触媒と接触する。この反応にはロジウムの他、固体担体に担持された他の第VIII族金属もまた効果的である。このカルボニル化に使用可能ないくつかの既知の効果的な触媒は、Ir(CO)12、IrCl3、ジカルボニルジアイオダイドロジウム、RhCl3、RhI3、RhI2(CO)2である。この実施形態において、反応物は、ハロゲン化アルキル等の促進剤の溶液中で、140psiから160psiの間の圧力下、及び215℃から250℃の間の温度で反応が行われる。ヨウ化メチルがそのような促進剤となり得るが、CHBr、CHCl、I、Br、Cl、HI、HBr、HCl等の他の物質も使用可能である。
【0086】
この反応の生成物は、酢酸、水素、及び水である。水素は、蒸留器602において蒸留により溶液から除去されなければならない。水素602aはエタノール反応器127に送られる。次のステップにおいて、酢酸及び水が反応器603に送られ、酸化硫黄等の酸化触媒の存在下でエタノールが加えられる。この反応は、大気圧近傍(15psiから25psi)で、また90℃から110℃の間(好ましくは100℃)の温度にて液相で行われる。最後のステップは、生成物である酢酸エチル及び水が加熱器604で250℃から270℃の間の温度まで加熱され、圧縮器605で580psiから610psiの間の圧力まで圧縮された後(これらはエタノール反応器606の条件である)に行うことができる。水素602aは反応物である酢酸エチル及び水に加えられ、エタノール及び水が生成される。充填層触媒として、Cu−Cr−Ni等の酢酸メチルプロセスに使用されるものと同様の水素化触媒を使用することができる。
【0087】
エタノール及び水の最終的な蒸気は2つの流れに分割され、606aは酢酸エチル反応器603に移送され、残り606bはスルザー(Sulzer)パーベーパレーションユニット130でパーベーパレーションされてエタノールから残りの水が分離される。このようにして合成ガスからエタノールが形成される。
【0088】
図1Cのエタノール反応器127、酢酸メチル反応器122、及びメタノール反応器120は発熱性であり、酢酸メチル反応器及びエタノール反応器はダウサム(Dowtherm)等の液体伝達媒体を使用して反応を冷却することは、上で触れた通りである。このように液体熱交換媒体を使用して、熱を必要とする他のプロセスにこの熱を伝達することができる。したがって、プラントにわたり熱を伝達することができる液体熱交換媒体のループを考案することができる。そのような構想を図8に示す。この図は、プラントにわたる液体熱交換媒体801のフローを示す。このループに沿った蒸留器又は反応器等の様々なプロセス機器は、液体反応媒体と接触し、その媒体へ、又はその媒体から熱を伝達することができる熱交換表面を有するように設計される。一ステップにおいて、液体媒体は図1Aの乾燥器102に熱を加える。乾燥器は、その排出蒸気の冷却を介して、排出ガスを液体媒体と接触させることにより液体媒体に熱を提供することができる。乾燥器は同時に、バイオマスを乾燥するために使用される蒸気を生成するための熱が必要であり、その目的のために液体媒体を使用することができる。
【0089】
この実施形態において、プラントの構成要素間で液体媒体を運搬するラインにより形成することができるループは、媒体に伝達可能な熱を発生する図1Bの中間圧縮ユニット116及び118に導くことができる。同じ経路に沿って、媒体801は、図1Bの熱交換器116a及び118aと接触することにより熱を伝達する。媒体は、熱をさらにCO2除去システム119に伝達することができる。
【0090】
さらに詳細には、図1Cの蒸気ガス化器106、メタノール反応器120、酢酸メチル反応器122、及びエタノール反応器127から発生する燃焼排ガスと熱的に接触することにより、液体伝達媒体は熱を受けることができる。同様に、媒体は、図1Cの蒸留装置124、125、126、129及び130に熱を伝達することができる。
【0091】
他の実施形態において、外部プロセスにおける使用のために、液体媒体を使用して交換器802で蒸気を加熱することができる。この実施例は単なる例示に過ぎず、液体熱伝達媒体の使用の可能性を網羅しているわけではない。蒸留プロセスは反応組成物を液体とするための低温化ステップを使用し、この低温化ステップを使用して熱を媒体に伝達することができる。そのような媒体の使用は、当然ながら特定のプラントに大きく依存し、システムにわたる熱のフローを最もよく均衡化するように較正されなければならない。
【0092】
このように、バイオマスからエタノールへのプロセスは、燃焼排ガス及び合成ガスからの熱回収とともに、利用可能な熱を最大限に活用しながら進み、したがってプロセスを実行するための外部燃料の量を最小限化することが分かる。
【0093】
プラント全体にわたり、いくつかのユティリティシステムが必要である。該システムには、高圧蒸気、中圧蒸気、低圧蒸気、冷却水、計器用空気、制御システム、電気、燃料ガス及び補助照明、生産水調整、及びボイラー給水調整が含まれる。冷却水はエタノール蒸留システムにおいて必要である。ダウサム(Dowtherm)は、蒸留塔のための熱の供給だけでなく、メタノール反応器、酢酸メチル反応器、及びエタノール反応器からの排熱に使用される。760kPagで動作する2つの100%スクリュー空気圧縮器が計器用空気を提供する。シリカゲル脱水技術に基づく計器用空気乾燥器が、露点−50℃(700kPag時)の計器用空気を供給する。60分間の計器用空気供給が、標準圧力と最小圧力の間で乾燥空気レシーバに蓄積される。プロセス制御は、処理機器に装着された、プラント施設全体にわたって位置する分散制御システム(DCS)ベースの計器(トランスミッタ/トランスデューサ)により達成される。警報及び運転停止制御は、制御室におけるDCSへ送信される、及び該DCSから送信されるフィールド信号により達成され、後の分析のためにシーケンスイベントデータレコーダにより追跡される。流量計測デバイスは、現在の流量及び総流量のローカルでの表示のためにPLCに情報を送信する。P&ID上に示されるプロセス計器及び機器からの入出力は、施設制御室内に位置するPLCにより監視及び制御される。フィールド制御キャビネットからの全てのプロセス点は、その領域に適したI/Oを有する。ローカル制御キャビネットにおいて限流器を使用することにより、全てのフィールド配線は本質的に安全である。フィールドデバイスへの、及びフィールドデバイスからのアナログ信号及びデジタル信号は、本質的に安全なI/Oによる。制御システムは、フィールド計器に対しては24VのDC制御ループを使用する。制御システムのバッテリーバックアップは、システムの稼動を1時間維持することが可能な真のオンラインの(負荷が常にインバータに接続される)通常電源システムにより提供される。プロセス品質は、必要なプロセスデータをオンラインで示す設置されたアナライザによる。データは後日分析するために保管される。全体の制御システム及びプロセスの変数はまた、機械及びプロセス効率が維持されていることを確認するためのオペレータによる遠隔監視が可能である。
【0094】
本発明に関する上記説明は例示のみを目的とすることが理解される。当業者には本発明に対する多くの変形例が明らかであり、そのような明らかな変形例は、明示的に記載されているか否かにかかわらず、本明細書に記載の本発明の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1A】本発明のプロセスである、バイオマスから合成ガスを生成するプロセスの好ましい実施形態の概略図である。
【図1B】本発明のプロセスである、合成ガスを圧縮し改質するプロセスの好ましい実施形態の概略図である。
【図1C】本発明のプロセスである、圧縮され改質された合成ガスからエタノールを生成するプロセスの好ましい実施形態の概略図である。
【図2】本発明の装置である、蒸気ガス化器の端面図を示す図面である。
【図2A】本発明の装置である、蒸気ガス化器の側面図を示す図面である。
【図3】本発明の装置である、空気吹きガス化器の図を示す図面である。
【図4】本発明のプロセスにおいて使用される空気吹きガス化器及び蒸気ガス化器で使用される分配用プレートの図面である。
【図5】本発明の空気吹きガス化器及び蒸気ガス化器で使用される分配用プレートにおけるキャップ付シリンダの図面である。
【図6】本発明のプロセスである、合成ガスからエタノールを生成するための好ましい実施形態の概略図である。
【図7】蒸気ガス化器の加熱管の断面図である。
【図8】プロセスの間熱のフローを分配する液体熱伝達媒体の使用を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成ガスを提供するステップと、
触媒の存在下で前記合成ガスを変換し、メタノール、一酸化炭素、及び水素を含む混合物を生成するステップと、
促進剤と、イリジウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、及び白金からなる群から選択される金属を含む金属触媒との存在下で、前記メタノール、一酸化炭素、及び水素、並びに前記促進剤を反応させることにより、酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸、及び水を含む混合物を生成するステップと、
酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸、及び水を含む前記混合物を分離して、酢酸メチル及びメタノールの混合物と、水素分画、促進剤分画、酢酸分画、及び水分画からなる群から選択される分画とを生成するステップと、
水素化触媒の存在下で前記酢酸メチル及びメタノールの混合物を水素と反応させることにより、エタノールを含む混合物を生成するステップと
を含む、合成ガスからエタノールを生成する方法。
【請求項2】
金属を含む前記触媒がイリジウム触媒である、請求項1に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項3】
金属を含む前記触媒が酢酸イリジウムである、請求項1又は2に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項4】
前記促進剤がハロゲン化アルキルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項5】
前記促進剤がヨウ化メチルである、請求項4に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項6】
前記合成ガスを変換するステップが、
前記合成ガスを圧縮して圧縮合成ガスを生成するステップと、
前記圧縮合成ガスを加熱して加熱圧縮合成ガスを生成するステップと、
前記加熱圧縮合成ガスを蒸気改質して改質合成ガスを生成するステップと、
前記改質合成ガスを再圧縮して圧縮改質合成ガスを生成するステップと
前記圧縮改質合成ガスを、メタノール、一酸化炭素、二酸化炭素、及び水素を含む混合物に変換するステップと
をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項7】
前記合成ガスを変換するステップが、前記混合物から前記二酸化炭素を除去するステップをさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項8】
前記混合物から前記二酸化炭素を除去するステップが、熱交換媒体からの熱を使用して少なくとも部分的に加熱され、前記媒体が、酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸、及び水を含む混合物を生成するステップ、又はエタノールを含む混合物を生成するステップから発生する熱を受ける、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項9】
前記加熱圧縮合成ガスの圧力が2400kPaから3500kPaであり、前記加熱圧縮合成ガスの温度が220℃から450℃である、請求項6〜8のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項10】
前記圧縮合成ガスを蒸気改質するステップが、2400kPaから3500kPaの圧力、及び220℃から300℃の温度で行われる、請求項6〜9のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項11】
前記圧縮改質合成ガスの圧力が4700kPaから5500kPaの間であり、前記圧縮改質合成ガスの温度が220℃から300℃の間である、請求項6〜10のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項12】
前記圧縮改質合成ガスを、メタノールを含む前記混合物に変換するステップが、
前記圧縮改質合成ガスをスラリーに吹き込んでメタノールを生成するステップをさらに含み、前記スラリーは不活性液体中に懸濁した金属触媒を含有する、請求項6〜11のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項13】
前記圧縮改質合成ガスを、メタノールを含む前記混合物に変換するステップが、
前記圧縮改質合成ガスに蒸気を加えて前記圧縮改質合成ガスに加えられる水素を生成するステップをさらに含む、請求項12に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項14】
前記圧縮改質合成ガスを、メタノールを含む前記混合物に変換するステップが、二酸化炭素を除去するステップをさらに含む、請求項13に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項15】
前記圧縮改質合成ガスをメタノールに変換するステップが、4700kPaから5500kPaの圧力、及び220℃から300℃の温度で行われる、請求項6〜14のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項16】
酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸、及び水を含む前記混合物に再循環される促進剤分画をさらに含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項17】
エタノールを含む前記混合物に再循環される酢酸分画をさらに含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項18】
エタノールを含む前記混合物を生成するために充填層反応器が使用される、請求項1〜17のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項19】
前記充填層反応器が、不活性材料上に吸着された銅、ニッケル、クロム、又はそれらの組合せを含む触媒を含有する、請求項18に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項20】
エタノールを含む前記混合物を生成するステップが、160℃から300℃の温度、及び3500kPaから4500kPaの圧力で気相で行われる、請求項1〜19のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項21】
エタノールを含む前記混合物を生成するステップが、0:1から15:1の水素対酢酸メチル比で行われる、請求項1〜19のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項22】
エタノールを含む混合物を生成するステップが、約10:1の水素対酢酸メチル比で行われる、請求項1〜20のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項23】
酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸、及び水を含む前記混合物を生成するステップが、充填層カルボニル化反応器中で行われる、請求項1〜22のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項24】
前記充填層カルボニル化反応器が、金属触媒が吸着された活性炭材料で充填される、請求項23に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項25】
酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸、及び水を含む前記混合物を生成するステップが、1000kPaから1500kPaの圧力、及び200℃から300℃の温度で気相で行われる、請求項1〜24のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項26】
前記分離するステップが、
酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸、及び水を含む前記混合物を蒸留して未反応成分及び促進剤を分離し再循環するステップを含む、請求項1〜25のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項27】
蒸留するステップが、酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸、及び水を含む前記混合物を蒸留して、水素分画と、酢酸、酢酸メチル、ヨウ化メチル、メタノール、及び水を含む混合物とを生成するステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
酢酸、酢酸メチル、ヨウ化メチル、メタノール、及び水を含む前記混合物を蒸留して、酢酸メチル及びヨウ化メチルを含む混合物と、酢酸及び水を含む混合物とを生成するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
酢酸メチル及びヨウ化メチルの前記混合物を蒸留して、酢酸メチル分画及びヨウ化メチル分画を生成するステップと、
酢酸及び水を含む前記混合物から水を除去して酢酸分画を生成するステップと
をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸及び水を含む前記混合物を分離するステップが、熱交換媒体からの熱を使用して少なくとも部分的に加熱され、前記媒体が、酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸、及び水を含む混合物を生成するステップ、又はエタノールを含む混合物を生成するステップから発生する熱を受ける、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
エタノールを含む前記混合物を分離して、エタノール分画、メタノール分画、及び第2の水素分画を生成するステップと、
前記合成ガスをメタノールを含む前記混合物に変換するステップに、前記メタノール流及び前記第2の水素分画を再循環するステップと
をさらに含む、請求項1〜30のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項32】
エタノールを含む前記混合物を分離するステップが、熱交換媒体からの熱を使用して少なくとも部分的に加熱され、前記媒体が、酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸、及び水を含む混合物を生成するステップ、又はエタノールを含む混合物を生成するステップから発生する熱を受ける、請求項31に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項33】
合成ガスを提供するステップが、
流動層を有する蒸気ガス化器中でバイオマスをガス化して合成ガス流を生成するステップをさらに含む、請求項1〜32のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項34】
合成ガスを提供するステップが、
前記バイオマスをガス化するステップの前に、1%から30%の含水率まで蒸気乾燥器中で前記バイオマスを乾燥するステップ
をさらに含む、請求項33に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項35】
蒸気乾燥器中で前記バイオマスを乾燥するステップが、熱交換媒体からの熱を使用して少なくとも部分的に加熱され、前記媒体が、酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸、及び水を含む混合物を生成するステップ、又はエタノールを含む混合物を生成するステップから発生する熱を受ける、請求項34に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項36】
蒸気ガス化器中でバイオマスをガス化するステップが、750℃から900℃の温度、及び100kPaから175kPaの圧力で行われる、請求項33〜35のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項37】
合成ガスを提供するステップが、合成ガス流から粒子状物質を除去するステップをさらに含む、請求項33〜36のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項38】
合成ガスを提供するステップが、合成ガス熱回収蒸気発生器中で前記合成ガスを冷却して蒸気を発生させるステップをさらに含む、請求項37に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項39】
合成ガスを提供するステップが、合成ガス流を浄化して窒素又は硫黄を含有する化合物を除去するステップをさらに含む、請求項33〜38のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項40】
蒸気ガス化器中でバイオマスをガス化するステップが、
燃料を燃焼させることにより高温燃焼排ガスを生成するステップと、
前記高温燃焼排ガスを前記蒸気ガス化器の前記流動層に埋設された一連の管に移送して、前記流動層を加熱するステップと
をさらに含む、請求項33〜39のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項41】
前記燃料が、空気吹きガス化器中でバイオマスをガス化することにより生成される低BTU合成用ガスである、請求項40に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項42】
前記管が、各管の内側にあり各管の長さに延在する1つ又は複数の金属インサートを有する、請求項33又は41に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項43】
蒸気ガス化器中でバイオマスをガス化するステップが、
高温燃焼排ガスを燃焼排ガス熱回収蒸気発生器に通気するステップと、
合成ガス熱回収蒸気発生器からの蒸気を、前記燃焼排ガス熱回収蒸気発生器中の蒸気に変換するステップと、
前記蒸気を蒸気ガス化器中でバイオマスをガス化するステップに移送するステップと
をさらに含む、請求項33〜42のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項44】
合成ガスを提供するステップが、
蒸気ガス化器中でバイオマスをガス化するステップの前に、1%から30%以下の含水率まで蒸気乾燥器中で前記バイオマスを乾燥するステップと、
前記蒸気乾燥器からの凝縮物を前記燃焼排ガス熱回収蒸気発生器に移送して蒸気を発生させるステップと、
前記燃焼排ガス熱回収蒸気発生器により発生した蒸気を、蒸気乾燥機中でバイオマスを乾燥するステップに移送するステップと
をさらに含む、請求項43に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項45】
前記燃料が、メタン、天然ガス、埋立地ガス、又は嫌気的に消化する肥料若しくはバイオソリッドにより得られるガスからなる群から選択される、請求項33〜44のいずれか一項に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項46】
4700kPaから5500kPaの圧力、及び220℃から300℃の温度で、合成ガスを不活性液体に吹き込むことにより前記合成ガスをメタノールに変換するステップと、
充填層反応器中で、促進剤の存在下で酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸、及び水の前記混合物を生成するステップであって、前記金属触媒が、活性炭上に吸着された酢酸イリジウムであり、そのような反応が、900kPaから1500kPaの圧力、及び200℃から300℃の温度で行われるステップと、
充填層反応器中でエタノールを含む前記混合物を生成するステップであって、前記水素化触媒が、不活性材料上に吸着された銅、ニッケル、及びクロムを含み、エタノールを含む前記混合物を生成するステップが、160℃から300℃の温度、及び3500kPaから4500kPaの圧力で行われるステップと、
酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸、及び水を含む前記混合物を分離して酢酸分画を生成するステップと、
前記反応器に前記酢酸分画を加えてエタノールを生成するステップと
をさらに含み、合成ガスを提供するステップが、
1%から30%の含水率まで蒸気乾燥器中でバイオマスを乾燥するステップと、
蒸気ガス化器中で前記バイオマスをガス化して合成ガスを生成するステップとをさらに含み、前記ガス化器が、垂直壁及び天井と、ケイ砂、ドロマイト、若しくはかんらん石、又はそれらの組合せを含む流動層と、内部表面、及びキャップを有するシリンダが装着される複数の貫通孔を有する分配プレートで構成される底部とを有する箱型の槽であり、前記キャップ付シリンダが、蒸気を運搬する前記分配プレートの下のプレナムから延在するチャネルを有するように中空であり、前記チャネルが、前記キャップに穿孔された1つ又は複数の出口孔まで延在して狭まり、前記出口孔が前記シリンダの長手方向軸を横断し、それにより、前記分配プレートの前記内部表面により画定される平面に平行な方向に前記出口孔を通って前記層を均一に流動化するように、蒸気が前記プレナムから前記貫通孔を通り前記層に注入され、前記槽が、前記層を加熱するように高温燃焼排ガスを送達する、前記層に埋設された複数の管を有し、前記管が前記分配プレートの面に平行であり、組として配置され、前記組の前記管が互いに平行であり、互いとともに三角形となる配向を有し、前記ガス化が、750℃から900℃の温度、及び100kPaから175kPaの圧力で行われ、前記高温燃焼排ガスが、空気吹きガス化器中でバイオマスをガス化して低BTU合成ガスを生成し、前記低BTU合成ガスを燃焼させることにより生成される、請求項1に記載のエタノールを生成する方法。
【請求項47】
合成ガスを提供するステップと、
触媒の存在下で前記合成ガスを変換し、メタノール、一酸化炭素、及び水素を含む混合物を生成するステップと、
1種又は複数種の触媒の存在下でメタノール、一酸化炭素、及び水素を反応させることにより、酢酸、一酸化炭素、及び水素を含む混合物を生成するステップと、
1種又は複数種の触媒の存在下で酢酸、エタノール、及び一酸化炭素を反応させることにより、酢酸エチルを含む混合物を生成するステップと、
水素化触媒の存在下で酢酸エチルを水素と反応させることにより、エタノールを含む混合物を生成するステップと
を含む、合成ガスからエタノールを生成する方法。
【請求項48】
酢酸、一酸化炭素、及び水素を含む混合物を生成するステップが、215℃から250℃の温度、及び140psiから160psiの圧力で気相で行われる、請求項47に記載の合成ガスからエタノールを生成する方法。
【請求項49】
酢酸、一酸化炭素、及び水素を含む混合物を生成するステップが、第VIII族金属を含む触媒を使用して行われる、請求項47又は48に記載の合成ガスからエタノールを生成する方法。
【請求項50】
前記触媒がイリジウムであり、前記触媒が固体炭素基材上に吸着されている、請求項49に記載の合成ガスからエタノールを生成する方法。
【請求項51】
酢酸エチルを含む混合物を生成するステップが、90℃から110℃の温度、及び15psiから25psiで液相で行われる、請求項47〜50のいずれか一項に記載の合成ガスからエタノールを生成する方法。
【請求項52】
酢酸エチルを含む混合物を生成するステップが、酸化硫黄を含む触媒を使用して行われる、請求項47〜51のいずれか一項に記載の合成ガスからエタノールを生成する方法。
【請求項53】
酢酸エチルを水素と反応させることによりエタノールを含む混合物を生成するステップが、250℃から270℃の温度、及び580psiから610psiの圧力で気相で行われる、請求項47〜52のいずれか一項に記載の合成ガスからエタノールを生成する方法。
【請求項54】
酢酸エチルを水素と反応させることによりエタノールを生成するステップが、銅、ニッケル、クロム、又はそれらの任意の組合せを含む触媒の存在下で行われる、請求項47〜53のいずれか一項に記載の合成ガスからエタノールを生成する方法。
【請求項55】
酢酸エチルを水素と反応させることにより生成されるエタノールの一部を、酢酸エチルを含む混合物を生成するステップに供給するステップをさらに含む、請求項47〜54のいずれか一項に記載の合成ガスからエタノールを生成する方法。
【請求項56】
酢酸、一酸化炭素、及び水素を含む混合物を生成するステップの後に水素を分離するステップと、酢酸エチルを水素と反応させることによりエタノールを生成するステップに前記水素を追加するステップとをさらに含む、請求項47〜55のいずれか一項に記載の合成ガスからエタノールを生成する方法。
【請求項57】
蒸気ガス化器中で、蒸気が存在し空気が存在しない状態でバイオマスをガス化して合成ガスを生成するステップであって、前記蒸気ガス化器が、複数の管と、分配プレートである底部とを含む箱状槽であるステップと、
1種又は複数種の触媒の存在下で前記合成ガスを反応させてエタノールを生成するステップと
を含み、バイオマスをガス化するステップは、
前記管を通して高温ガスを送達するステップと、
バイオマスを前記蒸気ガス化器内に設置するステップと、
前記分配プレートを通して前記層内に蒸気を注入することにより前記層を流動化するステップと
を含む、バイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項58】
前記合成ガスを反応させるステップが、
1種又は複数種の触媒の存在下で前記合成ガスを反応させることにより、メタノール、一酸化炭素、及び水素の混合物を生成するステップと、
1種又は複数種の触媒の存在下で前記メタノール、一酸化炭素、及び水素を反応させることにより、酢酸、水素、及び一酸化炭素を含む混合物を生成するステップと、
酢酸、水素、及び水を含む前記混合物から水素を分離するステップと、
1種又は複数種の触媒の存在下で酢酸をエタノールと反応させることにより、酢酸エチル及び水を含む混合物を生成するステップと、
1種又は複数種の触媒の存在下で前記酢酸エチルと水素を反応させることにより、エタノールを含む混合物を生成するステップと
を含む、請求項57に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項59】
前記合成ガスを反応させるステップが、
1種又は複数種の触媒の存在下で前記合成ガスを反応させることにより、メタノール、一酸化炭素、及び水素を含む混合物を生成するステップと、
1種又は複数種の触媒の存在下で前記メタノール、一酸化炭素、及び水素を反応させることにより、酢酸及び水素を含む混合物を生成するステップと、
1種又は複数種の触媒の存在下で前記酢酸と水素を反応させることにより、エタノールを含む混合物を生成するステップと
を含む、請求項57に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項60】
前記合成ガスを反応させるステップが、
触媒の存在下で前記合成ガスを反応させてメタノールとすることにより、メタノール、一酸化炭素、及び水素を含む混合物を生成するステップと、
触媒の存在下で前記メタノールと一酸化炭素を反応させることにより、酢酸メチル及び水素を含む混合物を生成するステップと、
1種又は複数種の触媒の存在下で前記酢酸メチルと水素を反応させることにより、エタノール及びメタノールを含む混合物を生成するステップと
を含む、請求項57に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項61】
前記合成ガスを反応させるステップが、
触媒の存在下で前記合成ガスを反応させてメタノールとすることにより、メタノール、一酸化炭素、及び水素を含む混合物を生成するステップと、
1種又は複数種の触媒の存在下で前記メタノール、一酸化炭素、及び水素を反応させることにより、エタノールを含む混合物を生成するステップと
を含む、請求項57に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項62】
前記合成ガスを反応させる前記ステップが、
1種又は複数種のフィッシャートロプシュ触媒の存在下で前記合成ガスを反応させることにより、エタノールを含む混合物を生成するステップを含む、請求項57に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項63】
前記合成ガスを反応させる前記ステップが、
触媒の存在下で前記合成ガスを反応させることにより、アセトアルデヒドを含む混合物を生成するステップと、
水素化触媒の存在下でアセトアルデヒドを水素と反応させることにより、エタノールを含む混合物を生成するステップと
を含む、請求項57に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項64】
蒸気ガス化器中でバイオマスをガス化するステップが、100kPaから175kPaの圧力、及び750℃から900℃の温度で行われる、請求項57〜63のいずれか一項に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項65】
前記高温燃焼排ガスが、空気吹きガス化器中でバイオマスをガス化して低BTU合成ガスを生成し、前記低BTU合成ガスを燃焼させて高温燃焼排ガスを生成することにより提供される、請求項57〜64のいずれか一項に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項66】
空気吹きガス化器中でバイオマスをガス化するステップが、100kPaから175kPaの圧力、及び750℃から900℃の温度で行われる、請求項57〜66のいずれか一項に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項67】
前記蒸気ガス化器が、壁及び湾曲した天井を備え、前記天井又は壁の上部に前記排出ガス流のための出口を有し、前記流動層のいずれの部分も前記出口から流出できないように、また生成された合成ガスが1秒から5秒の期間前記天井の下の空間内に滞留するように、前記流動層が前記天井より十分低い高さに維持される、請求項57〜66のいずれか一項に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項68】
前記管が、前記プレートの面に平行に延在する管の束として配置される、請求項57〜67のいずれか一項に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項69】
前記束となった前記管が、端部上で見た場合互いに対し三角形のパターンを形成する、請求項68に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項70】
前記分配プレートが、前記分配プレートにおける孔に装着される複数のキャップ付シリンダを有し、各キャップ付シリンダが、蒸気を運搬する前記分配用プレートの下のプレナムから、前記分配プレートの面に平行に向けられた1つ又は複数の出口孔を通って前記層へと続くチャネルを形成するように中空である、請求項57〜69のいずれか一項に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項71】
前記キャップ付シリンダの前記中空が0.25インチから1.0インチの内径を有し、前記キャップ付シリンダが前記分配用プレートから1インチから4インチの距離だけ上方に延在する、請求項57〜70のいずれか一項に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項72】
前記キャップ付シリンダの前記出口孔が1/16インチから1/4インチの直径を有する、請求項57〜71のいずれか一項に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項73】
前記管が1/2インチから4インチの内径を有する、請求項57〜72のいずれか一項に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項74】
前記高温燃焼排ガスが、1000℃から1200℃の温度で前記蒸気ガス化器中の前記管に進入し、750℃から900℃の温度で前記蒸気ガス化器から出る、請求項57〜73のいずれか一項に記載のバイオマスからエタノールを生成する方法。
【請求項75】
複数の管を有し、鉱物材料を含む層を提供するステップであって、前記層が、分配プレートである床部を有する箱状槽中に含有されるステップと、
前記層を均一に流動化するような態様で、前記分配プレートを通して前記層に蒸気を注入することにより前記層を流動化するステップと、
前記管を通して高温ガスを送達することにより前記層を加熱するステップであって、前記高温燃焼排ガスが、燃料を燃焼させることにより生成されるステップと、
バイオマスをガス化して合成ガスを生成するように、前記バイオマスを前記層に注入するステップと
を含む、バイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項76】
前記槽が、垂直壁、天井、及び前記天井又は前記壁の上部における出口の組を有する、請求項75に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項77】
バイオマスで流動化された層が、前記層材料のいずれも前記出口から流出せず、また前記ガスが前記層と前記天井との間の空間に1秒から5秒の期間滞留するような高さに維持されるような態様で、バイオマスを注入するステップが行われる、請求項75又は76に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項78】
前記管を通して高温ガスを送達することにより前記層を加熱する前記ステップが、前記高温ガスが900℃から1200℃の温度で前記管に進入し、前記高温ガスが750℃から900℃の温度で前記管から出るように行われる、請求項75〜77のいずれか一項に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項79】
前記管が各管の内側に1つ又は複数の金属インサートを有し、前記インサートが前記管の長さに延在する、請求項75〜78のいずれか一項に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項80】
前記管が、前記プレートの面に平行に延在する管の束として配置される、請求項75〜79のいずれか一項に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項81】
前記束となった前記管が、端部上で見た場合互いに対し三角形のパターンを形成する、請求項80に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項82】
前記層が、1つから4つの管の束を含有し、前記管の束の間の間隔が2フィートから4フィートであり、最も低い管の束が、前記分配プレートの上方2フィートから4フィートにある、請求項80又は81に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項83】
前記バイオマスをガス化するステップが、100kPaから175kPaの圧力、及び750℃から900℃の温度で行われる、請求項75〜82のいずれか一項に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項84】
前記分配プレートが、複数の孔及び前記孔に装着される複数のキャップ付シリンダを有し、前記キャップ付シリンダが、蒸気を運搬する前記分配プレートの下のプレナムから延在するチャネルを有するように中空であり、前記チャネルが、前記シリンダの長手方向軸を横断する前記キャップに穿孔された1つ又は複数の出口孔まで延在して、前記分配プレートの面に平行な方向に前記出口孔を通って前記層を流動化するように蒸気が前記プレナムから前記層に注入されるようにする、請求項75〜83のいずれか一項に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項85】
前記キャップ付シリンダが、前記層を均一に流動化するように前記分配プレート上に配置される、請求項84に記載のバイオマスから合成ガスを生成するための装置。
【請求項86】
前記キャップ付シリンダが、反復した直線状又は三角形のパターンを形成するように前記分配プレート上に配置される、請求項84又は85に記載のバイオマスから合成ガスを生成するための装置。
【請求項87】
前記キャップ付シリンダが、前記分配プレートから上に1インチから4インチの間の距離だけ延在し、前記出口孔が1/16インチから1/4インチの直径を有し、前記キャップ付シリンダの前記チャネルが、1/4インチから1インチの直径を有する、請求項84から86のいずれか一項に記載のバイオマスから合成ガスを生成するための装置。
【請求項88】
バイオマスを前記層に注入するステップが、前記層が流動化されているときには前記バイオマスが前記層の中央に注入され、流動化されていないときには前記層の上に注入されるように、また前記バイオマスが前記槽中に進入する点の近くにバイオマスの栓が形成されて前記層中への空気の進入を防ぐように、前記槽の壁上に配置されたテーパ状スクリューフィーダを使用して行われる、請求項75〜87のいずれか一項に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項89】
前記管が1/2インチから4インチの内径を有する、請求項75〜88のいずれか一項に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項90】
前記層が、300ミクロンから400ミクロンの粒径を有する鉱物材料を含む、請求項75〜89のいずれか一項に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項91】
前記層が、ケイ砂、ドロマイト、若しくはかんらん石、又はこれらの組合せを含む、請求項75〜90のいずれか一項に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項92】
バイオマスをガス化するステップの前に、30%以下の含水率まで加圧蒸気乾燥器中でバイオマスを乾燥するステップをさらに含む、請求項71〜85のいずれか一項に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項93】
前記高温燃焼排ガスを前記管から熱回収蒸気発生器に排出するステップと、前記乾燥器により生成された凝縮物及び蒸気を前記熱回収蒸気発生器に排出するステップと、前記熱回収蒸気発生器において蒸気を発生するステップと、乾燥又は前記層を流動化するステップに前記蒸気を使用するステップとをさらに含む、請求項92に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項94】
前記高温燃焼排ガスを前記管から熱回収蒸気発生器に排出するステップと、蒸気源から蒸気を発生するステップと、前記層を流動化するステップに前記熱回収蒸気発生器により発生した前記蒸気を使用するステップとをさらに含む、請求項75〜93のいずれか一項に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項95】
蒸気を発生するステップが、ガス化により生成された合成ガスを合成ガス熱回収蒸気発生器に通過させることにより生成された蒸気を使用して行われる、請求項94に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項96】
前記高温ガスが、燃料を燃焼させることにより生成される加熱燃焼排ガスである、請求項75〜95のいずれか一項に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項97】
前記燃料が、埋立地ガス、天然ガス、メタン、石油由来の液体燃料、灯油、ディーゼル、バイオマス由来の燃料、バイオディーゼル、フィッシャートロプシュ液、又は肥料若しくはバイオソリッドの嫌気性消化により生成されるガスからなる群から選択される、請求項96に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項98】
前記燃料が、空気吹きガス化器中でバイオマスをガス化することにより生成される低BTU合成ガスである、請求項96に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項99】
空気吹きガス化器中でバイオマスをガス化するステップが、
ケイ砂の層を含有する槽を提供するステップと、
前記層中に空気を注入することにより前記層を流動化するステップと、
バイオマスを前記層中に設置するステップと、
前記バイオマスをガス化して低BTU合成ガスを生成するステップと
を含む、請求項98に記載のバイオマスから合成用ガスを生成する方法。
【請求項100】
前記ケイ砂が、300ミクロンから400ミクロンの粒径を有する、請求項93に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項101】
前記層中に空気を注入するステップが、
前記槽の床部として、複数の孔を有する分配プレートを提供するステップであって、各孔がその中に装着されるキャップ付シリンダを有しており、空気を運搬する前記分配プレートの下のプレナムから延在し、前記シリンダの長手方向軸を横断する前記キャップに穿孔された1つ又は複数の出口孔まで延在するチャネルを有するように各キャップ付シリンダが中空であるステップと、
前記分配プレートに平行な方向に、前記シリンダを通して前記層中に空気を送達し、前記層を流動化するステップと
を含む、請求項99又は100に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項102】
前記キャップ付シリンダが、反復した直線状又は三角形のパターンで前記分配プレート上に配置される、請求項101に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項103】
前記キャップ付シリンダが、前記分配プレートから上に1/4インチから1インチの間の距離だけ延在し、前記出口孔が1/16インチから1/4インチの直径を有し、前記キャップ付シリンダの前記チャネルが、1/2インチから1インチの直径を有する、請求項101又は102に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項104】
前記バイオマスをガス化して低BTU合成ガスを生成するステップが、
始動バーナを使用して動作温度まで前記層を加熱するステップと、
前記層中に空気及びバイオマスを注入することにより前記温度を維持するステップと
をさらに含む、請求項99〜103のいずれか一項に記載のバイオマスから合成ガスを生成する方法。
【請求項105】
該当するプラントが、
合成ガスの入力を有し、メタノール、一酸化炭素、及び水素を含む出力を有するメタノール反応器と、
イリジウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、及び白金からなる群から選択される金属を含む触媒を有し、促進剤を使用し、また酢酸メチル、酢酸、水素、水、及びメタノールを含む混合物を出力として有する酢酸メチル反応器と、
酢酸メチル、酢酸、水素、水、及びメタノールを含む前記混合物の成分を分離する蒸留器と、
水素、酢酸メチル、及びメタノールを含む入力を有し、エタノールを含む出力を有するエタノール反応器と
を備える、エタノールを生成するための装置。
【請求項106】
前記蒸留器が、酢酸メチル、酢酸、水、及びメタノールを含む混合物から水素を分離し、前記水素分画が前記エタノール反応器に供給され、前記装置が、酢酸メチル、酢酸、水、及びメタノールを含む前記混合物の成分を分離する第2の蒸留器を有する、請求項105に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項107】
前記第2の蒸留器が、酢酸及び水を含む混合物から酢酸メチル及びメタノールの混合物を分離し、前記装置が、酢酸メチル、メタノール、及び前記促進剤を含む前記混合物の成分を分離する第3の蒸留器を有する、請求項106に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項108】
前記第3の蒸留器が、酢酸メチル及びメタノールを含む混合物から促進剤分画を分離し、酢酸メチル及びメタノールの前記混合物が前記エタノール反応器に供給され、前記促進剤分画が前記酢酸メチル反応器に供給される、請求項107に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項109】
前記酢酸メチル反応器が、イリジウムを含む触媒を有する、請求項105〜108のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項110】
前記酢酸メチル反応器が、酢酸イリジウムを含む触媒を有する、請求項109に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項111】
前記促進剤がハロゲン化アルキルである、請求項105〜110のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項112】
前記酢酸メチル反応器が、200℃から300℃の温度、及び1000kPaから1500kPaの圧力で気相で動作する、請求項105〜111のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項113】
前記酢酸メチル反応器が充填層反応器であり、前記充填層が、活性炭上に吸着された前記触媒を含有する、請求項105〜112のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項114】
前記エタノール反応器が、不活性材料に担持された銅、ニッケル、及びクロム、又はそれらの組合せを含む触媒を使用する、請求項105〜113のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項115】
前記エタノール反応器が、225℃から300℃の温度、及び3500kPaから4500kPaの圧力で気相で動作する、請求項105〜114のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項116】
前記エタノール反応器が、0:1から15:1の水素対酢酸メチル比で動作する、請求項105〜115のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項117】
酢酸及び水を分離するためのパーベーパレータを有し、前記酢酸が前記エタノール反応器に加えられてエタノールを生成する、請求項105〜116のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項118】
前記エタノール反応器が、不均一系触媒を有する充填層反応器である、請求項105〜117のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項119】
前記メタノール反応器が、不活性液体中に懸濁した金属化合物を含む触媒を含み、前記一酸化炭素、水素、及びメタノールが気相である、請求項105〜118のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項120】
前記メタノール反応器が、200℃から300℃の温度、及び4700kPaから5500kPaの圧力で、反応物及び生成物が気相の状態で動作する、請求項105〜119のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項121】
前記メタノール反応器が蒸気を受けることができ、前記メタノール反応器が、一酸化炭素を蒸気と反応させて二酸化炭素及び水素を生成することができる、請求項105〜120のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項122】
合成ガスを2400kPaから3500kPaの圧力まで圧縮する圧縮器と、前記合成ガスを220℃から450℃の温度まで加熱して、卑金属触媒を含む蒸気改質器に前記合成ガスを通す加熱器とをさらに備え、前記蒸気改質器が、前記合成ガスに含有される炭化水素を一酸化炭素及び水素に変換する、請求項105〜121のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項123】
合成ガスを4700kPaから5500kPaの圧力まで圧縮する圧縮器と、前記合成ガスを220℃から300℃の温度まで加熱する加熱器とをさらに備え、該圧縮器を通過する前記合成ガスが前記メタノール反応器に通される、請求項105〜122のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項124】
前記エタノール反応器の前記出力を受けて水素を分離するフラッシュ蒸留器であって、前記メタノール反応器が前記フラッシュ蒸留器から水素を受けることができる、フラッシュ蒸留器と、前記エタノール反応器からメタノール及びエタノールを受けてメタノールを分離するメタノール蒸留器であって、前記メタノール反応器が前記メタノール蒸留器からメタノールを受けることができる、メタノール蒸留器とをさらに備える、請求項105〜123のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項125】
バイオマス及び蒸気を受けて合成ガスを出力する、流動層を有する蒸気ガス化器をさらに備え、
前記蒸気ガス化器が、前記層中に埋設された高温ガスを受ける管を有し、さらに前記管が前記層を加熱する、請求項105〜124のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項126】
前記蒸気ガス化器が垂直壁を有する槽であり、前記壁が、床部として分配用プレートを有する長方形を形成し、前記分配用プレートが複数の孔を有し、各孔がキャップ付シリンダにより満たされ、前記キャップ付シリンダが、蒸気を運搬する前記分配プレートの下のプレナムから延在するチャネルを有するように中空であり、前記チャネルが、前記シリンダの長手方向軸を横断する前記キャップに穿孔された1つ又は複数の出口孔まで延在し、前記プレナムから前記層中に、前記分配プレートの面に平行な方向に蒸気が注入される、請求項125に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項127】
前記キャップ付シリンダが、反復した三角形又は長方形のパターンで前記分配プレート上に配置される、請求項126に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項128】
前記蒸気ガス化器が、750℃から900℃の温度、及び100kPaから175kPaの圧力で動作する、請求項125〜127のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項129】
前記蒸気ガス化器が、ケイ砂、かんらん石、ドロマイト、又はそれらの組合せを含む層を有する、請求項125〜128のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項130】
燃料を燃焼させて前記高温ガスを生成するバーナをさらに備える、請求項128又は129に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項131】
前記燃料が、メタン、天然ガス、埋立地ガス、石油由来の液体燃料、灯油、ディーゼル、バイオマス由来の燃料、バイオディーゼル、フィッシャートロプシュ液、又は肥料若しくはバイオソリッドの嫌気性消化により生成されるガスからなる群から選択される、請求項130に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項132】
バイオマスを受けて低BTU合成ガスを生成する空気吹きガス化器をさらに備え、前記低BTU合成ガスが、前記バーナで燃焼される前記燃料である、請求項130に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項133】
前記蒸気ガス化器から高温ガスを受けて蒸気を発生する熱回収蒸気発生器をさらに備える、請求項130〜132のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項134】
前記熱回収蒸気発生器からの蒸気及び湿潤バイオマスを受け、乾燥バイオマス、冷却された蒸気、及び水凝縮物を出力する加圧蒸気乾燥器をさらに備え、前記乾燥バイオマスが、前記蒸気ガス化器及び前記空気吹きガス化器に加えられ、前記凝縮物が前記熱回収蒸気発生器に供給される、請求項133に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項135】
前記管が束として構成され、前記管が前記分配用プレートの面に平行に延在するように前記束が構成される、請求項125〜134のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項136】
前記束となった前記管が、端部上で見た場合三角形のパターンを形成する、請求項125〜135のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項137】
前記管が管の内側に1つ又は複数の金属インサートを有し、前記インサートが前記管の長さに延在する、請求項125〜136のいずれか一項に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項138】
前記メタノール反応器が、4700kPaから5500kPaの圧力、及び220℃から300℃の温度で動作し、
前記酢酸メチル反応器が、活性炭上に吸着された酢酸イリジウムで構成される触媒を有する充填層反応器であり、該反応器が、900kPaから1500kPaの圧力、及び200℃から300℃の温度で動作し、
前記エタノール反応器が、不活性材料上に吸着された銅、ニッケル、及びクロムを含む触媒を有する充填層反応器であり、該反応器が、160℃から300℃の温度、及び3500kPaから4500kPaの圧力で動作し、また前記酢酸メチル反応器からの酢酸を反応させてエタノールを生成することができ、前記装置は、
30%未満の水分レベルまでバイオマスを乾燥するバイオマス乾燥器と、
バイオマスを合成ガスにガス化する蒸気ガス化器であって、前記ガス化器が、ケイ砂、ドロマイト、若しくはかんらん石、又はそれらの組合せを含む層を有する箱型の槽であり、前記槽が、キャップを有するシリンダが装着される複数の孔を有する分配プレートである底部を有し、前記キャップ付シリンダが、蒸気を運搬する前記分配プレートの下のプレナムから延在するチャネルを有するように中空であり、前記チャネルが、前記シリンダの長手方向軸を横断する前記キャップに穿孔された1つ又は複数の出口孔まで延在して、前記分配プレートの面に平行な方向に前記出口孔を通って前記層を流動化するように蒸気が前記プレナムから前記層に注入されるようにし、前記槽が、前記層を加熱するように高温燃焼排ガスを運搬する、前記層に埋設された複数の管を有し、前記管が前記分配プレートの面に平行に延在し、前記管が束として配置され、前記管が、端部上で見た場合に互いとともに三角形となる配向を有し、750℃から900℃の温度、及び100kPaから175kPaの圧力で動作する、前記蒸気ガス化器と、
バイオマスを低BTU合成ガスにガス化する空気吹きガス化器と、
前記低BTU合成ガスを燃焼させて前記高温燃焼排ガスを前記蒸気ガス化器に提供するバーナと
を備える、請求項105に記載のエタノールを生成するための装置。
【請求項139】
バイオマスをガス化して、一酸化炭素及び水素を含有する合成ガスを生成するステップと、
金属触媒の存在下で合成ガスを反応させ、メタノール及び一酸化炭素を含む混合物を生成するステップと、
第2の金属触媒の存在下でメタノールと一酸化炭素を反応させ、酢酸メチルを含む混合物を生成するステップと、
水素化触媒の存在下で酢酸メチルと水素を反応させ、エタノールを含む混合物を生成するステップと
を含む、エタノールを生成する方法。
【請求項140】
蒸気を加え、空気が存在しない状態で、流動層ガス化チャンバ内でバイオマスをガス化して合成ガスを生成するステップであって、前記チャンバが、燃料の燃焼から形成された高温ガスを使用して間接的に加熱されるステップと、
段階的触媒反応において合成ガスを反応させてエタノールを生成するステップと
を含む、エタノールを生成する方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−532483(P2009−532483A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504311(P2009−504311)
【出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/008560
【国際公開番号】WO2007/117590
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(507020406)ウッドランド バイオフュールズ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】