説明

合成樹脂シートを備える金属タンク及びユニットパネル

本発明は、合成樹脂シートを備える金属タンクに関し、合成樹脂シートと、第1金属プレートと、保温材とが順次に積層され、前記タンク本体の底面を形成するようにそれぞれ取り付けられる複数個の第1ユニットパネルと、前記第1ユニットパネルの縁部とそれぞれ対応して取り付けられ、合成樹脂シートと、第1金属プレートと、保温材と、第2金属プレートとが順次に積層され、前記タンク本体の側面及び上部面を形成するようにそれぞれ取り付けられる複数個の第2ユニットパネルを備えるタンク本体と;前記第1ユニットパネルの縁と前記タンク本体の天井面をなす第2ユニットパネルの縁に両端部が提供される複数個の支柱補強材と;前記タンク本体の側面をなす前記第2ユニットパネルの対向する縁に両端部が提供され、前記支柱補強材と一部分が溶接される複数個の梁補強材と;それぞれ隣接する前記ユニットパネルのそれぞれ対応する縁を前記タンク本体の外部に締結するように提供される締結手段から構成される。なお、高価なステンレススチールを使用しなくても、人体に無害で、且つ耐久性に優れ、防水性が良好な金属タンクを実現するとともに、第2金属プレートにカラー鋼板を使用することで、別の溶融メッキや塗装が不要であるので、生産性が良好となる効果がある。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂シートを備える金属タンクに関し、より詳細には、トタン板の一部面に人体に無害なポリエチレンシートを貼り付け、トタン板の他面と金属プレートとの間に、ウレタン樹脂を充填した単位体を所望の容積に対応して複数個締結することで、価格競争力に優れ、且つ耐防水性及び耐久性が良好であるとともに、人体に無害な合成樹脂シートを備える金属タンク及びユニットパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴムライニング(Rubber lining)は、他の有機及び無機方式の材料と比較して、耐薬品性、耐磨耗性、高接着性、高信頼性、施工性に優れ、且つ経済的な耐蝕処理や使用中の欠陥部位に対する維持保守が容易なことから、プラスチック工業の目覚しい発展にもかかわらず、産業全般の耐蝕分野では独立的な地位を確保している。
【0003】
通常、ゴムライニングは、鉄鋼コンクリート及びその他の構造物の寿命を低下させる要因である硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、その他の有毒ガス等の各種化学薬品に対する耐蝕技術の一つとして、大気汚染防止設備、廃水処理設備、水処理やその他の化学装置などに適用し得る先端の耐蝕方法である。
【0004】
特に、浄水タンクでは、内部の防水処理のためゴムライニング処理を施す。ゴムライニングは、合成樹脂を塗布して浄水タンクの内部壁面に所定の厚みの厚膜を形成するか、または合成樹脂シートを貼り付けるという2つに分けられる。
【0005】
一般的に、浄水タンクは、施工性が良好で、且つ価格競争力のあるコンクリート構造物と、金属材質の浄水タンクとに分けられる。
【0006】
コンクリート構造物の浄水タンクは、コンクリートタンクの内部壁面に防水液が混合されたモルタルを施した後、人体に無害なペイントを塗装して防水処理を行なっているが、コンクリートの膨張及び収縮が繰り返されることによって亀裂が生じるという不具合があり、上述のゴムライニング処理が必ず必要である。さらに、このようなコンクリート構造物の浄水タンクでは、上述したように、コンクリート特有の膨張及び収縮のため、一定の期間ごとにゴムライニングを維持保守しなければならないという短所がある。
【0007】
そして、金属材質の浄水タンクは、人体に無害なステンレススチールを使用するため、塩素が残留し得るタンクの天井面以外は、タンク槽内部にゴムライニングを別施すことはない。しかしながら、このようなステンレススチール構造の浄水タンクは、原材料のコスト上昇のため価格競争力がないという短所がある。さらに、このようなステンレススチール浄水タンクは、内部の側面及びコーナ部分を補強するため、別の補強アングルを取り付けることとなり、製造コストが上昇するとともに、掃除が難しくなるという不便がある。
【0008】
このような短所を解決するために、韓国実用新案登録第1358000号(1998年11月6日登録)には、合成樹脂材からなる大型水槽に関して開示されている。この考案の合成樹脂材の大型水槽は、合成樹脂材からなる水槽の内部壁にポリエチレン樹脂を塗布する技術として、コンクリート構造物の構造的な欠陥を解消することは勿論、ステンレススチール構造の浄水タンクに比べて価格競争力が強いという長所はある。しかし、コンクリート構造物またはステンレススチール構造の浄水タンクに比べて外力による耐久性が劣り、特に、静荷重または動荷重の大きな中大型の水槽では、タンクの内部及び外部に特殊の補強が要求されるという問題点がある。
【0009】
また、他の方法として、SMC(Sheet Molding Compound)水槽があり、これは、ステンレススチールまたはスチール系金属プレートに樹脂コートを行なう技術として、衛生性及び耐震性には優れている反面、特殊金型が必要であるため、価格競争力が低いという問題点がある。
【0010】
従って、現在は、コンクリート構造物のように価格競争力に優れるとともに、ステンレススチール構造のように人体に無害で、且つ維持保守が不要な構造の浄水タンクが要求されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、価格競争力に優れ、且つ防水機能及び耐久性が良好であるとともに、人体に無害な合成樹脂シートを備える金属タンクを提供することである。
【0012】
また、本発明の他の目的は、保温力を改善し、耐久性が良好な締結用部材が取り付けられる合成樹脂シートを備えるユニットパネル及びそれを備える金属タンクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、複数個のユニットパネルからなる金属材質のタンク本体と、前記タンク本体の上部とそれぞれ連通される流入管及びオーバーフロー管と、前記金属タンクの下部とそれぞれ連通される排出管及びドレイン管と、前記タンク本体の外壁に取り付けられる梯子を備える金属タンクにおいて、合成樹脂シートと、第1金属プレートと、保温材とが順次に積層され、前記タンク本体の底面を形成するようにそれぞれ取り付けられる複数個の第1ユニットパネルと、前記第1ユニットパネルの縁部とそれぞれ対応して取り付けられ、合成樹脂シートと、第1金属プレートと、保温材及び第2金属プレートとが順次に積層され、前記タンク本体の側面及び上部面を形成するようにそれぞれ取り付けられる複数個の第2ユニットパネルを備えるタンク本体と;前記第1ユニットパネルの縁と前記タンク本体の天井面をなす第2ユニットパネルの縁に両端部が提供される複数個の支柱補強材と;前記タンク本体の側面をなす前記第2ユニットパネルの対向する縁に両端部が提供され、前記支柱補強材と一部分が溶接される複数個の補強材と;それぞれ隣接する前記ユニットパネルのそれぞれ対応する縁を前記タンク本体の外部に締結するように提供される締結手段を有しており、前記合成樹脂シートの材質は、ポリエチレンであり、前記第1金属プレート、前記保温材、前記第2金属プレートの材質は、各々トタン、フォーム状のウレタン、塗装カラー鋼板である合成樹脂シートを備える金属タンクによって達成される。
【0014】
好ましくは、本発明の前記締結手段は、隣接する前記ユニットパネルの角部分に配置される締結補強板と、前記締結補強板の一側面、それぞれ隣接する前記ユニットパネル及び前記締結補強板の他側面を順次に貫通して締結する締結ネジと、前記締結ネジの端部に締結されるナットを有して構成される。
【0015】
また、本発明の目的は、上面プレートと、前記上面プレートの縁から垂直に折曲され、複数個の締結孔が形成される側面プレートと、前記上面プレートを貫通して上部及び下部が露出されるように提供される少なくとも一つ以上の管体状の締結用部材を有しており、前記プレートは、塗装カラー鋼板である第1金属プレートと、前記第1金属プレートの一側面に提供されるフォーム状のウレタン保温材と、前記保温材が内蔵されるように、前記保温材の上部面と前記第1金属プレートの縁部に発泡ポリエチレン合成樹脂シートを備えてなる締結用部材が取り付けられる合成樹脂シートを備えるユニットパネルによって達成される。
【0016】
好ましくは、本発明の前記締結用部材の上部面には、発泡ポリエチレン合成樹脂シートによって密閉されることを特徴とする締結用部材が取り付けられる。
【0017】
また、本発明の目的は、複数個のユニットパネルからなる金属材質のタンク本体と、前記タンク本体の上部とそれぞれ連通される流入管及びオーバーフロー管と、前記金属タンクの下部とそれぞれ連通される排出管及びドレイン管と、前記タンク本体の外壁に取り付けられる梯子を有する金属タンクにおいて、合成樹脂シートと、第2金属プレートと、保温材とが順次に積層され、前記タンク本体の底面を形成するようにそれぞれ取り付けられる複数個の第1ユニットパネルと、前記第1ユニットパネルの縁部とそれぞれ対応して取り付けられ、合成樹脂シートと、保温材と、第2金属プレートとが順次に積層され、前記タンク本体の側面及び上部面を形成するようにそれぞれ取り付けられる複数個の第2ユニットパネルを備え、前記ユニットパネルを貫通するように提供される上部面が合成樹脂シートによって密閉された管体状の締結用部材を含むタンク本体と;前記第1ユニットパネルの縁と前記タンク本体の天井面をなす第2ユニットパネルの縁に両端部が提供される複数個の支柱補強材と;前記タンク本体の側面をなす前記第2ユニットパネルの対向する縁に両端部が提供され、前記支柱補強材と一部分が溶接される複数個の梁補強材と;それぞれ隣接する前記ユニットパネルの角部分に配置され、締結孔が形成される締結補強板と;前記締結補強板の締結孔と前記締結用部材とそれぞれ対応する補強材の締結孔を順次に貫通する締結ネジと、貫通した前記締結ネジの端部に締結されるナットを含む締結手段を有しており、前記合成樹脂の材質は、発泡ポリエチレンであり、前記第1金属プレート、前記保温材、前記第2金属プレートの材質は、各々トタン、フォーム状のウレタン、塗装カラー鋼板からなる締結用部材が取り付けられる合成樹脂シートを備えるユニットパネルを備える金属タンクによって達成される。
【発明の効果】
【0018】
上述の構成を有する本発明の第一の実施例によれば、高価なステンレススチールを使用しなくても、人体に無害で、且つ耐久性に優れ、防水性が良好な金属タンクを実現できるとともに、第2金属プレートとして塗装カラー鋼板を使用することで、別の溶融メッキや塗装が不要であるので、生産性が良好となる効果がある。
【0019】
また、この実施例は、ステンレススチール構造の浄水タンクやSMCタンクとは異なって、内部に別の補強を施さないので、製造コストを節減でき、内部の掃除が容易な特徴を有する。
【0020】
さらに、この実施例は、タンクの内部に一切の溶接が行なわれないため、作業生産性に優れ、浄水タンクのように、作業上の衛生が特に要求されるタンク作業に非常に有利であるという利点がある。
【0021】
本発明の他の実施例によれば、接着剤を使用することなくポリエチレンを発泡することで、界面剥離を根本的に防止し、耐久性を改善するとともに、締結用部材によって保温材が圧縮されるのを防止して、好適な保温を実現できるという効果がある。
【0022】
また、この発明の実施例によれば、金属タンクの第2ユニットパネルの第1金属プレートを使用しないため、製造コストを削減できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の合成樹脂シートを備える金属タンク及びユニットパネルを詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1実施形態に係る合成樹脂シートを備える金属タンクの一部分を切開して示す斜視図であり、図2は、本発明による金属タンクの一部を示す断面図である。
【0025】
図1及び図2に示すように、本発明による金属タンクは、コンクリート材質のそれぞれ離隔したパッド部200の上部面に提供される基盤プレート300に安着される構造を有している。
【0026】
本発明による金属タンクは、底面をなす複数個の第1ユニットパネル10aと、側面及び上部面をなす第2ユニットパネル10bからなるタンク本体10と、このタンク本体10の上部にそれぞれ連通される流入管40、オーバーフロー管60及びエアーベント80と、タンク本体10の下部にそれぞれ連通されるドレイン管70及び排出管50から構成され、タンクの使用、内部掃除及び維持保守のため、第2ユニットパネル10bの外側面に梯子90が取り付けられている。
【0027】
ここで、流入管40とエアーベント80は、タンク本体10の上部面をなす第2ユニットパネル10bの上部面に連通されており、オーバーフロー管60は、タンク本体10の側面をなす第2ユニットパネル10bの上部側面に連通されている。
【0028】
そして、ドレイン管70は、第1ユニットパネル10aと連通されており、排出管50は、タンク本体10の側面をなす第2ユニットパネル10bの下部側面に連通されている。
【0029】
第1及び第2ユニットパネル10a、10bの縁は、外側方向に折曲されており、それぞれ隣接するユニットパネル10a、10bは、折曲される面が互いに相接して位置し、締結手段30によってタンク本体10の外側方向に締結される。
【0030】
本発明は、タンク本体10を補強するため、タンク本体10の内部にそれぞれ支柱及び梁補強材22、24、26が複数個取り付けられる。
【0031】
支柱補強材22は、隣接してそれぞれ一体に締結される複数個の第1ユニットパネル10aの縁と、タンク本体10の上部面を形成し、隣接してそれぞれ一体に締結される天井面をなす複数個の第2ユニットパネル10bの縁との間に、両端部がそれぞれ離隔して取り付けられている。ここで、支柱補強材22は、ユニットパネル10a、10bの角に取り付けられるのが望ましい。
【0032】
梁補強材24、26は、タンク本体10の側面を形成し、隣接してそれぞれ一体に締結される対向する複数個の第2ユニットパネル10bの縁の間に両端部がそれぞれ離隔して取り付けられている。ここで、梁補強材24、26は、第2ユニットパネル10bの角に取り付けられるのが望ましい。
【0033】
図3乃至図6は、図1の要部を示す断面図である。
【0034】
図3乃至図6に示すように、本発明による金属タンクは、合成樹脂シート11、第1金属プレート13、保温材15が順次に積層される第1ユニットパネル10aと、合成樹脂シート11、第1金属プレート13、保温材15、第2金属プレート17が順次に積層される第2ユニットパネル10bから構成されている。
【0035】
ここで、合成樹脂シート11の材質は、人体に無害なポリエチレン(P.E)として、浄水タンクに使用するのに特に適している。
【0036】
そして、第1金属プレート13は、高価なステンレススチールを代替するためにトタン材質を使用し、第2金属プレート17は、上述のように、高価なステンレススチールを代替するとともに、別の塗装などを必要としないカラー鋼板である。
【0037】
また、保温材15は、フォーム状のウレタンとして緩衝性、保温性及び耐震性に優れるという特徴がある。
【0038】
各構成要素の厚みは、保温材15、合成樹脂シート11、第1金属プレート13、第2金属プレート17の順に厚みが薄くなるように構成されることが望ましい。
【0039】
本発明による第1及び第2ユニットパネル10a、10bの合成樹脂シート11と第1金属プレート13との間の界面には、接着剤12が塗布されて完全に密着して接着されている。
【0040】
ここで、締結手段30は、上述のように、タンク本体10の外側でそれぞれ隣接するユニットパネル10a、10bの折曲される縁部を締結している。締結手段30は、それぞれ相接するユニットパネル10a、10bの角部分に挿入されて配置される締結補強板30aと、締結補強板30aの一側面とユニットパネル10a、10bの折曲される縁及び締結補強板30aの他側面を貫通する締結ネジ30bと、締結ネジ30bの端部に締結されるナット30cから構成されている。
【0041】
図7は、本発明の第2実施形態に係る締結用部材が取り付けられる合成樹脂シートを備えるユニットパネルを示す斜視図であり、図8は、図7のVIII−VIII線断面図である。
【0042】
図7及び図8に示すように、本発明によるユニットパネル500は、上面プレート510と、上面プレート510の四角面から垂直に折曲される側面プレート520と、上面プレート510を貫通して提供される複数個の締結用部材550を有して構成されている。
【0043】
上面プレート510は、中心部分が下側方向に凹んでいる凹入部が形成されており、上述のように、角部分に締結用部材550が提供される。
【0044】
側面プレート520は、複数個の締結孔532が長手方向に沿って形成されている。
【0045】
本発明によるユニットパネル500の断面構造は、合成樹脂シート561と保温材563及び第2金属プレート565が順次に積層される構造を有する。そして、ユニットパネル500は、上面プレート510を貫通するように、管体状の複数個の締結用部材550が提供される。
【0046】
ここで、合成樹脂シート561、保温材563、第2金属プレート565の材質は、各々ポリエチレン、フォーム状のウレタン、塗装カラー鋼板である。
【0047】
特に、本発明の合成樹脂シート561は、接着剤12(図3乃至図6参照)使用による界面剥離を根本的に防止するため、保温材563の上部面及び第2金属プレート565の縁部に発泡されている。
【0048】
そして、締結用部材550は、後述する締結手段630で補強材622(624;626)(図10参照)とユニットパネル500と締結する際に、保温材563が圧縮されて保温力が低下するのを根本的に防止するために提供するもので、これについては後述する。ここで、締結用部材550としては、金属材質、または強度及び硬度に優れた合成樹脂材質の剛性体が好適である。
【0049】
本発明による締結用部材550の提供により、本発明のユニットパネル500は、第1実施形態の合成樹脂シート11と保温材15との間に間に介在される第1金属プレート13が不要であるので、材料の無駄を最小化し、製造コストを節減できるという特徴がある。
【0050】
締結用部材550は、本発明によるユニットパネル500の第2金属プレート565の貫通孔(図示せず)に嵌め入れられたり、貫通孔に挿入された外周縁が溶接されて一体に形成されている。
【0051】
本発明の締結用部材550は、上部面が発泡合成樹脂シート561によって閉鎖されている。これは、締結用部材550の上部面と下部面が完全開放される貫通構造である場合は、補強の際に防水を実現するため、別に防水介在物を必要とするからである。即ち、本発明は、発泡合成樹脂シート561によって締結用部材550の上部面を閉鎖する構造であるので、別に防水介在物がなくても、締結する際に(施工時)完璧な防水を実現することができる。
【0052】
また、本発明の締結用部材550の下部面は、図8に示すように、開放されているが、これに限らず、補強の有無によって閉鎖されてもよい。
【0053】
図9は、本発明による合成樹脂シートを備える金属タンクの一部分を切開して示す斜視図である。
【0054】
図9に示すように、本発明による金属タンクは、コンクリート材質のそれぞれ離隔したパッド部700の上部面に提供される基盤プレート800に安着される構造を有する。
【0055】
本発明による金属タンクは、底面をなす複数個の第1ユニットパネル500aと、側面及び上部面をなす第2ユニットパネル500から構成されるタンク本体600と、このタンク本体600の上部にそれぞれ連通される流入管640、オーバーフロー管660及びエアーベント680と、タンク本体600の下部にそれぞれ連通されるドレイン管670及び排出管650から構成され、タンクの使用、内部掃除及び維持保守のため、第2ユニットパネル500の外側面に梯子690が取り付けられている。
【0056】
ここで、流入管640とエアーベント680は、タンク本体600の上部面をなす第2ユニットパネル500の上部面に連通されており、オーバーフロー管660は、タンク本体60の側面をなす第2ユニットパネル500の上部側面に連通されている。そして、ドレイン管670は、第1ユニットパネル500aと連通されており、排出管650は、タンク本体600の側面をなす第2ユニットパネル500の下部側面に連通されている。
【0057】
そして、第1及び第2ユニットパネル500a、500の縁は、外側方向に折曲されており、それぞれ隣接するユニットパネル500a、500は折曲される面が互いに相接して位置し、締結手段630によってタンク本体600の外側方向に締結される。
【0058】
さらに、本発明は、タンク本体60を補強するため、タンク本体60の内部にそれぞれ支柱及び梁補強材622、624、626が複数個取り付けられている。
【0059】
支柱補強材622は、隣接してそれぞれ一体に締結される複数個の第1ユニットパネル500aの縁と、タンク本体600の上部面を形成し、隣接してそれぞれ一体に締結される天井面をなす複数個の第2ユニットパネル500の縁との間に、両端部がそれぞれ離隔して取り付けられている。ここで、支柱補強材622は、ユニットパネル500a、500の角に取り付けられるのが望ましい。
【0060】
梁補強材624、626は、タンク本体600の側面を形成し、隣接してそれぞれ一体に締結される対向する複数個の第2ユニットパネル500の縁の間に、両端部がそれぞれ離隔して取り付けられている。ここで、梁補強材624、626は、第2ユニットパネル500の角に取り付けられるのが望ましい。
【0061】
図10は、本発明によるユニットパネルと補強材の締結部分を拡大示した断面図である。
【0062】
図10に示すように、本発明は、締結用部材550が取り付けられるユニットパネル500を提供して、締結手段630によるユニットパネル500とそれぞれ対応する補強材622、624、626相互間の締結において、ユニットパネル500自体が圧縮されないようにすることで、第1実施形態の保温材13(図3乃至図6参照)の圧縮によって保温力が低下するのを根本的に防止する。
【0063】
まず、締結手段630は、それぞれ隣接するユニットパネルの角部分に配設され、締結孔(図示せず)が形成される締結補強板630aと、締結補強板630aの締結孔に挿通される締結ネジ630bと、貫通する締結ネジ630bの端部に締結されるナット630cから構成される。
【0064】
ここで、ユニットパネル500の断面構造及び構成は、図7及び図8で説明したので、詳細な構成に関する説明は省略することにする。
【0065】
次に締結関係について説明する。締結ネジ630bは、締結補強板630aの締結孔と、締結用部材550の貫通孔、及び補強材622、624、626の締結孔(図示せず)を順次に貫通し、貫通端部がナット630cによって強く締結されている。
【0066】
ここで、図5に示すように、締結用部材550の締結孔の上部面は、合成樹脂シート561によって閉鎖された状態で、締結ネジ630bが合成樹脂シート561を貫いて、締結用部材550の締結孔を貫通するもので、上述の合成樹脂シート561は、シールのためのパッキングのような機能を有する。
【0067】
本発明の構成は、締結手段630でユニットパネル500と補強材622、624、626相互間の締結の際に、剛性体の締結用部材550がユニットパネル500が圧縮されないように支持する構造を有するため、第1実施形態の保温材13(図3乃至図6参照)の圧縮による保温力の低下を根本的に防止できるという特徴がある。
【0068】
なお、本実施形態では第2ユニットパネル500についてのみ説明したが、第1ユニットパネル550aにも同様に適用できるので、これに関する詳細な説明は省略する。但し、第1及び第2ユニットパネル500a、500の違いは、断面構造にある(図13参照)。
【0069】
図11は、図9の金属タンクの一部を示す図であり、図12及び図13は、図11のA−1及びB−1を拡大示した断面図である。
【0070】
図11乃至図13に示すように、本発明による金属タンクは、合成樹脂シート561、第1金属プレート567、保温材563が順次に積層される第1ユニットパネル500aと、合成樹脂シート561、保温材563及び第2金属プレート565が順次に積層される第2ユニットパネル500から構成される。
【0071】
ここで、合成樹脂シート561の材質は、人体に無害な発泡ポリエチレン(P.E)として、浄水タンクに使用するのに特に好適である。
【0072】
そして、第1金属プレート567は、高価なステンレススチールを代替するためにトタン材質を使用し、第2金属プレート563は、上述のように、高価なステンレススチールを代替すると同時に、別の塗装などを必要としないカラー鋼板である。
【0073】
また、保温材563は、フォーム状のウレタンとして、緩衝性、保温性及び耐震性に優れるという特徴がある。
【0074】
さらに、各構成要素の厚みは、保温材563、合成樹脂シート561、第1金属プレート567、第2金属プレート565の順に薄くなるように構成するのが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、トタン板の一部面に人体に無害なポリエチレンシートを貼り付け、トタン板の他面と金属プレートとの間にウレタン樹脂を充填した単位体を所望の容積に対応して複数個締結することで、価格競争力に優れ、且つ耐防水性及び耐久性が良好であるとともに、人体に無害な合成樹脂シートを備える金属タンク及びユニットパネルを提供することができる。
【0076】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1実施形態に係る合成樹脂シートを備える金属タンクの一部分を切開して示す斜視図。
【図2】本発明による金属タンクの一部を示す断面図。
【図3】図1の要部を示す断面図。
【図4】図1の要部を示す断面図。
【図5】図1の要部を示す断面図。
【図6】図1の要部を示す断面図。
【図7】本発明の第2実施形態に係る締結用部材が取り付けられる合成樹脂シートを備えるユニットパネルを示す斜視図。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図。
【図9】図7のユニットパネルを備える金属タンクの一部分を切開して示す斜視図である。
【図10】本発明によるユニットパネルと補強材の締結部分の拡大断面図である。
【図11】図9の金属タンクの一部を示す断面図である。
【図12】図10のA−1部分を拡大して示す断面図。
【図13】図10のB−1部分を拡大して示す断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のユニットパネルからなる金属材質のタンク本体と、前記タンク本体の上部とそれぞれ連通される流入管及びオーバーフロー管と、前記金属タンクの下部とそれぞれ連通される排出管及びドレイン管と、前記タンク本体の外壁に取り付けられる梯子を備える金属タンクにおいて、
合成樹脂シートと、第1金属プレートと、保温材とが順次に積層され、前記タンク本体の底面を形成するようにそれぞれ取り付けられる複数個の第1ユニットパネルと、前記第1ユニットパネルの縁部とそれぞれ対応して取り付けられ、合成樹脂シートと、第1金属プレートと、保温材と、第2金属プレートとが順次に積層され、前記タンク本体の側面及び上部面を形成するようにそれぞれ取り付けられる複数個の第2ユニットパネルを備えるタンク本体と;
前記第1ユニットパネルの縁と前記タンク本体の天井面をなす第2ユニットパネルの縁に両端部が提供される複数個の支柱補強材と;
前記タンク本体の側面をなす前記第2ユニットパネルの対向する縁に両端部が提供され、前記支柱補強材と一部分が溶接される複数個の補強材と;
それぞれ隣接する前記ユニットパネルのそれぞれ対応する縁を前記タンク本体の外部に締結するように提供される締結手段を有しており、
前記合成樹脂シートの材質はポリエチレンであり、
前記第1金属プレート、前記保温材、前記第2金属プレートの材質は、各々トタン、フォーム状のウレタン、塗装カラー鋼板であることを特徴とする合成樹脂シートを備える金属タンク。
【請求項2】
前記締結手段は、
隣接する前記ユニットパネルの角部分に配置される締結補強板と、
前記締結補強板の一側面、それぞれ隣接する前記ユニットパネル及び前記締結補強板の他側面を順次に貫通して締結する締結ネジと、
前記締結ネジの端部に締結されるナットを有して構成されることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂シートを備える金属タンク。
【請求項3】
上面プレートと、
前記上面プレートの縁から垂直に折曲され、複数個の締結孔が形成される側面プレートと、
前記上面プレートを貫通して上部及び下部が露出されるように提供される少なくとも一つ以上の管体状の締結用部材を有しており、
前記プレートは、塗装カラー鋼板である第1金属プレートと、前記第1金属プレートの一側面に提供されるフォーム状のウレタン保温材と、前記保温材が内蔵されるように、前記保温材の上部面と前記第1金属プレートの縁部に発泡ポリエチレン合成樹脂シートを備えてなる締結用部材が取り付けられることを特徴とする合成樹脂を備えるユニットパネル。
【請求項4】
前記締結用部材の上部面は、発泡ポリエチレン合成樹脂シートによって密閉される締結用部材が取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の合成樹脂を備えるユニットパネル。
【請求項5】
複数個のユニットパネルからなる金属材質のタンク本体と、前記タンク本体の上部とそれぞれ連通される流入管及びオーバーフロー管と、前記タンク本体の下部とそれぞれ連通される排出管及びドレイン管と、前記タンク本体の外壁に取り付けられる梯子を有する金属タンクにおいて、
合成樹脂シートと、第2金属プレートと、保温材とが順次に積層され、前記タンク本体の底面を形成するようにそれぞれ取り付けられる複数個の第1ユニットパネルと、前記第1ユニットパネルの縁部とそれぞれ対応して取り付けられ、合成樹脂シートと、保温材と、第2金属プレートとが順次に積層され、前記タンク本体の側面及び上部面を形成するようにそれぞれ取り付けられる複数個の第2ユニットパネルを備え、前記ユニットパネルを貫通するように提供される上部面が合成樹脂シートによって密閉された管体状の締結用部材を備えるタンク本体と;
前記第1ユニットパネルの縁と前記タンク本体の天井面をなす前記第2ユニットパネルの縁に両端部が提供される複数個の支柱補強材と;
前記タンク本体の側面をなす前記第2ユニットパネルの対向する縁に両端部が提供され、前記支柱補強材と一部分が溶接される複数個の梁補強材と;
それぞれ隣接する前記ユニットパネルの角部に配置され、締結孔が形成される締結補強板と、前記締結補強板の締結孔と、前記締結用部材と、それぞれ対応する補強材の締結孔を順次に貫通する締結ネジと、貫通する前記締結ネジの端部に締結されるナットを含む締結手段を有しており、
前記合成樹脂の材質は発泡ポリエチレンであり、前記第1金属プレート、前記保温材、前記第2金属プレートの材質は、各々トタン、フォーム状のウレタン、塗装カラー鋼板からなる締結用部材が取り付けられることを特徴とする合成樹脂シートを備えるユニットパネルを備える金属タンク。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2008−518849(P2008−518849A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538833(P2007−538833)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【国際出願番号】PCT/KR2005/003703
【国際公開番号】WO2006/049445
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(506302365)ドンミュン インダストリアル カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】