説明

合成樹脂製容器蓋

【課題】印刷機に対して容器を所定角度位置に位置付けさえすれば、タンパーエビデント裾部(12)の1個の凹部(46)又は凸部(48)内に印刷が施され、そしてまた容器の口頸部(50)に対する容器蓋(2)の装着が許容螺合誤差角度±γを超えて遂行されてしまった場合のみにタンパーエビデント裾部の凹部と凸部とに渡って印刷が施されて印刷が許容し得ないものになる合成樹脂製容器蓋を提供する。
【解決手段】凹部又は凸部のうちの1個を雌螺条の螺合開始端に対して特定角度位置に配置すると共に角度β度に渡って連続して延在させて印刷領域を規定し、印刷が施される角度領域をα度とし雄螺条に対する雌螺条の許容螺合誤差角度を±γ度とすると、上記角度β度を角度αと角度γの2倍との合計角度(β=α+2γ)にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外周面には雄螺条とこの雄螺条の下方に位置する係止あご部とが形成されている口頸部を有する容器のための合成樹脂製容器蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料用容器として、外周面には雄螺条とこの雄螺条の下方に位置する係止あご部とが形成されている、ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂或いはガラスから形成された容器が使用されている。そして、かかる容器のための容器蓋として、ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系合成樹脂或いはその他の合成樹脂から形成された合成樹脂製容器蓋が実用に供されている。かかる合成樹脂製容器蓋は、天面壁とこの天面壁の周縁から垂下する筒状壁とを具備している。スカート壁には周方向破断ラインが形成されており、スカート壁は周方向破断ラインよりも上方の主部と周方向破断ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されている。スカート壁の主部の内周面には容器の口頸部に形成されている雄螺条に螺合される雌螺条が形成されており、タンパーエビデント裾部の内周面には容器の口頸部に形成されている係止あご部に係止される係止手段が形成されている。
【0003】
上述したとおりの容器蓋においては、成形に使用する合成樹脂量を可及的に低減し、これによって製造コストを低下すると共に冷却に要する時間を減少して製造効率を上昇することが望まれる。そして、成形に使用する合成樹脂量を低減するためには、スカート壁及び/又は天面壁の厚さを減少することが意図される。しかしながら、単にスカート壁及び/又は天面壁の厚さを減少すると、(1)強度が過剰に低下する、(2)スカート壁の内径は容器の口頸部に対応する寸法であることが必要であり、従ってスカート壁の厚さを低減するとスカート壁の外径が減少し、これに起因して容器の口頸部に容器蓋を装着するための既存の装着装置の種々の構成要素を交換しなければならない、という問題が発生する。そこで、下記特許文献1には、強度を過剰に低下させることなく、そしてまた既存の装置の種々の構成要素を交換する必要を回避して、成形に使用する合成樹脂量を大幅に低減するために、スカート壁の主部と共にタンパーエビデント裾部に周方向に間隔をおいて複数個の凹部を配設する(従ってタンパーエビデント裾部には凹部と通常部即ち凸部とが交互に存在する)ことが開示されている。
【特許文献1】特開2005−320055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者等の経験によれば、上記特許文献1に開示された合成樹脂製容器蓋には、次のとおりの問題が残留していることが判明した。容器に内容物を充填し且つ容器の口頸部に容器蓋を所要とおりに装着して容器の口頸部を密封した後に、合成樹脂製容器蓋のタンパーエビデント裾部の外周面には、内容物充填日付及び/又は内容物充填工場等を示す文字乃至記号をインクジェット式印刷機の如き適宜の印刷機によって印刷することが少なくないが、タンパーエビデント裾部に形成されている凹部とこの凹部に隣接する凸部との双方に渡って印刷が施されてしまうと、凹部と凸部との境界に鋭い段差が存在することに起因して、上記文字乃至記号の印刷が許容し得ないものになってしまうことがある。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、容器の口頸部に容器蓋が所定螺合誤差角度範囲内で装着される限り、印刷機に対して容器を所定角度位置に位置付けさえすれば、タンパーエビデント裾部の1個の凹部又は凸部内に印刷が施され、凹部と凸部とに渡って印刷が施されることに起因して印刷が許容し得ないものになってしまうことが回避され、そしてまた容器の口頸部に対する容器蓋の装着が許容螺合誤差角度を超えて遂行されてしまった場合のみにタンパーエビデント裾部の凹部と凸部とに渡って印刷が施されて印刷が許容し得ないものになり、従ってタンパーエビデント裾部に施された印刷の状態を目視することによって容器の口頸部に対する容器蓋の装着が許容誤差角度範囲内で遂行されたか否かを判別することができる、新規且つ改良された合成樹脂製容器蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、鋭意検討の結果、タンパーエビデント裾部の凹部又は凸部のうちの1個を雌螺条の螺合開始端に対して特定角度位置に配置すると共に角度β度に渡って連続して延在させて印刷領域を規定し、印刷が施される角度領域をα度とし雄螺条に対する雌螺条の許容螺合誤差角度を±γ度とすると、上記角度β度を角度αと角度γの2倍との合計角度(β=α+2γ)にすることによって上記主たる技術的課題を達成することを見出した。
【0007】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する合成樹脂製容器蓋として、外周面には雄螺条と該雄螺条の下方に位置する係止あご部が形成されている口頸部を有する容器のための合成樹脂製容器蓋であって、天面壁と該天面壁の周縁から垂下する筒状スカート壁とを具備し、該スカート壁には周方向に延在する周方向破断ラインが形成されており、該スカート壁は該周方向破断ラインよりも上方の主部と該周方向破断ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、該スカート壁の主部の内周面には該雄螺条に螺合される雌螺条が形成され、該タンパーエビデント裾部の内周面には該係止あご部に係止される係止手段が形成されており、該タンパーエビデント裾部の外周面における所定角度α度の領域には印刷が施される合成樹脂製容器蓋において、
該タンパーエビデント裾部の外周面には複数個の凸部と複数個の凹部とが交互に位置し、該凸部又は該凹部のうちの少なくとも1個は該雌螺条の螺合開始端に対して特定角度位置に配置されていると共に角度β度に渡って連続して延在する印刷領域を規定しており、該雄螺条に対する該雌螺条の許容螺合誤差角度を±γ度とすると、該角度β度は該角度αと該角度γの2倍との合計角度(β=α+2γ)である、ことを特徴とする合成樹脂容器蓋が提供される。
【0008】
特に、容器の主胴部の横断面形状が長方形である場合には、該凸部又は該凹部のうちの180度の角度間隔を置いて位置する2個が該印刷領域を規定しているように構成するのが好適である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の合成樹脂製容器蓋によれば、強度を過剰に低下させることなく、そしてまた既存の装置の種々の構成要素を交換する必要を回避して、成形に使用する合成樹脂量を低減することができることに加えて、容器の口頸部に容器蓋が所定螺合誤差角度範囲内で装着される限り、印刷機に対して容器を所定角度位置に位置付けさえすれば、タンパーエビデント裾部の1個の凹部又は凸部内に印刷が施され、凹部と凸部とに渡って印刷が施されることに起因して印刷が許容し得ないものになってしまうことが回避され、そしてまた容器の口頸部に対する容器蓋の装着が許容螺合誤差角度を超えて遂行されてしまった場合のみにタンパーエビデント裾部の凹部と凸部とに渡って印刷が施されて印刷が許容し得ないものになり、従ってタンパーエビデント裾部に施された印刷の状態を目視することによって容器の口頸部に対する容器蓋の装着が許容誤差角度範囲内で遂行されたか否かを判別することができる。
【0010】
該凸部又は該凹部のうちの180度の角度間隔を置いて位置する2個が該印刷領域を規定しているように構成すると、容器の主胴部の横断面形状が長方形である場合には、印刷機に対して容器を所定角度位置に位置付ける必要なく、容器の主胴部の形状における長方形の長手方向を印刷機に対して所定方向に位置付けさえすれば、タンパーエビデント裾部の2個の印刷領域のうちのいずれかに所要とおりに印刷を施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明に従って構成された合成樹脂製容器蓋の好適実施形態について、更に詳細に説明する。
【0012】
図1と共に図4を参照して説明すると、ポリエチレン又はポリプロピレンの如きポリオレフィン系合成樹脂或いはその他の適宜の合成樹脂から形成することができる、全体を番号2で示す本発明に従って構成された容器蓋は、円形天面壁4とかかる天面壁4の周縁から垂下する略円筒形状のスカート壁6とを具備している。スカート壁6には周方向に延在する周方向破断ライン8が形成されており、スカート壁6は周方向破断ライン8よりも上方の主部10と周方向破断ライン8よりも下方のタンパーエビデント裾部12とに区画されている。図4から明確に理解される如く、スカート壁6の内周面には下方を向いた環状肩面14が形成されており、そしてかかる環状肩面14から下方に延びる比較的短い突条16が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。上記周方向破断ライン8は、突条16の軸線方向上部において、スカート壁6の外周面から切断刃(図示していない)を作用させて、突条16の少なくとも一部を残留させてスカート壁6を切断することによって形成されている。突条16の切断されることなく残留せしめられた部分が所謂橋絡部を構成し、タンパーエビデント裾部12は橋絡部を介して主部10に接続されている。
【0013】
スカート壁6の主部10の外周面下端部は円錐台形状であり、タンパーエビデント裾部12の外周面の上端部は円筒形状である。スカート壁6の主部10の主部外周面の形状及びタンパーエビデント裾部12の上端部以外の外周面の形状については後に更に言及する。
【0014】
図示の実施形態においては、図4に明確に図示する如く、スカート壁6の主部10の内周面には雌螺条20が形成されている。かかる雌螺条20には、周方向に適宜の間隔をおいて軸線方向に延びる切欠22が形成されている。かかる切欠22は容器の口頸部が開封される際の所謂通気路を構成する。
【0015】
タンパーエビデント裾部12の内周面下部には下方を向いた環状肩面26及び28が形成されている。そして、タンパーエビデント裾部12の内周面には、環状肩面26の直上から半径方向内方に向かって上方に傾斜して突出する係止片30が周方向に等間隔をおいて複数個形成されている。
【0016】
図4及び図3を参照することによって理解されるとおり、天面壁4の下面即ち内面の周縁部には、内側筒状シール片32、環状当接片34及び外側筒状シール片36が形成されている。内側筒状シール片32は、天面壁4の内面から下方に向かって半径方向外方に傾斜して延出し、次いで下方に向かって幾分半径方向内方に傾斜して延出している。環状当接片34は、半径方向に見て内側筒状シール片32と外側筒状シール片36との間に位置させており、天面壁4の内面から下方及び半径方向外方に膨出せしめられた膨出部から構成されている。外側筒状シール片36は内側筒状シール片32から半径方向に所定距離離隔して配置されており、天面壁4の内面から下方に向かって半径方向外方に若干傾斜して延出している。天面壁4の内面中央部には周方向に等間隔をおいて半径方向に延びる3個の補強リブ38が形成されている。かかる補強リブ38の各々は内側筒状シール片32の外周面基部(上部)から半径方向内方に延出している(図5も参照されたい)。
【0017】
図1と共に図2、図4及び図5を参照して説明を続けると、図示の容器蓋2においては、スカート壁6の主部10の外周面に周方向に間隔をおいて複数個の凹部40が形成されている。かかる凹部40はスカート壁6の主部10の上端から下端近傍まで延びている。スカート壁6の主部10の外周面に形成されている凹部40について更に詳述すると、スカート壁6の主部10には凹部40と非凹部(即ち凹部40間に位置する部分)との双方において多数の突条42が周方向に間隔をおいて形成されているが、凹部40に形成されている突条42の半径方向突出量は比較的小さく、非凹部に形成されている突条42の突出量は比較的大きく、突条42のかような突出量の差によって凹部40が生成されている。所望ならば、凹部40においては、突条42の突出量を比較的小さくすることに代えて或いはこれに加えて、突条42が存在しない部分の厚さを低減することもできる。更に、スカート壁6の主部10の上部には周方向に間隔をおいて周方向に延びる複数個のスリット44が形成されている。
【0018】
図1と共に図2、図4及び図5を参照して説明を続けると、本発明に従って構成された容器蓋2においては、タンパーエビデント裾部12の外周面には、複数個の凹部46が周方向に間隔をおいて形成されていて、凹部46と凹部46間に位置する部分即ち凸部48とが交互に位置することが重要である。そして、凹部46又は凸部48のうちの少なくとも1個は、スカート壁6の主部10の内周面に形成されている雌螺条20の螺条開始端に対して特定角度位置に配置されていると共に、角度βに渡って連続して延在していることが重要である。図示の実施形態においては、タンパーエビデント裾部12の上端部外周面には凹部が形成されておらず、上端部外周面は円筒形状であるが、かかる上端部の下方においては2個の凹部46と2個の凸部48とが周方向に交互に配設されている。そして、180度の角度間隔をおいて位置する2個の凸部48が角度範囲βに渡って連続して延在している。所望ならば、凸部48に代えて凹部46が上記角度範囲βに渡って連続して延在するようになすこともできる。
【0019】
後に更に言及する如く、容器の口頸部に容器蓋2を装着して口頸部を密封する際には、所要トルクを付加して口頸部に形成されている雄螺条に容器蓋2に形成されている雌螺条20を螺合するが、雄螺条と雌螺条との螺合には幾分かの誤差が発生し、かかる螺合誤差の許容範囲は例えば±10度程度に設定されている。内容物が充填された容器の口頸部に容器蓋2を装着して容器の口頸部を密封した後には、タンパーエビデント裾部12の外周面、更に詳しくは円筒形状の上端部より下の領域に所定角度α、例えば50度程度、に渡る部位に内容物充填日及び/又は内容物充填工場等を示す文字乃至記号が印刷される。凸部48が連続して延在する上記角度βは上記印刷所定角度αと上記許容螺合誤差角度γの2倍との合計角度(β=α+2γ)であることが重要であり、図示の実施形態では角度βは約70度である。角度βが上記要件を充足する場合には、容器蓋2が装着された容器を印刷機に対して所定角度に位置付けさえすれば、凸部48が延在する部位に所用印刷が施され、凸部48と凹部46とに渡って印刷が施されることによって印刷が許容できないものになってしまうことが確実に回避される。また、図示の容器蓋2の如く、角度βが上記要件を充足する凸部48が180度の角度間隔をおいて2個形成されている場合には、容器の主胴部の横断面形状が長方形であるならば、印刷機に対して容器を所定角度位置に位置付ける必要なく、容器の主胴部の形状における長方形の長手方向を印刷機に対して所定方向に位置付けさえすれば、2個の凸部48のいずれかが延在する部位に印刷が施され、凸部48と凹部46とに渡って印刷が施されることによって印刷が許容できないものになってしまうことが確実に回避される。
【0020】
図4及び図5には、容器蓋2と共にこの容器蓋2が適用される容器の一部も図示されている。ポリエチレンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂或いはガラスから形成することができる容器は、全体として略円筒形状の口頸部50を有する。上面が開口された口頸部50の外周面には雄螺条52及びこの雄螺条52の下方に位置する環状係止あご部54が形成されている。容器の口頸部50に容器蓋2を装着して口頸部50を密封する際には、口頸部50に容器蓋2を被嵌して閉方向、即ち図4及び図5において上方から見て時計方向に所要回転トルクで回転せしめる。かくすると、口頸部50の雄螺条52に容器蓋2の雌螺条20が漸次螺合され、容器蓋2は回転と共に下降せしめられる。タンパーエビデント裾部12に形成されている係止片30は半径方向外方に弾性的に変形せしめられて口頸部50に形成されている係止あご部54を乗り越え、次いで弾性的に復元して係止あご部52に係止せしめられる。容器蓋2の天面壁4の内面に形成されている内側筒状シール片32は口頸部50の内周面上端部に密接せしめられて幾分半径方向内側に撓まされ、環状当接片34は口頸部50の上端面に当接せしめられて幾分圧縮され、外側筒状シール片36は口頸部50の外周面上端部に密接せしめられて半径方向外側に幾分撓まされ、かくして口頸部50が密封される。
【0021】
上述したとおり、容器の口頸部50に容器蓋2を装着した後には、印刷機に対して容器を所要とおりに位置付けてタンパーエビデント裾部12の外周面に印刷が施されるが、容器の口頸部50の雄螺条52に対する容器蓋2の雌螺条20の螺合が許容螺合誤差角度γ以内で遂行されているならば、印刷はタンパーエビデント裾部12の凸部48が延在する部位に施される。従って、施された印刷を観察して適切であれば雄螺条52と雌螺条20との螺合が許容螺合誤差角度以内で遂行されたことが確認される。一方、印刷がタンパーエビデント裾部12のおける凸部48と凹部46とに渡って施された場合には、雄螺条52と雌螺条20との螺合が許容螺合誤差角度以内で遂行されなかったことを意味し、従って施された印刷を観察することによって螺合が適切に遂行されたか否かを判定すし、不適切なものを排除することができる。
【0022】
容器の口頸部50を開封する際には、容器蓋2を開方向、即ち図4及び図5において上方から見て反時計方向に回転せしめる。かくすると、タンパーエビデント裾部12は、その内周面に形成されている係止片30が口頸部50の外周面に形成されている係止あご部54に係止せしめられている故に、上昇が阻止されるが、容器蓋2のその他の部分は、回転によって雄螺条52に対する雌螺条20の螺合が解除されるに応じて上昇せしめられる。従って、スカート壁6に形成されている周方向破断ライン8、更に詳しくはその橋絡部に相当な応力が生成されて橋絡部が破断され、タンパーエビデント裾部12が主部10から切り離される。しかる後においては、容器蓋2の、タンパーエビデント裾部12以外の部分は回転と共に自由に上昇せしめられて口頸部50から離脱され、かくして口頸部50が開封される。図示の実施形態においては、口頸部50を開封する際に周方向破断ライン8が周方向全周に渡って破断されてタンパーエビデント裾部12が主部10から完全に切り離され、タンパーエビデント裾部12は口頸部50から離脱されることなく口頸部50に残留せしめられるが、所望ならば、周方向破断ライン8における橋絡部の少なくとも1個を破断されることなく維持され続ける強橋絡部にせしめると共に、タンパーエビデント裾部12に軸線方向に延びる軸線方向破断ラインを形成し、口頸部50を開封する際には軸線方向破断ラインが破断されてタンパーエビデント裾部12が無端環状形態から有端帯状形態に展開され、破断されることなく維持される強橋絡部を介して主部10に接続されているタンパーエビデント裾部12も口頸部50から離脱されるようにせしめることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を示す正面図。
【図2】図1の容器蓋の平面図。
【図3】図1の容器蓋の底面図。
【図4】図1の容器蓋の、図2の線IV−IVにおける断面図。
【図5】図1の容器蓋の、図2の線V−Vにおける断面図。
【符号の説明】
【0024】
2:容器蓋
4:天面壁
6:スカート壁
8:周方向破断ライン
10:スカート壁の主部
12:タンパーエビデント裾部
20:雌螺条
46:凹部
48:凸部
50:容器の口頸部
52:雄螺条

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面には雄螺条と該雄螺条の下方に位置する係止あご部が形成されている口頸部を有する容器のための合成樹脂製容器蓋であって、天面壁と該天面壁の周縁から垂下する筒状スカート壁とを具備し、該スカート壁には周方向に延在する周方向破断ラインが形成されており、該スカート壁は該周方向破断ラインよりも上方の主部と該周方向破断ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、該スカート壁の主部の内周面には該雄螺条に螺合される雌螺条が形成され、該タンパーエビデント裾部の内周面には該係止あご部に係止される係止手段が形成されており、該タンパーエビデント裾部の外周面における所定角度α度の領域には印刷が施される合成樹脂製容器蓋において、
該タンパーエビデント裾部の外周面には複数個の凸部と複数個の凹部とが交互に位置し、該凹部又は該凸部のうちの少なくとも1個は該雌螺条の螺合開始端に対して特定角度位置に配置されていると共に角度β度に渡って連続して延在する印刷領域を規定しており、該雄螺条に対する該雌螺条の許容螺合誤差角度を±γ度とすると、該角度β度は該角度αと該角度γの2倍との合計角度(β=α+2γ)である、ことを特徴とする合成樹脂容器蓋。
【請求項2】
該凹部又は該凸部のうちの180度の角度間隔を置いて位置する2個が該印刷領域を規定している、請求項1記載の合成樹脂製容器蓋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−239234(P2008−239234A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−86570(P2007−86570)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000228442)日本クラウンコルク株式会社 (382)
【Fターム(参考)】