説明

吊下げ型照明器具

【課題】安価かつ簡易的な構造変更により照明器具の長さ寸法を変更することができ、これにより照明器具全体としても安価かつ簡易的な構造となる。
【解決手段】押出し成形により構成され、両端に開口部を有するとともに光源をなすLED基板12が内蔵された照明カバー11と、照明カバー11の開口部を閉塞するエンドカバー15とを備え、エンドカバー15には、構造体に対して固定可能な磁石片16と取付孔17が設けられた吊下げ型照明器具1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスや家庭等の執務空間にて、作業面の照度を確保するために使用される吊下げ型照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスや家庭等の執務空間にて、作業面の照度を確保するために使用される照明器具としては、カバー部材の内部に照明灯を収容して体裁を良好に収めると共に、カバー部材の下方に設けられた窓を介して照明光を照射させることによって照明としての機能を実現させているのが一般的となっている。また、こうした照明器具の一つとして、構造体の下面(底面)等に取付手段で取り付けて使用する棚下照明が多く用いられている。
【0003】
こうした棚下照明においては、照明装置を、下方に光を案内する照射用開口部が形成された樹脂製の照明カバー内に収容し、この照明カバーに一体的に形成された取付部を介して棚下照明を構造体に取り付ける構成としたものが一般的である。
これらの構造によれば、簡易的かつ安価に棚下照明およびその構造体への取付部を構成することができる。ところが、照明カバーと取付部とを一体的に形成する構造となっているため、棚下照明の長さ寸法を変更したいという要望が生じた場合においても、これらの要望に柔軟に対応することができない欠点があった。
【0004】
これに対して、照明カバーを、下方に光を案内する照射用開口部が形成された押出し成形されたカバー本体と、カバー本体に取り付けられ、カバー本体の左右の開口部を閉塞する一対のキャップ部材とから構成し、カバー本体に構造体への取付部を後付けする方法が、例えば特許文献1、2に開示されている。
これらの構造によれば、カバー本体の長さのみを変更することによって、棚下照明の長さ寸法を変更することができるので、安価かつ簡易的な構造変更で柔軟に対応することが可能となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−026723号公報
【特許文献2】特開2007−207636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2に示す照明器具にあっては、カバー本体に構造体への取付部を後付けする方法を採用するため、煩雑な加工を要することになり、カバー本体にかかるコストが増大するという問題を有していた。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、安価かつ簡易的な構造変更により照明器具の長さ寸法を変更することができ、これにより照明器具全体としても安価かつ簡易的な構造となる吊下げ型照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る吊下げ型照明器具では、オフィスや家庭等の執務空間にて作業面の照度を確保するために構造体の下面等に取り付けて使用される吊下げ型照明器具であって、押出し成形により構成され、両端に開口部を有するとともに光源をなす照明装置が内蔵されたカバー本体と、カバー本体の開口部を閉塞するエンドカバーとを備え、エンドカバーには、構造体に対して固定可能な取付手段が設けられていることを特徴としている。
【0009】
本発明では、エンドカバーに設けられる取付手段によって、吊下げ型照明器具全体を構造体の下面などに取り付けることができる。つまり、エンドカバーは長さ寸法の異なる全てのカバー本体に共通に使用することができることから、カバー本体のみの長さ寸法を変更することで、吊下げ型照明器具全体の長さ寸法を変更することができる。
そして、カバー本体を構造体に対して固定する構成ではなく、エンドカバーのみに取付手段が加工される構造であり、カバー本体自体は押出し成形による押出し部材からなるので、長さ寸法に対応したカバー本体の製造も簡単に行え、その加工を低減することができ、吊下げ型照明器具全体としても安価かつ簡易的な構造とすることができる。
【0010】
また、本発明に係る吊下げ型照明器具では、カバー本体には、照明装置から発生される光を下方に向けて案内する照射用開口部が下面側に設けられるとともに、側面視でC字状もしくはコ字状に形成されてなり、照射用開口部には、互いに対向して並行に延びる開口縁に案内レールが設けられ、エンドカバーには、案内レールに沿って案内されると共に、所定位置で係止される係止部が設けられていることが好ましい。
【0011】
本発明では、カバー本体の照射用開口部に設けられている案内レールにエンドカバーの係止部を嵌め込んで係止させることで、カバー本体の両端の開口部にエンドカバーを容易に取り付けることができる。このとき、エンドカバーは、その係止部が案内レールに沿って案内されるので、位置決めを容易に行うことが可能であり、吊下げ型照明器具の組み立ての作業性を良好なものとすることができる。
【0012】
また、本発明に係る吊下げ型照明器具では、エンドカバーの上面には、磁石片が設けられ、磁石片によってエンドカバーが構造体に対して磁着可能に設けられていることが好ましい。
【0013】
この場合には、エンドカバーの磁石片を構造体に磁着させることで、吊下げ型照明器具全体を構造体に対して簡単に着脱することができ、カバー本体の長さ寸法を変更する場合にも、その作業を簡略化させることができる。
【0014】
また、本発明に係る吊下げ型照明器具では、エンドカバーの上面は、磁石片の配置部分が他の部分よりも高いことが好ましい。
【0015】
この場合には、磁石片のみが構造体に磁着し、その磁石片の配置部分の他のエンドカバーの部分やカバー本体の部分は構造体に対して非接触で隙間をもって取り付けられることになる。そのため、磁石片により磁着された吊下げ型照明器具を構造体から取り外す場合、その照明器具全体を磁石片を支点にして傾けることで磁石片が構造体から離れるので、照明器具を構造体に対して引きずらずに容易に取り外すことができる。
【0016】
また、本発明に係る吊下げ型照明器具では、エンドカバーには、上下方向に貫通する取付孔が設けられていることが好ましい。
【0017】
この場合には、構造体が木製部材である場合において、取付孔に挿通させたねじによってエンドカバーを構造体に取り付けることができる。
【0018】
また、本発明に係る吊下げ型照明器具では、エンドカバーには、上下方向に貫通する取付孔が設けられるとともに、リング形状の磁石片が取付孔と同心円をなして設けられていてもよい。
【0019】
この場合には、構造体に対する吊下げ型照明器具の取り付け方法を、構造体の構造、材質に合わせて螺着と磁着を選択して採用することができる。このとき、エンドカバーの同一箇所に取付孔と磁石片とがあるので、エンドカバーにおける取付用の加工部をコンパクトに形成することができるとともに、その体裁を良好に収めることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の吊下げ型照明器具によれば、安価かつ簡易的な構造変更により照明器具の長さ寸法を変更することができ、これにより照明器具全体としても安価かつ簡易的な構造となる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態による吊下げ型照明器具の取付状態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す吊下げ型照明器具の斜視図である。
【図3】吊下げ型照明器具の分解斜視図である。
【図4】吊下げ型照明器具の上面図である。
【図5】吊下げ型照明器具の側面図である。
【図6】吊下げ型照明器具の下面図である。
【図7】図5に示すA−A線断面図である。
【図8】図5に示すB−B線断面図である。
【図9】図4に示すC−C線矢視図であって、エンドカバーの側面図である。
【図10】エンドカバーの上面図である。
【図11】エンドカバーの下面図である。
【図12】スイッチユニットを下方から見た図である。
【図13】スイッチユニットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態による吊下げ型照明器具について、図面に基づいて説明する。
【0023】
図1に示す本実施の形態による吊下げ型照明器具1は、オフィスや家庭等の執務空間にて作業面の照度を確保するために使用されるものであって、棚下などの構造体2の下面2aに取り付けられて用いられるものである。
【0024】
図2および図3に示すように、吊下げ型照明器具1は、光源をなすLED基板12(照明装置)が内蔵されるとともに、このLED基板12から発生される光を下方へ向けて案内する照射用開口部11aが形成された照明構成部10と、LED基板12の電源のオン・オフを切り替え可能とした非接触による赤外線センサー21を備えたスイッチユニット20とからなる。
【0025】
先ず、LEDによる光源を備えた照明構成部10について説明する。
図3乃至図6に示すように、照明構成部10は、押出し成形により構成されるとともに照射用開口部11aを形成する照明カバー11(カバー本体)と、この照明カバー11の内部に内蔵された前記LED基板12と、LED基板12の下面側に配置される反射板13と、照射用開口部11aを塞ぐ透光性を有する透光板14と、照明カバー11の長さ方向両端の開口を閉塞するエンドカバー15とを備えて概略構成されている。
【0026】
照明カバー11は、図7および図8に示すように、一方向に延びる長尺部材で上板部11Aとその幅方向両側のから下方に向けて延びる側壁部11B、11Bとからなり、断面視(長手方向に直交する断面)において下方に開口する略コの字形状をなしている。照明カバー11の照射用開口部11aには、互いに対向して配置された並行する開口縁に沿って係合溝11b(案内レール)が形成されている。この係合溝11bには、後述するスイッチユニット20の係合凸部23c、透光板14の係合凸部14a、エンドカバー15の係止凸部15aが係合可能となっている。
【0027】
そして、照明カバー11の側壁部11Bには、その内面において照射用開口部11aより上の部分から内空側に張り出すとともに、上方に向けて湾曲した張出カール部11cが設けられている。この張出カール部11cは、照明カバー11の長手方向全体にわたって設けられ、その長手方向両端部の張出カール部11c内面に雌ねじ部(図示省略)が形成されている。この雌ねじ部は、エンドカバー15を固定するためのビス15e(図3参照)を螺合させるためのものである。
また、側壁部11Bには、光源から発生される熱を放熱するための溝11dが設けられている。
【0028】
図3および図4に示すように、照明カバー11の長手方向両端部には、上面側が平面視でU字状で下面側がコの字状の凹状部11eが形成されている。この凹状部11eには、後述するエンドカバー15の凸状部15fが嵌合するようになっている。
【0029】
図7に示すように、LED基板12は、照明カバー11の上板部11Aの下面に配置され、スイッチユニット20を介して電源に繋がれており、基板下面に複数のLEDが適宜な間隔をもって配置されている。
【0030】
反射板13は、LED基板12のLEDに対応する位置に開口が設けられ、幅方向中央が盛り上がった形状をなし、幅方向両端が照明カバー11の張出カール部11cの上端に係止した状態で、LED基板12を照明カバー11に押し付けることで下方より支持している。
【0031】
図3、図6、および図7に示す透光板14は、その幅方向両側部に係合溝11bに沿ってスライド可能に係合する係合凸部14aが形成されている。つまり、透光板14は、その係合凸部14aを係合溝11bに係合させつつ、照明カバー11の長手方向端部の開口から差し込んで取り付けることができる構成となっている。なお、透光板14は、照射用開口部11aのうちスイッチユニット20が取り付けられた部分を除く開口部を閉塞する。
【0032】
図9乃至図11に示すように、エンドカバー15は、一端面から突出していて上述した照明カバー11の凹状部11e(図3参照)に嵌合する凸状部15fが形成されており、この凸状部15fの両側面には照明カバー11の係合溝11bに係止する係止凸部15a(第2係合部)が設けられ、上述した張出カール部11cの雌ねじ部に対応する位置にビス用の挿通孔15bが形成されている。この凸状部15fは、凹状部11eに対応して上面側が平面視でU字状をなし、下面側がコの字状をなしている。
【0033】
また、エンドカバー15の他端面側には、凹陥部15cが設けられ、この凹陥部15cに例えばネームプレート等の閉塞部材15dが嵌って取り付けられている。つまり、エンドカバー15は、その係止凸部15aを照明カバー11の係合溝11bに係止させた状態で、凹陥部15c側からビス15eを挿通孔15bに挿通させつつ、張出カール部11cの雌ねじ部に螺合させることで、照明カバー11の長手方向端部の開口を塞ぐ構成となっている。
【0034】
エンドカバー15の凸状部15fの上面には、リング状の磁石片16(取付手段)が設けられ、この磁石片16によってエンドカバー15が取り付けられた吊下げ型照明器具1が図1に示す構造体2の下面2aに対して磁着可能に設けられている。そして、エンドカバー15の上面には、磁石片16の配置部分が他の部分よりも高い台座部15gが形成されている。
さらに、エンドカバー15には、上下方向に貫通する取付孔17が設けられるとともに、リング形状の磁石片16が取付孔17と同心円をなして設けられている。
【0035】
次に、スイッチユニット20は、図3および図7に示すように、赤外線センサー21を備えた制御基板22と、この制御基板22を内側に収容するとともに、赤外線センサー21による赤外線を送受信するための開口部23aを有するスイッチカバー23とを備えている。
【0036】
赤外線センサー21は、下方に向かって照射した赤外線が他の物体に当たって反射された反射量に応じてLED基板12の電源のオン・オフを切り替えるものである。なお、この反射可能範囲(検出範囲)は例えば10cm程度に設定することができる。例えば、赤外線センサー21の検出範囲で手をかざすことで、センサーのスイッチがオン・オフされ、これによりLED基板12の電源の入り切りを行うことができる。
【0037】
図12および図13に示すように、スイッチカバー23は、略中央部に前記開口部23aが配置され、他端側の部分に電源ケーブル5(図3参照)用の貫通穴23bが設けられ、さらに幅方向両側部に照明カバー11の係合溝11bに沿ってスライド可能に係合する係合凸部23cが形成されている。そして、スイッチカバー23の開口部23aには、赤外線を透過することが可能なセンサーカバー23d(図7)が嵌め込まれている。
つまり、スイッチカバー23は、制御基板22を収容した状態で、その係合凸部23cを係合溝11bに係合させつつ、照明カバー11の長手方向端部の開口から差し込んでスライドさせて照明カバー11の任意の位置に取り付けることができる構成となっている。なお、スイッチカバー23は、その長手方向両側に上述した透光板14、あるいはエンドカバー15が配置されることにより、スライド方向への移動が規制され、所定位置で固定されることになる。
【0038】
次に、上述した吊下げ型照明器具1の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
図3、図4乃至図6に示すように、エンドカバー15に設けられる磁石片16によって、吊下げ型照明器具1全体を図1に示す構造体2の下面2aなどに取り付けることができる。つまり、エンドカバー15は長さ寸法の異なる全ての照明カバー11に共通に使用することができることから、照明カバー11のみの長さ寸法を変更することで、吊下げ型照明器具1全体の長さ寸法を変更することができる。
【0039】
そして、照明カバー11を構造体2に対して固定する構成ではなく、エンドカバー15のみに磁石片16や取付孔17が加工される構造であり、照明カバー11自体は押出し成形による押出し部材からなるので、長さ寸法に対応した照明カバー11の製造も簡単に行え、その加工を低減することができ、吊下げ型照明器具1全体としても安価かつ簡易的な構造とすることができる。
【0040】
また、照明カバー11の照射用開口部11aに設けられている係合溝11bにエンドカバー15の係止凸部15aを嵌め込んで係止させることで、照明カバー11の両端の開口部にエンドカバー15を容易に取り付けることができる。このとき、エンドカバー15は、その係止凸部15aが係止溝11bに沿って案内されるので、位置決めを容易に行うことが可能であり、吊下げ型照明器具1の組み立ての作業性を良好なものとすることができる。
【0041】
また、エンドカバー15の磁石片16を構造体2に磁着させることで、吊下げ型照明器具1全体を構造体2に対して簡単に着脱することができると共に、照明カバー11自体に固定手段の加工を施す必要が無いため、照明カバー11の長さ寸法を変更する場合にも、その作業を簡略化させることができる。
【0042】
さらに、本実施の形態では、エンドカバー15の台座部15gに磁石片16が配置されているので、磁石片16のみが構造体2に磁着し、その磁石片16の配置部分の他のエンドカバー15の部分や照明カバー11の部分(上板部11Aの上面)は構造体2に対して非接触で隙間をもって取り付けられることになる。そのため、磁石片16により磁着された吊下げ型照明器具1を構造体2から取り外す場合、その照明器具全体を磁石片16を支点にして傾けることで磁石片16が構造体2から離れるので、照明器具を構造体2に対して引きずらずに容易に取り外すことができる。
【0043】
また、構造体2が木製部材である場合には、取付孔17に挿通させたねじによってエンドカバー15を構造体2に取り付けることができる。
しかも、本実施の形態では、エンドカバー15において、リング形状の磁石片16が取付孔17と同心円をなして設けられているので、構造体2に対する吊下げ型照明器具1の取り付け方法を、構造体2の構造、材質に合わせて螺着と磁着を選択して採用することができる。このとき、エンドカバー15の同一箇所に取付孔17と磁石片16とがあるので、エンドカバー15における取付用の加工部をコンパクトに形成することができるとともに、その体裁を良好に収めることができる。
【0044】
上述のように本実施の形態による吊下げ型照明器具では、安価かつ簡易的な構造変更により照明器具の長さ寸法を変更することができ、これにより照明器具全体としても安価かつ簡易的な構造となる効果を奏する。
【0045】
以上、本発明による吊下げ型照明器具の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では照明カバー11の照射用開口部11aに係合溝11bを設け、この係合溝11bに対応するようにスイッチユニット20に係合凸部23c、透光板14に係合凸部14a、およびエンドカバー15に係止凸部15aを設けているが、このような構成に限定されることはなく、照射用開口部11a側の案内レールを凸部とし、スイッチユニット20、透光板14、およびエンドカバー15側を凹溝としても良い。
【0046】
また、本実施の形態ではエンドカバー15の台座部15gの箇所に磁石片16と取付孔17の両方を設けているが、いずれか一方であってもかまわない。そして、取付孔17に同心円となる位置にリング状の磁石片16を配置させているが、このような形態であることに制限されることもなく、平面視でそれぞれが離れた位置に設けられていても良い。
また、磁石片16の箇所に台座部15gを設けずに、磁石片16の上面とエンドカバー15の上面とが同一平面上に位置する構成であってもかまわない。さらに、構造体2に対する取付手段として、本実施の形態の磁石片16や取付孔17に限定されず、他の取付手段を採用することも勿論可能である。
【0047】
また、本実施の形態ではエンドカバー15が照明カバー11の凹状部11eに嵌合する凸状部15fを形成し、その凸状部15fの範囲に磁石片16を配置させているが、例えば磁石片16を配置するスペースが確保できるときにはエンドカバー15に凸状部15fを設けない形状とすることも可能である。
【0048】
また、1つの照明カバー11に対して1つのスイッチユニット20と1枚の透光板14を取り付けた構成としているが、これに限定されることはなく、1つの照明カバー11に対して例えば係合溝11bに複数の透光板14、14、…や複数のスイッチユニット20、20、…を配置させたり、あるいは透光板14とスイッチユニット20をそれぞれ適宜数配置させることができ、取り付け位置、取り付け数量等の変更に対するより様々な要望に対しても安価で柔軟に対応することができる。
【0049】
さらに、本実施の形態では、LED基板12を反射板13によって下方から支持する構造としているが、これに限定されることはなく、例えば接着により照明カバー11の上板部11Aの下面に取り付けても良い。或いは、透光板14側に予めLED基板12を固定させた構成であってもかまわない。この場合、透光板14の取り付けとともにLED基板12を同時に配置することができるので、透光板14とLED基板12との位置決め作業をなくすことができる。
【0050】
さらにまた、本実施の形態では近接感知センサーとして赤外線センサー11を採用しているが、これに制限されず、他の周波数による電磁波を用いたセンサーを適用しても良い。
そして、本実施の形態では赤外線センサー12の検知範囲において、赤外線を遮る時間に応じて段階的に照度を変化させる構成としているが、このような照度変化機能を用いない構成であってもかまわない。
【0051】
さらに、照明構成部10、スイッチユニット20の各部の形状、寸法等の構成は、条件に応じて適宜設定することが可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 吊下げ型照明器具
10 照明構成部
11 照明カバー(カバー本体)
11a 照射用開口部
11b 係合溝(案内レール)
11e 凹状部
12 LED基板(照明装置)
14 透光板
14a 係合凸部
15 エンドカバー
15a 係止凸部
15f 凸状部
15g 台座部
16 磁石片(取付手段)
17 取付孔(取付手段)
20 スイッチユニット
21 赤外線センサー
22 制御基板
23 スイッチカバー
23c 係合凸部
23d センサーカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オフィスや家庭等の執務空間にて作業面の照度を確保するために構造体の下面等に取り付けて使用される吊下げ型照明器具であって、
押出し成形により構成され、両端に開口部を有するとともに光源をなす照明装置が内蔵されたカバー本体と、
該カバー本体の前記開口部を閉塞するエンドカバーと、
を備え、
前記エンドカバーには、前記構造体に対して固定可能な取付手段が設けられていることを特徴とする吊下げ型照明器具。
【請求項2】
前記カバー本体には、前記照明装置から発生される光を下方に向けて案内する照射用開口部が下面側に設けられるとともに、側面視でC字状もしくはコ字状に形成されてなり、
前記照射用開口部には、互いに対向して並行に延びる開口縁に案内レールが設けられ、
前記エンドカバーには、前記案内レールに沿って案内されると共に、所定位置で係止される係止部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の吊下げ型照明器具。
【請求項3】
前記エンドカバーの上面には、磁石片が設けられ、
該磁石片によって前記エンドカバーが前記構造体に対して磁着可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊下げ型照明器具。
【請求項4】
前記エンドカバーの上面は、前記磁石片の配置部分が他の部分よりも高いことを特徴とする請求項3に記載の吊下げ型照明器具。
【請求項5】
前記エンドカバーには、上下方向に貫通する取付孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の吊下げ型照明器具。
【請求項6】
前記エンドカバーには、上下方向に貫通する取付孔が設けられるとともに、リング形状の前記磁石片が前記取付孔と同心円をなして設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の吊下げ型照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−104287(P2012−104287A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250149(P2010−250149)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】