説明

同梱物収納ホルダーを備えるパッキングケース

【課題】従来のパッキングケースは、包装材使用量が多くなってしまい、また、パッキングケースの組立作業工程が増えてしまうという問題があった。
【解決手段】パッキングケース100の基本面102に切込み401または罫線402を入れ、切込み401または罫線402に基づきパッキングケース100の基本面402から押し出すことにより形成される第一の収納面201と第二の収納面202と第三の収納面203と支え部204とからなる同梱物収納ホルダー101を備えるパッキングケース100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッキングケースに係り、特に、取扱説明書やリモコンなどの同梱物を収容するパッキングケースの同梱物収納ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、TVなどの製品を収納し運搬するために用いるパッキングケースにその製品の取扱説明書やリモコンなどの同梱物を同梱する場合、図7に示すように、延長したパッキングケースの側面に複雑な罫線を入れて、その罫線で折り曲げし、収納スペースを設けてパッキングケースの内部に複数の空間を確保し、その空間に同梱物を置く方法が使用されていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−168742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来のパッキングケースの同梱物収納方法では、パッキングケースの側面を延長して、収納スペースを形成するため、パッキングケースの展開サイズが大きくなって、包装材料使用量が多くなってしまうことや、パッキングケースの組立作業工程がパッキングケースの側面の折り工程で増えてしまう問題があった。他の方法としてパッキングケースとは別のケースを使用して同梱物を収納する方法もあるが、この方法では部品点数が増えてしまう問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題を鑑みなされたもので、パッキングケースの展開サイズが大きくなることや同梱物収納用の別ケースを使用することによる包装材使用量の増加を抑制しつつ厚みのある同梱物を収納することが可能となり、また、パッキングケースの組立作業工程におけるパッキングケース側面の折り工程の簡素化が可能となる同梱物収納ホルダーを備えるパッキングケースを提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、パッキングケース運搬時における同梱物の飛び出しや落下を防止することが可能となる同梱物収納ホルダーを備えるパッキングケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係わるパッキングケースは、パッキングケースの基本面に切込みまたは罫線を入れ、前記切込みまたは罫線に基づき前記パッキングケースの基本面から押し出すことにより形成される同梱物収納ホルダーを備えるパッキングケースであって、前記同梱物収納ホルダーは、前記パッキングケースの基本面と平行に対向し、一辺に切込みまたは罫線が入った階段状の切欠き部を有する収納面を二つ備え、前記二つの収納面が前記切欠き部を有する辺に対向する辺を互いに所定の距離を有して向き合うように形成される第一の収納面と、同梱物の挿入口と平行に対向し、前記パッキングケースの基本面と垂直に一体形成され且つ、前記第一の収納面と垂直に一体形成される第二の収納面と、前記第一の収納面と前記第二の収納面と該支え部とを前記パッキングケースの基本面から押し出すことで前記パッキングケースの基本面上に形成される第三の収納面と、前記パッキングケースの基本面と垂直に一体形成され且つ、前記切欠き部の罫線と垂直に一体形成される支え部と、からなる。
【0008】
また、本発明に係わるパッキングケースは、前記同梱物収納ホルダーは前記パッキングケースの内面に形成され、前記パッキングケースを組み立てた際、前記パッキングケースの基本面と垂直に位置する前記パッキングケースの内面が前記同梱物収納ホルダーの同梱物の挿入口を塞ぐ位置に前記同梱物収納ホルダーを備える。
【0009】
本発明に係わるパッキングケースによれば、パッキングケースの基本面に入れた切込みまたは罫線に基づきパッキングケースの基本面から押し出すことにより同梱物収納ホルダーを形成することで、パッキングケースの展開サイズが大きくなることや同梱物収納用の別ケースを使用することによる包装材使用量の増加を抑制しつつ厚みのある同梱物を収納することが可能となり、また、パッキングケースの組立作業工程におけるパッキングケース側面の折り工程の簡素化が可能となる。
【0010】
また、本発明に係わるパッキングケースによれば、同梱物収納ホルダーをパッキングケースの内面に設け、パッキングケースを組み立てた際、同梱物ホルダーが形成された基本面と垂直に位置するパッキングケースの内面が同梱物収納ホルダーの同梱物の挿入口を塞ぐ位置に同梱物収納ホルダーを備えることで、上記効果に加え、パッキングケース運搬時における同梱物の飛び出しや落下を防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係わるパッキングケースによれば、パッキングケースの基本面に入れた切込みまたは罫線に基づきパッキングケースの基本面から押し出すことにより同梱物収納ホルダーを形成することで、パッキングケースの展開サイズが大きくなることや同梱物収納用の別ケースを使用することによる包装材使用量の増加を抑制しつつ厚みのある同梱物を収納することが可能となり、また、パッキングケースの組立作業工程におけるパッキングケース側面の折り工程の簡素化が可能となる。
【0012】
また、本発明に係わるパッキングケースによれば、同梱物収納ホルダーをパッキングケースの内面に設け、パッキングケースを組み立てた際、同梱物ホルダーが形成された基本面と垂直に位置するパッキングケースの内面が同梱物収納ホルダーの同梱物の挿入口を塞ぐ位置に同梱物収納ホルダーを備えることで、上記効果に加え、パッキングケース運搬時における同梱物の飛び出しや落下を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1に係わる同梱物収納ホルダーを外面に備えるパッキングケースの斜視図であって、パッキングケースを組み立てた状態を示す図
【図2】本発明の実施例1に係わる同梱物収納ホルダーの斜視図であって、パッキングケースの基本面から押し出す前の状態を示す図
【図3】本発明の実施例1に係わる同梱物収納ホルダーの側面図であって、パッキングケースの基本面から押し出した後の状態を示す図
【図4】本発明の実施例1に係わる同梱物収納ホルダーの斜視図であって、パッキングケースの基本面から押し出した後の状態を示す図
【図5】本発明の実施例2に係わる同梱物収納ホルダーを内面に備えるパッキングケースの斜視図であって、組み立て途中の状態を示す図
【図6】本発明の実施例2に係わる同梱物収納ホルダーを内面に備えるパッキングケースの斜視図であって、組み立てた状態を示す図
【図7】従来に係わる同梱物収納ホルダーを備えるパッキングケースの斜視図であって、組み立て途中の状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1に係わる同梱物収納ホルダーを外面に備えるパッキングケースの斜視図であって、パッキングケースを組み立てた状態を示す図である。
【0016】
パッキングケース100は、その材料は波状に成形した中心紙の片面または両面に厚紙を張り合わせたダンボールであり、略立方体または略直方体の形状を有し、TVなどの製品が緩衝材とともに梱包され、該製品を運搬する際に用いられる製品梱包用のケースである。
【0017】
パッキングケース100は、そのある一つ面に、製品の梱包物、例えば取扱説明書やリモコンなど、を収納するための同梱物収納ホルダー101を備えている(以降、同梱物収納ホルダー101を備えるパッキングケース100のある一つの面を、基本面と称す)。
【0018】
図2は、本発明の実施例1に係わる同梱物収納ホルダーの斜視図であって、パッキングケースの基本面から押し出す前の状態を示す図である。
【0019】
図3は、本発明の実施例1に係わる同梱物収納ホルダーの側面図であって、パッキングケースの基本から押し出した後の状態を示す図である。
【0020】
図4は、本発明の実施例1に係わる同梱物収納ホルダーの斜視図であって、パッキングケースの基本面から押し出した後の状態を示す図である。
【0021】
図2〜図4に示すように、同梱物収納ホルダー101は、第一の収納面201と第二の収納面202と第三の収納面203と支え部204とから構成されている。
【0022】
また、同梱物収納ホルダー101は、同梱物収納ホルダー101がパッキングケース100の基本面102から押し出される前の状態(図2)において、各辺に切込み401または罫線402が入れられており、切込み401または罫線402に基づきパッキングケース100の基本面102から第一の収納面201と第二の収納面202と支え部204とが押し出された状態(図3および図4)で同梱物501を収納できるように構成されている。なお、以降で特に断らない限り、同梱物収納ホルダー101がパッキングケース100の基本面102から押し出される前の状態(図2)において、同梱物収納ホルダー101の各辺には切込み401が入れられているものとする。
【0023】
第一の収納面201は、同梱物収納ホルダー101がパッキングケース100の基本面102から押し出された状態(図3および図4)で、パッキングケース100の基本面102と平行に対向している。また、第一の収納面201は、2つの収納面からなり、同梱物収納ホルダー101がパッキングケース100の基本面102から押し出される前の状態(図2)でその収納面はそれぞれ一辺に複数の階段状の切欠き部301(本実施例では4つずつ)を備えており、階段状の切欠き部301を備える辺に対向する辺を互いに一定の距離をあけて向き合うように形成されている。
【0024】
階段状の切欠き部301は、同梱物収納ホルダー101がパッキングケース100の基本面102から押し出される前の状態(図2)で大小2つの長方形から構成されており、同梱物収納ホルダー101がパッキングケース100の基本面102から押し出されると(図3および図4)、大きいほうの長方形が第三の収納面203の一部を構成し、小さいほうの長方形が支え部204を構成することになる。
【0025】
支え部204は、同梱物収納ホルダー101がパッキングケース100の基本面102から押し出された状態(図3および図4)で、第二の収納面202と平行に対向し、第一の収納面201および第三の収納面203とそれぞれ垂直に一体形成されている。同梱物収納ホルダー101は、支え部204を備えることでその強度を高めることが可能となり、本実施例では8つの支え部を備えている。なお、支え部204には、同梱物収納ホルダー101がパッキングケース100の基本面102から押し出された状態(図3および図4)で上下に位置する辺に、同梱物収納ホルダー101がパッキングケース100の基本面102から押し出される前の状態(図2)で罫線402が入れられている。
【0026】
第二の収納面202は、同梱物収納ホルダー101がパッキングケース100の基本面102から押し出された状態(図3および図4))で支え部204および同梱物挿入口205と平行に対向し、パッキングケース100の基本面102および第一の収納面201とそれぞれ垂直に一体形成されている。同梱物501の厚みに応じて、この第二の収納面202の高さを調整することにより、同梱物収納ホルダー101に同梱物501を収納することが可能となる。なお、第二の収納面202には、同梱物収納ホルダー101がパッキングケース100の基本面102から押し出された状態(図3および図4)で上下に位置する辺に、パッキングケース100の基本面102から押し出される前の状態で罫線402が入れられている。
【0027】
第三の収納面203は、パッキングケース100の基本面102と同一面上に位置し、
第一の収納面201、第二の収納面202、支え部204をパッキングケース100の基本面102から押し出すことでパッキングケース100の基本面102上に形成されるものである。
【0028】
以上、同梱物収納ホルダー101は、第一の収納面201と第二の収納面202と第三の収納面203と支え部204とからなり、同梱物501を収納することが可能となる。
【0029】
本発明に係わるパッキングケースによれば、パッキングケースの基本面に入れた切込みまたは罫線に基づきパッキングケースの基本面から押し出すことにより同梱物収納ホルダーを形成することで、パッキングケースの展開サイズが大きくなることや同梱物収納用の別ケースを使用することによる包装材使用量の増加を抑制しつつ厚みのある同梱物を収納することが可能となり、また、パッキングケースの組立作業工程におけるパッキングケース側面の折り工程の簡素化が可能となる。
【実施例2】
【0030】
次に、本発明の実施例1で述べた同梱物収納ホルダー101を備えるパッキングケースの変形例について説明する。
【0031】
図5は、本発明の実施例2に係わる同梱物収納ホルダーを内面に備えるパッキングケースの斜視図であって、組み立て途中の状態を示す図である。
【0032】
図6は、本発明の実施例2に係わる同梱物収納ホルダーを内面に備えるパッキングケースの斜視図であって、組み立てた状態を示す図である。
【0033】
本発明の実施例2における同梱物収納ホルダー101は、実施例1で説明した同梱物収納ホルダー101と同じ構成であるので、ここでの説明は省略する。
【0034】
本発明の実施例2におけるパッキングケース110は、実施例1で説明したパッキングケース100と以降に説明する2点において異なっている。
【0035】
1点目は、同梱物収納ホルダー101がパッキングケース110の内面(内フラップ205)に形成されている点である。
【0036】
2点目は、図6に示すように、同梱物収納ホルダー101に同梱物501を収納した状態でパッキングケース110を組み立てると、同梱物収納ホルダー101を備えた基本面102と垂直に位置するパッキングケース110のケース内面207が同梱物収納ホルダー101の同梱物挿入口205を塞ぐ位置に、同梱物収納ホルダー101を備える点である。
【0037】
以上、本発明に係わるパッキングケースによれば、同梱物収納ホルダーをパッキングケースの内面に設け、パッキングケースを組み立てた際、同梱物ホルダーが形成された基本面と垂直に位置するパッキングケースの内面が同梱物収納ホルダーの同梱物の挿入口を塞ぐ位置に同梱物収納ホルダーを備えることで、実施例1で説明した効果に加え、パッキングケース運搬時における同梱物の飛び出しや落下を防止することが可能となる。
【0038】
なお、実施例1および実施例2におけるパッキングケース100、110の材料はダンボール以外にも、他の紙製、プラスチック製などの材料にも応用できる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
パッキングケースの基本面に入れた切込みまたは罫線に基づきパッキングケースの基本面から押し出すことにより同梱物収納ホルダーを形成することで、パッキングケースの展開サイズが大きくなることや同梱物収納用の別ケースを使用することによる包装材使用量の増加を抑制しつつ厚みのある同梱物を収納することが可能となり、また、パッキングケースの組立作業工程におけるパッキングケース側面の折り工程の簡素化が可能となるので、同梱物収納ホルダーを備えるパッキングケースとして有用である。
【符号の説明】
【0040】
100、110 パッキングケース
101 同梱物収納ホルダー
102 基本面
201 第一の収納面
202 第二の収納面
203 第三の収納面
204 支え部
205 同梱物挿入口
206 内フラップ
207 ケース内面
301 階段状の切欠き部
401 切込み
402 罫線
501 同梱物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッキングケースの基本面に切込みまたは罫線を入れ、前記切込みまたは罫線に基づき前記パッキングケースの基本面から押し出すことにより形成される同梱物収納ホルダーを備えるパッキングケースであって、
前記同梱物収納ホルダーは、
前記パッキングケースの基本面と平行に対向し、一辺に切込みまたは罫線が入った階段状の切欠き部を有する収納面を二つ備え、前記二つの収納面が前記切欠き部を有する辺に対向する辺を互いに所定の距離を有して向き合うように形成される第一の収納面と、
同梱物の挿入口と平行に対向し、前記パッキングケースの基本面と垂直に一体形成され且つ、前記第一の収納面と垂直に一体形成される第二の収納面と、
前記第一の収納面と前記第二の収納面と該支え部とを前記パッキングケースの基本面から押し出すことで前記パッキングケースの基本面上に形成される第三の収納面と、
前記パッキングケースの基本面と垂直に一体形成され且つ、前記切欠き部の罫線と垂直に一体形成される支え部と、
からなることを特徴とするパッキングケース。
【請求項2】
前記同梱物収納ホルダーは前記パッキングケースの内面に形成され、
前記パッキングケースを組み立てた際、前記パッキングケースの基本面と垂直に位置する前記パッキングケースの内面が前記同梱物収納ホルダーの同梱物の挿入口を塞ぐ位置に前記同梱物収納ホルダーを備える
ことを特徴とする請求項1記載のパッキングケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−189977(P2011−189977A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59035(P2010−59035)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】