説明

吐水具

【課題】構造が簡便で、しかも「水垂れ」の軽減若しくは抑制を確実に図ることができる吐水具を得る。
【解決手段】ヘッド本体(吐水具本体)と、その端末側に取着される吐水フェイス30を備える吐水具である。吐水フェイス30は、吐水具の内部に位置する内面部と外部に露呈する外面部を有するフェイス本体31を具備し、フェイス本体30は内面部の側から外面部の側に至る貫通状の吐水孔36を多数備え、吐水孔36を取り囲む壁面部34を内面部側に備える。ヘッド本体の端末側に設けられると共に下面を開口部とする略容器形状とされる頭部の内部空間に流路調節体13を挿入し、この流路調節体13を境界にしてこの内部空間を上下に区画し、流路調節体の下方を通水部とし、通水部を吐水孔36を通じて外部に開放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワーフェイス等の吐水フェイスを端末側に備える吐水具に関する。
【背景技術】
【0002】
水栓等の「吐水用の流路」の下流部側には、通常、吐水具が配置されている。かかる吐水具の中には、例えば、「シャワーヘッド」のように、多数の吐水孔を具備する「吐水フェイス」を端末側に配置するものがあるが、この種の吐水具においては以下のような問題を有している。
【0003】
即ち、吐水具の上流側に配置された弁装置や、吐水具に内蔵された弁装置等に止水操作を施し、「吐水用の流路」を止水状態としたときに、吐水具内に残留している湯水が吐水フェイスの吐水孔から僅かずつ滴れ落ちながら排出されることがある(以下、この現象を「水垂れ」と称する。)。特に、吐水フェイスを傾斜状に傾けた状態としつつ、「吐水用の流路」を止水状態とすると、この「水垂れ」を起こし易い。
【0004】
使用者にとっては、この「水垂れ」が長時間続くと、不快であるため、この「水垂れ」を軽減若しくは抑制することを意図した吐水具が提案されている。即ち、吐水具の端末側の通水空間を内側室と散水室に区画する隔壁を設け、この隔壁には内側室と散水室とを連通する連通路を設けると共に、この連通路内に吐水具を固定した状態で少なくとも下流側面がほぼ水平となる網状部を設けた吐水具が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、吐水フェイスの吐水孔の内周面を粗面化させ、吐水孔の保水力を増大させることで、この「水垂れ」を軽減しようとする吐水具も提案されている。
【特許文献1】特開平8−89851号公報(図1、段落番号[0010]等参照)
【特許文献2】特開平7−265744号公報(図1、図2、段落番号[0004]等参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ここに示す各従来例よりも、更に構造が簡便で、しかも、「水垂れ」をより確実に軽減若しくは抑制できる吐水具の出現が切望されている。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、構造が簡便で、しかも、「水垂れ」をより確実に軽減若しくは抑制できる吐水具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明の吐水具は、
吐水具本体と、該吐水具本体の端末側に取着される吐水フェイスとを備える吐水具であって、
前記吐水フェイスは前記吐水具の内部に位置する内面部と前記吐水具の外部に露呈する外面部とを有するフェイス本体を具備し、
前記フェイス本体は、前記内面部の側から前記外面部の側に至る貫通状の吐水孔を多数備えると共に、該吐水孔を取り囲む壁面部を前記内面部側に備え、
前記吐水具本体の端末側に設けられると共に下面を開口部とする略容器形状とされる頭部の内部空間に流路調節体を挿入し、この流路調節体を境界にして該内部空間を上下に区画し、前記流路調節体の下方を通水部とし、該通水部を前記吐水孔を通じて外部に開放することを特徴とする。
【0009】
請求項1の発明によると、フェイス本体の内面部の側において、この内面部と壁面部の間に空間部(以下、「壁内空間部」という。)を形成する。そして、吐水具による吐水を停止したときに、吐水具内に残留した湯水(以下、「残水」という。)の多くは、吐水孔から侵入する外気と入れ代わり外部へ排出されるが、この後に吐水具内に残留した残水は、侵入した外気との境界部分を下方に撓ませつつ、壁内空間部内に収まる。つまり、排水の最終段階で吐水具内に残存する残水は壁内空間部内に収まると共に、この残水と吐水具に侵入した外気との境界部分には表面張力が働く。そして、この表面張力は残水を引き上げる方向に作用するため、残水は壁内空間部内に保持され易くなる。即ち、請求項1の発明の吐水フェイスによると、排水の最終段階で吐水具内に残存する残水を、壁内空間部内に保持され易くするため、「水垂れ」の軽減若しくは抑制に効果がある吐水具を得られる。
【0010】
尚、残水を吐水具内に止める力(以下、「封水力」という。)は、一般に、残水の表面張力に境界部分の周縁長(全周長)を乗じた値に比例する。また、請求項1の発明の「吐水フェイス」を端末側に備える「吐水具」は、所定の固定具(フック等)に着脱可能に固定されるもの(例えば、ハンドシャワーを構成するシャワーヘッド等)であっても、所定の固定個所(浴室の壁面等)に着脱不可能に固定されるもの(例えば、固定的に配置されるシャワーヘッドや、トップシャワーノズル等)であってもよい。更に、「吐水フェイス」は吐水具に対して着脱可能に組み込まれてもよいし、着脱不可能に組み込まれてもよい。
【0011】
また、請求項1の発明においては、例えば、壁面部をフェイス本体に一体的に設けることで、吐水フェイス、ひいては、吐水具の構造の簡略化を図ることができる。尚、請求項1の発明においては、全ての吐水孔がその吐水孔を取り囲む壁面部を内面部側に備えてもよいし、全ての吐水孔から選択される所定の吐水孔(例えば、下部側に位置する一つ若しくは幾つかの吐水孔)がその吐水孔を取り囲む壁面部を内面部側に備えてもよい。また、吐水フェイスとしては、(1)フェイス本体と、フェイス本体の内面部側から筒状に突出する筒状部とを備えるタイプ(例えば、略有底筒状の吐水フェイス)の他に、(2)筒状部を備えないタイプ(例えば、略板状の吐水フェイス)等を例示できる。
【0012】
本発明において、「壁面部」の具体的な態様は特に問わないが、例えば、(a)内面部から吐水孔を包囲する壁部(例えば、リブ状の壁部)を突出させ、この壁部の内側の面(吐水孔を包囲する面)によって「壁面部」を構成する態様や、(b)フェイス本体の内面部側を、外面部の側に凹む多数の凹み部と、厚肉状の厚肉部とを備えた段差状に形成し、凹み部に吐水孔を形成すると共に厚肉部の側面(吐水孔を包囲する面)で壁面部を構成する態様や、(c)前記(a)及び(b)が混在する態様等を例示できる。但し、フェイス本体と筒状部とを備える吐水フェイスにおいては、この(a)〜(c)に示す何れの場合においても、筒状部の内周面に近接する「壁面部」の一部を、筒状部の内周面の一部で構成することができる。
【0013】
尚、従来の吐水フェイスにおいても、吐水孔のサイズに制限を加えることで、ある程度は「水垂れ」を軽減することができる。即ち、吐水孔の横断面積を狭くしたり(円形孔では孔径を小さくしたり)、吐水孔の横断面積を一定にする(円形孔では孔径を一定にする)と、ある程度は「水垂れ」が軽減される。しかし、何れの手法を用いても、吐水具の使用勝手の向上を図るために、フェイス本体の単位面積当たりの「吐水孔の数」を多くし、吐水孔の総面積を増大させると、「水垂れ」の軽減効果は不十分となる。また、吐水フェイス、ひいては、吐水具の大型化を図ることに伴って、吐水孔の数を多くしても、「水垂れ」の軽減効果は不十分となる。よって、従来の吐水フェイスにおいて、ある程度の「水垂れ」の軽減効果を得ようとすると、吐水孔のサイズや数、若しくは、吐水フェイスのサイズの選択の自由度が低くなり、吐水具の設計の自由度が低くなる。
【0014】
一方、請求項1の発明によると、吐水孔の数をある程度、多くしたり、個々の吐水孔の横断面積をある程度広くしても(例えば、円形孔の孔径をある程度、大きくしても)、吐水孔を取り囲む壁面部の作用によって、「水垂れ」の軽減若しくは抑制の効果が十分なものとなる。よって、請求項1の発明によると、吐水孔のサイズや数、若しくは、吐水フェイスのサイズの選択の自由度が高くなり、吐水具の設計の自由度が高くなる。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1記載の吐水具において、前記吐水孔は、前記フェイス本体の内面部側から外面部側に向かって横断面積が狭くなる縮小部を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明によると、「吐水フェイスの製造の容易化」の要請と、「水垂れ軽減若しくは抑制」の要請とを同時に満足させることができる。即ち、請求項2の発明によると、吐水孔が縮小部を備えても、吐水孔を取り囲む壁面部の作用によって、「水垂れ」の軽減若しくは抑制の効果が十分なものとなる。そして、吐水フェイスを、成形型を用いて製造する場合等には、吐水孔の縮小部が、いわゆる「抜き勾配」として機能するため、吐水フェイスの型抜きが容易となり、吐水フェイスの製造の容易化が図られる。しかも、吐水フェイスを製造する際の歩留まりを向上させたり、型寿命を長くすること等も可能である。
【0017】
尚、請求項2の発明においては、フェイス本体に形成された全ての吐水孔が、縮小部を備えてもよいし、一部の吐水孔のみが縮小部を備えてもよい。また、縮小部を備える「吐水孔」において、当該吐水孔の全体が縮小部とされてもよいし、当該吐水孔の一部(特に、フェイス本体の内面部側の部分)が縮小部とされてもよい。更に、「縮小部」の具体的な孔形状としては、フェイス本体の内面部側から外面部側に向かって横断面積がテーパ状に狭くなる円錐状の孔形状等を例示できる。
【0018】
請求項3の発明では、請求項1又は請求項2記載の吐水具において、前記フェイス本体を傾斜状に傾けた状態としたときに、下部に位置する壁面部の高さを高くしたことを特徴とする。
【0019】
請求項3の発明では、フェイス本体を傾斜状に傾けた状態としつつ用いたり、傾斜状に傾けた状態で固定する吐水具において、「水垂れ」の軽減若しくは抑制の万全を期することを意図している。即ち、フェイス本体を傾斜状に傾けた状態としている場合に、吐水具による吐水を停止すると、吐水具内の残水はフェイス本体の下部(下方側)に流れる。このとき、下部に位置する壁面部の高さを高くし、この壁面部によって構成される「壁内空間部」の貯水能力を高くすると、この「壁内空間部」内に十分な量の残水を貯留でき、水垂れ時間の短縮化等を図ることができるからである。
【0020】
ここで、請求項3の発明の「フェイス本体を傾斜状に傾けた状態」は、シャワーフェイスを正しい取付状態(即ち、フェイス本体の姿勢を正しくした状態、換言すると、フェイス本体の上下方向を正しくした状態で、シャワーフェイスを吐水具に組み込んだ状態)としつつ、フェイス本体を傾斜状に傾けた状態をいう。例えば、フェイス本体のうちで、本来、下部に位置する部位が予定通り下部に位置する状態で、フェイス本体を傾斜状に傾けた状態をいう。より具体的には、吐水具を所定の固定具(フック等)に着脱可能に固定したり、固定部位に着脱不可能に固定したり、使用者が自然な状態(手の甲を横方向に向けた状態)で吐水具を把持した場合等に実現される。
【0021】
尚、請求項3の発明においては、「前記フェイス本体を傾斜状に傾けた状態としたときに、最下部に位置する壁面部や、この最下部に位置する壁面部を含む下部側の幾つかの壁面部のみの高さを限定的に高くする態様」や、「前記フェイス本体を傾斜状に傾けた状態としたときに、より下部に位置する壁面部の高さが高くなるように、フェイス本体に設けられた壁面部の高さを徐々に変化させる態様」等を例示できる。特に、後者の態様によると、フェイス本体の傾きによって生ずる高低差を、壁面部の高さの段階的な変化で吸収することになる。
【0022】
本出願において参考的に開示する第1の発明(以下、「参考発明1」という。)の吐水具は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の吐水具において、前記吐水フェイスを吐水具本体に組み付ける際に、水性潤滑剤が用いられることを特徴とする。
【0023】
吐水具において、吐水具本体を吐水フェイスに組み付ける際には、通常、油性潤滑剤が用いられる。例えば、この組み付けは、吐水具本体及び吐水フェイスの一方に設けられた雄ネジ部と、他方に設けられた雌ネジ部とを螺合することによって行われ、この螺合の際に、グリス等の油性潤滑剤が用いられる。そして、この種の吐水具を使用すると、油性潤滑剤が壁面部に付着する可能性があるが、この油性潤滑剤を吐水具を通過する湯水によって簡単に洗い流すことはできない。このため、油性潤滑剤は長期間に渡って、壁面部に付着したままの状態となり、残水と外気との境界部分に表面張力が働き難くなる。
【0024】
一方、参考発明1では、吐水具本体を吐水フェイスに組み付ける際に、水性潤滑剤を用いる。例えば、吐水具本体及び吐水フェイスの一方に設けられた雄ネジ部と、他方に設けられた雌ネジ部とを螺合する際に水性潤滑剤を用いる。この水性潤滑剤は壁面部に付着しても、この水性潤滑剤を吐水具を通過する湯水によって簡単に洗い流すことができるため、確実に、残水と外気との境界部分に表面張力を働かせることができる。
【0025】
この「水性潤滑剤」としては、例えば、水溶性で、適度な粘性と流動性とを兼ね備え、液状の天然若しくは合成高分子を用いて構成される潤滑剤を例示できる。具体的には、澱粉の水溶液、海草を用いて作成した液状物(流動物、反流動物等)、ポリビニルアルコール等を例示できる。尚、参考発明1と異なり、吐水具本体を吐水フェイスに組み付ける際に油性潤滑剤を用いたり、吐水具に油脂(油性潤滑剤等)が付着した場合には洗浄脱脂を行い、残水と外気との境界部分に表面張力が働き易くすることが好ましい。
【0026】
本出願において参考的に開示する第2の発明(以下、「参考発明2」という。)の吐水具は、請求項1の発明、請求項2の発明、請求項3の発明及び参考発明1のうちの何れかの発明に係る吐水具において、前記吐水フェイスは、吐水具としてのシャワーヘッドの端末側を構成するシャワーフェイスであることを特徴とする。
【0027】
参考発明2は、「吐水具」の一具体例として「シャワーヘッド」を例示し、「吐水フェイス」の一具体例として「シャワーフェイス」を例示するものである。
【0028】
尚、請求項1の発明、請求項2の発明、請求項3の発明及び参考発明1の「吐水具」は、「シャワーヘッド」に限定されない。例えば、「トップシャワー用の吐水具(使用者の頭部や全身等にめがけて、湯水を噴出するトップシャワー吐水を行うためのもの)」、「ボディシャワー用の吐水具(使用者の身体に向かって略水平に湯水を噴出するボディシャワー吐水を行うためのもの)」、「打たせ湯シャワー用の吐水具(使用者に適度な刺激を与えるために、滝水等のように湯水を吐水するもの)」、「ミストシャワー用の吐水具(霧状に湯水を吐水するもの)」、「床散湯シャワー用の吐水具(床面を暖めること等を目的に用いられるもの)」、「眼球洗浄シャワー吐水用の吐水具(使用者の眼球を洗浄するために用いられるもの)」、「食器洗浄用のシャワー吐水具」等の「シャワー用の吐水具」の他に、カランや、浄水器用の吐水具等も含まれる。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本各発明によると、構造が簡便で、しかも、「水垂れ」の軽減若しくは抑制を確実に図ることができる吐水具が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、本各発明に係わる実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
【0031】
A.実施例1
本実施例では、図1〜図5を用いて「吐水具」の一具体例としての「シャワーヘッド1」と、「吐水フェイス」の一具体例を示す「シャワーフェイス30」とについて説明する。尚、本実施例に係る「シャワーフェイス30」は、請求項1の発明、請求項2の発明、参考発明1及び参考発明2の各発明の一具体例を示すものである。
【0032】
先ず、図1を用いて本シャワーヘッド1の概要を説明する。このシャワーヘッド1は、浴室用の水栓(図示を省略)に配置された吐水具のうちの一つを構成するものであり、ヘッド本体10と、その端末側に着脱可能に取着されたシャワーフェイス30とを備える。このうち、ヘッド本体10は、「吐水具本体」の一具体例を示すものであり、外郭体11と、通水体12と、流路調節体13と、ジョイント14とを備えている。尚、この浴室用の水栓(図示を省略)は、他の吐水具として「カラン」を備えているが、このカランの端末部にも、請求項1の発明、請求項2の発明、請求項3の発明、参考発明1及び参考発明2のうちの何れかの発明を具備する「吐水フェイス」を配置してもよい。
【0033】
外郭体11は中空屈曲状に形成された樹脂(例えば、ABS)の一体成形品にメッキ処理を施したものであり、頭部11aと把持部11bとを備える。このうち、頭部11aは、下面を開口部とする略容器形状とされ、この開口部寄りに位置する「頭部11aの内壁面」には雌ネジ部11cが設けられている。また、雌ネジ部11cの上方には段部11dが設けられている。
【0034】
把持部11bは、使用者に把持される部分であり、略筒形状を備えている。また、把持部11bの基端側(反頭部11a側)の側面には、取付孔11eが貫通状に設けられている。
【0035】
通水体12は、把持部11b内に遊入可能な略筒形状を備え、その全長は把持部11bの全長よりも若干短くされている。また、終端側(頭部11a側)及び基端側(反頭部11a側)に接続部12a、12bを形成している。
【0036】
流路調節体13は、頭部11a内の中間位置に挿入されて、この頭部11aの内部空間11gを仕切るものである。即ち、この流路調節体13は、上方に開口部を向けた略容器状の本体部13aと、本体部13aの周縁側の一部分と一体となりつつ、下方に開口部を向けた略容器状の連通部13bと、を備える。また、本体部13aは、開口部寄りの外周面から略水平な方向に鍔部13cを突出させている。また、連通部13bの周面には、前述の通水体12との接続に関与する接続部13dを開口させている。
【0037】
この流路調節体13は、頭部11aの開口部を通じて頭部11a内に挿入される。このとき、連通部13bの接続部13dを、把持部11bの内部空間と連通可能な状態とすると共に、本体部13aの鍔部13cを頭部11aの段部11dに対してその下方から当接させる。そして、このように、流路調節体13が頭部11aに挿入されることで、頭部11aの内部空間11gが流路調節体13を境界にして上下に区画される。
【0038】
また、頭部11a内に挿入された流路調節体13には、通水体12が接続される。即ち、通水体12は、雄型の接続部12aを先頭に、把持部11b内に遊入され、この接続部12aを連通部13bの接続部13dに嵌入することによって、流路調節体13と、通水体12とが接続されている。尚、接続部12a及び接続部13dの間の水密性は、両者の間に介在されるシール部材(例えば、パッキン)16によって確保されている。
【0039】
ジョイント14は、水栓の「吐水用の流路」の端末部を構成する部分(例えば、シャワーホース等の湯水の供給管の端末部)を接続するための接続部14aを、把持部11bの基端側(反頭部11a側)に設けるためのものである。このジョイント14は、屈曲状の短管を用いて構成され、屈曲部よりも一端側を把持部11bの基端側に挿入可能な挿入部14cとし、他端側を供給管の端末部が接続される接続部14aとしている。また、接続部14aの外周面には供給管の端末部との接続に関与する雄ネジ部14bが設けられている。
【0040】
このジョイント14は、その挿入部14cが把持部11bの基端側に挿入され、挿入部14cの開口部側が、通水体12の雌型の接続部12bに嵌入される。これにより、ジョイント14は通水体12に対してシール部材(例えば、パッキン)16bを介して水密状に接続される。また、このジョイント14は、略クリップ状の固定部材17を用いて把持部11bの基端側に抜け止め固定されている。即ち、把持部11bの取付孔11eに略クリップ状の固定部材17を嵌合し、この固定部材17の係止部(図示を省略)を、ジョイント14の被係止部(図示を省略)に係止してジョイント14の抜け止め固定が行われている。
【0041】
次に、図2及び図3を用いてシャワーフェイス30の詳細を説明する。このシャワーフェイス30は、シャワーヘッド10の端末側を構成すると共に、有底の筒形状に成形された一体成形品(例えば、ABS等の樹脂製)を用いて構成されている。即ち、フェイス本体31と、フェイス本体31から突出する筒状部32と、フェイス本体31から突出するリブ33とを備えている。
【0042】
フェイス本体31は、略円板状に構成されると共に、シャワーヘッド10の内部に位置する内面部31aと、シャワーヘッド10の外部に露呈する外面部31bとを有している。また、フェイス本体31の外縁側を除く部位には、内面部31aの側から外面部31bの側に至る貫通状の吐水孔36が、多数(本実施例では64個)形成されている。尚、図3(b)に示すように、この吐水孔36はその略全体が、フェイス本体31の内面部31a側から外面部31b側に向かって横断面積が略テーパ状に狭くなる縮小部36aとされている。但し、本実施例と異なり、吐水孔36の一部のみを縮小部としたり、吐水孔36全体を横断面積が一定のストレート形状とすることもできる。
【0043】
筒状部32は、フェイス本体31の内面部31aの周縁側の部位から略円筒状に突出し、頭部11aの雌ネジ部11cと螺合可能な雄ネジ部32aが外周面に設けられている。尚、全ての吐水孔36が、筒状部32によって包囲された状態にある。
【0044】
リブ33は、フェイス本体31の内面部31aにおいて筒状部32に包囲された部分から突出している。このリブ33は、単独で、若しくは、筒状部32の内周面32bと共に、吐水孔36を取り囲む壁面部34をフェイス本体31の内面部31a側に形成する。
【0045】
即ち、内面部31aから突出するリブ33は、単独で、若しくは、筒状部32の内周面32bと共に、平面略四角状の単位格子33aと平面略円弧状の単位格子部33bとが混在する格子状の壁部33Aを構成する。そして、大部分の単位格子33a、33bにおいては、各々1つずつの吐水孔36を包囲すると共に各単位格子33a、33bにおける「吐水孔36側に位置する壁面」によって各吐水孔36を取り囲む壁面部34を構成している。また、壁面部34と、内面部31aとによって略容器状の壁内空間部35が構成される{図3(b)等参照}。
【0046】
このシャワーフェイス30は、図1に示すように、筒状部32の雄ネジ部32aを、頭部11aの雌ネジ部11cに螺合させることによってヘッド本体10に組み付けられる。この組み付け作業の際には、雄ネジ部32a及び雌ネジ部11cのうちの少なくとも一方に水性潤滑剤が付着され、この組み付け作業の容易化、円滑化が図られる。
【0047】
このように、シャワーフェイス30をシャワーヘッド1(ヘッド本体10)に組み込むと、シャワーフェイス30の筒状部32の上端面と、頭部11aの段部11dとが、本体部13aの鍔部13cを挟持し、流路調節体13が頭部11a内に固定される。尚、シャワーフェイス30と流路調節体13(頭部11a)との間の水密性を確保する目的で、筒状部32の上端面と、鍔部13cとの間にはシール部材(例えば、パッキン)37が介在されている。
【0048】
シャワーフェイス30をシャワーヘッド1(ヘッド本体10)に組み込むと、頭部11aの内部空間11gのうちで、流路調節体13よりも下方の部位が、通水部11hを構成する。この通水部11hは、上流側に位置する接続部13dにおいて通水体12と接続される。また、通水部11hの下方の開口部は、シャワーフェイス30の吐水孔36を通じて外部に開放される。
【0049】
尚、本実施では、頭部11aの内部空間11gに流路調節体13を挿入し、この流路調節体13を境界にして内部空間11gを上下に区画し、流路調節体13の下方のみを通水部11hとして使用する。即ち、本実施例によると、頭部11a内に別体の流路調節体13を挿入することで、通水部11hの深さを調節可能としている。つまり、流路調節体13を適宜変更することによって、通水部11hの深さを調節し、各壁内空間部35に負荷される「残水」の重量を選択することもできる。
【0050】
次に、本シャワーヘッド1の使用例を、図4を用いて説明する。先ず、シャワーフェイス30の上流側の弁装置に、シャワーヘッド1による吐水を開始させる操作を施すと、図4(a)に示すように、通水部11hが湯水で満たされた状態となり、吐水孔36からの吐水がなされる。尚、この弁装置は、シャワーヘッド1の上流側に配置されてもよいし、シャワーヘッド1に内蔵されてもよい。また、前記「シャワーヘッド1による吐水を開始させる操作」としては、水栓が止水状態にあるときに、シャワーヘッド1による吐水を開始させる操作の他に、他の吐水具(例えば、カラン)による吐水を行っていたときに、吐水用の流路を他の吐水具の側からシャワーヘッド1の側に切り換える操作も含まれる。
【0051】
「シャワー吐水を行っている状態」において、前述の弁装置に操作を施し、シャワーヘッド1による吐水を停止させると、通水部11hに残留する残水の多くは、吐水孔36から侵入する外気Gと入れ代わり、シャワーヘッド1の外部へ排水されるが、この後にシャワーヘッド1内に残留する残水Zは、図4(b)に示すように、侵入した外気Gとの境界部分Lを下方に撓ませつつ、壁内空間部35内に収まる。つまり、この「シャワーヘッド1による吐水停止」に伴う「排水」の最終段階で、シャワーヘッド1内に残存する残水Zは壁内空間部35内に収まると共に、この残水Zとシャワーヘッド1に侵入した外気Gとの境界部分Lには表面張力Fが働く。尚、残水Zの下端部と、シャワーヘッド1外の外気Gとの境界部分Lにも表面張力Fが働くが、この表面張力Fによる封水力(保水力)は、前記表面張力Fによる封水力(保水力)に比べて小さい。
【0052】
ところで、従来例に係るシャワーヘッド1においても、図7(b)に示すように、排水の最終段階でシャワーヘッド1に残存する残水Zと外気Gとの境界部分Lに表面張力Fが働く。ここで、境界部分L(L)の周縁長に、表面張力F(F)を乗じた値が、吐水孔36から流出しようとする残水Z (残水Z)をシャワーヘッド1内に保持するための封水力(保水力)となるが、実施例と従来例との間で、境界部分L(L)の周縁長を、残水Z (残水Z)の重量で割った値を比較すると、実施例の方が大きな値となる。
【0053】
蓋し、実施例では、1つの吐水孔36若しくは2つの吐水孔36に対して1つの壁内空間部35を設ける。つまり、小さなサイズの壁内空間部35を、シャワーヘッド1に多数設け、上記排水の最終段階において、シャワーヘッド1内に小さなサイズの境界部分Lを多数設けるため、シャワーヘッド1全体における「境界部分Lの周縁長の総計」が、従来例に比べて遥かに長くなるからである。従って、実施例1の吐水フェイス30の方が、従来例に係る吐水フェイス30に比べて封水力(保水力)が高くなるため、排水の最終段階で、シャワーヘッド1に残存する残水Zを壁内空間部35内に保持し易く、「水垂れ」の軽減若しくは抑制に効果がある。
【0054】
また、本実施例においては、壁面部34をフェイス本体31に一体的に設けるため、シャワーフェイス30、ひいては、シャワーヘッド1の構造の簡略化が図られている。また、吐水孔36を取り囲む壁面部34の作用によって、「水垂れ」の軽減若しくは抑制の効果が十分なものとなるため、吐水孔36のサイズを大きくしたり、吐水孔36の数を増加することもできる等、シャワーヘッド1の設計の自由度が高くなる。
【0055】
また、本実施例では、このように「水垂れ」の軽減若しくは抑制の効果が十分なものとなるため、吐水孔36が縮小部36aを備えても支障がない。よって、「シャワーフェイス30の製造の容易化」の要請と、「水垂れ抑制」の要請とを同時に満足させることができる。また、ヘッド本体10にシャワーフェイス30を組み付ける際に、水性潤滑剤を用いるため、残水Zと外気Gとの境界部分Lに表面張力を確実に働かせつつ、シャワーフェイス30のヘッド本体10への組み付けを円滑に行うことができる。
【0056】
尚、本実施例では、シャワーフェイス30に設けた各壁内空間部35が独立しているため、仮に、何れかの壁内空間部35内から残水Zが排水され、外気Gと置き代ったとしても、他の壁内空間部35には影響がなく、シャワーフェイス30の封水(保水能力)に与える影響は少ない。
【0057】
また、実施例では、全ての吐水孔36が、その吐水孔36を取り囲む壁面部34を内面部31a側に備える態様を例示しが、図5(a)に示すように、全ての吐水孔36から選択される幾つかの吐水孔36のみが、その吐水孔36を取り囲む壁面部34を備えても、「水垂れ」の軽減や抑制を図ることができる。但し、この場合は、フェイス本体を傾斜状に傾けた状態としたときに、少なくとも、下部側に位置する吐水孔36が、これを取り囲む状態の壁面部34を備えることが望ましい。例えば、全吐水孔36のうちで、下部側に位置する吐水孔36(1つ若しくは幾つかの吐水孔36)が、これを取り囲む状態の壁面部34を備えることが望ましい。
【0058】
B.実施例2
【0059】
本実施例では、図5(b)及び図6を用いて、「シャワーフェイス30」の他の具体例を述べる。この「シャワーフェイス30」は、請求項1の発明、請求項2の発明、請求項3の発明、参考発明1及び参考発明2の各発明の一具体例を示すものである。また、本実施例において、(a)シャワーフェイス30に設けられる壁面部34の高さを一様なものとはせずに、一部においてその高さを高くした点と、(b)シャワーフェイス30とフェイス本体31との間に位置決め手段を設けた点と、が異なる他は、実施例1と同様である。よって、本実施例においても、上記(a)及び(b)の相違点を除き、実施例1の説明と、図1〜図5(a)がそのまま適用される。
【0060】
本実施例では、図5(b)に示すように、フェイス本体31を、傾斜状に傾けた状態としたときに、下部側に位置する幾つかの壁面部34の高さを、その他の壁面部34の高さよりも高くしている。例えば、フェイス本体31を傾斜状に傾けた状態としたときに下部側に位置する壁面部34の高さを、その他の壁面部34の高さよりも高くしている。しかも、高さが高くされた壁面部34のうちで、より下部側に位置する壁面部34の高さが、より上部側に位置する壁面部34の高さよりも高くなるように、壁面部34の高さを徐々に変化させている。
【0061】
尚、「フェイス本体を傾斜状に傾けた状態」は、シャワーフェイス30を正しい取付状態(即ち、フェイス本体31の姿勢を正しくした状態、換言すると、フェイス本体31の上下方向を正しくした状態で、シャワーフェイス30をシャワーヘッド1に組み込んだ状態)としつつ、フェイス本体31を傾斜状に傾けた状態をいう。例えば、フェイス本体31のうちで、本来、下部に位置する部位が予定通り下部に位置する状態で、フェイス本体31を傾斜状に傾けた状態をいう。より具体的には、シャワーヘッド1を所定の固定具(フック等)に着脱可能に固定したり、固定部位に着脱不可能に固定したり、使用者が自然な状態(手の甲を横方向に向けた状態)で吐水具を把持した場合等に実現される。
【0062】
本実施例においても、シャワーフェイス30はヘッド本体10に対し、螺合接続されるが、このときの螺合量に過不足を生ずると、フェイス本体31を、傾斜状に傾けた状態としたときに、高さの高くされた壁面部34が、下部側以外に位置する可能性がある。このため、本実施例では、螺合量に過不足を生ずることを防止するための「位置決め手段」を設けている。即ち、図6(a)〜(c)に示すように、ヘッド本体10に当接部10dを設け、フェイス本体31にも当接部31dを設けている。
【0063】
即ち、フェイス本体31の内面部31aにおいては、筒状部32の外側に位置する部位に円弧状に突出する当接部31dを設けている{図2(a)の破線を参照}。また、ヘッド本体10においては、頭部11aの開口部側の端面11kに、円弧状の穴部11mを設けている。この穴部11mは、その底面11nが「シャワーフェイス30とヘッド本体10との螺合量が増加する方向(本実施例では右回転方向)」に下る傾斜面とされている。また、穴部11mにおいて、「シャワーフェイス30とヘッド本体10との螺合量が増加する方向(本実施例では右回転方向)」に位置する端面が当接部10dとして機能する。
【0064】
本実施例では、当接部31dと穴部11mとが、頭部11aの開口部の中心から半径方向外側方向に等距離な位置に設けられる。しかも、穴部11mの幅が当接部31dの幅(何れも、頭部11aの開口部の中心から半径外側方向に沿った幅)よりも若干大きくされ、当接部31dは、穴部11mに遊入可能となっている。そして、シャワーフェイス30とヘッド本体10との螺合量が適量となる直前に、図6(b)に示すように、当接部31dが穴部11mに侵入する。そして、この螺合量を更に増加させ、螺合量が適量となり、上記「高さの高くされた壁面部34」が、予定通り「下部側」に位置したときに、当接部10dと当接部31dとが相互に当接し、螺合量がそれ以上増加しないようにされている。
【0065】
本実施例では、実施例1の効果に加え、以下の効果が得られる。即ち、シャワーヘッド1を、所定の固定具(フック等)に固定等して、フェイス本体31を傾斜状に傾けた状態としたときに、「水垂れ」の軽減若しくは抑制の万全を図ることができる。
【0066】
即ち、各壁面部34の作用によってシャワーヘッド1内の残水Zは、実施例1と同様に壁面部34内に保持されることになる。そして、本実施例では、排水の最終段階にある残水Zが溜まり易い、フェイス本体31の下部(フェイス本体31を傾斜状に傾けた状態としたときに、下部に位置する部分)において、壁面部34の高さを高く、この「下部に位置する壁面部34」に囲まれた壁内空間部35の貯水能力を高めている。よって、「水垂れ」の軽減若しくは抑制の万全を図ることができる。しかも、シャワーフェイス30とフェイス本体31との間に、当接部10dと当接部31dとからなる位置決め手段を設け、上記「高さの高くされた壁面部34」が、予定通り「下部側」に位置するため、この実施例2の「水垂れ」の軽減若しくは抑制に関する効果を確実に得ることができる。
【0067】
尚、本各発明の範囲は前記各実施例に示す具体的な態様に限定されず、本各発明の範囲内で種々の変形例を例示できる。即ち、各実施例では、平面略四角状の壁面部34と、平面略円弧状の壁面部34とを例示したが、壁面部34の平面形状としては、略円形、略楕円形、略三角形、略五角以上の多角形等の種々の形状を選択できる。
【0068】
各実施例では、フェイス本体31の内面部31aから吐水孔36を包囲するリブ33を突出させ、このリブ33によって壁面部34を構成したり、このリブ33と筒状部32の内周面32bとによって壁面部34を構成したが、各実施例と異なる態様で壁面部34を構成してもよい。例えば、図7(a)に示すように、フェイス本体31の内面部31a側を、外面部31bの側に凹む多数の凹み部31eと、厚肉状の厚肉部31fとを備えた段差状に形成し、凹み部31eに吐水孔36を形成すると共に厚肉部31fの側面(吐水孔を包囲する面)31gで壁面部34を構成することもできる。
【0069】
本実施例では、浴室用のシャワーヘッド1を例示したが、キッチン用、洗面所用、理容店用、美容室用等の種々のシャワーヘッドに対しても、本各発明を好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施例1及び実施例2に係るシャワーヘッドを示す縦断面図である。
【図2】図1のシャワーヘッドが備えるシャワーフェイスの平面図である。
【図3】(a)は図2のa−a縦断面図であり、(b)は図3(a)の一部を拡大して示す縦断面図である。
【図4】(a)及び(b)は実施例1に係るシャワーフェイスの使用例を示す模式的な縦断面図である。
【図5】(a)は実施例1の変形例に係るシャワーフェイスの使用例を示す模式的な縦断面図であり、(b)は実施例2に係るシャワーフェイスの使用例を示す模式的な縦断面図である。
【図6】(a)は実施例2に係るヘッド本体の一部を示す模式的な底面図であり、(b)及び(c)は実施例2において位置決め手段を示す模式的な縦断面図である。
【図7】(a)は各実施例の変形例を示す縦断面図であり、(b)は従来例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0071】
1;シャワーヘッド(吐水具)
10;ヘッド本体(吐水具本体)、
30;吐水フェイス、
31a;内面部、
31b;外面部
31;フェイス本体、
34;壁面部、
36;吐水孔、
36a;縮小部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐水具本体と、該吐水具本体の端末側に取着される吐水フェイスとを備える吐水具であって、
前記吐水フェイスは前記吐水具の内部に位置する内面部と前記吐水具の外部に露呈する外面部とを有するフェイス本体を具備し、
前記フェイス本体は、前記内面部の側から前記外面部の側に至る貫通状の吐水孔を多数備えると共に、該吐水孔を取り囲む壁面部を前記内面部側に備え、
前記吐水具本体の端末側に設けられると共に下面を開口部とする略容器形状とされる頭部の内部空間に流路調節体を挿入し、この流路調節体を境界にして該内部空間を上下に区画し、前記流路調節体の下方を通水部とし、該通水部を前記吐水孔を通じて外部に開放することを特徴とする吐水具。
【請求項2】
前記吐水孔は、前記フェイス本体の内面部側から外面部側に向かって横断面積が狭くなる縮小部を備えることを特徴とする請求項1記載の吐水具。
【請求項3】
前記フェイス本体を傾斜状に傾けた状態としたときに、下部に位置する壁面部
の高さを高くしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の吐水具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−119487(P2008−119487A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330582(P2007−330582)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【分割の表示】特願2002−378704(P2002−378704)の分割
【原出願日】平成14年12月26日(2002.12.26)
【出願人】(000242378)株式会社ケーブイケー (130)
【Fターム(参考)】