説明

含フッ素フェニルアラニン誘導体及びその製造方法

【課題】 工業的に有用な、新規なトリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体を提供する。
【解決手段】 下記式(5)


で示される新規な含フッ素アミノ酸誘導体を合成し、スピロ型キラル相間移動触媒存在下不斉アルキル化を行い、次いで加水分解することにより新規なα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体を調製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な含フッ素フェニルアラニン誘導体、その中間体及びそれらの製造方法に関する。含フッ素アミノ酸類は医薬品の合成中間体として期待される化合物である。
【背景技術】
【0002】
本発明の化合物は知られていない。本発明に関連するキラル相間移動触媒を用いたアミノ酸類の合成方法としては、例えば、下記一般式(10)
【0003】
【化1】

【0004】
で示される光学活性スピロ型四級アンモニウム塩において、
=水素原子、X=臭化物イオンである化合物(A)、
=フェニル基、X=臭化物イオンである化合物(B)、
=3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、X=臭化物イオンである化合物(C)
を用い、α−位にメチル基やアリル基を導入した光学活性フェニルアラニン誘導体の製造法が知られている[特許文献1、非特許文献1参照]。
【0005】
【特許文献1】特開2001−48866号公報
【非特許文献1】K.Maruoka et. al. J.Am.Chem.Soc.2000,122,5228−5229
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したとおり、従来の方法において、本発明の化合物の合成例は知られていない。また、非特許文献1に記載のグリシン誘導体を原料とし、α−位に2つのアルキル基を導入する方法を本発明の化合物調製に適用した場合、2,2,2−トリフルオロエチルアイオダイドとの反応が進行せず、本発明の目的物を得ることができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、新規なα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決する方法について鋭意検討した結果、あらかじめグリシン誘導体をリチウムジイソプロピルアミドでエノール化後に2,2,2−トリフルオロエチルアイオダイドを反応させ、新規な中間体を得、次いで、特定のキラル相間移動触媒存在下、特定のベンジルブロミド誘導体と反応させることにより、新規なα−2,2,2−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体が合成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、以下に示すとおりの含フッ素フェニルアラニン誘導体及びその製造方法である。
【0010】
[1]下記一般式(1)
【0011】
【化2】

【0012】
[上記一般式(1)中、Rは炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を示す。]
で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【0013】
[2]下記一般式(2)
【0014】
【化3】

【0015】
[上記一般式(2)中、Rは炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を示す。]
で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【0016】
[3]上記一般式(1)又は一般式(2)において、Rが水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【0017】
[4]上記一般式(1)又は一般式(2)において、Rが水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【0018】
[5]下記一般式(3)
【0019】
【化4】

【0020】
[上記一般式(3)中、Rは炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を示す。]
で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【0021】
[6]下記一般式(4)
【0022】
【化5】

【0023】
[上記一般式(4)中、Rは炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を示す。]
で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【0024】
[7]上記一般式(3)又は一般式(4)において、Rが水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基であることを特徴とする上記[5]又は[6]に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【0025】
[8]上記一般式(3)又は一般式(4)において、Rが水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることを特徴とする上記[5]又は[6]に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【0026】
[9]上記一般式(3)で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体を酸の存在下、加水分解することを特徴とする上記[1]に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体の製造方法。
【0027】
[10]上記一般式(4)で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体を酸の存在下、加水分解することを特徴とする上記[2]に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体の製造方法。
【0028】
[11]上記一般式(3)又は一般式(4)において、Rが水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基であることを特徴とする上記[9]又は[10]に記載の製造方法。
【0029】
[12]上記一般式(3)又は一般式(4)において、Rが水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることを特徴とする上記[9]又は[10]に記載の製造方法。
【0030】
[13]下記式(5)
【0031】
【化6】

【0032】
で示される4,4,4−トリフルオロ−2−アミノブタン酸誘導体。
【0033】
[14]上記式(5)で示される4,4,4−トリフルオロ−2−アミノブタン酸誘導体と下記一般式(6)
【0034】
【化7】

【0035】
[上記一般式(6)中、Rは炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を示す。]
で示されるベンジルブロミド誘導体を、下記式(7)
【0036】
【化8】

【0037】
で示されるキラル相間移動触媒及びアルカリの存在下反応させることを特徴とする上記[5]に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体の製造方法。
【0038】
[15]上記式(5)で示される4,4,4−トリフルオロ−2−アミノブタン酸誘導体と上記一般式(6)で示されるベンジルブロミド誘導体を、下記式(7)
【0039】
【化9】

【0040】
で示されるキラル相間移動触媒及びアルカリの存在下反応させることを特徴とする上記[6]に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体の製造方法。
【0041】
[16]上記一般式(6)において、Rが水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基であることを特徴とする上記[14]又は[15]に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【0042】
[17]上記一般式(6)において、Rが水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることを特徴とする上記[14]又は[15]に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【0043】
[18]下記式(9)
【0044】
【化10】

【0045】
で示されるグリシン誘導体をリチウムイソプピルアミドと反応させた後、2,2,2−トリフルオロエチルアイオダイドと反応させることを特徴とする上記[13]に記載の4,4,4−トリフルオロ−2−アミノブタン酸誘導体の製造方法。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、新規なα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体及びその製造方法、並びにその製造用中間体及びその製造方法が提供される。
【0047】
すなわち、上記式(9)で示されるグリシン誘導体をリチウムイソプピルアミドと反応させた後、2,2,2−トリフルオロエチルアイオダイドと反応させることにより、上記式(5)で示される新規な含フッ素アミノ酸誘導体を調製することができる。
【0048】
また、上記式(5)で示される新規な含フッ素アミノ酸誘導体を上記したスピロ型キラル相間移動触媒存在下に不斉アルキル化を行うことにより、上記一般式(3)又は一般式(4)で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体を調製することができる。
【0049】
そして、上記一般式(3)又は一般式(4)で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体を酸の存在下、加水分解することにより、上記一般式(1)又は一般式(2)
で示される新規なα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体を調製することができる。
【0050】
含フッ素異常アミノ酸類は医薬品の合成原料として有用な化合物であり、本発明は工業上極めて有意義である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0052】
本発明において、上記一般式(1)に示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体としては特に限定するものではないが、具体的には、Rが炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキル基の場合、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−メチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−メチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−エチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−エチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−エチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−iso−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−iso−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−iso−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ペンチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ペンチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ペンチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−へキシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−へキシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−へキシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ヘプチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ヘプチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ヘプチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−オクチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−オクチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−オクチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ノニルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ノニルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ノニルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−デシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−デシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−デシルフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0053】
また、Rが炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルコキシ基の場合、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−エトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−エトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−エトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−iso−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−iso−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−iso−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−tert−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−tert−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−tert−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ペンチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ペンチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ペンチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−へキシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−へキシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−へキシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ヘプチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ヘプチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ヘプチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−オクチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−オクチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−オクチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ノニルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ノニルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ノニルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−デシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−デシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−デシルオキシフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0054】
また、Rが水素原子の場合、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−フェニルプロピオネートが例示される。
【0055】
また、Rがハロゲン原子の場合、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−クロロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−クロロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−ヨウドフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−ヨウドフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−ヨウドフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0056】
さらに、Rがハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基の場合、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−[2−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル]プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−[3−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル]プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−[4−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル]プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−ペンタフルオロエチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−ペンタフルオロエチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−ペンタフルオロエチルフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0057】
また、上記一般式(2)で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体としては特に限定するものではないが、具体的には、Rが炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキル基の場合、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−メチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−メチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−エチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−エチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−エチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−iso−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−iso−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−iso−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ペンチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ペンチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ペンチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−へキシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−へキシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−へキシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ヘプチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ヘプチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ヘプチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−オクチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−オクチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−オクチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ノニルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ノニルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ノニルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−デシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−デシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−デシルフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0058】
また、Rが炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルコキシ基の場合、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−エトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−エトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−エトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−iso−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−iso−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−iso−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−tert−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−tert−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−tert−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ペンチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ペンチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ペンチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−へキシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−へキシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−へキシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ヘプチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ヘプチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ヘプチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−オクチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−オクチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−オクチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−ノニルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−ノニルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−ノニルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−n−デシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−n−デシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−n−デシルオキシフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0059】
また、Rが水素原子の場合、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−フェニルプロピオネートが例示される。
【0060】
また、Rがハロゲン原子の場合、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−クロロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−クロロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−ヨウドフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−ヨウドフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−ヨウドフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0061】
さらに、Rがハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基の場合、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−[2−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル]プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−[3−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル]プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−[4−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル]プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(2−ペンタフルオロエチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(3−ペンタフルオロエチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−ペンタフルオロエチルフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0062】
本発明の上記一般式(1)又は一般式(2)で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体は、各々該当する、上記一般式(3)又は一般式(4)で示されるイミノグリシン誘導体を酸の存在下、加水分解することにより得ることができる。
【0063】
本発明の上記一般式(3)で示される化合物としては、特に限定するものではないが、具体的には、Rが炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキル基の場合、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−メチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−メチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニルイミノ)−3−(2−エチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−エチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−エチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−iso−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−iso−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−iso−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ペンチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ペンチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ペンチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−へキシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−へキシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−へキシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ヘプチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ヘプチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ヘプチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−オクチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−オクチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−オクチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ノニルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ノニルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ノニルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−デシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−デシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−デシルフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0064】
また、Rが炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルコキシ基の場合、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−エトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−エトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−エトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−iso−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−iso−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−iso−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−tert−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−tert−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−tert−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ペンチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ペンチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ペンチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−へキシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−へキシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−へキシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ヘプチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ヘプチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ヘプチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−オクチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−オクチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−オクチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ノニルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ノニルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ノニルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−デシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−デシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−デシルオキシフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0065】
また、Rが水素原子の場合、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−フェニルプロピオネートが例示される。
【0066】
また、Rがハロゲン原子の場合、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−クロロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−クロロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−ヨウドフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−ヨウドフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−ヨウドフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0067】
さらに、Rがハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基の場合、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−[2−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル]プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−[3−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル]プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−[4−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル]プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−ペンタフルオロエチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−ペンタフルオロエチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−ペンタフルオロエチルフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0068】
また、上記一般式(4)で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体としては特に限定するものではないが、具体的には、Rが炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキル基の場合、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−メチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−メチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−メチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−エチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−エチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−エチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−iso−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−iso−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−iso−プロピルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ペンチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ペンチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ペンチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−へキシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−へキシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−へキシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ヘプチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ヘプチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ヘプチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−オクチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−オクチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−オクチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ノニルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ノニルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ノニルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−デシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−デシルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−デシルフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0069】
また、Rが炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルコキシ基の場合、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−エトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−エトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−エトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−iso−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−iso−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−iso−プロポキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−tert−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−tert−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−tert−ブトキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ペンチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ペンチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ペンチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−へキシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−へキシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−へキシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ヘプチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ヘプチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ヘプチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−オクチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−オクチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−オクチルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−ノニルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−ノニルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−ノニルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−n−デシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−n−デシルオキシフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−n−デシルオキシフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0070】
また、Rが水素原子の場合、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−フェニルプロピオネートが例示される。
【0071】
また、Rがハロゲン原子の場合、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−クロロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−クロロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−クロロフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−ヨウドフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−ヨウドフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−ヨウドフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0072】
さらに、Rがハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基の場合、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−[2−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル]プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−[3−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル]プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−[4−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル]プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(2−ペンタフルオロエチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(3−ペンタフルオロエチルフェニル)プロピオネート、tert−ブチル (R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−ペンタフルオロエチルフェニル)プロピオネート等が例示される。
【0073】
本発明の上記一般式(1)又は一般式(2)の化合物を得る反応に使用する酸としては特に限定するものではないが、例えば、0.1N〜3Nの塩酸水溶液、0.1N〜3Nの硫酸水溶液、0.1N〜1Nのクエン酸水溶液等が好適に使用可能である。具体的には、上記一般式(3)又は一般式(4)で示される化合物を、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン等の溶剤に溶解させた後、基質に対して1.1等量〜5等量の上記した酸を添加し、攪拌下、0℃〜30℃で1〜6時間反応を行うことにより、本発明の上記一般式(1)又は一般式(2)で示される目的物を得る。
【0074】
本発明の上記式(5)で示される化合物であるtert−ブチル 4,4,4−トリフルオロ−2−(4−クロロフェニル)イミノブチレートは、例えば、tert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)イミノアセテートをTHF等のエーテル系溶媒中−20℃〜−80℃でリチウム イソプロピルアミドと反応させ、リチウム エステルエノラートを形成させた後、30℃〜−80℃で2,2,2−トリフルオロヨウドエタンと4〜24時間反応させることにより調製することができる。
【0075】
上記反応において、リチウム イソプロピルアミドの使用量は、反応に用いるtert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)イミノアセテートに対して、通常1.0等量〜1.3等量の範囲であり、具体的には、−20℃〜−80℃で10分〜2時間反応させたエステルエノラートを調製した後、−80℃で1.0〜1.5等量の2,2,2−トリフルオロヨウドエタンを添加した後、20℃まで昇温し、4〜24時間反応させることにより目的物のtert−ブチル 4,4,4−トリフルオロ−2−(4−クロロフェニル)イミノブチレートを得る。反応後、飽和の重曹水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、濃縮し、次反応に用いる。
【0076】
本発明の上記一般式(3)又は一般式(4)で示される化合物の調製法としては特に限定するものではないが、具体的には、上記式(5)で示されるtert−ブチル 4,4,4−トリフルオロ−2−(4−クロロフェニル)イミノブチレートと上記一般式(6)で示されベンジルブロミド誘導体を、上記式(7)で示されるスピロビス[{(S)−1,1’−ビ−{4,6−ビス(オクチルジメチルシリル)ナフチル}}−2,2’−ジメチル]アンモニウムブロミド、又は上記式(8)で示されるスピロビス[{(R)−1,1’−ビ−{4,6−ビス(オクチルジメチルシリル)ナフチル}}−2,2’−ジメチル]アンモニウムブロミド及びアルカリの存在下、−20℃〜0℃で反応させることにより、上記一般式(3)又は一般式(4)で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体を調製することができる。上記式(7)の触媒を用いる場合は、上記一般式(3)で示される(S)体を与え、上記式(8)の触媒を用いる場合は、上記一般式(4)で示される(R)体を与える。
【0077】
本発明の上記一般式(6)で示されるベンジルブロミド誘導体としては特に限定するものではないが、具体的には、Rが炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキル基の場合、2−メチルベンジルブロミド、3−メチルベンジルブロミド、4−メチルベンジルブロミド、2−エチルベンジルブロミド、3−エチルベンジルブロミド、4−エチルベンジルブロミド、2−n−プロピルベンジルブロミド、3−n−プロピルベンジルブロミド、4−n−プロピルベンジルブロミド、2−iso−プロピルベンジルブロミド、3−iso−プロピルベンジルブロミド、4−iso−プロピルベンジルブロミド、2−n−ブチルベンジルブロミド、3−n−ブチルベンジルブロミド、4−n−ブチルベンジルブロミド、2−tert−ブチルベンジルブロミド、3−tert−ブチルベンジルブロミド、4−tert−ブチルベンジルブロミド、2−n−ペンチルベンジルブロミド、3−n−ペンチルベンジルブロミド、4−n−ペンチルベンジルブロミド、2−n−へキシルベンジルブロミド、3−n−へキシルベンジルブロミド、4−n−へキシルベンジルブロミド、2−n−ヘプチルベンジルブロミド、3−n−ヘプチルベンジルブロミド、4−n−ヘプチルベンジルブロミド、2−n−オクチルベンジルブロミド、3−n−オクチルベンジルブロミド、4−n−オクチルベンジルブロミド、2−n−ノニルベンジルブロミド、3−n−ノニルベンジルブロミド、4−n−ノニルベンジルブロミド、2−n−デシルベンジルブロミド、3−n−デシルベンジルブロミド、4−n−デシルベンジルブロミド等が例示される。
【0078】
また、Rが炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルコキシ基の場合、2−メトキシベンジルブロミド、3−メトキシベンジルブロミド、4−メトキシベンジルブロミド、2−エトキシベンジルブロミド、3−エトキシベンジルブロミド、4−エトキシベンジルブロミド、2−n−プロポキベンジルブロミド、3−n−プロポキベンジルブロミド、4−n−プロポキシベンジルブロミド、2−iso−プロポキシベンジルブロミド、3−iso−プロポキシベンジルブロミド、4−iso−プロポキシベンジルブロミド、2−n−ブトキシベンジルブロミド、3−n−ブトキシベンジルブロミド、4−n−ブトキシベンジルブロミド、2−tert−ブトキシベンジルブロミド、3−tert−ブトベンジルブロミド、4−tert−ブトキシベンジルブロミド、2−n−ペンチルオキシベンジルブロミド、3−n−ペンチルオキシベンジルブロミド、4−n−ペンチルオキシベンジルブロミド、2−n−へキシルオキシベンジルブロミド、3−n−へキシルオキシベンジルブロミド、4−n−へキシルオキシベンジルブロミド、2−n−ヘプチルオキシベンジルブロミド、3−n−ヘプチルオキシベンジルブロミド、4−n−ヘプチルオキシベンジルブロミド、2−n−オクチルオキシベンジルブロミド、3−n−オクチルオキシベンジルブロミド、4−n−オクチルオキシベンジルブロミド、2−n−ノニルオキシベンジルブロミド、3−n−ノニルオキシベンジルブロミド、4−n−ノニルオキシベンジルブロミド、2−n−デシルオキシベンジルブロミド、3−n−デシルオキシベンジルブロミド、4−n−デシルオキシベンジルブロミド等が例示される。
【0079】
また、Rが水素原子の場合、ベンジルブロミドが例示される。
【0080】
また、Rがハロゲン原子の場合、2−フルオロベンジルブロミド、3−フルオロベンジルブロミド、4−フルオロベンジルブロミド、2−クロロベンジルブロミド、3−クロロベンジルブロミド、4−クロロベンジルブロミド、2−ブロモベンジルブロミド、3−ブロモベンジルブロミド、4−ブロモベンジルブロミド、2−ヨウドベンジルブロミド、3−ヨウドベンジルブロミド、4−ヨウドベンジルブロミド等が例示される。
【0081】
さらに、Rがハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基の場合、2−トリフルオロメチルベンジルブロミド、3−トリフルオロメチルベンジルブロミド、4−トリフルオロメチルベンジルブロミド、2−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンジルブロミド、3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンジルブロミド、4−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンジルブロミド、2−ペンタフルオロエチルベンジルブロミド、3−ペンタフルオロエチルベンジルブロミド、4−ペンタフルオロエチルベンジルブロミド等が例示される。
【0082】
本発明の上記式(7)又は式(8)で示されるキラル相間移動触媒は、例えば、特開2005−41791号公報に記載の方法により、光学活性(S)−1,1’−ビ−2−ナフトール又は(R)−1,1’−ビ−2−ナフトールを原料とし、11反応で調製することができる。
【0083】
本発明の上記式(7)又は式(8)で示されるキラル相間移動触媒の使用量は、反応に用いる上記式(5)で示されるtert−ブチル 4,4,4−トリフルオロ−2−(4−クロロフェニル)イミノブチレートに対して、通常0.03モル%〜5モル%の範囲、好ましくは0.05モル%〜2モル%の範囲である。
【0084】
本発明の上記一般式(3)又は一般式(4)で示される化合物を得る反応に適用可能な溶剤としては、反応に不活性な溶剤であればあらゆるものが適用可能であり、特に限定するものではないが、好ましくはトルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、THF等のエーテル類が挙げられる。
【0085】
本発明の上記一般式(3)又は一般式(4)で示される化合物を得る反応に適用可能な溶剤の使用量としては、反応に用いる上記式(5)で示されるtert−ブチル 4,4,4−トリフルオロ−2−(4−クロロフェニル)イミノブチレートに対して、通常3重量倍量〜200重量倍量の範囲であるが、好ましくは5重量倍量〜100重量倍量の範囲である。
【0086】
本発明の上記一般式(3)又は一般式(4)で示される化合物を得る反応に適用可能なアルカリとしては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化セシウム・1水和物等が挙げられ、反応に用いる上記式(5)で示されるtert−ブチル 4,4,4−トリフルオロ−2−(4−クロロフェニル)イミノブチレートに対して、通常1モル量〜30モル量の範囲で使用する。アルカリの添加方法としては、反応に用いる溶剤に溶解させて使用しても良いし、また、粉末を添加しても良い。
【0087】
本発明の上記一般式(3)又は一般式(4)で示される化合物を得る反応の反応温度としては、通常0℃〜−20℃の範囲であり、反応時間としては、通常15分〜24時間の範囲である。
【0088】
本発明の上記一般式(3)又は一般式(4)で示される化合物を得る反応の終了後、例えば、飽和の重曹水溶液で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、濃縮することにより、上記一般式(3)又は一般式(4)で示される目的物を得る。また、反応終了後、単離することなく酸を添加し、上記一般式(1)又は一般式(2)で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体へ誘導することも可能である。
【実施例】
【0089】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0090】
参考例1 tert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)イミノアセテートの調製
滴下ロート及び攪拌子を備えた500mlの3つ口丸底フラスコにtert−ブチル 2−アミノアセテート・塩酸塩(グリシン tert−ブチルエステル・塩酸塩、9.09g、54.23mmol)、p−クロロベンズアルデヒド(7.62g、54.23mmol)、硫酸マグネシウム(9.79g、81.34mmol)及びジクロロメタン(28g)を仕込み室温下、攪拌した。次いで、これにジクロロメタン(11g)で希釈したトリエチルアミン(10.97g、108.5mmol)を、1.5時間かけて滴下し、さらに室温下で20時間攪拌を行った。
【0091】
反応終了後、ろ過し、ろ液を濃縮、40℃で減圧乾燥し、ジエチルエーテル(200ml)に溶解、飽和の重曹水(200ml×2回)で洗浄、硫酸マグネシウム(5g)で乾燥、ろ過、濃縮、減圧乾燥することにより目的物のtert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)イミノアセテート(13.36g、52.66mmol)を微黄色オイルとして得た(収率:97.1%)。
【0092】
実施例1 tert−ブチル 4,4,4−トリフルオロ−2−(4−クロロフェニル)イミノブチレートの調製
攪拌子を備えた300mlのナス型フラスコを窒素置換した後、ジイソプロピルアミン(5.18g、51.2mmol)及び無水のTHF(170ml)を仕込み、攪拌しながら−40℃に冷却した。次いでこれにn−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液、29.5ml、47.2mmol)を10分かけて滴下し、同温度で30分攪拌し、リチウム イソプロピルアミドのTHF溶液を調製した。さらに、−80℃に冷却し、参考例1で調製したtert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)イミノアセテート(10.0g、39.41mmol)のTHF(100ml)溶液を30分かけて滴下し、同温度で30分攪拌し、エステルエノラートを調製した。これに2,2,2−トリフルオロヨウドメタン(9.10g、43.35mmol)を10分かけて滴下し、同温度で30分攪拌した後、2時間かけて室温に戻し、さらに同温度で12時間攪拌を行った。
【0093】
反応終了後、100mlの飽和の重曹水(100ml×2回)で洗浄、硫酸マグネシウム(10g)で乾燥、ろ過、濃縮、減圧乾燥することにより目的物の4,4,4−トリフルオロ−2−(4−クロロフェニル)イミノブチレート(12.6g、37.5mmol)を赤褐色オイルとして得た(収率95%)。
【0094】
H−NMR(200MHz,CDCl)σ 8.37(s,1H)、7.79(d,2H,J=8.0Hz)、7.47(d,2H,J=8.0Hz)、4.29−4.22(m,1H)、3.15−2.61(m,2H)、1.53(s,9H)。
【0095】
実施例2 tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−フェニルプロピオネートの調製
攪拌子を備えた50mlのナス型フラスコに実施例1で調製したtert−ブチル 4,4,4−トリフルオロ−2−(4−クロロフェニル)イミノブチレート(465mg,1.38mmol)、スピロビス[{(S)−1,1’−ビ−{4,6−ビス(オクチルジメチルシリル)ナフチル}}−2,2’−ジメチル]アンモニウムブロミド(15mg,0.0074mmol)及びトルエン(15ml)を仕込み攪拌しながら−10℃に冷却した。次いで、これにベンジルブロミド(382mg,1.44mmol)を添加し、さらに水酸化セシウム・1水和物(1.43g,7.44mmol)を添加し、同温度で6時間反応を行った。
【0096】
反応終了後、飽和の重曹水(5ml×2回)で洗浄、硫酸マグネシウム(1g)で乾燥、ろ過、濃縮、乾燥することにより目的物のtert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−フェニルプロピオネート(330mg,0.775mmol)を褐色オイルとして得た(収率56%)。
【0097】
H−NMR(200MHz,CDCl)σ 8.25(s,1H)、7.79−7.00(m,9H)、3.35(q,2H,J=12Hz),3.2−2.75(m,2H)、1.57(s,9H)。
【0098】
分子量の測定はベンゾイルアミドに誘導し測定した。MS(m/z)407(M)。
【0099】
実施例3 tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−フェニルプロピオネートの調製
攪拌子を備えた50mlのナス型フラスコに、実施例2で調製したtert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−フェニルプロピオネート(150mg,0.352mmol)及びトルエン(8ml)を仕込み、攪拌しながら0℃とした。次いでこれに0.5N−HCl溶液18mlを添加し、同温度で2時間攪拌を行った。反応終了後、有機層を除去し得られた水層をジエチルエーテル(5ml×2回)で洗浄、水層に粉末の重曹を添加し、PHをアルカリ性とした後、ジクロロメタン(5ml×5回)抽出、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、濃縮することにより粗製の目的物を得、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1 vol/vol)で精製することにより目的物のtert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−フェニルプロピオネート(71.9g,0.237mmol)を無色のオイルとして得た(収率49%)。ダイセル社製AD−Hカラム(ヘキサン/イソプロパノール=9/1 vol/vol)での測定において光学純度は92.1%eeであった。
【0100】
H−NMR(200MHz,CDCl)σ 7.39−7.26(m,5H)、3.20(d,1H,J=13.2Hz)、2.85(d,1H,J=18.2Hz)、3.05−2.81(m,1H)、2.58−2.34(m,1H)、1.85(bs,2H)、1.52(s,9H)。
【0101】
13C−NMR(50.3MHz,CDCl)σ 173.20、135.55、134.56、130.37、128.74、128.37、127.42、123.21、116.80、82.52、59.11、46.64、43.48、42.95、42.41、27.86。
【0102】
分子量の測定はベンゾイルアミドに誘導し測定した。MS(m/z)425(M)。
【0103】
実施例4 tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオネートの調製
実施例2のベンジルブロミドを4−フルオロベンジルブロミドに替えた以外、実施例2と同じ操作を行い、目的物のtert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオネートを褐色のオイルとして得た(収率75%)。
【0104】
H−NMR(200MHz,CDCl)σ 8.24(s,1H)、7.79−7.00(m,8H)、3.33(q,2H,J=12Hz),3.2−2.75(m,2H)、1.57(s,9H)。
【0105】
実施例5 tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオネートの調製
実施例4で調製したtert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオネート(150mg、0.338mmol)用い、実施例3と同じ操作で目的物のtert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオネート(96.5mg、0.300mmol)を無色のオイルとして得た(収率89%)。
【0106】
ダイセル社製AD−Hカラム(ヘキサン/イソプロパノール=9/1 vol/vol)での測定において光学純度は92.5%eeであった。
【0107】
H−NMR(200MHz,CDCl)σ 7.29−7.22(m,2H)、7.10−7.02(m,2H)、3.16(d,1H,J=13.2Hz)、2.83(d,1H,J=13.2Hz)、3.02−2.83(m,1H)、2.56−2.32(m,1H)、1.81(bs,2H)、1.51(s,9H)。
【0108】
13C−NMR(50.3MHz,CDCl)σ 173.07、164.63、159.74、131.79、130.37、128.66、120.99、117.60、115.02、111.11、105.28、100.99、95.96、92.00、82.65、59.08、45.75、42.84、27.84。
【0109】
分子量の測定はベンゾイルアミドに誘導し測定した。MS(m/z)475(M)。
【0110】
実施例6 tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネートの調製
実施例2のベンジルブロミドを4−トリフルオロメチルベンジルブロミドに替えた以外、実施例2と同じ操作を行い、目的物のtert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネートを褐色のオイルとして得た(収率73%)。
【0111】
H−NMR(200MHz,CDCl)σ 8.23(s,1H)、7.79−7.00(m,8H)、3.351(q,2H,J=13.0Hz),3.2−2.75(m,2H)、1.56(s,9H)。
【0112】
実施例7 tert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネートの調製
実施例6で調製したtert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネート(150mg、0.304mmol)用い、実施例3と同じ操作で目的物のtert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)プロピオネート(102.6mg、0.276mmol)を無色のオイルとして得た(収率91%)。ベンゾイルアミドに誘導の後、ダイセル社製AD−Hカラム(ヘキサン/イソプロパノール=9/1 vol/vol)での測定において光学純度は94.0%eeであった。
【0113】
H−NMR(200MHz,CDCl)σ 7.65(d,2H,J=8.0Hz)、7.43(d,2H,J=8.0Hz)、3.26(d,1H,J=13.2Hz)、2.95(d,1H,J=13.4Hz)、3.05−2.76(m,1H)、2.61−2.37(m,1H)、1.95(bs,2H)、1.52(s,9H)。
【0114】
13C−NMR(50.3MHz,CDCl)σ 183.43、172.72、138.75、130.77、125.3、125.09、83.01、59.11、48.35、46.19、43.33、27.86。
【0115】
実施例8
実施例2と同じ操作でtert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−(4−クロロフェニル)イミノ−3−フェニルプロピオネートを0℃で反応させた後、生成物を単離することなく、引き続き実施例3と同じ操作でtert−ブチル (S)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−アミノ−3−フェニルプロピオネートを調製した。得られた目的物の収率は58%で、ダイセル社製AD−Hカラム(ヘキサン/イソプロパノール=9/1 vol/vol)での測定において光学純度は89.2%eeであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】

[上記一般式(1)中、Rは炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を示す。]
で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【請求項2】
下記一般式(2)
【化2】

[上記一般式(2)中、Rは炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を示す。]
で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【請求項3】
一般式(1)又は一般式(2)において、Rが水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【請求項4】
一般式(1)又は一般式(2)において、Rが水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【請求項5】
下記一般式(3)
【化3】

[上記一般式(3)中、Rは炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を示す。]
で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【請求項6】
下記一般式(4)
【化4】

[上記一般式(4)中、Rは炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を示す。]
で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【請求項7】
一般式(3)又は一般式(4)において、Rが水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【請求項8】
一般式(3)又は一般式(4)において、Rが水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【請求項9】
請求項5に記載の一般式(3)で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体を酸の存在下、加水分解することを特徴とする請求項1に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体の製造方法。
【請求項10】
請求項6に記載の一般式(4)で示されるα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体を酸の存在下、加水分解することを特徴とする請求項2に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体の製造方法。
【請求項11】
一般式(3)又は一般式(4)において、Rが水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基であることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
一般式(3)又は一般式(4)において、Rが水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の製造方法。
【請求項13】
下記式(5)
【化5】

で示される4,4,4−トリフルオロ−2−アミノブタン酸誘導体。
【請求項14】
請求項13に記載の式(5)で示される4,4,4−トリフルオロ−2−アミノブタン酸誘導体と下記一般式(6)
【化6】

[上記一般式(6)中、Rは炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を示す。]
で示されるベンジルブロミド誘導体を、下記式(7)
【化7】

で示されるキラル相間移動触媒及びアルカリの存在下反応させることを特徴とする請求項5に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体の製造方法。
【請求項15】
請求項13に記載の式(5)で示される4,4,4−トリフルオロ−2−アミノブタン酸誘導体と請求項14に記載の一般式(6)で示されるベンジルブロミド誘導体を、下記式(7)
【化8】

で示されるキラル相間移動触媒及びアルカリの存在下反応させることを特徴とする請求項6に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体の製造方法。
【請求項16】
一般式(6)において、Rが水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基であることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【請求項17】
一般式(6)において、Rが水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載のα−トリフルオロエチル化フェニルアラニン誘導体。
【請求項18】
下記式(9)
【化9】

で示されるグリシン誘導体をリチウムイソプピルアミドと反応させた後、2,2,2−トリフルオロエチルアイオダイドと反応させることを特徴とする請求項13に記載の4,4,4−トリフルオロ−2−アミノブタン酸誘導体の製造方法。

【公開番号】特開2008−7460(P2008−7460A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−179752(P2006−179752)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】