説明

吸入器の投与チャンバを最初に充填する方法及び装置

本発明は、吸入器内の液体運搬システムの最初の充填に関する。本発明によれば、クロージャをリザーバに取り付けることによりリザーバ内に生じる圧力は、リザーバを吸入器内に挿入してときに液体を液体運搬システムによってリザーバから押し退けることによって抜かれ、液体運搬システムのデッドスペースが液体で満たされると共にノズルが液体貯蔵部に空気の無い仕方で連結されるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所要の量の好ましくは医薬流体を吸入のための「ソフト」なエーロゾフミストの形態でかなり長期間にわたって投与する医療目的の薬物吸入器(「ソフトミスト(soft mist)(登録商標)吸入器」又は短期用SMI)に関する。この種の装置は、例えば、Respimat(登録商標)型吸入器であるのがよく、これは、国際公開第WO97/12687号パンフレットに詳細に記載されている。この種の吸入器は、相当多量の活性物質調合物を収容したカートリッジを備えている。本発明は、この装置内へのカートリッジの組み込みをスプレーの最初の使用をスピードアップさせる目的で改良したRespimat(登録商標)型システムの更なる開発に関する。
【背景技術】
【0002】
推進ガスを用いないでエーロゾルミストを生じさせ少量の水性調合物を数マイクロリットルの量で噴霧するRespimat(登録商標)型の便利な吸入器又はRespimat(登録商標)Soft(登録商標) Mist(登録商標)型吸入器(SMI)のような吸入器は、医学的噴霧技術の分野における最新の革新的な開発例の1つである。この装置は、円筒形の形をしていて、長さが9〜15cm、幅が2〜4cm未満の便利なサイズのものなので患者によってどこでも利用でき、したがって、この装置は、どこに居るかとは関係なく患者にとって便利な仕方で常に規則正しく毎日利用できるようになっている。
【0003】
これら吸入器の基本的技術的特徴は、例えば、国際公開第WO91/14468号パンフレット又は国際公開第WO97/12687号パンフレットの特に図6a及び図6bに開示されている。これら吸入器では、最高500バールまでの高い圧力により噴霧化されるべき量の液体医薬調合物は、好ましくは2つのノズル出口を備えたマイクロノズルを通って送り込まれ、それにより肺向きのエーロゾルの状態に変換される。本明細書の範囲内で、上述の特許文献を特に参照されたい。
【0004】
Respimat(登録商標)の原理は、2つの別々の構成ユニット、即ち、エーロゾルを生じさせる全ての機械的コンポーネントを収容した吸入器と、医薬調合物を収容した別個のカートリッジとを利用している。
【0005】
使用のために、カートリッジが吸入器内に形成されたカニューレに押し付ける。液体が、このカニューレを通って圧縮及び投与チャンバ内に運ばれ、ここから、圧力を加えることによりマイクロノズル中へ送られる。
【0006】
カートリッジは、流体で満たされた容器及びこの容器のためのクロージャキャップから成っている。
【0007】
本質的に、Respimat(登録商標)型噴霧器は、頂部に位置する上方ハウジング部分と、上方ハウジングに部分に対して回転自在に設けられると共に底端部を構成する下方ハウジング部分と、ポンプハウジングと、ノズルと、係止クランプ機構体と、ばねハウジングと、ばねと、貯蔵容器とから成っている。
【0008】
ポンプハウジングは、上方ハウジング部分内に位置している。ポンプハウジングの頂端部のところには、ノズル又はノズル構造を備えたノズル本体が設けられている。この下には、圧縮チャンバが設けられ、この圧縮チャンバは、円筒形ボアの形態をした中央管の一部であるのがよい。圧縮チャンバの下には、中空ピストンの形態をしたカニューレの上端部が位置し、この中空ピストンは、中央管内へ部分的に突き出ていて、この中でストロークの動作で軸方向に前後に動くことができる。中空ピストンは、中央管の外部に位置する動力取り出しフランジにしっかりと連結されている。動力取り出しフランジは、ばね(コイルばね)の頂端部に設けられていて、これにより動く。コイルばねは、ばねハウジング内に設けられ、このばねハウジングは、回転軸受によって上方ハウジング部分に回転自在に取り付けられていて、係止クランプ機構体によって張力が加えられたり解除できるようになっている。この段落に記載しているコンポーネントの全ては、上方ハウジング部分内に設けられている。中空ピストンは、その下方底端部が圧縮ばねにより画定された内部空間内へ延びている。この中空スペースは、底部が開いている。この中空スペースは、頂部が動力取り出しフランジによって境界付けられるのがよい。医薬カートリッジを底端部からコイルばね内のこのキャビティ内に挿入してカニューレに押し付ける。次に、下方ハウジング部分をばねハウジング上でこれに沿って軸方向に押す。中空ピストン、中央管、圧縮チャンバ及びノズルを有するシステムは、流体を運搬するシステムを構成する。個々のコンポーネント相互間の連結部は、外部に対して封止される。流体運搬システムは、2つの開口部、即ち、中空ピストンに設けられた下方開口部及びノズル開口部しか備えていない。一方の開口部は、流体を受け入れるのに役立ち、他方のノズル開口部は、この流体を送り出すのに役立つ。
【0009】
用いられるノズルは、例えば国際公開第WO94/07607号パンフレット又は国際公開第WO99/18530号パンフレットに記載されているような独特の又は専用のノズルである。具体的には、これら両方の特許文献を参照されたい。
【0010】
ノズルは、ノズル本体内が好ましくは微細構造化され、即ち、マイクロエンジニアリングによって製作されている。微細構造化ノズル本体は例えば国際公開第WO94/07607号パンフレットに開示されており、この特許文献の明細書の内容、特に図1及び関連の説明を参照されたい。
【0011】
ノズル本体は、例えば、互いにしっかりと固定された2枚のシート状のガラス及び(又は)シリコンから成っており、これらのうち少なくとも一方は、ノズル入口端部をノズル出口端部に連結する1つ又は2つ以上の微細構造化チャネルを有する。ノズル出口端部のところには、深さが2〜10ミクロン、幅が5〜15ミクロンの少なくとも1つの丸い又は丸くない開口部が設けられ、この深さは好ましくは、4.5〜6.5ミクロンであり、長さは、7〜9ミクロンである。
【0012】
複数個、好ましくは2つのノズル開口部が設けられている場合、ノズル本体内のノズルの吹き付け又は噴霧方向は、互いに平行に延びるのがよく、或いは、ノズル開口部の方向に互いに対して傾斜していてもよい。外端部に少なくとも2つのノズル開口部を有するノズル本体の場合、吹き付け又は噴霧方向は、20°〜180°の角度、好ましくは、60〜150°の角度、最も好ましくは80°〜100°の角度で互いに対して傾斜しているのがよい。
【0013】
ノズル開口部は好ましくは、10〜200ミクロンの間隔、より好ましくは10〜100ミクロンの間隔、更により好ましくは30〜70ミクロンの間隔で配置されている。50ミクロンの間隔が、最も好ましい。
【0014】
したがって、吹き付け又は噴霧方向は、ノズル開口部の付近で出合う。
【0015】
噴霧化のため、液体医薬製剤は、最高600バール、好ましくは、200〜300バールの流入圧力状態でノズル本体に当たり、ノズル開口部を通って吸入可能なエーロゾルの状態に噴霧化される。エーロゾルの好ましい粒径は、最高20ミクロンまで、好ましくは3〜10ミクロンである。
【0016】
弁本体を備えた中空ピストンは、国際公開第WO97/12687号パンフレットに開示された装置に対応している。この中空ピストンは、ポンプハウジングのシリンダ内へ部分的に突き出ていて、シリンダ内で軸方向に動くことができるよう構成されている。弁本体は好ましくは、ノズル本体に向いた中空ピストンの端部に取り付けられる。
【0017】
具体的には、図1〜図4、特に図3及び関連の説明の文章を参照されたい。ばねの解除の時点で、弁本体を備えた中空ピストンは、その高圧側端部のところで、5〜60MPa(約50〜600バール)、好ましくは10〜60MPa(約100〜600バール)の圧力を流体、即ち、測定された量の発生物質溶液に及ぼす。10〜50マイクロリットルの量が好ましく、10〜20マイクロリットルの量がより好ましいが、1回の作動当たり10〜15マイクロリットルの量が特に好ましい。
【0018】
係止クランプ機構体は、機械的エネルギーの貯蔵手段としてばね、好ましくは円筒形コイル圧縮ばねを有する。ばねは、ばね部材として動力取り出しフランジに作用し、このばね部材の運動は、係止部材の位置によって決定される。動力取り出しフランジの移動は、上方停止部及び下方停止部によって正確に制限される。ばねには好ましくは、外部トルクにより増速歯車、例えば螺旋摺動歯車を介して張力が加えられ、この外力は、上方ハウジング部分を下方ハウジング部分内でばねハウジングに対して方向転換させたときに生じる。この場合、上方ハウジング部分及び動力取り出しフランジは、単速度又は多速度スプライン形歯車を収容している。
【0019】
係合係止面を備えた係止部材は、動力取り出しフランジ周りに環状の形態をなして配置されている。この係止部材は、例えば、本来的に半径方向に弾性的に変形できるプラスチック又は金属のリングから成る。このリングは、噴霧器の軸線に垂直な平面内に配置される。ばねの係止後、係止部材の係止面は、動力取り出しフランジの経路中に滑り込んでばねが解除されるのを阻止する。係止部材は、ボタンによって作動される。作動ボタンは、係止部材に連結され又は結合されている。係止クランプ機構体を作動させるため、係止ボタンを環状平面に平行に好ましくは噴霧器内に移動させ、それにより、変形可能なリングを環状平面内で変形させる。係止クランプ機構体の構造の詳細は、国際公開第WO97/20590号パンフレットに記載されている。
【0020】
下方ハウジング部分をばねハウジング上でこれに沿って軸方向に押し、軸受、スピンドルのための駆動装置及び流体のための貯蔵容器を覆う。
【0021】
噴霧器を作動させると、ハウジングの上方部分は、下方部分に対して回転し、下方部分は、ばねハウジングを連行する。一方、ばねは、螺旋摺動歯車によって圧縮されて付勢され、クランプ機構体は、自動的に稼働する。回転角度は好ましくは、360°の整数分数、例えば、180°である。ばねに張力を加えるのと同時に、上方ハウジング部分内の動力取り出しコンポーネントは、所与の量だけ一緒に動き、中空ピストンは、ポンプハウジング内で引き延ばされ、その結果、貯蔵容器からの流体のうち幾分かが、ノズルの前で高圧チャンバ内に吸い込まれる。
【0022】
噴霧プロセスは、作動ボタンを優しく押すことにより開始される。すると、係止機構体は、動力取り出しコンポーネントの稼働を開始させる。付勢状態のばねは、ピストンをポンプハウジング内のシリンダ内へ押し込む。流体は、スプレーの形態で噴霧器のノズルから出る。
【0023】
上述の構造の細部は、国際公開第WO97/12683号パンフレット及び同第WO97/20590号パンフレットに開示されており、これら特許文献を参照されたい。
【0024】
貯蔵容器(カートリッジ)は好ましくは、フランジ又はクロージャキャップを備えた容器であり、かかるフランジ又はクロージャキャップを介して、吸入器の中空ピストンを内部に挿入することができる。フランジ又はクロージャキャップは、空気が中空ピストンに沿って外部から容器内に入るのを阻止し又は流体が同じ道筋で容器から逃げ出るのを阻止する少なくとも1つの密封箇所を備えた中空ピストン用のガイド通路を有する。フランジ又はクロージャキャップは、吸入器の動力取り出しフランジに解除自在に又は解除不能に連結されるよう設計されたものである。好ましくは、容器は、押し潰し可能な容器として構成されており、この押し潰し可能な容器は、好ましくは、押し潰し可能な第1の容器をとりわけ損傷から保護する固定された剛性の第2の容器によって包囲されている。適当な容器は、欧州特許第775,076号明細書又は国際公開第WO99/43571号パンフレットに記載されている。しかしながら、他の適当な押し潰しできない容器も又使用できる。貯蔵容器は、中空ピストンに取り付けられる前のセルフコンテイン式システムを構成し、このセルフコンテイン式システムには、圧力が加えられるべき装置は設けられない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
最初の使用前に、まだ密閉されているカートリッジ(容器)を吸入器のカニューレに押し付ける必要がある。最初に中空ピストンからノズルまでの領域を流体で完全に満たすために、先行技術で知られている吸入器にテンションを加えてこれを数回作動させなければならない。
【0026】
本発明の一目的は、カートリッジの最初の挿入後に先行技術で知られている装置よりも迅速に作動させることができるRespimat(登録商標)型の吸入器を提供することにある。
【0027】
本発明のもう1つの目的は、Respimat(登録商標)型の吸入器の最初の作動に先立つ段階を短縮することにある。
【0028】
本発明の別の目的は、最初にRespimat(登録商標)型の吸入器を流体で満たす段階を自動化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明によれば、上述の課題は、吸入器内のデッドスペースを充填するプロセスをスピードアップして自動化することにある。「デッドスペース」という用語は、流体の高さ位置の上方のカニューレの内部、弁の内部、弁の上に位置し、圧力チャンバを含むシリンダの部分及びノズルの内部空間から中空ピストンの領域によって占められる空間の一部を引いたものによって作られる空間を意味している。換言すると、カートリッジの挿入プロセスの完了後に流体中へ突き出るカニューレ容積の部分(これは、一般に少なくとも全体の少なくとも90容量%である)は、考慮に入れられない。カニューレ、シリンダ、圧力チャンバ、ノズルから成るシステムを以下、流体運搬システムと呼ぶ。かくして、デッドスペースは、ばねを弛緩させたときの流体運搬システムの内部容積からカートリッジをカニューレに押し付けたときの連通管の原理によってのみ満たされる割合を引いたものに相当している。噴霧器を介して追い出されるべき量は、いずれにも含まれない。この量は、充填容積と呼ばれており、装置のばねに張力を加え、ピストンをこれが中央管を出ることなく中央管から動かしたときに生じる。2つの容積相互間の差は、実質的に、噴霧化されるべき流体の量(投与容積)に一致している。
【0030】
詳細を説明すると、好ましい噴霧器を以下のように説明することができる。ポンプハウジングが、円筒形上方ハウジング部分内に設けられる。噴霧器ノズルのホルダが、その端部に取り付けられている。ホルダは、ノズル本体を有し、更に任意的に1つ又は2つ以上のフィルタを有する。ノズルは、ポンプハウジング内に形成されたシリンダ管の上端部のところに配置される。中空ピストンは、係止クランプ機構体の動力取り出しフランジ内に固定される。中空ピストンは、その端部に、弁本体を有する。中空ピストンは、ガスケットによって外部に対して封止される。上方ハウジング部分内には、第1の停止部が設けられ、動力取り出しフランジは、ばねを弛緩させるとこの第1の停止部に当接する。動力取り出しフランジ上には、第2の停止部が設けられ、動力取り出しフランジは、ばねを弛緩させるとこの第2の停止部に当接する。ばねに張力を加えた後、係止部材は、第2の停止部と上方ハウジング部分内の支持体との間で摺動する。作動ボタンが、係止部材に連結されている。上方ハウジング部分は、マウスピース内で終端し、プッシュオン型保護キャップによって密閉されている。
【0031】
圧縮ばねを備えた円筒形ばねハウジングが、スナップイン型ラグ及び回転軸受によって上方ハウジング部分に回転自在に取り付けられている。円筒形下方ハウジング部分は、ばねハウジング上でこれに沿って押される。ばねハウジング内には、噴霧化されるべき流体用の交換可能な貯蔵容器が設けられている。貯蔵容器は、ストッパによって封止され、中空プランジャは、このストッパを介して貯蔵容器内に突き出ていて、その端部が流体(1回分の活性物質溶液)内に浸漬されている。
【0032】
この上述の問題を解決するため、本発明によれば、中空ピストン、シリンダ、圧力チャンバ及びノズルを有する流体運搬システムを介する容器からの流体の押し退けにより流体運搬システムのデッドスペースが流体で満たされ、ノズルが空気の排出により流体供給源に取り付けられるようにして貯蔵容器(入れ物)内に自然に発生し又は吸入器内への貯蔵容器の導入により貯蔵容器内に存在する過剰の圧力を弱めることが提案される。
【0033】
本発明によれば、過剰圧力は、デッドスペースを一方の側で流体で完全に満たして余りあるほど十分であると考えられる。他方、圧力は、好ましくは100マイクロリットル未満が圧力除去の結果としてノズルを通って吸入器から出るのに十分高い圧力であると考えられるに過ぎない。流体運搬システムのデッドスペースに相当する量よりも少なくとも1.5倍の量の流体を流体運搬システムを通って押し出すことが重要である。これは、貯蔵容器の弾性の結果として生じる場合のある許容誤差を補償する。
【0034】
本発明の第1の実施形態では、容器内の過剰圧力は、容器を張力が加えられない形式の注入器の中空ピストンに押し付けることにより自然に生じる。容器内に延びる吸入器のカニューレの少なくともその部分は、先行技術で知られている実施形態とは異なる構成のものである。本発明によれば、容器内へ延びる吸入器のカニューレの領域は、この領域が第1のデッドスペースに一致した量の少なくとも1.5倍、好ましくは2倍の流体を押し退けるように構成されたものであるべきである。この手段により、貯蔵容器を容器の内部のカニューレに押し付けることにより生じる圧力が増大し、その結果、流体は、容器内の過剰圧力の結果として、高い圧力下で、それ故により迅速にカニューレを通ってノズルの方へ送られる。
【0035】
公知のシステムの流体運搬システムのデッドスペースは、約17マイクロリットルであり、これは、ばねが張力を受けていない状態での中央管内のデッドスペースが圧力チャンバのデッドスペースを含めて約10マイクロリットルであり、毛管中のデッドスペースが7マイクロリットル(即ち、完全に満杯のカートリッジを取り付けたときの流体高さ位置よりも上の毛管容積の量)であり、ノズルのデッドスペースが約100ナノリットルであることによって構成される。次に、この量をカートリッジがカニューレに装着されたときに流体内へ侵入するカニューレの領域から押し退けなければならない。カニューレの外径が1.5mmであり、肉厚が1.1mmである場合、流体内に浸漬されるカニューレの部分は、18マイクロリットルの量を押し退けるためには約10.8mmでなければならない。
【0036】
しかしながら、これら寸法は、問題を解決するわけでないことが判明した。というのは、可撓性容器は生じた過剰圧力を部分的に補償するからである。
【0037】
本発明の課題は、容器の内部に侵入する中空ピストンのその部分の押し退け量が少なくとも23マイクロリットル、より好ましくは少なくとも34マイクロリットルである場合にのみ完全に解決される。
【0038】
押し退け量を上述の好ましいレベルの増大させるためには、中空ピストンについて同一の内径及び外径を維持した状態で、容器の内部に突き出る中空ピストンの長さを少なくとも13.8mm、好ましくは少なくとも20.4mmに増大させなければならない。
【0039】
別の実施形態では、カニューレの外径の増大は、内径及び容器の内部への侵入の深さを同じにしたままで行われる。この場合、少なくとも1.7mm、好ましくは少なくとも2mmの外径が有用である。これは、カニューレの広い有効打抜き表面のために、容器内の初期圧力が迅速に増大し、したがって、カニューレを通って逃げ出る流体に加わる圧力がピストンを伸長させることよりも一層最初に増大するようになるという利点を有する。別の実施形態では、ピストンを伸長させるのがよく、それと同時にその外径を増大させる。さらに、流体中へ浸る毛管の部分だけをそれに応じて形作ることができ、例えば、カニューレの残部よりも大きな外径を有するようにすることができる。
【0040】
あらゆる場合において、容器の内部の外に位置する44.2mmの中空ピストンの長さが好ましくは保持されるべきである。
【0041】
別の実施形態では、容器それ自体は、医薬調合物で満たされたときに圧力により作用を受ける。これは、例えば、容器を低温で、例えば4℃〜10℃で充填(低温充填)して密封することによって実施できる。容器を室温まで加熱すると、これに対応した過剰圧力が流体の膨張によって生じる。
【0042】
さらに別の実施形態では、容器を医薬調合物で満たすと、医薬調合物を過剰圧力雰囲気下で導入し、容器内部のこれに対応した大きさの程度の気泡を出すことによって生じる。次に、容器を密閉する。この方法では、気泡が充填中に圧縮される。容器をカニューレで穿刺すると、気泡は、張力から解放され、流体をカニューレ中へ送り込む。上述の所見によれば、圧縮状態の気泡と張力を受けていない気泡との間の容積差は、好ましくは、少なくとも23マイクロリットル、より好ましくは少なくとも34マイクロリットルである。好ましくは、10マイクロリットル未満の気泡が、容器内に残される。この実施形態においても、吸入器のカニューレは、流体中に浸らなければならない。
【0043】
充填作業の細部は、上述の先行技術に見ることができる。上述した手段の結果として、好ましくは1ミリバールよりも高く、特に、好ましくは5ミリバールよりも高い過剰圧力が、容器の内部に生じる。生じる最大圧力は、50ミリバールを超えてはならない。
【0044】
別の実施形態では、物理的に変更されるのは吸入器ではなく、これにマッチするカートリッジ、即ち、容器及びクロージャから成る流体のための供給システムである。カートリッジを吸入器のカニューレに装着したときに容器の内部に押し込まれ、それにより流体のうちの幾分かを流体運搬システムを通って押し退ける押し退け装置が形成される。以下、この種の実施形態を図1〜図5によって詳細に説明する。図面は、縮尺通りではなく、或る場合には、性質的にスケッチである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
代表的なカートリッジを例えば図1によって説明する。クロージャ(1)は、コネクタの形態をした器具(2)を有している。コネクタは閉鎖プロセス中、容器(3)の内容物のうちの幾分かを任意的に押し退けることができる。浸漬コネクタ(2)はその一部について、吸入器のカニューレ(18)のための通路又はガイド(12)を有している。コネクタ(2)は当初、底部のところが密封されている。クロージャキャップが装着されると、浸漬コネクタ(2)が容器から流体を押し退け、それにより、密封後、容器が容量で少なくとも90%、好ましくは95%満たされるようにする。クロージャキャップは、内部に包囲ビード(4)(圧着縁部)を更に有し、この包囲ビードは、閉鎖位置においてクロージャキャップ(1)の下縁部のところで容器のネックの外部周りに延びる円筒形リング(5)の下面に係合する。クロージャキャップ(1)を押している間、クロージャキャップが拡張し、ビード(4)がリング(5)に当接してシールを形成し、その結果、キャップの内部(7)だけが1つ又は2つ以上の通気開口部(6)を通って外部と連通するようになる。通気開口部は、例えば、リング(5)の外部に設けられている。閉鎖位置では、平らな部分と、密封具合を向上させるよう包囲リブ(8)を任意的に備えた容器のネックの上縁部との間の隙間は、ガスケット(9)で満たされ、このように、容器(3)の内部はキャップの内部(7)から高信頼度で封止され、キャップは、密封リング(9)及び容器(3)のネックを包囲している。密封リング(9)の内径は、器具(2)にぴったりと嵌着するよう都合よく選択されている。通気開口部(6)をキャップの外部上のどこか他の場所に、例えば、キャップの円筒形部分に側方に設けてもよい。浸漬コネクタは、穿刺可能なベース(10)を有している。
【0046】
好ましい実施形態では、容器(3)は、寸法安定性のある外側容器と、流体を取り出すと潰れる容易に変形できる内側袋(3b)とから成っている。この種の容器は例えば、欧州特許第532,873号明細書に記載されており、この特許文献を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。器具(11)は、変形可能な内側袋(3b)を袋(3b)に向いた外側剛性容器(3a)の内壁に取り付けるのに役立つ。
【0047】
図2は、本発明のクロージャキャップの好ましい実施形態を示しており、この実施形態では、コネクタの内側チャンバは、流体を取り出すためのカニューレのための専用ガイド(12)を有している。この場合、通気開口部(6)は、容器(3)の上部に設けられている。変形例として、通気開口部をクロージャキャップに設けてもよい。所望ならば、ガイド(12)は、カニューレ(18)のための圧力嵌め部として構成してもよく、或いは、Oリングシール(13)をこのガイドの中に設けてもよい。
【0048】
図3aは、本発明の実施形態を示しており、この実施形態では、ガイド(12)の下でキャビティが浸漬コネクタ(2)内に形成されており、このキャビティ内には、例えばストッパ、筒体、コルク等の形態をした押し退け部材(14)が設けられており、この押し退け部材は、カニューレをガイド(12)に通すと、少なくとも部分的に容器(3)内に押し込まれ、それにより、容器内部の所望の過剰な圧力を生じさせるのに役立つ。この種の押し退け部材をガイド(12)内の任意の箇所に配置することができる。押し退け部材の形状は好ましくは、円筒型である。押し退け部材は好ましくは、プラスチック、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等から成る。押し退け部材は、クロージャの頂端部の方に差し向けられたその側部に、カニューレが嵌まり込むことができる凹部を有するのがよい。
【0049】
好ましくは、押し退け部材は、ガイド(12)からほんの一部出ることができるパンチとして構成されている。この場合、押し退け部材(14)の壁の少なくとも一部及びガイド(12)の壁は、流体密シールを形成するよう相互に作用することができる。押し退け部材(14)がガイド(12)から出ることができないようにするために、例えば包囲縁部の形態をしたストップ又は停止手段を押し退け部材(14)の上端部のところに形成するのがよく、このストップ又は停止手段は、ガイド(12)の下端部のところに設けられた例えばこの場合も又包囲縁部の形態をしたストップ又は停止手段と相互作用する。これにより、流体が押し退け部材(14)によって前もって満たされたスペース内へ流入するのが阻止され、したがってこのようにして圧力の補償が行われることがないようになっている。変形例として、ガイドチャネルを押し退け部材(14)に形成してもよく、このガイドチャネルは、ガイドに設けられた相補手段と相互作用し、ガイドチャネルはもはや、押し退け部材(14)の頂部には形成されない。この種のシステムのための他のストップ又は停止手段は、とりわけ図4に又は先行技術に記載されている。
【0050】
好ましい実施形態では、押し退け部材は、カニューレが摩擦力で嵌まり込むボア(19)(図3b)を有するのがよい。これは、押し退け部材がガイド(12)から出た後に容器内に落ち込むのを阻止する。好ましくは、ボアは、カニューレが嵌まり込む圧力嵌め部又は絞り部(21)を有するのがよい。ボアは、カニューレ(18)が容器内の流体と接触するように形作られている。この目的のため、ボアは、直線状通路を構成するのがよい。この実施形態の変形例では、摩擦係合によりカニューレを受け入れるボアは、貫通ボアではなく、毛管をボア内に部分的にしか押し込むことができないように構成されている。その結果、キャビティ(20)が毛管の下に形成されている。この目的のため、例えば毛管がそれ以上前方に押されるのを阻止する絞り部(21)をボアに形成するのがよい。この場合、押し退け部材は、押し退け部材の外部からキャビティに延びる別の毛管(22)を有する。押し退け部材のこれら追加の毛管がミクロキャピラリー又は微小毛管の形態をしている場合、流体は常時外部からキャビティ内へ運搬され、かくして吸入器のカニューレには、容器を空にしている間でも常に流体が供給されるようになっている。このようにして構成された実施形態が、図3c及び図3dに縮尺通りではないが示されている。
【0051】
好ましくは、この変形例の押し退け部材は、流体のための一体の、毛管付きの、開放した細孔付きの多孔質貯蔵媒体として構成されている。換言すると、それと同時に、押し退け部材は、流体をその内部に運搬するスポンジとして働く。押し退け部材は、焼結又は非焼結粉末、織成又は編組、或いは不織構造体又は繊維の詰綿入りの流体透過性壁を備えた寸法安定性のある本体であるのがよい。この押し退け部材は、プラスチック、セラミック、ガラス、金属又は天然素材から成るのがよい。
【0052】
図4a及び図4bは、浸漬コネクタが互いに入れ子式に嵌まっている少なくとも2つのスリーブ(15,15′,15″)で構成された別の実施形態を示している。内側スリーブは、各場合において、これらの上端部にストップ又は停止手段(16)を有し、このストップ又は停止手段は、外側スリーブの下端部(17)のところに設けられた対応の内向きのストップ又は停止手段と協働し、かくして、内側スリーブを外側スリーブ中へ一直線に押し込むことはできないようになっている。ストップ又は停止手段は好ましくは、縁部である。好ましくは、個々の筒体状のスリーブは、シールを形成するよう互いに嵌合する。最も内側のスリーブの底部は、容器を押したときにカニューレ(18)がベース(22)を穿刺する前に依然として互いに嵌合しているスリーブをカニューレ(18)が押し離し始めるよう密封されている。このように、容器がカニューレ(18)上に押されている間、浸漬コネクタが伸長され、かくしてそれ自体、容器の流体内部内に過剰な圧力を発生させる押し退け部材として働く。
【0053】
最も内側のスリーブの内径は、スリーブのための圧力嵌め部として構成されたものであるのがよく、又は、O字形ガスケットを例えばカニューレ(18)を外部に対して封止するようスリーブに設けてもよい。
【0054】
図5a及び図5bの均等例としての実施形態では、浸漬コネクタ(19)の下方領域は、アコーディオン(ベロー)のようにひだ付けされている(図5a)。ガイド(12)は、クロージャキャップの頂部から浸漬コネクタのひだ付き端部まで延びている。浸漬コネクタの底部は、全ての実施形態の場合と同様、これをカニューレで穿刺できるように構成されている。この実施形態では、ベロー領域を引き離すよりも底部を穿刺するために必要な力の方が大きい。カニューレ(18)をガイド(12)に挿通させた場合、ひだ付き領域は、底部が穿刺される前に開かれ、したがって、もう1度拡大状態の浸漬コネクタが、容器の内部に過剰な圧力を作る押し退け部材として働くようになる(図5b)。過剰の圧力はほんの僅かなので、過剰な圧力が流体運搬システムを通る流体の押し退けによってではなく伸長されたベローの圧縮によって補償される恐れはほとんど無い。この恐れを材料の適当な選択によって一段と抑えることができる。
【0055】
図4及び図5の変形実施形態では、穿刺に必要な圧力は、例えば、底部の厚さによって制御される。
【0056】
容器のクロージャキャップ又は容器の基本構造に関するそれ以上の詳細は、欧州特許第775,076号明細書に見られる。
【0057】
上述した本発明のこれら後の方の実施形態は、容器に設けられたフランジの形態をしている欧州特許第1,058,657号明細書のクロージャシステムと同様に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】典型的なカートリッジの概略断面図である。
【図2】本発明のクロージャキャップの好ましい実施形態を示す断面図である。
【図3】a、c、dは、本発明のクロージャキャップの好ましい実施形態の種々の動作状態を示す断面図であり、bは、押し退け部材のボアに設けられた絞り部を示す断面図である。
【図4】a、bは、浸漬コネクタが互いに入れ子式に嵌まっている少なくとも2つのスリーブで構成された別の実施形態を示す断面図である。
【図5】a、bは、本発明のクロージャキャップの変形実施形態を示す断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの開口端部を備え、流体を運搬することができ、推進剤無しの吸入器の一部である本来的に密閉型の管状システムに最初に医薬流体を入れる方法であって、
流体医薬品を収容した容器を手で前記システムの管状底端部に気密的に押し付け、
該押し付けが、前記管状底端部が前記流体中に突き出て、押し付け作業の開始時又は終了時に前記容器内に生じている少なくとも1ミリバールの過剰圧力が前記流体医薬品のいくらかを前記システム中へ押し込むまで行われ、それにより前記過剰圧力を減少させ、前記システムが好ましくは流体で完全に満たされるようにする、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記押し付け作業により、前記システムの容積の少なくとも1.5倍の量の流体を前記システム中に押し込む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記容器内の前記過剰圧力を生じさせるのに、流体医薬品を10℃未満の温度で低温充填し、次に、前記容器の気密封止を行い、そして前記容器を10℃よりも高い温度で中空ピストンの底端部に押し付ける、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記容器内の前記過剰圧力を生じさせるのに、前記流体医薬品を少なくとも0.1ml〜最大0.5mlの容量の残留気泡を含んだ状態で少なくとも10ミリバールの過剰圧力で充填し、前記容器を通常の圧力で中空ピストンの底端部に押し付ける、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記システムは、管状底端部及び上端部を備えた少なくとも1つの中空ピストンと、シリンダボアとを有し、該シリンダボアの下方部分内において、前記中空ピストンの上方領域を2つの位置相互間で前後に動かすことができ、前記システムは、前記シリンダボアの上端部のところに設けられた出口ノズルを更に有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記管状端部の浸漬後に前記流体の高さ位置よりも上に位置する前記システムの部分内の容積は、25マイクロリットル以下であり、カートリッジが前記管状端部に押し付けられている間の前記過剰圧力は、前記システムの前記管状端部が、該管状端部が少なくとも25マイクロリットル、より好ましくは少なくとも34マイクロリットルの量を押し退けるほど前記容器の内部の前記流体中へ突き出ることにより生じる、
請求項1又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記管状端部は、請求項5記載の前記中空ピストンの下方部分によって形成されている、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
流体充填容器用のクロージャであって、該クロージャは、閉鎖位置において、前記容器内へ突き出ており、さらに、前記容器上に位置するコネクタ(2)を有し、該コネクタの頂端部は、前記容器から遠ざかる方向に向き、前記コネクタの底端部は、前記容器の内部と整列し、前記頂端部から始まる管状ガイド(12)が、前記コネクタ(2)内に形成されているクロージャにおいて、
前記コネクタ(2)は、前記容器内の前記流体のいくらを外力の作用で押し退ける器具を有する、
ことを特徴とするクロージャ。
【請求項9】
前記ガイド(12)は、その端部に、好ましくはチャンバの形態をした拡張部分を有し、該拡張部分は、前記ガイド(12)の方向に沿って前記容器の方へ開放でき、前記拡張部分内には、押し退け部材が設けられ、該押し退け部材を前記容器の前記内部の方向で前記チャンバから少なくとも部分的に押し出すことができる、
請求項8に記載のクロージャ。
【請求項10】
前記押し退け部材は、前記押し退け部材の頂端部から始まる状態で構成されたボアを有し、該ボアは、前記ガイド(12)と一線をなして整列している、
請求項9に記載のクロージャ。
【請求項11】
前記ボアは、一直線に貫通し、任意的に絞り部を有する、
請求項10に記載のクロージャ。
【請求項12】
前記ボアは、一直線には貫通せず、絞り部を有し、該絞り部の下には、底部が閉鎖された中空空間が設けられている、
請求項10に記載のクロージャ。
【請求項13】
前記押し退け部材は、流体のための一体で毛管入りの改造細孔付き多孔質貯蔵媒体として構成されている、
請求項12に記載のクロージャ。
【請求項14】
前記押し退け部材は、焼結又は非焼結粉末、織成又は編組、或いは不織構造体又は繊維の詰綿入りの流体透過性壁を備えた寸法的に変わらない本体である、
請求項13に記載のクロージャ。
【請求項15】
前記押し退け部材中の流体のための前記貯蔵媒体は、プラスチック、セラミック、ガラス、金属又は天然物質から成る、
請求項13に記載のクロージャ。
【請求項16】
前記押し退け部材(14)が前記ガイド(12)から完全に出ることができるのを阻止するための停止手段が、前記押し退け部材(14)及び前記ガイド(12)に設けられている、
請求項9ないし15のうちいずれか1項に記載のクロージャ。
【請求項17】
前記押し退け部材(14)の壁と前記ガイド(12)の壁は、流体密の仕方で協働する、請求項9ないし16のうちいずれか1項に記載のクロージャ。
【請求項18】
前記コネクタは、その底部に、互いに内外に入れ子式に挿入された少なくとも2つのスリーブを有し、該スリーブのうち最も内側のスリーブの少なくとも中空部は、前記ガイド(12)と直接整列している、
請求項8に記載のクロージャ。
【請求項19】
内側スリーブの上方部分の外径は、これを包囲する外側スリーブの底部の内径よりも大きい、
請求項18に記載のクロージャ。
【請求項20】
前記最も内側のスリーブの最も内側の直径部は、カニューレのための圧力嵌め部として構成されている、
請求項18又は19に記載のクロージャ。
【請求項21】
前記コネクタの少なくとも底壁は、弾性材料で作られたベローとして構成されている、
請求項18に記載のクロージャ。
【請求項22】
前記コネクタ(2)は、前記クロージャ(1)が前記容器(3)のネックに押し付けられている間、前記容器の内容物のうち幾分かを押し退ける非密封浸漬コネクタ(2)である、
請求項8ないし21のいずれか1項に記載のクロージャ。
【請求項23】
1又は2つ以上の通気開口部(6)が、前記クロージャ(1)の外部に設けられており、前記容器を、前記クロージャの下縁部の内部周りに延びる圧着縁部(4)が閉鎖位置で係合する箇所まで閉じている間、前記通気開口部は、前記クロージャ及び前記容器の前記ネックにより形成された前記クロージャの内部(7)と外部との間の少なくとも連絡部を形成するようになっている、
請求項22に記載のクロージャ。
【請求項24】
前記コネクタ(2)は、容器に設けられたフランジの一部である、
請求項8ないし21のいずれか1項に記載のクロージャ。
【請求項25】
請求項8ないし24のうちいずれか1項に記載のクロージャと、流体充填容器とを有するシステムであって、外部環境への前記容器の唯一の連結部が、前記クロージャにより封止されている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項26】
吸入器内の液体医薬調合物用の供給システムとしての請求項25記載のシステムの用途であって、前記供給システムは、一端がノズルに連結されたカニューレ(18)を有し、前記カニューレの他端部では、前記システムを気密且つ流体密の仕方で押すことができる、
ことを特徴とするシステムの用途。
【請求項27】
前記カニューレ(18)は、前記ガイド(12)と相補するよう構成されており、前記カニューレ(18)は、前記ガイド(12)を完全に又は部分的に貫通できると共に(或いは)摩擦係合により前記ガイド(12)の壁と協働できるようになっている、
請求項26に記載のシステムの用途。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【公表番号】特表2007−521858(P2007−521858A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546087(P2006−546087)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014726
【国際公開番号】WO2005/063591
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】