吸収性物品の包装体
【課題】包装袋と載置面との空間と、包装袋の周囲との温度差によって、包装袋内の空気が結露することによってできた水分を吸収してしまうことによる吸収性物品の吸収力の低下を抑制する。
【解決手段】包装体1は、吸収性物品100を包装する包装袋部10と、包装袋部10の表面に設けられるスカート部20とを備え、スカート部20は、側面11に沿って延びて底面12を囲っている。包装袋部10は、吸収性物品100の吸収面100cが底面12に対して立った状態となるように吸収性物品100を包装する。このため、吸収性物品100の吸収面100cは、底面12に接しないため、包装袋部10の底面12の内側に結露による水分ができたとしても、吸収性物品100の吸収面100cが吸収することを防止できる。
【解決手段】包装体1は、吸収性物品100を包装する包装袋部10と、包装袋部10の表面に設けられるスカート部20とを備え、スカート部20は、側面11に沿って延びて底面12を囲っている。包装袋部10は、吸収性物品100の吸収面100cが底面12に対して立った状態となるように吸収性物品100を包装する。このため、吸収性物品100の吸収面100cは、底面12に接しないため、包装袋部10の底面12の内側に結露による水分ができたとしても、吸収性物品100の吸収面100cが吸収することを防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収体を有する吸収性物品を密封した状態で包装した吸収性物品の包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキンなどの吸収性物品は、包装袋などに適当な個数が入れられた包装体の状態で販売及び保管されることが一般的である。
【0003】
このような吸収性物品の包装袋の一例として、包装袋の底面から延出するヒダ(延出支持部)を設ける構造が知られている(特許文献1参照)。この包装袋によれば、包装袋が自立できるため、包装袋によって包装された吸収性物品の包装体の販売時や保管時に都合がよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3965297号公報(第4−6頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の包装袋を用いて、体液などの水分を吸収する吸収体を有する吸収性物品を包装すると次のような問題があった。すなわち、生理用ナプキンなどの吸収性物品は、一般的に、浴室近傍の脱衣場や洗面所など、湿気が高く温度差が大きい場所で保管されることが多い。包装袋は、樹脂シートなどで形成されており、完全な防水を実現することは難しいため、このような場所で吸収性物品の包装体が保管されると、包装袋が開封されていない状態でも内部に外気が侵入している。
【0006】
浴室内の温かな湿った空気が浴室よりも気温の低い脱衣場などに流れ込み、冷えた脱衣場の壁や床、脱衣場内の棚、窓ガラスなどに触れると結露する。吸収性物品を包装した包装袋には、包装袋の載置面(保管棚の棚板面や床など)との空間を介して載置面の温度が伝わりやすいため、包装袋の底面が載置面と同様の温度に冷えると、載置面よりも暖かい包装袋内の空気が底面に触れて結露することがある。
【0007】
このように、包装袋内の空気が結露した水分を吸収性物品が吸収してしまうと、吸収性物品の使用時に吸収性物品が本来の吸収力を発揮し得ない問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、包装袋と載置面との空間と、包装袋の周囲との温度差によって、包装袋内の空気が結露することによってできた水分を吸収してしまうことによる吸収性物品の吸収力の低下をより効果的に抑制し得る吸収性物品の包装体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、本発明の特徴にかかる吸収性物品の包装体(包装体1)は、以下の特徴を備える。すなわち、水分を吸収する吸収体(吸収体102)を有する吸収性物品(吸収性物品100)を密封した状態で包装する吸収性物品の包装体であって、前記吸収性物品が入れられる包装袋部(包装袋部10)と、前記包装袋部の底面(底面12)の外縁部分(外縁部分E,側面下縁部11c,底面縁部12a)から、前記底面に略直交する方向に延出し、前記吸収性物品の包装体が載置される載置面(載置面G)から離間した状態で前記包装袋部を支持する延出支持部(スカート部20)とを備え、前記包装袋部は、前記吸収体が前記底面に対して立った状態となるように前記吸収性物品を包装することを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、包装袋と載置面との空間と、包装袋の周囲との温度差によって、包装袋内の空気が結露することによってできた水分を吸収してしまうことによる吸収性物品の吸収力の低下をより効果的に抑制し得る吸収性物品の包装体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る包装体を説明する斜視図である。
【図2】図2(a)は、本発明の実施形態に係る包装体のA−A線における断面図であり、図2(b)は、本発明の実施形態に係る包装体の底面側からみた平面図(図1のB矢視図)である。
【図3】図3(a)は、本発明の実施形態に係る包装体に収納される吸収性物品の一例を説明する斜視図であり、図3(b)は、吸収性物品の断面図である。
【図4】図4(a)は、吸収性物品を包む包装シートを説明する模式図であり、図4(b)は、包装シートに包まれた吸収性物品の斜視図である。
【図5】図5は、包装体のスカート部の変形例を説明する斜視図の一部を拡大した拡大図である。
【図6】図6は、包装体のスカート部の変形例を説明する斜視図の一部を拡大した拡大図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態に係る包装体の組み立て図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態に係る包装体の組み立て図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態に係る包装体の組み立て図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態に係る包装体の組み立て図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態に係る包装体の組み立て図である。
【図12】図12は、包装体の製造方法の変形例を説明する包装体の組み立て図である。
【図13】図13は、本発明の第2実施形態に係る包装体を説明する斜視図である。
【図14】図14は、本発明の第2実施形態に係る包装体の組み立て図である。
【図15】図15は、本発明の第2実施形態に係る包装体の組み立て図である。
【図16】図16は、包装体の連続体の完成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る包装体の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0013】
1.第1実施形態
(包装体の構造)
図1は、本発明の第1実施形態として示す包装体1を説明する斜視図である。包装体1は、包装袋部10と、スカート部20とを備え、吸収体を有する吸収性物品100を密封した状態で包装している。吸収性物品100は、包装シート110によって個別に包装された状態で包装袋部20に収納される。
【0014】
包装袋部10は、樹脂シートを含むシート状資材が筒状に形成されたものである。筒状は、円筒状、角筒状を含む。包装袋部10は、端部11aと端部11bとを有する。包装袋部10は、側面11と、底面12とを有する。底面12は、一方の端部11bを接合することによって形成される。包装袋部10の側面11は、包装される吸収性物品100を収納可能な長さを有する。
【0015】
包装袋部10は、後述する吸収体102が底面12に対して立った状態となるように吸収性物品100を包装する。
【0016】
スカート部20の端部21は、包装体1が載置される載置面Gに当接する。包装体1は、スカート部20に支持されて、包装袋部10の端部11bに形成される底面12を下とし、端部11aを上として起立する。包装袋部10の底面12は、スカート部20によって載置面Gから離間されている。
【0017】
実施形態では、吸収性物品100は、吸収体102が立った状態で包装されている。包装袋部10は、吸収体102の吸収面100cが底面12に対して略垂直となるように吸収性物品100を収納する。収納された状態では、吸収性物品100の吸収面100cは、底面12に略直交している。
【0018】
ここで、「立った状態」とは、実施形態に示すように、吸収性物品100の長手方向と、包装体1が起立した状態における上下方向とが略一致した状態を含む。また、「立った状態」には、吸収性物品の吸収面100cが底面12に当接しない程度に吸収性物品100の長手方向が包装体1の上下方向に対して傾いた状態も含む。
【0019】
また、「立った状態」は、吸収性物品100の長手方向に直交する幅方向、或いは折り畳まれた状態における吸収性物品100の長手方向に直交する幅方向と、包装体1の上下方向とが略一致した状態を含む。また、「立った状態」は、吸収性物品の吸収面100cが底面12に当接しない程度に吸収性物品100の幅方向、或いは折り畳まれた状態における吸収性物品100の幅方向が包装体1の上下方向に対して傾いた状態も含む。
【0020】
端部11a或いは端部11aの近傍の側面11には、一旦開封された後、再度封止が可能な機構(チャック、シールなど)が設けられていてもよい。
【0021】
包装袋部10を形成するシート状資材は、光透過性又は光不透過性のシート状資材を単独或いは複数貼り合わせて形成される。シート状資材としては、以下に示す積層フィルムを使用できる。積層されるフィルム同士は接着剤で接合される。
【0022】
・外層:OPP(オルトフェニルフェノール)厚さ20μm/接着剤/内層:LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)厚さ20μm
・外層:OPP 20μm/接着剤/中間層:一軸延伸または二軸延伸HDPE(高密度ポリエチレン)/接着剤/内層:LLDPE
・外層:OPP 20μm/接着剤/中間層:Al(アルミニウム)箔/接着剤/内層:LLDPE 20μm
・外層:シリカ又はアルミナ蒸着層が形成されたOPP/接着剤/中間層:一軸延伸または二軸延伸HDPE/接着剤/内層:LLDPE 20μm
A/接着剤/Bという表記は、AとBとが接着剤で接合されることを示す。上述の例では、内層にシーラントフィルムを使用している。これにより、シート状資材は、加熱圧着(ヒートシール)により接合できる。シート状資材は、例示した積層フィルムのほか、シーラントフィルム単体であってもよい。上述したもののほか、特許文献1に記載された積層フィルムは、使用可能である。
【0023】
更に、シート状資材の表面には、例えば、写真、文字、柄などがプリントされていてもよい。
【0024】
図2(a)は、包装体1のA−A線における断面図であり、図2(b)は、包装体1の底面12側からみた平面図(図1のB矢視図)である。スカート部20は、包装袋部10の底面12の外縁部分Eから、底面12に略直交する方向に延出している。本実施形態では、スカート部20は、側面11に沿って底面12に略直交する方向に延出しており、底面12を囲っている。ここで、外縁部分Eは、底面12の外周よりも外側に位置する側面11の一部である側面下縁部11cを含んでいてもよい。また、外縁部分Eは、底面12の外周よりも内側の底面12の一部である底面縁部12aを含んでいてもよい。本実施形態において、スカート部20は、延出支持部を構成する。
【0025】
スカート部20には、包装体1が載置面Gに載置されたときに、底面12から載置面までの間の空間SPと、空間SPの外部との通気を可能とする開口部分30が形成される。スカート部20は、開口部分30を備えることによって、スカート部20と、載置面と、底面12に囲まれてできる空間が閉鎖されることを防いでいる。
【0026】
図3に吸収性物品100の一例を示す。図3(a)は、包装体1に収納される吸収性物品100の一例を説明する斜視図である。図3(b)は、図3(a)に示すC−C線における吸収性物品100の断面図である。
【0027】
本実施形態では、包装体1に収納される吸収性物品100は、陰唇間パッドである。陰唇間パッド(吸収性物品100)は、図3(a)に示すように、縦長形状を有する。吸収性物品100の長手方向の長さLは、吸収性物品100を折り畳んだ状態における厚みDよりも大きい。また、吸収性物品100の長手方向の長さLは、吸収性物品100を折り畳んだ状態における幅方向の長さWよりも大きい。
【0028】
本実施形態では、吸収性物品100の長手方向に垂直な方向(C−C断面)の形状が略三角形であり、吸収性物品100のC−C断面における断面積は、長手方向の底面12側の外縁部100bに向かうほど縮小する。すなわち、吸収性物品100の底面12側に位置する外縁部100bは、長手方向の先端に行くに連れて細くなる先細り状である。本実施形態では、吸収性物品100の外縁部100aも同様に先細り状である。
【0029】
図3(b)に示すように、吸収性物品100は、着用者の肌に当接する液透過性の表面シート101と、下着に当接する裏面シート103と、表面シート101と裏面シート103の間に配置された吸収体102とを備えており、これらが接着剤によって接着されている。吸収性物品100は、長手方向の中心線l(図4(a)参照)を折り目として、表面シート101側を外側にして山折りにされている。すなわち、山折りにされた吸収性物品100の表面が吸収面100cを形成している。裏面シート103側には、シート片104が配設されており、吸収性物品100の幅方向の縁部に接合されている。着用者は、シート片104と裏面シート103とによって形成された指挿入口105に指を添えて陰部に宛がう。
【0030】
吸収性物品100を構成する材料としては、トイレに流して処理することが可能な水分散性素材、水崩壊性素材、生分解性素材又は水溶性素材が好ましい。
【0031】
表面シート101は液透過性である。表面シート101としては、親水性で肌に刺激を与えない水解性材料を使用することができる。例えば、湿式スパンレース等によって製造される不織布を単独又はこれらを複合した材料が用いられることができる。
【0032】
吸収体102は、液体(体液)を吸収保持できるものであれば材料は特に限定されない。嵩高で型崩れしにくく、化学的刺激が少ない材料であることが好ましい。例えば、パルプ、化学パルプ、レーヨン、アセテートレーヨン、天然コットン、高分子吸収体、繊維性高分子吸収体、合成繊維を単独又はこれらを混合したものを用いることができる。
【0033】
裏面シート103は、少なくとも一部に所定の耐水性を有する。吸収体102の吸収量が所定の値(例えば、許容吸収量の70%程度)を超えると、液体を裏面シート103側から吸収体102側に流出できる液透過性を有する素材が好ましい。
【0034】
図示しない接着剤は、接合される各シートの材料によって使い分けることができる。例えば、繊維長1〜20mm以下の繊維から構成される水解可能な湿式スパンレースを用いた裏面シート103と吸収体102とを接合する場合、これらのシート片との間に塗布される接着剤として、スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)等の合成ゴムを主体とした感圧接着剤やEVA等の合成ゴムを主体とした感熱型接着剤を用いることができる。
【0035】
次に、吸収性物品100を覆う包装シート110について説明する。図4(a)は、吸収性物品100を包む包装シート110を説明する模式図であり、図4(b)は、包装シートに包まれた吸収性物品100の斜視図である。
【0036】
吸収性物品100は、吸収性物品100の一方の面と接する包装シート110によって更に包装されている。本実施形態では、包装シート110は、吸収性物品100の吸収面100cと接する。本実施形態では、吸収性物品100よりも外側に位置する包装シート110の外縁部111は、底面12側に位置する吸収性物品100の外縁部100bよりも底面12寄りに延在しており、包装シート110の外縁部111bのみが底面12と接する。すなわち、吸収性物品100の吸収面100cと接する包装シート110の表面110cが底面12に当接しないように包装体1に収納されている。
【0037】
本実施形態では、吸収性物品100よりも外側に位置する包装シート110の外縁部111は、エンボス加工、或いは接着材などにより封止されている。図4では、包装シート110が折り畳まれることによって互いに接し得る縁のうち、包装シート110の外縁部111の長手方向における外縁端部111a,111bが互いに接着されている。なお、本実施形態では、少なくとも底面側に位置する外縁端部111bが互いに接着されていればよい。
【0038】
以上説明したように、包装体1は、吸収性物品100が入れられる包装袋部10と、包装袋部10の底面12の外縁部分Eから、底面12に略直交する方向に延出し、吸収性物品の包装体1が載置される載置面Gから離間した状態で支持するスカート部20とを備える。包装袋部10は、吸収体102が底面12に対して立った状態となるように吸収性物品100を包装する。
【0039】
このため、吸収性物品100の吸収面100cは、底面12に接することなく、吸収性物品100の外縁部100bが底面12側に位置している。従って、包装袋部10の底面12の内側に結露による水分ができたとしても、吸収性物品100の吸収面100cが吸収してしまうことを防止できる。
【0040】
また、スカート部20には、吸収性物品の包装体1が載置面Gに載置されたときに、底面12から載置面Gまでの間の空間SPと、空間SPの外部との通気を可能とする開口部分30が形成されている。
【0041】
これにより、スカート部20と、載置面Gと、底面12とに囲まれてできる空間SPと、この空間SPの外側との通気性が高められる。このため、包装体1の底面12には、載置面Gの温度が伝わりにくく、スカート部20と載置面Gとの空間SPと、包装袋部10の周囲(スカート部20の外側)との温度差が生じにくいため、包装袋部10内側の空気が結露しにくい。従って、包装袋部10内側の空気が結露した水分を吸収性物品100が吸収してしまうことによる吸収性物品100の吸収力の低下を抑制し得る。
【0042】
このように、包装体1によれば、吸収性物品100の吸収力を低下させることなく吸収性物品100を保管できる。
【0043】
また、吸収性物品100は、吸収性物品100の一方の面(本実施形態では、吸収面100c)と接する包装シート110によってさらに包装されている。これにより、包装体1の内部に湿気を含んだ空気が侵入したとしても、吸収性物品100を湿気から保護することができる。
【0044】
また、底面12と対向する包装シート110の外縁端部111bは、底面12側に位置する吸収性物品の外縁部100bよりも底面12寄りに延在し、包装シート110の外縁端部111bのみが底面12と接する。このため、吸収性物品100の外縁部100bは、底面12から遠ざけられるため、包装袋部10内側の空気が結露した水分を吸収性物品100が吸収してしまうことによる吸収性物品100の吸収力の低下を抑制し得る。
【0045】
更に、吸収性物品100の吸収面100cが底面12と略直交するように折り畳まれており、底面12側に位置する吸収性物品100の外縁部100bは、先端に行くに連れて細くなる先細り状である。このため、底面12に近いところでは、底面12に対向する吸収性物品100の断面積が狭く、結露で生じた水分が吸収されにくい。
【0046】
また、包装シート110の外縁部111のうち、少なくとも底面12側に位置する包装シート110の外縁端部111bは互いに接着されている。従って、開封後の包装体1の内部に湿気を含んだ空気が侵入したとしても、吸収性物品100を湿気から保護することができる。
【0047】
また、包装体1の包装袋部10の側面11の所定位置に再封止可能なチャック、シールなどを設ければ、使用者が吸収性物品100を取り出すとき以外は、包装体1を封止することができ、外部からの湿気の侵入を防止することができる。
【0048】
(スカート部の変形例)
図5,図6は、スカート部の変形例を説明する拡大図である。図5に示す変形例では、開口部分は、スカート部20に形成される円形の貫通孔である。貫通孔31は、スカート部20に複数形成されていてもよい。図6に示す変形例では、開口部分は、スカート部20の端部21から底面12に向けて形成された切り欠きである。切り欠き33は、略半円形状である。
【0049】
図5,図6に示すように、包装体1のスカート部20に貫通孔31或いは切り欠き33が形成されることにより、スカート部20と、載置面Gと、底面12とに囲まれてできる空間SPと、この空間SPの外側との通気性を高めることができる。
【0050】
このため、包装体1は、スカート部20と載置面Gとの空間SPと、包装袋部10の周囲(すなわち、スカート部20の外側)との温度差が生じにくく、包装袋部10内側の空気が結露しにくい。従って、包装袋部10内側の空気が結露した水分を吸収性物品100が吸収してしまうことによる吸収性物品100の吸収力の低下をより効果的に抑制し得る。このような包装体1によれば、吸収性物品100の吸収力を低下させることなく保管できる。
【0051】
(包装体1の製造方法)
次に、包装体1の製造方法を説明する。図7乃至図11は、包装体1の組み立て図である。図7乃至図11を用いて、包装袋部10の側面11,底面12及びスカート部20が一体である包装体1の製造方法を示す。
【0052】
包装体1は、シート状資材200から形成される。シート状資材200は、端部201と端部202とを有する。図7,図8に示すように、包装袋部10を形成する連続するシート状資材200の一方の端部201と他方の端部202との間に位置する仮想線L1を第1折目として、一方の端部201を他方の端部202の側に折り返す。
【0053】
折り返したシート状資材200において、第1折目(仮想線L1)と他方の端部202との間に位置する仮想線L2を第2折目として、一方の端部201を第1折目(仮想線L1)側に折り返す。これにより、スカート部20に相当する襞状部分205が形成される。仮想線L1及びL2は、シート状資材200の幅方向に沿っている。
【0054】
図9に示すように、襞状部分205(スカート部20)が形成されたシート状資材200の側縁203,204を互いに重ね合わせて筒状にし、側縁203,204同士を融着することによって、背耳部206を形成する。
【0055】
続いて、図10,図11に示すように、上下開口部を封止する。底面12は、一方の端部201を折り畳み、接合することによって形成される。底面12をスカート部20の内側に折り込む。底面12を確実にスカート部20の内部に納めておくために、底面12の端部を粘着テープ、HMAなどで固定してもよい。以上のようにして、スカート部20が一体化された包装体1を製造することができる。
【0056】
(製造方法の変形例)
包装体1の製造方法では、別部材として用意されたスカート部20を包装袋部10の側面11に貼り付けてもよい。この製造方法では、図8に示すように、シート状資材200を2段階の折り畳み工程を経ることによって襞状部分205(スカート部20)を形成する代わりに、図12に示すように、包装袋部10を形成する連続するシート状資材200の所定の位置に、スカート部20に相当する帯状部材210を接合する。
【0057】
この後、スカート部20に相当する帯状部材210が形成されたシート状資材200の側縁203,204を互いに接合し、筒状にする。筒状の形態から後は、上述した工程に従って、スカート部20を有する包装体1を製造できる。
【0058】
2.第2実施形態
(包装体2の構造)
図13は、本発明の第2実施形態として示す包装体2を説明する斜視図である。包装体2は、樹脂シートを含むシート状資材から形成されており、吸収性物品を包装する。包装体2は、吸収性物品100を包装する包装袋部40と、包装袋部40の表面に設けられるスカート部50とを備える。
【0059】
包装袋部40は、側面41と、上底面42と、下底面43とを有する。側面41には、一旦開封された後、再度封止が可能な機構(チャック、シールなど)が設けられていてもよい。
【0060】
スカート部50は、側面41に沿って延びており、下底面43を囲っている。スカート部50の端部51は、包装体2を載置する載置面に当接する。すなわち、包装体2は、スカート部50に支えられることによって、下底面43を下として起立する。スカート部50には、開口部分60が形成される。
【0061】
包装体2は、スカート部50によって支えられることにより、下底面43が載置面に直接接触しないため、包装体2は、トイレ、洗面所、脱衣場等のように、湿気が高く温度差が大きい場所に載置されても、載置面の温度が下底面43に伝わりにくい。また、包装体2のスカート部50に開口部分60が形成されることにより、スカート部50と、載置面Gと、下底面43とに囲まれてできる空間SPと、この空間SPの外側との通気性を高めている。
【0062】
このため、包装体2は、下端部43とスカート部50と載置面Gとの空間SPと、包装袋部40の周囲(すなわち、スカート部50の外側)との温度差が生じにくく、包装袋部10内側の空気が結露しにくい。従って、包装袋部40内側の空気が結露した水分を吸収性物品100が吸収してしまうことによる吸収性物品100の吸収力の低下をより効果的に抑制し得る。
【0063】
このような包装体2によれば、吸収性物品100の吸収力を低下させることなく保管できる。
【0064】
(包装体2の製造方法)
次に、包装体2の製造方法について説明する。図14乃至図16は、包装体2の組み立て図である。
【0065】
包装体2は、シート状資材400の連続体から形成される。シート状資材400の連続体は、長手方向の端部401と端部402とを有する。図14に示すように、シート状資材400の一方の端部401側に仮想線L11を規定する。また、仮想線L11と端部401との間に仮想線L21を規定する。また、端部401と端部402との間に、仮想線L12,L13を規定する。更に仮想線L12とL13との間に仮想線L22を規定する。仮想線L11と端部401とによって形成される領域411は、上底面42(図13参照)を構成する。仮想線L12とL13とによって形成される領域412は、下底面43(図14参照)を構成する。
【0066】
シート状資材400の連続体は、図14に示す搬送方向MDに沿って搬送されながら、端部401と端部402とが接合される。これにより、図15に示す円筒状の連続体が形成される。図15に示す円筒状の連続体の仮想線L11,L12,L13の位置において、連続体は、筒の外側に向けて突出する山折りにされ、仮想線L21,L22の位置において、谷折りされる。
【0067】
図14に示す領域S1、仮想線L11を含む領域S1、仮想線L12を含む領域S3、仮想線L13を含む領域S4は、熱融着などによって融着される部分である。領域S1は、端部401と端部402との接合部を兼ねている。図15に示す連続体の円筒に吸収性物品100を格納し、接合領域S7を熱融着などにより融着することにより、吸収性物品100が包装された包装体2の連続体を製造することができる。
【0068】
図16は、包装体2の連続体を示す斜視図である。図16に示すように、複数の包装体2が連続した状態で販売することもできる。また、包装体2の連続体を接合領域S7において切り離し、1個ずつ販売することもできる。
【0069】
3.その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0070】
例えば、本発明の実施形態では、吸収性物品が陰唇間パッドの場合について説明したが、この限りではない。例えば、生理用ナプキン、おむつ、インナーライナー、尿取りパッドなどであってもよい。
【0071】
実施形態では、吸収性物品100の吸収体102が底面12に対して立った状態で包装されている包装体1について説明した。しかし、例えば、タンポンのように、吸収体の吸収面が平面でない吸収性物品が、その長手方向と、包装体の上下方向とが略一致した状態で包装されているものを含む。
【0072】
また、実施形態では、スカート部20,50に形成する開口部分は、貫通孔又は切り欠きであると説明した。しかし、長さに比べて幅が狭くなったスリット形状であってもよい。図5に示されるスカート部20には、複数の貫通孔31が形成されている。しかし、1つの貫通孔31がスカート部20に形成されていてもよい。同様に、図6に示されるスカート部20には、複数の切り欠き33が形成されている。しかし、1つの切り欠き33がスカート部20に形成されていてもよい。
【0073】
包装体1のスカート部20に形成される開口部分31の形状は、図5に示すような円形に限定されない。例えば、楕円、三角形、四角形、台形、ハート型、星型、花形、キャラクターのシルエット等の形状であってもよい。また、包装体1のスカート部20に形成される切り欠き33の形状は、図6に示すような半円形状に限定されない。例えば、半円形状でない曲線、矩形状、波線、ジグザグ等の形状であってもよい。
【0074】
また、開口部分31及び切り欠き33の大きさ、間隔なども、図6,図7に示すものに限定されない。開口部分31及び切り欠き33は、スカート部20,50が吸収性物品100を収納した包装袋部10を支持し得る強度を損なわない程度に適宜形成することができる。
【0075】
また、実施形態では、延出支持部の一例として、スカート部20,50を例示した。しかし、延出支持部としては、例えば、包装袋部10の底部12の四隅に設けられ、四隅の4点で包装体1を支持する脚部のようなものも含まれる。
【0076】
上述の実施形態の包装体1,2には、スカート部20或いはスカート部50の目視可能な位置に、温度によって色が変わるインジケータ(サーモクロミズム)が配置されていてもよい。また、インジケータ機能を有する顔料が目視可能な位置に直接塗布されていてもよい。使用者は、インジケータを見ることによって、包装体の温度を知ることができる。そのため、包装体が冷えた載置面に置かれていた場合、急激に暖かい部屋に移動しないように注意を払わせることができる。
【0077】
本実施形態に係る包装体1では、包装袋部10の収納側の底面に、粘着材などによりシリカゲルなどの防湿剤を貼り付けてもよい。これにより、包装体の内側の湿気を低減できる。
【0078】
また、本実施形態に係る包装体1の内側、或いは底面12の外側表面に錘を取り付けてもよい。この場合、錘の重さによって包装体を安定させることができる。但し、錘は、錘が配設された包装体の底面が自重により載置面に接することのない重さとする。底面12の外側表面に錘を取り付ける場合には、錘は、スカート部20と載置面と底面12とによってできる空間に収まるサイズであり、錘の自重によって包装体の底面12が載置面に接触することがないものとする。
【0079】
スカート部20に錘を配設するほか、シリコンコーティングを施してもよい。これにより、スカート部20の重量が増加し、安定性を高めることができる。また、シリコンコーティングによって、滑り止め効果も高められるため、包装体1の転倒を防止できる。
【0080】
実施形態として示した包装体1の製造方法において、仮想線L1とL2との間隔は、図8に示す例に限定されない。仮想線L1とL2との間隔を広げることにより、スカート部20の載置面Gからの長さを調整することができる。すなわち、載置面Gからの底面12の高さを変更することができる。
【0081】
図7乃至図11に示す包装体1の製造方法では、スカート部20を形成するためのシート状資材200の折返し回数は、限定されない。折り返す回数を増やすとスカート部20の厚みが増すため、スカート部20の強度を高めることができる。包装体1に収納される吸収性物品100の製品の重量によって、折返し回数を変更してもよい。
【0082】
図12に示す製造方法の変形例において、シート状資材200の側縁203,204に対する帯状部材210の幅及び取付位置は、図12の例に限定されない。例えば、側縁203,204に対する帯状部材210の幅をより長くし、図12に示す取付位置よりもシート状資材200の中央部寄りに取り付けることにより、起立時の安定性を高めることができる。包装体1に収納される吸収性物品100の製品のサイズや重量によって、変更することができる。
【0083】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
【実施例】
【0084】
次に、実施例について説明する。上述した第1実施形態の包装体1を実現した実施例を説明する。包装体に収納される吸収性物品の長手方向の長さは、135mm、幅が35mm、厚みが7mmとした。上述したサイズの吸収性物品の長手方向の端部と包装袋部の底面とを当接した状態で収納可能な設計とした。
【0085】
この包装体では、載置面から底面までのスカート部の長さは、13mmとした。吸収性物品の長さに対して、スカート部の長さが長すぎる場合には、不安定になる。なお、スカート部の長さは5mm以上であることが好ましい。スカート部は、図8に示す工程により、シート状資材を2回折り返して形成した。折返し部分の内面を接着した。包装袋部を構成するシート状資材として、オルトフェニルフェノールとポリプロピレンフィルムとを重ね合わせものを用いた。
【符号の説明】
【0086】
1,2…包装体、 10…包装袋部、 11…側面、 11a…端部、 11b…端部、 12…底面、 20…スカート部、 21…端部、 31,32…開口部分、 33,34…切り欠き、 40…包装袋部、 41…側面、 42…上底面、 43…下底面、 43…下端部、 50…スカート部、 51…端部、 60…開口部分、 100…吸収性物品、 100a,100b…外縁部、 101…表面シート、 102…吸収体、 103…裏面シート、 104…シート片、 105…指挿入口、 110…包装シート、111…外縁部、111a,111b…外縁端部、 200…シート状資材、 201,202…端部、 203,204…側縁、 205…襞状部分、 206…背耳部、 210…帯状部材、 400…シート状資材、 401,402…端部、 411,412…領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収体を有する吸収性物品を密封した状態で包装した吸収性物品の包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキンなどの吸収性物品は、包装袋などに適当な個数が入れられた包装体の状態で販売及び保管されることが一般的である。
【0003】
このような吸収性物品の包装袋の一例として、包装袋の底面から延出するヒダ(延出支持部)を設ける構造が知られている(特許文献1参照)。この包装袋によれば、包装袋が自立できるため、包装袋によって包装された吸収性物品の包装体の販売時や保管時に都合がよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3965297号公報(第4−6頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の包装袋を用いて、体液などの水分を吸収する吸収体を有する吸収性物品を包装すると次のような問題があった。すなわち、生理用ナプキンなどの吸収性物品は、一般的に、浴室近傍の脱衣場や洗面所など、湿気が高く温度差が大きい場所で保管されることが多い。包装袋は、樹脂シートなどで形成されており、完全な防水を実現することは難しいため、このような場所で吸収性物品の包装体が保管されると、包装袋が開封されていない状態でも内部に外気が侵入している。
【0006】
浴室内の温かな湿った空気が浴室よりも気温の低い脱衣場などに流れ込み、冷えた脱衣場の壁や床、脱衣場内の棚、窓ガラスなどに触れると結露する。吸収性物品を包装した包装袋には、包装袋の載置面(保管棚の棚板面や床など)との空間を介して載置面の温度が伝わりやすいため、包装袋の底面が載置面と同様の温度に冷えると、載置面よりも暖かい包装袋内の空気が底面に触れて結露することがある。
【0007】
このように、包装袋内の空気が結露した水分を吸収性物品が吸収してしまうと、吸収性物品の使用時に吸収性物品が本来の吸収力を発揮し得ない問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、包装袋と載置面との空間と、包装袋の周囲との温度差によって、包装袋内の空気が結露することによってできた水分を吸収してしまうことによる吸収性物品の吸収力の低下をより効果的に抑制し得る吸収性物品の包装体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、本発明の特徴にかかる吸収性物品の包装体(包装体1)は、以下の特徴を備える。すなわち、水分を吸収する吸収体(吸収体102)を有する吸収性物品(吸収性物品100)を密封した状態で包装する吸収性物品の包装体であって、前記吸収性物品が入れられる包装袋部(包装袋部10)と、前記包装袋部の底面(底面12)の外縁部分(外縁部分E,側面下縁部11c,底面縁部12a)から、前記底面に略直交する方向に延出し、前記吸収性物品の包装体が載置される載置面(載置面G)から離間した状態で前記包装袋部を支持する延出支持部(スカート部20)とを備え、前記包装袋部は、前記吸収体が前記底面に対して立った状態となるように前記吸収性物品を包装することを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、包装袋と載置面との空間と、包装袋の周囲との温度差によって、包装袋内の空気が結露することによってできた水分を吸収してしまうことによる吸収性物品の吸収力の低下をより効果的に抑制し得る吸収性物品の包装体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る包装体を説明する斜視図である。
【図2】図2(a)は、本発明の実施形態に係る包装体のA−A線における断面図であり、図2(b)は、本発明の実施形態に係る包装体の底面側からみた平面図(図1のB矢視図)である。
【図3】図3(a)は、本発明の実施形態に係る包装体に収納される吸収性物品の一例を説明する斜視図であり、図3(b)は、吸収性物品の断面図である。
【図4】図4(a)は、吸収性物品を包む包装シートを説明する模式図であり、図4(b)は、包装シートに包まれた吸収性物品の斜視図である。
【図5】図5は、包装体のスカート部の変形例を説明する斜視図の一部を拡大した拡大図である。
【図6】図6は、包装体のスカート部の変形例を説明する斜視図の一部を拡大した拡大図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態に係る包装体の組み立て図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態に係る包装体の組み立て図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態に係る包装体の組み立て図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態に係る包装体の組み立て図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態に係る包装体の組み立て図である。
【図12】図12は、包装体の製造方法の変形例を説明する包装体の組み立て図である。
【図13】図13は、本発明の第2実施形態に係る包装体を説明する斜視図である。
【図14】図14は、本発明の第2実施形態に係る包装体の組み立て図である。
【図15】図15は、本発明の第2実施形態に係る包装体の組み立て図である。
【図16】図16は、包装体の連続体の完成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る包装体の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0013】
1.第1実施形態
(包装体の構造)
図1は、本発明の第1実施形態として示す包装体1を説明する斜視図である。包装体1は、包装袋部10と、スカート部20とを備え、吸収体を有する吸収性物品100を密封した状態で包装している。吸収性物品100は、包装シート110によって個別に包装された状態で包装袋部20に収納される。
【0014】
包装袋部10は、樹脂シートを含むシート状資材が筒状に形成されたものである。筒状は、円筒状、角筒状を含む。包装袋部10は、端部11aと端部11bとを有する。包装袋部10は、側面11と、底面12とを有する。底面12は、一方の端部11bを接合することによって形成される。包装袋部10の側面11は、包装される吸収性物品100を収納可能な長さを有する。
【0015】
包装袋部10は、後述する吸収体102が底面12に対して立った状態となるように吸収性物品100を包装する。
【0016】
スカート部20の端部21は、包装体1が載置される載置面Gに当接する。包装体1は、スカート部20に支持されて、包装袋部10の端部11bに形成される底面12を下とし、端部11aを上として起立する。包装袋部10の底面12は、スカート部20によって載置面Gから離間されている。
【0017】
実施形態では、吸収性物品100は、吸収体102が立った状態で包装されている。包装袋部10は、吸収体102の吸収面100cが底面12に対して略垂直となるように吸収性物品100を収納する。収納された状態では、吸収性物品100の吸収面100cは、底面12に略直交している。
【0018】
ここで、「立った状態」とは、実施形態に示すように、吸収性物品100の長手方向と、包装体1が起立した状態における上下方向とが略一致した状態を含む。また、「立った状態」には、吸収性物品の吸収面100cが底面12に当接しない程度に吸収性物品100の長手方向が包装体1の上下方向に対して傾いた状態も含む。
【0019】
また、「立った状態」は、吸収性物品100の長手方向に直交する幅方向、或いは折り畳まれた状態における吸収性物品100の長手方向に直交する幅方向と、包装体1の上下方向とが略一致した状態を含む。また、「立った状態」は、吸収性物品の吸収面100cが底面12に当接しない程度に吸収性物品100の幅方向、或いは折り畳まれた状態における吸収性物品100の幅方向が包装体1の上下方向に対して傾いた状態も含む。
【0020】
端部11a或いは端部11aの近傍の側面11には、一旦開封された後、再度封止が可能な機構(チャック、シールなど)が設けられていてもよい。
【0021】
包装袋部10を形成するシート状資材は、光透過性又は光不透過性のシート状資材を単独或いは複数貼り合わせて形成される。シート状資材としては、以下に示す積層フィルムを使用できる。積層されるフィルム同士は接着剤で接合される。
【0022】
・外層:OPP(オルトフェニルフェノール)厚さ20μm/接着剤/内層:LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)厚さ20μm
・外層:OPP 20μm/接着剤/中間層:一軸延伸または二軸延伸HDPE(高密度ポリエチレン)/接着剤/内層:LLDPE
・外層:OPP 20μm/接着剤/中間層:Al(アルミニウム)箔/接着剤/内層:LLDPE 20μm
・外層:シリカ又はアルミナ蒸着層が形成されたOPP/接着剤/中間層:一軸延伸または二軸延伸HDPE/接着剤/内層:LLDPE 20μm
A/接着剤/Bという表記は、AとBとが接着剤で接合されることを示す。上述の例では、内層にシーラントフィルムを使用している。これにより、シート状資材は、加熱圧着(ヒートシール)により接合できる。シート状資材は、例示した積層フィルムのほか、シーラントフィルム単体であってもよい。上述したもののほか、特許文献1に記載された積層フィルムは、使用可能である。
【0023】
更に、シート状資材の表面には、例えば、写真、文字、柄などがプリントされていてもよい。
【0024】
図2(a)は、包装体1のA−A線における断面図であり、図2(b)は、包装体1の底面12側からみた平面図(図1のB矢視図)である。スカート部20は、包装袋部10の底面12の外縁部分Eから、底面12に略直交する方向に延出している。本実施形態では、スカート部20は、側面11に沿って底面12に略直交する方向に延出しており、底面12を囲っている。ここで、外縁部分Eは、底面12の外周よりも外側に位置する側面11の一部である側面下縁部11cを含んでいてもよい。また、外縁部分Eは、底面12の外周よりも内側の底面12の一部である底面縁部12aを含んでいてもよい。本実施形態において、スカート部20は、延出支持部を構成する。
【0025】
スカート部20には、包装体1が載置面Gに載置されたときに、底面12から載置面までの間の空間SPと、空間SPの外部との通気を可能とする開口部分30が形成される。スカート部20は、開口部分30を備えることによって、スカート部20と、載置面と、底面12に囲まれてできる空間が閉鎖されることを防いでいる。
【0026】
図3に吸収性物品100の一例を示す。図3(a)は、包装体1に収納される吸収性物品100の一例を説明する斜視図である。図3(b)は、図3(a)に示すC−C線における吸収性物品100の断面図である。
【0027】
本実施形態では、包装体1に収納される吸収性物品100は、陰唇間パッドである。陰唇間パッド(吸収性物品100)は、図3(a)に示すように、縦長形状を有する。吸収性物品100の長手方向の長さLは、吸収性物品100を折り畳んだ状態における厚みDよりも大きい。また、吸収性物品100の長手方向の長さLは、吸収性物品100を折り畳んだ状態における幅方向の長さWよりも大きい。
【0028】
本実施形態では、吸収性物品100の長手方向に垂直な方向(C−C断面)の形状が略三角形であり、吸収性物品100のC−C断面における断面積は、長手方向の底面12側の外縁部100bに向かうほど縮小する。すなわち、吸収性物品100の底面12側に位置する外縁部100bは、長手方向の先端に行くに連れて細くなる先細り状である。本実施形態では、吸収性物品100の外縁部100aも同様に先細り状である。
【0029】
図3(b)に示すように、吸収性物品100は、着用者の肌に当接する液透過性の表面シート101と、下着に当接する裏面シート103と、表面シート101と裏面シート103の間に配置された吸収体102とを備えており、これらが接着剤によって接着されている。吸収性物品100は、長手方向の中心線l(図4(a)参照)を折り目として、表面シート101側を外側にして山折りにされている。すなわち、山折りにされた吸収性物品100の表面が吸収面100cを形成している。裏面シート103側には、シート片104が配設されており、吸収性物品100の幅方向の縁部に接合されている。着用者は、シート片104と裏面シート103とによって形成された指挿入口105に指を添えて陰部に宛がう。
【0030】
吸収性物品100を構成する材料としては、トイレに流して処理することが可能な水分散性素材、水崩壊性素材、生分解性素材又は水溶性素材が好ましい。
【0031】
表面シート101は液透過性である。表面シート101としては、親水性で肌に刺激を与えない水解性材料を使用することができる。例えば、湿式スパンレース等によって製造される不織布を単独又はこれらを複合した材料が用いられることができる。
【0032】
吸収体102は、液体(体液)を吸収保持できるものであれば材料は特に限定されない。嵩高で型崩れしにくく、化学的刺激が少ない材料であることが好ましい。例えば、パルプ、化学パルプ、レーヨン、アセテートレーヨン、天然コットン、高分子吸収体、繊維性高分子吸収体、合成繊維を単独又はこれらを混合したものを用いることができる。
【0033】
裏面シート103は、少なくとも一部に所定の耐水性を有する。吸収体102の吸収量が所定の値(例えば、許容吸収量の70%程度)を超えると、液体を裏面シート103側から吸収体102側に流出できる液透過性を有する素材が好ましい。
【0034】
図示しない接着剤は、接合される各シートの材料によって使い分けることができる。例えば、繊維長1〜20mm以下の繊維から構成される水解可能な湿式スパンレースを用いた裏面シート103と吸収体102とを接合する場合、これらのシート片との間に塗布される接着剤として、スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)等の合成ゴムを主体とした感圧接着剤やEVA等の合成ゴムを主体とした感熱型接着剤を用いることができる。
【0035】
次に、吸収性物品100を覆う包装シート110について説明する。図4(a)は、吸収性物品100を包む包装シート110を説明する模式図であり、図4(b)は、包装シートに包まれた吸収性物品100の斜視図である。
【0036】
吸収性物品100は、吸収性物品100の一方の面と接する包装シート110によって更に包装されている。本実施形態では、包装シート110は、吸収性物品100の吸収面100cと接する。本実施形態では、吸収性物品100よりも外側に位置する包装シート110の外縁部111は、底面12側に位置する吸収性物品100の外縁部100bよりも底面12寄りに延在しており、包装シート110の外縁部111bのみが底面12と接する。すなわち、吸収性物品100の吸収面100cと接する包装シート110の表面110cが底面12に当接しないように包装体1に収納されている。
【0037】
本実施形態では、吸収性物品100よりも外側に位置する包装シート110の外縁部111は、エンボス加工、或いは接着材などにより封止されている。図4では、包装シート110が折り畳まれることによって互いに接し得る縁のうち、包装シート110の外縁部111の長手方向における外縁端部111a,111bが互いに接着されている。なお、本実施形態では、少なくとも底面側に位置する外縁端部111bが互いに接着されていればよい。
【0038】
以上説明したように、包装体1は、吸収性物品100が入れられる包装袋部10と、包装袋部10の底面12の外縁部分Eから、底面12に略直交する方向に延出し、吸収性物品の包装体1が載置される載置面Gから離間した状態で支持するスカート部20とを備える。包装袋部10は、吸収体102が底面12に対して立った状態となるように吸収性物品100を包装する。
【0039】
このため、吸収性物品100の吸収面100cは、底面12に接することなく、吸収性物品100の外縁部100bが底面12側に位置している。従って、包装袋部10の底面12の内側に結露による水分ができたとしても、吸収性物品100の吸収面100cが吸収してしまうことを防止できる。
【0040】
また、スカート部20には、吸収性物品の包装体1が載置面Gに載置されたときに、底面12から載置面Gまでの間の空間SPと、空間SPの外部との通気を可能とする開口部分30が形成されている。
【0041】
これにより、スカート部20と、載置面Gと、底面12とに囲まれてできる空間SPと、この空間SPの外側との通気性が高められる。このため、包装体1の底面12には、載置面Gの温度が伝わりにくく、スカート部20と載置面Gとの空間SPと、包装袋部10の周囲(スカート部20の外側)との温度差が生じにくいため、包装袋部10内側の空気が結露しにくい。従って、包装袋部10内側の空気が結露した水分を吸収性物品100が吸収してしまうことによる吸収性物品100の吸収力の低下を抑制し得る。
【0042】
このように、包装体1によれば、吸収性物品100の吸収力を低下させることなく吸収性物品100を保管できる。
【0043】
また、吸収性物品100は、吸収性物品100の一方の面(本実施形態では、吸収面100c)と接する包装シート110によってさらに包装されている。これにより、包装体1の内部に湿気を含んだ空気が侵入したとしても、吸収性物品100を湿気から保護することができる。
【0044】
また、底面12と対向する包装シート110の外縁端部111bは、底面12側に位置する吸収性物品の外縁部100bよりも底面12寄りに延在し、包装シート110の外縁端部111bのみが底面12と接する。このため、吸収性物品100の外縁部100bは、底面12から遠ざけられるため、包装袋部10内側の空気が結露した水分を吸収性物品100が吸収してしまうことによる吸収性物品100の吸収力の低下を抑制し得る。
【0045】
更に、吸収性物品100の吸収面100cが底面12と略直交するように折り畳まれており、底面12側に位置する吸収性物品100の外縁部100bは、先端に行くに連れて細くなる先細り状である。このため、底面12に近いところでは、底面12に対向する吸収性物品100の断面積が狭く、結露で生じた水分が吸収されにくい。
【0046】
また、包装シート110の外縁部111のうち、少なくとも底面12側に位置する包装シート110の外縁端部111bは互いに接着されている。従って、開封後の包装体1の内部に湿気を含んだ空気が侵入したとしても、吸収性物品100を湿気から保護することができる。
【0047】
また、包装体1の包装袋部10の側面11の所定位置に再封止可能なチャック、シールなどを設ければ、使用者が吸収性物品100を取り出すとき以外は、包装体1を封止することができ、外部からの湿気の侵入を防止することができる。
【0048】
(スカート部の変形例)
図5,図6は、スカート部の変形例を説明する拡大図である。図5に示す変形例では、開口部分は、スカート部20に形成される円形の貫通孔である。貫通孔31は、スカート部20に複数形成されていてもよい。図6に示す変形例では、開口部分は、スカート部20の端部21から底面12に向けて形成された切り欠きである。切り欠き33は、略半円形状である。
【0049】
図5,図6に示すように、包装体1のスカート部20に貫通孔31或いは切り欠き33が形成されることにより、スカート部20と、載置面Gと、底面12とに囲まれてできる空間SPと、この空間SPの外側との通気性を高めることができる。
【0050】
このため、包装体1は、スカート部20と載置面Gとの空間SPと、包装袋部10の周囲(すなわち、スカート部20の外側)との温度差が生じにくく、包装袋部10内側の空気が結露しにくい。従って、包装袋部10内側の空気が結露した水分を吸収性物品100が吸収してしまうことによる吸収性物品100の吸収力の低下をより効果的に抑制し得る。このような包装体1によれば、吸収性物品100の吸収力を低下させることなく保管できる。
【0051】
(包装体1の製造方法)
次に、包装体1の製造方法を説明する。図7乃至図11は、包装体1の組み立て図である。図7乃至図11を用いて、包装袋部10の側面11,底面12及びスカート部20が一体である包装体1の製造方法を示す。
【0052】
包装体1は、シート状資材200から形成される。シート状資材200は、端部201と端部202とを有する。図7,図8に示すように、包装袋部10を形成する連続するシート状資材200の一方の端部201と他方の端部202との間に位置する仮想線L1を第1折目として、一方の端部201を他方の端部202の側に折り返す。
【0053】
折り返したシート状資材200において、第1折目(仮想線L1)と他方の端部202との間に位置する仮想線L2を第2折目として、一方の端部201を第1折目(仮想線L1)側に折り返す。これにより、スカート部20に相当する襞状部分205が形成される。仮想線L1及びL2は、シート状資材200の幅方向に沿っている。
【0054】
図9に示すように、襞状部分205(スカート部20)が形成されたシート状資材200の側縁203,204を互いに重ね合わせて筒状にし、側縁203,204同士を融着することによって、背耳部206を形成する。
【0055】
続いて、図10,図11に示すように、上下開口部を封止する。底面12は、一方の端部201を折り畳み、接合することによって形成される。底面12をスカート部20の内側に折り込む。底面12を確実にスカート部20の内部に納めておくために、底面12の端部を粘着テープ、HMAなどで固定してもよい。以上のようにして、スカート部20が一体化された包装体1を製造することができる。
【0056】
(製造方法の変形例)
包装体1の製造方法では、別部材として用意されたスカート部20を包装袋部10の側面11に貼り付けてもよい。この製造方法では、図8に示すように、シート状資材200を2段階の折り畳み工程を経ることによって襞状部分205(スカート部20)を形成する代わりに、図12に示すように、包装袋部10を形成する連続するシート状資材200の所定の位置に、スカート部20に相当する帯状部材210を接合する。
【0057】
この後、スカート部20に相当する帯状部材210が形成されたシート状資材200の側縁203,204を互いに接合し、筒状にする。筒状の形態から後は、上述した工程に従って、スカート部20を有する包装体1を製造できる。
【0058】
2.第2実施形態
(包装体2の構造)
図13は、本発明の第2実施形態として示す包装体2を説明する斜視図である。包装体2は、樹脂シートを含むシート状資材から形成されており、吸収性物品を包装する。包装体2は、吸収性物品100を包装する包装袋部40と、包装袋部40の表面に設けられるスカート部50とを備える。
【0059】
包装袋部40は、側面41と、上底面42と、下底面43とを有する。側面41には、一旦開封された後、再度封止が可能な機構(チャック、シールなど)が設けられていてもよい。
【0060】
スカート部50は、側面41に沿って延びており、下底面43を囲っている。スカート部50の端部51は、包装体2を載置する載置面に当接する。すなわち、包装体2は、スカート部50に支えられることによって、下底面43を下として起立する。スカート部50には、開口部分60が形成される。
【0061】
包装体2は、スカート部50によって支えられることにより、下底面43が載置面に直接接触しないため、包装体2は、トイレ、洗面所、脱衣場等のように、湿気が高く温度差が大きい場所に載置されても、載置面の温度が下底面43に伝わりにくい。また、包装体2のスカート部50に開口部分60が形成されることにより、スカート部50と、載置面Gと、下底面43とに囲まれてできる空間SPと、この空間SPの外側との通気性を高めている。
【0062】
このため、包装体2は、下端部43とスカート部50と載置面Gとの空間SPと、包装袋部40の周囲(すなわち、スカート部50の外側)との温度差が生じにくく、包装袋部10内側の空気が結露しにくい。従って、包装袋部40内側の空気が結露した水分を吸収性物品100が吸収してしまうことによる吸収性物品100の吸収力の低下をより効果的に抑制し得る。
【0063】
このような包装体2によれば、吸収性物品100の吸収力を低下させることなく保管できる。
【0064】
(包装体2の製造方法)
次に、包装体2の製造方法について説明する。図14乃至図16は、包装体2の組み立て図である。
【0065】
包装体2は、シート状資材400の連続体から形成される。シート状資材400の連続体は、長手方向の端部401と端部402とを有する。図14に示すように、シート状資材400の一方の端部401側に仮想線L11を規定する。また、仮想線L11と端部401との間に仮想線L21を規定する。また、端部401と端部402との間に、仮想線L12,L13を規定する。更に仮想線L12とL13との間に仮想線L22を規定する。仮想線L11と端部401とによって形成される領域411は、上底面42(図13参照)を構成する。仮想線L12とL13とによって形成される領域412は、下底面43(図14参照)を構成する。
【0066】
シート状資材400の連続体は、図14に示す搬送方向MDに沿って搬送されながら、端部401と端部402とが接合される。これにより、図15に示す円筒状の連続体が形成される。図15に示す円筒状の連続体の仮想線L11,L12,L13の位置において、連続体は、筒の外側に向けて突出する山折りにされ、仮想線L21,L22の位置において、谷折りされる。
【0067】
図14に示す領域S1、仮想線L11を含む領域S1、仮想線L12を含む領域S3、仮想線L13を含む領域S4は、熱融着などによって融着される部分である。領域S1は、端部401と端部402との接合部を兼ねている。図15に示す連続体の円筒に吸収性物品100を格納し、接合領域S7を熱融着などにより融着することにより、吸収性物品100が包装された包装体2の連続体を製造することができる。
【0068】
図16は、包装体2の連続体を示す斜視図である。図16に示すように、複数の包装体2が連続した状態で販売することもできる。また、包装体2の連続体を接合領域S7において切り離し、1個ずつ販売することもできる。
【0069】
3.その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0070】
例えば、本発明の実施形態では、吸収性物品が陰唇間パッドの場合について説明したが、この限りではない。例えば、生理用ナプキン、おむつ、インナーライナー、尿取りパッドなどであってもよい。
【0071】
実施形態では、吸収性物品100の吸収体102が底面12に対して立った状態で包装されている包装体1について説明した。しかし、例えば、タンポンのように、吸収体の吸収面が平面でない吸収性物品が、その長手方向と、包装体の上下方向とが略一致した状態で包装されているものを含む。
【0072】
また、実施形態では、スカート部20,50に形成する開口部分は、貫通孔又は切り欠きであると説明した。しかし、長さに比べて幅が狭くなったスリット形状であってもよい。図5に示されるスカート部20には、複数の貫通孔31が形成されている。しかし、1つの貫通孔31がスカート部20に形成されていてもよい。同様に、図6に示されるスカート部20には、複数の切り欠き33が形成されている。しかし、1つの切り欠き33がスカート部20に形成されていてもよい。
【0073】
包装体1のスカート部20に形成される開口部分31の形状は、図5に示すような円形に限定されない。例えば、楕円、三角形、四角形、台形、ハート型、星型、花形、キャラクターのシルエット等の形状であってもよい。また、包装体1のスカート部20に形成される切り欠き33の形状は、図6に示すような半円形状に限定されない。例えば、半円形状でない曲線、矩形状、波線、ジグザグ等の形状であってもよい。
【0074】
また、開口部分31及び切り欠き33の大きさ、間隔なども、図6,図7に示すものに限定されない。開口部分31及び切り欠き33は、スカート部20,50が吸収性物品100を収納した包装袋部10を支持し得る強度を損なわない程度に適宜形成することができる。
【0075】
また、実施形態では、延出支持部の一例として、スカート部20,50を例示した。しかし、延出支持部としては、例えば、包装袋部10の底部12の四隅に設けられ、四隅の4点で包装体1を支持する脚部のようなものも含まれる。
【0076】
上述の実施形態の包装体1,2には、スカート部20或いはスカート部50の目視可能な位置に、温度によって色が変わるインジケータ(サーモクロミズム)が配置されていてもよい。また、インジケータ機能を有する顔料が目視可能な位置に直接塗布されていてもよい。使用者は、インジケータを見ることによって、包装体の温度を知ることができる。そのため、包装体が冷えた載置面に置かれていた場合、急激に暖かい部屋に移動しないように注意を払わせることができる。
【0077】
本実施形態に係る包装体1では、包装袋部10の収納側の底面に、粘着材などによりシリカゲルなどの防湿剤を貼り付けてもよい。これにより、包装体の内側の湿気を低減できる。
【0078】
また、本実施形態に係る包装体1の内側、或いは底面12の外側表面に錘を取り付けてもよい。この場合、錘の重さによって包装体を安定させることができる。但し、錘は、錘が配設された包装体の底面が自重により載置面に接することのない重さとする。底面12の外側表面に錘を取り付ける場合には、錘は、スカート部20と載置面と底面12とによってできる空間に収まるサイズであり、錘の自重によって包装体の底面12が載置面に接触することがないものとする。
【0079】
スカート部20に錘を配設するほか、シリコンコーティングを施してもよい。これにより、スカート部20の重量が増加し、安定性を高めることができる。また、シリコンコーティングによって、滑り止め効果も高められるため、包装体1の転倒を防止できる。
【0080】
実施形態として示した包装体1の製造方法において、仮想線L1とL2との間隔は、図8に示す例に限定されない。仮想線L1とL2との間隔を広げることにより、スカート部20の載置面Gからの長さを調整することができる。すなわち、載置面Gからの底面12の高さを変更することができる。
【0081】
図7乃至図11に示す包装体1の製造方法では、スカート部20を形成するためのシート状資材200の折返し回数は、限定されない。折り返す回数を増やすとスカート部20の厚みが増すため、スカート部20の強度を高めることができる。包装体1に収納される吸収性物品100の製品の重量によって、折返し回数を変更してもよい。
【0082】
図12に示す製造方法の変形例において、シート状資材200の側縁203,204に対する帯状部材210の幅及び取付位置は、図12の例に限定されない。例えば、側縁203,204に対する帯状部材210の幅をより長くし、図12に示す取付位置よりもシート状資材200の中央部寄りに取り付けることにより、起立時の安定性を高めることができる。包装体1に収納される吸収性物品100の製品のサイズや重量によって、変更することができる。
【0083】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
【実施例】
【0084】
次に、実施例について説明する。上述した第1実施形態の包装体1を実現した実施例を説明する。包装体に収納される吸収性物品の長手方向の長さは、135mm、幅が35mm、厚みが7mmとした。上述したサイズの吸収性物品の長手方向の端部と包装袋部の底面とを当接した状態で収納可能な設計とした。
【0085】
この包装体では、載置面から底面までのスカート部の長さは、13mmとした。吸収性物品の長さに対して、スカート部の長さが長すぎる場合には、不安定になる。なお、スカート部の長さは5mm以上であることが好ましい。スカート部は、図8に示す工程により、シート状資材を2回折り返して形成した。折返し部分の内面を接着した。包装袋部を構成するシート状資材として、オルトフェニルフェノールとポリプロピレンフィルムとを重ね合わせものを用いた。
【符号の説明】
【0086】
1,2…包装体、 10…包装袋部、 11…側面、 11a…端部、 11b…端部、 12…底面、 20…スカート部、 21…端部、 31,32…開口部分、 33,34…切り欠き、 40…包装袋部、 41…側面、 42…上底面、 43…下底面、 43…下端部、 50…スカート部、 51…端部、 60…開口部分、 100…吸収性物品、 100a,100b…外縁部、 101…表面シート、 102…吸収体、 103…裏面シート、 104…シート片、 105…指挿入口、 110…包装シート、111…外縁部、111a,111b…外縁端部、 200…シート状資材、 201,202…端部、 203,204…側縁、 205…襞状部分、 206…背耳部、 210…帯状部材、 400…シート状資材、 401,402…端部、 411,412…領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分を吸収する吸収体を有する吸収性物品を密封した状態で包装した吸収性物品の包装体であって、
前記吸収性物品が入れられる包装袋部と、
前記包装袋部の底面の外縁部分から、前記底面に略直交する方向に延出し、前記吸収性物品の包装体が載置される載置面から離間した状態で前記包装袋部を支持する延出支持部と
を備え、
前記包装袋部は、前記吸収体が前記底面に対して立った状態となるように前記吸収性物品を包装する吸収性物品の包装体。
【請求項2】
前記吸収性物品は、前記吸収性物品の一方の面を覆う包装シートによってさらに包装され、
前記底面と対向する前記包装シートの外縁部は、前記底面側に位置する前記吸収性物品の外縁部よりも前記底面寄りに延在し、
前記包装シートの外縁部のみが前記底面と接する請求項1に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項3】
前記吸収性物品は、前記吸収体が前記底面に対して立った状態となるように折り畳まれており、
前記底面側に位置する前記吸収性物品の外縁部は、先端に行くに連れて細くなる先細り状である請求項1または2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項4】
前記包装シートによって包装された前記吸収性物品は、前記吸収体が前記底面に対して立った状態となるように折り畳まれており、
前記包装シートが折り畳まれることによって互いに接し得る前記包装シートの外縁部のうち、少なくとも前記底面側に位置する前記包装シートの外縁部の一方は、他方と接着されている請求項2または3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項5】
前記延出支持部には、前記吸収性物品の包装体が前記載置面に載置されたときに、前記底面から前記載置面までの間の空間と、前記空間の外部との通気を可能とする開口部分が形成される請求項1乃至4の何れか一項に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項6】
前記包装袋部は、前記吸収体の吸収面が前記底面に対して略垂直となるように前記吸収性物品を包装する請求項1乃至5の何れか一項に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項1】
水分を吸収する吸収体を有する吸収性物品を密封した状態で包装した吸収性物品の包装体であって、
前記吸収性物品が入れられる包装袋部と、
前記包装袋部の底面の外縁部分から、前記底面に略直交する方向に延出し、前記吸収性物品の包装体が載置される載置面から離間した状態で前記包装袋部を支持する延出支持部と
を備え、
前記包装袋部は、前記吸収体が前記底面に対して立った状態となるように前記吸収性物品を包装する吸収性物品の包装体。
【請求項2】
前記吸収性物品は、前記吸収性物品の一方の面を覆う包装シートによってさらに包装され、
前記底面と対向する前記包装シートの外縁部は、前記底面側に位置する前記吸収性物品の外縁部よりも前記底面寄りに延在し、
前記包装シートの外縁部のみが前記底面と接する請求項1に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項3】
前記吸収性物品は、前記吸収体が前記底面に対して立った状態となるように折り畳まれており、
前記底面側に位置する前記吸収性物品の外縁部は、先端に行くに連れて細くなる先細り状である請求項1または2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項4】
前記包装シートによって包装された前記吸収性物品は、前記吸収体が前記底面に対して立った状態となるように折り畳まれており、
前記包装シートが折り畳まれることによって互いに接し得る前記包装シートの外縁部のうち、少なくとも前記底面側に位置する前記包装シートの外縁部の一方は、他方と接着されている請求項2または3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項5】
前記延出支持部には、前記吸収性物品の包装体が前記載置面に載置されたときに、前記底面から前記載置面までの間の空間と、前記空間の外部との通気を可能とする開口部分が形成される請求項1乃至4の何れか一項に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項6】
前記包装袋部は、前記吸収体の吸収面が前記底面に対して略垂直となるように前記吸収性物品を包装する請求項1乃至5の何れか一項に記載の吸収性物品の包装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−111199(P2011−111199A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270169(P2009−270169)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
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