説明

吸収性物品の包装体

【課題】吸収性物品の包装体の製造コストを低減する。
【解決手段】包装体1は、包装袋3の内部に複数の吸収性物品9を収容したものである。包装袋3は、略直方体の袋部30、および、袋部30の前面13および後面14からそれぞれ連続して上面11よりも上方に伸びるシート状の把持部17a,17bを備える。把持部17a,17bはそれぞれ、把持する際に指が挿入される開口171を有する。包装体1では、包装袋3の上面11が複数の吸収性物品9の上端におよそ全面に亘って接するため、把持部17a,17bの下端と複数の吸収性物品9の上端との間に屋根型の大きな面積の部位が形成されることが防止される。これにより、包装袋3を形成するために必要とされる包装シート部材の量が減少し、包装体1の製造コストを低減することができるとともに、包装体1の小型化を実現することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品の包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、使い捨ておむつや使い捨ておむつの内側に取り付けられる補助吸収具(例えば、尿取りパッド)等の吸収性物品は、複数個が所定の配列方向に配列されて圧縮された状態で包装袋に収容されて販売されている。包装体の形状は通常、略直方体となっており、包装体を運搬する際に把持される把持部が包装体の上面に設けられる。
【0003】
把持部としては、特許文献1のように、包装袋の上面の前後方向の中央において左右方向に伸びる1つのシート状の部位に開口が形成されたものが利用される。あるいは、特許文献2のように、両端部が包装袋の前面に接合された紐状部材と後面に接合されたもう1本の紐状部材とが把持部として利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−290383号公報
【特許文献2】特開2003−292043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に示される把持部を形成する際には、まず、筒状の包装シート部材が準備され、上側の開口近傍において、左右の側面から上方に伸びる部位が内側に折り畳まれる。次に、前面および後面から上方に伸びる部位を前後方向の中央に向けて斜めに倒した上で端部を接合することにより把持部が形成される。このため、複数の吸収性物品と把持部との間に、屋根型の大きな面積の部位が形成されることとなり、包装シート部材の使用量が増加して包装体の製造コストが増大し、包装体の高さも高くなってしまう。また、特許文献2のように、紐状部材が把持部とされる場合、包装シート部材とは別の紐状部材を包装シート部材に接合する必要があるため、包装袋の製造工程が複雑化し、包装体の製造コストが増大してしまう。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、吸収性物品の包装体の製造コストを低減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、吸収性物品の包装体であって、包装シート部材にて形成された包装袋と、前記包装袋に収容された複数の吸収性物品とを備え、前記包装袋が、前面、後面、2つの側面、上面および下面を有する略直方体の袋部と、前記前面および前記後面からそれぞれ連続して前記上面よりも上方に伸び、把持する際に指が挿入される開口を有するシート状の2つの把持部とを備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の吸収性物品の包装体であって、前記包装シート部材が、前記前面から一方の把持部の外面へと連続し、前記一方の把持部の上端にて下方かつ内側へと折り返されて前記一方の把持部の内面を形成し、前記内面の下端から前記上面へと連続し、前記上面の前記後面側の端部から上方へと向かって他方の把持部の内面を形成し、前記他方の把持部の上端にて下方かつ外側へと折り返されて前記他方の把持部の外面を形成し、前記外面から前記後面へと連続する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の吸収性物品の包装体であって、前記包装袋が、前記前面、前記後面および前記2つの側面のそれぞれの上半分の領域にて連続するように全周に形成された弱化線を有する。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の吸収性物品の包装体であって、前記複数の吸収性物品が、前記下面に平行な配列方向に配列された吸収性物品の集合である第1吸収性物品群と、前記配列方向に配列された吸収性物品の集合であり、前記第1吸収性物品群上に積層されて前記上面に接する第2吸収性物品群とを備え、前記弱化線が、前記第2吸収性物品群の上下の面の間に位置する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の吸収性物品の包装体であって、前記前面、前記後面および前記2つの側面の少なくともいずれか1つが、前記弱化線よりも下側に開口を形成するための他の弱化線を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、吸収性物品の包装体の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施の形態に係る包装体の斜視図である。
【図2】包装袋の断面図である。
【図3】製造途上の包装袋の平面図である。
【図4】製造途上の包装袋の断面図である。
【図5】袋部の斜視図である。
【図6】第2の実施の形態に係る包装体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る包装体1を示す斜視図である。包装体1は、吸収性物品9のパッケージであり、包装袋3の内部に複数の吸収性物品9を収容した構造を有する。包装袋3は、包装シート部材にて袋状に形成されたものであり、包装袋3には、複数の吸収性物品9が図1中のX方向に配列されて(すなわち、積層されて)圧縮された状態で収容される。包装シート部材としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂製の柔軟な可撓性フィルムが利用される。吸収性物品9は、使い捨ておむつや使い捨ておむつの内側に取り付けられる補助吸収具(例えば、尿取りパッド)、生理用品等であり、図1では、それぞれ2つ折りにされた約20枚の吸収性物品9が包装袋3に収容されている。
【0015】
包装袋3は、複数の吸収性物品9を収容した状態において略直方体である袋部30を備え、袋部30は、複数の吸収性物品9の(+Z)側および(−Z)側をそれぞれ覆う上面11および下面12、複数の吸収性物品9の(−Y)側および(+Y)側をそれぞれ覆う前面13および後面14、並びに、複数の吸収性物品9の(+X)側および(−X)側をそれぞれ覆う2つの側面15,16を有する。なお、袋部30の上面11、下面12、前面13、後面14および側面15,16は、包装体1の上面、下面、前面、後面および側面でもある。
【0016】
前面13は、通常、商品名や商品の特徴が大きく記載される面であり、前面13および後面14の水平方向(X方向)の幅は、2つの側面15,16の水平方向(Y方向)の幅よりも大きい。なお、前面13および後面14の双方に大きく商品名等が記載される場合、いずれの面が前面または後面と捉えられてもよい。上面11は、複数の吸収性物品9の周囲を囲む前面13、後面14および2つの側面15,16により下面12に接続される。
【0017】
包装袋3は、さらに、袋部30の前面13および後面14からそれぞれ連続して上面11よりも上方(すなわち、(+Z)方向)に伸びる2つのシート状の把持部17a,17bを備える。把持部17a,17bのX方向の長さは、前面13および後面14のX方向の長さにほぼ等しく、把持部17a,17bはそれぞれ、X方向のおよそ中央に略楕円形の開口171を有する。包装体1が運搬される際には、運搬者の指が把持部17a,17bの開口171に挿入され、把持部17a,17bの開口171の上側の部位(すなわち、上面11から離れている側の部位)が把持される。把持部17a,17bは、2つの側面15,16からそれぞれ連続して上面11よりも上方に伸びる2つの側壁部18により接続される。
【0018】
図2は、包装袋3をX方向に垂直な面にて切断した断面図である。図2に示すように、包装袋3では、包装シート部材が前面13から一方の把持部17a(すなわち、(−Y)側の把持部)の外面172aへと連続し、把持部17aの上端にて下方かつ内側へと折り返されて把持部17aの内面173aを形成する。包装シート部材は、把持部17aの下端から上面11へと連続し、上面11の後面14側((+Y)側)の端部から上方へと向かって他方の把持部17b(すなわち、(+Y)側の把持部)の内面173bを形成する。包装シート部材は、さらに、把持部17bの上端にて下方かつ外側へと折り返されて把持部17bの外面172bを形成し、外面172bから後面14へと連続する。
【0019】
把持部17aにおいて2層に重ねられた包装シート部材は把持部17aの下端において熱接合され、把持部17bにおいて2層に重ねられた包装シート部材は把持部17bの下端において熱接合される。これにより、把持部17a,17bと上面11との境界が形成される。上面11は下面12におよそ平行であり、複数の吸収性物品9の上端におよそ全面に亘って接する。換言すれば、把持部17a,17bと上面11との境界が、複数の吸収性物品9の上端と上下方向においておよそ同じ位置に位置する。
【0020】
包装袋3は、図1に示すように、前面13、(+X)側の側面15、後面14および(−X)側の側面16のそれぞれの上半分の領域(本実施の形態では、上面11近傍)にて連続するように全周に形成された弱化線191を有する。また、包装袋3の前面13および後面14はそれぞれ、弱化線191よりも下側であって弱化線191の近傍に環状の他の弱化線192を有する。図1では、弱化線191,192を太い長破線にて示す。
【0021】
本実施の形態では、弱化線191,192は、断続的に形成された直線状の切れ目により形成されるミシン目である。以下の説明では、弱化線191,192を区別するために、それぞれ「第1弱化線191」および「第2弱化線192」という。各第2弱化線192は、前面13および後面14の幅方向(すなわち、X方向)のおよそ中央にて、第1弱化線191から所定の距離だけ下方に離間して配置される。2つの第2弱化線192に囲まれる部位はそれぞれ、互いに等しい矩形状である。
【0022】
図3は製造途上の包装袋3を示す平面図であり、図4は、包装袋3を図3中のA−Aの位置にて切断した断面図である。包装体1が製造される際には、折り返される前の帯状の包装シート部材に、第1弱化線191および第2弱化線192が形成される。続いて、図4に示すように、包装シート部材が、第1折り返し線21にて下側かつ内面(すなわち、吸収性物品9に接する面)側へと折り返され、第2折り返し線22にて上側かつ外面側へと折り返され、さらに、第1折り返し線21と同じ高さの第3折り返し線23にて下側かつ内面側へと折り返される。
【0023】
次に、図3に示すように、包装シート部材の幅方向(図3中の左右方向)の両側端部がヒートシールにより接合され、第1接合部31が形成される。また、図4に示すように、包装シート部材の第1折り返し線21の両側の部位が、第1折り返し線21と第2折り返し線22との間にてヒートシールにより接合され、幅方向に伸びる直線状の第2接合部32が形成される。さらに、第3折り返し線23の両側の部位が、第3折り返し線23と第2折り返し線22との間にてヒートシールにより接合され、幅方向に伸びる直線状の第3接合部33が形成される。図3では、包装シート部材の第1接合部31および第2接合部32に平行斜線を付す。なお、第1接合部31の形成は、第2接合部32および第3接合部33の形成よりも後に行われてもよく、第2接合部32および第3接合部33の形成は、包装シート部材の第1折り返し線21ないし第3折り返し線23における折り返しの間に行われてもよい。
【0024】
図4において、第2接合部32から第2折り返し線22を経由して第3接合部33に至る部位は、包装袋3の上面11となる。また、図4中において最も左側に位置する面の第2接合部32よりも下側の部位(すなわち、第1折り返し線21とは反対側の部位)は、包装袋3の前面13、および、側面15,16の前面13側の部位となり、最も右側に位置する面の第3接合部33よりも下側の部位は、包装袋3の後面14、および、側面15,16の後面14側の部位となる。第2接合部32と第1折り返し線21との間の2層の部位は、前面13に連続する把持部17a、および、側壁部18の前面13側の部位となり、第3接合部33と第2折り返し線22との間の2層の部位は、後面14に連続する把持部17b、および、側壁部18の後面14側の部位となる。図3では、把持部17aと両側の側壁部18との間の境界、前面13と側面15,16との間の境界、および、当該境界の延長線を二点鎖線にて示す。
【0025】
第1接合部31、第2接合部32および第3接合部33が形成されると、2つの把持部17a,17bに開口171が形成される。その後、図3および図4に示す下部開口34から複数の吸収性物品9(図1参照)が包装袋3内に収容され、包装袋3の下部開口34近傍の部位が、複数の吸収性物品9の下側を覆うように内側に折り畳まれて接合されることにより、包装袋3の下面12(図1参照)が形成されて包装体1の製造が終了する。
【0026】
包装体1では、上述のように、包装袋3の上面11が複数の吸収性物品9の上端におよそ全面に亘って接する。このため、包装袋の上面の前後方向の中央において左右方向に伸びる1つのシート状の部位に開口が形成された把持部を有する包装体に比べて、把持部17a,17bの下端と複数の吸収性物品9の上端との間に屋根型の大きな面積の部位が形成されることが防止される。これにより、包装袋3を形成するために必要とされる包装シート部材の量が減少し、包装体1の製造コストを低減することができるとともに、包装体1の小型化を実現することもできる。また、把持部17a,17bが包装シート部材により包装袋3の袋部30と共に形成されるため、包装シート部材とは別の部材により把持部を形成する場合に比べて包装袋3の製造工程を簡素化し、包装体1の製造コストを低減することができる。
【0027】
包装袋3では、上述のように、包装シート部材が前面13から一方の把持部17aの外面172aへと連続し、把持部17aの上端にて下方かつ内側へと折り返されて把持部17aの内面173aを形成し、把持部17aの下端から上面11へと連続し、上面11の後面14側の端部から上方へと向かって他方の把持部17bの内面173bを形成し、さらに、把持部17bの上端にて下方かつ外側へと折り返されて把持部17bの外面172bを形成し、外面172bから後面14へと連続する。このような構造を採用することにより、包装袋3の形成を容易とすることができる。
【0028】
図1に示す包装体1が使用される際には、包装シート部材が第1弱化線191にて破断され、第1弱化線191よりも上側の部位(すなわち、前面13、後面14および2つの側面15,16の上端部、上面11、並びに、2つ把持部17a,17bおよび2つの側壁部18)が除去される。そして、上部が開放された袋部30から吸収性物品9が順次取り出されて使用される。あるいは、袋部30から全ての吸収性物品9が取り出されて所定の保管場所に載置され、当該保管場所から吸収性物品9が順次持ち出されて使用される。
【0029】
図5は、全ての吸収性物品9が取り出された後の袋部30(正確には、袋部30から上面11および上面11近傍の部位が除去されたもの)を示す斜視図である。袋部30は、使用済みの吸収性物品9等を廃棄するためのゴミ袋として使用される。袋部30がゴミ袋として使用される際には、包装シート部材が2つの第2弱化線192(図1参照)にて破断され、前面13および後面14から第2弱化線192により囲まれた矩形の部位がそれぞれ除去されて開口35が形成される。そして、開口35にゴミ容器のフック等を挿入して袋部30を当該フック等に引っかけることにより、袋部30の上部開口36(すなわち、ゴミを投入する投入口)が大きく開いた状態で維持され、袋部30に対するゴミの投入が容易とされる。開口35は、また、袋部30が運搬される際に運搬者の指を挿入して運搬を容易とするためにも利用される。
【0030】
包装体1では、包装袋3が第1弱化線191(図1参照)を有することにより、第1弱化線191よりも上側の部位を容易に切除し、袋部30に上部開口36を容易に形成することができる。その結果、全ての吸収性物品9が取り出された後の包装袋3を、ゴミ袋として容易に利用することができる。また、包装袋3の前面13および後面14に、開口35を形成するための第2弱化線192(図1参照)が設けられることにより、ゴミ袋として利用される袋部30を把持するための、または、袋部30を引っかけるための開口35を容易に形成することができる。
【0031】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る包装体について説明する。図6は第2の実施の形態に係る包装体1aを示す斜視図である。包装体1aは、包装袋3aの内部に複数の吸収性物品9が上下2段に積み重ねられて収容される点を除き、図1および図2に示す包装体1と同様の構成を備える。以下の説明では、包装体1の各構成に対応する包装体1aの構成に同符号を付す。図6に示す包装体1aの包装袋3aの構造は、袋部30aの前面13、後面14および2つの側面15,16の上下方向の高さが異なる点を除き、第1の実施の形態に係る包装袋3と同様であり、包装袋3aの製造方法も包装袋3と同様である。
【0032】
包装体1aでは、包装袋3aに収容される複数の吸収性物品9が、それぞれが図6中のX方向に配列された吸収性物品9の集合である第1吸収性物品群91および第2吸収性物品群92を備え、第2吸収性物品群92は第1吸収性物品群91上に積層されて包装袋3aの上面11に接する。なお、第1吸収性物品群91では、吸収性物品9は必ずしもX方向に配列される必要はなく、下面12に平行な配列方向に配列されていればよい(第2吸収性物品群92においても同様)。
【0033】
包装袋3aでは、第1弱化線191が、第1の実施の形態と同様に、前面13、(+X)側の側面15、後面14および(−X)側の側面16のそれぞれの上半分の領域にて連続するように全周に形成される。換言すれば、第1弱化線191は、第2吸収性物品群92の上下の面の間に位置する。第2吸収性物品群92の上の面とは、第2吸収性物品群92を構成する複数の吸収性物品9の上端におよそ接する面であり、第2吸収性物品群92の下の面とは、第2吸収性物品群92を構成する複数の吸収性物品9の下端におよそ接する面である。
【0034】
包装体1aでは、包装袋3aの上面11が第2吸収性物品群92の上の面におよそ全面に亘って接するため、把持部17a,17bの下端と複数の吸収性物品9の上端との間に屋根型の大きな面積の部位が形成されることが防止される。これにより、第1の実施の形態と同様に、包装シート部材の使用量を減少させて包装体1aの製造コストを低減することができるとともに、包装体1aの小型化を実現することもできる。また、包装シート部材とは別の部材により把持部を形成する場合に比べて包装袋3aの製造工程を簡素化し、包装体1aの製造コストを低減することができる。さらに、包装袋3aの構造を包装袋3の上述の構造と同様とすることにより、包装袋3aを容易に形成することができる。
【0035】
包装体1aが使用される際には、第1の実施の形態と同様に、包装シート部材が第1弱化線191にて破断され、第1弱化線191よりも上側の部位が除去される。そして、全ての吸収性物品9が取り出された後の袋部30aは、使用済みの吸収性物品9等を廃棄するためのゴミ袋として使用される。このとき、包装シート部材が第2弱化線192にて破断されて開口35(図5参照)が形成される。
【0036】
包装体1aでは、包装袋3aが第1弱化線191を有することにより、第1の実施の形態と同様に、包装袋3aの第1弱化線191よりも上側の部位を容易に切除して上部開口36(図5参照)を容易に形成することができる。その結果、全ての吸収性物品9が取り出された後の包装袋3aを、ゴミ袋として容易に利用することができる。また、第1弱化線191が第2吸収性物品群92の上下の面の間に位置するため、第1弱化線191よりも上側の部位を除去した後の包装袋3aの深さを十分に確保することができる。これにより、ゴミの収容量を大きくすることができる。さらに、包装袋3aの前面13および後面14に、第1の実施の形態と同様に第2弱化線192が設けられることにより、ゴミ袋として利用される袋部30aを把持するための、または、引っかけるための開口35を容易に形成することができる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0038】
第2の実施の形態に係る包装体1aでは、3つ以上の吸収性物品群が上下方向に積層されてもよい。この場合、ゴミの収容量を大きくするという観点から、第1弱化線191は、最も上側に位置する吸収性物品群の上下の面の間に位置することが好ましい。
【0039】
上記実施の形態に係る包装体では、包装袋の第2弱化線192に囲まれる部位の形状は矩形には限定されず、例えば楕円形であってもよい。また、第2弱化線192は必ずしも環状である必要はなく、第2弱化線192にて包装シート部材を破断することにより開口35が形成されるのであれば、例えばU字状であってもよい。この場合、第2弱化線192の内側の部位は、開口35の形成時に包装袋から切除されることなく、当該部位の上側の部位と連続した状態となる。なお、第2弱化線192は、包装袋の前面13、後面14および2つの側面15,16の少なくともいずれか1つに設けられていればよい。
【0040】
第1弱化線191および第2弱化線192は、例えば、断続的に配列された丸穴等により形成されるミシン目であってもよい。また、周囲の部位に比べて強度が小さい溝(すなわち、包装シート部材を貫通しない切り込み)が、第1弱化線191として、前面13、後面14および2つの側面15,16に連続して設けられてもよい。
【0041】
上記実施の形態に係る包装体では、包装袋の製造方法や吸収性物品9の包装袋への収容方法は様々に変更されてよい。
【符号の説明】
【0042】
1,1a 包装体
3,3a 包装袋
9 吸収性物品
11 上面
12 下面
13 前面
14 後面
15,16 側面
17a,17b 把持部
30,30a 袋部
35 開口
91 第1吸収性物品群
92 第2吸収性物品群
171 開口
172a,172b 外面
173a,173b 内面
191 第1弱化線
192 第2弱化線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品の包装体であって、
包装シート部材にて形成された包装袋と、
前記包装袋に収容された複数の吸収性物品と、
を備え、
前記包装袋が、
前面、後面、2つの側面、上面および下面を有する略直方体の袋部と、
前記前面および前記後面からそれぞれ連続して前記上面よりも上方に伸び、把持する際に指が挿入される開口を有するシート状の2つの把持部と、
を備えることを特徴とする吸収性物品の包装体。
【請求項2】
請求項1に記載の吸収性物品の包装体であって、
前記包装シート部材が、前記前面から一方の把持部の外面へと連続し、前記一方の把持部の上端にて下方かつ内側へと折り返されて前記一方の把持部の内面を形成し、前記内面の下端から前記上面へと連続し、前記上面の前記後面側の端部から上方へと向かって他方の把持部の内面を形成し、前記他方の把持部の上端にて下方かつ外側へと折り返されて前記他方の把持部の外面を形成し、前記外面から前記後面へと連続することを特徴とする吸収性物品の包装体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の吸収性物品の包装体であって、
前記包装袋が、前記前面、前記後面および前記2つの側面のそれぞれの上半分の領域にて連続するように全周に形成された弱化線を有することを特徴とする吸収性物品の包装体。
【請求項4】
請求項3に記載の吸収性物品の包装体であって、
前記複数の吸収性物品が、
前記下面に平行な配列方向に配列された吸収性物品の集合である第1吸収性物品群と、
前記配列方向に配列された吸収性物品の集合であり、前記第1吸収性物品群上に積層されて前記上面に接する第2吸収性物品群と、
を備え、
前記弱化線が、前記第2吸収性物品群の上下の面の間に位置することを特徴とする吸収性物品の包装体。
【請求項5】
請求項3または4に記載の吸収性物品の包装体であって、
前記前面、前記後面および前記2つの側面の少なくともいずれか1つが、前記弱化線よりも下側に開口を形成するための他の弱化線を有することを特徴とする吸収性物品の包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−201564(P2011−201564A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69877(P2010−69877)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000110044)株式会社リブドゥコーポレーション (390)
【Fターム(参考)】