吸収性物品の連続包装体
【課題】吸収性物品が包装された包装体が連続し、当該包装体毎に切り離し可能な場合において、切り離し時における吸収性物品の落下や、包装体内部での吸収性物品の変形を抑制できる吸収性物品の連続包装体の提供すること。
【解決手段】本発明の吸収性物品の連続包装体１は、生理用ナプキン１０を個別に包装した包装体２が複数連続しており、包装体２の外装シート３に形成された切り取り線部４に沿って外装シート３を引き裂くことによって包装体２毎に切り離し可能となり、吸収性物品の少なくとも一部は、外装シート３の内側面に固定されている。
【解決手段】本発明の吸収性物品の連続包装体１は、生理用ナプキン１０を個別に包装した包装体２が複数連続しており、包装体２の外装シート３に形成された切り取り線部４に沿って外装シート３を引き裂くことによって包装体２毎に切り離し可能となり、吸収性物品の少なくとも一部は、外装シート３の内側面に固定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、吸収性物品を包装した包装体が複数連続し、包装体毎に切り離し可能な吸収性物品の連続包装体に関する。
【背景技術】
【０００２】
生理用ナプキンなどの吸収性物品は、樹脂フィルムなどの外装シートを用いて形成された包装パッケージに一定の数量装填された形態で販売することが一般的である。
【０００３】
また、吸収性物品を一つづつ個別に包装した包装体が縦方向に連続した連続包装体の形態で販売することも、開発途上国や新興国を中心として広く行われている。このような販売形態によれば、需要者は、包装体を切り離すことによって必要な数の吸収性物品のみを購入できる。また、縦方向に連続した複数の包装体は、店舗内の適当な場所に引っ掛けて販売できるため、店舗スペースが狭い場合に都合がよい。
【０００４】
このような吸収性物品の連続包装体において、一つの包装体を切り離すと、吸収性物品を包装している外装シートに形成されたミシン目に沿って外装シートが一緒に破断して包装体が開封される構造が知られている（特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】国際公開第０２／０９４６７８号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上述した従来の連続包装体の構造には、次のような問題があった。すなわち、一つの包装体を切り離すと、外装シートが一緒に破断して包装体が開封されるため、包装されていた吸収性物品が開封した途端に落下し易い。床や地面などに落下した吸収性物品は、汚れによって不衛生な状態となり、その結果、使用できなくなるという問題があった。また、上述した従来の連続包装体の場合、輸送時の振動などによって包装体内部での吸収性物品の位置がずれてしまい、吸収性物品が変形し易い問題もあった。
【０００７】
そこで、本発明は、吸収性物品が包装された包装体が連続し、当該包装体毎に切り離し可能な場合において、切り離し時における吸収性物品の落下や、包装体内部での吸収性物品の変形を抑制できる吸収性物品の連続包装体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第１の特徴は、吸収性物品（生理用ナプキン１０）が外装シート（外装シート３）によって個別に包装された包装体（包装体２）が複数連続し、包装体に形成された切り取り線部（切り取り線部４）に沿って包装体毎に切り離し可能な吸収性物品の連続包装体（生理用ナプキンの連続包装体１）であって、吸収性物品の少なくとも一部は、外装シートの内側面に固定されることを要旨とする。
【０００９】
本発明の第２の特徴は、本発明の第１の特徴に係り、吸収性物品は、着用者の肌と当接する表面（表面６Ａ）と、着用者の衣類と当接する裏面（裏面６Ｂ）とを有し、吸収性物品の裏面の少なくとも一部は、外装シートの内側面に固定されることを要旨とする。
【００１０】
本発明の第３の特徴は、本発明の第２の特徴に係り、吸収性物品の裏面には、衣類に粘着可能な粘着部（裏面粘着部１７）が形成され、粘着部は、外装シートの内側面（内側面７）に剥離可能に固定されることを要旨とする。
【００１１】
本発明の第４の特徴は、本発明の第３の特徴に係り、包装体は、吸収性物品の裏面と外装シートの内側面とが対向した状態で、包装体が連続する連続方向（連続方向Ｄ２）と直交する方向（折り畳み方向Ｄ１）に沿って、吸収性物品と外装シートとが一緒に折り畳まれることによって形成され、外装シートには、連続方向に沿って開封用切り離し線部（開封用切り離し線部８）が形成され、開封用切り離し線部は、包装体の平面視において、外装シートの内側面と吸収性物品の裏面との固定部分とは異なる位置に形成されることを要旨とする。
【００１２】
本発明の第５の特徴は、本発明の第４の特徴に係り、包装体の折り畳み方向における吸収性物品の一端部は、折り畳まれた包装体を展開した状態において、外装シートに覆われずに露出することを要旨とする。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の特徴によれば、吸収性物品が包装された包装体が連続し、当該包装体毎に切り離し可能な場合において、切り離し時における吸収性物品の落下や、包装体内部での吸収性物品の変形を抑制できる吸収性物品の連続包装体の提供を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】図１は、本発明の実施形態に係る連続包装体１の全体斜視図である。
【図２】図２は、本発明の実施形態に係る包装体２を示す斜視図である。
【図３】図３は、図２のＡ−Ａ線に沿った包装体２の断面図である。
【図４】図４は、本発明の実施形態に係り、開封用切り離し線部８が切り離された状態の包装体２を示す斜視図である。
【図５】図５は、本発明の実施形態に係り、折り畳み方向に展開された包装体２を示す斜視図である。
【図６】図６は、本発明の実施形態に係る図５のＢ−Ｂ線に沿った包装体２の断面図である。
【図７】図７は、本発明の実施形態に係る連続包装体１の製造方法である。
【図８】図８は、本発明の実施形態に係る連続包装体１の製造方法である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
次に、本発明に係る生理用ナプキンの連続包装体１の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【００１６】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【００１７】
（１）生理用ナプキンの連続包装体１（以下、連続包装体１とする）の概略構成
図１は、本実施形態に係る連続包装体１の全体斜視図である。
【００１８】
図１に示すように連続包装体１は、生理用ナプキン１０と、生理用ナプキン１０を包装する外装シート３とによって形成されている。外装シート３は、連続したシート状であり、生理用ナプキン１０を袋状に包装している。外装シート３の材料としては、厚み５〜５０μmのポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、あるいは不織布や紙、およびこれらの複合材料などが挙げられる。さらに、外装シート３の内側が、剥離処理剤などで剥離処理されていると生理用ナプキン１０のズレ止め粘着剤と直接固定できるので好ましい。具体的には、40μmのポリエチレンフィルムの内側に、粘着剤で剥離紙を固定する方法が挙げられる。
【００１９】
連続包装体１には、外装シート３によって包まれた生理用ナプキン１０を一つづつに分けるシール加工部５が形成されている。シール加工部５は、熱シール融着、噛み込みエンボス、粘着材、接着テープなどで外装シート３が接着されることにより形成される。シール加工部５によって、生理用ナプキン１０を一つづつ包装する包装体２が、複数個形成される。本実施形態では、５つの包装体２が連続していることにより、一つの連続包装体１が形成されている。
【００２０】
また、本実施形態では、シール加工部５において、ミシン目加工が施されている切り取り線部４が形成されており、生理用ナプキン１０の必要数に応じて、連続包装体１から包装体２を切り離すことができる。連続包装体１から切り離された包装体２は、図２の状態になる。
【００２１】
（２）包装体の構成
図２は、連続包装体１から切り離された包装体２を示す斜視図である。図３は、図２のＡ−Ａ線に沿った包装体２の断面図である。
【００２２】
図２、及び図３に示すように、包装体２は、生理用ナプキン１０の衣服当接面である裏面６Ｂと、外装シート３の内側面７とが対向した状態で一緒に折り畳まれて形成されている。
【００２３】
具体的には、生理用ナプキン１０の裏面６Ｂ側に外装シート３が配置され、生理用ナプキン１０の裏面６Ｂの少なくとも一部が、外装シート３の内側面７に固定される。本実施形態においては、生理用ナプキン１０の裏面６Ｂと、外装シート３の内側面７とは、粘着部１４，粘着部１５を介して固定されている。粘着部１４及び粘着部１５によって固定された生理用ナプキン１０と外装シート３とが、生理用ナプキン１０の肌当接面である表面６Ａ側に向かって、折り畳み方向Ｄ１に沿って、一緒に３つ折りされている。粘着部１４，１５を含め、生理用ナプキン１０の詳細な構成については後述する。
【００２４】
外装シート３、及び生理用ナプキン１０のそれぞれにおいて、包装体２が折り畳まれた状態で外側に形成される折り畳み方向Ｄ１の端部を、端部３Ａ、端部１０Ａとし、また、外装シート３、及び生理用ナプキン１０のそれぞれにおいて、包装体２が折り畳まれた状態で内側に形成される折り畳み方向Ｄ１の端部を、端部３Ｂ、端部１０Ｂとした場合、包装体２が折り畳み方向Ｄ１に展開された状態おいて、端部１０Ｂは、端部３Ｂに覆われずに露出するように形成されており、一方、端部１０Ａは、端部３Ａに覆われるように形成されている。
【００２５】
生理用ナプキン１０と外装シート３とが、一緒に折り畳まれ、端部３Ａと、端部３Ｂとが重なることにより、重複領域２１が形成されている。
【００２６】
包装体２には、開封用切り離し線部８が、生理用ナプキン１０の裏面６Ｂと、外装シート３の内側面７とが固定されている粘着部１４，１５とは異なる位置に形成されている。本実施形態では、開封用切り離し線部８は、連続方向Ｄ２に沿って、重複領域２１にミシン目加工されることによって形成されている。
【００２７】
重複領域２１の一部には、端部３Ａと、端部３Ｂとが接合される接合領域２２が形成されている。接合領域２２は、折り畳み方向Ｄ１において、端部３Ａの最も外側の外端３Ａ１より内側に形成されている。接合領域２２は、熱シール融着、噛み込みエンボス、粘着材、接着テープなどで接着されることにより形成される。また、接合領域２２において、再締結可能な感圧型ホットメルトやリードテープによる接着方法を使用すると、使用後の生理用ナプキン１０を廃棄するときに、その中身が見えないように外装シート３で再包装することができるのでより好ましい。
【００２８】
包装体２における連続方向Ｄ２の両端部は、前述したシール加工部５である。シール加工部５において、外装シート３は接着されているため、包装体２は密封された衛生的な状態となっている。
【００２９】
図４は、開封用切り離し線部８が切り離された状態の包装体２を示す斜視図である。
【００３０】
図４に示すように、着用者は、生理用ナプキン１０を使用する際に、まず包装体２の開封用切り離し線部８を破り、折り畳み方向Ｄ１両側に展開する。着用者によって展開された包装体２は、図５の状態となる。なお、図５は、本実施形態に係る包装体２の説明上、生理用ナプキン１０の端部１０Ａ側が、生理用ナプキン１０の表面６Ａ側に向かって折り曲げられている。
【００３１】
図５は、折り畳み方向に展開された包装体２を示す斜視図である。図６は、図５のＢ−Ｂ線に沿った包装体２の断面図である。
【００３２】
図５及び図６に示すように、本実施形態においては、包装体２を、生理用ナプキン１０の表面６Ａを上側にして折り畳み方向Ｄ１両側に展開した場合、上から生理用ナプキン１０、離型紙１６、外装シート３という順番で構成されている。
【００３３】
本実施形態における生理用ナプキン１０は、肌当接面である表面６Ａ側に形成されている液透過性の表面シート１１と、衣服当接面である裏面６Ｂ側に形成されている液不透過性の裏面シート１２と、さらに表面シート１１と裏面シート１２との間に液保持性である吸収体１３とから形成されている。
【００３４】
なお、本実施形態における生理用ナプキン１０は、公知技術によって製造されるものである。
【００３５】
本実施形態では、裏面シート１２の裏面６Ｂ側には生理用ナプキン１０を衣類などに固定するための裏面粘着部１７が形成されている。
【００３６】
裏面粘着部１７に用いられる資材としては、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体（ＳＢＳ）などの合成ゴムを主体とした感圧型接着剤や、ＥＶＡなどの合成ゴムを主体とした感熱型接着剤、またはメカニカルファスナーやスチレン系の滑り止め剤などが挙げられる。
【００３７】
本実施形態では、裏面シート１２と、外装シート３との間には、離型紙１６が設けられている。離型紙１６は、裏面シート１２の裏面粘着部１７を保護する目的で設けられている。離型紙１６は、裏面粘着部１７を介して、裏面シート１２と引き剥がし可能に固定されている。
【００３８】
また、離型紙１６は、粘着部１４と、粘着部１５とを介して外装シート３に固定されている。熱シール融着、噛み込みエンボス、粘着材、接着テープなどで接着されることにより、粘着部１４，粘着部１５は形成されている。
【００３９】
つまり、着用者が、生理用ナプキン１０を外装シート３から引き剥がす前においては、生理用ナプキン１０と、離型紙１６と、外装シート３とは、各粘着部によって固定された状態を保っている。
【００４０】
（３）吸収性物品の連続包装体の製造方法
次に、本実施形態に係る連続包装体１の製造方法について説明する。ここでは、特に、連続包装体１の製造方法を主に説明する。なお、生理用ナプキン１０、離型紙１６、外装シート３など、他の部分は、公知の製造方法に従って製造し得る。
【００４１】
図７，８は、連続包装体１の製造工程を模式的に示す。図７，８に示すように、連続包装体１の製造工程には、吸収性物品載置工程Ｓ１０と、第１折り工程Ｓ２０と、第２折り工程Ｓ３０と、外装シート接合工程Ｓ４０と、シール加工工程Ｓ５０と、切り取り線部加工工程Ｓ６０とが含まれる。
【００４２】
吸収性物品載置工程Ｓ１０では、搬送方向ＭＤに沿って連続し、予め開封用切り離し線部８（不図示）が形成された外装シート３上に、離型紙１６と接合されている生理用ナプキン１０が、搬送方向ＭＤに沿って所定間隔を空けて固定される。
【００４３】
第１折り工程Ｓ２０では、外装シート３と、生理用ナプキン１０とは、それぞれ端部３Ｂ側、及び端部１０Ｂ側から持ち上げられ、外装シート３の折り畳み方向Ｄ１の中心線ＣＬへ向かって、一緒に折り畳まれる。
【００４４】
第２折り工程Ｓ３０では、外装シート３と、生理用ナプキン１０とは、それぞれ端部３Ａ側、及び端部１０Ａ側から持ち上げられ、外装シート３の折り畳み方向Ｄ１の中心線ＣＬへ向かって、一緒に折り畳まれる。本工程により、連続した包装体２には重複領域２１（不図示）が形成される。
【００４５】
外装シート接合工程Ｓ４０では、端部３Ｂと、端部３Ａとが折り重なって形成された重複領域２１において、接合領域２２が熱シール融着などの加工により接合される。
【００４６】
シール加工工程Ｓ５０では、生理用ナプキン１０を一つづつに分ける接着処理がなされ、シール加工部５が形成される。本工程により、生理用ナプキン１０を一つづつ包装する包装体２が形成される。
【００４７】
切り取り線部加工工程Ｓ６０では、シール加工部５にミシン目加工がなされる。本工程により、包装体２を一つづつに切り離せる切り取り線部４が形成される。上述した工程Ｓ１０〜Ｓ６０が実行されることによって、連続包装体１が完成する。
【００４８】
上述したように、本実施形態の連続包装体１によれば、生理用ナプキン１０が包装された包装体２が連続し、当該包装体２毎に切り離し可能な場合において、切り離し時における生理用ナプキン１０の落下を抑制することが可能となる。
【００４９】
また、本実施形態の包装体２においては、生理用ナプキン１０の少なくとも一部が、外装シート３に固定されている。従って、切り離し時における生理用ナプキン１０の露出や落下を防ぐことができる。また、生理用ナプキン１０は、輸送中や、吊り下げられて販売されるような不安定な状態でも、外装シート３に固定されていることにより、包装体２の中で揺れ動いたりすることがない。従って、生理用ナプキン１０が変形するのを抑制でき、結果として安定した形状を保つことができる。
【００５０】
また、本実施形態の生理用ナプキン１０と外装シート３とは、生理用ナプキン１０の裏面６Ｂと、外装シート３の内側面７とが対向した状態で、一緒に折り畳まれている。従って、着用者にとって、生理用ナプキン１０を取り出す際の手間がかからない。また、連続包装体１を製造するための資材を抑えることができる。その結果、コストを削減することができ、また、製造方法も容易になる。さらに、使用後の廃棄物としても、その量を削減することができる。
【００５１】
また、本実施形態における包装体２の重複領域２１には、ミシン目加工された開封用切り離し線部８が、連続方向Ｄ２に沿って形成されている。従って、着用者によって連続包装体１から包装体２が切り離される時にかかる力の方向と、着用者によって包装体２の開封用切り離し線部８が破かれるときにかかる力の方向とが大きく異なる。そのため、切り離し時において、包装体２が誤って開封されることを抑制できる。さらに、開封時において、着用者は、開封用切り離し線部８を破いた後、持ち換えることなく、そのまま折り畳み方向Ｄ１両側に引くだけで、包装体２を展開することができる。
【００５２】
また、本実施形態における開封用切り離し線部８は、生理用ナプキン１０の裏面６Ｂと外装シート３の内側面７とが固定されている粘着部１４，１５とは異なる位置に形成されている。従って、着用者は開封用切り離し線部８を破いた際に、包装体２を折り畳み方向Ｄ１両側に展開でき、確実に生理用ナプキン１０を外装シート３から引き剥がすことができる。
【００５３】
また、本実施形態の生理用ナプキン１０の端部１０Ｂは、折り畳まれた包装体２を展開した状態において、外装シート３の端部３Ｂに覆われずに露出するように形成されている。従って、着用者が包装体２を折り畳み方向Ｄ１両側に展開した後、一方の手で生理用ナプキン１０をつかむことが容易になる。従って、外装シート３から生理用ナプキン１０を容易に引き剥がすことができ、結果として、衣類等へスムーズに装着させることが可能となる。
【００５４】
（５）その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【００５５】
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。
【００５６】
外装シートによって包装される吸収性物品は、４つ折りでも、それ以上でも構わない。使い易さや、コスト等を考慮して適宜決定すればよく、３つ折りに限定されるものではない。
【００５７】
また、接合領域における開封用切り離し線部、並びにシール加工部における切り取り線部についても、ミシン目加工に限定されるものではない。包装状態における密着性や強度、切り離し易さ等を考慮して適宜決定すればよい。
【００５８】
また、本発明の実施形態では、外装シートと、吸収性物品とを一緒に折り畳む場合を説明した。しかし、外装シートと、吸収性物品とは、一緒に折り畳まれなくてもよい。
例えば、吸収性物品が折り畳まれて、別の包装用シートに包まれた状態であっても、その吸収性物品を包む包装用シートの一部が外装シートの内側面に固定されていればよい。その場合でも、包装体切り離し時における吸収性物品の落下や、包装体内部での吸収性物品の変形を抑制できる。
【００５９】
また、本発明の吸収性物品は、生理用ナプキン以外に、パンティライナー（おりものシート）、失禁パッド等であってもよい。
【００６０】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【００６１】
１…吸収性物品の連続包装体、２…包装体、３…外装シート、３Ａ，３Ｂ…端部、３Ａ１…外端、４…切り取り線部、５…シート加工部、６Ａ…表面、６Ｂ…裏面、７…内側面、８…開封用切り離し線部、１０…吸収性物品、１０Ａ，１０Ｂ…端部、１１…表面シート、１２…裏面シート、１３…吸収体、１４，１５…粘着部、１６…離型紙、１７…裏面シート粘着部、２１…重複領域、２２…接合領域、ＣＬ…中心線、Ｄ１…折り畳み方向、Ｄ２…連続方向、ＭＤ…製造方向、Ｓ１０，Ｓ２０，Ｓ３０，Ｓ４０，Ｓ５０，Ｓ６０…製造工程
【技術分野】
【０００１】
本発明は、吸収性物品を包装した包装体が複数連続し、包装体毎に切り離し可能な吸収性物品の連続包装体に関する。
【背景技術】
【０００２】
生理用ナプキンなどの吸収性物品は、樹脂フィルムなどの外装シートを用いて形成された包装パッケージに一定の数量装填された形態で販売することが一般的である。
【０００３】
また、吸収性物品を一つづつ個別に包装した包装体が縦方向に連続した連続包装体の形態で販売することも、開発途上国や新興国を中心として広く行われている。このような販売形態によれば、需要者は、包装体を切り離すことによって必要な数の吸収性物品のみを購入できる。また、縦方向に連続した複数の包装体は、店舗内の適当な場所に引っ掛けて販売できるため、店舗スペースが狭い場合に都合がよい。
【０００４】
このような吸収性物品の連続包装体において、一つの包装体を切り離すと、吸収性物品を包装している外装シートに形成されたミシン目に沿って外装シートが一緒に破断して包装体が開封される構造が知られている（特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】国際公開第０２／０９４６７８号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上述した従来の連続包装体の構造には、次のような問題があった。すなわち、一つの包装体を切り離すと、外装シートが一緒に破断して包装体が開封されるため、包装されていた吸収性物品が開封した途端に落下し易い。床や地面などに落下した吸収性物品は、汚れによって不衛生な状態となり、その結果、使用できなくなるという問題があった。また、上述した従来の連続包装体の場合、輸送時の振動などによって包装体内部での吸収性物品の位置がずれてしまい、吸収性物品が変形し易い問題もあった。
【０００７】
そこで、本発明は、吸収性物品が包装された包装体が連続し、当該包装体毎に切り離し可能な場合において、切り離し時における吸収性物品の落下や、包装体内部での吸収性物品の変形を抑制できる吸収性物品の連続包装体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第１の特徴は、吸収性物品（生理用ナプキン１０）が外装シート（外装シート３）によって個別に包装された包装体（包装体２）が複数連続し、包装体に形成された切り取り線部（切り取り線部４）に沿って包装体毎に切り離し可能な吸収性物品の連続包装体（生理用ナプキンの連続包装体１）であって、吸収性物品の少なくとも一部は、外装シートの内側面に固定されることを要旨とする。
【０００９】
本発明の第２の特徴は、本発明の第１の特徴に係り、吸収性物品は、着用者の肌と当接する表面（表面６Ａ）と、着用者の衣類と当接する裏面（裏面６Ｂ）とを有し、吸収性物品の裏面の少なくとも一部は、外装シートの内側面に固定されることを要旨とする。
【００１０】
本発明の第３の特徴は、本発明の第２の特徴に係り、吸収性物品の裏面には、衣類に粘着可能な粘着部（裏面粘着部１７）が形成され、粘着部は、外装シートの内側面（内側面７）に剥離可能に固定されることを要旨とする。
【００１１】
本発明の第４の特徴は、本発明の第３の特徴に係り、包装体は、吸収性物品の裏面と外装シートの内側面とが対向した状態で、包装体が連続する連続方向（連続方向Ｄ２）と直交する方向（折り畳み方向Ｄ１）に沿って、吸収性物品と外装シートとが一緒に折り畳まれることによって形成され、外装シートには、連続方向に沿って開封用切り離し線部（開封用切り離し線部８）が形成され、開封用切り離し線部は、包装体の平面視において、外装シートの内側面と吸収性物品の裏面との固定部分とは異なる位置に形成されることを要旨とする。
【００１２】
本発明の第５の特徴は、本発明の第４の特徴に係り、包装体の折り畳み方向における吸収性物品の一端部は、折り畳まれた包装体を展開した状態において、外装シートに覆われずに露出することを要旨とする。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の特徴によれば、吸収性物品が包装された包装体が連続し、当該包装体毎に切り離し可能な場合において、切り離し時における吸収性物品の落下や、包装体内部での吸収性物品の変形を抑制できる吸収性物品の連続包装体の提供を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】図１は、本発明の実施形態に係る連続包装体１の全体斜視図である。
【図２】図２は、本発明の実施形態に係る包装体２を示す斜視図である。
【図３】図３は、図２のＡ−Ａ線に沿った包装体２の断面図である。
【図４】図４は、本発明の実施形態に係り、開封用切り離し線部８が切り離された状態の包装体２を示す斜視図である。
【図５】図５は、本発明の実施形態に係り、折り畳み方向に展開された包装体２を示す斜視図である。
【図６】図６は、本発明の実施形態に係る図５のＢ−Ｂ線に沿った包装体２の断面図である。
【図７】図７は、本発明の実施形態に係る連続包装体１の製造方法である。
【図８】図８は、本発明の実施形態に係る連続包装体１の製造方法である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
次に、本発明に係る生理用ナプキンの連続包装体１の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【００１６】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【００１７】
（１）生理用ナプキンの連続包装体１（以下、連続包装体１とする）の概略構成
図１は、本実施形態に係る連続包装体１の全体斜視図である。
【００１８】
図１に示すように連続包装体１は、生理用ナプキン１０と、生理用ナプキン１０を包装する外装シート３とによって形成されている。外装シート３は、連続したシート状であり、生理用ナプキン１０を袋状に包装している。外装シート３の材料としては、厚み５〜５０μmのポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、あるいは不織布や紙、およびこれらの複合材料などが挙げられる。さらに、外装シート３の内側が、剥離処理剤などで剥離処理されていると生理用ナプキン１０のズレ止め粘着剤と直接固定できるので好ましい。具体的には、40μmのポリエチレンフィルムの内側に、粘着剤で剥離紙を固定する方法が挙げられる。
【００１９】
連続包装体１には、外装シート３によって包まれた生理用ナプキン１０を一つづつに分けるシール加工部５が形成されている。シール加工部５は、熱シール融着、噛み込みエンボス、粘着材、接着テープなどで外装シート３が接着されることにより形成される。シール加工部５によって、生理用ナプキン１０を一つづつ包装する包装体２が、複数個形成される。本実施形態では、５つの包装体２が連続していることにより、一つの連続包装体１が形成されている。
【００２０】
また、本実施形態では、シール加工部５において、ミシン目加工が施されている切り取り線部４が形成されており、生理用ナプキン１０の必要数に応じて、連続包装体１から包装体２を切り離すことができる。連続包装体１から切り離された包装体２は、図２の状態になる。
【００２１】
（２）包装体の構成
図２は、連続包装体１から切り離された包装体２を示す斜視図である。図３は、図２のＡ−Ａ線に沿った包装体２の断面図である。
【００２２】
図２、及び図３に示すように、包装体２は、生理用ナプキン１０の衣服当接面である裏面６Ｂと、外装シート３の内側面７とが対向した状態で一緒に折り畳まれて形成されている。
【００２３】
具体的には、生理用ナプキン１０の裏面６Ｂ側に外装シート３が配置され、生理用ナプキン１０の裏面６Ｂの少なくとも一部が、外装シート３の内側面７に固定される。本実施形態においては、生理用ナプキン１０の裏面６Ｂと、外装シート３の内側面７とは、粘着部１４，粘着部１５を介して固定されている。粘着部１４及び粘着部１５によって固定された生理用ナプキン１０と外装シート３とが、生理用ナプキン１０の肌当接面である表面６Ａ側に向かって、折り畳み方向Ｄ１に沿って、一緒に３つ折りされている。粘着部１４，１５を含め、生理用ナプキン１０の詳細な構成については後述する。
【００２４】
外装シート３、及び生理用ナプキン１０のそれぞれにおいて、包装体２が折り畳まれた状態で外側に形成される折り畳み方向Ｄ１の端部を、端部３Ａ、端部１０Ａとし、また、外装シート３、及び生理用ナプキン１０のそれぞれにおいて、包装体２が折り畳まれた状態で内側に形成される折り畳み方向Ｄ１の端部を、端部３Ｂ、端部１０Ｂとした場合、包装体２が折り畳み方向Ｄ１に展開された状態おいて、端部１０Ｂは、端部３Ｂに覆われずに露出するように形成されており、一方、端部１０Ａは、端部３Ａに覆われるように形成されている。
【００２５】
生理用ナプキン１０と外装シート３とが、一緒に折り畳まれ、端部３Ａと、端部３Ｂとが重なることにより、重複領域２１が形成されている。
【００２６】
包装体２には、開封用切り離し線部８が、生理用ナプキン１０の裏面６Ｂと、外装シート３の内側面７とが固定されている粘着部１４，１５とは異なる位置に形成されている。本実施形態では、開封用切り離し線部８は、連続方向Ｄ２に沿って、重複領域２１にミシン目加工されることによって形成されている。
【００２７】
重複領域２１の一部には、端部３Ａと、端部３Ｂとが接合される接合領域２２が形成されている。接合領域２２は、折り畳み方向Ｄ１において、端部３Ａの最も外側の外端３Ａ１より内側に形成されている。接合領域２２は、熱シール融着、噛み込みエンボス、粘着材、接着テープなどで接着されることにより形成される。また、接合領域２２において、再締結可能な感圧型ホットメルトやリードテープによる接着方法を使用すると、使用後の生理用ナプキン１０を廃棄するときに、その中身が見えないように外装シート３で再包装することができるのでより好ましい。
【００２８】
包装体２における連続方向Ｄ２の両端部は、前述したシール加工部５である。シール加工部５において、外装シート３は接着されているため、包装体２は密封された衛生的な状態となっている。
【００２９】
図４は、開封用切り離し線部８が切り離された状態の包装体２を示す斜視図である。
【００３０】
図４に示すように、着用者は、生理用ナプキン１０を使用する際に、まず包装体２の開封用切り離し線部８を破り、折り畳み方向Ｄ１両側に展開する。着用者によって展開された包装体２は、図５の状態となる。なお、図５は、本実施形態に係る包装体２の説明上、生理用ナプキン１０の端部１０Ａ側が、生理用ナプキン１０の表面６Ａ側に向かって折り曲げられている。
【００３１】
図５は、折り畳み方向に展開された包装体２を示す斜視図である。図６は、図５のＢ−Ｂ線に沿った包装体２の断面図である。
【００３２】
図５及び図６に示すように、本実施形態においては、包装体２を、生理用ナプキン１０の表面６Ａを上側にして折り畳み方向Ｄ１両側に展開した場合、上から生理用ナプキン１０、離型紙１６、外装シート３という順番で構成されている。
【００３３】
本実施形態における生理用ナプキン１０は、肌当接面である表面６Ａ側に形成されている液透過性の表面シート１１と、衣服当接面である裏面６Ｂ側に形成されている液不透過性の裏面シート１２と、さらに表面シート１１と裏面シート１２との間に液保持性である吸収体１３とから形成されている。
【００３４】
なお、本実施形態における生理用ナプキン１０は、公知技術によって製造されるものである。
【００３５】
本実施形態では、裏面シート１２の裏面６Ｂ側には生理用ナプキン１０を衣類などに固定するための裏面粘着部１７が形成されている。
【００３６】
裏面粘着部１７に用いられる資材としては、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体（ＳＢＳ）などの合成ゴムを主体とした感圧型接着剤や、ＥＶＡなどの合成ゴムを主体とした感熱型接着剤、またはメカニカルファスナーやスチレン系の滑り止め剤などが挙げられる。
【００３７】
本実施形態では、裏面シート１２と、外装シート３との間には、離型紙１６が設けられている。離型紙１６は、裏面シート１２の裏面粘着部１７を保護する目的で設けられている。離型紙１６は、裏面粘着部１７を介して、裏面シート１２と引き剥がし可能に固定されている。
【００３８】
また、離型紙１６は、粘着部１４と、粘着部１５とを介して外装シート３に固定されている。熱シール融着、噛み込みエンボス、粘着材、接着テープなどで接着されることにより、粘着部１４，粘着部１５は形成されている。
【００３９】
つまり、着用者が、生理用ナプキン１０を外装シート３から引き剥がす前においては、生理用ナプキン１０と、離型紙１６と、外装シート３とは、各粘着部によって固定された状態を保っている。
【００４０】
（３）吸収性物品の連続包装体の製造方法
次に、本実施形態に係る連続包装体１の製造方法について説明する。ここでは、特に、連続包装体１の製造方法を主に説明する。なお、生理用ナプキン１０、離型紙１６、外装シート３など、他の部分は、公知の製造方法に従って製造し得る。
【００４１】
図７，８は、連続包装体１の製造工程を模式的に示す。図７，８に示すように、連続包装体１の製造工程には、吸収性物品載置工程Ｓ１０と、第１折り工程Ｓ２０と、第２折り工程Ｓ３０と、外装シート接合工程Ｓ４０と、シール加工工程Ｓ５０と、切り取り線部加工工程Ｓ６０とが含まれる。
【００４２】
吸収性物品載置工程Ｓ１０では、搬送方向ＭＤに沿って連続し、予め開封用切り離し線部８（不図示）が形成された外装シート３上に、離型紙１６と接合されている生理用ナプキン１０が、搬送方向ＭＤに沿って所定間隔を空けて固定される。
【００４３】
第１折り工程Ｓ２０では、外装シート３と、生理用ナプキン１０とは、それぞれ端部３Ｂ側、及び端部１０Ｂ側から持ち上げられ、外装シート３の折り畳み方向Ｄ１の中心線ＣＬへ向かって、一緒に折り畳まれる。
【００４４】
第２折り工程Ｓ３０では、外装シート３と、生理用ナプキン１０とは、それぞれ端部３Ａ側、及び端部１０Ａ側から持ち上げられ、外装シート３の折り畳み方向Ｄ１の中心線ＣＬへ向かって、一緒に折り畳まれる。本工程により、連続した包装体２には重複領域２１（不図示）が形成される。
【００４５】
外装シート接合工程Ｓ４０では、端部３Ｂと、端部３Ａとが折り重なって形成された重複領域２１において、接合領域２２が熱シール融着などの加工により接合される。
【００４６】
シール加工工程Ｓ５０では、生理用ナプキン１０を一つづつに分ける接着処理がなされ、シール加工部５が形成される。本工程により、生理用ナプキン１０を一つづつ包装する包装体２が形成される。
【００４７】
切り取り線部加工工程Ｓ６０では、シール加工部５にミシン目加工がなされる。本工程により、包装体２を一つづつに切り離せる切り取り線部４が形成される。上述した工程Ｓ１０〜Ｓ６０が実行されることによって、連続包装体１が完成する。
【００４８】
上述したように、本実施形態の連続包装体１によれば、生理用ナプキン１０が包装された包装体２が連続し、当該包装体２毎に切り離し可能な場合において、切り離し時における生理用ナプキン１０の落下を抑制することが可能となる。
【００４９】
また、本実施形態の包装体２においては、生理用ナプキン１０の少なくとも一部が、外装シート３に固定されている。従って、切り離し時における生理用ナプキン１０の露出や落下を防ぐことができる。また、生理用ナプキン１０は、輸送中や、吊り下げられて販売されるような不安定な状態でも、外装シート３に固定されていることにより、包装体２の中で揺れ動いたりすることがない。従って、生理用ナプキン１０が変形するのを抑制でき、結果として安定した形状を保つことができる。
【００５０】
また、本実施形態の生理用ナプキン１０と外装シート３とは、生理用ナプキン１０の裏面６Ｂと、外装シート３の内側面７とが対向した状態で、一緒に折り畳まれている。従って、着用者にとって、生理用ナプキン１０を取り出す際の手間がかからない。また、連続包装体１を製造するための資材を抑えることができる。その結果、コストを削減することができ、また、製造方法も容易になる。さらに、使用後の廃棄物としても、その量を削減することができる。
【００５１】
また、本実施形態における包装体２の重複領域２１には、ミシン目加工された開封用切り離し線部８が、連続方向Ｄ２に沿って形成されている。従って、着用者によって連続包装体１から包装体２が切り離される時にかかる力の方向と、着用者によって包装体２の開封用切り離し線部８が破かれるときにかかる力の方向とが大きく異なる。そのため、切り離し時において、包装体２が誤って開封されることを抑制できる。さらに、開封時において、着用者は、開封用切り離し線部８を破いた後、持ち換えることなく、そのまま折り畳み方向Ｄ１両側に引くだけで、包装体２を展開することができる。
【００５２】
また、本実施形態における開封用切り離し線部８は、生理用ナプキン１０の裏面６Ｂと外装シート３の内側面７とが固定されている粘着部１４，１５とは異なる位置に形成されている。従って、着用者は開封用切り離し線部８を破いた際に、包装体２を折り畳み方向Ｄ１両側に展開でき、確実に生理用ナプキン１０を外装シート３から引き剥がすことができる。
【００５３】
また、本実施形態の生理用ナプキン１０の端部１０Ｂは、折り畳まれた包装体２を展開した状態において、外装シート３の端部３Ｂに覆われずに露出するように形成されている。従って、着用者が包装体２を折り畳み方向Ｄ１両側に展開した後、一方の手で生理用ナプキン１０をつかむことが容易になる。従って、外装シート３から生理用ナプキン１０を容易に引き剥がすことができ、結果として、衣類等へスムーズに装着させることが可能となる。
【００５４】
（５）その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【００５５】
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。
【００５６】
外装シートによって包装される吸収性物品は、４つ折りでも、それ以上でも構わない。使い易さや、コスト等を考慮して適宜決定すればよく、３つ折りに限定されるものではない。
【００５７】
また、接合領域における開封用切り離し線部、並びにシール加工部における切り取り線部についても、ミシン目加工に限定されるものではない。包装状態における密着性や強度、切り離し易さ等を考慮して適宜決定すればよい。
【００５８】
また、本発明の実施形態では、外装シートと、吸収性物品とを一緒に折り畳む場合を説明した。しかし、外装シートと、吸収性物品とは、一緒に折り畳まれなくてもよい。
例えば、吸収性物品が折り畳まれて、別の包装用シートに包まれた状態であっても、その吸収性物品を包む包装用シートの一部が外装シートの内側面に固定されていればよい。その場合でも、包装体切り離し時における吸収性物品の落下や、包装体内部での吸収性物品の変形を抑制できる。
【００５９】
また、本発明の吸収性物品は、生理用ナプキン以外に、パンティライナー（おりものシート）、失禁パッド等であってもよい。
【００６０】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【００６１】
１…吸収性物品の連続包装体、２…包装体、３…外装シート、３Ａ，３Ｂ…端部、３Ａ１…外端、４…切り取り線部、５…シート加工部、６Ａ…表面、６Ｂ…裏面、７…内側面、８…開封用切り離し線部、１０…吸収性物品、１０Ａ，１０Ｂ…端部、１１…表面シート、１２…裏面シート、１３…吸収体、１４，１５…粘着部、１６…離型紙、１７…裏面シート粘着部、２１…重複領域、２２…接合領域、ＣＬ…中心線、Ｄ１…折り畳み方向、Ｄ２…連続方向、ＭＤ…製造方向、Ｓ１０，Ｓ２０，Ｓ３０，Ｓ４０，Ｓ５０，Ｓ６０…製造工程
【特許請求の範囲】
【請求項１】
吸収性物品が外装シートによって個別に包装された包装体が複数連続し、前記包装体に形成された切り取り線部に沿って前記包装体毎に切り離し可能な吸収性物品の連続包装体であって、
前記吸収性物品の少なくとも一部は、前記外装シートの内側面に固定される吸収性物品の連続包装体。
【請求項２】
前記吸収性物品は、
着用者の肌と当接する表面と、
前記着用者の衣類と当接する裏面とを有し、
前記吸収性物品の裏面の少なくとも一部は、前記外装シートの内側面に固定される請求項１に記載の吸収性物品の連続包装体。
【請求項３】
前記吸収性物品の裏面には、前記衣類に粘着可能な粘着部が形成され、
前記粘着部は、前記外装シートの内側面に剥離可能に固定される請求項２に記載の吸収性物品の連続包装体。
【請求項４】
前記包装体は、前記吸収性物品の裏面と前記外装シートの内側面とが対向した状態で、前記包装体が連続する連続方向と直交する方向に沿って、前記吸収性物品と前記外装シートとが一緒に折り畳まれることによって形成され、
前記外装シートには、前記連続方向に沿って開封用切り離し線部が形成され、
前記開封用切り離し線部は、前記包装体の平面視において、前記外装シートの内側面と前記吸収性物品の裏面との固定部分とは異なる位置に形成される請求項３に記載の吸収性物品の連続包装体。
【請求項５】
包装体の折り畳み方向における前記吸収性物品の一端部は、折り畳まれた前記包装体を展開した状態において、前記外装シートに覆われずに露出する請求項４に記載の吸収性物品の連続包装体。
【請求項１】
吸収性物品が外装シートによって個別に包装された包装体が複数連続し、前記包装体に形成された切り取り線部に沿って前記包装体毎に切り離し可能な吸収性物品の連続包装体であって、
前記吸収性物品の少なくとも一部は、前記外装シートの内側面に固定される吸収性物品の連続包装体。
【請求項２】
前記吸収性物品は、
着用者の肌と当接する表面と、
前記着用者の衣類と当接する裏面とを有し、
前記吸収性物品の裏面の少なくとも一部は、前記外装シートの内側面に固定される請求項１に記載の吸収性物品の連続包装体。
【請求項３】
前記吸収性物品の裏面には、前記衣類に粘着可能な粘着部が形成され、
前記粘着部は、前記外装シートの内側面に剥離可能に固定される請求項２に記載の吸収性物品の連続包装体。
【請求項４】
前記包装体は、前記吸収性物品の裏面と前記外装シートの内側面とが対向した状態で、前記包装体が連続する連続方向と直交する方向に沿って、前記吸収性物品と前記外装シートとが一緒に折り畳まれることによって形成され、
前記外装シートには、前記連続方向に沿って開封用切り離し線部が形成され、
前記開封用切り離し線部は、前記包装体の平面視において、前記外装シートの内側面と前記吸収性物品の裏面との固定部分とは異なる位置に形成される請求項３に記載の吸収性物品の連続包装体。
【請求項５】
包装体の折り畳み方向における前記吸収性物品の一端部は、折り畳まれた前記包装体を展開した状態において、前記外装シートに覆われずに露出する請求項４に記載の吸収性物品の連続包装体。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２０１１−１４０３４４（Ｐ２０１１−１４０３４４Ａ）
【公開日】平成２３年７月２１日（２０１１．７．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−３４２９（Ｐ２０１０−３４２９）
【出願日】平成２２年１月８日（２０１０．１．８）
【出願人】（０００１１５１０８）ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年７月２１日（２０１１．７．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１月８日（２０１０．１．８）
【出願人】（０００１１５１０８）ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Ｆターム（参考）】
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