説明

吸収性物品

【課題】柔軟性を向上させて装着感を向上できるとともに、デザイン性にも優れる吸収性物品を提供する。
【解決手段】縦長状の吸収性物品は、少なくとも一部が液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、表面シートと裏面シートとの間に配置される液保持性の吸収体と、吸収体の両側に配置され少なくとも一部が表面シートを覆うように配置される2つのサイドシートと、この2つのサイドシートそれぞれに沿って形成される複数の圧縮部を有するエンボス部とを備える。エンボス部は、長手方向端部の前縁側及び後縁側に形成される第1エンボス部と、長手方向における中央部に形成される第2エンボス部とを有する。それぞれのエンボス部を構成する圧縮部は規則的に配列されており、かつ、両エンボス部の圧縮部は互いに関連性のある図柄形状及び/又は文字形状の組み合わせである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吸収性物品に関し、さらに詳しくは、外観上、着用者に与える心理的な違和感がなく、かつ、装着感を向上できる吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、体液等の排泄物を吸収させるための吸収性物品として、例えば、生理用ナプキン、パンティライナー、尿取りパッド等が使用されている。これらの吸収性物品は、体液等を吸収し保持する吸収体と、この吸収体の肌当接面側の表面を覆う液透過性の表面シートと、吸収体の着衣側に該当する非肌当接面側の裏面を覆う液不透過性の裏面シートと、を有する。
【0003】
生理用ナプキンのように下着のクロッチ布に固定して使用する吸収性物品は、着用者の動き、中でも足の動きによって変形が生じやすい。この変形よる横漏れを防止するために、吸収体の側縁部にサイドシートが設けられる吸収性物品がある。このサイドシートは、表面や裏面シートに積層配置された状態で、ヒートシールや熱エンボス等の接合手段により接合されている。
【0004】
これに関連して、上述したシートや吸収体を接合する接合部分が吸収性物品のMD方向(長手方向)に連続的に設けられ、該接合部の幅が細い部分と太い部分を有する生理用ナプキンが開示されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかし、特許文献1に開示の生理用ナプキンは、接合部がMD方向に直線状に連続的に形成されている。このため、身体の湾曲に沿って生理用ナプキンが折れ曲がるための折れ起点が存在せず、不規則に折れ曲がることがある。これにより、生理用ナプキンと身体との隙間が増えて、経血等の排泄物の漏れが生じる場合があった。また、接合部の幅が太い部分では、剥離強度が向上すると、剛直性も増すため、生理用ナプキンが身体の湾曲に沿って変形しにくくなる場合があった。そしてさらに、接合部が直線的で無機質であるため、外観上、着用者に与える心理的な違和感がある。
【0006】
これに対し、接合部が剛直となることを防止するため、サイドシートに曲線状の具象エンボスパターンを形成することで、柔軟性を向上させる吸収性物品が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
しかし、やはりエンボスパターンは実質的に長手方向に連続的に設けられているため、より一層柔軟に変形することが求められている。また、特許文献2における具象エンボスパターンは、その配置に規則性がない。このため、全体としての統一感に欠け、やはり、外観上、着用者に与える心理的な違和感がある。
【0008】
【特許文献1】特開2003−243834号公報
【特許文献2】特開2005−323904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、着用者に与える心理的な違和感を考慮した場合には、デザイン性を有するエンボスパターンを用いることが必要とされるのであるが、エンボスパターンの付与はそもそも剛直性を増してしまうので、折れ曲がり性や表面の装着感という点では逆に機能の低下を招くことになりやすい。このため、従来の吸収性物品においては、着用者に与える心理的な違和感を改善できるようなデザイン性を有するとともに、折れ曲がり性や表面の装着感にも優れるエンボスパターンの付与は行うことができなかった。
【0010】
本発明は、上記のエンボス部に関し、全体としてデザイン上の統一感を有し、着用者に外観上心理的な違和感を生じさせず、むしろ積極的な着用を促すようなデザイン性と、折れ曲がり性や防漏性の維持という機能性を両立できる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
具体的には、本発明は以下のような吸収性物品を提供する。
【0012】
(1) 少なくとも一部が液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される液保持性の吸収体と、前記吸収体の両側に配置され少なくとも一部が前記表面シートを覆うように配置される2つのサイドシートと、前記2つのサイドシートそれぞれに沿って形成される複数の圧縮部を有するエンボス部と、を備える縦長状の吸収性物品であって、前記複数の圧縮部は、それぞれが互いに離間しており、前記エンボス部は、該吸収性物品の長手方向における端部である前縁側及び後縁側に形成され複数の第1圧縮部より構成される第1エンボス部と、前記長手方向における中央部に形成され複数の第2圧縮部より構成される第2エンボス部と、を有し、前記第1エンボス部は、前記第2エンボス部よりも前記長手方向に直交する幅方向に広く、前記第1圧縮部と前記第2圧縮部とが、互いに関連性のある図柄形状及び/又は文字形状の組合せであり、前記第1圧縮部の配列と前記第2圧縮部の配列は、それぞれ規則的な配列である吸収性物品。
【0013】
本発明によれば、第1圧縮部と前記第2圧縮部とを、互いに関連性のある図柄形状及び/又は文字形状の組合せとし、かつ、規則的な配列とすることで、着用者が外観上心理的な違和感を生じることがなく、安心して吸収性物品を使用できる。と同時に、第1エンボス部を第2エンボス部よりも幅方向に広くし、複数の圧縮部を離間配置することで、吸収性物品の中央部の吸収面積を広くでき、折れ曲がり性や表面の装着感にも優れる。
【0014】
通常デザイン性を重視した場合、特許文献2のように、中央部の第2エンボス部にも幅広いエンボス部を設けることになる。しかし、上記のように折れ曲がり性や表面の装着感等の機能面を考慮すると、第2エンボス部の幅は狭く、第2圧縮部は離間していることが好ましい。本発明はこの矛盾を解決したものであり、第1圧縮部と第2圧縮部とで図柄形状及び/又は文字形状を変え、かつ、互いに関連性のあるものとすることで、上記のデザイン性と機能性を両立したものである。
【0015】
より具体的に述べれば、第2圧縮部の図柄形状及び/又は文字形状として、第1圧縮部より単純化、簡略化したもの(幅狭としても、そのデザイン性と第1圧縮部との統一感を失わないもの)を選択することにより、全体としてデザイン上の統一感を維持できるという点に本発明の特徴がある。また、このようにすることで、第2圧縮部のエンボス加工も容易に行うことができるという技術的な特徴がある。狭幅のエンボス加工においては、その形状を複雑にすると加工が困難になるとともに、繊維等がエンボス部に詰まりやすくなるが、本発明によれば、第2圧縮部は単純化、簡略化されているのでエンボス加工性が低下することがない。
【0016】
なお、本発明における図柄形状及び/又は文字形状とは、互いに関連性のある図柄同士、文字同士、図柄と文字の組合せ、のいずれでもよく、図柄とは絵柄、模様、色彩を含むものである。
【0017】
また、本発明における第1圧縮部又は第2圧縮部は、それぞれ1又は2種類以上の圧縮部で構成されていてもよい。
【0018】
(2) 前記第2圧縮部を構成する図柄形状及び/又は文字形状は、前記長手方向に伸びる縦長形状である(1)記載の吸収性物品。
【0019】
この態様によれば、エンボス部によってサイドシートと表面シートとを圧着する際に安定した強度を得ることができる。この場合の縦長形状の図柄形状及び/又は文字形状とは、例えば三日月形やI文字のように本質的に縦長形状のものに限定されず、本質的には縦長でないものをデザイン的に縦長に伸ばしたものも含まれる。
【0020】
(3) 前記第1圧縮部を構成する図柄形状及び/又は文字形状は、さらに複数の圧縮部片によって構成される(1)又は(2)に記載の吸収性物品。
【0021】
この態様によれば、デザイン的な自由度を増してデザイン性を高めるという視覚的効果とともに、エンボス部を分散させることによって剛性を低下させ、柔軟性を維持できるという技術的な効果が同時に得られる。なお、複数の圧縮部片によって構成される図柄形状及び/又は文字形状とは、例えば複数の花弁(圧縮部片)によって構成される花(図柄形状)が挙げられる。
【0022】
(4) 前記第2圧縮部の繰り返し単位を構成する図柄形状及び/又は文字形状の面積に対する、前記第1圧縮部の繰り返し単位を構成する図柄形状及び/又は文字形状の面積の割合が、1.5倍から5倍の範囲内である(1)から(3)のいずれかに記載の吸収性物品。
【0023】
この態様によれば、上記のデザイン性を発揮しつつ、折れ曲がり性等の装着感も損なわない。ここで、圧縮部の繰り返し単位を構成する図柄形状及び/又は文字形状の面積とは、各圧縮部が複数種類の圧縮部によって構成される場合や、上記の圧縮部片によって構成される場合には、規則的な繰り返し単位の合計面積で表される。
【0024】
(5) 前記第1圧縮部の深さに比べて、前記第2圧縮部の深さが大きい(1)から(4)のいずれかに記載の吸収性物品。
【0025】
第1エンボス部と第2エンボス部を同時にエンボス加工する場合、個別の圧縮部にかかる圧力はその面積に依存するので、圧縮部の面積が少ない中央部の方が、圧縮部の面積が大きい前方部や後方部よりもエンボス圧が高くなる。その結果、圧縮深さで言えば、第2圧縮部のほうが、第1圧縮部に比べて圧縮深さが大きい。これにより3次元的な視覚効果が得られ、狭幅の第2エンボス部の深さが増すことで、デザイン的な強調が図られるという優れた効果が得られる。と同時に、上記(2)と同様、第2エンボス部によってサイドシートと表面シートとを圧着する際に、狭い幅の第2エンボス部であっても安定した強度を得ることができるという技術的な効果も得られる。なお、第1圧縮部の深さは0.1mmから2.0mmが好ましく、第2圧縮部の深さは0.3mmから3.0mmが好ましい。
【0026】
(6) 少なくとも前記第2圧縮部のそれぞれは、前記幅方向からみて、互いに隣り合う圧縮部と重複する領域を有する(1)から(5)のいずれかに記載の吸収性物品。
【0027】
この態様によれば、表面シートとサイドシートとの接合の強度を維持することができる一方で、圧縮部が非連続的に存在するので、柔軟性を損なうことがない。すなわち、強度の維持と柔軟性の維持の両立を図ることができる。
【0028】
(7) 前記第2エンボス部の前記幅方向における内側縁は、前記第1エンボス部の前記幅方向における内側縁よりも前記幅方向において外側に形成される(1)から(6)のいずれかに記載の吸収性物品。
【0029】
この態様によれば、第2エンボス部の設けられる中央部の吸収可能な部分の面積が、第1エンボス部の設けられる前方部及び後方部よりも広くなる。よって中央部において吸収可能な部分を広げることができる。
【0030】
(8) 前記互いに関連性のある図柄形状の組合せが、観念上の統一をもたらす組合せである(1)から(7)のいずれかに記載の吸収性物品。
【0031】
(9) 前記互いに関連性のある図柄形状の組合せが、下記(A)から(D)のいずれかより選択される1つである(1)から(8)のいずれかに記載の吸収性物品。
(A)花、花弁、葉より選択される2種以上の組合せ
(B)星、太陽、月、より選択される2種以上の組合せ
(C)音価の異なる音符の組合せ
(D)鳥と羽との組合せ
【0032】
(8)、(9)の態様は、互いに関連性のある図柄形状及び/又は文字形状の組合せをより具体的に示したものである。花、花弁、葉より選択される2種以上の組合せとしては、第1圧縮部が花で、第2圧縮部が花弁又は葉である組合せが挙げられる。星、太陽、月、より選択される2種以上の組合せとしては、第1圧縮部が星又は太陽で、第2圧縮部が三日月である組合せが挙げられる。音価の異なる音符の組合せとしては、第1圧縮部が8部音符で、第2圧縮部が4部音符である組合せが挙げられる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、全体としてデザイン上の統一感を有し、着用者に外観上心理的な違和感を生じさせずにリラックス感を与えつつ、折れ曲がり性や防漏性の維持という機能性をも両立できる吸収性物品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施形態は、下記の実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲は、これに限定されるものではない。
【0035】
また、本発明に係る吸収性物品は、身体から排泄される経血、尿、おりもの等を吸収することを目的として身体の股間部に着用されるものであるが、以下の実施形態では、女性の膣口から排泄される経血を吸収することを主な目的とする生理用ナプキンを例として説明する。また、吸収性物品の2つの表面のうち排泄部に向けられる一方側を肌当接面とし、反対側の他方側を着衣が着用されるか否かに拘らず非肌当接面とする。
【0036】
図1は、本発明の第1実施形態に係る生理用ナプキンの平面図である。図2は、図1のX−Xにおける断面図である。図3は、第1実施形態に係る生理用ナプキンの第1エンボス部付近の部分拡大図である。図4は、第1実施形態に係る生理用ナプキンの第2エンボス部の部分拡大図である。図5は、第2実施形態に係る生理用ナプキンの平面図である。
【0037】
[1]第1実施形態
本発明の第1実施形態である生理用ナプキン1を用いて、本発明の吸収性物品の全体構造について説明する。
【0038】
[1.1]全般
図1に示すように、生理用ナプキン1は、縦長状に形成されている。生理用ナプキン1の前縁51及び後縁52が、長手方向の外方に凸状に湾曲する曲線形状である。本明細書において、生理用ナプキン1が着用された場合に着用者の腹側に配置される端部を前縁51、背側に配置される端部を後縁52とする。生理用ナプキン1の腹側に位置する部分を前方部A、背側に位置する部分を後方部Cと言い、着用者の排泄部に対向する股繰りに位置する部分を中央部Bと言う。生理用ナプキン1の長手方向における長さは、例えば、100mmから500mm、好ましくは150mmから350mmを例示できる。幅方向における長さは、例えば、30〜200mmが好ましく、40〜180mmであることが好ましい。
【0039】
図2に示すように、生理用ナプキン1は、液保持性の吸収体4と、吸収体4の厚さ方向における一方側である肌当接面側に配置される液透過性の表面シート2と、吸収体4の厚さ方向における他方側である非肌当接面側に配置される液不透過性の裏面シート3と、を備える。吸収体4と表面シート2との間には、中間シート5等の液透過性の部材が配置される。さらに、生理用ナプキン1は、吸収体4の長手方向の両側部に配置される2つのサイドシートを備える。サイドシート6a、6bの少なくとも一部は、表面シート2を覆うように配置される。なお、これらの部材は従来公知のものが適宜使用でき特に限定されない。
【0040】
図1に示すように、サイドシート6a、6bは、サイドシート6a、6bの長手方向LDに沿って形成される複数の圧縮部31A、32A、41B、42B、31C、32Cを有するエンボス部20を備える。エンボス部20は、第1エンボス部21と、第2エンボス部24とを含む。第1エンボス部は、生理用ナプキン1の前方部Aに形成される前方エンボス部22と、後方部Cに形成される後方エンボス部23と、からなる。第2エンボス部24は、生理用ナプキンの中央部Bに形成される。
【0041】
前方エンボス部22と、後方エンボス部23とは、第2エンボス部24よりも幅が広い。また、エンボス部20を構成する圧縮部31A、32A、41B、42B、31C、32Cのそれぞれは、互いに離間して非連続的に形成される。
【0042】
生理用ナプキン1は、生理用ナプキン1の幅方向に延在するサイドフラップF1、F2を備える。サイドフラップF1、F2には、その非肌当接面側に粘着部(図示せず)が設けられており、サイドフラップF1、F2を非肌当接面側に折り返し、例えば、下着のクロッチ部の外面に係止させることにより生理用ナプキン1は下着に装着される。また、生理用ナプキン1の幅方向中央領域における裏面シート3の非肌当接面側には、長手方向に延びるように粘着部(図示せず)が設けられており、この粘着部を用いて生理用ナプキン1は着用者の下着のクロッチ部の内面と係止される。
【0043】
排泄部から排泄される経血等の排泄物は、表面シート2を透過して、吸収体4で吸収される。非肌当接面側に配置される裏面シート3は、液不透過性であるため、排泄物は非肌当接面側には透過せず、吸収体4に吸収された状態で保持される。
【0044】
[1.2]表面シート
表面シート2は、着用時に着用者の身体側に配置されるとともに排泄部に当接される。表面シート2は、全面が液透過性であってもよく、一部が液透過性であってもよい。また、一枚のシート部材で構成してもよく、複数のシート部材を接合して構成してもよい。本実施形態においては、表面シート2は、生理用ナプキン1の幅方向における略中央部に液透過領域を備え、幅方向における端部側が液不透過性のサイドシート6a、6bで覆われている。
【0045】
なお、表面シート2と吸収体4との間には、液透過性の部材である中間シート5を適宜配置してよい。中間シート5は、表面シート2を透過した排泄物を吸収体4に透過させるとともに、使用時におけるクッションとしての役割を果たす。中間シート5としては、例えば表面シート2と同様のシート部材等、従来公知のものを用いることができる。
【0046】
[1.3]吸収体
吸収体4は、ティッシュに包まれており、表面シート2及び中間シート5を透過した経血等の排泄物を吸収し、保持する。吸収体4としては、例えば、針葉樹クラフトパルプを粉砕したものに、高吸収ポリマーを10%ブレンドし、ティッシュで包んだものを用いることができる。吸収体4は、例えば、坪量が400g/mのものを用いることができる。また、吸収体4を包含するティッシュとしては、坪量が18g/mのものを用いることができる。なお、本実施形態においては、ティッシュには、肌当接面側に生理用ナプキン1の長手方向に長く延び、生理用ナプキン1の厚さ方向に貫通する複数の開孔が形成されている。
【0047】
[1.4]裏面シート
裏面シート3は、液不透過性のシート部材を用いることにより、吸収体4が保持する排泄物等が着用者の非肌当接面側に漏れるのを防止する。裏面シート3は、例えば、坪量が27g/mの液不透過性のポリエチレンフィルムを用いることができる。
【0048】
[1.5]サイドシート
サイドシート6a、6bは、吸収体4の長手方向の両側縁に沿うように2つ配置され、その少なくとも一部が表面シート2を覆うように配置される。サイドシート6a、6bとしては、例えば、エアスルー不織布やポリプロピレンスパンボンド不織布(PPSB)を用いることができる。サイドシート6a、6bは、その内側縁6c、6dが折り返し端となるように折り返されており、肌当接面側の一端が生理用ナプキン1の外縁53まで延出し、非当接面側の一端が、表面シート2と重なるように配置される。なお、本実施形態においては、表面シート側に折り込んだものを例示しているが、折らずに一枚のまま張り合わせた状態であってもよい。なお、本発明におけるサイドシートは、図2で示すように表面シート側に折りこむ場合は、サイドシートの折りこんだ間に接着剤が塗布されていてもよい。このように接着剤が塗布されていると、サイドシートと表面シートとを同時に熱エンボスした際に、接着剤が表面シート側へ滲み出るため、サイドシートと表面シートとの剥離強度が増すために、着用中に破損してしまうことを防止できる。
【0049】
図2に示すように、中央部Bにおけるサイドシート6a、6bの幅方向内側の縁6c、6dは、表面シート2から離間可能に配置される。サイドシート6a、6bは、少なくともその一部が表面シート2を覆うように吸収体4の両側縁に配置され、表面シート2上に接合される。サイドシート6a、6bと表面シート2との接合は、熱エンボス等の圧縮手段によって圧縮することにより行う。
【0050】
中央部Bのサイドシート6a、6bの幅方向内側縁6c、6dは、表面シート2と離間するように接合されている。このため、サイドシート6a、6bの幅方向内側縁6c、6dは、生理用ナプキン1が着用され、着用者の足の動きによって生理用ナプキン1の中央部Bが変形された場合に、圧縮部30を起点として折れ曲がる。これにより、中央部Bのサイドシート6a、6bが肌当接面側に立ち上がって防漏壁の役割を果たすことができる。
【0051】
また、経血の量が多く、生理用ナプキン1の中央部において表面シートの幅いっぱいに経血が広がった場合でも、サイドシート6a、6bと表面シート2が離間しているため、サイドシート6a、6bに経血がにじむことが防止される。
【0052】
[1.5.1]エンボス部
図1に示すように、エンボス部20は第1エンボス部21と、第2エンボス部24と、を含む。第1エンボス部21は、前方部Aに形成される前方エンボス部22と、後方部Cに形成される後方エンボス部23と、を含む。エンボス部20には、サイドシート6a、6bに沿って形成される、前方部Aには第1圧縮部31A、第1補助圧縮部32Aが交互に配置され、これに続いて、中央部Bには第2圧縮部41B、42Bが交互に配置され、さらに続いて後方部Cには第1圧縮部31C、第1補助圧縮部32Cが交互に配置されている。そして、これらの圧縮部と交互に配置される非圧縮部が形成される。このようにエンボス部20は、圧縮部と非圧縮部が交互に形成されて生理用ナプキンの長手方向に延びる領域である。全体としては直線的に形成されているが、その幅は第1エンボス部21に対して第2エンボス部24が狭く、この実施形態においては、前方エンボス部22と後方エンボス部23の幅は実質的に等しい。そして、エンボス部20において、サイドシート6a、6bと表面シート2とが、圧縮されて接合される。なお、開孔を有する表面シート2を用いる場合は、サイドシート6a、6bと中間シート5がエンボス部により接合される場合もある。
【0053】
図3は、図1の左上における前方エンボス部22付近の拡大図である。図3に示すように、第1エンボス部21としての前方エンボス部22を構成する複数の圧縮部31A、32Aのそれぞれの幅方向(CD方向)における長さW1は、第2エンボス部24を構成する複数の圧縮部41B、42Bのそれぞれの幅方向における長さW2よりも長い。すなわち、図3においてW2<W1となるように形成されている。具体的には、第1エンボス部21の幅方向の寸法は、3.0mmから15mmの範囲が好ましく、より好ましくは5.0mmから10mmの範囲である。第2エンボス部24の幅方向の寸法は、1.0mmから10mmの範囲が好ましく、より好ましくは2.0mmから7.0mmの範囲である。なお、本発明におけるエンボス部の幅とは、構成する複数の圧縮部の最大幅を意味する。具体的には、この実施形態においては、第1圧縮部31Aの幅(図示なし)と、第1補助圧縮部32Aの幅(W3)とで形成される最大幅が第1エンボス部21の幅方向における長さW1をなしている。同様に、第2圧縮部41Bと42Bとで形成される最大幅が第2エンボス部23Aの幅方向における長さW2をなしている。
【0054】
図3に示すように、第2エンボス部24の幅方向における内側縁は、第1エンボス部21としての前方エンボス部22の幅方向における内側縁よりも、幅方向外側に形成される。これにより、第2エンボス部24の形成される中央部Bにおける吸収体の吸収可能な部分の面積が、第1エンボス部21の形成される前方部A及び後方部Cにおける吸収可能な部分の面積よりも広くなる。なお、「内側」とは、生理用ナプキン1の幅方向における中心側であり(図3のISで示される側)、「外側」とは、生理用ナプキン1の側縁側である(図3のOSで示される側)。
【0055】
エンボス部20は、サイドシート6a、6bと表面シート2とを接合し、サイドシート6a、6bの折れ曲がりの起点となる。後述するように、第2エンボス部24においてサイドシート6a、6bが折れ曲がる部分の方が、第1エンボス部21としての前方エンボス部22、後方エンボス部23においてサイドシート6a、6bが折れ曲がる部分よりも幅方向外側で折れ曲がる。サイドシート6a、6bの内側縁6c、6dは、表面シートと離間しているため、着用者の足の動きにより変形する力を受けた場合には、内側縁6c、6dが厚さ方向に立ち上がる。これにより、横漏れが防止される。第2エンボス部24の設けられる中央部Bは、着用者の排泄部が当接する位置であり、第1エンボス部21の設けられる前方部A及び後方部Cよりも多量の経血等の体液を吸収できる。
【0056】
なお、前方エンボス部22と後方エンボス部23の長手方向の寸法は、生理用ナプキンの用途によって適宜変更されてよい。例えば、経血の量が月経期間のうちの平均的な量の場合向けの製品の場合には、エンボス部22と後方エンボス部23の長手方向の寸法に大きな差がなくてもよい。逆に、就寝時、横たわって使用する場合や、月経期間のうち平均よりも多く経血を排出する期間用の製品では、臀部に接する後方エンボス部23の寸法の方が前方エンボス部22の寸法よりも長くてもよい。
【0057】
[1.5.2]圧縮部
第1エンボス部21としての前方エンボス部22における圧縮部及び後方エンボス部23における圧縮部の単位あたりの面積の方が、第2エンボス部24における圧縮部の単位あたりの面積よりも大きい。ここで、圧縮部の単位あたりの面積とは繰り返し単位を構成する図柄形状及び/又は文字形状の全体面積を意味する。具体的には、図3において第1圧縮部の繰り返し単位を構成する図柄形状及び/又は文字形状の面積とは、第1圧縮部31Aと第1補助圧縮部32Aの合計面積Pであり、第2圧縮部の繰り返し単位を構成する図柄形状及び/又は文字形状の面積とは、第2圧縮部41Bと42Bの合計面積Qである。この合計面積Qに対するPの比(P/Q)は、1.5以上5以下であることが好ましく、2以上4以下がより好ましい。比が5を超えると、第1エンボス部の圧縮部の面積が広くなる結果、着用中の違和感が生じるおそれがある。
【0058】
第1圧縮部31A、第1補助圧縮部32A、第2圧縮部41B、42Bのそれぞれの長手方向の寸法は、1.0mmから15mmの範囲が好ましく、より好ましくは1.5mmから7.0mmの範囲である。15mmを超えると圧縮部の剛性によって折れ曲がり難くなり、体に沿い難くなるので好ましくない。また、15mmを超えると、第1エンボス部に幅方向の力がかかって破れが生じた場合に、連続して破れが発生してしまう可能性がある。
【0059】
第1エンボス部21としての前方エンボス部22、後方エンボス部23を構成する圧縮部31A、32A、31C、32Cのそれぞれは、第2エンボス部23を構成する圧縮部41B、42Bのそれぞれよりも低剛性である。これは、図1のエンボス部20を一定圧でエンボス処理する製造方法の場合、個別の圧縮部にかかる圧力はその面積に依存するからである。すなわち、圧縮部の面積が少ない生理用ナプキン1の中央部Bの方が、圧縮部の面積が大きい前方部A、後方部Cよりもエンボス圧が高くなる。その結果、圧縮深さでいえば、中央部Bの圧縮部41B、42Bのほうが、前方部A、後方部Cの圧縮部31A、32A、31C、32Cに比べて圧縮深さが深い(大きい)。
【0060】
エンボス部20の圧縮部のそれぞれはサイドシート6a、6bの長手方向に沿って互いに離間して形成されることから、圧縮部と圧縮部の間には、圧縮されない非圧縮部が形成されている。すなわち圧縮部と非圧縮部が幅方向で一部重複しながら交互に並んでいる。圧縮部の剛性は、非圧縮部の剛性よりも高いため、生理用ナプキン1は、非圧縮部を緩衝領域として柔軟に折れ曲がることができる。
【0061】
第1圧縮部31A、31C及び第1補助圧縮部32A、32Cは、それぞれが圧縮された圧縮部片31aの集合したユニットであってよく、必ずしも連続した面である必要はない。
【0062】
このように、幅の異なる第1圧縮部31A、31Cと第1補助圧縮部32A、32Cとが交互に配置されることで、非圧縮部の面積が広くなるため、より柔軟に曲げることができる。また、第1圧縮部31A、31Cを圧縮部片31aの集合したユニットとすることで、非連続の圧縮部を形成することができ、さらに生理用ナプキン1が長手方向(MD方向)に柔軟に折れ曲がることができる。
【0063】
図4に示すように、第2エンボス部24を構成する複数の圧縮部41Bと42Bそれぞれは、幅方向から見て、互いに隣り合う圧縮部42B、41Bと重複する重複領域S1を有する。この重複領域S1は0.5mm以上7.0mm以下であることが好ましい。また、互いに隣り合う圧縮部41Bと42B同士の距離は、その形状や配置によって適宜選択されるが、その最短距離で規定して0.5mm以上5.0mm以下であることが好ましく、1.0mm以上2.5mm以下であることがより好ましい。
【0064】
上記のように、第2圧縮部の繰り返し単位を構成する合計面積Qは、第1圧縮部の繰り返し単位を構成する合計面積Pよりも少ないが、このような重複領域を有する配置により表面シート2と、サイドシート6a、6bとの接合の強度を維持することができる。その一方で、圧縮部41B、42Bが非連続的に存在するので、柔軟性を損なうことがない。なお、上記の重複領域は、第2エンボス部24のみならず、第1エンボス部21Aにおいても形成されていることが好ましい。具体的には、図3における第1圧縮部31Aと第1補助圧縮部32Aとの間においても重複領域S2が形成されており、上記第2エンボス部24と同様の効果が得られる。
【0065】
圧縮部片31aの集合したユニットは、5枚の花びらを有する花をモチーフとしたパターンの第1圧縮部31A、31Cに形成され、第1補助圧縮部32A、32Cが葉をモチーフとしたパターンに形成されている。一枚の花びらは、略楕円又は涙形状をしている。該楕円又は涙形状の長軸が、放射状に並んで略五角形を形成し、中心に空間を有して花の形状を構成している。葉のモチーフは、略楕円又は涙形状をしており、該楕円又は涙形状の長手方向が、生理用ナプキンの長手方向に実質的に沿うように形成される。パターンは幅の異なる第1圧縮部31A、31Cと第1補助圧縮部32A、32Cとが交互に形成されればこれに限定されず、第1補助圧縮部32A、32Cも他の圧縮部片の集合したユニットとしてもよい。また、本発明においては、それぞれの圧縮部や圧縮部片の1つあたりの断面形状(図2の如き断面方向から見た形状である)は特に限定するものではない。例えば、1つの圧縮部や圧縮部片の全体を圧縮したり、周囲だけを圧縮して内部は非圧縮であってもよい。さらには、集合したユニット、例えば圧縮部片31の5枚の花びらにおいて、それぞれの断面形状が異なっていてもよい。
【0066】
パターンが図1、2に示すような細かな圧縮部片の集合したユニットとなることで、圧縮部片の隙間にある非圧縮部が、生理用ナプキン1が折れ曲がる際の様々な方向へ向かう力を吸収することが可能となる。これにより、さらに柔軟に折れ曲がることが可能になる。
【0067】
また、この実施形態のパターンによれば、葉状に形成された第1補助圧縮部32A、32Cが、サイドシート6a、6bの内縁6c、6d側に形成されている。生理用ナプキンの前方部A及び後方部Cにおけるサイドシート6a、6bは、表面シート2と離間しないように接合されている。このため、着用中の動きにより変形する力を受けても、葉状の第1補助圧縮部32A、32Cによって、サイドシートの内側縁6c、6dが表面シート2から剥がれようとすることを防止することができる。
【0068】
さらに、月経期間の着用者は、体調の不良を感じたり、生理用ナプキン1を交換する際に経血を見て不快に感じたりすることがある。ここでエンボス部20Aが花と葉等のさわやかなイメージを換起するモチーフに形成されていることで、着用者は取替えの際に、新しく美しい生理用ナプキン1Aに取替える安心感を得ることが可能となる。
【0069】
以上述べたように、エンボス部20の圧縮部を非連続的に形成することで、生理用ナプキン1はMD(長手)方向に柔軟に折れ曲がることができる。これは、生理用ナプキン1が身体の湾曲に沿って変形する場合に、高剛性部である圧縮部と、低剛性部である非圧縮部との境界領域が折れ曲がりの起点となり、低剛性部である非圧縮部が緩衝領域となって、エンボス部20に沿って柔軟に変形するからである。特に、生理用ナプキン1が着用された場合、腹側や背側よりも中央部Bの方が足の動きによって変形する力が大きい。このため、第2エンボス部24が滑らかに変形しやすくなることで、身体への違和感も低減することができる。なお、本発明においては、中央部Bの第2圧縮部24のみを非連続的に形成してもよい。
【0070】
一般に、不織布等にエンボス部が連続して配置されていると、エンボス部の繊維密度が高くなる。繊維密度が高い領域で経血等の体液が付着した場合、毛細管現象により血液が拡散しやすくなる。この点、本実施形態ではエンボス部の繊維密度が高い領域が非連続であるため、経血が付着しても毛細管現象により拡散せず、広い面積での拡散を防止することができる。このため、外観からも漏れが生じたという認識を着用者に与えることがない。
【0071】
生理用ナプキン等、下着に装着する吸収性物品は、歩行や、立ち、座りの動作によって変形する力を受ける。中でも臀部に沿う部分は、座る動作で繰り返し圧力を受け、接合を剥離させようとする力を受ける。この力に対抗するため、第1エンボス部21は、第2エンボス部24よりも強く接合することが好ましい。第1エンボス部21の方が第2エンボス部24よりも幅広であり、第1エンボス部21の方が第2エンボス部24よりも単位面積あたりの面積が広い。このため、表面シート2とサイドシート6a、6bとの接合が、第1エンボス部においてより多く強度が確保できる。この結果、着用中の破れを防止することができ、また、破れた部分からの体液の漏れを防止することができる。
【0072】
さらに、第1エンボス部21の単位あたりの面積を、第2エンボス部24の単位あたりの面積よりも広く形成するにあたり、幅W1、W2に差異を設け、第2エンボス部24を第1エンボス部21よりも幅方向外側に形成することで、第2エンボス部24の設けられる中央部Bの吸収可能な部分の面積が、第1エンボス部21の設けられる前方部A及び後方部Cよりも広くなる。
【0073】
[2]第2実施形態
図5は、本発明の第2実施形態に係る生理用ナプキンの平面図である。なお、以下の実施形態において、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様であり、図面に付した番号も第1実施形態と同様である場合は、同じ番号を付している。
【0074】
この生理用ナプキン100では、圧縮部を構成する、互いに関連性のある図柄形状及び/又は文字形状の組合せが異なっている点が第1実施形態と異なっている。すなわち、複数の第1圧縮部310A、320Cが星型形状をなしており、第2圧縮部410Bが長手方向に縦長の三日月形状をなしている。このように、星と月というモチーフを用いて観念的な統一を図ることができる。
【0075】
本発明における互いに関連性のある図柄形状及び/又は文字形状の組合せは、上記第1実施形態やこの第2実施形態のように観念上の統一が図られているものが好ましい。観念上の統一とは、習慣的に統一があると認められるものの他、物語性等で観念的に関連がある印象を与えることにより統一があると認められる場合も含む。より具体的には、花、花弁、葉より選択される2種以上の組合せとしては、第1圧縮部が花で、第2圧縮部が花弁又は葉である組合せ、星、太陽、月、より選択される2種以上の組合せとしては、第1圧縮部が星又は太陽で、第2圧縮部が三日月である組合せ、音価の異なる音符の組合せとしては、第1圧縮部が8部音符で、第2圧縮部が4部音符である組合せ、等が挙げられる。
【0076】
これらの組合せは、いずれも、第1エンボス部が第2エンボス部よりも幅方向に広くなりやすい組合せであり、特に第2エンボス部の第2圧縮部が、花弁や葉、月(三日月)、羽等の場合には、その形状が単純で縦長形状に適していることから、本発明における第2圧縮部として特に好適に用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】第1実施形態に係る生理用ナプキンの平面図である。
【図2】図1のX−Xにおける断面図である。
【図3】第1実施形態に係る生理用ナプキンの第1エンボス部付近の部分拡大図である。
【図4】第1実施形態に係る生理用ナプキンの第2エンボス部の部分拡大図である。
【図5】第2実施形態に係る生理用ナプキンの平面図である。
【符号の説明】
【0078】
1 生理用ナプキン
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 中間シート
6a、6b サイドシート
6c、6d サイドシート内側縁
20 エンボス部
21 第1エンボス部
22 前方エンボス部
23 後方エンボス部
24 第2エンボス部
31A、31C 第1圧縮部
32A、32C 第1補助圧縮部
41B、42B 第2圧縮部
34 重複領域
51 前縁
52 後縁
53 外縁
A 前方部
B 中央部
C 後方部
S1、S2 重複領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される液保持性の吸収体と、前記吸収体の両側に配置され少なくとも一部が前記表面シートを覆うように配置される2つのサイドシートと、前記2つのサイドシートそれぞれに沿って形成される複数の圧縮部を有するエンボス部と、を備える縦長状の吸収性物品であって、
前記複数の圧縮部は、それぞれが互いに離間しており、
前記エンボス部は、該吸収性物品の長手方向における端部である前縁側及び後縁側に形成され複数の第1圧縮部より構成される第1エンボス部と、前記長手方向における中央部に形成され複数の第2圧縮部より構成される第2エンボス部と、を有し、
前記第1エンボス部は、前記第2エンボス部よりも前記長手方向に直交する幅方向に広く、
前記第1圧縮部と前記第2圧縮部とが、互いに関連性のある図柄形状及び/又は文字形状の組み合わせであり、
前記第1圧縮部の配列と前記第2圧縮部の配列は、それぞれ規則的な配列である吸収性物品。
【請求項2】
前記第2圧縮部を構成する図柄形状及び/又は文字形状は、前記長手方向に伸びる縦長形状である請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記第1圧縮部を構成する図柄形状及び/又は文字形状は、更に複数の圧縮部片によって構成される請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記第2圧縮部の繰り返し単位を構成する図柄形状及び/又は文字形状の面積に対する、前記第1圧縮部の繰り返し単位を構成する図柄形状及び/又は文字形状の面積の割合が、1.5倍から5倍の範囲内である請求項1から3のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記第1圧縮部の深さに比べて、前記第2圧縮部の深さが大きい請求項1から4のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項6】
少なくとも前記第2圧縮部のそれぞれは、前記幅方向からみて、互いに隣り合う圧縮部と重複する領域を有する請求項1から5のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記第2エンボス部の前記幅方向における内側縁は、前記第1エンボス部の前記幅方向における内側縁よりも前記幅方向において外側に形成される請求項1から6のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記互いに関連性のある図柄形状の組合せが、観念上の統一をもたらす組み合わせである請求項1から7のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記互いに関連性のある図柄形状の組合せが、下記(A)から(D)のいずれかより選択される1つである請求項1から8のいずれかに記載の吸収性物品。
(A)花、花弁、葉より選択される2種以上の組合せ
(B)星、太陽、月、より選択される2種以上の組合せ
(C)音価の異なる音符の組合せ
(D)鳥と羽との組合せ

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−289622(P2008−289622A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−137243(P2007−137243)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】