説明

吸収性物品

【課題】ムレを生じさせ難い吸収性物品を提供すること。
【解決手段】透液性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートの間に配置される液保持性の吸収体と、を有する吸収性物品であって、前記表面シートは、表面が凹凸形状となるように、凹部と凸部を有し、前記凹部は前記凸部よりも目付が少なく、前記吸収体は、高吸収性樹脂が密集した点在部を有することを特徴とする吸収性物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液を吸収する吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
オムツや生理用ナプキン等の吸収性物品では、使用者の肌と吸収性物品との間に湿気をこもらせてしまうと、ムレにより使用者に不快感を与えてしまう。
そこで、肌と接触する表面シートを凹凸形状に成形し、空気(湿気)の流れ道となり得る隙間を確保した吸収性物品が提案されている。(特許文献1参照)
【特許文献1】特許第3587831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載の表面シートの凹凸形状は、熱エンボス加工などで、繊維集合体(繊維ウェブ)を部分的に熱融着することにより形成されている。そのため、繊維が熱融着している凹部では、凸部に比べて繊維が高密度化してしまっている。
このような吸収性物品では、湿気(液体)が凹部内をスムーズに通過することが出来ず、使用者の肌と吸収性物品との間に湿気がこもり、ムレを生じさせてしまう。
そこで、本発明は、ムレを生じさせ難い吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記のような課題を解決するために、主たる本発明は、透液性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートの間に配置される液保持性の吸収体と、を有する吸収性物品であって、前記表面シートは、表面が凹凸形状となるように、凹部と凸部を有し、前記凹部は前記凸部よりも目付が少なく、前記吸収体は、高吸収性樹脂が密集した点在部を有することを特徴とする吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、ムレを生じさせ難い吸収性物品を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本明細書及び図面には、少なくとも次の事項が開示されている。
【0007】
先ず、透液性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートの間に配置される液保持性の吸収体と、を有する吸収性物品であって、前記表面シートは、表面が凹凸形状となるように、凹部と凸部を有し、前記凹部は前記凸部よりも目付が少なく、前記吸収体は、高吸収性樹脂が密集した点在部を有することを特徴とする吸収性物品。
このような吸収性物品によれば、表面シートの凹部により使用者の肌と吸収体とが近付き、また、凹部の目付が低いため、湿気(液体)が吸収体に吸収されやすくなる。更に、高吸収性樹脂により凹部を通過した湿気をより吸収することができる。即ち、上述の吸収性物品はムレが生じ難い吸収性物品である。また、高吸収性樹脂が液体を吸収した際に、互いに結合し合う領域が点在するため、排泄された液体の吸収が阻害されてしまうこと(ブロッキング現象)を防止することができる。即ち、表面シートを乾燥状態に保つことができるため、ムレが生じ難い。他に、表面シートの凸部により使用者の肌と吸収体とが遠ざかり、液体の逆戻りも防止することができる。
【0008】
かかる吸収性物品であって、前記吸収体は吸収性繊維を有し、前記点在部における前記吸収性繊維の繊維密度は、前記点在部外の前記吸収体における前記吸収性繊維の繊維密度よりも低いこと。
このような吸収性物品によれば、高吸収性樹脂が水分を多量に保持し、膨潤した際に、吸収体が厚さ方向に隆起してしまうことを防止できる。
【0009】
かかる吸収性物品であって、前記吸収体の長手方向における端部は、前記長手方向における前記吸収体の中央部よりも、前記点在部の含有率が高くなっていること。
このような吸収性物品によれば、端部に位置する点在部は、中央部に排泄された液体が端部側に移行するまで、湿気吸収の役割を果たすことができるため、凹部を通過する湿気をより吸収することができる。
【0010】
かかる吸収性物品であって、前記吸収体と前記表面シートとの間に、透液性のセカンドシートを有し、前記セカンドシートは不織布であり、前記不織布における平均繊維密度よりも高い繊維密度である高密度領域と、前記平均繊維密度よりも低い繊維密度である低密度領域を有し、前記高密度領域と前記低密度領域とは前記不織布の厚さ方向における前記表面シート側から前記吸収体側へ連通していること。
このような吸収性物品によれば、低密度領域により多量の液体や粘性のある液体を素早く通過させることができ、高密度領域により少量の液体や表面シート内に残留している液体を毛管力により引き込み、液体を吸収体へ移行させることができる。また、セカンドシートの厚さ分だけ、液体の逆戻りを防止することができる一方で、表面シートに凹部が設けられているため、使用者の肌と吸収体とが遠ざかり過ぎてしまうことを防止でき、ムレが生じ難くなる。
【0011】
かかる吸収性物品であって、前記表面シートは、流体を噴き当てられて、表面が凹凸形状となった繊維集合体により形成された不織布であること。
このような吸収性物品によれば、表面シートの表面を凹凸形状にし、凹部の目付けを凸部の目付よりも少なくすることができる。
【0012】
===本実施形態の吸収性物品の概要について===
以下、吸収性物品として生理用ナプキンを例に挙げて説明を行う。図1Aは、生理用ナプキン1の上面図であり、図1Bは、生理用ナプキン1の断面図である。本実施形態の生理用ナプキン1(吸収性物品)は、透液性の表面シート2と、液不透過性の裏面シート5と、表面シート2と裏面シート5との間に配置される液保持性の吸収体4と、表面シート2と吸収体4の間に配置されるセカンドシート3と、幅方向両端側に配置されるサイドシート8とを有する。更に、表面シート2は、表面が凹凸形状となるように、凹部7と凸部6を有する。そして、凹部7は凸部6よりも目付けが少ない。また、吸収体4は、高吸収性樹脂45(SAP)が密集した点在部48を有する。なお、図1Aでは、吸収体4に設けられた点在部48を点線にて仮想的に示している。このような構成である本実施形態の吸収性物品は生理用ナプキンの他にも、ライナーやオムツ等に使用可能である。
【0013】
生理用ナプキン1は全体として所定方向に長い形状を成し、この所定方向を長手方向とし、この長手方向と交差する方向を幅方向とする。そして、生理用ナプキン1は、生理用ナプキン1の長手方向の前端部から後端部に至る部分が、使用者の腹部から臀部に至る部分と当接するように装着される。また、生理用ナプキン1の身体に接触する側を表面側とし、下着に接する側を裏面側とし、生理用ナプキン1の表面または裏面に対する法線方向を厚み方向とする。
【0014】
次に、生理用ナプキン1の各構成要素について詳細に説明する。
【0015】
===表面シート2について===
図2Aは、不織布10の上面図(表面)であり、図2Bは、不織布10の拡大斜視図である。本実施形態の生理用ナプキン1では、流体fが噴き当てられて、表面が凹凸形状である不織布10を表面シート2に用いる。以下、この不織布10について詳しく説明する。
【0016】
まず、不織布10の形状について説明する。不織布10の表面側には、生理用ナプキン1の長手方向に相当する方向(以下、長手方向)に沿った凸部6が、生理用ナプキン1の幅方向に相当する方向(以下、幅方向)に等間隔に形成され、凸部6の間には凹部7(溝部)が形成されている。即ち、不織布10の表面側には、凸部6と凹部7とが幅方向に並んで形成されている。一方、裏面側は、略平坦な面となっている。
【0017】
凸部6の厚さ方向の高さは0.3mm以上15mm以下(好ましくは0.5mm以上5mm以下)とし、凸部6の幅方向の長さは、0.5mm以上30mm以下(好ましくは1mm以上10mm以下)とする。また、凹部7を挟んで隣接する凸部6の頂点間(幅方向の中央部)の距離は0.5mm以上30mm以下(好ましくは3mm以上10mm以下)とする。
【0018】
そして、凹部7の厚さ方向の高さは、凸部6の高さの90%以下の高さとする(好ましくは、凸部6に対して1%以上50%以下の範囲の高さとする)。凹部7の幅方向の長さは、0.1mm以上30mm以下(好ましくは0.5mm以上10mm以下)とし、凸部6を挟んで隣接する凹部7の各中央部間の距離は、0.5mm以上20mm以下(好ましくは3mm以上10mm以下)とする。
【0019】
次に、不織布10の製造方法について説明する。
図3Aは、繊維ウェブ11に流体fが噴き当てられる様子を示す図であり、図3Bは、不織布10の製造装置を示す図である。
【0020】
不織布10は、略均一な厚さの繊維ウェブ11(繊維集合体に相当、繊維同士に自由度がある状態の繊維)を通気性支持部材12の上に載せた状態で、図3Aに示すように、繊維ウェブ11の上面側(反支持部材側)から所定方向(MD方向、長手方向)に沿って繊維ウェブ11に流体fを噴き当てることにより製造される。この繊維ウェブ11に噴き当てられる流体fは、主に気体からなる流体(空気流)とする。
【0021】
なお、繊維ウェブ11は熱可塑性樹脂繊維を含み、熱可塑性樹脂繊維の例として、ポリエチレン(以下、PE)、ポリプロピレン(以下、PP)、ポリエチレンテレフタレート等を素材とする単独繊維や、PEとPPとを重合してなる繊維、又は、PEとPPとからなる芯鞘構造の複合繊維等が挙げられる。繊維ウェブ11に熱可塑性樹脂繊維以外の繊維が含まれていても良く、例えばセルロース等の天然繊維等を含んでいても良い。また、白化性を高めるために、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機フィラーが含有されていてもよい。他に、液体の入り込み性を改善したい場合には繊維に親水剤を錬り込んでもよく、液体の逆戻りをより防止したい場合には繊維に撥水剤を練り込んでもよい。
【0022】
具体的には、図3Bに示すような不織布製造装置により不織布10は製造される。不織布製造装置は、コンベア13により繊維ウェブ11を下から支持した状態で搬送方向であるMD方向に搬送させる。なお、このコンベア13のベルト部131が図3Aに示す通気性支持部材12となっている。通気性支持部材12とは、表面が平面である網の目構造の支持部材であり、所定太さの複数のワイヤが織り込まれるようにして形成される。このワイヤ部分が、流体fが下方へ通気不可能な不通気部となり、ワイヤの間の空間が、流体fが下方へ通気可能な通気部(孔部)となる。
【0023】
こうして、繊維ウェブ11は、通気性支持部材12であるベルト部131により下から支持された状態でMD方向に搬送され、まず、噴き当て装置14の下を通過する。噴き当て装置14は、噴き出し部15と噴き出し口16と吸気部17とから構成され、噴き出し部15に送気された流体fがノズル状である噴き出し口16から繊維ウェブ11に向けて噴出される。
【0024】
噴き出し口16は、MD方向と交差するCD方向に沿って等間隔に一列に並んでおり、その下を繊維ウェブ11はMD方向に沿って搬送されるため、繊維ウェブ11には、流体fがMD方向に沿って噴き当てられる。そうすると、流体fが噴き当てられた領域の繊維はCD方向に移動し、移動した繊維は、流体fが噴き当てられない領域、即ち、流体fが噴き当てられた領域の間の領域に、吹き寄せられる。そうして、繊維ウェブ11の表面にはMD方向に沿った凸部6と凹部7とが形成される。つまり、流体fが噴き当てられた領域が凹部7となり、凹部7となる領域の繊維が移動することにより、流体fが噴き当てられなかった領域が凸部6となるため、凸部6の目付(単位面積当たりの繊維重量)は凹部7の目付よりも高くなる。
【0025】
このとき、繊維ウェブ11は通気性支持部材12により下から支持されている状態であるため、流体fが噴き当てられる領域の繊維は通気性支持部材12の表面を沿うように移動する。そのため、繊維ウェブ11の通気性支持部材12側(裏面側)は、略平面形状となる。また、通気性支持部材12は、繊維ウェブ11に噴き当てられた流体fを下方に通気するため、流体fの流れを大きく変えてしまうことを防止し、繊維ウェブ11にきれいな凹凸形状を形成することができる。もし仮に、支持部材が不通気性であった場合、繊維ウェブ11に噴き当てた流体fが支持部材により跳ね返り、凹凸形状が乱されてしまうおそれがある。
【0026】
また、繊維ウェブ11に噴き当てられた流体fは、ベルト部131の下方に設けられた吸気部17により吸気されるため、流体fの跳ね返り等をより防止することができる。更に、この吸気により、繊維ウェブ11は通気性支持部材12に押し当てられ、張り付いた状態となるため、繊維ウェブ11に形成された凹凸形状を保つことができる。
【0027】
その後、上面側(表面側)に凹凸形状が形成された繊維ウェブ11は、コンベア13により更に搬送され、ヒータ部18内を通過する。ヒータ部18内において、繊維ウェブ11は加熱処理され、繊維ウェブ11内の熱可塑性繊維は、繊維同士が熱融着し、表面が凹凸形状である不織布10が製造される。
【0028】
また、繊維ウェブ11に噴き当てられる流体fの温度は常温であってもよいが、例えば、不織布10の凹凸形状の成形性を良好にするために、繊維ウェブ11の軟化点以上の温度、好ましくは軟化点以上であり融点の−50℃以上・融点の+50度以下の範囲の温度に設定してもよい。このような温度であれば、繊維ウェブ11を構成する繊維が軟化し、繊維自体の反発力が低下するため、流体fが噴き当てられたことにより形成された凹凸形状が保たれやすくなる。流体fの温度を更に高めると、表面に凹凸形状が形成されつつ、繊維同士の熱融着が開始されるため、凹凸形状が保たれやすくなる。また、この場合には、流体fにより繊維同士の熱融着がなされるため、図3Bのヒータ部18による加熱処理を省略することも可能となる。
【0029】
その他、流体fによる繊維ウェブ11の凹凸形状をより保った状態でヒータ部18に搬送するために、繊維ウェブ11が噴き当て装置14からヒータ部18まで搬送される間、ベルト部131の下方から吸引したり、噴き当て装置14の直ぐ下流側にヒータ部18を設けたりしてもよい。また、流体fが熱風の場合には、成形された凹凸形状が余熱により徐々に変形し、凹凸形状が崩れてしまわないように、成形直後に冷風などにより一旦冷却してもよい。
【0030】
こうして製造された不織布10全体の平均目付けは、10g/m以上200g/m以下(好ましくは20g/m以上100g/m以下)となるように製造する。もし、不織布10の平均目付けが10g/mよりも小さいと、破損し易くなり、前記平均目付けは200g/mよりも大きい場合には液体が下方へ(吸収体)移行し難くなってしまう。
【0031】
ところで、本実施形態の不織布10では、繊維ウェブ11に流体fをMD方向に沿って噴き当てることにより、表面に凹凸形状が形成されるため、図2Bに示すように、凹部7には、CD方向に向いた繊維(CD方向に対して−45°から+45°までの範囲の任意方向を向いた繊維)を比較的多く含む。一方、凸部6のCD方向における両端部は、凹部7となる領域から繊維が吹き寄せられた繊維を含むため、MD方向に向いた繊維(MD方向に対して−45°から+45°までの範囲の任意方向を向いた繊維)を比較的多く含む。この凸部6のCD方向における両端部を側部62とし、凸部における側部62の間の領域を中央部61とする。
【0032】
そして、凸部6の側部62の目付は中央部61の目付よりも高くなっている。具体的には、凸部6の中央部61の目付は、15g/m以上250g/m以下(好ましくは20g/m以上120g/m以下)とし、側部62の目付は、20g/m以上280g/m以下(好ましくは25g/m以上150g/m以下)とする。
また、凹部の目付は、3g/m以上150g/m以下(好ましくは5g/m以上80g/m以下)とする。
【0033】
更に、本実施形態の不織布10(表面シート2)では、凸部6の繊維密度よりも凹部7の繊維密度の方が低くなるように調整されている。
具体的には、凹部7の繊維密度は0.002g/cm以上0.18g/cm以下(好ましくは0.005g/cm以上0.05g/cm以下)とし、凸部6は、0.005g/cm以上0.20g/cm以下(好ましくは0.007g/cm以上0.07g/cm以下)とする。
【0034】
なお、不織布10の凹凸形状(凹凸の大きさや繊維の目付、繊維密度)は、不織布10の製造時に繊維ウェブ11に噴き当てる流体fの風量や温度、吸気部による引き込み量、通気性支持部材12の通気性などにより調整することができる。例えば、噴き出し口16の大きさを大きくすることで、凸部6の高さを高くすることができ、噴き出し口16の大きさを小さくすることで、凸部6の高さを低くすることができる。
【0035】
このように、表面が凹凸形状であり、凹部7の目付が凸部6の目付よりも少ない不織布10を表面シート2として用いた生理用ナプキン1(吸収性物品)は、ムレを生じさせ難くすることができる。
なぜなら、表面シート2の表面上の凹部7により、使用者の肌と表面シートの間の湿気を吸収体4に近付けることができ、且つ、本実施形態の凹部7は凸部よりも目付が低く、繊維による抵抗が少ないため、湿気が吸収体4に吸収され易いからである。
【0036】
しかし、湿気の吸収を良くするために、表面シート2の全体の厚さを凹部7のように薄くし、目付も凹部7のように低くしてしまったら、破損し易く、また、液体が表面シート2上に逆戻りし易くなってしまう。そうすると、使用者の肌を汚したり、使用者に不快感(ベトベト感)を与えたりしてしまう。
【0037】
そこで、本実施形態の表面シート2のように、凹部7と、凹部7よりも目付が高い凸部6の両方を備えることで、湿気を吸収し易く、且つ、凸部6により使用者の肌と吸収体4とを遠ざけ、液戻りを防止することができる。また、凹部7の破損し易さを凸部6により補うことができ、表面シート2を丈夫にすることができる。更に、凸部6により、表面シート2の厚さを厚くできるため、クッション性が良くなり、使用者の付け心地を改善することができる。
【0038】
また、たとえ、凹部と凸部を有する不織布であっても、例えば、略均一な厚さの繊維ウェブの一部を熱エンボス加工することで、表面を凹凸形状に成形した不織布の場合、凹部は凸部よりも目付が低くなることはなく、凹部は凸部に比べて繊維が高密度化し、湿気が吸収体に吸収され難くなってしまう。そうすると、使用者の肌と凹部との間に湿気が滞留してしまい、ムレが生じてしまう。
【0039】
つまり、本実施形態のように、繊維ウェブ11に流体fを噴き当てて不織布10を製造することで(空気流処理)、凹部7の目付が凸部6の目付よりも低い不織布10を表面シート2として用いることができ、ムレが生じ難く、且つ、液戻りし難い生理用ナプキン(吸収性物品)を提供することができる。そして、凹部7は湿気だけでなく液体も通過させ易いため、例えば、大量に液体が排泄された場合にも液体を素早く吸収体4へ移行することができる。また、凹部7は繊維による抵抗が少ないため、粘性の高い液体も通過することができる。
【0040】
また、不織布10にはMD方向に沿った凹部7と凸部6とが形成され、この不織布10のMD方向が生理用ナプキン1の長手方向となるように、不織布10は表面シート2として配される。表面シート2は使用者の目に入るため、凹部7と凸部6が長手方向に沿って形成されている方が、外観上好ましい。
【0041】
他にも、表面シート2の表面が凹凸形状であることで、凸部6のみが使用者の肌と接触することになり、使用者の肌と生理用ナプキンの接触面積を低くすることができ、肌への負担を軽減することができる。
【0042】
また、表面シート2の表面が凹凸形状であることで、表面シート2上に排泄された液体は凹部7に入り込み、液体の幅方向への拡散を凸部6により堰き止めることができる。それに加え、本実施形態の凹部7に含まれる繊維の多くは幅方向(CD方向)に向いているため(図2A)、凹部7に入り込んだ液体は長手方向にも拡散し難くなっている。
【0043】
本実施形態の不織布10のように、凹部7の繊維密度が凸部6の繊維密度よりも低くなるように不織布10(表面シート2)を製造することで、凹部7により、液体や湿気を更に吸収体4へ移行させ易くなり、凸部6により、液戻りが更に防止される。また、凸部6の繊維密度を高くすることで、凸部6が外圧などにより潰れ難くなる。
【0044】
特に、凸部6の中でも流体fにより繊維が吹き寄せられた側部62は繊維密度が高い。そのため、排泄された液体の大半が凹部7により吸収体4へ移行した後、少量の液体が凹部7に残留したとしても、凹部7と隣接する側部62の毛管力により液体を吸収体4へ移行することができる。そして、表面シート2(不織布10)の裏面側は平坦な面であり、表面シート2の裏面の全面がセカンドシート3(又は吸収体4)と接触するため、表面シート2の裏面側まで到達した液体が、セカンドシート3、更には吸収体4へと、スムーズに移行することができる。即ち、表面シート2に液体が残留し難く、その結果、使用者にベトベト感を与えてしまうことを防止できる。
【0045】
===セカンドシート3について===
図4Aは、セカンドシート3の斜視図であり、図4Bは、セカンドシート3の断面図である。本実施形態の生理用ナプキン1は、表面シート2と吸収体4との間にセカンドシート3を設けている。表面シート2の平均繊維密度よりもセカンドシート3の平均繊維密度を高くし、セカンドシート3の液引き込み性を表面シート2よりも良くすることで、排泄された液体をスムーズに吸収体4へ移行することができる。
また、セカンドシート3を設けることで、セカンドシート3の厚さの分だけ、吸収体4と使用者の肌とを遠ざけることができるため、リウェットが防止される。しかし、ムレ防止の観点からすると、セカンドシート3を設けることで、吸収体4と使用者の肌とが遠くなるため、湿気が吸収されにくくなってしまう。但し、本実施形態の表面シート2の表面は凹凸形状であり、凹部7により、吸収体4と使用者の肌とが遠ざかり過ぎてしまうことを防止できる。
【0046】
そして、本実施形態のセカンドシート3は略均一な厚さの不織布3´であり、該不織布全体の平均繊維密度よりも高い繊維密度である高密度領域31と、平均繊維密度よりも低い繊維密度である低密度領域32とを有する。そして、高密度領域31と低密度領域32は、図4Aに示すように、不織布3´の面方向に分散して形成され、図4Bに示すように、高密度領域31と低密度領域32とがそれぞれ不織布3´の厚さ方向における表面側から裏面側へ連通している。更に、高密度領域31において、表面側の繊維密度よりも裏面側の繊維密度の方が高くなっている。
【0047】
ちなみに、本実施形態の吸収性物品では、この不織布3´の表面側が表面シート2側に向くように配置されている。即ち、高密度領域31と低密度領域32とが表面シート2から吸収体4側へ連通し、高密度領域31において表面シート2側の繊維密度よりも吸収体4側の繊維密度の方が高くなっている。
【0048】
以下、セカンドシート3として用いられる不織布3´の製造方法について説明する。図5Aから図5Dは、不織布3´の製造方法を示す図である。不織布3´は、1種類又は複数種類の熱融着性を有する熱収縮性繊維が配合された繊維ウェブ34を支持部材33の上に載せた状態で加熱処理し、加熱融着させた繊維を支持部材33と反対側の面から押圧することで得られる不織布3´であり、前述の表面シート2に用いられる不織布とは製造方法が異なる。
【0049】
ここで、熱収縮性繊維とは、例えば、収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏芯芯鞘型複合繊維、又はサイド・バイ・サイド型複合繊維が挙げられる。収縮率の異なる熱可塑性ポリマー材料の例としては、エチレン−プロピレンランダム共重合体とポリプロピレンの組合せ、ポリエチレンとエチレン−プロピレンランダム共重合体の組合せ、ポリエチレンとポリエチレンテレフタレートとの組合せ等が挙げられる。
【0050】
まず、カード装置等(不図示)により、熱融着性を有する熱収縮性繊維と、熱融着性繊維とを混綿した原料を開繊することで、所定厚さの繊維ウェブ34を連続的に形成する。また、成形された繊維ウェブ34内において、熱収縮性繊維と熱融着性繊維は必ずしも均等に存在する訳ではなく、熱収縮性繊維が集まっている領域とそうでない領域が形成される。なお、複数種類の熱収縮性繊維から繊維ウェブを形成してもよい。また、カード法だけでなく、エアレイド法によって繊維ウェブを形成してもよい。
【0051】
そして、図5Aに示すように、繊維ウェブ34を通気性ネット33(表面が平面である板状の支持部材、また、網の目構造となっている)上に載せた状態で、所定温度により加熱処理する。即ち、繊維ウェブ34は下方側から支持された状態で加熱処理される。なお、所定温度とは、熱収縮性繊維が溶融し、かつ、熱収縮する温度である。
【0052】
その結果、図5Bに示すように、繊維ウェブ34内の各繊維は溶融しながら他の繊維と融着し、繊維間が熱融着した繊維布34´が形成される。また、通気性ネット33で支持された側と反対側の繊維布34´の面(自由面)には、凹凸構造(海島構造)が形成される。一方、繊維布34´の支持された側の面(支持面)は、通気性ネット33の表面に沿って、ほぼ平面な状態となっている。
【0053】
加熱処理の際に、繊維ウェブ34の自由面側の熱収縮性繊維は、収縮動作が抑制されないため、周囲の繊維(熱融着性繊維など)を巻き込みながら、面方向に自由に収縮する。即ち、凹凸構造における凸部35は、熱収縮性繊維が集まっている領域であり、また、熱収縮性繊維の熱収縮に乗じて、熱収縮性繊維に取り込まれた繊維を多数有する。そのため、凸部35の目付けは、繊維布34´における平均目付けよりも高い目付けとなっている。一方、凹部36は、もともと熱収縮性繊維があまり存在せず、熱融着性繊維が周囲の熱収縮性繊維に取り込まれて移動してしまった領域であり、凹部36の目付けは、前記平均目付けよりも低い目付けとなっている。また、加熱処理により、凹部36に存在していた繊維が凸部35に移動するため、凸部35と凹部36は隣り合って形成される。
【0054】
その後、図5Cに示すように、繊維布34´の凹凸構造が形成されている自由面側を厚さ方向に凸部35が押しつぶされるように押圧する。このとき一定の強さで凹部36の厚さ以下まで押圧すると、図5Dに示すように、厚さがほぼ等しい不織布3´が得られる。また、押圧する際に、繊維布34´が所定温度で加熱された状態であると、凸部35が押しつぶされやすく、凹凸形状であった自由面側をより平面形状にすることができる。そして、凸部35が押しつぶされた領域が高密度領域31となり、凹部36であった領域が低密度領域32となる。また、凸部35と凹部36が隣り合って形成されるため、高密度領域31と低密度領域32も面方向に隣り合って存在するといえる。
【0055】
また、繊維布34´の自由面側の凸部35を押圧することで、高密度領域31が形成されるため、自由面側の繊維密度の方が支持面側の繊維密度よりも高くなっている。即ち、図5Dの自由面が前述の図4Bに示した不織布3´の裏面に相当し、図5Dの支持面が前述の図4Bに示した不織布3´の表面に相当する。
【0056】
なお、高密度領域31と低密度領域32とを面方向に分散させ、且つ、高密度領域31と低密度領域32とを自由面から支持面に連通させた不織布3´を好適に得るために、繊維ウェブ11が加熱処理された時点(図5B)の凸部35の目付(2Xg/m)が凹部36の目付け(Xg/m)の2倍以上となるようにし、且つ、凹部36の厚み以下にまで押圧するとよい。そのために、「繊維物性」と「製造条件」をコントロールすれば、所望の繊維の凹凸構造を形成することができる。
【0057】
===吸収体4について===
図6Aは、吸収体4の上面図を示す図である。生理用ナプキン1の外形を点線により仮想的に示している。吸収体4は、吸収体素材43と、それを覆う被覆材により構成される。また、吸収体素材43は、吸収性繊維44と高吸収性樹脂45によって構成される。吸収性繊維44の一例として、パルプ繊維(繊維状に粉砕されたパルプ)を挙げられ、パルプ繊維をシート状に集積して用いる。高吸収性樹脂45の一例として、粒状の高吸収性ポリマー(以下、SAPとする)を挙げられる。なお、本実施形態の吸収体4では、SAPが吸収体素材43中に部分的に密集しており、均等に分散していはいない(詳細は後述)。なお、吸収体素材43中には、パルプ繊維以外に、コットン等のセルロース、レーヨンやフィブリレーヨン等の再生セルロース、アセテートやトリアセテート等の半合成セルロース、繊維状ポリマー、熱可塑性疎水化学繊維などが含まれていてもよい。
また、吸収体素材43を覆う被覆材は、液透過性を有し、且つ、SAPの粒径より目の細かなシートであり、被覆材の外側にSAPやパルプ繊維が漏れることを防止する機能を有している。被覆材の一例として、ティッシュペーパー等の薄葉紙などが挙げられる。
そして、本実施形態の吸収体4では、被覆材と吸収体素材43を一体化するために、吸収体4の所定の部分が圧搾され、当該部分にエンボスが形成されている。
【0058】
このような吸収体4を備えた生理用ナプキン1では、排泄された液体が吸収性繊維44(シート状に集積したパルプ繊維)によって吸い取られて、吸収体素材43の内部へ浸透する。その後、繰り返し液体が排泄されることにより、吸収体素材43内部の液体は、吸収体素材43内にて拡散し、最終的にSAP(高吸収性樹脂45)により捕集される。なお、SAPは水分を捕集すると膨潤する性質を有し、吸湿性に優れた材料である。ゆえに、水分を捕集する前のSAPは主に湿気を吸収する役割を担い、SAPによりムレ防止の効果が得られる。また、本実施形態の表面シート2では、低目付である凹部7により、吸収体4に湿気を吸収させ易くしているため、吸収体4にSAPを設けることで、より湿気が吸収される。
【0059】
そして、本実施形態の吸収体4は、図6Aに示すように、長手方向及び幅方向における中央部に位置する部分は、肌面側に膨らんだ膨らみ部41が形成されている。膨らみ部41は、長円状に形成されており、使用者が生理用ナプキン1を着用した際に使用者の股間部の形状に適合し、股間部と吸収体4とが表面シート2及びセカンドシート3を介して密着することができ、液漏れを防止することができる。
【0060】
吸収体4の肌面側とセカンドシート3はホットメルト系接着剤HMAにより接合され、更に、吸収体4とセカンドシート3と表面シート2は、高温の押圧部材を用いて厚み方向に押圧する深溝エンボス加工によって形成された深溝部47により、さらに強固に接合されている。図6Aに示すように、深溝部47は、膨らみ部41を取り囲んだ領域、及び、膨らみ部41の両側にて生理用ナプキン1の長手方向の前方から後方まで伸びた領域に形成される。なお、深溝部47では、互いに溝深さが異なる浅底部と深底部とが交互に配置されている。このような深溝部47が形成されることにより、生理用ナプキン1を装着した際に、身体に沿って、生理用ナプキン1の表面側が山状となるように屈曲しやすい。その結果、生理用ナプキン1が身体の溝部などに密着することができ、液漏れし難くなる。また、膨らみ部41に排泄された液体は深溝部47に入り込むため、液体が生理用ナプキン1の表面方向に拡散してしまうことを防止することができる。
【0061】
図6Bは、点在部48の断面図である。点在部48とは、SAP(高吸収性樹脂)が密集した領域であり、長円状に形成され、膨らみ部41よりも前端側と後端側に、点在部48が配されている。点在部48の外縁周りに相当する部分にはエンボス加工46が施されている。なお、前端部よりも後端部の方が点在部48を多く含んでいる。これは、就寝時などに使用者が横になった際には、液体が後端側(腰部側)へ移行しやすいからである。
【0062】
点在部48にはSAPとパルプ繊維が混在しているが、点在部48外の吸収体素材43ではパルプ繊維が略均一に密集し、SAPを有さない。そして、点在部48のパルプ繊維の目付は、点在部外のパルプ繊維の目付よりも低くなっている。これは、SAPは水分を吸収すると膨潤するからである。もし、点在部48が点在部外の領域と同様のパルプ繊維の目付であるならば、SAPが水分を吸収した際に、SAPが膨潤し、それに伴い点在部が厚さ方向に膨張してしまう。そうすると、略平面であった吸収体4の一部が盛り上がった状態となり、使用者に段差(違和感)を感じさせてしまう。即ち、点在部48ではパルプ繊維の目付を点在部外の領域よりも低くすることで、SAPが膨潤しても良いように、予め空間を設けている。
【0063】
また、吸収体素材43中にSAPを均等に分散させずに、一部に集約させることで(点在部48を設けることで)、SAPが液体を捕集し、SAP同士が結合しあって吸収体素材43内における水分の拡散を妨げる現象(ブロッキング現象)を防止することができる。もし、ブロッキング現象が発生してしまうと、吸収体素材43まで浸透してきた水分が吸収体素材43の肌面側に滞留し、生理用ナプキン1の吸収能力が低下する虞がある。そうすると、表面シート2やセカンドシート3に液体が残留し、表面シート2を乾燥状態に保つことが出来ずに、ムレが生じ易くなってしまう。
【0064】
更に、本実施形態では膨らみ部41に点在部48を設けていない。なぜなら、SAPは一度液体を吸収すると、液体を逃しにくいため、繰り返し液体を吸収する必要のある膨らみ部41では、液体を保持することなく、液体を前方や後方へ移行させることが必要となるからである。そうすることで、吸収体4を全面に亘って有効に利用することが可能となる。
【0065】
また、生理用ナプキン1は、製品包装時に、2箇所の折線位置にて3つ折りに折り畳まれる。図6Aに示すように、折り畳む際の折線位置に相当する箇所に点在部48が存在する。点在部48はパルプ繊維の含有率が低く、低剛性であるため、折線位置に点在部48を設けることで、生理用ナプキン1が折り畳み易くなる。
【0066】
===その他の構成要素について===
吸収体4の裏面側(反肌面側)には、裏面シート5がホットメルト系接着剤HMAにて接合されている。また、吸収体4の肌面側には吸収体4の両側部にそれぞれわずかに重なる位置から裏面シート5上にかけて、サイドシート8がホットメルト系接着剤にて接合されている。そして、生理用ナプキン1の外縁部が低い温度にて熱溶着するラウンドシール加工が施され、表面シート2と裏面シート5との間に、セカンドシート3と吸収体4が保持される。
【0067】
〈裏面シート5〉
裏面シート5は、液不透過性を有するシート部材である。この裏面シート5は、ポリエチレンやポロプロピレン等の樹脂からなるフィルムシートによって形成されている。そして、裏面シート5は、生理用ナプキン1の反対面側にて吸収体4より十分に広く形成されており、その外縁部は全周において吸収体4の外縁部より外側に位置している。裏面シート5の裏面側には接着剤が設けられ、生理用ナプキン1は、裏面シート5と下着との間に介在された接着剤によって下着の内側に接着される。
また、幅方向における両側には、幅方向外側に延出されたウィング部9が形成されている。ウィング部9は、生理用ナプキン1の着用時、反対面側に折り返された状態で下着に固定される。
本実施形態に係る裏面シートは、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性繊維から形成された液不透過性のシートであるが、熱可塑性かつ液不透過性のシートを含み、薄葉紙や不織布等が積層されたシート部材が用いられることとしてもよい。
【0068】
〈サイドシート8〉
サイドシート8は、表面シート2の一部(より正確には表面シート2の幅方向の両端部)と重なったシートであり、生理用ナプキン1の肌面側にて、生理用ナプキン1の幅方向端部に備えられている。このサイドシート8は、合成樹脂繊維で形成されたエアースルー不織布やスパンボンド不織布、スパンボンドメルトブローンスパンボンド層からなる不織布等の適宜な不織布によって形成されている。
【0069】
===生理用ナプキン1の働きについて===
図7Aから図7Dは、生理用ナプキン1に排泄される液体50の吸収挙動を示す図である。なお、図は点在部48を有さない膨らみ部41の断面図とする。
【0070】
図7Aに示すように、生理用ナプキン1の表面シート2上に経血等の液体50が排泄されるとする。そうすると、排泄された液体50は、まず、凸部6と凸部6との間の凹部7に入り込むため、表面シート2上における液体50の幅方向への拡散を、凸部6により堰き止めることができる。このように、表面シート2の表面を凹凸形状にし、表面シート2上における液体50の拡散面積を小さくすることで、液体50により濡れた表面シート2と使用者の肌との接触面積を小さくすることができる。また、表面シート2は使用者の目に入るため、液体50(経血)の拡散面積が小さい方が視覚的にも好ましい。
【0071】
そして、本実施形態では、表面シート2の平均繊維密度よりもセカンドシート3の平均繊維密度の方が高くなるように調整されているため、表面シート2上の液体50の大部分は、繊維の抵抗が少ない表面シート2内を通過し、素早くセカンドシート3へ移行することができる。特に、表面シート2の凹部7は、凸部6に比べてセカンドシート3との距離が近く、且つ、凸部6よりも繊維密度が低いため、液体50をセカンドシート3へ移行させやすい。
【0072】
その後、セカンドシート3の表面側まで達した液体50は、図7Bに示すように、セカンドシート3の低密度領域32内を通過して、吸収体4へ移行する。セカンドシート3の低密度領域32は厚さ方向に連通するため、液体50を素早く吸収体4へ移行させることができる。そのため、表面シート2と同様にセカンドシート3においても、液体50の面方向への拡散を抑制することができる。また、粘性の高い液体であっても、表面シート2の凹部7やセカンドシート3の低密度領域32を通過し、吸収体4へ移行することができる。
【0073】
そして、大部分の液体50が吸収体4へ移行した後、図7Cに示すように、表面シート2上に残留している液体50は、繊維密度が高い側部62(凸部6)の毛管力により、表面シート2内に引き込まれる。そして、表面シート2内に残留している液体は、セカンドシート3の高密度領域31の毛管力により、セカンドシート3(高密度領域31)内に引き込まれる。更に、高密度領域31では、表面シート2側よりも吸収体4側の方が、繊維密度が高くなっているため、引き込んだ液体50を毛管力により吸収体4へ移行させることができる。なお、吸収体4ではパルプ繊維が積層されているため、吸収体4の方が高密度領域31よりも繊維密度が高くなっている。また、セカンドシート3の低密度領域32内に残留している液体50も、高密度領域31の毛管力により吸収体4へ移行することができる。
【0074】
つまり、本実施形態の生理用ナプキン1(吸収性物品)は、液体が面方向に拡散することなく素早く吸収体4へ移行し、且つ、液体が残留し難い生理用ナプキン1であると言える。このような生理用ナプキン1によれば、排泄された液体が確実に吸収体4へ移行し、液体の排泄後に、表面シート2とセカンドシート3は所定の状態まで乾燥するため、使用者の肌を汚してしまったり、使用者に不快感(ベタベタ感)を与えてしまったりすることを防止できる。また、繰り返し液体を排泄することが可能となる。
【0075】
こうして吸収体4へ移行した液体は、液体が繰り返し排泄されるにしたがって、面方向へ拡散していく。特に、本実施形態の表面シート2とセカンドシート3は液移行性が良く(液体が面方向へ拡散し難いため)、大部分の液体が、身体の排泄口と当接する膨らみ部41内に吸収される。そのため、膨らみ部41中の液体は、膨らみ部41の前方や後方へ移行し、最終的には、点在部48の高吸収性樹脂(SAP)に吸収され、保持される。SAPは前述の通り多量の液体を保持することができるため、繰り返し液体が排泄されたとしても、液を溢れさせてしまうがおそれが少ない。
【0076】
また、高吸収性樹脂(SAP)は一度液体を吸収すると、液体を逃しにくいため、SAPを有する吸収体4は、液体が表面シート2側へ逆戻り(リウェット)し難い。特に、本実施形態では、液体が逆戻りしないように、表面シート2に凸部6を設けて、吸収体4と使用者の肌とを出来る限り遠ざけているため、吸収体4に高吸収性樹脂SAPを設けることで、より液体が逆戻りし難い生理用ナプキン1を提供することができる。
【0077】
吸収体素材43のうち、吸収性繊維44(パルプ繊維)によっても湿気は吸収されるが、それ以上に、高吸収性樹脂(SAP)が吸湿性に優れている。そのため、吸収体4(膨らみ部41)が吸収した液体がSAPを有する点在部48に移行してくるまで、点在部48(SAP)が主に湿気を吸収し、ムレを生じさせ難くすることができる。特に、本実施形態では、湿気が吸収され易いように、表面シート2に低目付(低繊維密度)の凹部7を設けているため、吸収体4にSAPが密集した点在部48を設けることで、よりムレが生じ難い生理用ナプキン1(吸収性物品)を提供することができる。
【0078】
===第2実施形態===
前述の実施形態では、表面シート2と吸収体4との間にセカンドシート3を配しているがこれに限らない。例えば、この第2実施形態(不図示)のように、表面が凹凸形状で、凹部が凸部よりも目付が少ない表面シート2と、高吸収性樹脂が密集した点在部を有する吸収体4を有する吸収性物品であれば、表面シート2と吸収体4との間にセカンドシート3を配さなくとも、ムレを生じさせ難い吸収性物品を提供することができる。
【0079】
第2実施形態の吸収性物品の場合、前述の吸収性物品に比べて、セカンドシート3の厚さ分だけ、吸収体4(特にSAP)と表面シート2の凹部7とを近付けることができるため、湿気をより吸収することができる。その結果、前述の吸収性物品よりも第2実施形態の吸収性物品の方が、ムレを生じさせ難くい。
【0080】
但し、この第2実施形態の吸収性物品よりも前述の吸収性物品の方が、セカンドシート3の厚さ分だけ、吸収体4と使用者の肌とを遠ざけることができるため、液体が逆戻りし難くなる。
【0081】
また、前述の実施形態のように、セカンドシート3を設けることで、表面シート2に残留する液体をセカンドシート3内に引き込み、吸収体4へ移行することができる。そこで、第2実施形態の変形例として、身体の排泄口と当接する領域(例:膨らみ部41)のみにセカンドシート3を設け、点在部48が配されている吸収性物品の前側と後側にはセカンドシート3を配さない吸収性物品(不図示)を提案することができる。このような吸収性物品の場合、液体が排泄される領域は、セカンドシート3により液体が残留することなく吸収体4へ移行することができ、セカンドシート3が配されていない吸収性物品の前側と後側の領域では、湿気を吸収体4(SAP)へ近付けることができるため、ムレを生じさせ難くすることができる。
【0082】
===吸収性物品の評価試験について===
前述の表面シートやセカンドシート(不織布)を実際に製造し、リウェット性の評価を行った。まず、リウェット性の評価方法について説明する。
【0083】
〈リウェット性の評価方法〉
測定器具として、下記の器具を用いる。
1)人工経血
2)オートビュレット(メトローム社(株)725型)
3)はかり
4)穴あきアクリル板(中央に40mm×10mmの穴、長さ×幅=200mm×100mm、重量125g)
5)アクリル板(おもりの荷重を均等にろ紙に加えるため、長さ×幅=100mm×70mm、重量45g)
6)おもり
7)ストップウォッチ
8)ろ紙(アドバンテック東洋製No.2、長さ×幅=50mm×35mm)

なお、人工経血は、イオン交換水1リットルに対して以下を配合する。(1)グリセリン80g(2)カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)8g(3)塩化ナトリウム(NaCl)10g(4)炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)4g(5)赤色102号8g(6)赤色2号2g(7)黄色5号2g
【0084】
評価手順は以下の通りに行う。
1)ろ紙10枚の重量を測定する。…A
2)アクリル板の穴の中央と評価対象物(不織布+吸収体)の中央とが重なり合うように、評価対象物の上にアクリル板を載せる。
3)オートビュレットのノズルをアクリル板から10mm上の位置に合わせる。
4)人工経血を滴下する。(速度:95ml/min、滴下量:6ml)
5)人工経血が不織布の表面からハケた直後から1分後に、表面シートの中央に合うようにろ紙10枚を載せ、その上に、掛かる力が合わせて50g/cm2となるようにアクリル板(穴なし)とおもりを重ねる。
6)1分間後、おもり、アクリル板を外し、ろ紙の重量を測定する。…B
測定結果AとBより、リウェット率を算出する。
リウェット率(%)=((B−A)×100)/(滴下量=6ml)
【0085】
〈不織布の評価〉
実際に製造した不織布(表面シート、セカンドシート)の製造条件や評価結果等を以下に説明する。図8は、評価に用いた不織布の構成繊維を説明する表である。図8の表に記載するように、比較表面シートa(エアースルー製法により製造された不織布)と、実施表面シートb(前述の図3Aに示す空気流処理により製造された不織布10)と、比較セカンドシートc(エアースルー製法により製造された不織布)と、実施セカンドシートd(前述の図5に製法を示した不織布3´)とを製造した。そして、これら4種類の不織布と吸収体とを組み合わせた評価対象物のリウェット率を測定した。
【0086】
なお、吸収体は、全て共通であり、フラッフパルプ500g/mを15g/mのティッシュ(薄葉紙)で包み、平プレスをかけで製造している(SAPは含まない)。吸収体の密度は、0.09g/cmに調整されている。そして、不織布(表面シート、セカンドシート)が吸収体から浮かないようにヒンジプレスを施している。ヒンジ形状は、内側が凸の形状で、最狭部は38mmであり、ヒンジ部分には接着剤を配しているが、人工経血の吸収部分にはヒンジプレスを施していない。
また、エアースルー製法とは、繊維ウェブを通気性のネットやドラムの上に載置し、熱風を吹き付けることで構成繊維の交点を熱融着させて不織布化する方法である。エアースルー不織布は、表面が略平面であり、不織布の全域において繊維密度が略均一である。
【0087】
図9は、評価対象物(不織布+吸収体)の構成と、リウェット率の測定結果を示す図である。以下の5種類の評価対象物のリウェット率を測定した。
(1)比較例1=比較表面シートa+吸収体
(2)比較例2=比較表面シートa+比較セカンドシートc+吸収体
(3)比較例3=比較表面シートa+実施セカンドシートd+吸収体
(4)実施例1=実施表面シートb+吸収体
(5)実施例2=実施表面シートb+実施セカンドシートd+吸収体
【0088】
比較例1と実施例1のリウェット率を比較すると、実施例1の方が比較例1よりもリウェット率が低い結果となっている(−20.1%)。即ち、実施表面シートb(前述の不織布10・図2A)の方が比較表面シートaよりもリウェットし難いといえる。これは、図8の表からも分かるように、実施表面シートb(凸部)の方が比較表面シートaよりも厚みがあり、吸収体とろ紙(実際には肌)を遠ざけることができているからである。
また、比較表面シートaが平面形状であるのに対して、実施表面シートbは凹凸形状である。そのため、実施表面シートbの方が、比較表面シートaに比べて、ろ紙(肌)との接触面積を少なくすることができるため、実施例1の方が比較例1よりもリウェット率が低いといえる。
【0089】
次に、実施例1と実施例2(又は比較例1と比較例2)のリウェット率を比較すると、実施例2の方が実施例1よりも(比較例2の方が比較例1よりも)リウェット率が低い結果となっている。即ち、セカンドシートを表面シートと吸収体との間に設ける方が、吸収体とろ紙(実際には肌)を遠ざけることができるため、リウェットし難いといえる。但し、第2実施形態で述べているように、ムレ防止の観点からすると、セカンドシートを設けた場合、吸収体と肌(湿気)が遠ざかってしまうため、セカンドシートを設けない場合に比べてムレ易いといえる。
【0090】
更に、比較例2と比較例3のリウェット率を比較すると、比較例3の方が比較例2よりもリウェット率が低い結果となっている。即ち、高密度領域と低密度領域が厚さ方向に連通している実施セカンドシートd(図4B)の方が、セカンドシートの全域において繊維密度が略均一な比較セカンドシートcよりも、リウェットし難いといえる。このリウェット性の評価方法では、吸収体からの液の逆戻りに加え、セカンドシートや表面シート内に残留している液体も加圧(おもり)により、表面シート上に逆戻りし、ろ紙に吸収される。つまり、実施セカンドシートdでは、前述の説明の通り、高密度領域の毛管力により液体を吸収体へ確実に移行させることができ、セカンドシートや表面シート内に液体を残留させ難いため、その結果、リウェット率を低下させることができたといえる。
【0091】
この不織布評価試験により、エアースルー処理による不織布ではなく、空気流処理(図3A)による不織布を表面シートとして用い、且つ、表面シートと吸収体との間に、セカンドシートを用いることで、リウェット率を低下させることができることが分かる。更に、高密度領域と低密度領域が厚さ方向に連通している不織布をセカンドシートとして用いることで、更に、リウェット率を低下させることができる。
【0092】
===第3実施形態(表面シートの変形例)===
図10Aは、第3実施形態の表面シート51を示す図である。この表面シート51(不織布)では、幅方向に隣接する凸部6A,6Bの高さが異なっている。このような表面シート51の場合、凸部の数を減らさずに、使用者の肌と表面シート51の接触面積を減少することができる。即ち、この第3実施形態の表面シート51は、強度を大幅に低下させることなく、肌と表面シート51との接触面積を減らすことができる。
なお、このような表面シート51を製造するには、例えば、図3Aに示す、CD方向に並ぶ噴き出し口16の各面積(風量)を変えればよい。
【0093】
===第4実施形態(表面シートの変形例)===
図10Bは、第4実施形態の表面シート52を示す図である。この表面シート52の凹部7には開口部53が設けられている。この開口部53により、凹部7に入り込んだ液体を、前述の表面シート2よりも更に素早く吸収体4(セカンドシート3)へ移行することができる。また、大量の液体や粘性の高い液体も開口部53によりスムーズに吸収体4へ移行することができる。
但し、凹部7に開口部53を設けているため、前述の表面シート2に比べると、強度が低下する。
また、図10Bに示す開口部53は、厚さ方向に貫通した孔となっているが、凹部7に窪みを設けてもよく、この場合にも、液体を素早く吸収体4へ移行することができる。
なお、このような開口部53を有する表面シート52を製造するには、例えば、通気性支持部材12の上に、不通気性の板等をMD方向に一定間隔に配置すればよい(不図示)。不通気性の板上の繊維は他の領域に比べて繊維量が少なくなるため、流体fにより、板上の繊維は全て(又は大部分が)、凸部となる領域に吹き寄せら、開口部53が形成される。
【0094】
===その他の実施形態===
前述の実施形態の表面シート2では、凸部6が幅方向に等間隔で形成されているが、これに限らず、凸部6が異なる間隔ごとに形成されてもよい。
【0095】
前述の実施形態では、高密度領域31と低密度領域32が厚さ方向に連通する不織布をセカンドシート3として用いているがこれに限らない。例えば、エアースルー製法による不織布(比較セカンドシートc)をセカンドシート3として用いてもよい。但し、図9のリウェット評価試験の結果より、実施セカンドシートdの方が比較セカンドシートcよりもリウェットし難いことがわかる。
【0096】
前述の実施形態の吸収体4において、点在部48外の吸収体素材43は高吸収性樹脂(SAP)を有さないとしているが、これに限らず、吸収体素材43がSAPを有しても良いとする。
【0097】
以上、前述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨に逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】図1Aは生理用ナプキンの上面図であり、図1Bは生理用ナプキンの断面図である。
【図2】図2Aは不織布の上面図であり、図2Bは不織布の拡大斜視図である。
【図3】図3Aは繊維ウェブに流体が噴き当てられる様子を示す図であり、図3Bは不織布の製造装置を示す図である。
【図4】図4Aはセカンドシートの斜視図であり、図4Bはセカンドシートの断面図である。
【図5】図5Aから図5Dは不織布の製造方法を示す図である。
【図6】図6Aは吸収体の上面図を示す図であり、図6Bは点在部の断面図である。
【図7】図7Aから図7Dは生理用ナプキンに排泄される液体の吸収挙動を示す図である。
【図8】評価に用いた不織布の構成繊維を説明する表である。
【図9】評価対象物の構成とリウェット率の測定結果を示す図である。
【図10】図10Aは第3実施形態の表面シートを示す図であり、図10Bは第4実施形態の表面シートを示す図である。
【符号の説明】
【0099】
1 生理用ナプキン、2 表面シート、3 セカンドシート、3´ 不織布、
4 吸収体、5 裏面シート、6 凸部、61 中央部、62 側部、
7 凹部、8 サイドシート、9 ウィング部、10 不織布、
11 繊維ウェブ、12 通気性支持部材、13 コンベア、
131 ベルト部、14 噴き当て装置、15 噴き出し部、
16 噴き出し口、17 吸気部、18 ヒータ部、31 高密度領域、
32 低密度領域、33 通気性ネット、35 凸部、36 凹部、
41 膨らみ部、43 吸収体素材、
44 吸収性繊維(パルプ繊維)、45 高吸収性樹脂(SAP)、
46 エンボス加工、47 深溝部、48 点在部、50 液体
51 第3実施形態の表面シート、52 第4実施形態の表面シート、
53 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透液性の表面シートと、
不透液性の裏面シートと、
前記表面シートと前記裏面シートの間に配置される液保持性の吸収体と、を有する吸収性物品であって、
前記表面シートは、表面が凹凸形状となるように、凹部と凸部を有し、前記凹部は前記凸部よりも目付が少なく、
前記吸収体は、高吸収性樹脂が密集した点在部を有することを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
請求項1に記載の吸収性物品であって、
前記吸収体は吸収性繊維を有し、
前記点在部における前記吸収性繊維の繊維密度は、前記点在部外の前記吸収体における前記吸収性繊維の繊維密度よりも低いことを特徴とする吸収性物品。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の吸収性物品であって、
前記吸収体の長手方向における端部は、前記長手方向における前記吸収体の中央部よりも、前記点在部の含有率が高くなっていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の吸収性物品であって、
前記吸収体と前記表面シートとの間に、透液性のセカンドシートを有し、
前記セカンドシートは不織布であり、前記不織布における平均繊維密度よりも高い繊維密度である高密度領域と、前記平均繊維密度よりも低い繊維密度である低密度領域を有し、前記高密度領域と前記低密度領域とは前記不織布の厚さ方向における前記表面シート側から前記吸収体側へ連通していることを特徴とする吸収性物品。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の吸収性物品であって、
前記表面シートは、流体を噴き当てられて、表面が凹凸形状となった繊維集合体により形成された不織布であることを特徴とする吸収性物品。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図1】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−173(P2009−173A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−161783(P2007−161783)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】