説明

吸引を有するガイドシステム

副鼻腔を治療する際に使用するためのガイドカテーテル(601)であって、バルーンカテーテルの周囲で吸引を提供するように構成されるカテーテルシャフト(610)と、身体の生体構造をナビゲートするために成形された遠位部とを含む、カテーテル。一実施形態では、ガイドカテーテルは、バルーンカテーテルを封止するための弁(624)と、吸引を制御するための通気孔(628)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、医療装置及び方法、より具体的には、副鼻腔炎を治療するための装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
慢性副鼻腔炎は、毎年、数百万人の生活に影響を及ぼす医学的状態である。実際、慢性副鼻腔炎は、米国において年間1800万件から2200万件の来院をもたらすと推定されている。慢性副鼻腔炎は、3ヶ月以上持続する、又は頻繁に発生する、副鼻腔の炎症を指す。症状は、強い衰弱をもたらし、しばしば、頭痛、顔面痛、過剰な鼻漏、鼻からの呼吸困難、及び他の症状をもたらし、しばしば、航空機で飛行等の特定の活動に痛みを伴う可能性がある。医療費、欠勤日数等に関して、慢性副鼻腔炎社会への全体的費用は、莫大である。
【0003】
副鼻腔は、顔上面の骨の後ろ、眼の間、及び前額、鼻及び頬の後ろの気腔である。顔面のそれぞれの側面上に、1組の前頭洞(前額内)、上顎洞(頬骨内)、篩骨洞(眼の間)及び蝶形骨洞(眼の更に後ろ)が存在する。前頭洞、上顎洞及び蝶形骨洞はすべて、副鼻腔口(単数形では「ostium」)と称される開口部を介して、鼻腔に接続され、その中に流出される。鼻腔及び副鼻腔は、粘膜組織で被覆された骨からなり、粘膜組織は、繊毛と称される、小さい毛髪状の突起部を有し、突起部は、ともに移動して、フィルターの一種として、副鼻腔を通り、かつそこから出る粘液を一掃する。副鼻腔の粘膜組織が、しばしば、感染により炎症を起こすときに、炎症は、時々、腫れ、1つ又は2つ以上の副鼻腔口を阻害する可能性あり、したがって、副鼻腔から鼻腔までの粘液の移動を阻止し、したがって、閉塞、圧力のじ上昇、及び副鼻腔炎の症状をもたらす。この閉塞は、時々、長期間持続するか、何度も再発する可能性があり、大きな不快感をもたらす。
【0004】
副鼻腔炎の治療方法のうちの1つは、副鼻腔を通り、かつそこから出る粘液の、開口部(副鼻腔口)を介する鼻腔内への流れを回復することによるものである。典型的には、副鼻腔炎を治療する際に試みる初期療法は、薬物療法及び鼻腔用スプレー(粘膜組織の炎症を低減するための抗炎症剤、及び感染を治療するための抗生物質)である。しかしながら、多数の患者は、鼻腔用スプレー/薬物療法に反応を示さない。慢性又は再発副鼻腔炎を罹患する患者は、薬物療法に反応を示さない場合、及び反応を示さず、その結果、外科的処置を受ける決断をする場合がある。
【0005】
慢性副鼻腔炎を治療するための外科的処置の一形態は、内視鏡下副鼻腔手術(「FESS」)と呼ばれる。FESSでは、剛性の内視鏡を鼻の中に挿入し、外科医は、シェーバー及び把持装置等の1つ又は2つ以上の剛性機器を使用して、罹患又は肥大性粘膜組織及び骨を除去し、いくつかの場合では、副鼻腔の副鼻腔口を拡大するために、副鼻腔を「広げ」、その通常の流出を回復しようと試みる。これらのFESS処置は、多くの場合において成功するが、多くの大きな欠点を有する。例えば、一般的麻酔が、FESS処置に必要である。また、典型的に、かなりの量の軟組織及び骨が除去されるため、FESSは、大きな出血及び術後疼痛をもたらす可能性があり、したがって、手術からの回復は、痛みを伴い、数日間又は数週間かかる可能性がある。FESS処置は、しばしば、大量の術後の出血を伴うため、鼻内パッキングが、手術後のある期間の間、患者の鼻の中に頻繁に留置される。このような鼻内パッキングは、不快である可能性があり、通常の呼吸、飲食等を阻害する可能性がある。このパッキングは、しばしば、除去され、交換されなければならず、そのことは、非常に不快である可能性がある。瘢痕組織はまた、診療所において、「創面切除」と呼ばれる処置で除去されなければならない場合があり、その処置はまた、非常に痛みを伴う可能性がある。また、患者には、複数のFESS手術後でさえ症状が残る場合もある。その上、FESS処置は、医原性眼窩、頭蓋内及び鼻洞損傷のリスクを伴う。多くの耳鼻咽頭科医は、FESSを、重度の副鼻腔疾患を罹患する患者(CTスキャン下で有意な異常を示す者)のみへの選択肢と見なす。したがって、重度の低い疾患を罹患する患者は、FESSの候補と見なされない場合があり、薬物療法以外の選択肢が残されていない場合がある。FESS手術が流血及び痛みを伴う可能性がある理由の1つは、直線で硬質のシャフトを有する器具が使用されるという事実に関連する。かかる直線で硬質の器具を用いる解剖の深部領域を標的とするために、医師は、これらの解剖学的構造体が病理学の一部であるかどうかに関わらず、器具の直接の経路にあり得る任意の解剖学的構造体を切除し、除去するか、ないしは別の方法で操作する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のFESS処置の代替として、本出願の出願人は、拡張型拡大装置を使用して、鼻腔と副鼻腔との間の開口部を拡張することによって、慢性副鼻腔炎を治療するために、多くの侵襲性の少ない/外傷性の少ないシステム、装置及び方法を発明した。場合によっては、副鼻腔炎又は他の状態を治療するための、これらの方法及び他の方法は、ガイドカテーテル等のガイド装置を介して、1つ又は2つ以上の装置を鼻腔及び/又は副鼻腔内に前進させる工程を伴う場合がある。鼻腔、副鼻腔、及びそれらの2つの間の開口部の生体構造が、非常に複雑で、小さく、蛇行しているため、かつ鼻腔及び副鼻腔内の粘膜組織への損傷が、術後の疼痛及び出血をもたらす場合があるため、この生体構造において使用が比較的容易であり、できるだけ無外傷性である、ガイド装置に対する必要性が存在する。本開示は、これら及び他の必要性に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
簡潔に、かつ一般的な用語では、本開示は、副鼻腔を治療するためのシステム及び方法に関する。特定の一態様では、開示するシステム及び方法は、副鼻腔炎を治療するために用いられる。
【0008】
特定の一実施形態では、副鼻腔を治療するためのシステムは、バルーンカテーテルが、カテーテルシャフト内に存在する間に、バルーンカテーテルを受容し、吸引を提供するように構成されるカテーテルシャフトを含む、ガイドカテーテルを含む。ガイドカテーテルは、第1の剛性を有する近位部と、第1の剛性よりも少ない第2の剛性を有する遠位部とを更に含むことができる。遠位部は、湾曲することができ、近位部の直径未満である直径を有する。システムは、バルーンカテーテルを封止するための弁、並びに吸引ポート及び通気孔を更に含むことができる。
【0009】
更なる実施形態では、システムは、その上でバルーンカテーテルが前進することができる、ガイドワイヤを含むことが企画される。ガイドワイヤが照射することができることも企画される。その上、ガイドカテーテルの遠位先端は、鉤状突起(ucinate process)の後ろの定置を促進する方法で傾斜することができ、かつ篩骨胞等の生体構造を係合するための、外傷性の少ない境界面を提供する、可撓性材料を更に実装することができる。遠位先端の可撓性は、遠位先端が、拡張してバルーンカテーテルを受容するように、選択することができる。加えて、ガイドカテーテルは、その遠位部が近位部分よりも小さい寸法を画定するように、先細輪郭を実装することができる。
【0010】
ガイドカテーテルはまた、他の装置への接続を提供する、近位に配向されたフランジを含むこともできる。フランジは、かかる他の装置とレジスタするための構造、並びに操作者用把持表面を装備することができる。通気孔は、吸引制御を提供することが更に企画される。
【0011】
ガイドカテーテルの遠位端の種々の異なる形状もまた企画される。特に、遠位先端は、外傷を低減することを目的とした種々の成形フランジ構造を含むことができる。先端はまた、透視下での可視化を提供する構造を含むこともできる。
【0012】
関連する方法では、副鼻腔の治療は、患者の頭部内にガイドカテーテルを挿入し、ガイドカテーテルを通して可撓性装置を前進させる工程を含むことができる。吸引力は、可撓性装置の周囲で生成され、可撓性装置は、ガイドカテーテルの遠位端を越えて、患者の副鼻腔内に前進させられる。特定の一態様では、可撓性装置は、バルーンカテーテルであり、バルーンカテーテルを用いて、副鼻腔の副鼻腔口を拡大する。方法は、その上にインターベンショナル装置が定置される、ガイドワイヤを使用する工程を更に含むことができる。
【0013】
本発明の更なる態様、詳細及び実施形態を、以下の発明を実施するための形態及び添付図面に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ヒトの患者に副鼻腔手術処置を実行するために使用される、本発明のカテーテルベースの最小限の侵襲性の副鼻腔手術のためのシステムの概略図を示す。
【図1A】図1の部分「1A」の拡大図。
【図2A】ガイドを使用して副鼻腔へのアクセスを得、その後、蝶形骨副鼻腔内に副鼻腔口開口部を拡大するか、又は再形成するための方法の種々の工程を示す、ヒトの頭部を通る、部分的な矢状方向の断面図。
【図2B】ガイドを使用して副鼻腔へのアクセスを得、その後、蝶形骨副鼻腔内に副鼻腔口開口部を拡大するか、又は再形成するための方法の種々の工程を示す、ヒトの頭部を通る、部分的な矢状方向の断面図。
【図2C】ガイドを使用して副鼻腔へのアクセスを得、その後、蝶形骨副鼻腔内に副鼻腔口開口部を拡大するか、又は再形成するための方法の種々の工程を示す、ヒトの頭部を通る、部分的な矢状方向の断面図。
【図2D】ガイドを使用して副鼻腔へのアクセスを得、その後、蝶形骨副鼻腔内に副鼻腔口開口部を拡大するか、又は再形成するための方法の種々の工程を示す、ヒトの頭部を通る、部分的な矢状方向の断面図。
【図3A】ガイドを使用して副鼻腔へのアクセスを得、その後、上顎副鼻腔内に副鼻腔口開口部を拡大するか、又は再形成するための方法の種々の工程を示す、ヒトの頭部を通る、冠状断面図。
【図3B】ガイドを使用して副鼻腔へのアクセスを得、その後、上顎副鼻腔内に副鼻腔口開口部を拡大するか、又は再形成するための方法の種々の工程を示す、ヒトの頭部を通る、冠状断面図。
【図3C】ガイドを使用して副鼻腔へのアクセスを得、その後、上顎副鼻腔内に副鼻腔口開口部を拡大するか、又は再形成するための方法の種々の工程を示す、ヒトの頭部を通る、冠状断面図。
【図3D】ガイドを使用して副鼻腔へのアクセスを得、その後、上顎副鼻腔内に副鼻腔口開口部を拡大するか、又は再形成するための方法の種々の工程を示す、ヒトの頭部を通る、冠状断面図。
【図4A】副鼻腔の人工的に形成された開口部を通って、上顎副鼻腔にアクセスし、次いで、人工的に形成された開口部、自然の副鼻腔口、又はそれらの両方を拡大する方法の種々の工程を示す、ヒトの頭部を通る、部分的冠状断面図。
【図4B】副鼻腔の人工的に形成された開口部を通って、上顎副鼻腔にアクセスし、次いで、人工的に形成された開口部、自然の副鼻腔口、又はそれらの両方を拡大する方法の種々の工程を示す、ヒトの頭部を通る、部分的冠状断面図。
【図4C】副鼻腔の人工的に形成された開口部を通って、上顎副鼻腔にアクセスし、次いで、人工的に形成された開口部、自然の副鼻腔口、又はそれらの両方を拡大する方法の種々の工程を示す、ヒトの頭部を通る、部分的冠状断面図。
【図4D】副鼻腔の人工的に形成された開口部を通って、上顎副鼻腔にアクセスし、次いで、人工的に形成された開口部、自然の副鼻腔口、又はそれらの両方を拡大する方法の種々の工程を示す、ヒトの頭部を通る、部分的冠状断面図。
【図5A】任意の吸引のために装備された管状ガイドの斜視図を示す。
【図5B】ピンチ管を有する管状ガイドの代替的実施形態の側面図を示す。
【図6】バルーンカテーテル及び吸引構造を含む、ガイドカテーテルシステムの部分的横断面図を図示する。
【図7】図6に図示するガイドカテーテルシステムの遠位部を示す。
【図8】ガイドカテーテルシステムを用いる、副鼻腔空洞の治療を図示する。
【図9】ガイドカテーテルシステムを用いる、副鼻腔空洞の治療を図示する。
【図10】ガイドカテーテルシステムを用いる、副鼻腔空洞の治療を図示する。
【図11】ガイドカテーテルシステムを用いる、副鼻腔空洞の治療を図示する。
【図12】ガイドカテーテルのための代替的遠位部を示す。
【図13】ガイドカテーテルシステムの遠位終末端部の横断面図を示す。
【図14A】ガイドカテーテルシステムの遠位終末端部の種々の図を示す。
【図14B】ガイドカテーテルシステムの遠位終末端部の種々の図を示す。
【図14C】ガイドカテーテルシステムの遠位終末端部の種々の図を示す。
【図15A】代替的ガイドカテーテルシステムの遠位終末端部を示す。
【図15B】代替的ガイドカテーテルシステムの遠位終末端部を示す。
【図16】ガイドカテーテルの別の代替的終末端部を示す。
【図17A】終末端部への別のアプローチを図示する。
【図17B】終末端部への別のアプローチを図示する。
【図18A】終末端への更なるアプローチを図示する。
【図18B】終末端への更なるアプローチを図示する。
【図19A】ガイドカテーテルシステムのための更なる終末端部を図示する。
【図19B】ガイドカテーテルシステムのための更なる終末端部を図示する。
【図19C】ガイドカテーテルシステムのための更なる終末端部を図示する。
【図19D】ガイドカテーテルシステムのための更なる終末端部を図示する。
【図20A】ガイドカテーテルの遠位末端部への付加的なアプローチの図を示す。
【図20B】ガイドカテーテルの遠位末端部への付加的なアプローチの図を示す。
【図21A】角度をつけされた表面を含む、ガイドカテーテルシステムのための終末端部の種々の図を図示する。
【図21B】角度をつけされた表面を含む、ガイドカテーテルシステムのための終末端部の種々の図を図示する。
【図21C】角度をつけされた表面を含む、ガイドカテーテルシステムのための終末端部の種々の図を図示する。
【図22A】楕円形の終末端開口部を有する、別のガイドカテーテルシステムを示す。
【図22B】楕円形の終末端開口部を有する、別のガイドカテーテルシステムを示す。
【図23】ガイドカテーテルシステムの別の代替的終末端部を図示する。
【図24A−1】ガイドカテーテルのための封止構造への種々のアプローチを図示する。
【図24A−2】ガイドカテーテルのための封止構造への種々のアプローチを図示する。
【図24B】ガイドカテーテルのための封止構造への種々のアプローチを図示する。
【図24C】ガイドカテーテルのための封止構造への種々のアプローチを図示する。
【図25A】ガイドカテーテルのためのハブアセンブリへの代替的アプローチを図示する、部分的横断面図。
【図25B】ガイドカテーテルのためのハブアセンブリへの代替的アプローチを図示する、部分的横断面図。
【図26】吸引接続を含む、ガイドカテーテルハブを図示する。
【図27A】ガイドカテーテルハブで接続される補助装置の部分的横断面図を示す。
【図27B】ガイドカテーテルハブで接続される補助装置の部分的横断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明、添付図面、及び上記に記載した図面の簡単な説明は、必ずしもすべてではないが本発明の実施例又は実施形態の一部を説明することを目的とするものである。この発明を実施するための形態の内容は、請求項に説明する発明の範囲を制限しない。
【0016】
本特許出願内の多くの図面は、耳、鼻及び咽頭の解剖学的構造を示す。一般に、これらの解剖学的構造は、以下の参照文字で標識される。
【表1】

【0017】
図1及び1Aは、1つ又は2つ以上の副鼻腔で拡張処置を実行するために、定位置にある、最小限の侵襲性の外科システムを有する手術台の上の患者を例証する。示されるシステムは、Cアームフルオロスコープ1000、第1の導入装置1002(例えば、ガイドカテーテル又はガイド管)、第2の導入装置1004(例えば、ガイドワイヤ又は細長いプローブ)、及び作動装置1006(例えば、バルーンカテーテル、他の拡大カテーテル、デブリーダ、カッター等)を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、装置1002、1004、1006は、処置中に、Cアームフルオロスコープ1000を使用して、装置1002、1004、1006の位置を撮像し、監視し得るように、放射線不透過性であってよく、及び/又は放射線不透過性マーカを組み込んでもよい。放射線画像に加えて、又はその代替として、装置1002、1004、1006は、FESS処置中に耳鼻咽頭科医によって使用される、典型的な剛性若しくは可撓性内視鏡、又はステレオ内視鏡等の1つ又は2つ以上の内視鏡装置を組み込んでよく、及び/又はそれらと併せて使用されてもよい。また、放射線画像及び/又は内視鏡的可視化に加えて、又はその代替として、デバイス1002、1004、1006のいくつかの実施形態は、装置1002、1004、1006が、VectorVision(BrainLAB AG)、HipNav(CASurgica)、CBYON Suite(CBYON)、InstaTrak、FluoroTrak、ENTrak(GE Medical)、StealthStation Treon,iOn(Medtronic)、Medivision、Navitrack(Orthosoft)、OTS(Radionics)、VISLAN(Siemens)、Stryker Navigation System(Stryker Leibinger)、Voyager、Z−Box(Z−Kat Inc.)及びNOGA and CARTO systems(Johnson & Johnson)が挙げられるが、これらに限定されない、画像誘導外科システム、又は他の電子解剖学的マッピング/ガイダンスシステムと併せて使用されることを可能にする、センサを組み込んでよい。市販されるインターベンショナルナビゲーションシステムはまた、装置及び方法と併せて使用することもできる。OrthoPilot(B.Braun Aesculap)、PoleStar(Odin Medical Technologies;marketed by Medtronic)、SonoDoppler,SonoWand(MISON)、CT Guide,US Guide(UltraGuide)等が挙げられるが、これらに限定されない、更なる非透視インターベンショナル画像技術はまた、装置及び方法と併せて使用されてもよい。磁気共鳴下のガイダンスはまた、カテーテルが、適切にシステムと相互作用するように改変される場合に、実行可能である。
【0019】
本発明の装置及び方法は、耳、鼻及び咽喉内の副鼻腔口又は他の通路のアクセス、拡張又は改変に関する。これらの装置及び方法は、単独で用いられてもよく、他の外科的治療又は非外科的治療と併せて用いられてもよく、この他の外科的治療又は非外科的治療には、その開示全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる2004年8月4日出願の同時係属の米国特許出願番号10/912,578、名称「Implantable Devices and Methods for Delivering Drugs and Other Substances to Treat Sinusitis and Other Disorders」に記載されているような、装置及び薬物又は他の物質の送達又は埋め込みが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
図2A〜2Dは、ガイドカテールを使用して副鼻腔へのアクセスを得、副鼻腔を治療する方法の種々の工程を示す、ヒトの頭部を通る、部分的な矢状方向の断面図である。図2A〜2Dは、蝶形骨副鼻腔にアクセスし、副鼻腔を治療する方法を示すが、代替的実施形態では、この方法及び装置、又は類似方法及び装置は、他の副鼻腔(上顎、前頭、及び/又は篩骨)のうちのいずれかにアクセスし、副鼻腔を治療するために使用されてよい。
【0021】
図2Aでは、ガイドカテーテル200の形態の第1の導入装置は、鼻孔を通って、鼻腔NCを通って、蝶形骨洞SSの副鼻腔口SSOの近傍の位置まで導入される。ガイドカテーテル200は、可撓性であってよい。可撓性装置は、2.54cm(1インチ)の装置の長さにわたって、約350N/cm(1インチ当たり200ポンドの力)未満の曲げ剛性を有する装置として画定される。ガイドカテーテル200は、直線か、又は1つ又は2つ以上の事前に形成された湾曲部又は折曲部を組み込んでよい。ガイドカテーテル200が湾曲又は折曲している実施形態では、湾曲部又は折曲部の偏向角度は、最大で約135°の範囲であってよい。ガイドカテーテル200の湾曲又は折曲領域によって形成された具体的な偏向角度の例は、0°、30°、45°、60°、70°、90°、120°及び135°である。ガイドカテーテル200は、PEBAX、ポリイミド、編組ポリイミド、ポリウレタン、ナイロン、PVC、ハイトレル、HDPE、PEEK、金属(ステンレス鋼等)及びフルオロポリマー(PTFE、PFA、FEP及びFPTFE等)等の好適な要素から構成することができる。ガイドカテーテル200は、様々な表面コーティング、例えば、親水性潤滑コーティング、疎水性潤滑コーティング、耐磨耗コーティング、耐穿刺コーティング、電気又は熱導電性コーティング、放射線不透過性コーティング、エコー輝度コーティング、血栓形成減少コーティング、及び薬物を放出するコーティングを有することができる。
【0022】
図2Bでは、ガイドワイヤ202を備える、第2の導入装置は、ガイドワイヤ202が副鼻腔口SSOを通って蝶形骨洞SSに進入するように、第2の導入装置(即ち、ガイドカテーテル200)を通って導入される。ガイドワイヤ202は、心臓病学の技術分野に見られるように、構成され、コーティングされてよい。
【0023】
図2Cでは、作動装置204、例えばバルーンカテーテルは、ガイドワイヤ202上で蝶形骨洞SS内に導入される。この後、図2Dでは、作動装置204を使用して診断又は治療処置を行う。この具体例では、処置は、図2Dから分かるように、蝶形骨洞口SSOの拡大である。しかしながら、本発明はまた、任意の他の副鼻腔口、又は鼻、鼻腔、鼻咽頭、若しくは隣接する領域(上顎、前頭及び/又は篩骨副鼻腔の自然の副鼻腔口が挙げられるが、これらに限定されない)内の他の人工若しくは自然発生の細胞学的開口部若しくは通路を、拡大又は改変するために使用されてもよい。処置の完了後、ガイドカテーテル200、ガイドワイヤ202及び作動装置204を抜脱し、取り除く。本特許出願で述べるこの処置又はあらゆる処置において、操作者は他の種類又は本発明のカテーテルを更に前進させてよく、ガイドワイヤ202は、方向転換可能(例えば捩じることができる、能動的に変形させることができる)又は成形可能あるいは変形可能であってよい。ガイドワイヤ202は、組込内視鏡又は他のナビゲーション又は画像モダリティ(透視、X線透視撮影、超音波、高周波局在、電磁、磁気、ロボティック、又は他の放射エネルギーベースのモダリティが挙げられるが、これらに限定されない)を備えてよい。この点において、図面のうちのいくつかは、任意のスコープSCを点線で示す。かかる任意のスコープSCは、いかなる好適な種類の剛性又は可撓性内視鏡を備えてよく、かかる任意のスコープSCは、本発明の作動装置及び/又は導入装置から分離されるか、又はその中に組み込まれてもよい。
【0024】
任意に、本明細書に開示する方法はまた、潅注及び吸引が挙げられるが、これらに限定されない、鼻、副鼻腔、鼻咽頭、又は隣接構造内の生体構造の清浄又は洗浄工程を含んでもよい。標的生体構造の清浄工程は、診断又は治療処置の前、又はその後に実施することができる。
【0025】
本発明の方法はまた、鼻腔組織の収縮をもたらすための血管収縮剤(例えば、0.025から0.5%のフェニレフリン(phenylephyrine)、又は塩酸オキシメタゾリン(ネオシネフリン又はアフリン))、及び組織等を清浄するための抗菌剤(例えば、ポビドンヨード(provodine iodine)(ベタジン))等を用いた噴射又は洗浄工程等、処置用に、鼻、副鼻腔、鼻咽頭、又は隣接構造を調製するための、1つ又は2つ以上の調製工程を含んでもよい。
【0026】
図3A〜3Dに示されるように、一実施形態では、上顎洞は、そこまで副鼻腔口を拡大することによって治療してよい。図3Aに示されるように、ガイドカテーテル290は、上顎洞口に隣接するその遠位端を位置付けるために、患者の鼻孔内に前進させてよい。図3Bに示されるように、次いで、ガイドワイヤ294は、ガイド290を通って、上顎洞口を通って、上顎洞内に前進させてよい。次に、図3Cに示されるように、バルーンカテーテル302は、上顎洞口内にバルーンカテーテル302の拡張型バルーン304を位置付けるために、ガイドワイヤ294上でガイドカテーテル290を通って、前進させてよい。次いで、図3Dに示されるように、拡張型バルーン304を膨張させて、上顎副鼻腔の自然の副鼻腔洞口を拡大してよい。拡大処置が完了した後、ガイドカテーテル290、ガイドワイヤ294及びバルーンカテーテル302をすべて、患者から取り出してよい。代替的実施形態では、ガイドカテーテル290及び/又はガイドワイヤ294は、患者に留置してよく、バルーンカテーテル302は、取り出されてもよく、別の可撓性装置(図面に図示せず)は、付加的な処置を実行するために、ガイドカテーテル及び/又はガイドワイヤ294上で、及び/又はそこを通って、上顎洞口内に前進させてよい。例えば、一実施形態では、潅注カテーテルは、ガイドカテーテル290を通って前進させられ、副鼻腔口を潅注するために使用されてよい。かかる潅注カテーテルは、ガイドワイヤ294を用いず、又は代替的実施形態では、ガイドワイヤ294を使用して、前進させてよい。
【0027】
図4A〜4Dは、副鼻腔内に人工的に形成された開口部を通って、上顎副鼻腔にアクセスし、人工の開口部、自然の副鼻腔口、又はそれらの両方を拡大する方法の種々の工程を示す、ヒトの頭部を通る、部分的な冠状断面図である。いくつかの実施形態では、自然の副鼻腔口を介して副鼻腔にアクセスするよりはむしろ、人工の開口部を副鼻腔内に作製してよい。いくつかの実施形態では、ガイドを使用して、次いで、バルーンカテーテル又は他の拡大器(ガイドワイヤを有する、又は有さない)を、人工の開口部を通って、副鼻腔内に誘導してよい。次いで、拡大器は、自然の副鼻腔口まで前進させられ、自然の副鼻腔口を拡大するために使用されてよく、人工の開口部を拡大するために使用されてよく、又はその両方のために使用されてもよい。
【0028】
図4Aでは、穿孔装置300は、鼻孔を通って挿入され、上顎洞内に人工の開口部を形成するために使用される。かかる穿孔装置の例としては、直線針、折曲したシャフトを有する針、解剖用器具、パンチ、ドリル、芯抜き器、外科用メス、掘削器具、ハサミ、ピンセット及びカッターが挙げられるが、これらに限定されない。図4Bでは、穿孔装置300は、抜脱され、作動装置、例えばバルーンカテーテル302は、人工の開口部を通って、上顎洞内に導入される。図4Cでは、バルーンカテーテル302を使用して、上顎洞内に人工的に作製された開口部を拡大する。この工程後、バルーン302は、抜脱される。別の実施形態では、図4Dに示されるように、バルーンカテーテル302は、人工の開口部を通って、上顎洞内に前進させられ、次いで、自然の副鼻腔口内にカテーテル302のバルーンを位置付けるために、上顎洞内に更に前進させてよい。いくつかの実施形態では、自然の副鼻腔口へのこの前進は、人工の開口部を拡大した後に実施されてよい。代替的には、バルーンカテーテル302は、いくつかの実施形態において、人工の開口部を拡大することなく、前進させてよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、バルーンカテーテル302は、ガイドワイヤ上で自然の副鼻腔口まで前進させてよい。代替的には、バルーンカテーテル302は、他の実施形態において、ガイドワイヤを使用することなく前進させてよい。いくつかの実施形態では、穿孔装置300は、上顎洞内に挿入されてよい導入装置(例えば、ガイドワイヤ又は他の細長いプローブ若しくは部材)を通る管腔を有してよく、次いで、穿孔装置300は、かかる導入装置(例えば、ガイドワイヤ又は他の細長いプローブ若しくは部材)を留置したまま、取り出されてよい。その場合、作動装置(例えば、バルーンカテーテル302)は、作動装置(例えば、バルーンカテーテル300)を、以前に挿入された導入装置(例えば、ガイドワイヤ又は他の細長いプローブ若しくは部材)の上を前進させる、管腔又は他の構造を組み込んでよい。いくつかの実施形態では、穿孔装置は、管腔を含んでよく、バルーンカテーテル302は、種々の実施形態において、ガイドワイヤを用いて、又は用いずに、穿孔装置を通って、上顎洞内に前進させてよい。再度、代替的実施形態では、同様の方法及び装置を使用して、他の副鼻腔にアクセスし、副鼻腔を治療してよい。
【0030】
別の代替的実施形態(図4A〜4Dに図示せず)では、穿孔装置を使用して、異なる位置で、上顎洞内に開口部を形成してよく、ガイドワイヤを使用して、開口部を通って副鼻腔にアクセスしてもよい。例えば、一実施形態では、人工の開口部は、上顎洞内に犬歯窩を通って作製されてよい。別の実施形態では、冠状切除部は、前頭副鼻腔内に作製されてよい。他の実施形態では、人工の開口部は、篩骨又は蝶形骨洞内に形成されてよい。いくつかの実施形態では、次いで、ガイドは、人工の開口部を通って定置され、自然の副鼻腔口にアクセスするために使用されてよい。他の実施形態では、ガイドカテーテルは、人工の開口部近傍の副鼻腔の外側に留置され、ガイドワイヤ及び/又は他の装置を副鼻腔内に誘導するために使用されてよい。代替的実施形態では、人工の開口部は、拡張されてよく、自然の副鼻腔口は、拡張されてよく、又はその両方が拡張されてよい。これらの方法は、いかなる副鼻腔に適用されてよい。下記により詳細に説明するように、自然又は人工の開口部を介して、副鼻腔にアクセスするために使用されるか否か、これらのガイドカテーテルのうちのいずれかは、本発明の種々の実施形態に従う、吸引機能とともに提供されてよい。
【0031】
本明細書に開示するガイドカテーテル又は他の内腔装置のうちのいずれも、吸引能力を有してよく、したがって、ガイドカテーテル又は装置の遠位端を通る、解剖学的領域を吸引するための配列を備えることができる。いくつかの実施形態では、ガイドカテーテルをアダプタに沿って提供して、ガイドを吸引源に取り付けてよい。別の実施形態では、ガイドカテーテルは、アダプタが必要ないように、統合型又は内蔵型吸引取り付けを有してよい。現在、医師は、鼻腔及び副鼻腔内で外科装置を使用するときに、従来の吸引装置を使用して、外科領域をきれいにする。これによって、外科医は、従来の吸引装置を、症例毎に、何度も持ち上げ、置いて、頻繁に装置を交換する必要がある。外科医が、ガイドカテーテルを通って、ガイドワイヤ、バルーン、潅注カテーテル、及び/又は同等物を同時に通過させながら、ガイドカテーテルを通って吸引することを可能にすることにより、外科処理を簡素化することができる。吸引アダプタは、ガイドカテーテルの近位端に取り付けることができる。アダプタは、ガイドカテーテルシャフトの軸と直列にある弁を含むことができ、弁は、ガイドカテーテルの管腔を通る吸引を維持しながら、ガイドワイヤ、バルーン、及び潅注カテーテル等の装置が、吸引アダプタ及びガイドカテーテルを通って通過することを可能にする。延長管は、吸引アダプタの本体からオフセットを流するように構成することができる。延長管は、使用の簡便性を向上するように、階段状アダプタ及び/又はオンオフ弁内で終端してよい。
【0032】
ガイドカテーテルに接続するために、雄型の滑り嵌合ルアーを使用することができる。これは、吸引アダプタに対して、ガイドカテーテルの容易な回転調整を可能にしながら、機械的な固着及び気密性封止を提供する。その上、吸引アダプタの本体を通る孔は、ガイドカテーテルを通る吸引量の容易な制御を可能にする。孔が閉塞されていないときに、ガイドカテーテルの遠位端において、わずかな真空が存在するか、又は真空が存在しない。外科医は、孔を指で部分的又は完全に閉塞して、ガイドカテーテルの先端における真空を増大することができる。オンオフスイッチは、吸引作動を制御するために更に提供することができる。スイッチが、「オン」にされ、次いで、孔が閉塞され、吸引が開始される。更に、シリコーン又はポリイソプレン(polyisoprrene)弁を使用して、ガイドワイヤ、バルーン、又は潅注カテーテルの周囲の封止を維持することができる。弁は、装置が存在しないときに、完全に閉鎖される。軽量管の形態の延長管を使用して、吸引アダプタを、操作室で一般に使用される、より重いゲージ管に接続することができる。管は、真空下での崩壊を防止するために、十分な壁圧を有するが、ガイドカテーテルに対して、大きな又は人間工学的な負荷を与えない。
【0033】
例えば、図5Aは、吸引に取り付けるための近位アダプタを有するガイドを示す。より具体的には、ガイドカテーテル500は、金属(ステンレス鋼、チタン、ニッケルチタン合金(例えば、ニチノール)等)、プラスチック(PEBAX、PEEK、ナイロン、ポリエチレン等)等が挙げられるが、これらに限定されない、好適な生体適合性材料から作製されてよい、細長い管502を備えることができる。細長い管502の遠位領域は、湾曲領域、折曲領域又は角度領域を含んでよい。いくつかの実施形態では、細長い管502の遠位端は、非外傷性先端504を備えてよい。種々の構造モードが使用されてよいが、示される例では、細長いハイポ管506は、細長い管502の外面上に配置され、ガイドカテーテル500の近位端は、分枝状又はY型コネクタ508を備える。Y型コネクタ508の近位領域は、直線アーム510及び側面アーム512を備える。直線アーム510の近位端は、好適なハブ514を備える。一実施形態では、ハブ514は、雌型のルアーハブである。別の実施形態では、ハブ514は、トーイボーストアダプタ等の回転止血弁を備える。側面アーム512の近位端は、好適なハブ516を備える。一実施形態では、ハブ516は、吸引量を調整するためのトーイボーストアダプタ等の回転止血弁を備える。ハブ516は、ガイドカテーテル500に吸引を提供する、吸引管518に接続される。したがって、ガイドカテーテル500を使用して、吸引を提供し、1つ又は2つ以上の診断装置、治療装置又はアクセス装置を、生体構造内に導入することができる。
【0034】
代替的アプローチでは、ガイドカテーテルは、ピンチ管550を更に装備することができる(図5B参照)。ピンチ管は、Y型コネクタ508の近位端に接続され、シリコーン又は他の可撓性材料から形成することができる。更に、細長い管502の近位端は、Y型コネクタ508に取り付けられた雄型ルアー554と合致する、雌型ルアー552で構成することができる。使用の際、ピンチ管550は、医師によって、ガイドワイヤ551又は他の装置の周囲でピンチされ閉鎖して、ガイドから延在する管腔を閉塞し、管によって、吸引を促進する。従来通り、吸引力は、側面アーム512を通って印加される。
【0035】
ここで図6及び7を参照すると、一実施形態では、ガイドカテーテルシステム600は、シャフト610と、シャフト610の近位端に配置されるハブアセンブリ604とを有する、ガイドカテーテル601を含んでよい。シャフト610は、第1の直径を有する近位部603と、第2のより小さい直径を有する終末端部602と、それらの2つの間の先細遷移部614と、シャフト610の長さを通って、かつハブアセンブリ604を通って延在する管腔608とを含んでよい。(ハブアセンブリ604の内部部分は、カテーテルシャフト610の管腔608と液体連通にある、管腔、チャンバ又は同等物であってよい。)いくつかの実施形態では、ガイドカテーテルシステム600は、図6に示されるように、ガイドワイヤ612及び/又はバルーンカテーテル606を更に含んでよい。いくつかの実施形態では、ガイドカテーテルシステム600は、吸引管633等の吸引装置を更に含んでよい。
【0036】
シャフト610の外輪郭は、1つ又は2つ以上の装置が管腔608を通って副鼻腔内に前進させられ得るように、鼻腔内へ前進するように構成される。先細遷移部614は、遠位部602が近位部603よりも小さい断面を有するように、シャフト近位部603と遠位部602との間に提供される。このようにして、バルーンカテーテル606は、吸引力が、バルーンカテーテル606構造の周囲の管腔608を通って通過する間に、近位部603内に存在することができる。この構造は、例えば、ガイド管腔608内に事前に充填されたバルーンカテーテル606を用いて、ガイドカテーテルシステム600を、患者の鼻孔内に前進させ、ガイドカテーテル601の前進及び位置付け中の吸引を可能にする上で有用である場合がある。ガイドカテーテル601の前進及び位置付け中の吸引は、カテーテルが、外科医が作業している領域から血液及び粘液の除去を可能にし、したがって、領域の可視化及び副鼻腔へのアクセスを促進するため、有益である。
【0037】
ガイドカテーテル601のシャフト遠位終端部602は、管腔608を通って、副鼻腔の自然又は人工の開口部内に前進する、1つ又は2つ以上の装置を移動させることを目的とする、具体的な湾曲輪郭を画定する。一実施形態では、終末端部602の最遠位先端616は、残りのシャフト610よりも可撓性である。故に、PEBAXは、遠位先端616のための1つの企図される材料である。先細遷移部614を含んでよい、シャフト610の中間部618は、可撓性材料から作製されてよいが、一実施形態では、この材料は、遠位先端616を形成するために使用される材料よりも可撓性が少なくてよい。例えば、一実施形態では、中間部618は、ナイロン材料から形成されてよい。この中間部618の近位のシャフト610の近位部603は、より剛性のポリマー及び/又はステンレス鋼ハイポ管619等に制限されない、より剛性材料から形成されてよい。
【0038】
可撓性遠位先端616の1つの利点は、ガイドカテーテル601が前進し、操作され、後退するときに、可撓性遠位先端が、鼻腔と直線にある柔粘膜組織にほとんど外傷をもたらさないことである。例えば、ガイドカテーテル601が鼻腔内に前進すると、先端616は、しばしば、篩骨胞に接触する場合があり、可撓性先端616は、剛性のものよりもほとんど外傷をもたらさない。いくつかの実施形態では、収縮したバルーンカテーテル606が、バルーン拡大処置が実施された後に、ガイドカテーテル内に引き戻されるときに、遠位先端616はまた、拡張してもよい。この拡張(又は「弾力性」)は、処理後に、バルーンカテーテル606をガイドカテーテル601内に引伸するために必要とされる力の量を低減してよく、したがって、バルーンカテーテル606及び/又はガイドカテーテル601システムの使用を容易にする。これは、遠位先端616の直径が、そうでなければなったであろう直径よりも小さく作製することを可能にし、更に、使用中の外傷を低減し、また生体構造内の所望の位置での遠位先端616の位置付けも促進する。先端616はまた、インターベンショナル処置中の位置付けの追跡を補助するために、並びに非外傷性輪郭を維持するために、拡張型放射線不透過性バンドとともに提供されてもよい。
【0039】
更に、PEBAX遠位先端616は、鼻腔構造を通って、かつその周囲でナビゲートするために、隣接する近位部618に対して成形される。例えば、一実施形態では、湾曲形状の先端部616は、1つ又は2つ以上の装置が、上顎洞内にナビゲートされるように、鉤状突起周囲のナビゲートを促進する。一実施形態では、遠位先端616と隣接する中間部618との間の接合は、傾斜される。この傾斜した接続は、中間部618に対する遠位先端616の面積を増大させ、したがって、シャフト610の最も可撓性の部分の面積を増大させ、軟組織の外傷の防止を強化する。終末端部602の角度形状は、中間部618のより剛性のナイロン、及び遠位先端部616とのその傾斜した接合によって部分的に保持される。
【0040】
種々の代替的実施形態では、上記及び下記に説明するもの等のガイド装置は、いかなる好適な角度構造を有してよい。例えば、実施形態は、上顎、前頭、蝶形骨及び篩骨副鼻腔へのアクセスを促進するために、異なる角度で提供されてよい。種々の実施形態では、遠位先端616は、約0°から約180°の角度で、残りのシャフト610に対して角度をつけられてよい。いくつかの実施形態では、0°、30°、70°及び110°の角度を有する1組のガイドカテーテル601等の異なる角度構造を有するガイドカテーテル601の組み合わせが提供されてよい。次いで、外科医は、所与の副鼻腔にアクセスするために所望の角度を有する、ガイドカテーテル601を選択してよい。種々の実施形態では、いかなる角度、又はいかなる組み合わせの角度を有するガイドが提供されてよい。
【0041】
種々の実施形態では、終末端部602、先細遷移部614及び近位部603を含む、シャフト610の内径の外側は、シャフト610が鼻腔内に前進するように構成される限り、多くの異なる寸法を有してよい。特に、終末端部602及び遠位先端部616は、開口部近傍の副鼻腔への位置付けを促進するように寸法決定されてよい。一実施形態では、例えば、遠位先端616は、約0.236cm(.093インチ)の内径を有することができる。この直径構造は、先端616から、先細614に遠位のカテーテル部分まで長手方向に延在することができ、比較的長い寸法を画定することができる。しかしながら、終末端部602の先端エンベロープ620は、先端エンベロープが鼻の生体構造を通ってより容易に通過し、したがって、先端エンベロープが、例えば、中鼻甲介を越えて挿入されるときに、潜在的に係合することができるように、比較的短い寸法を取ることができる。本出願の目的のために、「先端エンベロープ」は、図7に示されるように、遠位先端616の最遠位端から、終末端部602の直線部分の反対側の表面まで、垂直に描かれた線の長さとして画定される。
【0042】
図6及び7に示されるように、一実施形態では、遠位先端616の最遠位端は、傾斜形状を有してよい。傾斜形状はまた、上顎洞口へのアクセスを得るための鉤状突起周囲のガイドカテーテル601の方向付け等の、鼻腔生体構造に対する挿入及び位置付けを促進する。その上、傾斜先端616の具体的な構造は、装置が鼻孔内に定置されるときに、操作者が先端の開口部を見ることを可能にする。これは、操作者の方向に後ろに向いている、傾斜構造の開口部によるものである。先端616の開口部のかかる直接的視覚は、装置の操作及び位置付けに役立つことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、終末端部602内の管腔608は、締まり嵌めが、遠位終末端部602の管腔608の内壁と、バルーンの外面との間に形成されるため、バルーンカテーテル606が管腔608内で前進するときに、吸引がもはや不可能であるように、寸法決定された内径を有してよい。代替的実施形態では、吸引力の量は、バルーンが近位シャフト部分603内に存在するときと比較して、バルーンが終末端部602内に存在するときに少ないが、この前進位置にあっても、管腔608を通って、バルーンカテーテル606の周囲で吸引を引き出すことが依然として可能であってよい。次いで、いくつかの場合において、吸引の主な使用が、鼻腔内におけるガイドカテーテルシステム600の初期の前進及び位置付け中であってよいが、吸引力は、バルーンカテーテル606が、インターベンショナル処置を実行するために、先端612を越えて遠位に前進するときに、再度開始されてよい。
【0044】
近位弁624は、ガイド管腔608(又は、ハブ604のチャンバ)内に提供される。一実施形態では、弁624は、バルーンカテーテル606の周囲に封止を形成し、そのことによって、管腔608内の吸引力の印加を促進する。一実施形態では、弁は、弁がまた、ガイドワイヤ612の周囲に封止を形成してもよいように、構成することができる。しかしながら、代替的実施形態では、弁は、バルーンカテーテル606、又はガイドワイヤ612よりも大きい直径を有する別の可撓性装置が、管腔608内に位置付けられるときに、吸引のみが作製されるように、ガイドワイヤ612の周囲に封止を形成しない。
【0045】
ガイドカテーテル601のハブ604は、通気孔628及び吸引ポート630を更に含む。最近位部は、操作者による容易な把持のために成形されたフランジ631を装備する。一実施形態では、例えば、外科医がフランジ631を使用して、注射器状のガイドカテーテル601を把持し、同じ手で、ガイドカテーテル601を通してバルーンカテーテル606を前進させてよい。代替的実施形態では、標準又は特注の吸引管632のいずれかを、吸引ポート630に取り付けて、所望の吸引力を生成することができる。その上、吸引ポート630は、ハブ604を通って前進したガイドワイヤ612が、吸引ポート630から出ないように、近位に角度をつけられる。
【0046】
通気孔628は、操作者の指を容認するように、寸法決定され、位置付けられ、そのことによって、吸引ポート630を通って提供された吸引が、ガイドカテーテル601の遠位先端616において適用される。いくつかの実施形態では、通気孔628は、ハブ604の外面から、ハブ604の内壁までの短い管経路を画定することができ、吸引ポート630と同様の方法で近位に向けられ、ガイドワイヤ612が通気孔628を通って通過するのを防止することができる。一代替的実施形態では、通気孔628はまた、あるいは代替的に、格子状構造で被覆され、ガイドワイヤ612がそこを通って通過するのを防止してもよい。
【0047】
ここで図8〜11を参照すると、ガイドカテーテルシステム600の使用方法を説明する。図8〜11は、前頭副鼻腔にアクセスし、副鼻腔を治療する上でのガイドカテーテルシステム600の使用を示すが、この実施形態又は他の実施形態を使用して、上顎、蝶形骨及び篩骨副鼻腔を含む、他の副鼻腔のうちのいずれかにアクセスし、副鼻腔を治療してもよい。
【0048】
図8を参照すると、方法の一実施形態では、ガイドカテーテル601は、ガイドカテーテル601の終末端部602が、副鼻腔内の開口部に、又はその近傍に位置するように、まず、鼻腔内に前進し、位置付けられる。図8に示される例では、終末端部602は、前頭洞口(前頭洞内の自然開口部)につながる経路である、前頭突起の近傍に位置付けられる。ガイドカテーテル601は、可視化のための内視鏡、及び/又は透視鏡を使用して、所望の位置に位置付けられてもよいが、多くの場合では、内視鏡のみで十分である。いくつかの実施形態では、ガイドカテーテル601は、ガイドワイヤ612及び/又は、ガイドカテーテル管腔608内に事前に充填されたバルーンカテーテル606を用いて、鼻腔内に前進する。ガイドカテーテル601の前進及び/又は位置付け中に、吸引が、ハブ装置604で連結された吸引管を通って吸引力を印加し、親指又は他の指を通気孔628に定置して、血液、粘液及び/又は他の液体を終末端部602の面積から除去することによって適用されてよい。この吸引の使用は、典型的に、外科医の内視鏡を使用して鼻腔を可視化する能力を向上させ、したがって、標的副鼻腔口の位置付けを促進する。
【0049】
依然として、図8を参照すると、ガイドカテーテル601が、鼻腔内の所望の位置に位置付けられると、次いで、外科医は、ガイドワイヤ612を、カテーテル601の遠位開口部から外に、副鼻腔の自然の副鼻腔口650を通して、副鼻空洞652内に前進させる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ612は、照射ガイドワイヤであってよい。かかる照射ガイドワイヤを使用して、患者の外部表面上に透光スポットを作製してよく、及び/又はガイドワイヤ612の前進後、ガイドワイヤ612の遠位端が所望の副鼻腔内に進入し、その中に存在することを確認してよい。(例えば、米国特許第11/522,497号及び同第11/803,695号を参照し、それら開示の全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる。)他の実施形態では、非照射ガイドワイヤ612を使用してよい。照射又は非照射ガイドワイヤのいずれかの実施形態では、透視鏡を使用して、その位置の更なる確認のために、副鼻腔内のガイドワイヤ612を可視化してよい。
【0050】
次に、図9に示されるように、バルーンカテーテル606は、ガイドワイヤ612上で前進し、副鼻腔口650内に位置付けられ、次いで、その中で拡張される。(前頭洞の場合では、これらの図面に見られるように、バルーンカテーテル606のバルーンは、副鼻腔、前頭流出路、又はそれらの両方内に位置付けられ、膨張させてよい。)膨張装置(図示せず)は、バルーンを膨張するために提供される。その後、バルーンカテーテルは、収縮され、遠位終末端部602内で抜脱される。一実施形態では、バルーンカテーテル606を即座に抜脱するよりはむしろ、代わりに、バルーンは、副鼻腔を更に拡張し、前頭洞流出路の一部分を拡張し、及び/又は同等のことをするために、再位置付けされ、再度、膨張させられる。任意に、バルーンカテーテル606は更に、ガイドカテーテル601内に抜脱されてよく、吸引力を印加して、副鼻腔空洞若しくは流出路から、又は鼻腔から物質を除去してもよい。
【0051】
ここで図10を参照すると、任意の工程において、いくつかの実施形態では、バルーンカテーテル606は、ガイドカテーテルを介して患者から取り出されてよく、次いで、可撓性潅注カテーテル654は、ガイドカテーテル601(代替的実施形態では、ガイドワイヤ612上で、又はガイドワイヤを用いず)を通って、副鼻腔内に通過してよい。次いで、食塩水溶液等の潅注流体652は、潅注カテーテル654から外に通過して、副鼻腔を流す、又は潅注してよい。いくつかの実施形態では、潅注流体652は、単に、吸引力を印加せずに、副鼻腔から出て流動することが可能であってよい。他の実施形態では、吸引は、流体652の除去を補助するために、吸引ガイドカテーテル601を介して印加されてよい。
【0052】
図11に見られるように、処置の最後に、ガイドカテーテル601及びいかなる残りの装置は、患者から取り外される。副鼻腔口650は、拡大した状態のままであり、そのことは、理想的には、副鼻腔の通常の排出を促進し、患者の副鼻腔炎の治療に役立つ。
【0053】
図12に示されるように、ガイドカテーテル700への代替的アプローチは、複数の屈折又は折曲部を含む、遠位終末端部702を含んでよい。第1の折曲部704は、第2の折曲部706に対して遠位に位置付けることができ、そこでは、第1の折曲部704は、第2の折曲部706よりも小さい角度を画定する。この「二重折曲」構造は、先端が下向きの配向で、鼻孔内へのガイドカテーテル700の挿入を促進し、次いで、カテーテル700が回転して、その遠位先端716を、上顎洞口に、又はその近傍に位置付けることを可能にしてよい。
【0054】
他の代替的実施形態では、ガイドカテーテル700の終末端部702は、鼻腔内の他のプロセス又は操作を促進するように構成されてよい。例えば、一実施形態では、終末端部702は、遠位先端716が、必要に応じて、治療部位に対して位置付けられている間に、インターベンショナル処置中に鉤状突起(又は他の生体構造)の経路からの押し出しを促進するように構成されてよい。図12に示される「二重折曲」アプローチは、ガイド700を通して、バルーンカテーテルを前進及び後退させることに必要とされる、より低い挿入力及び後退力に役立つ場合がある。例えば、50°及び60°の二重折曲は、110°の単一の折曲よりも少ない、かかる力をもたらすことができる。
【0055】
ここで図13〜23を参照すると、ガイドカテーテルのための遠位末端構造の多くの代替的実施形態が示される。それぞれの実施形態は、鼻腔内のガイドカテーテルの前進及び/又は位置付け、及び/又はガイドカテーテルの遠位端内へ、かつそこから出るバルーンカテーテル又は他の装置の前進又は後退を促進する上で利点を有することができる。図13に示されるように、一実施形態では、ガイドカテーテルの終末端先端750は、円形の内径754を含む、眼形状の押し出し又は成形752を実装してよい。統合ウィング756は、鼻腔生体構造へのアクセス、及び横断に役立つように提供される。例えば、ウィング756は、上顎洞口にアクセスするために、鉤状突起の後ろのガイドカテーテルの遠位端の位置付けを促進してよい。ウィング756は、外科医が鉤状を前方方向に裂くことを可能にし、したがって、上顎洞口へのアクセスを誘導するための開口経路を露呈する。
【0056】
図13〜23のガイドカテーテル遠位端のいくつかはまた、楕円形の断面も含む。この楕円形状は、解剖学的制限の配向にあるガイドの寸法を最小限化することに役立つ場合がある。鉤状突起が、しばしば、篩骨胞に対して(前後方向に)堅く締めることができるため、ガイドは、より小さい寸法が、鉤状と篩骨胞との間に配向されるように、楕円化される。種々の実施形態は、ウィング756を有するか、又は有さない、かかる楕円形の断面を含んでよい。ガイドカテーテルのいくつかの実施形態の柔軟な遠位先端材料は、ガイド先端の断面形状が、遠位先端材料が受ける力に対して変化することを可能にする。したがって、円形断面形状を有する柔軟な先端は、先端が鉤状の後ろに定置されている間に、楕円化されてもよく、それによって、所望の位置を達成するために必要とされる力を低減する。
【0057】
他のアプローチでは、ガイドカテーテルの遠位終末端部は、種々の構造のフランジウィングを含むことができる。ウィングは、先端の上部、正中線又は底部に位置付けることができ、ウィングは、短い、長い、平滑又は湾曲することができる。また、ウィングは、張り出して、単一の材料で形成することができ、いかなる数の金属又はポリマー(アルミホイル、ステンレス鋼、硬質プラスチック又は軟質プラスチック)等に限定されない、種々の実施形態のいかなる好適な可撓性又は非可撓性材料からなることができる。1つの具体的なアプローチ(図14A〜C)では、ガイドカテーテルの遠位終末端部750は、アルミホイルによって形成されたウィング756を含むことができる。かかるウィングは、再度、鉤状突起の後ろに滑動する目的のため等、副鼻腔生体構造を通るナビゲーションを促進することを目的とする。PEBAXから形成された、同様に構成されたウィングが、図15A及びBに示される。ナビゲーションの促進への更に別のアプローチが図16に示され、ガイドカテーテルの遠位終末端750の一部分の周囲に形成された、硬質プラスチック被覆758を図示する。
【0058】
その上、図17A〜Bに示されるように、ナビゲートウィング757はまた、その中に形成された遠位開口部に一般に垂直な終末端の周囲に構成されたステンレス鋼棒から形成することができる。PEBAXウィング756への別のアプローチが、図18A及びBに示される。また更に異なるアプローチをそれぞれ、図19A〜D、20A〜B、21A〜C、22A〜B及び23に図示する。図19Aに示される下面ウィング756及び図21A〜Cの角度切断先端を用いる、角度先端アプローチは、顕著である。図21A〜C、22A〜B及び23に図示されるこれらのような、ガイドの終末端における種々の成形開口部もまた企図される。
【0059】
図24A〜Cに示されるように、ガイドカテーテルシステム内のバルーンカテーテル606を封止するための弁624への種々の異なるアプローチが企図される。第1のアプローチでは、中心封止貫通孔802を有する、平坦な円形ガスケット800(図24A)。代替的には、二重先細812を有する貫通孔によって画定される弁810は、ガイドカテーテルシステム内で用いることができる。更に、図24Cに示されるように、弁624は、内部フラップ構造822を有する、一方向弁820を実装することができる。
【0060】
ここで図25A及びBを参照すると、ガイドカテーテルシステム600のハブアセンブリ604への代替的アプローチが示される。ハブを第1の部品830及び第2の部品840に分割することによって、弁封止624のカテーテルシャフト610への取り付けへの改善されたアプローチが企図される。第1のアプローチでは、弁624は、シャフト610に装着され、2つの部品は、ハブ604の第2の部品内に位置付けられる。ハブ830の第1の部品は、第2の部品内に挿入され、ハブアセンブリを完了する。代替的アプローチ(図25B)では、弁624は、ハブアセンブリの第2の部品840及びカテーテルシャフト610の末端内に捕捉される。ハブの第1の部品830は、定位置の弁624を閉じ込める、フランジ842で構成される。かかるアプローチは、アセンブリの簡便性を目的とする。
【0061】
図26に示されるように、ハブアセンブリ604は、バーブ850を含む、吸引ポート630を更に含むことができる。吸引管のための取り付けは、取り付け及び除去の簡便性を可能にし、更にまた漏れがほとんどない速度から全く漏れない速度までの十分な吸引速度を提供するために、堅く締められた封止からのものでなければならない。バーブ850は、かかる望ましい接続を促進し、かつまた吸引特性が用いられているか否かに関わらず、使用中に操作者を妨げない輪郭も画定する。
【0062】
加えて、図27A及びBに示されるように、ハブアセンブリ604は、ハブ604を他の装置に接続するために提供することができる、近位開口部860を含むことができる。隆起部862は、開口部860内に形成することができ、補助装置866の末端上に形成されたカットアウト内で寸法決定され、成形することができる。このようにして、可聴クリックは、隆起部862の係合によって形成され、それによって、補助装置とのハブ604の適切なレジスタを確認することができる。カットアウト864を有することによって、ポートの完全な係合を特定する。加えて、いくつかの抵抗がまた、ポート間に提供され、偶発的な放出の回避に役立つ。
【0063】
本発明は、数々の好ましい実施形態に関して説明及び記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更、省略及び追加をその形態及び詳細に行うことができる。
【0064】
〔実施の態様〕
(1) 1つ又は2つ以上の可撓性装置を患者の副鼻腔内に誘導し、ガイドカテーテルを介する吸引を可能にするためのガイドカテーテルであって、
前記患者の鼻孔内へ前進するように寸法決定された細長いカテーテルシャフトであって、
近位部と、
前記近位部よりも可撓性である湾曲した遠位部と、
前記近位部及び遠位部を通って長手方向に延在する管腔と、を備える、カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの前記近位部と連結される、ハブアセンブリであって、
前記カテーテルシャフト管腔と流体連通にある内室と、
前記内室の内部に配置された一方向弁であって、前記弁を通って前進した装置の周囲に封止を形成するように寸法決定された開口部を有する、弁と、
吸引源を前記ハブと連結するための吸引ポートと、
通気孔と、を備える、ハブアセンブリと、を備える、ガイドカテーテル。
(2) 前記管腔が、
前記シャフトの前記近位部内の第1の内径であって、バルーンカテーテルが前記近位部管腔内に存在する間に、吸引が前記カテーテルシャフトを通って近位に引き出されるのを可能にするために十分である、第1の内径と、
前記第1の内径よりも小さい前記遠位部内の第2の内径と、を備える、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(3) 前記カテーテルが、遠位外輪郭よりも大きい近位外輪郭を有する、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(4) 前記カテーテルが、前記近位外輪郭と前記遠位外輪郭との間に先細遷移部を含む、実施態様3に記載のガイドカテーテル。
(5) 前記近位部の一区画が、ステンレス鋼から形成される、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(6) 前記湾曲した遠位部の終末端部が、可撓性装置がそこを通って前進するときに、前記終末端部が拡張することを可能にする可撓性を有する、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(7) 前記湾曲した遠位部の前記終末端部が、PEBAXから形成される、実施態様6に記載のガイドカテーテル。
(8) 前記カテーテルが、PEBAXから形成される前記湾曲した遠位部の前記終末端部に近位になるように構成されたナイロン部分を含む、実施態様6に記載のガイドカテーテル。
(9) 傾斜した終末端を更に備える、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(10) ウィングを含む終末端を更に備える、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
【0065】
(11) 前記弁が、前記ガイドカテーテルを通って前進した可撓性バルーンカテーテルの周囲に封止を形成する、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(12) 前記ハブアセンブリが、外科医が前記ハブアセンブリを把持し、一方の手の指で前記通気孔を被覆することを可能にする把持表面を含む、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(13) 前記通気孔が、前記ハブの外面から前記ハブの内面までの通路を備え、前記通路は、前記ガイドカテーテルの長手方向軸に対して前記内面から前記外面へと近位に角度をつけられる、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(14) 前記吸引ポートが、前記ガイドカテーテルの長手方向軸に対して近位に角度をつけられる、実施態様1に記載のガイドカテーテル。
(15) 1つ又は2つ以上の可撓性装置を患者の副鼻腔内に誘導し、ガイドカテーテルを介する吸引を可能にするためのガイドカテーテルであって、
前記患者の鼻孔内へ前進するように寸法決定された細長いカテーテルシャフトであって、
近位部と、
前記近位部よりも可撓性である湾曲した遠位部と、
前記近位部及び遠位部を通って長手方向に延在する管腔と、を備える、カテーテルシャフトと、
前記近位部内の前記管腔内部に配置された一方向弁であって、前記弁を通って前進した装置の周囲に封止を形成するように寸法決定された開口部を有する、弁と、
吸引源を前記ガイドカテーテルと連結するための、前記シャフト近位部に沿って配置された吸引ポートと、
前記シャフト近位部に沿って配置された通気孔と、を備える、ガイドカテーテル。
(16) 前記管腔が、
前記シャフトの前記近位部内の第1の内径であって、バルーンカテーテルが前記近位部管腔内に存在する間に、吸引が前記カテーテルシャフトを通って近位に引き出されるのを可能にするために十分である、第1の内径と、
前記第1の内径よりも小さい前記遠位部内の第2の内径と、を備える、実施態様15に記載のガイドカテーテル。
(17) 副鼻腔の上で、又はその中で処置を実行するためのシステムであって、
ガイドカテーテルであって、
患者の鼻孔内へ前進するように寸法決定された細長いカテーテルシャフトであって、
近位部と、
前記近位部よりも可撓性である湾曲した遠位部と、
前記近位部及び遠位部を通って長手方向に延在する管腔と、を備える、カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの前記近位部と連結されるハブアセンブリであって、
前記カテーテルシャフト管腔と流体連通にある内室と、
前記内室の内部に配置された一方向弁であって、前記弁を通って前進した装置の周囲に封止を形成するように寸法決定された開口部を有する、弁と、
吸引源を前記ハブと連結するための吸引ポートと、
通気孔と、を備える、ハブアセンブリと、を備える、ガイドカテーテルと、
前記ガイドカテーテルを通って副鼻腔内に入り、前記副鼻腔の上、又はその中で処置を実行するように構成される可撓性装置と、を備える、システム。
(18) 前記可撓性装置が、前記副鼻腔内への開口部を拡大するために使用される可撓性バルーンカテーテルを備える、実施態様17に記載のシステム。
(19) ガイドワイヤを更に備え、その上で前記バルーンカテーテルが前進する、実施態様18に記載のシステム。
(20) 前記ガイドワイヤが、副鼻腔を徹照することが可能な照明ガイドワイヤを備える、実施態様19に記載のシステム。
【0066】
(21) 前記バルーンカテーテルを膨張するための膨張装置を更に備える、実施態様18に記載のシステム。
(22) 前記副鼻腔を潅注するための拡大後に、前記ガイドカテーテルを通って通過するための潅注カテーテルを更に備える、実施態様18に記載のシステム。
(23) 前記ガイドカテーテルの前記管腔が、
前記シャフトの前記近位部内の第1の内径であって、バルーンカテーテルが前記近位部管腔内に存在する間に、吸引が前記カテーテルシャフトを通って近位に引き出されることを可能にするために十分である、第1の内径と、
前記第1の内径よりも小さい前記遠位部内の第2の内径と、を備える、実施態様17に記載のシステム。
(24) 前記ガイドカテーテルの前記湾曲した遠位部の終末端部が、可撓性装置がそこを通って前進するときに、前記終末端部が拡張することを可能にする可撓性を有する、実施態様17に記載のシステム。
(25) 前記ガイドカテーテルが、傾斜した終末端を更に備える、実施態様17に記載のシステム。
(26) 前記ガイドカテーテルの前記弁が、前記ガイドカテーテルを通って前進した可撓性バルーンカテーテルの周囲に封止を形成する、実施態様17に記載のシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は2つ以上の可撓性装置を患者の副鼻腔内に誘導し、ガイドカテーテルを介する吸引を可能にするためのガイドカテーテルであって、
前記患者の鼻孔内へ前進するように寸法決定された細長いカテーテルシャフトであって、
近位部と、
前記近位部よりも可撓性である湾曲した遠位部と、
前記近位部及び遠位部を通って長手方向に延在する管腔と、を備える、カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの前記近位部と連結される、ハブアセンブリであって、
前記カテーテルシャフト管腔と流体連通にある内室と、
前記内室の内部に配置された一方向弁であって、前記弁を通って前進した装置の周囲に封止を形成するように寸法決定された開口部を有する、弁と、
吸引源を前記ハブと連結するための吸引ポートと、
通気孔と、を備える、ハブアセンブリと、を備える、ガイドカテーテル。
【請求項2】
前記管腔が、
前記シャフトの前記近位部内の第1の内径であって、バルーンカテーテルが前記近位部管腔内に存在する間に、吸引が前記カテーテルシャフトを通って近位に引き出されるのを可能にするために十分である、第1の内径と、
前記第1の内径よりも小さい前記遠位部内の第2の内径と、を備える、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項3】
前記カテーテルが、遠位外輪郭よりも大きい近位外輪郭を有する、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項4】
前記カテーテルが、前記近位外輪郭と前記遠位外輪郭との間に先細遷移部を含む、請求項3に記載のガイドカテーテル。
【請求項5】
前記近位部の一区画が、ステンレス鋼から形成される、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項6】
前記湾曲した遠位部の終末端部が、可撓性装置がそこを通って前進するときに、前記終末端部が拡張することを可能にする可撓性を有する、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項7】
前記湾曲した遠位部の前記終末端部が、PEBAXから形成される、請求項6に記載のガイドカテーテル。
【請求項8】
前記カテーテルが、PEBAXから形成される前記湾曲した遠位部の前記終末端部に近位になるように構成されたナイロン部分を含む、請求項6に記載のガイドカテーテル。
【請求項9】
傾斜した終末端を更に備える、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項10】
ウィングを含む終末端を更に備える、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項11】
前記弁が、前記ガイドカテーテルを通って前進した可撓性バルーンカテーテルの周囲に封止を形成する、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項12】
前記ハブアセンブリが、外科医が前記ハブアセンブリを把持し、一方の手の指で前記通気孔を被覆することを可能にする把持表面を含む、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項13】
前記通気孔が、前記ハブの外面から前記ハブの内面までの通路を備え、前記通路は、前記ガイドカテーテルの長手方向軸に対して前記内面から前記外面へと近位に角度をつけられる、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項14】
前記吸引ポートが、前記ガイドカテーテルの長手方向軸に対して近位に角度をつけられる、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項15】
1つ又は2つ以上の可撓性装置を患者の副鼻腔内に誘導し、ガイドカテーテルを介する吸引を可能にするためのガイドカテーテルであって、
前記患者の鼻孔内へ前進するように寸法決定された細長いカテーテルシャフトであって、
近位部と、
前記近位部よりも可撓性である湾曲した遠位部と、
前記近位部及び遠位部を通って長手方向に延在する管腔と、を備える、カテーテルシャフトと、
前記近位部内の前記管腔内部に配置された一方向弁であって、前記弁を通って前進した装置の周囲に封止を形成するように寸法決定された開口部を有する、弁と、
吸引源を前記ガイドカテーテルと連結するための、前記シャフト近位部に沿って配置された吸引ポートと、
前記シャフト近位部に沿って配置された通気孔と、を備える、ガイドカテーテル。
【請求項16】
前記管腔が、
前記シャフトの前記近位部内の第1の内径であって、バルーンカテーテルが前記近位部管腔内に存在する間に、吸引が前記カテーテルシャフトを通って近位に引き出されるのを可能にするために十分である、第1の内径と、
前記第1の内径よりも小さい前記遠位部内の第2の内径と、を備える、請求項15に記載のガイドカテーテル。
【請求項17】
副鼻腔の上で、又はその中で処置を実行するためのシステムであって、
ガイドカテーテルであって、
患者の鼻孔内へ前進するように寸法決定された細長いカテーテルシャフトであって、
近位部と、
前記近位部よりも可撓性である湾曲した遠位部と、
前記近位部及び遠位部を通って長手方向に延在する管腔と、を備える、カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの前記近位部と連結されるハブアセンブリであって、
前記カテーテルシャフト管腔と流体連通にある内室と、
前記内室の内部に配置された一方向弁であって、前記弁を通って前進した装置の周囲に封止を形成するように寸法決定された開口部を有する、弁と、
吸引源を前記ハブと連結するための吸引ポートと、
通気孔と、を備える、ハブアセンブリと、を備える、ガイドカテーテルと、
前記ガイドカテーテルを通って副鼻腔内に入り、前記副鼻腔の上、又はその中で処置を実行するように構成される可撓性装置と、を備える、システム。
【請求項18】
前記可撓性装置が、前記副鼻腔内への開口部を拡大するために使用される可撓性バルーンカテーテルを備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
ガイドワイヤを更に備え、その上で前記バルーンカテーテルが前進する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記ガイドワイヤが、副鼻腔を徹照することが可能な照明ガイドワイヤを備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記バルーンカテーテルを膨張するための膨張装置を更に備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記副鼻腔を潅注するための拡大後に、前記ガイドカテーテルを通って通過するための潅注カテーテルを更に備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記ガイドカテーテルの前記管腔が、
前記シャフトの前記近位部内の第1の内径であって、バルーンカテーテルが前記近位部管腔内に存在する間に、吸引が前記カテーテルシャフトを通って近位に引き出されることを可能にするために十分である、第1の内径と、
前記第1の内径よりも小さい前記遠位部内の第2の内径と、を備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項24】
前記ガイドカテーテルの前記湾曲した遠位部の終末端部が、可撓性装置がそこを通って前進するときに、前記終末端部が拡張することを可能にする可撓性を有する、請求項17に記載のシステム。
【請求項25】
前記ガイドカテーテルが、傾斜した終末端を更に備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項26】
前記ガイドカテーテルの前記弁が、前記ガイドカテーテルを通って前進した可撓性バルーンカテーテルの周囲に封止を形成する、請求項17に記載のシステム。

【図1】
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【図1A】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24A−1】
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【図24A−2】
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【図24B】
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【図24C】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26】
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【図27A】
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【図27B】
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【公表番号】特表2012−520749(P2012−520749A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500966(P2012−500966)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/027837
【国際公開番号】WO2010/108017
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(506353574)アクラレント インコーポレイテッド (22)
【Fターム(参考)】