説明

吸気用往復装置

【課題】耐久性に優れると共に、密封度が高く安定した吸引力を得ることが可能な吸気用往復装置の提供する。
【解決手段】内部が負圧とされる長手方向にスリット11が形成された中空エアケース1と、エアケース1に沿って往復移動自在に配設される走行体9と、スリット11を閉鎖する密封ベルト3と、を備え、走行体9は、側方開口状のエア吸込口20を有し、かつ、スリット11に挿入されエア吸込口20と走行体9の内部で連通したエア通気路22を有する挿入部9Aを備え、挿入部9Aがエアケース1のスリット11に侵入した状態で移動するように構成され、かつ、エアケース1は、スリット11を形成する左右一対のレール部材80,80と、一対のレール部材80,80が開口端縁90a,90aに固着された樋型のケース本体90と、を有し、さらに、レール部材80,80は、上記ケース本体90に着脱自在に固着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部が負圧とされる中空エアケースを有する吸気用往復装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吸気用往復装置は、支柱の上部に旋回自在に設けた旋回アームから、移動自在なトロリを介して、ワーク吸着部材を有するホースを吊り下げかつ、支柱下方に設置した空気吸引装置(真空装置)に接続したフレキシブルな吸込ホースを旋回アームに沿わせて、トロリ近傍にてワーク吸着用吸込ホースの上端に連結したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−16378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ホースを繰り返し移動又は伸縮させると、劣化や損傷による破れや裂けが発生し、吸引力を急激に低下させるという問題があった。特に、吸引力の低下は、運搬中にワークを落下させる虞れがあり危険であった。
【0004】
そこで、本発明は、耐久性に優れると共に、密封度が高く安定した吸引力を得ることが可能な吸気用往復装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明に係る吸気往復装置は、内部が負圧とされる長手方向にスリットが形成された中空エアケースと、該エアケースに沿って往復移動自在に配設される走行体と、上記スリットを閉鎖する密封ベルトと、を備え、該走行体は、側方開口状のエア吸込口を有し、かつ、上記スリットに挿入され該エア吸込口と上記走行体の内部で連通したエア通気路を有する挿入部を備え、該挿入部が上記エアケースのスリットに侵入した状態で移動するように構成され、かつ、上記エアケースは、上記スリットを形成する左右一対のレール部材と、一対の該レール部材が開口端縁に固着された樋型のケース本体と、を有し、さらに、上記レール部材は、上記ケース本体に着脱自在に固着されているものである。
【0006】
また、内部が負圧とされる長手方向にスリットが形成された中空エアケースと、該エアケースに沿って往復移動自在に配設される走行体と、上記スリットを閉鎖する密封ベルトと、を備え、該走行体は、側方開口状のエア吸込口を有し、かつ、上記スリットに挿入され該エア吸込口と上記走行体の内部で連通したエア通気路を有する挿入部を備え、該挿入部が上記エアケースのスリットに侵入した状態で移動するように構成され、かつ、上記スリットの側内面に、外方拡大状の傾斜面を形成し、かつ、上記走行体の上記挿入部に外嵌され、上記エアケースの上記内部の負圧により上記傾斜面に摺動可能に吸着される滑りシール部材を有し、さらに、上記走行体の上記挿入部に外嵌され、上記エアケースの外側から上記挿入部の外周近傍の上記スリットを覆うと共に上記滑りシール部材に接触する外部シール部材を有し、上記滑りシール部材と上記外部シール部材とが接触状態で、上記走行体と共に往復移動して、該走行体近傍の上記スリットから上記エアケースの上記内部へエアが侵入するのを防止するように構成したものである。
【0007】
また、上記走行体と上記外部シール部材の間に、該外部シール部材を上記スリット側へ常時弾発付勢する弾発部材を、備えたものである。
【0008】
また、内部が負圧とされる長手方向にスリットが形成された中空エアケースと、該エアケースに沿って往復移動自在に配設される走行体と、上記スリットを閉鎖する密封ベルトと、を備え、上記密封ベルトはVベルト型密封ベルトであって、上記エアケースは、上記スリットの外方側に外方拡大状の一対の勾配面を有する横断面台形状の溝部を具備し、上記勾配面に上記Vベルト型密封ベルトの左右両側面が密着するように構成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の吸気用往復装置によれば、エアケースをレール部材とケース本体とに分離できるので、ケース本体及びレール部材を使用環境に合わせて最適の材質(鉄鋼やステンレスやアルミ合金や樹脂等)を選択できる。また、エアケースの内部を容易に鍍金処理でき、耐蝕性を向上できる。また、ケース本体とレール部材を各々使用目的に応じた異なる部材で製作でき耐久性を向上できる。また、スリットの傾斜面に滑りシール部材をより確実に密閉できる。つまり、エアケースの内部の密閉度を向上できる。また、走行体とスリットの近傍を、より確実に密閉でき、常に安定した吸引力を得ることができ、安全に作業できる。また、密封ベルトをVベルト型密封ベルトとすれば、エアケースの内部の密封性をより向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1は本発明の吸気用往復装置の使用状態を説明する簡略全体図である。図2は本発明の吸気用往復装置の要部断面側面図である。図3はそのA−A要部断面図であり、図4はそのB−B要部断面図である。
本発明の吸気往復装置は、(図1参照)長手方向にスリット11が形成され、かつ、真空引き用の真空ポンプ(又はブロア)71にエアパイプ38を介して接続されて内部13が負圧状態となる中空のエアケース1と、エアケース1のスリット11に沿って往復移動自在に配設される走行体9と、両端部3a,3aをエアケース1の両ケース端部1a,1aに各々取着され走行体9の前後でスリット11を閉鎖(密閉)する密封ベルト3と、走行体9を往復移動させるアクチュエータ70と、走行体9にエアホース37を介して接続される吸盤部材72と、を備え、真空ポンプ(又はブロア)71の真空引きによって、搬送すべきワークWを吸盤部材72に吸着させ、走行体9の往復移動によりワ−クWを搬送するものである。
【0011】
ここで、走行体9が往復移動する方向を前後方向とする。また、密封ベルト3がエアケース1の外側からスリット11を施蓋状に覆う方向を下方向とし、離間する方向を上方向とする。
【0012】
走行体9は、(図2と図3参照)エアホース37が取着(螺着)可能な側方開口状のエア吸込口20を左右両側に有し、左右のエア吸込口20,20を連通させる左右方向のエア吸込路21と、エア吸込路21からエアケース1の内部13へエアを送るためのエア通気路22と、を内部に形成した外側移動体25を備えている。また、内部13で外側移動体25に螺着され、外側移動体25のエア通気路22と連通連結するエア排出路23と、エア排出路23と連通するエア排出口24と、を有する内側移動体26を備えている。
【0013】
走行体9は、エア通気路22を内部に有し、エアケース1のスリット11に侵入可能な(挿入される)挿入部9Aを備えている(言い換えると、走行体9の外側移動体25はスリット11に挿入される挿入部9Aを有している)。挿入部9Aは、エアケース1のスリット11の開口幅よりも小さく形成されている。
【0014】
内側移動体26は、エアケース1の内部13のスリット11側の内壁にスリット11に沿って形成された傾斜状のガイド内壁面14に接触して案内されるテーパローラ6を備えている。テーパローラ6は、前後左右に(合計で4箇所)回転自在に設けられている。また、左右外側方向へテーパ状に縮径するように形成されている。ここで、ガイド内壁面14は、テーパローラ6が沿うように傾斜状に形成されている。テーパローラ6はガイド内壁面に接触して回転し、走行体9を前後左右に拗れることなくスムーズにエアケース1に沿って往復移動方向に走行可能にさせるものである。
【0015】
つまり、走行体9は、真空ポンプ(又はブロア)71によってエアケース1の内部13のエアを吸い込む際(真空引きの際)に、エアホース37からの吸い込んだエアをエアケース1の内部13に送りながら、エアケース1に沿って往復移動可能なものである。
【0016】
また、走行体9の外側移動体25は、(図2と図4参照)密封ベルト3をスリット11方向に常時押圧する押しローラ5,5を前後に備えている。また、押しローラ5は、外側移動体25に上下動自在に設けられた支持軸51に回転自在に外嵌されている。また、外側移動体25は、支持軸51の両端を常時スリット11側へ適度に押圧する、押圧弾発部材52を設けている。
【0017】
また、走行体9の外側移動体25は、密封ベルト3をスリット11から離間する方向(上方向)に持ち上げるテンションローラ7を備えている。テンションローラ7は、押しローラ5,5よりも、走行体9の前後内方側に寄って配設されている。また、テンションローラ7は外側移動体25に上下動自在に設けられた保持軸53に回転自在に外嵌されている。また、走行体9は、保持軸53の両端を、常時スリット11から離間する方向へ適度な力で押上げる図示省略の押上弾発部材を設けている。前後のテンションローラ7は、挿入部9A近傍で密封ベルト3をスリット11から外側方向(上方向)へ離間させるものである。
【0018】
密封ベルト3は、押しローラ5によってスリット11へ押さえられる箇所からエアケース1のケース端部1aに取着されている箇所までの外方区間Tのスリット11をエアケース1の外側から施蓋状に密封するものである。また、前後のテンションローラ7,7によって密封ベルト3がスリット11から外側方向(上方向)へ離間している内方区間Lのスリット11を施蓋状に密閉しないものである。また、密封ベルト3は、帯電防止性の合成ゴム製または、帯電防止性の樹脂製が望ましい。
【0019】
次に、図5にエアケース1の実施の一例を示す。エアケース1は、長手方向に形成したスリット11をエアケース1の外側から密封ベルト3によって施蓋状に密閉(閉鎖)可能に形成されている。また、エアケース1は、スリット11とガイド内壁面14とを形成する左右一対のレール部材80,80と、左右一対のレール部材80,80が開口端縁90a,90aに固着された樋型のケース本体90と、レール部材80とケース本体90を取着させた際に密閉度を向上させるケースシール部材81と、を有している。レール部材80,80は、ボルト部材82,82によってケース本体90の開口端縁90a,90aに、着脱自在に螺着されている。また、レール部材80とケース本体90の間からエアケース1の内部13にエアの侵入を防止する丸紐状のケースシール部材81を、レール部材80とケース本体90の間に介装している。
【0020】
エアケース1のスリット11は、向かい合う側内面11a,11aに、外方拡大状の傾斜面11b,11bを形成している。傾斜面11bは、側内面11aから45°〜75°の範囲の角度で外方へ傾倒している。また、エアケース1のレール部材80は、スリット11の近傍かつエアケース1の外側となる面に、密封ベルト3がスリット11を密閉する際に接触する密着面15をスリット11に沿って形成している。また、傾斜面11bは、側内面11aからの傾倒角度を60°(傾斜角度θを30°)とするのが望ましい。
【0021】
また、エアケース1は、様々な形状の密封ベルト3に対応するレール部材80,80を種々備え、交換自在としている。例えば、図5及び図6に示すように、押出成形されたアルミ製の押出ケース本体90Aは、横断面台形状のVベルト型密封ベルト3Aに対応する溝部83をスリット11の外側方向(上方向)に形成可能なV型用レール部材80A,80Aと、平ベルト型密封ベルト3Bが密着可能な横断面ハの字状の密着斜面17を形成する平型用レール部材80B,80Bと、に交換可能なものである。
【0022】
ここで、スリット11の外方側に形成される横断面台形状のVベルト用溝部83(図5参照)は、スリット11の外方側に外方拡大状の一対の勾配面16,16を有している。また、Vベルト型密封ベルト3Aの横断面寸法よりも僅かに小さく形成されている。配置した状態では、僅かにVベルト型密封ベルト3Aが入り込まずに密着面15から浮いたようになるように、左右両側の密着勾配面16,16の勾配角度及び左右の間隔寸法を設定している。つまり、エアケース1の内部13が負圧状態になると、内部13へくさび状に引き込まれ、Vベルト型密封ベルト3Aが弾性により僅かに収縮しながらVベルト用溝部83に吸い付くような(吸着する)形状に設定している。言い換えると、Vベルト型密封ベルト3Aの左右両側面が勾配面16,16に密着し、スリット11に対面する面(下面)が密着面15に密着して、合計三面でレール部材80に接触しエアケース1のスリット11を密封(閉鎖)可能な形状に形成している。
【0023】
また、図7にエアケース1の他の実施の一例を示す。
図7(a)(b)に示すように金属製の板材を折曲げ成形したC字状ケース本体90Bと、C字型対応V型用レール部材80C,80Cと、C字型対応平型用レール部材80D,80Dと、を設けて、種々の密封ベルト3に対応可能C字状エアケース1を形成しても良い。
【0024】
また、様々な形状のケース本体90…と、様々な密封ベルト3…(Vベルト型密封ベルト3A、平ベルト、丸ベルト、タイミングベルト等)に各々対応する左右一対のレール部材80…を設けても良い。例えば、図8に示すエアケース1の別の実施の一例のように交換組換え自在としてもよい。
図8(a)(b)に示す金属製の板材を折曲げ成形したコの字状ケース本体90Cを設け、図8(c)(d)のように金属製の板材を折曲げ成形したU字状ケース本体90Dを設け、さらに、コの字状ケース本体90CとU字状ケース本体90Dの開口端縁90a,90aに取着可能な、左右一対の共通平型用レール部材80Eと、左右一対の共通V型用レール部材80Fと、を設けて、折曲げ形成した各々のケース本体90C,90Dの端縁部90a,90aを同形状に形成して、各々のケース本体90C,90Dと各々のレール部材80E,80Fとを使用環境や目的に応じて組み合わせ自由に設けても良い。
【0025】
また、上述したケース本体90は、鍍金処理を施したものが好ましいが、折曲げ成形後にケース本体90の内外を鍍金処理しても良い。また、レール部材80,80は、金属製や、樹脂製などケース本体90と異なる材質で形成しても良い。
【0026】
次に、スリット11に侵入した走行体9の挿入部9Aの要部拡大図を図9と図10に示す。スリット11に侵入した挿入部9Aは、侵入状態で、傾斜面11bに接触する滑りシール部材4を外嵌している。また、挿入部9Aは、エアケース1の外側方向からスリット11を覆うと共に、外側方向(上方向)から滑りシール部材4に接触する外部シール部材41を外嵌している。
【0027】
図11に滑りシール部材4の実施の一例を示す。(a)は平面図であり、(b)は側面断面図である。
滑りシール部材4を図9〜図11を用いて説明する。
滑りシール部材4は、挿入部9Aの外周に密着する合成ゴム製の内周シール部材4Aと、スリット11の傾斜面11bを摺動する斜面4bを形成した樹脂製の外周シール部材4Bから成る。外周シール部材4Bは、(エアケース1の)スリット11の傾斜面11bに斜面4bが摺動可能に接触しスリット11を密閉している。また、内周シール部材4Aは、挿入部9Aと外周シール部材4Bの間を密閉している。外周シール部材4Bは、挿入部9Aに外嵌される内周シール部材4Aを内装可能な段付開口部4cを形成している。また、外周シール部材4Bは、滑り特性及び耐摩耗性に優れた樹脂等(例えば、超高分子量ポリエチレン)で成形するのが望ましい。
【0028】
また、滑りシール部材4(の外周シール部材4B)は、スリット11の側内面11aと対面する横断面凹状の両側面に長手方向に平行に割り溝4aを形成している。また、滑りシール部材4の斜面4bが、スリット11の傾斜面11bに密着した状態で、密着面15と同一平面状となる接触面4dを形成している。また、スリット11の側内面11aに接する内部13側の内壁面11cを覆うように、左右外方向に突出した膨出部4fを有している。つまり、側内面11aと傾斜面11bと内壁面11cを覆うように形成している。(レール部材80のスリット11を形成する)突出部をまた、走行体9の挿入部9Aから押しローラ5の軸心L5 位置よりもエアケース1の端部1a方向に長手寸法Sだけ長く形成されている。つまり前後の押しローラ5の軸心L5 ,L5 の前後方向の間隔寸法よりも、滑りシール部材4はシールに有効な長手寸法Sだけ前後方向に長いものである。
【0029】
また、滑りシール部材4は、走行体9の往復移動の際に、傾斜面11bを斜面4bが摺動して走行体9と共に往復移動するものである。また、所定の配設位置では、斜面4bのみがエアケース1(のレール部材80)と接触するように形成している。つまり、滑りシール部材4は、スリット11と挿入部9Aとの間(挿入部9Aの左右のスリット11)を密閉し、かつ、挿入部9A前後から前後の押しローラ5の軸心L5 よりもエアケース1の端部1a方向に長手寸法S長い区間のスリット11を密閉するものである。
【0030】
図12に外部シール部材41の実施の一例を示す。(a)は平面図であり、(b)は側面断面図である。
外部シール部材41を図9と図10及び図12を用いて説明する。
樹脂製の外部シール部材41は、エアケース1の外側で挿入部9Aに外嵌される。外部シール部材41は、挿入部9Aがスリット11に侵入した状態で、密封ベルト3がスリット11から離間する箇所から挿入部9Aまでの前後のスリット11をエアケース1の外側から覆うものである。また、挿入部9Aの左右のスリット11を覆うものである。つまり、密封ベルト3でスリット11を密封していない(密封ベルト3がスリット11から離間している)区間(内方区間L)をエアケース1の外側(上方)から密閉するものである。また、スリット11の密着面15と接触面4dとに密着するように形成されている。また、走行体9が往復移動する際に、接触面4dと接触し、かつ、密着面15を摺動して走行体9と共に往復移動するものである。
【0031】
また、滑りシール部材4の接触面4dとレール部材80の密着面15とに接触する面(スリット11と対面状となる面)に、複雑なラビリンス状の迷路溝41eを形成している。この迷路溝41eの長手方向の長さは、外部シール部材41の全長より短く形成している。また、レール部材80がエアケース1の内外方向に傾倒し密着面15が傾斜状となっても、外部シール部材41を密着面15に沿うように密着させるためのスリット溝41fを左右側壁面に長手方向に形成している。
【0032】
また、外部シール部材41の長手方向の両側端部に近づくにつれて徐々に薄くなる側断面視R状の舌片41bを形成している。このR形状の舌片41bの曲率半径Rは、密封ベルト3がスリット11から離間する際の曲縁部3cの曲率半径R3 (図10参照)よりも大きく形成されている。舌片41bは、密封ベルト3がスリット11から離間する箇所の密封ベルト3と、密着面15及び接触面4dと、の間に差込状に配設されるものである。また、外部シール部材41の長手方向(前後方向)の長さは、内方区間Lの前後方向長さと同等に形成している。また、滑り特性及び耐摩耗性に優れた樹脂等(例えば、超高分子量ポリエチレン)で成形するのが望ましい。
【0033】
また、外部シール部材41は、エアケース1の外側から密封ベルト3に変わってスリット11を覆うように密閉するものである。その密閉する範囲は、走行体9の前後で密封ベルト3がスリット11から離間している内方区間Lのスリット11である。また、外部シール部材41は、内方区間Lで、滑りシール部材4と共働きして外部からエアケース1の内部13にエアが吸い込まれるのを防止するものである。
【0034】
また、走行体9(の外側移動体25)と外部シール部材41の間に、外部シール部材41を常時スリット11側へ弾発付勢する弾発部材43を備えている。弾発部材43は、外部シール部材41の長手方向に複数形成された止まり孔41cに一方端が内装されると共に、走行体9の外側移動体25の長手方向に形成された保持孔9dに他方端を内装され、弾発部材43が拗れることなく外部シール部材41がスリット11側(接触面4dと密着面15側)に適度に押圧されるように(密着面15に摺動可能押圧するように)設けている。
【0035】
また、走行体9は、組立時の弾発部材43の飛び出し防止のための帯板状の押え部材44を外部シール部材41の長手方向に沿って螺着している。
【0036】
即ち、走行体9の前後押しローラ5によって密封ベルト3がスリット11に押し付けられている箇所からエアケース1のケース端部1aまでの外方区間Tでは、密封ベルト3でスリット11を密閉するものである。また、テンションローラ7によって密封ベルト3がエアケース1(のスリット11)から離間している内方区間Lで、外部シール部材41と滑りシール部材4とでスリット11を密閉しているものである。また、押しローラ5が密封ベルト3を押さえている箇所から押しローラ5の前後外方側の近傍(滑りシール部材4の長手寸法Sの範囲)では、密封ベルト3と滑りシール部材4とでスリット11を密閉しているものである。即ち、エアケース1のスリット11は、走行体9が往復移動している際であっても常時密閉されているものである。
【0037】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、ケース本体90は、金属製に限らず樹脂製でも良い。また、断面形状は、レール部材80,80が取着可能な開口端縁90a,90aを有していれば、多角形状や複雑な曲線を有する形状としても良い。
【0038】
上述した本発明の吸気用往復装置の使用方法(作用)について説明する。
本発明の吸気用往復装置を設置する際に、設置場所の環境に応じた密封ベルト3を選定する必要がある。この際、エアケース1からレール部材80,80を取り外し、選定した密封ベルト3に対応するレール部材80,80を取着する。また、移設等で、新たな設置場所の近傍に配管や梁等の障害物がある際は、障害物に干渉しないケース本体90に交換する。また、修理の際は、ケース本体90とレール部材80とに分離しての再鍍金処理や交換を行う。
【0039】
そして、使用可能な状態となった本発明の吸気用往復装置の真空ポンプ(又はブロア)71を起動させ、真空ポンプ(又はブロア)71の真空引きによって、搬送すべきワークWを吸盤部材72に吸着させ、走行体9の往復移動によりワ−クWを搬送する。
【0040】
この際、エアは、吸盤部材72に連通しているエアホース37から走行体9の外側移動体25のエア吸込口20、エア吸込路21を通り、さらにエアケース1のスリット11に侵入した挿入部9Aの内部に形成されているエア通気路22から、エアケース1の内部13にある内側移動体26のエア排出路23を通って、排出口24からエアケース1の内部13に排出され、内部13のエアは、エアパイプ38を通って真空ポンプ(又はブロア)71に引き込まれている。そして、吸盤部材72がワークWを吸着することでエアケース1の内部13は、真空に近い負圧状態となる。
【0041】
この負圧状態で、前後の外方区間T,Tのスリット11は、前後の押しローラ5,5で適度に押圧される密封ベルト3によって密閉されている。また、内方区間Lの挿入部9A前後のスリット11は、滑りシール部材4と、外部シール部材41とで密閉されている。
【0042】
挿入部9Aとスリット11の左右方向の間について図9を用いて説明する。スリット11の傾斜面11bに滑りシール部材4の斜面4bが接触している。滑りシール部材4は、エアケース1の内部13の負圧による引込み力を受け傾斜面11bに吸着する。
滑りシール部材4は、弾発部材43から弾発付勢される外部シール部材41からの押圧とを受け、傾斜面11bに斜面4bがより密着する。
また、滑りシール部材4は、弾発部材43から弾発付勢される外部シール部材41からの押圧と、エアケース1の内部13の負圧による引込み力と、の内部13方向の合力の一部を、傾斜面11bに斜面4bが接触することで、挿入部9A方向(左右内方向)へ滑りシール部材4(の内周シール部材4A)を押し付ける力(密着力)に変換させ、挿入部9Aと滑りシール部材4(の内周シール部材4A)との密閉度を向上させる。
【0043】
また、外部シール部材41が密着面15と接触面4dとにエアケース1の外側から覆うように接触して、密閉する。また、外部シール部材41に形成した迷路溝41eによって外部からのエアの侵入経路を複雑化して僅かなエアが内部13に吸い込まれるのを防止する(ラビリンス効果を得る)。また、外部シール部材41は、走行体9に設けた弾発部材43によって密着面15に摺動可能に適度に押圧される。
【0044】
また、レール部材80が、エアケース1の内外方向(内部13方向や外側方向)に傾いた際(滑りシール部材4にスリット11の側内面11aや内壁面11cが接触し、レール部材80との摺動が困難な拗れるような力や摩擦力が生じたようとした際)であっても、滑りシール部材4は、割り溝4aによって得られる弾性変形によって傾斜面11bに適度に密着したままになる。即ち、密閉状態を保ちながらスムーズに傾斜面11bを摺動する。
【0045】
また、レール部材80が内部13方向へ傾倒するような際では、膨出部4fにレール部材80が接触して滑りシール部材4を内部13に引き込むように作用し、密閉度は保たれる。さらに、シール部材4に形成している割り溝4aによって得られる弾性変形によって、拗れることなくスムーズに滑りシール部材4は摺動する(走行体9と共に往復移動する)。
【0046】
また、レール部材80が内部13方向へ傾倒するような際に、外部シール部材41は、スリット溝41fによって得られる弾性変形により、密着面15と接触面4dに確実に接触すると共に、密着面15をスムーズに摺動する(走行体9と共に往復移動する)。
【0047】
次に、内方区間Lの挿入部9A近傍の前後方向について図9及び図10を用いて説明する。
外部シール部材41は、走行体9と共に移動する際に挿入部9Aの左右両側のスリット11と、密封ベルト3がテンションローラ7によってスリット11から離間される箇所から挿入部9Aまでの前後のスリット11とを、覆うように密閉している。この際、挿入部9Aの進行方向前方側で、スリット11から離間する箇所の密封ベルト3と、密着面15及び滑りシール部材4の間に、外部シール部材41の前方側舌片41bが入り込んで施蓋状にスリット11を密閉している。また、舌片41bの曲率半径Rがスリット11から離間する方向に移動する密封ベルト3の曲縁部3cの曲率半径R3 より大きいので、外部シール部材41は密封ベルト3から、走行を妨げられるような押し力や摩擦力の影響を受けることなくスリット11を密閉しながら、走行体9と共に移動する。
【0048】
また、挿入部9Aの進行方向後方側で、テンションローラ7によってスリット11から離間していた密封ベルト3が後方の押しローラ5によって再びスリット11に押し付けられる箇所から、挿入部9Aの後方までを覆うように密閉している。この際、スリット11に押し付けられる箇所の密封ベルト3と密着面15及び滑りシール部材4の間に外部シール部材41の後方側舌片41bが入り込むようにスリット11を密閉している。また、舌片41bの曲率半径Rがスリット11から離間する方向に移動する密封ベルト3の曲縁部3cの曲率半径R3 より大きいので、外部シール部材41は密封ベルト3から、走行を妨げられるような押し力や摩擦力の影響を受けることなくスリット11を密閉しながら、走行体9と共に移動する。
【0049】
つまり、挿入部9A近傍(内方区間L)のスリット11は外部シール部材41と滑りシール部材4とで、密閉される。走行体9の前後外方側(外方区間T,T)では、密封ベルト3で密閉される。また、押しローラ5の軸心L5 の前後外方近傍のスリット11は(図4に示すように)滑りシール部材4と密封ベルト3とで、密閉される。よって、スリット11からエアケース1の内部13へエアが侵入せず、内部13を真空に近い負圧状態を保持しながら走行体9は移動している。
【0050】
また、密封ベルト3をVベルト型密封ベルト3Aとした際は、エアケース1の負圧によって、Vベルト型密封ベルト3Aは、内部13へくさび状に引き込まれ、Vベルト型密封ベルト3Aが弾性により僅かに収縮しながらVベルト用溝部83に吸い付く(吸着する)。言い換えると、Vベルト型密封ベルト3Aの左右両側面が勾配面16,16に密着し、スリット11に対面する面(下面)が密着面15に密着して、合計三面でレール部材80に接触しエアケース1のスリット11を密封(閉鎖)する。
【0051】
以上のように、本発明は、内部13が負圧とされる長手方向にスリット11が形成された中空エアケース1と、エアケース1に沿って往復移動自在に配設される走行体9と、スリット11を閉鎖する密封ベルト3と、を備え、走行体9は、側方開口状のエア吸込口20を有し、かつ、スリット11に挿入されエア吸込口20と走行体9の内部で連通したエア通気路22を有する挿入部9Aを備え、挿入部9Aがエアケース1のスリット11に侵入した状態で移動するように構成され、かつ、エアケース1は、スリット11を形成する左右一対のレール部材80,80と、一対のレール部材80,80が開口端縁90a,90aに固着された樋型のケース本体90と、を有し、さらに、レール部材80,80は、ケース本体90に着脱自在に固着されているので、ケース本体90と走行体9が摺動するレール部材80,80を目的に応じた適切な材料で各々製作することができ、耐久性を向上させることができる。また、大型な部材のケース本体90に複雑なレール部やスリット11を形成する必要がなく容易かつ低コストで製作できる。また、走行体9が摺動するレール部材80,80のみを修理することができる。レール部材80,80を取り外して、エアケース1の内部13(ケース本体90の内側面)を容易に清掃及び点検できる。使用環境に応じた様々な形状の密封ベルト3や負圧状態をより安定させる密封ベルト3を選択でき、負圧状態をより安定させることができる。移設や密封ベルト3の変更の際に、レール部材80,80やケース本体90を各々交換して容易かつ迅速に対応できる。ケース本体90の内側面まで確実に鍍金処理できる。つまり、耐久性を向上させることができる。
【0052】
また、内部13が負圧とされる長手方向にスリット11が形成された中空エアケース1と、エアケース1に沿って往復移動自在に配設される走行体9と、スリット11を閉鎖する密封ベルト3と、を備え、走行体9は、側方開口状のエア吸込口20を有し、かつ、スリット11に挿入されエア吸込口20と走行体9の内部で連通したエア通気路22を有する挿入部9Aを備え、挿入部9Aがエアケース1のスリット11に侵入した状態で移動するように構成され、かつ、スリット11の側内面11aに、外方拡大状の傾斜面11bを形成し、かつ、走行体9の挿入部9Aに外嵌され、エアケース1の内部13の負圧により傾斜面11bに摺動可能に吸着される滑りシール部材4を有し、さらに、走行体9の挿入部9Aに外嵌され、エアケース1の外側から挿入部9Aの外周近傍のスリット11を覆うと共に滑りシール部材4に接触する外部シール部材41を有し、滑りシール部材4と外部シール部材41とが接触状態で、走行体9と共に往復移動して、走行体9近傍のスリット11からエアケース1の内部13へエアが侵入するのを防止するように構成したので、スリット11を常時密閉状態にしてエアケース1の内部13を真空に限りなく近い負圧状態にすることができる。また、挿入部9A近傍を、外部シール部材41と滑りシール部材4とで二重にシールしてエアケース1の内部13へのエアが吸い込まれるのを防止できる。また、内部13の負圧を利用して、滑りシール部材4をより傾斜面11bに接触させて密封度を向上させることができる。また、滑りシール部材4を傾斜面11bに接触させる内部13方向の力の一部を、滑りシール部材4が挿入部9Aに密着する方向(左右内向)の力に変換させて、滑りシール部材4と走行体9の挿入部9Aとをより密着させることができる。つまり、エアケース1の内部13が安定した負圧状態となり、吸引力が低下することなく(安定し)、安全にワークWを搬送できる。
【0053】
また、走行体9と外部シール部材41の間に、外部シール部材41をスリット11側へ常時弾発付勢する弾発部材43を、備えたので、外部シール部材41をスリット11側へ確実に密着させることができる。また、外部シール部材41を摺動可能に押圧できる。また、エアケース1の内部13を確実に密閉状態(負圧状態)にできる。つまり、エアケース1の内部13へのエアに吸い込みを防止し、吸引力をより安定させ、安全にワークWを搬送できる。
【0054】
また、内部13が負圧とされる長手方向にスリット11が形成された中空エアケース1と、エアケース1に沿って往復移動自在に配設される走行体9と、スリット11を閉鎖する密封ベルト3と、を備え、密封ベルト3はVベルト型密封ベルト3Aであって、エアケース1は、スリット11の外方側に外方拡大状の一対の勾配面16,16を有する横断面台形状の溝部83を具備し、勾配面16,16にVベルト型密封ベルト3Aの左右両側面が密着するように構成したので、スリット11をより密閉(閉鎖)できる。つまり、エアケース1の内部13がより安定した負圧状態となり、吸引力が低下することなく(安定し)、安全にワークWを搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は使用状態を説明する簡略全体図である。
【図2】図2は本発明の吸気用往復装置の要部断面側面図である。
【図3】図2のA−A要部断面図である。
【図4】図2のB−B要部断面図である。
【図5】エアケースの実施の一例を示す正面図である。
【図6】エアケースの要部説明図である。
【図7】エアケースの他の実施の一例を示す図である。
【図8】エアケースの別の実施の一例を示す図である。
【図9】図3の要部拡大図である。
【図10】図2の要部拡大図である。
【図11】滑りシール部材の実施の一例を示す図である。(a)は平面図であり、(b)は側面断面図である。
【図12】外部シール部材の実施の一例を示す図である。(a)は平面図であり、(b)は側面断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 エアケース
3 密封ベルト
3A Vベルト型密封ベルト
4 滑りシール部材
9 走行体
9A 挿入部
11 スリット
11a 側内面
11b 傾斜面
13 内部
16 勾配面
20 エア吸込口
22 エア通気路
41 外部シール部材
43 弾発部材
80 レール部材
83 溝部
90 ケース本体
90a 開口端縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部(13)が負圧とされる長手方向にスリット(11)が形成された中空エアケース(1)と、該エアケース(1)に沿って往復移動自在に配設される走行体(9)と、上記スリット(11)を閉鎖する密封ベルト(3)と、を備え、
該走行体(9)は、側方開口状のエア吸込口(20)を有し、かつ、上記スリット(11)に挿入され該エア吸込口(20)と上記走行体(9)の内部で連通したエア通気路(22)を有する挿入部(9A)を備え、該挿入部(9A)が上記エアケース(1)のスリット(11)に侵入した状態で移動するように構成され、
かつ、上記エアケース(1)は、上記スリット(11)を形成する左右一対のレール部材(80)(80)と、一対の該レール部材(80)(80)が開口端縁(90a)(90a)に固着された樋型のケース本体(90)と、を有し、
さらに、上記レール部材(80)(80)は、上記ケース本体(90)に着脱自在に固着されていることを特徴とする吸気用往復装置。
【請求項2】
内部(13)が負圧とされる長手方向にスリット(11)が形成された中空エアケース(1)と、該エアケース(1)に沿って往復移動自在に配設される走行体(9)と、上記スリット(11)を閉鎖する密封ベルト(3)と、を備え、
該走行体(9)は、側方開口状のエア吸込口(20)を有し、かつ、上記スリット(11)に挿入され該エア吸込口(20)と上記走行体(9)の内部で連通したエア通気路(22)を有する挿入部(9A)を備え、該挿入部(9A)が上記エアケース(1)のスリット(11)に侵入した状態で移動するように構成され、
かつ、上記スリット(11)の側内面(11a)に、外方拡大状の傾斜面(11b)を形成し、
かつ、上記走行体(9)の上記挿入部(9A)に外嵌され、上記エアケース(1)の上記内部(13)の負圧により上記傾斜面(11b)に摺動可能に吸着される滑りシール部材(4)を有し、
さらに、上記走行体(9)の上記挿入部(9A)に外嵌され、上記エアケース(1)の外側から上記挿入部(9A)の外周近傍の上記スリット(11)を覆うと共に上記滑りシール部材(4)に接触する外部シール部材(41)を有し、
上記滑りシール部材(4)と上記外部シール部材(41)とが接触状態で、上記走行体(9)と共に往復移動して、該走行体(9)近傍の上記スリット(11)から上記エアケース(1)の上記内部(13)へエアが侵入するのを防止するように構成したことを特徴とする吸気用往復装置。
【請求項3】
上記走行体(9)と上記外部シール部材(41)の間に、該外部シール部材(41)を上記スリット(11)側へ常時弾発付勢する弾発部材(43)を、備えた請求項2記載の吸気用往復装置。
【請求項4】
内部(13)が負圧とされる長手方向にスリット(11)が形成された中空エアケース(1)と、該エアケース(1)に沿って往復移動自在に配設される走行体(9)と、上記スリット(11)を閉鎖する密封ベルト(3)と、を備え、
上記密封ベルト(3)はVベルト型密封ベルト(3A)であって、上記エアケース(1)は、上記スリット(11)の外方側に外方拡大状の一対の勾配面(16)(16)を有する横断面台形状の溝部(83)を具備し、上記勾配面(16)(16)に上記Vベルト型密封ベルト(3A)の左右両側面が密着するように構成したことを特徴とする吸気用往復装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−90410(P2009−90410A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−263155(P2007−263155)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(502076213)
【Fターム(参考)】