説明

吸脱着式濃縮装置

【課題】高い濃縮倍率としながら装置の物質回収効率も高く確保できる吸脱着式濃縮装置を提供する。
【解決手段】吸着ロータ1を備える吸脱着式の濃縮装置において、再生域3を通過した使用済再生用空気RA′の一部を循環再生用空気RA″として再生用空気RAとともに再生域3に通過させる構成にし、そして、再生域3に通過させる再生用空気RA又は循環再生用空気RA″を再生用加熱手段5により加熱するとともに、再生用加湿手段10により未飽和の加湿状態に加湿する、又は、パージ域4に通過させるパージ用空気PAをパージ用加湿手段13により未飽和の加湿状態に加湿する構成にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象空気に含まれるガス状の除去対象物質(例えば、種々の目的で溶剤等として使用された揮発性有機化合物や種々の処理等で発生した悪臭物質など)を処理対象空気から濃縮状態で回収する吸着ロータ使用の吸脱着式濃縮装置に関する。
【0002】
詳しくは(図27又は図28参照)、吸着剤Xを保持させた通気性の吸着ロータ1を備えるとともに、この吸着ロータ1の回転域に処理域2と再生域3とパージ域4とを、その順にロータ回転方向に並べる状態で区画形成し、この吸着ロータ1の回転より吸着ロータ1の回転方向における各部を処理域2と再生域3とパージ域4とに、その順で繰り返し通過させる構成にした吸脱着式濃縮装置に関する。
【0003】
そして、この吸脱着式濃縮装置では、処理域2,再生域3,パージ域4の夫々を次の如く機能させる。
【0004】
処理域2では、域内通過過程にあるロータ部分に処理対象空気IAを通風することで、その処理対象空気IAに含まれるガス状の除去対象物質Vを域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着剤Xに吸着させて処理対象空気IAから分離除去する。
【0005】
再生域3では、域内通過過程にあるロータ部分に再生用加熱手段5により加熱した再生用空気RA(詳しくは、再生用空気として未だ未使用の新鮮再生用空気)を通風することで、そのロータ部分の保持吸着剤Xが処理域2で吸着した除去対象物質Vを処理対象空気IAより小風量の再生用空気RAに脱着させて、域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着剤Xを再生する。
【0006】
パージ域4では、域内通過過程にあるロータ部分(即ち、再生域3を通過したロータ部分)にパージ用空気PAを通風することで、域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着剤Xを次の処理域2への移動に先立ち冷却する。
【0007】
つまり、この吸脱着式濃縮装置では、処理域2において吸着剤Xへの吸着により処理対象空気IAから分離除去した除去対象物質Vを、再生域3において吸着剤Xから脱着させて小風量の再生用空気RAに移行させることで、再生域3を通過した小風量の使用済再生用空気RA′を除去対象物質Vの濃度が高められた濃縮空気にして装置外に取り出し、これにより、処理対象空気IAに低濃度状態で含まれるガス状の除去対象物質Vを濃縮状態にして回収する。
【背景技術】
【0008】
従来、この種の吸脱着式濃縮装置では、例えば特許文献1,2(図27,図28参照)に見られるように、処理域2において吸着剤Xが吸着した除去対象物質Vを再生域3において吸着剤Xから脱着させる再生用空気RAとして、再生用加熱手段5により加熱した外気等の空気や蒸気(水蒸気)を再生域3に通過させるものが知られている。
【0009】
また、同特許文献1,2(図27,図28参照)に見られるように、パージ域4を通過した使用済のパージ用空気PA′を再生用空気RAの一部として上記空気や蒸気とともに再生用加熱手段5により加熱した状態で再生域3に通過させることも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭53−50069号公報(特に第1図)
【特許文献2】特開平7−75714号公報(特に図2)
【特許文献3】特開平2−214516号公報
【特許文献4】特開昭54−26971号公報(特に第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、この種の吸脱着式濃縮装置における除去対象物質Vの濃縮倍率C(即ち、処理域2において処理対象空気IAから分離除去した処理対象物質Vの高濃度化率)は次式で表される。
【0012】
C=Qi/Qo
Qi:処理域2に通過させる処理対象空気IAの風量
Qo:再生域3を通過した後、濃縮空気として装置外に取り出される使用済再生用空気RA′の風量(換言すれば、再生域3に通過させる新鮮再生用空気RAの風量)
【0013】
即ち、この種の吸脱着式濃縮装置において濃縮倍率Cを高めるには、再生域3に通過させる再生用空気RA(新鮮再生用空気)の風量を少量に制限して、濃縮空気として装置外に取り出される使用済再生用空気RA′の風量Qoを少量化する必要がある。
【0014】
しかし、再生用空気RAの風量を単に少量に制限して濃縮倍率Cを高める風量制限方式では、再生域3における再生用空気RA中の脱着物質濃度(脱着された除去対象物質Vの濃度)が再生用空気RAの少量化により高くなることで、再生域3での脱着効率が低下し、そのことで、図29に示す如く、装置の物質回収効率η(即ち、処理域2において処理対象空気IAから除去対象物質Vを吸着により分離除去する効率)が低下してしまう問題があった。
【0015】
つまり、再生用空気RA(新鮮再生用空気)の風量が少量になるほど、再生域3において吸着剤Xから除去対象物質Vを脱着させるのが難しくなって、吸着状態にある除去対象物質Vのうちの相当量が脱着されないままで吸着剤Xに残る脱着不足の状態(換言すれば、再生不足の状態)が生じ、これが原因で、装置の物質回収効率η(換言すれば、処理対象空気IAの浄化効率)が低下する。
【0016】
これに対し、再生域3における通過風量を大きく維持しながら濃縮倍率Cを高める方式として、例えば特許文献3(図30参照)に見られるように、再生域3を通過した使用済再生用空気RA′の一部を循環再生用空気RA″として再生用空気RA(新鮮再生用空気)とともに再生域3に通過させる一部循環方式のものもある。
【0017】
即ち、この一部循環方式の濃縮装置は、使用済再生用空気RA′の一部を再び循環再生用空気R″として再生域3に循環させることで再生域3の通過風量を大きく維持しながら、再生用空気RA(新鮮再生用空気)の風量を少量化し、これにより、濃縮空気として装置外に取り出される使用済再生用空気RA′の風量Qoを少量化して、濃縮倍率C=Qi/Qoを高くするものである。
【0018】
そして、この一部循環方式の濃縮装置では、再生域3での吸着剤Xと再生用空気RA(循環再生用空気R″を含む)との接触効率が高くなり、その分、風量制限方式のものに比べ、再生用空気RA(新鮮再生用空気)の風量を少量化して濃縮倍率Cを高く設定しながらも、再生域3での脱着効率ひいては装置の物質回収効率ηをより高く確保することができる利点がある。
【0019】
しかし、この一部循環方式の濃縮装置にしても、基本的には風量制限方式と同様、再生域3に通過させる再生用空気RA(新鮮再生用空気)の風量を少量化することで濃縮倍率Cを高める方式であるため、再生域3における通過空気の脱着物質濃度が高くなって脱着域3での脱着効率が制限されること、即ち、上記の如き脱着不足の状態が生じ易いことに変わりはなく、この点で、やはり濃縮倍率Cの上昇に伴う物質回収効率ηの低下は未だ回避できないものであった。
【0020】
そして、このような物質回収効率ηの低下を回避するには、再生域3の温度(≒再生用空気RAの温度)を高めて脱着不足の状態が生じるのを回避することが必要になるが、再生域3の温度を高めるには、耐熱性や耐圧性の高い装置構成材が必要になるとともに断熱にも重厚なものが必要になり、装置コストが高くなる問題が生じる。
【0021】
さらにまた、耐熱性や耐圧性の高い装置構成材を使用するにしても、再生域3の温度を高めることには耐熱性や耐圧性の面で限界があり、この為、物質回収効率ηの低下を回避し切れない場合もある。
【0022】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な装置構成を採ることで、装置の物質回収効率ηを高く確保しながら高い濃縮倍率Cを得ることができ、また、装置コスト面や運転コスト面などでも有利な吸脱着式濃縮装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
吸脱着式濃縮装置に係る本発明の第1特徴構成は、
吸着剤を保持させた通気性の吸着ロータを備えるとともに、
この吸着ロータの回転域に処理域と再生域とパージ域とを、その順にロータ回転方向に並べる状態で区画形成し、
この吸着ロータの回転より吸着ロータの回転方向における各部を前記処理域と前記再生域と前記パージ域とに、その順で繰り返し通過させる構成にし、
前記処理域では、域内通過過程にあるロータ部分に処理対象空気を通風することで、その処理対象空気に含まれるガス状の除去対象物質を域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着材に吸着させて処理対象空気から分離除去し、
前記再生域では、域内通過過程にあるロータ部分に再生用空気を通風することで、そのロータ部分の保持吸着剤が前記処理域で吸着した除去対象物質を前記処理対象空気より小風量の再生用空気に脱着させて、域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着剤を再生し、
前記パージ域では、域内通過過程にあるロータ部分にパージ用空気を通風することで、域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着剤を冷却する構成にしてある吸脱着式濃縮装置であって、
前記再生域を通過した使用済再生用空気の一部を循環再生用空気として前記再生用空気とともに前記再生域に通過させる構成にし、
前記再生用空気又は前記循環再生用空気を再生用加熱手段により加熱するとともに、再生用加湿手段により加湿する構成にしてある点にある。
【0024】
つまり、特許文献4に示されるように、再生域に通風する再生用空気として水蒸気を用いれば、その水蒸気成分(即ち、水分)を吸着状態にある除去対象物質と置換させて吸着剤に吸着させる置換吸着を再生域において生じさせることができ、これにより、吸着状態にある除去対象物質を水分により吸着剤から追い出す形態で、吸着状態にある除去対象物質を再生域において吸着剤から再生用空気へ効率良く脱着させることができる。
【0025】
即ち、この置換吸着を利用することで、前述の風量制限方式や一部循環方式の如く再生域に通過させる再生用空気(新鮮再生用空気)の風量を少量にしながらも、再生域において前述の如き脱着不足の状態が生じるのを効果的に回避することができる。
【0026】
しかし、再生用空気として水蒸気を用いるのでは、低温低圧の水蒸気(例えば、100℃の飽和水蒸気)であるとしても、相応の耐熱性及び耐圧性を備える装置構成材が必要になるとともに、水蒸気の放熱や凝縮(特に、蒸気源から再生用加熱手段までの部分での放熱や凝縮)を防止するために断熱にも重厚なものが必要になり、この点で先述した従来装置の問題を解消するには至らない。
【0027】
これに対し、本発明の発明者は実験等の結果、再生用空気として水蒸気を用いずとも、図24に示すように再生用空気を加湿状態(単に湿度を高めただけの未飽和の湿り空気状態)にするだけでも、再生域において上記の如き置換吸着を生じさせることができ、これにより、低温の再生用空気(処理域温度やパージ域温度よりは高温)を用いながら、吸着状態にある除去対象物質を再生域において効率良く吸着剤から脱着させることができて、脱着不足を効果的に回避できることを見出した。
【0028】
ここで、図24に示す例は、再生域出口における除去対象物質の濃度に関して、低温再生用空気(25℃)の水分濃度を0ppmにした場合(グラフ1:無加湿に相当)と、同温度(25℃)の低温再生用空気の水分濃度を8013ppm、15977ppm、23894ppm、31763ppmの夫々にした場合(グラフ2〜5:相対湿度25%、50%、75%、100%への加湿に相当)とを比較したものである。
【0029】
この例から分かるように、低温(25℃)の再生用空気をある程度以上の水分濃度を有する未飽和の加湿状態にするだけでも、再生域出口の使用済再生用空気における除去対象物質の濃度(即ち、再生域において吸着剤から脱着した除去対象物の濃度)を高く確保できており、言い換えれば、加湿により再生用空気に与えた水分を吸着状態にある除去対象物質と置換させて吸着剤に吸着させる置換吸着が生じ、これにより、吸着状態にある除去対象物質(この例ではイソプロピルアルコール:IPA)が効率良く吸着剤から脱着されている。
【0030】
従って、上記第1特徴構成において、再生域に通過させる再生用空気又は循環再生用空気(それら空気のいずれか一方又は両方)を再生用加熱手段により加熱するとともに、再生用加湿手段により加湿して、ある程度以上の水分濃度を有する未飽和の加湿状態にすることで、低温の再生用空気を用いながらも、また、再生用空気(新鮮再生用空気)の風量を少量にして濃縮倍率Cを高くしながらも、再生域において脱着不足の状態が生じることを効果的に回避することができ、これにより、処理域において吸着剤(即ち、十分に再生された吸着剤)を処理対象空気中の除去対象物質に対し効率良く吸着機能させることができて、装置の物質回収効率ηも高く確保することができる。
【0031】
しかも、上記の如く再生用空気又は循環再生用空気を未飽和の加湿状態にするだけで済むことから、特許文献1,4に見られるように再生用空気として水蒸気を用いるのに比べ、装置構成材に要求される耐熱性や耐圧性を効果的に低減することができ、また、水蒸気の放熱や凝縮(特に、蒸気源から再生用加熱手段までの部分での放熱や凝縮)を防止するなどのために重厚な断熱が必要になることも回避することができ、これらのことで、装置コストも効果的に低減することができる。
【0032】
また、再生用空気として水蒸気を用いるのに比べ、再生用空気の生成に要する熱量及び水量も低減することができ、これにより、運転コストを安価にするとともに省エネルギ面でも有利な装置にすることができる。
【0033】
そしてまた、この第1特徴構成では、使用済再生用空気の一部を循環再生用空気として再生用空気とともに再生域に通過させる一部循環方式(即ち、再生域での吸着剤と再生用空気との接触効率を高くすることができて、その分、装置の物質回収効率ηをより高くすることができる方式)を採ることとも相俟って、高い濃縮倍率Cにしながら高い物質回収効率ηが得られるようにするという所期の目的を一層効果的に達成することができ、また、そのことで省エネルギ化の面や運転コストの低減面などでも一層有利にすることができる。
【0034】
なお、再生域での置換吸着により水分吸着状態になった吸着剤(即ち、除去対象物質が効果的に脱着されて十分に再生された吸着剤)を処理対象空気が通風される処理域に移動させると、再生域温度より低温の処理域温度での平衡吸着量の差などから、処理対象空気中の除去対象物質が吸着水分と置換する状態で吸着剤に吸着される逆の置換吸着が生じ、これにより、上記の如く物質回収効率ηが高く確保される。
【0035】
上記構成の実施において、処理域での吸着ロータに対する処理対象空気の通風向きと、再生域での吸着ロータに対する再生用空気の通風向きとは同じ向き、ないし、逆向きのいずれにしてもよいが、物質回収効率ηをより高く確保するには、処理域での処理対象空気の通風向きと、再生域での再生用空気の通風向きとを互いに逆向きにするのが望ましい。
【0036】
即ち、再生域での前述の如き置換吸着による除去対象物質の脱着は再生域入口側(再生用空気流入側)の方が出口側に比べ効果的に進行し、この為、処理域での除去対象物質に対する吸着効果も再生域入口側に相当する側の方が反対側に比べ高くなる。
【0037】
従って、処理域での処理対象空気の通風向きと再生域での再生用空気の通風向きとを互いに逆向きにして、処理域を通過する処理対象空気における除去対象物質の濃度が次第に低くなる処理域出口側ほど高い吸着効果をもって除去対象物質を吸着する形態にする方が物質回収効率ηを高めることができる。
【0038】
上記構成の実施においては、再生域入口での再生用空気の湿度又は再生域出口での使用済再生用空気の湿度(=循環再生用空気の湿度)を設定湿度に保つように再生用加湿手段での加湿量を自動的に調整する再生用の加湿量調整手段を装備してもよい。
【0039】
また、処理対象空気における除去対象物質の濃度や処理域での除去対象物質の吸着量などに応じて上記設定湿度を自動的に変更する再生用の設定湿度変更手段を装備してもよく、これら再生用の加湿量調整手段や再生用の設定湿度変更手段を付加装備することで、前述の効果をより確実かつより安定的に得ることができる。
【0040】
上記構成の実施においては、再生用加熱手段による加熱や再生用加湿手段による加湿の夫々を再生用空気(新鮮再生用空気)と循環再生用空気との両方に対して施す装置構成に限らず、場合によっては、それら加熱や加湿の夫々を再生用空気(新鮮再生用空気)と循環再生用空気とのいずれか一方にのみ施す装置構成にしてもよい。
【0041】
また、参考構成として上記第1特徴構成においてパージ域を省略した構成も考えられ、この参考構成においても前述と実質的に同様の効果を得ることができる。
【0042】
吸脱着式濃縮装置に係る本発明の第2特徴構成は、
吸着剤を保持させた通気性の吸着ロータを備えるとともに、
この吸着ロータの回転域に処理域と再生域とパージ域とを、その順にロータ回転方向に並べる状態で区画形成し、
この吸着ロータの回転より吸着ロータの回転方向における各部を前記処理域と前記再生域と前記パージ域とに、その順で繰り返し通過させる構成にし、
前記処理域では、域内通過過程にあるロータ部分に処理対象空気を通風することで、その処理対象空気に含まれるガス状の除去対象物質を域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着材に吸着させて処理対象空気から分離除去し、
前記再生域では、域内通過過程にあるロータ部分に再生用空気を通風することで、そのロータ部分の保持吸着剤が前記処理域で吸着した除去対象物質を前記処理対象空気より小風量の再生用空気に脱着させて、域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着剤を再生し、
前記パージ域では、域内通過過程にあるロータ部分にパージ用空気を通風することで、域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着剤を冷却する構成にしてある吸脱着式濃縮装置であって、
前記再生域を通過した使用済再生用空気の一部を循環再生用空気として前記再生用空気とともに前記再生域に通過させる構成にし、
前記パージ域に通過させるパージ用空気をパージ用加湿手段により加湿する構成にしてある点にある。
【0043】
つまり、この第2特徴構成によれば、再生域において前述の如き脱着不足の状態が生じるとしても、次のパージ域に通過させるパージ用空気をパージ用加湿手段により加湿して、ある程度以上の水分濃度を有する未飽和の加湿状態にすることで、パージ用空気に与えた加湿水分を未だ吸着状態で吸着剤に残っている除去対象物質と置換させて吸着剤に吸着させる置換吸着をパージ域で生じさせることができる。
【0044】
そして、このパージ域での置換吸着により、吸着剤に未だ吸着状態で残っている除去対象物質を前述と同様に効率的に吸着剤から脱着させることができ、これにより、再生域で生じた脱着不足の状態をパージ域で解消して、吸着剤を次の処理域への移動に先立ち十分な水分吸着状態(即ち、除去対象物質が効果的に脱着されて十分に再生された状態)にすることができる。
【0045】
即ち、このことより、前述の第1特徴構成と同様、低温の再生用空気を用いながらも、また、再生用空気(新鮮再生用空気)の風量を少量にして濃縮倍率Cを高くしながらも、処理域において吸着剤(即ち、十分に再生された吸着剤)を処理対象空気中の除去対象物質に対し効率良く吸着機能させることができて、装置の物質回収効率ηを高く確保することができる。
【0046】
しかも、上記の如くパージ用空気を未飽和の加湿状態にするだけで済むことから、特許文献1,4に見られるように再生用空気として水蒸気を用いるのに比べ、装置構成材に要求される耐熱性や耐圧性を効果的に低減することができ、また、水蒸気の放熱や凝縮(特に蒸気源から再生用加熱手段までの部分での放熱や凝縮)を防止するなどのために重厚な断熱が必要になることも回避することができ、これらのことで、装置コストも効果的に低減することができる。
【0047】
また、再生用空気として水蒸気を用いるのに比べ、再生用空気及びパージ用空気の生成に要する熱量及び水量も低減することができ、これにより、運転コストを安価にするとともに省エネルギ面でも有利な装置にすることができる。
【0048】
そしてまた、この第2特徴構成においても、使用済再生用空気の一部を循環再生用空気として再生用空気とともに再生域に通過させる一部循環方式(即ち、再生域での吸着剤と再生用空気との接触効率を高くすることができて、その分、装置の物質回収効率ηをより高くすることができる方式)を採ることとも相俟って、高い濃縮倍率Cにしながら高い物質回収効率ηが得られるようにするという所期の目的を一層効果的に達成することができ、また、そのことで省エネルギ化の面や運転コストの低減面などでも一層有利にすることができる。
【0049】
なお、上記構成の実施において再生用空気には種々のものを使用することができるが、上記の如く再生域において脱着不足の状態が生じても、その脱着不足の状態をパージ域において解消できることから再生用空気の組成面や温度面などでの選択肢を増やすことができ、そのことで装置の汎用性も高めることができる。
【0050】
上記構成の実施において、処理域での吸着ロータに対する処理対象空気の通風向きと、パージ域での吸着ロータに対するパージ用空気の通風向きとは同じ向き、ないし、逆向きのいずれにしてもよいが、物質回収効率ηをより高く確保するには、処理域での処理対象空気の通風向きと、パージ域でのパージ用空気の通風向きとを互いに逆向きにするのが望ましい。
【0051】
即ち、パージ域での前述の如き置換吸着による除去対象物質の脱着はパージ域入口側(パージ用空気の流入側)の方が出口側に比べ効果的に進行し、この為、処理域での除去対象物質に対する吸着効果もパージ域入口側に相当する側の方が反対側に比べ高くなる。
【0052】
従って、処理域での処理対象空気の通風向きとパージ域でのパージ用空気の通風向きとを互いに逆向きにして、処理域を通過する処理対象空気における除去対象物質の濃度が次第に低くなる処理域出口側ほど高い吸着効果をもって除去対象物質を吸着する形態にする方が物質回収効率ηを高めることができる。
【0053】
上記構成の実施においては、パージ域入口でのパージ用空気の湿度又はパージ域出口での使用済のパージ用空気の湿度を設定湿度に保つようにパージ用加湿手段での加湿量を自動的に調整するパージ用の加湿量調整手段を装備してもよい。
【0054】
また、処理対象空気における除去対象物質の濃度や処理域での除去対象物質の吸着量などに応じて上記設定湿度を自動的に変更するパージ用の設定湿度変更手段を装備してもよく、これらパージ用の加湿量調整手段やパージ用の設定湿度変更手段を付加装備することで、前述の効果をより確実かつより安定的に得ることができる。
【0055】
第1特徴構成又は第2特徴構成の実施においては、低温の再生用空気でも高い濃縮倍率Cと高い物質回収効率ηを得られることから、100℃未満の再生用空気を再生域に通過させる装置にすることもできる。
【0056】
つまり、低温の再生用空気で済むことを活かして再生用空気の温度を100℃未満にすることで、取り扱いが極めて容易な装置することができ、特に、再生用加湿手段を設ける場合では、再生用空気の温度を水の沸点である100℃より低い温度にすることで、再生用空気の湿度管理なども容易にすることができる。
【0057】
また、第1特徴構成又は第2特徴構成の実施において、再生用加湿手段又はパージ用加湿手段としては、水の加熱により蒸気を発生させる水加熱式などの各種方式の加湿装置を用いることができるが、加湿対象の空気を未飽和の加湿状態に加湿するだけでよいことから、再生用加湿手段又はパージ用加湿手段として、含浸材に含浸させた水を加湿対象空気中で蒸発させる気化式や、噴霧水を加湿対象空気中で蒸発させる水噴霧式、あるいは、水に超音波振動を付与して加湿対象空気中に水粒子を飛散させる超音波式の加湿装置を用いることもできる。
【0058】
即ち、これら気化式、水噴霧式、超音波式の加湿装置を用いることで、水加熱式の加湿装置を用いるのに比べ、装置構成を簡略化して装置の製作を容易にするとともに、装置のメンテナンスも容易にすることができ、この点で、取り扱い性の面で一層優れた装置にすることができる。
【0059】
さらに、第1特徴構成又は第2特徴構成の実施においては、再生域入口での再生用空気の温度又は再生域出口での使用済の再生用空気の温度(=循環再生用空気の温度)を設定温度に保つように再生用加熱手段での加熱量を自動的に調整する再生用の加熱量調整手段や、処理対象空気中の除去対象物質濃度や処理域での除去対象物質の吸着量などに応じて上記設定温度を自動的に変更する再生用の設定温度変更手段を装備するなどしてもよい。
【0060】
第1特徴構成又は第2特徴構成の実施においては、それら第1,第2特徴構成を併行実施する装置構成にしてもよい。
【0061】
つまり、この併行実施を行なえば、高い濃縮倍率Cにしながら高い物質回収効率ηが得られるようにするという所期の目的をさらに効果的かつ確実に達成することができ、処理対象空気における除去対象物質の濃度変化が大きいなど装置負荷の変動が大きい場合において特に好適な装置にすることができる。
【0062】
本発明の第3特徴構成は、第2特徴構成において、
前記パージ用空気を前記パージ用加湿手段による加湿の前にパージ用加熱手段により加熱する構成にしてある点にある。
【0063】
つまり、この第3特徴構成によれば、パージ用空気をパージ用加湿手段による加湿の前にパージ用加熱手段により加熱することで、その加熱を行なわない場合に比べ、パージ用加湿手段による加湿でのパージ用空気の許容加湿量(即ち、パージ用空気に保有させ得る加湿水分量)を増大させることができる。
【0064】
そして、このことでパージ域での前述の如き置換吸着による脱着不足状態の解消(即ち、吸着剤に未だ吸着状態で残っている除去対象物質の脱着)を一層効果的かつ確実なものにすることができ、これにより、高い濃縮倍率Cにしながら高い物質回収効率ηが得られるようにするという所期の目的を一層効果的かつ確実に達成することができる。
【0065】
本発明の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれかにおいて、
前記パージ域を通過した使用済パージ用空気を、前記再生用空気として前記再生域に通過させる構成にしてある点にある。
【0066】
つまり、パージ域を通過した使用済のパージ用空気を熱回収目的で再生用空気(新鮮再生用空気)の一部として利用することは前述の特許文献1、2にも見られるが、第1〜第3特徴構成のいずれかの実施において、上記の如く使用済のパージ用空気を再生用空気として利用すれば、熱回収の他にも次の如き効果を得ることができる。
【0067】
即ち、再生域に通風された再生用空気や循環再生用空気のうちの一部は再生域から次のパージ域に移動するロータ部分に残存した状態でそのロータ部分とともにパージ域に移行する為、パージ域ではパージ用空気の通風により域内通過過程にあるロータ部分を冷却してそのロータ部分の保持吸着剤を冷却するのに伴い、そのロータ部分に残存する再生用空気や循環再生用空気もパージ用空気とともに持ち去られる。
【0068】
従って、再生域に通過させる再生用空気や循環再生用空気を再生用加湿手段により加湿する構成では、パージ域を通過した使用済のパージ用空気はロータ部分の冷却で得た熱量とともに、ロータ部分に残存する再生用空気や循環再生用空気の加湿水分も保有するものになり、この使用済のパージ用空気を上記の如く再生用空気として利用することにより、使用済のパージ用空気とともにパージ域から持ち出される加湿水分量も回収して、その回収水分量を再生域での除去対象物質の脱着に寄与させることができる。
【0069】
また、パージ用空気をパージ用加湿手段により加湿する構成では、上記の如く使用済のパージ用空気を再生用空気として利用することにより、パージ域を通過した使用済パージ用空気に含まれる余剰の加湿水分や、バイパスファクタなどが原因で置換吸着に寄与せずにパージ域を素通りした加湿水分を回収して、その回収水分量を再生域での除去対象成分の脱着に寄与させることができる。
【0070】
そして、これらのことで、再生用加湿手段やパージ用加湿手段での必要加湿量(即ち、未飽和の加湿状態に加湿するだけでよいことから小さい必要加湿量)をさらに低減することができて、装置の運転コストを一層安価にするとともに省エネルギ面でも一層有利にすることができる。
【0071】
なお、この効果は、再生用加湿手段とパージ用加湿手段との両方を設ける場合にも得ることができる。
【0072】
また、パージ域を通過した使用済のパージ用空気には再生域からの再生用空気及び循環再生用空気の持ち込みやパージ域での脱着により除去対象物質が含まれるが、上記構成によれば、この使用済のパージ用空気に含まれる除去対象物質は再生域において吸着剤から脱着される除去対象物質とともに、最終的には、濃縮空気として装置外に取り出す使用済再生用空気に含ませた状態で回収することができる。
【0073】
本発明の第5特徴構成は、第4特徴構成において、
前記再生用空気の全量について、前記パージ域を通過した使用済パージ用空気を用いる構成にしてある点にある。
【0074】
つまり、この第5特徴構成は、前述の如く再生用空気(新鮮再生用空気)の風量を少量にして高い濃縮倍率Cにしながらも高い物質回収効率ηが得られることを活かしたものであるが、この構成によれば、例えば、パージ域を通過した使用済パージ用空気と外気との混合空気を再生用空気(新鮮再生用空気)として用いる構成や、パージ域を通過した使用済パージ用空気については装置の別部分で処理する構成などに比べ、装置構成(特に風路構成)を簡素にすることができ、これにより、装置コストを一層低減し得るとともに取り扱い性の面で一層優れた装置にすることができる。
【0075】
本発明の第6特徴構成は、第4又は第5特徴構成において、
前記パージ域を通過した使用済パージ用空気の一部を前記再生用空気として前記再生域に通過させるのに併行して、
前記パージ域を通過した使用済パージ用空気の他部を抽気空気として前記処理対象空気とともに前記処理域に通過させる構成にしてある点にある。
【0076】
つまり、使用済のパージ用空気を再生用空気として用いる構成において、濃縮倍率Cを高くするために再生用空気(新鮮再生用空気)の風量を少量にした場合、再生用空気として用いる使用済パージ用空気の必要風量も少量になり、そのことで、パージ域に通過させるパージ用空気が不足になって、処理域での吸着効率が低下する虞がある。
【0077】
このことに対し、上記第6特徴構成によれば、再生用空気(新鮮再生用空気)として用いる側の使用済パージ用空気の風量を少量にして濃縮倍率Cを高くしながらも、上記の如く、使用済パージ用空気の他部を抽気空気として処理対象空気とともに処理域に通過させることで、パージ域に通過させるパージ用空気の全体風量を十分に確保することができて、パージ域での吸着剤冷却や残存空気の掃気を確実かつ十分にすることができ、これにより、処理域での吸着効率を高く維持することができて、所期目的である物質回収効率ηの向上を一層効果的かつ確実に達成することができる。
【0078】
なお、この構成において、抽気空気として処理対象空気とともに処理域に通過させる側の使用済パージ用空気に含まれる除去対象物質については、処理対象空気に含まれる除去対象物質とともに処理域での吸着及びそれに続く再生域での脱着により、最終的には、濃縮空気として装置外に取り出す使用済再生用空気に含ませた状態で回収することができる。
【0079】
本発明の第7特徴構成は、第4又は第5特徴構成において、
前記パージ域を通過した使用済パージ用空気の全量を前記再生用空気として前記再生域に通過させる構成にしてある点にある。
【0080】
つまり、この第7特徴構成によれば、パージ域を通過した使用済パージ用空気の全量を再生用空気として再生域に通過させるから、再生用加湿手段やパージ用加湿手段での必要加湿量を低減することができるという前記第4特徴構成による効果を最も効果的に得ることができる。
【0081】
また、この第7特徴構成の実施において前記第5特徴構成を併行実施した場合、即ち、再生域に通過させる再生用空気(新鮮再生用空気)の風量とパージ域に通過させるパージ用空気の風量とを等しくして、使用済パージ用空気の全量を再生用空気の全量として再生域に通過させるようにした場合には、使用済パージ用空気についての合流や分流を不要にすることができて、装置の風路構成を一層効果的に簡素化することができる。
【0082】
本発明の第8特徴構成は、第1〜第7特徴構成のいずれかにおいて、
前記再生用空気と前記循環再生用空気とを混合状態で前記再生域の全体に対して通過させる構成にしてある点にある。
【0083】
つまり、この構成では、再生用空気と循環再生用空気との混合空気を再生域の全体に対して通過させるから、次記の第9特徴構成の如く再生域を上手側域と下手側域とに区画する必要がなく、この点で、吸着ロータ周りの装置構成及び風路構成を簡素にすることができる。
【0084】
また、再生用加熱手段での加熱量を調整して上記混合空気の温度を調整するだけで再生域温度を一元的に調整することができ、この点、再生域温度の管理も容易にすることができる。
【0085】
さらに、再生用加湿手段を装備する場合では、その再生用加湿手段での加湿量を調整して上記混合空気の湿度を調整するだけで前述の置換吸着に関与する再生域湿度を一元的に調整することができ、この点で、再生域湿度の管理も容易にすることができる。
【0086】
なお、この構成の実施においては、再生用空気と循環再生用空気との混合空気を再生用加熱手段に通過させて所要温度に加熱する加熱形態に限らず、再生用空気と循環再生用空気とのいずれか一方の空気を再生用加熱手段により加熱して、その後における再生用空気と循環再生用空気との混合により混合空気の全体を所要温度にする加熱形態を採ってもよい。
【0087】
さらにまた、再生用加湿手段を装備する場合についても、再生用空気と循環再生用空気との混合空気を再生用加湿手段に通過させて所要湿度に加湿する加湿形態に限らず、再生用空気と循環再生用空気とのいずれか一方の空気を再生用加湿手段により加湿して、その後における再生用空気と循環再生用空気との混合により混合空気の全体を所要湿度にする加湿形態を採ってもよい。
【0088】
本発明の第9特徴構成は、第1〜第7特徴構成のいずれかにおいて、
前記再生域を、吸着ロータ回転方向において下手側に位置する下手側域と上手側に位置する上手側域とに区画し、
前記再生用空気を前記下手側域と前記上手側域とにその順で通過させて、その上手側域を通過した使用済再生用空気の一部を前記循環再生用空気とし、
この循環再生用空気を、前記下手側域を通過した再生用空気とともに前記上手側域に通過させる構成にしてある点にある。
【0089】
つまり、前記第8特徴構成の如く再生用空気と循環再生用空気とを混合状態で再生域の全体に対して通過させる場合、脱着除去対象物質の濃度が高い循環再生用空気の混合により、再生域に通過させる混合空気中の除去対象物質濃度が高くなることで、吸着剤に吸着された除去対象物質に対する混合空気の脱着能力が、循環再生用空気を混合する前の再生用空気(新鮮再生用空気)の脱着能力に比べ低くなる。
【0090】
これに対し、上記の第9特徴構成によれば、再生域のロータ回転方向における上手側域に循環再生用空気と下手側域を通過した再生用空気(即ち、いずれも脱着除去対象物質の濃度が高くなって脱着能力が低くなった空気)を通過させることで、この上手側域においては先ず、処理域で除去対象物質を吸着した状態にある吸着剤を予熱的に加熱するとともに、吸着除去対象物質を吸着剤からある程度まで予脱着的に脱着させることができる。
【0091】
そして、その上で、再生域のロータ回転方向における下手側域において、その下手側域に通過させる再生用空気(即ち、新鮮で脱着能力の高い空気)により、先の上手側域での予熱的な加熱で脱着し易くなった吸着除去対象物質を再生用空気(新鮮再生用空気)の高い脱着能力をもって吸着剤から効果的かつ効率的に脱着させることができる。
【0092】
即ち、このような二段脱着の形態を採ることで、再生用空気(新鮮再生用空気)の高い脱着能力を一層効果的に活かすことができて、その分、再生域全体としての脱着効率を一層効果的に高めることができ、この点で、高い濃縮倍率Cにしながらも高い物質回収効率ηが得られるようにするという所期の目的をさらに効果的に達成することができる。
【0093】
なお、この第9特徴構成は、パージ域、再生域の下手側域、再生域の上手側域をその順で下手側パージ域、上手側パージ域、再生域として、上手側パージ域を通過した使用済のパージ用空気を再生用空気として再生域通過後の使用済再生用空気の一部(循環再生空気)とともに再生域に通過させる装置構成としても見ることができる。
【0094】
上記第1〜第9特徴構成のいずれかの実施において、パージ域に通過させるパージ用空気には、外気、処理域で除去対象物質を分離除去した処理済の処理対象空気(処理済空気)の一部、あるいは、処理域に送る処理対象空気の一部などを単独で又は2種以上の混合空気の状態で使用することができるが、処理域での吸着効率を安定的に高く維持して装置の物質回収効率ηを極力高く確保するには、処理域を通過した処理済空気の一部又は外気を単独でないし混合空気の状態でパージ用空気として用いるのが有利である。
【0095】
図25,図26は、本発明による吸脱着式濃縮装置で得られる物質回収効率ηについての実験結果を示し、図25は、再生用空気と循環再生用空気とを混合状態で再生域の全体に通過させる装置構成(即ち、前記の第8特徴構成)において、吸着ロータの回転速度を3rphとし濃縮倍率Cを40倍とした条件の下で、
・「再生加湿」:再生用加湿手段による再生用空気及び循環再生用空気の加湿
・「パージ加湿」:パージ用加湿手段によるパージ用空気の加湿
の2項目につき、
A:再生加湿なし、パージ加湿なし………(従来装置相当)
B:再生加湿あり、パージ加湿なし………(再生加湿のみ)
C:再生加湿なし、パージ加湿あり………(パージ加湿のみ)
D:再生加湿あり、パージ加湿あり………(再生・パージ加湿)
の4種の実験を行ない、
そして、これら4種の実験ケースの夫々において、
・「未処理空気使用パージ」:処理域に送給する処理対象空気(未処理空気)の一部をパージ用空気として使用
・「外気使用パージ」:外気をパージ用空気として使用
・「処理済空気使用パージ」:処理域を通過した処理済の処理対象空気(処理済空気)の一部をパージ用空気として使用
・「パージ抽気」:使用済のパージ用空気の一部を抽気空気として処理対象空気とともに処理域に通過
の4つのサブ項目につき、
a:未処理空気使用パージ、パージ抽気なし
b:外気使用パージ、パージ抽気なし
c:処理済空気使用パージ、パージ抽気なし
d:未処理空気使用パージ、パージ抽気あり
e:外気使用パージ、パージ抽気あり
f:処理済空気使用パージ、パージ抽気あり
としたときの夫々で得られた物質回収効率ηを示している。
【0096】
また、図26は、再生用空気を再生域の下手側域と上手側域とにその順で通過させて、その上手側域を通過した使用済再生用空気の一部を循環再生用空気とし、この循環再生用空気を、再生域の下手側域を通過した再生用空気とともに再生域の上手側域に通過させる装置構成(即ち、前記の第9特徴構成)において、吸着ロータの回転速度を3rphとし濃縮倍率Cを40倍とした条件の下で、
・上手側再生加湿:再生用加湿手段による上手側域通過空気の加湿
・下手側再生加湿:再生用加湿手段による下手側域通過空気の加湿
・パージ加湿:パージ用加湿手段によるパージ用空気の加湿
の3項目につき、
E:上手側加湿なし、下手側加湿なし、パージ加湿なし………(従来装置相当)
F:上手側加湿あり、下手側加湿なし、パージ加湿なし………(上手側加湿のみ)
G:上手側加湿なし、下手側加湿あり、パージ加湿なし………(下手側加湿のみ)
H:上手側加湿なし、下手側加湿なし、パージ加湿あり………(パージ加湿のみ)
I:上手側加湿あり、下手側加湿あり、パージ加湿あり………(全加湿)
の5種の実験を行なった場合の夫々で得られた物質回収効率ηを示している。
【0097】
この図26から分かるように、第9特徴構成を採る場合において上記のE.「従来装置相当」とF.「上手側加湿のみ」とG.「下手側加湿のみ」とH.「パージ加湿のみ」とを比較すると、物質回収効率ηの大小関係は、G.「下手側加湿のみ」>H.「パージ加湿のみ」>F.「上手側加湿のみ」>E.「従来装置相当」となり、G.「下手側加湿のみ」、H.「パージ加湿のみ」、F.「上手側加湿のみ」のいずれもE.「従来装置相当」に比べ高い物質回収効率ηを得られることが分かる。
【0098】
また、G.「下手側加湿のみ」では他よりも大きい物質回収効率ηを得ることができ、これは置換吸着による除去対象物質の脱着が再生域の下手側域において特に効果的に寄与するためと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】第1実施形態の第1例を示す装置構成図
【図2】第1実施形態の第2例を示す装置構成図
【図3】第1実施形態の第3例を示す装置構成図
【図4】第2実施形態の第1例を示す装置構成図
【図5】第2実施形態の第2例を示す装置構成図
【図6】第2実施形態の第3例を示す装置構成図
【図7】第3実施形態の第1例を示す装置構成図
【図8】第3実施形態の第2例を示す装置構成図
【図9】第3実施形態の第3例を示す装置構成図
【図10】第4実施形態の第1例を示す装置構成図
【図11】第4実施形態の第2例を示す装置構成図
【図12】第4実施形態の第3例を示す装置構成図
【図13】第5実施形態の第1例を示す装置構成図
【図14】第5実施形態の第2例を示す装置構成図
【図15】第5実施形態の第3例を示す装置構成図
【図16】第6実施形態の第1例を示す装置構成図
【図17】第6実施形態の第2例を示す装置構成図
【図18】第6実施形態の第3例を示す装置構成図
【図19】第7実施形態の第1例を示す装置構成図
【図20】第7実施形態の第2例を示す装置構成図
【図21】第7実施形態の第3例を示す装置構成図
【図22】第7実施形態の第4例を示す装置構成図
【図23】第8実施形態を示す装置構成図
【図24】再生域出口における除去対象物質の濃度と再生用空気の水分濃度との相関を示すグラフ
【図25】物質回収効率に関する実験結果を示すグラフ
【図26】物質除去効率に関する他の実験結果を示すグラフ
【図27】従来装置の装置構成図
【図28】他の従来装置の装置構成図
【図29】従来装置における濃縮倍率と物質回収効率との相関を示すグラフ
【図30】一部循環方式を採用した従来装置の装置構成図
【発明を実施するための形態】
【0100】
図1〜図23は夫々、本発明による吸脱着式濃縮装置の実施形態を示すが、この濃縮装置は基本構成として、各図に示す如く、活性炭やゼオライトなどの吸着剤Xを保持させたハニカム構造などの通気性の吸着ロータ1を備えている。
【0101】
なお、各図では理解を容易にするため、この吸着ロータ1をロータ周方向(ロータ回転方向)に展開した状態で示してある。
【0102】
この吸着ロータ1の回転域には、処理域2と再生域3とパージ域4とをその順にロータ回転方向に並べる状態で区画形成してあり、吸着ロータ1の回転により吸着ロータ1のロータ回転方向における各部(以下、ロータ部分と称す)を処理域2と再生域3とパージ域4とに、その順で繰り返し通過させる。
【0103】
そして基本的には、これら処理域2,再生域3,パージ域4の夫々において次の処理を行なう。
【0104】
処理域2では、域内通過過程にあるロータ部分に処理対象空気IAを通風することで、その処理対象空気IAに含まれる揮発性有機化合物などのガス状の除去対象物質Vを域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着材Xに吸着させて処理対象空気IAから分離除去し、これにより、処理対象空気IAを浄化する。
【0105】
再生域3では、域内通過過程にあるロータ部分に再生用ヒータ5(再生用加熱手段の一例)により加熱した再生用空気RAを通風することで、そのロータ部分の保持吸着剤Xが先の処理域2で吸着した除去対象物質Vを再生用空気RAに脱着させて域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着剤Xを再生する。
【0106】
パージ域4では、域内通過過程にあるロータ部分にパージ用空気PAを通風することで、域内通過過程にあるロータ部分(即ち、再生域3を通過して昇温したロータ部分)を冷却して、そのロータ部分の保持吸着剤Xを次の処理域2への移動に先立ち冷却する。
【0107】
また、パージ域4では、この吸着剤Xの冷却と併せて、再生域3からロータ部分に残存した状態でパージ域4に持ち込まれた残存再生用空気RAをパージ用空気PAにより掃気する。
【0108】
ここで、再生用空気RAの風量Qoは、処理対象空気IAの風量Qiより小風量(Qo<Qi)である。
【0109】
つまり、この濃縮装置では、処理域2において吸着剤Xへの吸着により処理対象空気IAから分離除去した除去対象物質Vを、再生域3において吸着剤Xから脱着させて処理対象空気IAより小風量の再生用空気RAに移行させることで、再生域3を通過した小風量の使用済再生用空気RA′を除去対象物質Vの濃度が高められた濃縮空気にして装置外に取り出し、これにより、処理対象空気IAに低濃度状態で含まれるガス状の除去対象物質Vを濃縮状態にして回収する。この際の濃縮倍率CはC=Qi/Qoで表される。
【0110】
各図において、6は処理対象空気IAを処理域2に導く処理対象空気路、7はパージ用空気PAをパージ域4に導くパージ用空気路、8はパージ域4を通過した使用済のパージ用空気PA′を導く使用済パージ用空気路、9は再生用空気RAを再生域3に導く再生用空気路である。
【0111】
また、11は処理域2を通過した処理済の処理対象空気IA′(処理済空気)を装置外に取り出す処理済空気路、12は再生域3を通過した使用済の再生用空気RA′を装置外に取り出す使用済再生用空気路(換言すれば、濃縮空気送出路)である。
【0112】
〔第1実施形態〕
図1〜図3は第1実施形態の第1例〜第3例を示す、この第1実施形態の濃縮装置では、使用済パージ用空気路8の下流端を再生用空気路9に接続し、再生域3に通過させる再生用空気RAの全量について、使用済パージ用空気PA′の全量を再生用空気RAとして再生域3に通過させる構成(即ち、使用済パージ用空気PA′の全量を再生用空気RAの全量とする構成)にしてある。
【0113】
また、使用済再生用空気路12から循環再生用空気路12aを分岐して、この循環再生用空気路12aの下流端を使用済パージ用空気路8とともに再生用空気路9に接続し、これにより、再生域3を通過した使用済再生用空気RA′の一部を循環再生用空気RA″として循環再生用空気路12a及び再生用空気路9を通じ再生用空気RA(新鮮再生用空気)との混合状態で再生域3の全体に対してに通過させる構成にしてある。
【0114】
再生用空気路9には、再生域3に通過させる再生用空気RAと循環再生用空気RA″との混合空気を所定温度に加熱する再生用ヒータ5(再生用加熱手段の一例)と、この再生用ヒータ5により加熱した混合空気RA,RA″を未飽和の所定湿度状態に加湿する再生用加湿装置10(再生用加湿手段の一例)を装備してある。
【0115】
つまり、この第1実施形態の濃縮装置では、再生域3に通過させる再生用空気RAと循環再生用空気RA″との混合空気を再生用加湿装置10により未飽和の所定湿度状態に加湿することで、その加湿水分を先の処理域2で吸着剤Xが吸着した除去対象物質Vと置換させて吸着剤Xに吸着させる置換吸着を再生域3において生じさせる。
【0116】
そして、この置換吸着により、再生域3において吸着状態にある除去対象物質Vを吸着剤Xから再生用空気RAと循環再生用空気RA″との混合空気へ効率よく脱着させ、これにより、高い濃縮倍率Cを設定しながら、処理域2において処理対象空気IAから除去対象物質Vを吸着により分離除去する物質回収効率ηも高く確保する。
【0117】
図1〜図3に示す第1実施形態の濃縮装置のうち、図1に示す第1例の濃縮装置では、処理対象空気路6からパージ用空気路7を分岐し、処理対象空気IAの一部をパージ用空気PAとしてパージ域4に通過させる構成にしてある。
【0118】
図2に示す第2例の濃縮装置では、外気をパージ用空気PAとしてパージ用空気路7を通じパージ域4に通過させる構成にしてある。
【0119】
図3に示す第3例の濃縮装置では、処理済空気路11からパージ用空気路7を分岐し、処理済の処理対象空気IA′(処理済空気)の一部をパージ用空気PAとしてパージ域4に通過させる構成にしてある。
【0120】
なお、第1実施形態の濃縮装置において、再生用ヒータ5や再生用加湿装置10は夫々、上記の如く再生用空気RAと循環再生用空気RA″との混合位置(合流位置)よりも下流側に配置するのに代え、その混合位置よりも上流側で再生用空気路9と循環再生用空気路12aとの両方又はいずれか一方に配置してもよい。
【0121】
即ち、これら再生用ヒータ5及び再生用加湿装置10の配置箇所は、再生域3に通過させる再生用空気RAと循環再生用空気RA″との混合空気を所定温度に加熱するとともに所定湿度に加湿できる箇所であればよい。
【0122】
〔第2実施形態〕
図4〜図6は第2実施形態の第1例〜第3例を示し、この第2実施形態の濃縮装置では、第1実施形態の濃縮装置において使用済パージ用空気路8から抽気路8aを分岐し、この抽気路8aの下流端を処理対象空気路6に接続した構成にしてある。
【0123】
つまり、この第2実施形態の濃縮装置では、パージ域4を通過した使用済パージ用空気PA′の一部を再生用空気RAの全量として再生域3に通過させるのに併行して、パージ域4を通過した使用済パージ用空気PA′の他部を抽気空気PA″として処理対象空気IAとともに処理域2に通過させる構成にしてある。
【0124】
即ち、このように使用済パージ用空気PA′の一部を抽気空気PA″として処理対象空気IAとともに処理域2に通過させることにより、使用済パージ用空気PA′を再生用空気RAとして利用する構成において、高い濃縮倍率Cの確保のために再生用空気RAの風量Qoを少量化しながらも、パージ域4に通過させるパージ用空気PAの風量を十分に確保し、これにより、装置の物質回収効率ηをさらに効果的に高めるようにしてある。
【0125】
なお、この第2実施形態の濃縮装置では、各図に鎖線で示す如く、処理対象空気IAに合流させる抽気空気PA″を冷却する冷却器17を付加装備し、これにより、処理対象空気IAへの抽気空気PA″(使用済パージ用空気PA′の一部)の混合にかかわらず処理域2の温度を低温に維持して、処理域2での吸着効率ひいては装置の物質回収効率ηをより効果的かつ確実に高めるようにしてもよい。
【0126】
その他については第1実施形態の濃縮装置と同様である。
【0127】
また、この第2実施形態の濃縮装置についても、第1実施形態の濃縮装置と同様、図4に示す第1例の濃縮装置の如く、処理対象空気IAの一部をパージ用空気PAとしてパージ域4に通過させる構成、図5に示す第2例の濃縮装置の如く、外気をパージ用空気PAとしてパージ用空気路7を通じパージ域4に通過させる構成、図6に示す第3例の濃縮装置の如く、処理済の処理対象空気IA′(処理済空気)の一部をパージ用空気PAとしてパージ域4に通過させる構成のいずれを採用してもよい。
【0128】
〔第3実施形態〕
図7〜図9は第3実施形態の第1例〜第3例を示し、この第3実施形態の濃縮装置では、第1実施形態の濃縮装置において再生用加湿装置10を省略し、この再生用加湿装置10に代えて、パージ域4に通過させるパージ用空気PAを未飽和の所定湿度状態に加湿するパージ用加湿装置13(パージ用加湿手段の一例)をパージ用空気路7に装備した構成にしてある。
【0129】
つまり、この第3実施形態の濃縮装置では、再生域3において脱着不足の状態が生じたとしても、次のパージ域4に通過させるパージ用空気PAをパージ用加湿装置13により加湿して、ある程度以上の水分濃度を有する未飽和の加湿状態にすることで、パージ用空気PAに与えた加湿水分を吸着剤Xに未だ吸着状態で残っている除去対象物質Vと置換させて吸着剤Xに吸着させる置換吸着をパージ域4で生じさせる。
【0130】
そして、このパージ域4での置換吸着により、吸着剤Xに未だ吸着状態で残っている除去対象物質Vを効率的に吸着剤Xから脱着させて、再生域3で生じた脱着不足の状態をパージ域4で解消し、これにより、高い濃縮倍率Cを設定しながら物質回収効率ηも高く確保する。
【0131】
なお、この第3実施形態の濃縮装置では、各図に鎖線で示す如く、パージ用加湿装置13での加湿に先立ちパージ用空気PAを加熱するパージ用ヒータ14(パージ用加熱手段の一例)をパージ用空気路7に装備し、これにより、パージ用加湿装置13でのパージ用空気PAの許容加湿量(即ち、パージ用空気PAに保有させ得る加湿水分量)を増大させて、脱着不足状態の解消ひいては物質回収効率ηの向上を一層効果的かつ確実に達成するようにしてもよい。
【0132】
その他については第1実施形態の濃縮装置と同様である。
【0133】
また、この第3実施形態の濃縮装置についても、第1,第2実施形態の濃縮装置と同様、図7に示す第1例の濃縮装置の如く、処理対象空気IAの一部をパージ用空気PAとしてパージ域4に通過させる構成、図8に示す第2例の濃縮装置の如く、外気をパージ用空気PAとしてパージ用空気路7を通じパージ域4に通過させる構成、図9に示す第3例の濃縮装置の如く、処理済の処理対象空気IA′(処理済空気)の一部をパージ用空気PAとしてパージ域4に通過させる構成のいずれを採用してもよい。
【0134】
〔第4実施形態〕
図10〜図12は第4実施形態の第1例〜第3例を示し、この第4実施形態の濃縮装置では、第3実施形態の濃縮装置において使用済パージ用空気路8から抽気路8aを分岐し、この抽気路8aの下流端を処理対象空気路6に接続した構成にしてある。
【0135】
つまり、この第4実施形態の濃縮装置では、第2実施形態の濃縮装置と同様、パージ域4を通過した使用済パージ用空気PA′の一部を再生用空気RAの全量として再生域3に通過させるのに併行して、パージ域4を通過した使用済パージ用空気PA′の他部を抽気空気PA″として処理対象空気IAとともに処理域2に通過させる構成にしてある。
【0136】
そして、この構成により、高い濃縮倍率Cの確保のために再生用空気RAの風量Qoを少量化しながらも、パージ域4に通過させるパージ用空気PAの風量を十分に確保して、装置の物質回収効率ηを効果的に向上させる。
【0137】
なお、この第4実施形態の濃縮装置では、第2実施形態の濃縮装置と同様、各図に鎖線で示す如く、処理対象空気IAに合流させる抽気空気PA″を冷却する冷却器17を付加装備してもよい。
【0138】
また、第3実施形態の濃縮装置と同様、各図に鎖線で示す如く、パージ用加湿装置13での加湿に先立ちパージ用空気PAを加熱するパージ用ヒータ14(パージ用加熱手段の一例)をパージ用空気路7に付加装備してもよい。
【0139】
その他については第3実施形態の濃縮装置と同様である。
【0140】
また、この第4実施形態の濃縮装置についても、第1〜第3実施形態の濃縮装置と同様、図10に示す第1例の濃縮装置の如く、処理対象空気IAの一部をパージ用空気PAとしてパージ域4に通過させる構成、図11に示す第2例の濃縮装置の如く、外気をパージ用空気PAとしてパージ用空気路7を通じパージ域4に通過させる構成、図12に示す第3例の濃縮装置の如く、処理済の処理対象空気IA′(処理済空気)の一部をパージ用空気PAとしてパージ域4に通過させる構成のいずれを採用してもよい。
【0141】
〔第5実施形態〕
図13〜図15は第5実施形態の第1例〜第3例を示し、この第5実施形態の濃縮装置では、第1実施形態の濃縮装置において再生用加湿装置10に加え、パージ域4に通過させるパージ用空気PAを未飽和の所定湿度状態に加湿するパージ用加湿装置13(パージ用加湿手段の一例)をパージ用空気路7に装備した構成にしてある。
【0142】
つまり、この第5特徴構成の濃縮装置は、第1実施形態で示した装置構成と第3実施形態で示した装置構成とを併行実施したものであり、これにより、第1〜第4実施形態の濃縮装置と同様、高い濃縮倍率Cを設定しながら装置の物質回収効率ηも高く確保する。
【0143】
なお、この第5実施形態の濃縮装置では、第3実施形態の濃縮装置と同様、各図に鎖線で示す如く、パージ用加湿装置13での加湿に先立ちパージ用空気PAを加熱するパージ用ヒータ14(パージ用加熱手段の一例)をパージ用空気路7に装備してもよい。
【0144】
その他については第1実施形態の濃縮装置と同様である。
【0145】
また、この第5実施形態の濃縮装置についても、第1〜第4実施形態の濃縮装置と同様、図13に示す第1例の濃縮装置の如く、処理対象空気IAの一部をパージ用空気PAとしてパージ域4に通過させる構成、図14に示す第2例の濃縮装置の如く、外気をパージ用空気PAとしてパージ用空気路7を通じパージ域4に通過させる構成、図14に示す第3例の濃縮装置の如く、処理済の処理対象空気IA′(処理済空気)の一部をパージ用空気PAとしてパージ域4に通過させる構成のいずれを採用してもよい。
【0146】
〔第6実施形態〕
図16〜図18は第6実施形態の第1例〜第3例を示し、この第6実施形態の濃縮装置では、第5実施形態の濃縮装置において、第2,第4実施形態の濃縮装置と同様、パージ域4を通過した使用済パージ用空気PA′の一部を抽気空気PA″として抽気路8及び処理対象空気路6を通じて処理対象空気IAとともに処理域2に通過させることで、高い濃縮倍率Cの確保のために再生用空気RAの風量Qoを少量化しながらも、パージ域4に通過させるパージ用空気PAの風量を十分に確保して、装置の物質回収効率ηを効果的に向上させるようにしてある。
【0147】
なお、この第6実施形態の濃縮装置では、第2,第4実施形態の濃縮装置と同様、各図に鎖線で示す如く、処理対象空気IAに合流させる抽気空気PA″を冷却する冷却器17を付加装備してもよい。
【0148】
その他については第5実施形態の濃縮装置と同様である。
【0149】
また、この第6実施形態の濃縮装置についても、第1〜第5実施形態の濃縮装置と同様、図16に示す第1例の濃縮装置の如く、処理対象空気IAの一部をパージ用空気PAとしてパージ域4に通過させる構成、図17に示す第2例の濃縮装置の如く、外気をパージ用空気PAとしてパージ用空気路7を通じパージ域4に通過させる構成、図18に示す第4例の濃縮装置の如く、処理済の処理対象空気IA′(処理済空気)の一部をパージ用空気PAとしてパージ域4に通過させる構成のいずれを採用してもよい。
【0150】
〔第7実施形態〕
図19〜図22は第7実施形態の第1例〜第4例を示し、この第7実施形態の濃縮装置では、再生域3をロータ回転方向の上手側に位置する上手側域3Aと下手側に位置する下手側域3Bとに区画してある。
【0151】
そして、再生用空気RAを導く再生用空気路9を下手側域3Bの入口に接続するとともに、再生域3を通過した使用済の再生用空気RA′を装置外に取り出す使用済再生用空気路12を上手側域3Aの出口に接続し、下手側域3Bの出口と上手側域3Aの入口とは再生用中継路12bにより連通させてある。
【0152】
また、この再生用中継路12bに対して、使用済再生用空気路12から分岐した循環再生用空気路12aを接続してある。
【0153】
つまり、この第7実施形態の濃縮装置では、再生用空気路9により導く再生用空気RA(新鮮再生用空気)を先ず再生域3の下手側域3Bに通過させ、これに続き、下手側域3Bを通過した再生用空気RAを再生用中継路12bを通じて再生域3の上手側域3Aに通過させ、そして、上手側域3Aを通過した使用済の再生用空気RA′の一部を循環再生用空気RA″として、この循環再生用空気RA″を循環再生用空気路12a及び再生用中継路12bを通じて下手側域3B通過後の再生用空気RAとともに再生域3の上手側域3Aに通過させ、一方、上手側域3Aを通過した使用済再生用空気RA′の他部を濃縮空気として使用済再生用空気路12を通じ装置外部に取り出すようにしてある。
【0154】
この構成において、図19〜図22に示す第7実施形態の濃縮装置うち、図19に示す第1例の濃縮装置では、再生域3の下手側域3Bに通過させる再生用空気RAを加熱する再生用ヒータ5B(再生用加熱手段の一例)を再生用空気路9に装備するとともに、再生域3の上手側域3Aに通過させる下手側域3B通過後の再生用空気RAと循環再生用空気R″との混合空気を加熱する再生用ヒータ5A(再生用加熱手段の一例)を再生用中継路12bに装備してある。
【0155】
また、再生用中継路12bには、再生域3の上手側域3Aに通過させる下手側域3B通過後の再生用空気RAと循環再生用空気R″との混合空気を、再生用ヒータ5Aによる加熱に続いて未飽和の所定湿度状態に加湿する再生用加湿装置10A(再生用加湿手段の一例)を装備してあり、この再生用加湿装置10Aによる加湿により、再生域3における上手側域3Aで前述の如き置換吸着を生じさせて、再生域3全体としての脱着効率を高めるようにしてある。
【0156】
一方、図20に示す第2例の濃縮装置では、再生用中継路12bに装備する再生用加湿装置10Aに代え、再生域3の下手側域3Bに通過させる再生用空気RAを再生用ヒータ5Bによる加熱に続いて未飽和の所定湿度状態に加湿する再生用加湿装置10B(再生用加湿装置の一例)を再生用空気路9に装備してあり、この再生用加湿装置10Bによる加湿により、再生域3における下手側域3B及びそれに続いて再生用空気RAが通過する上手側域3Aで置換吸着を生じさせて、再生域3全体としての脱着効率を高めるようにしてある。
【0157】
また、図21に示す第3例の濃縮装置では、再生用中継路12bや再生用空気路9に再生用加湿装置10A,10Bを装備するのに代え、パージ域4に通過させるパージ用空気PAを未飽和の所定加湿状態に加湿するパージ用加湿装置3(パージ用加湿手段の一例)をパージ用空気路7に装備してあり、このパージ用加湿装置13による加湿によりパージ域4で置換吸着を生じさせて、パージ域4において未だ吸着状態で吸着剤Xに残る除去対象物質Vを吸着剤Xから効果的に脱着させるようにしてある。
【0158】
更に、図22に示す第4例の濃縮装置では、再生用中継路12bに装備する再生用加湿装置10A、再生用空気路9に装備する再生用加湿装置10B、並びに、パージ用空気路7に装備するパージ用加湿装置13を全て備えさせてあり、これにより、再生域3における上手側域3A及び下手側域3Bの夫々で置換吸着を確実に生じさせて、再生域3全体としての脱着効率を高めるとともに、パージ域4でも置換吸着を生じさせて、パージ域4において未だ吸着状態で吸着剤Xに残る除去対象物質Vを吸着剤Xから効果的に脱着させるようにしてある。
【0159】
つまり、図19〜図22に示す第7実施形態の第1例〜第4例の濃縮装置においても、上記の如く置換吸着を生じさせることで、高い濃縮倍率Cの設定下でも高い物質回収効率ηが得られるようにしてある。
【0160】
図19〜図22の夫々には、第1例〜第4例の濃縮装置の運転における装置各部の風量値(kg/h)、温度値(℃)、絶対湿度値(g/kg′)の例を付記してある。
【0161】
吸着ロータ1における各域の占有中心角度については次の例を挙げることができる。
再生域3の上手側域3A=15°
再生域3の下手側域3B=15°
パージ域4=30°
処理域2=300°
【0162】
なお、この第7実施形態の濃縮装置は、パージ域4、再生域3の下手側域3B、再生域3の上手側域3Aをその順で下手側パージ域、上手側パージ域、再生域として、上手側パージ域(3B)を通過した使用済のパージ用空気(PA′)を再生用空気(RA)として再生域(3)通過後の使用済再生用空気(RA′)の一部(循環再生空気RA″)とともに再生域(3)に通過させる装置構成としても見ることができる。
【0163】
図22に示す第4例の濃縮装置では、図中に鎖線で示す如く、パージ用加湿装置13での加湿に先立ちパージ用空気PAを加熱するパージ用ヒータ14(パージ用加熱手段の一例)をパージ用空気路7に装備し、これにより、パージ用加湿装置13でのパージ用空気PAの許容加湿量を増大させるようにしてもよい。
【0164】
図19〜図22に示す第7実施形態の濃縮装置では、処理域2を通過した処理済の処理対象空気IA′(処理済空気)の一部を処理済空気路11から分流し、その分流空気の一部を再生用空気RAとして再生用空気路9を通じ再生域3の下手側域3Bに通過させるのに併行して、その分流空気の他部をパージ用空気PAとしてパージ用空気路7を通じパージ域4に通過させる構成にしたが、場合によっては、これら図19〜図22に示す第7実施形態の濃縮装置において、処理対象空気IAの一部や外気をパージ用空気PAとしてパージ域4に通過させる構成を採用してもよい。
【0165】
また、図19〜図22に示す第7実施形態の濃縮装置では、パージ域4を通過した使用済パージ用空気P′の全量を処理対象空気IAとともに処理域2に通過させる構成にしたが、場合によっては、これら図19〜図22に示す第7実施形態の濃縮装置において、パージ域4を通過した使用済のパージ用空気PA′の全量を再生用空気RAとして再生域3の下手側域3Bに通過させる構成や、パージ域4を通過した使用済のパージ用空気PA′の一部を再生用空気RAとして再生域3の下手側域3Bに通過させるのに併行して、パージ域4を通過した使用済のパージ用空気PA′の他部を処理対象空気IAとともに処理域2に通過させる構成を採用するなどしてもよい。
【0166】
〔第8実施形態〕
図23は第8実施形態を示し、この第8実施形態の濃縮装置では、図5に示す濃縮装置の改良として、ヒートポンプ15を装備し、このヒートポンプ15の吸熱作用によりパージ用空気PA及び処理対象空気IAを冷却する空気冷却器16を設けるとともに、再生用ヒータ5(再生用加熱手段の一例)を、このヒートポンプ15の放熱作用により再生用空気RAに対して加熱作用させるものにしてある。
【0167】
ここで、空気冷却器16はヒートポンプ15の蒸発器として機能する直膨式冷却器、あるいは、ヒートポンプ15の蒸発器との間で吸熱用熱媒を循環させる熱媒循環熱交換器のいずれであってよい。
【0168】
また、再生用ヒータ5もヒートポンプ15の凝縮器として機能する放熱器、あるいは、ヒートポンプ15の凝縮器との間で放熱用熱媒を循環させる熱媒循環熱交換器のいずれであってもよい。
【0169】
また、この例ではパージ用空気PA及び処理対象空気IAの両方をヒートポンプ15の吸熱作用により冷却するようにしたが、パージ用空気PAと処理対象空気IAとのいずれか一方のみをヒートポンプ15の吸熱作用により冷却するようにしてもよい。
【0170】
このようなヒートポンプ15を用いて空気の冷却と加熱を行なう構成は、図5に示す濃縮装置に限らず、他の各図に示す濃縮装置にも適用でき、例えば図17に示す濃縮装置において、抽気路8aに装備する冷却器17をヒートポンプ15の吸熱作用により抽気空気PA″に対して冷却作用させるものにするとともに、再生用空気RAを加熱する再生用ヒータ5やパージ用空気PAを加熱するパージ用ヒータ14をヒートポンプ15の放熱作用により再生用空気RAやパージ用空気PAに対して加熱作用させるものにしてもよい。
【0171】
〔別の実施形態〕
次に本発明による吸脱着式濃縮装置の別実施形態を列記する。
【0172】
前述の各実施形態では、パージ域4を通過した使用済パージ用空気PA′、あるいは、処理域2を通過した処理済の処理対象空気IA′を再生用空気RAとして用いる例を示したが、これに限らず、再生用空気RAとしては、使用済パージ用空気PA′、処理済の処理対象空気IA′(処理済空気)、外気、その他の空気を単独で又は2種以上の混合状態で使用することができる。
【0173】
再生域3に通過させる再生用空気RAの温度は所要の物質回収効率ηが得られる範囲で極力低くするのが望ましいが、本発明による吸脱着式濃縮装置では再生域3に通過させる再生用空気RAの温度を100℃未満にしてもよい。
【0174】
前述の各実施形態では、再生域3での吸着ロータ1に対する再生用空気RAの通風向きと処理域2での吸着ロータ1に対する処理対象空気IAの通風向きとを逆向きにする例を示したが、場合によっては、再生域3での吸着ロータ1に対する再生用空気RAの通風向きと処理域2での吸着ロータ1に対する処理対象空気IAの通風向きとを同じ向きにしてもよい。
【0175】
また、パージ域4での吸着ロータ1に対するパージ用空気PAの通風向きも、再生域3での吸着ロータ1に対する再生用空気RAの通風向きと同じ向きないし逆向きにしたり、処理域2での吸着ロータ1に対する処理対象空気IAの通風向きと同じ向きないし逆向きにするなど、場合に応じて好ましい向きを選択すればよい。
【0176】
再生用加湿手段10,10A,10Bやパージ用加湿手段13としては、水加熱式、気化式、水噴霧式、超音波式など種々の方式の加湿装置を採用することができるが、望ましくは、加熱源を必要としない気化式、水噴霧式、超音波式の加湿装置を用いるのがよい。
【0177】
本発明による吸脱着濃縮装置は、再生域3やパージ域4において水分の置換吸着により吸着剤Xから脱着させることができ、また、処理域2において水分吸着状態の吸着剤Xに対して置換吸着させることができるガス状物質であれば、揮発性有機化合物や悪臭物質など種々のガス状物質を除去対象物質Vとすることができる。
【0178】
また、処理対象空気IAも上記の如きガス状除去対象物質Vを含むものであれば、種々の施設や装置から排出される空気を初め、どのような空気であってもよい。
【符号の説明】
【0179】
X 吸着剤
1 吸着ロータ
2 処理域
3 再生域
4 パージ域
IA 処理対象空気
V 除去対象物質
RA 再生用空気
PA パージ用空気
RA′ 使用済の再生用空気
RA″ 循環再生用空気
5,5A,5B 再生用加熱手段
10,10A,10B 再生用加湿手段
13 パージ用加湿手段
14 パージ用加熱手段
PA′ 使用済のパージ用空気
PA″ 抽気空気
3A 上手側域
3B 下手側域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着剤を保持させた通気性の吸着ロータを備えるとともに、
この吸着ロータの回転域に処理域と再生域とパージ域とを、その順にロータ回転方向に並べる状態で区画形成し、
この吸着ロータの回転より吸着ロータの回転方向における各部を前記処理域と前記再生域と前記パージ域とに、その順で繰り返し通過させる構成にし、
前記処理域では、域内通過過程にあるロータ部分に処理対象空気を通風することで、その処理対象空気に含まれるガス状の除去対象物質を域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着材に吸着させて処理対象空気から分離除去し、
前記再生域では、域内通過過程にあるロータ部分に再生用空気を通風することで、そのロータ部分の保持吸着剤が前記処理域で吸着した除去対象物質を前記処理対象空気より小風量の再生用空気に脱着させて、域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着剤を再生し、
前記パージ域では、域内通過過程にあるロータ部分にパージ用空気を通風することで、域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着剤を冷却する構成にしてある吸脱着式濃縮装置であって、
前記再生域を通過した使用済再生用空気の一部を循環再生用空気として前記再生用空気とともに前記再生域に通過させる構成にし、
前記再生用空気又は前記循環再生用空気を再生用加熱手段により加熱するとともに、再生用加湿手段により加湿する構成にしてある吸脱着式濃縮装置。
【請求項2】
吸着剤を保持させた通気性の吸着ロータを備えるとともに、
この吸着ロータの回転域に処理域と再生域とパージ域とを、その順にロータ回転方向に並べる状態で区画形成し、
この吸着ロータの回転より吸着ロータの回転方向における各部を前記処理域と前記再生域と前記パージ域とに、その順で繰り返し通過させる構成にし、
前記処理域では、域内通過過程にあるロータ部分に処理対象空気を通風することで、その処理対象空気に含まれるガス状の除去対象物質を域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着材に吸着させて処理対象空気から分離除去し、
前記再生域では、域内通過過程にあるロータ部分に再生用空気を通風することで、そのロータ部分の保持吸着剤が前記処理域で吸着した除去対象物質を前記処理対象空気より小風量の再生用空気に脱着させて、域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着剤を再生し、
前記パージ域では、域内通過過程にあるロータ部分にパージ用空気を通風することで、域内通過過程にあるロータ部分の保持吸着剤を冷却する構成にしてある吸脱着式濃縮装置であって、
前記再生域を通過した使用済再生用空気の一部を循環再生用空気として前記再生用空気とともに前記再生域に通過させる構成にし、
前記パージ域に通過させるパージ用空気をパージ用加湿手段により加湿する構成にしてある吸脱着式濃縮装置。
【請求項3】
前記パージ用空気を前記パージ用加湿手段による加湿の前にパージ用加熱手段により加熱する構成にしてある請求項2記載の吸脱着式濃縮装置。
【請求項4】
前記パージ域を通過した使用済パージ用空気を、前記再生用空気として前記再生域に通過させる構成にしてある請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸脱着式濃縮装置。
【請求項5】
前記再生用空気の全量について、前記パージ域を通過した使用済パージ用空気を用いる構成にしてある請求項4記載の吸脱着式濃縮装置。
【請求項6】
前記パージ域を通過した使用済パージ用空気の一部を前記再生用空気として前記再生域に通過させるのに併行して、
前記パージ域を通過した使用済パージ用空気の他部を抽気空気として前記処理対象空気とともに前記処理域に通過させる構成にしてある請求項4又は5記載の吸脱着式濃縮装置。
【請求項7】
前記パージ域を通過した使用済パージ用空気の全量を前記再生用空気として前記再生域に通過させる構成にしてある請求項4又は5記載の吸脱着式濃縮装置。
【請求項8】
前記再生用空気と前記循環再生用空気とを混合状態で前記再生域の全体に対して通過させる構成にしてある請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸脱着式濃縮装置。
【請求項9】
前記再生域を、吸着ロータ回転方向において下手側に位置する下手側域と上手側に位置する上手側域とに区画し、
前記再生用空気を前記下手側域と前記上手側域とにその順で通過させて、その上手側域を通過した使用済再生用空気の一部を前記循環再生用空気とし、
この循環再生用空気を、前記下手側域を通過した再生用空気とともに前記上手側域に通過させる構成にしてある請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸脱着式濃縮装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−115773(P2012−115773A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268443(P2010−268443)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000149790)株式会社大気社 (136)
【Fターム(参考)】