説明

周囲光の存在下で区別可能な光の生成

【課題】周囲光の存在下で区別可能な光を生成するための装置及び方法を提供する。
【解決手段】周囲光の存在下で区別可能な光を生成する方法及び装置。本方法は、第1の光キャビティから光を反射するように作動可能に構成された第1の反射体によって少なくとも部分的に形成された第1の光キャビティ内に第1の入光ポートを通じて第1の波長帯域の光を受け入れる段階を伴っている。本方法はまた、第1の光キャビティ内に反射され、かつ第1の入光ポート周りに形成された第1の空間を出入りする周囲光を、第1の波長帯域の外側の周囲光が第1の空間を出入りする時に減衰するように濾過する段階を伴っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明アセンブリに関するものであり、より具体的には、周囲光の存在下で区別可能な光を生成するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高輝度発光ダイオード(LED)は、例えば、自動車信号灯又は尾灯を含む様々な用途においてより頻繁に使用されている。LEDは、いかなる付加的な有色フィルタもなしに有色光を直接に放出し、それによって自動車設計者は、従来の設計よりも美観的に魅力的になる傾向がある透明外側レンズ及び反射体で信号灯設計を案出することができる。残念ながら、信号灯設計において透明外側レンズと反射体を使用すると、昼間の視認性が劣る可能性がある。これは、太陽からの光は、信号灯ハウジングに入って、殆ど又は全く損失なく反射される可能性があるからである。この光は、LED信号光源からの光と混合し、外部の観察者には、この混合光は、彩度が低く又は「色あせた」ように見え、従って可視性が低下する。他の運転者は、この問題のために信号灯が見えにくい恐れがあり、それによって交通上の危険をもたらす可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
信号灯の昼間の視認性を改善する典型的な方法は、有色外部レンズの使用、外側レンズ上の光学構造体、又は艶消し又は構造化外側レンズ又は反射体の使用を伴っている。これらの方法の各々は、効果には限界があり、自動車設計者には抵抗のある方法で信号灯の外観を著しく変えるものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの態様により、周囲光の存在下で区別可能な光を生成する方法を提供する。本方法は、第1の光キャビティから光を反射するように作動可能に構成された第1の反射体によって少なくとも部分的に形成された第1の光キャビティ内に第1の入光ポートを通じて第1の波長帯域の光を受け入れる段階を伴っている。本方法はまた、第1の入光ポート周りに形成された第1の空間を出入りする周囲光を、第1の波長帯域の外側の周囲光が第1の空間を出入りする時に減衰するように濾過する段階を伴っている。
【0005】
光を受け入れる段階は、空間内の発光ダイオードからの光を受け入れる段階を伴うことができる。
濾過する段階は、空間内へ反射された周囲光に空間を形成するフィルタを通過させる段階を伴うことができる。
濾過する段階は、空間内へ反射された周囲光に空間を取り囲むフィルタを通過させる段階を伴うことができる。
【0006】
周囲光にフィルタを通過させる段階は、周囲光に反射体と入光ポートの間に位置決めされたフィルタを通過させる段階を伴うことができる。
周囲光にフィルタを通過させる段階は、第1の入光ポート周りに延びる光フィルタ媒体の内面に衝突する周囲光に媒体を通過させ、かつ媒体の外面上の反射コーティングによって媒体を通じて反射させて戻す段階を伴うことができる。
周囲光にフィルタを通過させる段階は、周囲光に反射体に対してほぼ補完する形状を有するフィルタを通過させる段階を伴うことができる。
周囲光にフィルタを通過させる段階は、周囲光に反射体の表面に接触する表面を有するフィルタを通過させる段階を伴うことができる。
周囲光にフィルタを通過させる段階は、周囲光に入光ポートに隣接するフィルタを通過させる段階を伴うことができる。
【0007】
本方法は、第2の光キャビティから光を反射するように作動可能に構成された第2の反射体によって少なくとも部分的に形成された第2の光キャビティ内へ第2の入光ポートを通して第2の波長帯域の光を受け入れる段階と、第2の光キャビティ内へ反射されて第2の入光ポート周りに形成された第2の空間を出入りする周囲光を、第2の波長帯域の外側の周囲光が第2の空間を出入りする時に減衰するように濾過する段階とを更に伴うことができる。
第1及び第2の波長帯域の周囲光を受け入れる段階は、互いにほぼ同軸に位置決めされた第1及び第2の光キャビティ内へ光を受け入れる段階を伴うことができる。
【0008】
本発明の別の態様により、周囲光の存在下で区別可能な光を生成するための装置を提供する。装置は、第1の光キャビティから光を反射するように作動可能に構成された、第1の光キャビティを少なくとも部分的に形成する第1の反射体と、第1の波長帯域の光を第1の光キャビティ内へ受け入れるように作動可能に構成された第1の入光ポートと、第1の入光ポート周りに形成された第1の空間を出入りする周囲光を、第1の波長帯域の外側の周囲光を第1の空間を出入りする時に減衰させるために濾過するように作動可能に構成された第1のフィルタとを含む。
装置は、第1の波長帯域の光を第1の空間内へ光を放出するための第1の入光ポート内の第1の発光ダイオードを更に含むことができる。
【0009】
第1のフィルタは、第1の空間を形成することができる。
第1のフィルタは、第1の空間を取り囲むことができる。
第1のフィルタは、反射体と第1の入光ポートの間に位置決めすることができる。
第1のフィルタは、第1の反射体に隣接して位置決めすることができる。
第1のフィルタは、第1の反射体に対してほぼ補完する第1の形状を有することができる。
第1のフィルタは、第1の反射体の表面に接触する第1の表面を有することができる。
【0010】
第1のフィルタは、第1の入光ポートに隣接して位置決めすることができる。
第1のフィルタは、第1の光媒体を含むことができる。
第1のフィルタは、第1の入光ポート周りに延びて第1の入光ポートからほぼ離れる方向に向いた第1の外面を有する第1の光フィルタ媒体を含むことができる。
第1の外面は、ほぼ放物面形状を有することができる。
第1の反射体は、第1の光フィルタ媒体の内面に衝突する周囲光が媒体を通過し、次に第1の反射コーティングによって媒体を通って反射して戻るように、第1の外面上に第1の反射コーティングを含むことができる。
【0011】
装置は、第1の反射体と同軸に位置決めされ、第2の光キャビティを少なくとも部分的に形成し、かつ第2の光キャビティから光を反射するように作動可能に構成された第2の反射体と、第2の波長帯域の光を第2の光キャビティ内へ受け入れるように作動可能に構成された第2の入光ポートと、第2の入光ポート周りに形成された第2の空間を出入りする周囲光を、第2の波長帯域の外側の周囲光を第2の空間を出入りする時に減衰させるために濾過するように作動可能に構成された第2のフィルタとを更に含むことができる。
装置は、第2の波長帯域の光を第2の空間内へ放出するための第2の入光ポート内の第2の発光ダイオードを更に含むことができる。
【0012】
第2のフィルタは、第2の空間を形成することができる。
第2のフィルタは、第2の空間を取り囲むことができる。
第2のフィルタは、第2の反射体と第2の入光ポートの間に位置決めすることができる。
第2のフィルタは、第2の入光ポートに隣接して位置決めすることができる。
第2のフィルタは、第2の光媒体を含むことができる。
本発明の他の態様及び特徴は、添付図面と共に本発明の特定的な実施形態の以下の説明を考察すると当業者には明らかになるであろう。
図面は、本発明の実施形態を例示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態による周囲光の存在下で区別可能な光を生成する照明装置を全体的に10で示している。装置10は、第1の光キャビティ14を形成する12で全体的に示す第1の反射体を含む。光キャビティには、第1の入光ポート16が配置され、第1の波長帯域の光を第1の光キャビティへ受け入れる。第1の入光ポート16に隣接して第1のフィルタ18が配置され、第1の入光ポート周りに形成された第1の空間20を出入りする周囲光を、第1の波長帯域の外側の周囲光が第1の空間を出入りする時に減衰するように濾過する。周囲光は、例えば、第1の反射体12によって第1の光キャビティ14内へ反射させることができる。
【0014】
図示の実施形態では、装置10は、車両の尾灯/停止灯組合せ用のような後部組合せ灯の役目をする自動車照明アセンブリの一部である。この実施形態では、装置10は、アセンブリを車両に取り付ける平坦なプラスチック基部24とネジ付きボスとを有する22で全体的に示す一体化プラスチック取付アセンブリを含む信号灯アセンブリを含み、平坦なプラスチック基部24とネジ付きボスの一方を26で示している。また、アセンブリ22は、第1の反射体12の役目をするアルミ合金のような反射コーティングが被覆された表面を有する先端切断放物面形状壁28を有する。放物面形状壁28は、平坦な基部24から延びて軸線27を中心にしてほぼ対称形である。平坦な基部24は、放物形状壁28上のものと類似又は同じである反射コーティングが被覆されたアルミ合金のようなほぼ円形状の反射面25を有する。
【0015】
この実施形態では、第1の入光ポート16は、第1の有色光光源31と協働する細長い開口部を含み、第1の有色光光源31は、この実施形態では第1の波長帯域において有色光を放出する複数の有色発光ダイオードを含む。アセンブリが欧州車において使用された場合、有色発光ダイオードは、約575nmと625nmの間の波長を有する琥珀色有色光を放出する琥珀色LEDを含むことができ、更に又は代替的に、約600nmから約650nmの間の波長を有する光を放出する赤色LEDを含むことができる。従って、第1の波長帯域は、例えば、琥珀色及び/又は赤色LEDが使用される約575nm又はそれを超える波長を含む帯域、又は赤色LEDのみが使用される少なくとも約600nm又はそれを超える波長を含む帯域として定義することができる。
【0016】
図示の実施形態では、有色光光源の有色発光ダイオードは、基部24の中心にほぼ直線的に配置され、軸線27にほぼ平行な方向に光を放出するように配向される。
図示の実施形態では、第1のフィルタ18は、第1の空間に入る光が光フィルタ媒体を通過しなければならないように、第1の空間20を形成するアクリル酸プラスチックのような光フィルタ媒体を含む円筒形壁を含む。光フィルタ媒体は、第1の波長帯域内に波長を有する光がほぼ非減衰状態で通過し、かつ第1の波長帯域の外側に波長を有する光を減衰することを一般的に可能にする特性を有する。第1のフィルタ18は、図2において43で示すようなフィルタ特性を有するフィルタとすることができ、その場合、長い波長(すなわち、より高い%透過率係数を有する)をフィルタが通し、短い波長(すなわち、より低い%透過率係数を有する)が減衰される。第1のフィルタ18が、琥珀色光スペクトル47の波長よりも短い遮断波長を有することを示すために、琥珀色と赤色光のLEDの光スペクトル47及び48が、それぞれ、フィルタ特性43上に重ね合わせられている。
【0017】
本明細書を車両用尾灯アセンブリの一部として説明するが、他の用途においては、異なる有色LEDを使用することができ、従って、このようなLEDによって生成された有色光よりも短い波長を有する光を減衰する特性を有するフィルタが採用されることになることが認められるであろう。
再び図1を参照すると、平坦な基部24は、突出部を有し、その2つのみが30及び32で示されているが、軸線27にほぼ平行に基部24から突出している。突出部30及び32は、この実施形態では、第1の反射体12と同軸に位置決めされ、かつ第2の光キャビティ52を形成して第2の光キャビティから光を反射させる第2の反射体36を有する全体的に34で示す停止灯アセンブリの取り付けを容易にする役目をする。停止灯アセンブリ34は、第2の波長帯域の光を第2の光キャビティ52内へ受け入れるように作動可能に構成された第2の入光ポート38を更に含む。停止灯アセンブリ34は、第2の波長帯域の外側の周囲光が第2の空間を出入りする時に減衰するように、第2の入光ポート38周りに形成された第2の空間50を出入りする周囲光を濾過するように作動可能に構成された第2のフィルタ40を更に含む。
【0018】
停止灯アセンブリ34は、停止灯アセンブリ34が突出部30及び32に取り付けられた時に反射面25に隣接してかつ離間した関係で位置決めされる下部反射面44と先端切断円錐反射面46とを含む下側35を有する第2の基部42を有する一体化プラスチック部材から成る。下部反射面44及び先端切断円錐反射面46は、更に、第1の光キャビティ14を形成する。従って、第1の光キャビティ14は、この実施形態では、更に、反射面25と、放物反射面29と、下部反射面44と、先端切断円錐反射面46との間に形成される。
また、第2の基部42は、平坦な円形反射面49を有する。第2の反射体36は、第2の基部42から離れて延び、かつ第2の放物反射面39を有する一体化壁41を含む。第2の放物反射面39及び平坦な円形反射面49は、更に、第2の光キャビティ52を形成する。
【0019】
この実施形態では、第2の入光ポート38は、第2の波長帯域の有色光を放出する有色発光ダイオードを含む第2の有色光光源51と協働する第2の基部内の細長い開口部を含む。有色発光ダイオードは、例えば、約600nmから約650nmの間の波長を有する赤色光を放出することができる。第2の波長帯域は、この実施形態では、例えば、少なくとも約600nmの波長を含む帯域と定めることができる。あるいは、第2の波長帯域は、第1の波長帯域、すなわち、575nm又はそれを超える帯域と同じとすることができる。
第1及び第2のほぼ放物面の反射面29及び39及び第1及び第2のフィルタ18及び40は、互いにほぼ同軸である。第1及び第2の光源31及び51は、軸線27と平行な方向に光を全体的に導くように配向される。
【0020】
図示の実施形態では、第2のフィルタ40は、第2の空間に入る光が光フィルタ媒体を通過しなければならないように、第2の空間50を形成するアクリル酸プラスチックのような光フィルタ媒体を含む円筒形壁を含む。光フィルタ媒体は、第2の波長帯域内の波長を有する光がほぼ非減衰状態で通過し、かつ第1の波長帯域の外側に波長を有する光を減衰させることを一般的に可能にする特性を有する。一般的に、第2のフィルタ40は、第2の入光ポート38を取り囲む。
【0021】
作動
作動面では、第1の有色光光源31からの光は、第1のフィルタ18を通して第1の反射体12の放物反射面29に当てるために、第1の光キャビティ14内に入れられ、下部反射面44と、反射面25と、先端切断円錐反射面46とによって反射される。放物反射面29は、第1の有色光をアセンブリから離れる軸線方向に全体的に導く。枕状表面をほぼ放物面の反射面29上に形成して、光を広い角度にわたって見えるようにすることができる。
第1のフィルタ18は、第1の有色光光源31によって生成された琥珀色光又は赤色光に対して殆ど減衰を行わず、従って、第1の有色光が第1のフィルタを通過して第1の光キャビティ14を出る時には強度の損失は最小限のものである。
【0022】
日光のような琥珀色光は、第1の光キャビティ14に入ってほぼ放物面の反射面29に衝突することができ、そこでは、琥珀色光の一部は、反射されて第1のフィルタ18を通過して停止灯アセンブリ34の下側35と反射面25の間の第1の空間20内へ入ることができる。日光のような琥珀色光は、第1の空間20に入ると、下部反射面44と、先端切断円錐反射面46と、反射面25とによって反射されて、第1のフィルタ18を通ってほぼ放物面の反射面29の別の部分へと導かれ、軸線方向に第1の光キャビティ14を出ることができる。琥珀色光が日光である場合、波長の完全なスペクトルを有し、その大部分は、第1のフィルタ18によって減衰される。従って、日光が第1のフィルタ18の第1の部分を通過すると減衰され、次に、第1の空間20において反射され、次に、ほぼ放物面の反射面29の他方の部分に衝突する前に、第1のフィルタ18の別の部分を通過する時に更に減衰される。従って、第1の光キャビティ14に入る日光は、第1のフィルタ18の2つの部分を通過し、従って、第1の光キャビティ14を出る前に2回減衰される。第1のフィルタ18のそれぞれの部分を毎回通過する間に、琥珀色光は、第1のフィルタによって減衰され、従って、第1のフィルタがない場合よりも見えにくい。第1の有色光光源31によって生成された第1の有色光は、第1のフィルタ18を通過するのは一回だけであり、かつ第1のフィルタによって減衰されるのは僅かに微量であるので、第1の光キャビティ14から反射される琥珀色光よりも著しく明るく見える。従って、第1の光キャビティ14を出る第1の有色光は、光キャビティを出ると同時に琥珀色光と区別可能である。
【0023】
停止灯アセンブリ34は、第2の放物反射面39に入射して第2の反射面の反対の部分に向けて導かれた琥珀色光は、第2のフィルタ40を通過し、境界のある第2の空間50に入って出ると、第2のフィルタ40を通って第2の反射面の反対の部分に当たり、そこで、ほぼ軸線方向に導かれてアセンブリから離れるという点において同様に作動する。同時に、第2の空間50内の第2の有色光光源51からの赤色光は、第2の反射面39に衝突し、そこで停止灯アセンブリから離れる方向にほぼ軸線方向に導かれる前には、第2のフィルタ40を通過するのは一回だけであり、第2のフィルタによる減衰は、最小限であるか又は皆無である。停止灯アセンブリ34から離れるように導かれる有色光は、上述のように反射された反射周囲光と混ぜ合わせることができるが、第2のフィルタ40の2つの部分の通過及び各通過での付随の減衰のために、反射琥珀色光の強度は低減され、それによって第2の有色光光源51によって生成され、かつ第2の反射面39によって反射された光よりも一般的に見えにくく、第2の光源によって生成された光の方が、反射琥珀色光の存在下では見えやすい。
【0024】
図3を参照すると、本発明の第2の実施形態による装置を全体的に60で示している。装置は、第1の反射体62と、第1の入光ポート64と、第1のフィルタ66とを有する。この実施形態では、第1の反射体62は、反射コーティング70が被覆された放物面68を有し、かつ焦点72を有する本体で形成される。第1の入光ポート64は、放物面68のほぼ焦点72に位置し、主発光軸が全体的に反射体62から離れるように1つ又はそれよりも多くのLED76を取り付けることができるLEDマウント74を含む。図示の実施形態では、LED76が1つだけあり、約650nmの波長を有する赤色光を放出する。
【0025】
第1のフィルタ66は、反射体の放物面に隣接してぴったり適合し、かつそれに接触するように反射体62の放物面68に対して補完的な放物面形状の外面78を有する放物面形状のプラスチック色レンズを含む光フィルタ媒体で形成される。透明接着剤(図示せず)を使用して、レンズの外面78を外面が全体的に第1の入光ポートから離れる方向に向くように反射体62の放物面68に機械的に結合することができる。レンズは、光キャビティに向けて全体的に内方に向く反射体62の放物面68と類似の同じく形状がほぼ放物面である内面80を有する。
すなわち、第1の光キャビティ82は、反射体62の放物面68によって形成され、第1のフィルタ66は、第1の光キャビティ82内にあり、第1の入光ポート64周りに第1の空間84を形成する。この実施形態では、第1の空間84は、従って、第1の光キャビティ82とほぼ同じサイズである。
【0026】
LED76によって供給され、かつ第1の空間84に受け入れられた軸上の光81及び一部の軸外の光83は、第1の空間を通過すると、反射体62に衝突することなく直接に第1の光キャビティ82を出る。反射体62に入射させる角度にある軸外の光85は、反射体に衝突する前に第1のフィルタ66を通過し、次に、第1の空間84を出る前に第1のフィルタを再び通過する。しかし、第1のフィルタ66は、反射体62によって反射される第1の入光ポート64からの光の強度の損失が殆どないように通過帯域内の波長を有する光がほぼ非減衰状態で通過することを可能にする図2において86で示すような波長通過帯域を有する。
【0027】
第1の光キャビティ82の外側から反射体62に入射する周囲光を反射体によって第1の空間84内に反射させることはできるが、このような光は、光キャビティに入る時又は光キャビティを出る時に第1のフィルタ66を通過すべきである。周囲光が第1のフィルタ66を通過すると、第1のフィルタの第1の通過帯域86の外側の波長を有する周囲光の成分が減衰される。再び図3を参照すると、周囲光は、第1のフィルタ66の第1の部分90を通過すると、反射体62の第1の部分91に当たり、次に、第1のフィルタの第2の部分92を通過した後に第1の空間84に入る。この光は、第1のフィルタ66の第3の部分94を通過するまでほぼ非減衰状態で第1の空間84を通り、反射体62の第2の部分96に衝突すると、第1のフィルタ66の第4の部分98を通過して、最後に光キャビティ82を出る。それによって光キャビティ82に導かれる周囲光の濾過が複数回行われ、光キャビティに入る大部分の周囲光は、光キャビティを出る前に著しく減衰され、同時に反射体62に衝突する軸外の光を含む入光ポート64を通じて光キャビティに入る大部分の光は、殆ど減衰なしに光キャビティから出る結果になる。従って、LED76によって生成された光は、周囲光内で消え去らず、一般的に周囲光と区別可能である。
【0028】
図4を参照すると、全体的に100で本発明の第3の実施形態による装置を示している。この実施形態の構成要素の全ては、反射体(図3では62)の代わりに第1のフィルタ66の放物面形状の外面78上の反射コーティング102が使用される点を除き、全体的に図3に示すものと同じものである。装置は、第1の光学フィルタの内面80に衝突する周囲光がフィルタを通過し、次にフィルタの外面78上の反射コーティングによって再び反射されてフィルタを通る点を除き、図3に示す実施形態に関連して上述したように機能する。
図4に示す実施形態は、反射体に関して別の構造体が使用されないので、図3に示す実施形態よりも製造費を低減することができる。
本発明の特定的な実施形態を説明して示したが、このような実施形態は、本発明を単に例示するものであり、特許請求の範囲に従って解釈される本発明を限定しないと考えるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態による照明装置の切取斜視図である。
【図2】図1に示す第1及び/又は第2のフィルタのフィルタ特性を示す%透過率と波長のグラフである。
【図3】本発明の第2の実施形態による照明装置の断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態による照明装置の断面図である。
【符号の説明】
【0030】
10 照明装置
12 第1の反射体
14 第1の光キャビティ
16 第1の入光ポート
18 第1のフィルタ
20 第1の空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲光の存在下で区別可能な光を生成する方法であって、
第1の光キャビティから光を反射するように作動可能に構成された第1の反射体によって少なくとも部分的に形成された該第1の光キャビティ内へ第1の入光ポートを通じて第1の波長帯域の光を受け入れる段階と、
前記第1の入光ポート周りに形成された第1の空間を出入りする周囲光を、前記第1の波長帯域の外側の周囲光が該第1の空間を出入りする時に減衰するように濾過する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
光を受け入れる段階は、前記空間内の発光ダイオードからの光を受け入れる段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
濾過する段階は、前記空間内へ反射された周囲光に該空間を形成するフィルタを通過させる段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
濾過する段階は、前記空間内へ反射された周囲光に該空間を取り囲むフィルタを通過させる段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
周囲光にフィルタを通過させる段階は、該周囲光に前記反射体と前記入光ポートの間に位置決めされたフィルタを通過させる段階を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
周囲光にフィルタを通過させる段階は、前記第1の入光ポート周りに延びる光フィルタ媒体の内面に衝突する周囲光に該媒体を通過させ、かつ該媒体の外面上の反射コーティングによって該媒体を通じてそれを反射させて戻す段階を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
周囲光にフィルタを通過させる段階は、該周囲光に前記反射体に対してほぼ補完する形状を有するフィルタを通過させる段階を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
周囲光にフィルタを通過させる段階は、該周囲光に前記反射体の表面に接触する表面を有するフィルタを通過させる段階を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
周囲光にフィルタを通過させる段階は、該周囲光に前記入光ポートに隣接するフィルタを通過させる段階を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項10】
第2の光キャビティから光を反射するように作動可能に構成された第2の反射体によって少なくとも部分的に形成された該第2の光キャビティ内へ第2の入光ポートを通じて第2の波長帯域の光を受け入れる段階と、
前記第2の光キャビティ内へ反射され、かつ前記第2の入光ポート周りに形成された第2の空間を出入りする周囲光を、前記第2の波長帯域の外側の周囲光が該第2の空間を出入りする時に減衰するように濾過する段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1及び第2の波長帯域の光を受け入れる段階は、互いにほぼ同軸に位置決めされた第1及び第2の光キャビティ内へ光を受け入れる段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
周囲光の存在下で区別可能な光を生成するための装置であって、
第1の光キャビティを少なくとも部分的に形成し、かつ該第1の光キャビティから光を反射するように作動可能に構成された第1の反射体と、
第1の波長帯域の光を前記第1の光キャビティ内へ受け入れるように作動可能に構成された第1の入光ポートと、
前記第1の入光ポート周りに形成された第1の空間を出入りする周囲光を、前記第1の波長帯域の外側の周囲光を該第1の空間を出入りする時に減衰させるために濾過するように作動可能に構成された第1のフィルタと、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項13】
前記第1の波長帯域の前記光を前記第1の空間内へ放出するための、前記第1の入光ポート内の第1の発光ダイオードを更に含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のフィルタは、前記第1の空間を形成することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のフィルタは、前記第1の空間を取り囲むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記第1のフィルタは、前記反射体と前記第1の入光ポートの間に位置決めされることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1のフィルタは、前記第1の反射体に隣接して位置決めされることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1のフィルタは、前記第1の反射体に対してほぼ補完する第1の形状を有することを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1のフィルタは、前記第1の反射体の表面に接触した第1の表面を有することを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記第1のフィルタは、前記第1の入光ポートに隣接して位置決めされることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記第1のフィルタは、第1の光媒体を含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項22】
前記第1のフィルタは、前記第1の入光ポート周りに延びて該第1の入光ポートから全体的に離れる方向に向く第1の外面を有する第1の光フィルタ媒体を含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項23】
前記第1の外面は、ほぼ放物面形状を有することを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記第1の反射体は、前記第1の外面上に第1の反射コーティングを含み、そのために前記第1の光フィルタ媒体の内面に衝突する周囲光は、該媒体を通過し、次に、該第1の反射コーティングによって該媒体を通して反射して戻されることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記第1の反射体と同軸に位置決めされ、第2の光キャビティを少なくとも部分的に形成し、かつ該第2の光キャビティから光を反射するように作動可能に構成された第2の反射体と、
第2の波長帯域の光を前記第2の光キャビティ内へ受け入れるように作動可能に構成された第2の入光ポートと、
前記第2の入光ポート周りに形成された第2の空間を出入りする周囲光を、前記第2の波長帯域の外側の周囲光を該第2の空間を出入りする時に減衰させるために濾過するように作動可能に構成された第2のフィルタと、
を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項26】
前記第2の波長帯域の前記光を前記第2の空間内へ放出するための、前記第2の入光ポート内の第2の発光ダイオードを更に含むことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記第2のフィルタは、前記第2の空間を形成することを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記第2のフィルタは、前記第2の空間を取り囲むことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記第2のフィルタは、前記第2の反射体と前記第2の入光ポートの間に位置決めされることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記第2のフィルタは、前記第2の入光ポートに隣接して位置決めされることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記第2のフィルタは、第2の光媒体を含むことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項32】
周囲光の存在下で区別可能な光を生成するための装置であって、
第1の光キャビティを少なくとも部分的に形成して該第1の光キャビティから光を反射するための第1の反射手段と、
第1の波長帯域の光を前記第1の光キャビティ内へ受け入れるための第1の入光手段と、
前記第1の入光手段周りに形成された第1の空間を出入りする周囲光を減衰させるための第1の減衰手段と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項33】
前記入光させるための手段は、第1の発光ダイオードを含むことを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記第1の減衰手段は、前記第1の空間を形成することを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記第1の減衰手段は、前記第1の空間を取り囲む第1のフィルタを含むことを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記第1のフィルタは、前記第1の反射手段と前記発光ダイオードの間に位置決めされることを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記第1の減衰手段は、前記第1の入光手段周りに延びて該第1の入光手段から全体的に離れる方向に向く第1の外面を有する第1の光フィルタ媒体を含むことを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記第1の外面は、ほぼ放物面形状を有することを特徴とする請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記第1の反射手段は、前記第1の外面上に第1の反射コーティングを含み、そのために前記第1の光フィルタ媒体の内面に衝突する周囲光は、該媒体を通過し、次に、該第1の反射コーティングによって該媒体を通して反射して戻されることを特徴とする請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記第1のフィルタは、前記第1の発光ダイオードに隣接して位置決めされることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項41】
前記第1のフィルタは、第1の光媒体を含むことを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項42】
第2の光キャビティを少なくとも部分的に形成し、かつ該第2の光キャビティから光を反射するように作動可能に構成された第2の反射手段と、
第2の波長帯域の光を前記第2の光キャビティ内へ受け入れるための第2の入光手段と、
前記第2の入光手段周りに形成された第2の空間を出入りする周囲光を減衰させるための第2の減衰手段と、
を更に含むことを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項43】
前記入光させるための第2の手段は、第2の発光ダイオードを含むことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記第2の減衰手段は、前記第2の空間を形成することを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記第2の減衰手段は、前記第2の空間を取り囲む第2のフィルタを含むことを特徴とする請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記第2のフィルタは、前記第2の反射手段と前記発光ダイオードの間に位置決めされることを特徴とする請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記第2のフィルタは、前記第2の発光ダイオードに隣接して位置決めされることを特徴とする請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記第2のフィルタは、第2の光媒体を含むことを特徴とする請求項45に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−299759(P2007−299759A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−144131(P2007−144131)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【出願人】(500507009)フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー (197)
【Fターム(参考)】