説明

周波数分割二重および時間分割二重通信システム間のソフトハンドオフを実行するためのシステムおよび方法

【課題】任意の多元接続構成を用いる周波数分割多重(FDD)及び時間分割多重(TDD)通信システム間の情報送信及び通信ハンドオフを制御するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】移動ユニットは、FDD及びTDD通信システムの他方、又はFDD及びTDD通信システムの目標とされた1つに向かって移動する間、FDD及びTDD通信システムの現在の1つを経て情報を送信する。パイロット検索信号が目標とされた通信システムの伝送範囲と一致する場合、パイロット検索信号は目標とされた通信システムによって生成される。移動ユニットがパイロット検索信号の所定の閾値レベルを認識する場合に、現在の通信システムから目標とされた通信システムへの通信ハンドオフは始められる。移動ユニットと各々の通信リンクのための増加されたデータ速度を用いる現在及び目標とされた通信システムの両者との間で同時通信は同期され、一時的に維持される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、一般に通信システムに関する。特に、本発明は、情報送信、および任意の多重アクセス構成を用いる周波数分割多重と時間分割多重通信システム間の通信ハンドオフを制御するためのシステムおよび方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
現代の通信時代は、ワイヤラインおよび無線ネットワークのすさまじい拡散をもたらした。コンピュータネットワーク、テレビネットワーク、またとりわけ電話ネットワークは、先例のない技術的展開を経験し、消費者需要によってあおられている。一部は、世界的な市場の展開および郊外の人気に起因する、輸送のための絶えず増大する必要性は、およびビジネスおよび快楽のための自動車および飛行機の使用の増加に導いた。家または事務所から離れているときさえも、通信する能力を維持したいという願望は、無線通信市場を大きな広がりへと駆り立てた。この要求への1つの反応は、モバイル/無線電話網であった。
【0003】
モバイル通信のための世界の至る所の消費者による要求は、急速ペースで広がっていて、少なくとも次の10年の間そうし続けるであろう。1995年の終わりまでに1億人以上の人々がモバイルサービスを利用しており、そして、その数は2.000年までに3億に増大すると予期される。いくつかの要因は、遠距離通信産業のエキサイトな成長に寄与している。例えば、技術および競争の組合せは、消費者により多くの価値をもたらす。電話は、より小さく、より軽く、より長いバッテリ寿命を有し、今ではマスマーケットのために入手可能である。オペレータは、優れた音声品質、革新的なサービスを提供し、国じゅうまたは世界じゅうを歩き回っている。最も重要な、移動性は使用する人々のためにより少なく高価になっている。世界中で、米国と同じように、政府は、従来の移動電話システムのオペレータと競争するために、新しいオペレーターのための追加的なスペクトルを認可している。競争は、消費者のために革新、新規サービスおよびより安い価格をもたらす。
【0004】
小形携帯移動電話通信システムは、従来の陸上通信線公衆交換電話回線網(PSTN)に接続されているのと同様に、小形携帯移動電話機のユーザが他の小形携帯移動電話機ユーザに接続されることを許容する。小形携帯移動電話機は、地理的領域を「セル」に分割することによって働く。各セルは、概してトランシーバ、アンテナ、およびモバイル電話交換局(MTSO)への専用線を含んでいる基地局を含む。隣接したセルは、隣接したセル間の干渉を予防するために異なる無線周波数を利用してもよい。
【0005】
TDMAまたはFDMAシステムにおいて、各セルが、各セルの中でセルおよび移動電話ユニットの間で信号を送ることに捧げられる少なくとも一つのセットアップチャンネルがあることは慣習的であり、一方、残余のチャンネルは会話のために使われる。再利用されたチャンネルが隣接したセルになくて、過度の干渉を避けるのにはるかに十分に離れている限り、各々の周波数チャンネルは、セル間で再利用されてもよい。比較的少数の加入者を伴うネットワークはしたがって大きいセルを使用することができ、需要が成長するにつれて、セルはより小さいセルに分割されることができる。
【0006】
したがって、移動電話ネットワークにおいて、車両または移動ユニットが1つのセルから他のセルに移動するにつれて、コール(call)は通過しなければならない。これは「ハンドオフ(handoff)」または「ハンドオーバー(handover)」と呼ばれる。車両が基地局から離れるにつれて、その信号強度は減少する。ユーザの可動性のためにハンドオフがしばしばモバイルシステムにインプリメントされる一方、ハンドオフをインプリメントするための他の理由がある。システム負荷のアンバランス、代わりの資源のより良い効率、信号品質、資源の所有、強制的ハンドオフなどの場合のように代わりの資源が好まれる場合に、例えば、固定端末は異なる資源を利用するためにハンドオフを実行してもよい。
【0007】
基地局は、継続して呼び出しの継続の間、信号強度をモニタする。信号強度が所定の閾値レベルの下まで落ちるときに、ネットワークは全ての所定の隣接したセルに対して車両の移動局の信号強度を報告することを要求する。隣接したセルの信号強度が所定の量だけ強い場合、ネットワークは隣接するセルに対する呼び出しをハンドオフすることを試みる。
【0008】
ハンドオフが起こるやりかた、および、ハンドオフの相対的な品質は、利用されるチャンネルアクセス方式に主として依存する。これらのアクセス方式は、トラヒック容量を増やし、その容量への接近を提供するために用いられる。容量を終点間の複数の周波数セグメントに分割する周波数分割多重アクセス(FDMA)を含む多くの異なるアクセス方式は使用された。総容量を時分割する概念を使用する時間分割多重アクセス(TDMA)は他のアクセス方式である。さらに別のアクセス方式は、IS−95産業明細書(industry specification)に基づくかもしれないコード分割多重アクセス(CDMA)である。IS−95 CDMAは、新規なデジタルスペクトル拡散CDMAおよび進歩的な移動電話サービス(AMPS)機能性を結合して、800MHzのバンド上の1台のデュアルモード小形携帯移動電話機とし、1.9GHzのPCSバンド上のCDMAのみのハンドセットを使用することができる。
【0009】
CDMAシステムは、本来、符号化ラジオチャンネルの使用を通して、FDMA(アナログ)およびTDMAシステムと異なる。CDMAシステムにおいて、ユーザは異なる符号化シーケンスを用いて同時に同じラジオチャンネルで作用することができる。
【0010】
IS−95 CDMA移動電話システム(cellular system)は、他の移動電話と異なるいくつかのキーの属性を有する。周波数計画の必要を除去する同じCDMA無線搬送周波数が隣接したセルサイトにおいて任意に使われてもよい。
【0011】
AMPS移動電話システムにおいて、基地局が移動局からの信号強度における悪化を検出したときに、ハンドオフは起こる。AMPS加入者がハンドオフに接近するにつれて、信号強度が不意に変化してもよく、そして、音声は、制御メッセージを送って、ハンドオフを完了するために少なくとも200ミリ秒間沈黙される。対照的に、CDMAは、任意の情報フレームであっても、ほとんど検知されず、少ししか失わないユニークなソフトハンドオフを使用する。その結果、CDMAのソフトハンドオフは、ハンドオフの間、非常に少なく呼び出しを失いそうである。
【0012】
二重通信を提供するために、時間分割二重(TDD)および周波数分割二重(FDD)のような送信技術が、使われた。FDDは、前向きリンク(ダウンリンク)および逆リンク(アップリンク)のために、異なる周波数帯におけるチャンネル通信を提供する。TDDにおいて、全二重動作を成し遂げるため、実質的に同時に情報を送受信するため、単一のチャンネルが時間で分担される。
概して、FDDが屋外のシステムとして使用され、TDDが屋内のシステムとして使用される。すなわち、普及チャンネルおよびチャンネル相互関係の遅い変化特性に起因して、ローカル範囲(local coverage)が必要なときはいつでも。
【0013】
TDDおよびFDDは、現在は同じシステムで利用されない。前述したように、例えば、CDMAシステムは「ソフトハンドオフ(soft handoff)」を使用する。そして、それは2つ以上の基地局が移動局をサポートするところのコールステート(call state)である。これは、しかしながら、TDDおよびFDDシステム間のハンドオフと異なる。将来のシステムにおいて、TDDおよびFDDは、1つのシステムの任意の特徴であってもよい。従って、無線環境において、TDDおよびFDDシステム間のハンドオフをサポートする必要がある。本発明は、TDDおよびFDDシステム間のシームレスハンドオフ(seamless handoff)のために提供し、従来技術に勝る他の利点を提供する。
【0014】
(発明の概要)
本発明は、任意の多重アクセスを用いる周波数分割多重および時間分割多重システム間の通信ハンドオフを制御するためのシステムおよび方法に向けられる。
【0015】
本発明の一実施例にしたがって、周波数分割二重(FDD)通信システムおよび時間分割二重(TDD)通信システムの間の移動ユニット通信ハンドオフを制御するための方法は提供される。移動ユニットが他のシステムに向かって、つまりFDDおよびTDD通信システムのうちの目標とされた1つに向かって移動する間、移動ユニットはFDDおよびTDD通信システムのうちの現在の1つのシステムを経て情報を送信する。パイロット検索信号または他の任意のセル識別信号は、目標とされた通信システムによって発生される。ここで、パイロット検索信号は目標とされた通信システムの送信範囲と一致する。移動ユニットがパイロット検索信号の所定の閾値レベルを認識するときに、通信ハンドオフは現在の通信システムから目標とされた通信システムに伝えられる。同時に起こる通信は、移動ユニットおよび現在のおよび目標とされた両通信システムの間で同期される。ハンドオフが完全なときに、移動ユニットと現在の通信システムとの間の送信は終了され、一方、ハンドオフが完全なときに、移動ユニットと目標とされた通信システムとの間の通信は維持される。
【0016】
本発明の他の実施例にしたがって、同期はハンドオフの最初の同期を含み、複数速度モード(multirate mode)における一時的な動作をさらに含む。最初の同期は、アップリンクフレームの間現在動作中のシステムでデータ速度を増加させることを含み、一方、現在の通信システムで増加されたデータ電送速度によって利用可能とされた残余のアップリンクフレーム時間における同期プレアンブルを目標とされた通信システムに送ることを含む。通信は、目標とされた通信システムにより同期が承認された場合に複数速度モードに入る。複数速度モードは、アップリンクフレームにおいて増加されたデータ速度で現在の通信システムで情報を通信すること、および各アップリンクフレームの残余の部分において増加されたデータ速度で目標とされた通信システムで情報を同時に通信することを含む。
【0017】
本発明の別の態様にしたがって、周波数分割二重(FDD)通信システムと時間分割二重(TDD)通信システムとの間の移動ユニット通信ハンドオフを管理するためのシステムは提供される。FDD基地局は、周波数分割二重モードの移動ユニットと通信するため、およびFDD通信システムの送信範囲に対応するパイロット検索信号を生成するためのFDD通信システム内に設けられている。TDD基地局は、時間分割二重モードの移動ユニットと通信するため、およびTDD通信システムの送信範囲に対応するパイロット検索信号を生成するためのTDD通信システム内に設けられている。移動ユニットが他のシステムに向かって、つまりFDDおよびTDD通信システムのうちの目標とされた1つのシステムに向かって移動する間、移動ユニットは、FDDおよびTDD通信システムうちの現在の1つを経て情報を送信する。移動ユニットは、第1および第2のパイロット検索信号を受信するための、および目標とされた通信システムからのパイロット検索信号が所定の閾値レベルに達したときに、現在の通信システムから目標とされた通信システムまでハンドオフを始めるための受信ユニットを含む。移動ユニットは、移動ユニットと現在のおよび目標とされた通信システムとの間の同時通信に同期させるため、および同期した現在の通信システムおよび目標とされた通信システムで情報を同時に通信するために二重トランシーバをさらに含む。
【0018】
二重トランシーバは、現在のおよび目標とされた通信システムの両者で同時に通信をサポートするためのハンドオフの間、移動ユニットと現在のおよび目標とされた通信システムとの間のデータ速度を増やすことができるバーストモードを含む。
【0019】
本発明の別の態様にしたがって、1つの通信システムから他への通信ユニットのハンドオフの間周波数分割二重(FDD)通信システムと時間分割二重(TDD)通信システムとの間の接続を維持する方法は提供される。方法は、FDDおよびTDD通信システムの1つに通信フレームの第1の部分を送信すること、およびFDDおよびTDD通信システムの他の一つに通信フレームの第2の部分を送信することを含む。通信フレームの第1および第2の部分のうちの少なくとも1つは、増加されたデータ速度で送信される。通信は、通信フレームの送信の間、FDDおよびTDDシステムの両者で起こり、そして、ハンドオフが起こらないときに、通信は、通信フレームをFDDおよびTDDシステムのどちらにでも送るために必要な時間と等価な時間で起こる。
【0020】
本発明のさらにもう一つの実施例にしたがって、通信ユニットと周波数分割二重(FDD)および時間分割二重(TDD)通信システムの両方との間の情報送信を制御する方法が提供される。通信ユニットは、FDDおよびTDD通信システムの第1の1つを経て情報を送信しており、そして、FDDおよびTDD通信システムの他の1つの送信範囲と対応するセル識別信号は生成される。実質的に同時の通信は、通信ユニットがセル識別信号を認めるときに通信ユニットとFDDおよびTDD通信システムの両方との間で開始され、それによって、FDDおよびTDD通信システムの両方のサービス範囲(coverage area)内である。通信ユニットとFDDおよびTDD通信システムの各々との間の実質的に同時の通信は、FDDおよびTDD通信システムの各々で情報の少なくとも一部を同時に通信することによって維持される。
【0021】
本発明の上記の要約は、各々の例示の実施例または本発明のインプリメンテーションを記載することを意図しない。これは、図およびあとに続く関連する議論の目的である。
【0022】
本発明の他の態様および利点は、以下の詳細な説明を読み、図を参照すると明瞭になる。
【0023】
(図示された実施の形態の詳細な説明)
典型的な実施例の以下の説明において、この一部を形成する添付の図面が参照され、特定の実施例が例示によって示され、本発明が実行されてもよい。本発明の範囲から離れることなく、構造的変化がなされてもよいような他の実施例が利用されてもよいことが理解されるべきである。
【0024】
本発明は、任意の多元接続構成を用いる周波数分割多重および時間分割多重通信システム間の情報送信および通信ハンドオフを制御するためのシステムおよび方法を提供する。これは、移動通信ステーションのユーザのために2つのシステムに情報を送受信する手段を提供する。ここで、1つのシステムは周波数分割二重を利用し、そして、他は時間分割二重を利用する。本発明はしたがって、第1の二重システムの制御下で動作するための、第1から第2の二重システムへのハンドオフを同期させるための、増加されたデータ転送速度を使用してハンドオフの間に第1および第2の二重システムの両者と一時的に通信するための、および第2の二重システムで動作を最終的に維持するための手段を提供する。
【0025】
現在図1を参照して、周波数分割二重(FDD)多元接続を利用している多元接続セルネットワーク100が図示されている。図示されたセルネットワーク100は、基地局BS−A 102、BS−B 104、基地局BS−n 106までラベルをつけられた多数の基地局(BS)を含む。セルネットワーク100の各々の基地局は、FDD多元接続技術をインプリメントする。例えば、carrier−1からcarrier−nまでラベルをつけられた多数の周波数キャリアを有する基地局BS−A 102は示されている。ここで、各々のキャリアは、方向線108および110上にそれぞれ周波数帯f1およびf2として示されるFDD対となる周波数帯(paired frequency band)を含む。FDDシステムは、2つの周波数帯f1およびf2を使用している二重動作を許す。セルネットワーク100のようなFDD多元接続セルネットワークは、概して、屋外のマクロセルネットワークで使われ、低いビットレートで長い範囲の通信のための望ましい技術である。
【0026】
現在図2を参照して、FDD対となる周波数帯の周波数特徴は示されている。キャリアバンドAのような各々のキャリアバンドは、FDD二重通信が起こる周波数範囲を含む。アップリンク周波数f1はライン200上の周波数によって表され、ダウンリンクフレームはライン202によって表される周波数f2で起こる。アップリンクおよびダウンリンク周波数を切り離している周波数範囲は、二重バンド204として示されている。二重通信は、移動局から基地局への周波数f1による通信アップリンク、および基地局から移動局への周波数f2によるダウンリンク通信を同時に提供することによって可能にされる。
【0027】
FDD多元接続プロトコルに加えて、時間分割多重(TDD)無線通信プロトコルがある。TDDは、時間分割多重化技術を用いる単一の無線通信チャンネルにおける二重通信のために許容する。FDDシステムは、全二重サービスを提供するために、1つの周波数が送信し、1つが受信する2つの別々の周波数を必要とする。他方、TDDは、実質的に同時に情報の送受信を行う単一のチャンネルを許容する。
【0028】
図3は、「n」周波数チャンネルが時間分割二重通信を提供する1つの可能なTDD構成を例示する。周波数チャンネル−1 300は、それぞれライン302および304上の周波数f1およびf2によって描写されるほぼ1.75MHzの周波数バンド幅を有するように例示される。周波数チャンネル−1 300の範囲内に、情報を共通の周波数チャンネル上で転送するための送受信経路がある。送受信情報は、全二重動作を提供するために異なるタイムスロットで送信される。
【0029】
各周波数チャンネルの範囲中で、各々がTDDプロトコルを組み込む複数のトラヒックチャンネル(multiple traffic channels)が存在することができる。
【0030】
現在図4を参照して、2つのTDDシステム間の時間分割二重情報転送の例を例示している図が提供される。ライン400によって表されるように、情報転送の間に時間が経過するにつれて、TDD通信システムの各々は、送信(TX)および受信(RCV)モードを交替させるシリーズ402、404を提供する。例えば、1台の通信装置がTX 406で送信している間、他の通信装置はRCV 408で情報を受信している。受信および送信モード間のこの迅速なトグリングは、システムの各々が同じ周波数で送信することを許容する。二重通信に関係している通信装置は、このスイッチングにより作られたタイムスロットと同期し、それにより、1が送信する間、他は受信する。
【0031】
以下の説明は、移動電話ネットワークの移動局ハンドオフに向けられる。
【0032】
しかしながら、本発明はそのようなハンドオフに限定されず、任意のFDDおよびTDD通信システムの間の通信ハンドオーバーに適用される。例えば、本発明はまた、FDDおよびTDDシステムの両者で少なくとも一つの二重方向の同時通信がある固定システムに適用できる。これは、負荷分配システムのためのようなある状況において望ましくてもよい。本発明はしたがって、FDD/TDDシステム間の移動局ハンドオフの場合に、または同じ情報が負荷分配または他の目的のためのFDD/TDDシステムの両方へ/から同時に転送される固定システムに適用可能である。したがって、本発明が特に移動局ハンドオフのコンテキストに役立ち、それについて主に明確に記載されているとはいえ、本発明は移動局ハンドオフに限定されていない。
【0033】
現在図5を参照して、隣接するTDDシステム500およびFDDシステム502は例示される。本発明は、任意の多元接続構成を利用する、TDDおよびFDDシステム間のハンドオフにおける情報のインプリメンテーションおよび制御に関する。周波数分割多元接続(FDMA)、時間分割多元接続(TDMA)、およびコード分割多元接続(CDMA)のようなさまざまな多元接続構成が可能とはいえ、本発明は、例のために、CDMAシステムのコンテキストにおいて記述される。しかしながら、本発明は、他の多元接続システムで動作することが可能であり、したがって、以下の実施例に記載されているCDMAシステムに限定されてはならない。
【0034】
図5の実施例は、屋外のワイヤレス配置において概して使用されるCDMA/FDDシステムのようなFDDシステム502を例示する。図5のTDDシステム500は、CDMA/TDDシステムが比較的射程の短い屋内のワイヤレス配置において使われるCDMA/TDDシステムを表す。FDDシステム502は、あらゆる基地局504で多くのキャリアを使用してもよく、そして、各々のキャリアを使用するときに、それは同時に、図1および図2と関連して記述されたように、情報アップリンクのための第1の周波数f1および情報ダウンリンクのための第2の周波数f2を占める。他方、TDDシステム500は、共通の周波数Fでコードレスターミナルアダプタ(CTA)506のようなローカル基地局を伴う通信のために概して含む。FDDおよびTDDシステムは、屋内−屋外インプリメンテーションに制限されないことが認識されなければならない。例えば、異なる周波数帯を使用するが、FDDを伴う同じ無線セルサイトにおいてTDDが使われてもよい。
【0035】
FDDシステム502における時間t=0で移動局(MS) 508aは、基地局504を経て、他の移動局と、または、移動交換センター(MSC) 510と通信する。MSC 510は、公衆交換電話回線網(PSTN) 512、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)、および他のデータネットワークのような他のネットワークへのインタフェースを提供する。FDDシステム502の範囲内のユーザがTDDシステム500に近づくにつれて、MS 508bは時間t=1でハンドオフ領域514に入る。下記にさらに詳述されるように、ハンドオフ領域514 は、1つの基地局からもう一方への移動局のサポートが移される領域を表す。MS 508cがハンドオフ領域514から出て、時間t=2で完全にTDDシステム500の範囲内へ移動するにつれて、MS 508cは、ローカルCTA 506として例示されるそのサポート基地局を経て通信する。CTA 506は、直接PSTN 512にネットワーク化されることができるか、またはMSC 510を経て通信するワイヤレス手段を代わりに使用することができる。
【0036】
図6は、図5と関連して記載されたように、FDDプロトコルでサポートされるシステムからTDDプロトコルでサポートさられるシステムへのハンドオフ手順の一実施例のフロー図である。移動局MSは、第1のセル領域において第1の基地局BSを経るFDD通信によってサポート600される。移動局は、したがって、移動局と基地局との間の二重通信を実行するために二重バンドによって分離された一対の周波数を利用する。ブロック602で決定されるように、移動局が固定であるかまたは第2のセル領域に向かって移動していない場合に、第1の基地局は移動局をサポートし続ける。移動局が第2のセル領域に向かってを移動602している場合、移動局が第2の基地局で射程内であるどうかが決定される604。本発明の一実施例において、第1の基地局はCDMA/FDD基地局であり、そして、第2の基地局はCDMA/TDD基地局である。
【0037】
移動局が第2の基地局の射程内に移動していないと決定された場合には604、第1の基地局は移動局をサポートし続ける。しかしながら、第2の基地局の圏内になるように移動局が移動した場合に、ハンドオフセットアップ手順が始められる606。ハンドオフセットアップは、移動局が、それがハンドオフ領域の中であることを識別し、ハンドオフを要請し、ハンドオフ要請の承認を受信することを許容する。ハンドオフセットアップ606の一実施例は、図7と関連してさらに詳細に説明される。
【0038】
移動局は、ハンドオフが許可されるハンドオフ要請承認の通知を受信する。ハンドオフは、同期され608、それは、ハンドオフ手順の全体にわたって情報転送の適切なタイミングを含む。移動局が、第2のセル領域における第2の固定局を通してTDD通信を完全に実行し612、同期が完成したと決定される610まで、ハンドオフ同期608は続く。
【0039】
本発明の一実施例において、第1のセル領域は屋外のCDMA/FDDシステムであり、そして、第2のセル領域は屋内のCDMA/TDDシステムである。移動局ユーザが屋外のシステムから屋内のシステムの方へ移動するにつれて、ハンドオフは起こる。FDDおよびTDDシステムが共同で配置されることができることが認識されなければならない。ここにおいて提供される説明から当業者にとって直ちに明らかであるように、本発明はまた、TDDからFDDシステムまでのハンドオフのために類似して含む。ノイズ、歪曲およびハンドオフ失敗を最小化し、ハンドオフの間、中断されない通信を提供するために、「ソフト」ハンドオフが使われる。これは、図8、9、10と関連してさらに詳細に説明される。
【0040】
現在図7を参照して、ソフトハンドオフセットアップの一実施例のフロー図は提供される。ソフトハンドオフは、移動局が接近している基地局で、パイロット検索信号700を生成することによって始められる。例えば、本発明において、屋内のTDDコードレスターミナルアダプタは、接近している移動局によってモニタされるパイロット検索信号を生成する。パイロット信号は、基地局から放送される所定の信号である。それが放送基地局の物理的な動作範囲内であるときに、所定の信号を受信するように形成された移動局は所定の信号を認識する。特定のパイロット検索信号は、他のパイロット信号の位相または周波数と異なる特定の位相または周波数の信号を用いることによって、それ自体を他のパイロット信号から区別することができる。
【0041】
パイロット検索信号のための移動局モニタする702。本発明の一実施例において、移動局は、電力が十分に高く、または代わりに経路損失が小さいパイロット信号のためにモニタする。パイロット信号が電力閾値を上回らない場合、移動局は、パイロット検索信号をモニタ702し続ける。本発明の一実施例は、移動局によってまた知られているTDDシステムによって指定された周波数の使用を含む。移動局は、それからこの指定された周波数でパイロット信号のためにモニタする。このモニタリングは、追加的なレシーバを使用して成し遂げられてもよく、または時間または周波数分割多重方法を使用して成し遂げられることができた。
【0042】
移動局が、パイロット検索信号が所定の電力閾値を上回ったことを決定する704ときに、移動局はハンドオフを要請する706。移動局ハンドオフ要請は、移動局から移動局を現在サポートしている基地局を経て「新しい」基地局まで、を送られる708。例えば、移動局がFDD基地局を有する屋外のFDDシステムからTDDコードレスターミナルアダプタ(CTA)を有する屋内のTDDシステムに向かって移動している場合に、ハンドオフの要請はFDD基地局からTDD CTAへ送られる。新しい基地局(例えばTDD CTA)は、負荷制御のような所望のパラメータに基づいて新しい基地局へのアクセスを許可するか否かを決定する710。通常、負荷制御は、通信システムがシステムの全てのユーザのための品質接続を確実にする方法に関連する。これは、一部のユーザを他の周波数、または基地局へ移し、または特定のサービスオプションを制限することを含む様々な方法で実行されることができる。
【0043】
新しい基地局がアクセスパラメータが満たされたと認識しない場合、ハンドオフは許可されず、そして、移動局は再びハンドオフを要請してもよい706。一方、TDDシステム基地局は、FDD基地局を通して移動局に戻される承認信号経由でハンドオフ要請を承認する712。
【0044】
一旦ハンドオフが始められると、ハンドオフは、TDDおよびFDDシステムの両者での適正時間ハンドオフと同期する。図8は、本発明にしたがうFDD−to−TDD同期の例を提供するフロー図である。アップリンクフレームの第1の部分は、FDDシステムと関連する基地局に、増加されたデータ速度で送られる。1つの実施例において、データ速度を増加させることは、ブロック800に示されるように、移動局からFDDシステム基地局への間のデータ速度を2倍にすることを含む。増加されたデータ速度は、ブロック802に見られるように、最初にTDDデータ転送を同期させるためにプレアンブルをTDD基地局に提供するために用られるままに通常なっている時間を許容する。プレアンブルは、最初の同期を容易にするための情報を含み、移動局からTDDシステムの基地局まで、アップリンクフレームの後の部分において送られる。TDD基地局は、TDD基地局および移動局によって知られた制御チャンネルを経て移動局に承認信号を返すことによって同期を承認する804。
【0045】
同期が確立されるときに、移動局は複数速度モードで動作する806。ここで、データは、情報が1つのデータフレームに対応する期間において両方のシステムに送られるべきことを許容する十分な速度で両方の二重システムに送られる。
【0046】
このようにデータ転送速度を増加させることによって、ハンドオフモードでないときに任意のFDD/TDDシステムに個々に送信されるであろうように、同じ量の情報は移動局から各々のFDD/TDDシステムに送られることができる。そのような複数速度モードの1つの例は、図示され、図9Bと関連して説明される。
【0047】
ハンドオフが完成されるまで、移動局は複数速度モードで動作し続ける806。ハンドオフが完成されたと決定されたとき808、移動局は、現在の例においてTDD基地局である新たな基地局により完全にサポートされる810。
【0048】
図9Aは、本発明にしたがってハンドオフ同期が始められる1つのやりかたを例示する。
【0049】
情報フレーム900は、通信チャンネルを通じて直列に送られるXビットのグループであって、送信されるべき1つのフレームの通常の時間である時間t=1およびt=2の間で示されている。ハンドオフ手順を始めるために、アップリンクフレーム(この例ではfFDD1)は、FDD基地局に増加されたデータ速度で送信される。本発明の一実施例において、データ速度は2倍にされる。そして、それはライン902において表される。ライン902は、アップリンクの間にXビットを送信するための送信時間をほぼ表す。それは、ライン900によって描かれるように、フレームを送信するために通常必要な時間のほぼ1/2である。このフェーズでデータ速度を2倍にすることは、アップリンクフレームのXビットがほぼ半分の時間で送信されることを許容する。
【0050】
フレーム900の後の部分は、「新たな」基地局(例えば、この例ではTDD基地局)に送られるプレアンブル情報で満たされる。プレアンブルは、最初の同期を容易にするための情報を含んで、移動局からFDD基地局まで送られる。プレアンブルは、レシーバに知られているビットパターンまたはトレーニングシーケンスから成っている同期フィールドを含む。このトレーニングシーケンスは、新たな基地局で最初の同期のために備え、チャンネル評価および同等化を援助することができる。ライン904によって見られるように、フレームの後の部分はTDD通信システムにこのプレアンブルを提供するために用いられる。
【0051】
ライン906上の承認信号によって描かれるように、新たな基地局は、制御チャンネルを経て移動ユニットに同期を承認する。
【0052】
現在図9Bを参照して、二重−二重ハンドオフの間の複数速度動作の一実施例は例示される。ナンバーXビットを有する情報フレーム900は、時間t=1およびt=2の間で描かれる。ハンドオフの前に、作動中の移動局はその対応する基地局と通信する。例えば、図9Bは、移動局がハンドオフの前にFDDプロトコルを使用している基地局と通信していてもよいことを示す。これはライン912および914上に見られることができる。ここで、情報は移動局から第1の周波数fFDD1でアップリンクフレーム上の基地局に提供され、そして、ここで、情報は基地局から第2の周波数fFDD2でダウンリンクフレーム上の移動局に提供される。パイロット検索信号を放送している基地局に近接しているときに移動局によって認識されるパイロット検索信号は、ライン916上に表される周波数fPILOTで送られる。
【0053】
移動局がパイロット検索信号を認識して、図9Aにて説明されたように、最初の同期を確立したときに、移動局はハンドオフの間、複数速度モードにおいて作動する。複数速度モードの1つの例は、図9Bのライン918、920および922上に示される。ナンバーXビットを有するライン918上のfFDD1アップリンクは、ライン912上に示されるハンドオフの前に提供されたように、ほぼ2倍の速度でFDD基地局に提供される。ライン920上のfFDD2ダウンリンクフレームは増加されたデータ速度を任意に有し、それにより、ライン914上に示されたようにハンドオフの前に情報を送信するのに必要な時間のほぼ半分の時間でXビットを送信する。新たな基地局と通信するために時間分割二重プロトコルが使用される周波数を表すライン922上に示されるように、情報はまた時間分割二重で周波数fTDD1で送信される。これは、ハンドオフの前の1つのフレームの半分に対応する期間、すなわち、ライン912上の元のFDD信号のデータ速度のデータ速度における4倍の増加をもたらすフレーム900の後の部分の間において成し遂げられる。これは、データを送信するために割り当てられる減少された時間に、および、アップリンクおよびダウンリンク送信の両方が共通の周波数で起こるTDDの特徴に、起因する。ハンドオフが完成されたときに、情報はライン924上に示されるようにTDDシステムだけの新たな基地局を経て送信される。この時に、時間t=1およびt=2の間の1つのフレーム時間インターバルの間、2X送受信ビットが周波数fTDD1で送信されるように、複数速度モードは使用不能にされる。
【0054】
ハンドオフの間に増加された転送速度のために含む複数速度モードの確率は、データバーストモードを用いて実現されることができる。データバーストモードは、データ速度の増加に関連する。例えば、データ速度を増加させることは、本発明が2つの二重システム間の実質的に同時の接続をつくる1つの方法である。上記した複数速度モードを用いて、FDDシステムによってのみ概して使用される期間内に、FDDシステムおよびTDDシステムを経てビットの全ては転送される。あるいは、一部のフレーム(すなわち、フレームのビットの全てより少ない)は、fFDD1アップリンクフレーム(図9Bの918)に送られることができ、残余のビットはfTDDIフレーム(図9Bの922)内のTDDシステムに送られることができる。この場合、第1の部分(例えばフレームビットの半分)は、FDDのみ(FDD−only)動作におけるのと同じ速度で送られる。
【0055】
しかしながら、FDDのみ動作と比較してフレームを送るのに利用できる時間が半分だけであるから、後のTDD部分は、2倍の速度で送られる。
【0056】
本発明はしたがって、確立した通信接続がハンドオフの間、FDDおよびTDD通信システムの両方で維持されることを許容する。全通信フレームがFDDおよびTDD通信システムの両方に送られることは、必要でない。例えば、通信フレームの第1の半分はFDDシステムに送られることができ、そして、通信フレームの第2の半分はTDDシステムに送られることができる。全通信フレームがFDDおよびTDD通信システムの協同集合体によって送信されるように、FDDシステムは、その通常の速度で作動することができ、そして、TDDシステムは、二倍の速度で作動することができる。この例では、フレームの第1の半分はFDDシステムだけに送られ、そして、第2の半分はTDDシステムだけに送られ、そして、全通信フレームは受ける側で再現される。そのような「サブフレーム」が送信される場合に、サブフレームの選択されたグループを送信するために異なる周波数が使用されてもよい。例えば、第1の数のサブフレームが、残余のサブフレームと異なる周波数において送信されてもよい。周波数は、所定のパターン(すなわち、周波数ホッピング)にしたがって変えられることができる。
【0057】
あるいは、全通信フレームがFDDおよびTDD通信システムの両者に送られるべき場合に、データ転送速度は、例えば、FDD通信システムに関して速度を2倍にして、TDD通信システムに関して速度を4倍にするように、更に増加されなければならない。
【0058】
本発明は、また、非ハンドオフ(non−handoff)状況において適用できる。例えば、移動局(MS)のような端末は、図5のハンドオフ領域514のようなハンドオフ領域を通して移動していないことを意味する、比較的静止していてもよい。むしろ、本実施例におけるMSは、FDDシステムの範囲内でまたはTDDシステムの範囲内のようなある場所で使用中であってもよい。本発明は、FDDおよびTDDシステムの間で負荷を分担するためのように、FDD/TDDハンドオフ以外の目的のために、非常に有益である。
【0059】
そのような場合、本発明は、MSとFDDおよびTDDシステムの各々との間の少なくとも一つの二重方向における同時通信を遂行するために先に述べた技術を利用する。例えば、4MHzのFDDダウンリンクバンドを使用している端末が通常1Mbpsのデータ速度を成し遂げることができると仮定する。TDDシステムを経てデータの追加的な500Kbpsを指示することによって、合計1.5Mbpsは成し遂げられることができる。
【0060】
状況が要求するように、情報がFDDおよびTDDシステムの間で分けられる方法は決定されることができる。例えば、制御のためのFDDアップリンクを使用する間、データの全てはTDDダウンリンクを経て伝えられることができた。この「制御」は、送信速度制御信号、電力制御信号、変調制御信号および符号化制御信号のような送信パラメータのための制御信号を含む。この配置は、時たまダウンリンク容量を増加させるために用いることができ、あるいは、負荷を分配する目的のために使われることができた。そのような使用は、TDDおよびFDDシステムの両者を使用している本質的に同時の送信/受信を必要とし、前述したように複数速度モードを利用する。
【0061】
上記の実施例が例証であり、それに限定されないことは認識されなければならない。例えば、前述の説明から直ちに当業者にとって明らかであるように、TDDシステムからFDDシステムへのハンドオフはまた成し遂げられることができる。移動局がTDDシステムからFDDシステムまで移動するにつれて、FDDシステムのパイロット検索信号をモニタすることによってハンドオフは始められる。パイロット検索信号が充分なレベルにあるときに、移動局がFDDシステムによって与えられるハンドオフを要請する。ハンドオフはTDDアップリンクフレームのデータ速度を増加させることによって同期し、プレアンブルは、周波数分割二重通信を確立するFDDシステムに、フレームの後の部分において送られる。FDD基地局は、同時に情報をTDDシステムおよびFDDシステムに伝達する場合に、移動局が複数速度モードにおいて作動し始めるその時に、この同期を承認する。
【0062】
本発明の他の実施例は、明細書およびここで開示される本発明の実行を考慮することにより、当業者に明らかになる。明細書および実施例が、請求項により指示されている本発明の本当の範囲および趣旨を伴う、模範のみとして考慮されることは、意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】周波数分割二重(FDD)多重アクセスを利用している多元接続セルネットワークを描く図である。
【図2】FDD−対になった周波数帯の周波数特徴を示す図である。
【図3】n周波数チャンネルが時間分割二重通信を提供する1つの可能な時間分割二重(TDD)構成を示す図である。
【図4】2つのTDDシステム間の時間分割二重情報転送の例を例示している図である。
【図5】移動局がFDDシステムからTDDシステムまで移動するにつれて、二重−二重(duplex−to−duplex)ハンドオフの一実施例を例示している図である。
【図6】FDDプロトコルでサポートされるシステムとTDDプロトコルでサポートされるシステムとの間のハンドオフ手順の一実施例のフロー図である。
【図7】本発明にしたがうソフトハンドオフセットアップの一実施例のフロー図である。
【図8】本発明にしたがうFDD−TDD(FDD−to−TDD)同期の一実施例のフロー図である。
【図9A】二重−二重ハンドオフの間にインプリメントされた同期および複数速度動作の一実施例を例示する図である。
【図9B】二重−二重ハンドオフの間にインプリメントされた同期および複数速度動作の一実施例を例示する図である。
【符号の説明】
【0064】
200…ライン、202…ライン、204…二重バンド、300…周波数チャンネル−1、400…ライン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数分割二重(FDD)通信システムと時間分割二重(TDD)通信システムとの間の移動ユニット通信ハンドオフを制御するための方法において、前記移動ユニットは、他のシステムに向かって、つまり前記FDDおよびTDD通信システムのうちの目標とされた1つのシステムに向かって移動している間、前記FDDおよびTDD通信システムのうちの現在の1つのシステムを経て情報を送信し、前記方法は、
前記目標とされた通信システムの送信範囲に対応するパイロット検索信号を生成すること;
前記移動ユニットが前記パイロット検索信号の所定の閾値レベルを認識するとき、前記現在の通信システムから前記目標とされた通信システムへの前記通信ハンドオフを開始すること;
前記移動ユニットと前記現在のおよび目標とされた通信システムとの間で同時通信を同期させること;および
同期が完成したときに、前記移動ユニットと前記現在の通信システムとの間の送信を終了して、前記移動ユニットと前記目標とされた通信システムとの間の通信を維持することを含む、方法。
【請求項2】
前記現在の通信システムがFDD通信システムであり、前記目標とされた通信システムがTDD通信システムである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現在の通信システムがTDD通信システムであり、前記目標とされた通信システムがFDD通信システムである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記通信ハンドオフを始めることは、前記移動ユニットが前記パイロット検索信号の前記所定の閾値レベルを認識するときに前記移動ユニットによってハンドオフを要請することを備えている請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記移動ユニットによりハンドオフを要請することは、前記現在の通信システムに前記ハンドオフ要請を知らせること、および前記現在の通信システムを経て前記目標とされた通信システムに前記ハンドオフ要請を供給することを備えている請求項4に記載の方法。
【請求項6】
所定のパラメータに基づいて前記目標とされた通信システムで前記移動ユニットにアクセスを与えるかどうか決定すること、および前記所定のパラメータによって正当化されたときに、前記現在の通信システムを経て前記目標とされた通信システムから前記移動ユニットに承認信号を供給することをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
所定のパラメータに基づいて前記移動ユニットにアクセスを与えるかどうかを決定することは、負荷制御パラメータを解析することを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記移動ユニットと前記現在のおよび目標とされた通信システムとの間の同時通信を同期させることは、 前記移動ユニットと前記現在の通信システムとの間のアップリンクフレームにおけるデータ速度を増加させること、および 前記増加されたデータ速度により利用可能になったアップリンクフレームの残余の部分の間、同期プレアンブルを前記目標とされた通信システムに送信することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
データ速度を増加させることは、前記移動ユニットと前記現在の通信システムとの間のデータ速度をほぼ2倍にすることを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記目標とされた通信システムによって前記移動ユニットへの同期を承認することをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
同期を承認することは、制御チャンネルを経て前記移動ユニットに承認信号を供給することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記同期承認と同時に複数速度モードで作動することをさらに備え、そこで、前記複数速度モードは、前記移動ユニットと前記現在の通信システムとの間のアップリンクフレームにおいて増加された速度で前記現在の通信システムに情報を送ること、および前記移動ユニットと前記目標とされた通信システムとの間のアップリンクフレームの残余の部分において増加された速度で前記目標とされた通信システムに情報を送ることを含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
周波数分割二重(FDD)通信システムから時間分割二重(TDD)通信システムへの移動ユニットの通信ハンドオフを制御するための方法において、前記移動ユニットは、前記FDD通信システムを経て情報を送信し、前記方法は、
前記TDD通信システムの送信範囲に対応するパイロット検索信号を生成すること;
前記移動ユニットが前記パイロット検索信号の所定の閾値レベルを認識するとき、前記FDD通信システムから前記TDD通信システムへの前記通信ハンドオフを開始すること;
前記移動ユニットと前記FDDおよびTDD通信システムとの間で同時通信を同期させること;
前記移動ユニットと前記FDD通信システムとの間のアップリンクフレームにおける増加されたFDDデータ速度で前記FDD通信システムで前記情報を通信すること、および前記移動ユニットと前記TDD通信システムとの間のアップリンクフレームの残余の部分における増加されたTDDデータ速度で前記TDD通信システムで前記情報を通信することを含んで、前記TDD通信システムによる同期の承認と同時に複数速度モードで前記情報を送信すること、および
同期が完成したときに前記移動ユニットと前記FDD通信システムとの間の送信を終了して、前記移動ユニットと前記TDD通信システムとの間の通信を維持することを含む、方法。
【請求項14】
前記移動ユニットと前記FDDおよびTDD通信システムの両者との間の同時通信を同期させることは、前記移動ユニットと前記FDD通信システムとの間のアップリンクフレームにおける前記FDDデータ速度を増加させること、および前記増加されたFDDデータ速度によって利用可能にされたアップリンクフレームの残余の部分の間、同期プレアンブルを前記TDD通信システムに送ることを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
同期の間、前記FDDデータ速度を増加させることは、前記移動ユニットと前記FDD通信システムとの間の前記をほぼ2倍にすることを請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記TDD通信システムによって前記移動ユニットへの同期を承認することをさらに含む請求項14に記載の方法。
【請求項17】
増加されたFDDデータ速度で前記FDD通信システムに対して前記情報を通信することは、前記FDD送信データ速度のほぼ2倍で前記情報を送信することを含む請求項13に記載の方法。
【請求項18】
増加されたTDDデータ速度で前記TDD通信システムに対して前記情報を通信することは、前記TDD送信データ速度のほぼ2倍で前記情報を送信することを含む請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記情報は、CDMAを使用している前記移動ユニットによって通信される請求項13に記載の方法。
【請求項20】
時間分割二重(TDD)通信システムから周波数分割二重(FDD)通信システムへの移動ユニット通信ハンドオフを制御するための方法において、前記移動ユニットは、前記TDD通信システムを経て情報を送信し、前記方法は、
前記FDD 通信システムの送信範囲に対応するパイロット検索信号を生成すること;
前記移動ユニットが前記パイロット検索信号の所定の閾値レベルを認識するとき、前記TDD通信システムから前記FDD通信システムへの前記通信ハンドオフを開始すること;
前記移動ユニットと前記TDDおよびFDD通信システムとの間で同時通信を同期させること;
前記移動ユニットと前記TDD通信システムとの間のアップリンクフレームにおける増加されたTDDデータ速度で前記TDD通信システムで前記情報を通信すること、および前記移動ユニットと前記FDD通信システムとの間のアップリンクフレームの残余の部分における増加されたFDDデータ速度で前記FDD通信システムで前記情報を通信することを含んで、前記FDD通信システムによる同期の承認と同時に複数速度モードで前記情報を送信すること、および 同期が完成したときに前記移動ユニットと前記TDD通信システムとの間の送信を終了して、前記移動ユニットと前記FDD通信システムとの間の通信を維持することを含む、方法。
【請求項21】
前記移動ユニットと前記TDDおよびFDD通信システムとの間の同時通信を同期させることは、前記移動ユニットと前記TDD通信システムとの間のアップリンクフレームにおける前記TDDデータ速度を増加させること、および 前記増加されたTDDデータ速度によって利用可能とされた前記アップリンクフレームの残余の部分の間、同期プレアンブルを前記FDD通信システムに送信することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記情報はCDMAを使用している前記移動ユニットによって通信される請求項20に記載の方法。
【請求項23】
周波数分割二重(FDD)通信システムと時間分割二重(TDD)通信システムとの間の移動ユニット通信ハンドオフを管理するシステムであって、前記システムは、
周波数分割二重モードで前記移動ユニットと通信するための、および前記FDD通信システムの送信範囲に対応するパイロット検索信号を生成するための前記FDD通信システム内のFDD基地局;
時間分割二重モードで前記移動ユニットと通信するための、および前記TDD通信システムの送信範囲に対応するパイロット検索信号を生成するための前記TDD通信システム内のTDD基地局;
他のシステムに向かって、つまり前記FDDおよびTDD通信システムの目標とされた1つのシステムに向かって移動している間、前記FDDおよびTDD通信システムの現在の1つのシステムを経て情報を送信している移動ユニットを含み、前記移動ユニットは、前記目標とされた通信システムからの前記パイロット検索信号が所定の閾値レベルに到達したときに、前記第1および第2のパイロット検索信号を受信し、前記現在の通信システムから前記目標とされた通信システムへのハンドオフを始めるための受信ユニット;および 前記移動ユニットと前記現在のおよび目標とされた通信システムとの間の同時通信を同期させ、同期と同時に前記現在の通信システムおよび前記目標とされた通信システムで情報を同時に通信する二重トランシーバを含み、ここで、前記二重トランシーバは、前記現在のおよび目標とされた通信システムの両者で通信を同時にサポートするハンドオフの間、前記移動ユニットと前記現在のおよび目標とされた通信システムとの間のデータ速度を増加させることができるバーストモードを含む、システム。
【請求項24】
1つの通信システムから他の通信システムへの通信ユニットのハンドオフの間、周波数分割二重(FDD)通信システムと時間分割二重(TDD)通信システムとの間の接続を維持する方法であって、
前記FDDおよびTDD通信システムの1つへ通信フレームの第1の部分を送信すること;
前記FDDおよびTDD通信システムの他の1つに通信フレームの第2の部分を送信すること;
増加されたデータ速度で前記通信フレームの前記第1および第2の部分の少なくとも1つを送信すること;および そこで、通信は、前記通信フレームの送信の間、前記FDDおよびTDDシステムの両者で起こり、そして、そこで、ハンドオフが起こらないときに、前記通信は、前記通信フレームを前記FDDおよびTDDシステムのどちらにでも送るのに必要な時間と等価な時間において起こる、を含む方法。
【請求項25】
前記通信フレームの前記第1の部分を送信することは、前記FDDおよびTDD通信システムの1つに前記通信フレームの全てを送信することを備え、前記通信フレームの前記第2の部分を送信することは、前記FDDおよびTDD通信システムの他の1つに前記通信フレームの全てを送信することを備え、そして、増加されたデータ速度で前記通信フレームの前記第1および第2の部分の少なくとも1つを送信することは、ハンドオフが起こっていないときに、前記通信フレームを前記FDDおよびTDDシステムのどちらにでも送信するために必要な時間と等価な時間において前記通信フレームの全てが前記FDDおよびTDDシステムの両者に送信されるように、増加されたデータ速度で前記通信フレームの前記第1および第2の部分の両者を送信することを含む 請求項24に記載の方法。
【請求項26】
増加されたデータ速度で前記通信フレームの前記第1および第2の部分の両方を送信することは、2倍の速度で前記FDD通信システムに前記通信フレームの前記第1の部分を送信すること、および 4倍の速度で前記TDD通信システムに前記通信フレームの前記第2の部分を送信することを含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記通信フレームの第1の部分は、前記FDDおよびTDDシステムの他ではなく1つのみに送られ、前記通信フレームの第2の部分は、前記FDDおよびTDDシステムの前記他のみに送られる請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記通信フレームが受け取られ、前記FDDおよびTDDシステムに送られた前記通信フレームの前記第1および第2の部分を結合することによって再現される請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記通信フレームの前記第1の部分を送信することは、前記FDDおよびTDD通信システムの1つへ前記通信フレームの第1の半分を送信することを備え;
前記通信フレームの前記第2の部分を送信することは、前記FDDおよびTDD通信システムの他の1つへ前記通信フレームの第2の半分を送信することを備え;そして、増加されたデータ速度で前記通信フレームの前記第1および第2の部分の少なくとも1つを送信することは、前記通信フレームの第1の半分が前記FDDシステムに増加されていない速度で送信され、前記通信フレームの第2の半分が前記TDDシステムに2倍のデータ速度で送信されるように、前記通信フレームの前記第2の半分を増加されたデータ速度で送信することを含む請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記通信フレームの第1の数のサブフレームは前記FDDおよびTDDシステムの他ではなく1つのみに送られ、前記通信フレームの第2の数のサブフレームは前記FDDおよびTDDシステムの他のみに送られる請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の数のサブフレームの少なくとも1つは、他の1つのサブフレームと異なる周波数において送信される請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記周波数は所定のパターンを使用して変えられる請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記FDDおよびTDD通信システムは異なる周波数帯において作動する請求項24に記載の方法。
【請求項34】
前記FDDおよびTDD通信システムは共に配置され、異なる周波数帯において作動する請求項24に記載の方法。
【請求項35】
前記FDDおよびTDD通信システムは一般の周波数帯において少なくとも部分的に作動する請求項24に記載の方法。
【請求項36】
前記ハンドオフは移動電話回線網の移動局によって要請される請求項24に記載の方法。
【請求項37】
通信ユニットと周波数分割二重(FDD)および時間分割二重(TDD)通信システムとの間の情報送信を制御する方法であって、前記通信ユニットは前記FDDおよびTDD通信システムの第1の1つを経て情報を送信しており、前記方法は、
前記FDDおよびTDD通信システムの第2の1つの送信範囲と対応するセル識別信号を生成すること;
前記通信ユニットがセル識別信号を承認し、それにより前記FDDおよびTDD通信システムの両者のサービス領域内にあるときに、前記通信ユニットと前記FDDおよびTDD通信システムの両者との間の実質的に同時の通信を開始すること;および 前記FDDおよびTDD通信システムの各々で前記情報の少なくとも一部を同時に通信することによって、前記通信ユニットと前記FDDおよびTDD通信システムの各々との間の実質的に同時の通信を維持することを含む、方法。
【請求項38】
前記FDDおよびTDD通信システムの各々で前記情報の少なくとも一部を同時に通信することは、前記FDDおよびTDD通信システムの各々で前記情報を同時に通信する間の情報送信速度がFDD情報送信のみまたはTDD情報送信のみと関連する情報送信速度よりも大きいように、複数速度モードで作動することを含む請求項37の方法。
【請求項39】
前記FDDおよびTDD通信システムの各々で前記情報の少なくとも一部を同時に通信することは、負荷分配のために備えるため、前記FDDおよびTDD通信システムをそれぞれ経て前記情報の異なる部分を同時に送信することを含む請求項37の方法。
【請求項40】
前記FDDおよびTDD通信システムの各々で前記情報の少なくとも一部を同時に通信することは、前記FDD通信システムを経て制御信号を送信する間前記TDD通信システムを経てデータを同時に送信することを含む請求項37の方法。
【請求項41】
前記制御信号は、転送速度制御信号、電力制御信号、変調制御信号、およびコード化制御信号のグループから選択される請求項40の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【公開番号】特開2012−147439(P2012−147439A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−11364(P2012−11364)
【出願日】平成24年1月23日(2012.1.23)
【分割の表示】特願2010−167500(P2010−167500)の分割
【原出願日】平成12年7月24日(2000.7.24)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】