説明

周波数可変無線認証(RFID)タグ

自身の共振周波数を動的に変動させて、電磁気的「タグ間」結合の潜在的影響を減少または除去する各種の無線認証(RFID)タグ12について記載する。RFIDタグは、例えば、第1の共振周波数に同調された主アンテナ14と、主アンテナの共振周波数を動的に変化させるスイッチング回路18とを含んでいる。スイッチング回路は、容量素子、誘導素子またはそれの組合せ等の電気素子を選択的に結合させて、RFIDタグの共振周波数を変動させることができる。RFIDタグは、主アンテナの共振周波数を調整するために、電気素子をいつ主アンテナに選択的に接続すべきかを判定する検知回路を含んでいてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品管理用の無線認証(RFID)システムに関し、より具体的にはRFIDタグに関する。
【背景技術】
【0002】
無線認証(RFID)技術は、輸送、製造、廃棄物管理、郵便物追跡、航空手荷物照合、および高速道路通行料管理を含む、実質的にあらゆる産業において広く利用されている。典型的なRFIDシステムは、複数のRFIDタグ、RFIDタグと通信すべくアンテナを備えた少なくとも1個のRFID読取装置または検出システム、およびRFID読取装置を制御するコンピュータ装置を含んでいる。RFID読取装置は、タグにエネルギーまたは情報を提供可能な送信器、およびタグから識別情報その他の情報を受信可能な受信器を含んでいる。コンピュータは、RFID読取装置が取得した情報を処理する。
【0003】
一般に、タグから受信される情報は、特定のアプリケーションに固有であるが、タグが固定された物品を識別する場合が多い。物品とは、製造物、本、ファイル、動物または個人、あるいは実質的に他の任意の有形物であってよい。物品には追加的なデータも与えることができる。製造工程の間にタグを用いて、例えば、製造中の自動車のシャーシの塗装色その他の有用な情報を示すことができる。
【0004】
RFID読取装置の送信器は、アンテナを介してRF信号を出力して、情報を搬送するRF信号をタグが返信できるようにする電磁場を生成する。送信器はアンプを利用して変調された出力信号によりアンテナを駆動する。
【0005】
従来のタグは、内部電源を含む「能動的」タグ、またはRFID読取装置アンテナが生成した電磁場からエネルギーを与えられる「受動的」タグであった。エネルギーを与えられたならば、タグは所定のプロトコルを用いて通信を行なうことにより、RFID読取装置が1個以上のタグから情報を受信可能にする。コンピュータ装置は、RFID読取装置から情報を受信して、データベースの更新等の何らかの動作を実行することにより情報管理システムとして機能する。また、コンピュータ装置は送信器を介してタグにプログラム・データを書き込む装置として機能することができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一般に、無線認証(RFID)タグは、自身の共振周波数を自動的且つ動的に変動させて電磁気的「タグ間」結合の潜在的影響を減少または除去するものとして記述される。ある種の環境において、物品間の距離は制限されており、読取装置アンテナが生成した電磁場内に複数の物品が同時に存在してもよい。その結果、物品に取り付けられたいくつかのRFIDタグ間に電磁的な「結合」が発生して、いくつかのタグの共振周波数にシフトが生じる結果となる。共振周波数におけるシフトにより、RFIDタグがRFID読取装置と情報交換する能力が損なわれる虞がある。
【0007】
本明細書に記載する技術は、RFIDタグが無線周波数エネルギーを後方散乱させる共振周波数を変化させることにより、タグ間結合に起因して生じる共振周波数における変動を自動的に補償する。このように、実質的なタグ間電磁結合が発生する場合においても、本技術によりRFIDタグが有効なRFID通信を維持できるようになる。
【0008】
一実施形態において、RFIDタグは、第1の共振周波数に同調された主アンテナと、主アンテナの共振周波数を動的に変化させるスイッチング回路とを含んでいる。
【0009】
別の実施形態における方法は、関連付けられた共振周波数において無線認証(RFID)タグの主アンテナを動作させるステップと、主アンテナの共振周波数を動的に変化させるステップとを含んでいる。
【0010】
別の実施形態におけるRFIDシステムは、RFID呼掛け装置と、物品に関連付けられたRFIDタグであって、物品に関する情報を取得すべく当該呼掛け装置が呼掛けるRFIDタグと、RFID呼掛け装置から取得した情報を処理するコンピュータ装置を含んでいる。RFIDタグは、第1の共振周波数に同調された主アンテナと、主アンテナに電気的に接続されていて、関連付けられた物品の情報を格納する集積回路と、主アンテナの共振周波数を調整すべく1個以上の要素を主アンテナに選択的に接続するスイッチング回路とを含んでいる。
【0011】
本発明の1個以上の実施形態の詳細を、添付の図面および以下の説明に開示する。本発明の他の特徴、目的および利点は、説明と図面、および請求項から明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
従来の無線認証(RFID)システムにおいて、RFIDタグが互いに近接して配置された場合、RFIDタグが互いに干渉し合う虞がある。そのようなタグ同士の電磁結合の結果、タグの共振周波数のシフトが生じる場合があることが判明している。シフトされた共振周波数は、タグへの給電に十分な誘導電流を所定の1個のRFIDタグに与えることができない場合があるため、RFIDタグが呼掛け装置の検出可能な周波数の範囲外にある要因となる。
【0013】
一般に、結果として生じる周波数シフトの規模は、RFIDタグ間の距離、タグの大きさ、タグ間に生じる同一平面上の重なりの程度、および重なるタグの総数に依存する。複数のタグが重なり合う位置に互いに一定の近接位置に配置された場合に、タグ間結合に起因する周波数シフトのある例示的な大きさを以下の表1に示す。表1において、Aはタグの高さ、Bはタグの幅、Nは重なり合うタグの個数、Xは連続するタグ間の距離、Fは結果として生じるタグの共振周波数である。表1に示す例示的な測定値は下方周波数シフトであるが、タグ結合により生じた周波数シフトは上方周波数シフトであってもよい。表1から分かるように、10個の重なり合うタグ間の電磁結合により、タグが約2MHzで応答する周波数をシフトされ得るため、読取装置が首尾よくタグと通信できなくなるか、または読み取り囲が大幅に縮小される場合がある。
【0014】
【表1】

【0015】
図1は、自身の共振周波数を自動的且つ動的に変動させてタグ間結合の潜在的影響を減少または除去させるRFIDタグ12を示すブロック図である。特に、RFIDタグ12は、タグ間結合が生じる環境だけでなくタグ間結合が生じない環境において機能すべく、自身の共振周波数を動的に変化させる。換言すれば、RFIDタグ12は、RFIDタグ12の共振周波数を変化させることにより、タグ間結合に起因して生じる共振周波数のシフトを自動的に補償して、RFIDタグ12に給電するのに十分な電流レベルが誘導されるようにし、これにより効果的なRFID通信を維持する。
【0016】
図1に示す実施形態において、RFIDタグ12は、多くの場合「RFIDチップ」と呼ばれる集積回路16と電気的に結合される主アンテナ14を含んでいる。主アンテナ14は、特定の周波数、例えば、RFIDシステムの動作周波数、動作周波数より低い周波数、またはRFIDシステムの動作周波数より高い周波数のいずれかに同調されている。集積回路16は、多くの場合、RFIDタグ12が取り付けられた物品に関連する情報を保存する内部メモリ(図示せず)を含んでいる。
【0017】
動作時には、主アンテナ14は、当分野で公知の方法でソースからRFエネルギーを受信して、RFエネルギーを後方散乱させる。RFID読取装置または検出システム等の呼び掛け装置がRFIDタグ12から情報を、より具体的にはRFID12タグが関連付けられた物品に関する情報を取得する信号を提供するのは、この後方散乱されたRFエネルギーである。RFIDタグ12は、タグ間結合に起因してタグの関連する共振周波数が変動する状況を補償すべく、主アンテナ14が共振する周波数を自動的に変化させるスイッチング回路18を含んでいる。スイッチング回路18は、例えば、容量または誘導素子等の回路素子を選択的にスイッチイン(接続)/スイッチアウト(切断)することにより、主アンテナ14の共振周波数を調整して2個以上の共振周波数の間で交替するようにできる。例えば、主アンテナ14は、初期状態では、タグ間結合が生じる状況を補償すべく周囲のRFIDシステムの動作周波数より高い周波数に同調されていてよい。従って、ある場合には、タグ間結合により主アンテナ14の関連する共振周波数が低下して、RFIDタグ12に給電するのに十分な電流を主アンテナ14に誘導させる。タグ結合または干渉が存在しない場合、スイッチング回路18は自動的に容量素子を主アンテナ14と並列に接続して、主アンテナ14が共振する周波数を低下させることにより、関連する共振周波数を周辺システムの周波数まで下げることができる。続いて、タグ間結合が存在する場合、スイッチング回路18は容量素子を切断することにより、主アンテナ14の関連する共振周波数をRFIDシステムの動作周波数まで再び上昇させることができる。
【0018】
いくつかの実施形態において、RFIDタグ12へのエネルギーが遮断された、すなわち、主アンテナ14がRF場に存在しない場合に、スイッチング回路18が主アンテナ14の共振周波数を調整することができる。換言すれば、スイッチング回路18は各々の起動サイクルにおいて主アンテナ14の共振周波数を調整することができる。例えば、スイッチング回路18は1個以上の回路素子を自動的に接続または切断することができ、主アンテナ14に、第1の起動サイクルの間は第1の周波数で、また第2の起動サイクルの間は第2の周波数で共振させる。本実施形態において、RFIDタグ12は、RFIDタグ12用にどの共振周波数が最適かを決定する機構を必要としない。あるいは、スイッチング回路18は単一の起動サイクルの間、主アンテナ14の共振周波数を自動的に調整することができる。本実施形態において、RFIDタグ12は、主アンテナ14が適当な周波数で共振しているか否かを判定して、誘導電圧がRFIDタグ12に電力を供給するには不十分な場合には、主アンテナ14の共振周波数を調整する。
【0019】
いくつかの実施形態において、RFIDタグ12は、スイッチング回路18が主アンテナ14の共振周波数を変更すべきか否かを判定するために用いる検知アンテナ20等の検知回路を含んでいてよい。換言すれば、主アンテナ14を用いてRFID通信を行ない、一方、検知アンテナ20を用いてスイッチング回路18が主アンテナ14の共振周波数を変更すべきか否かを判定する。スイッチング回路18は、主アンテナ14と検知アンテナ20のどちらがより最適な周波数で動作しているか、すなわち、システム周波数により近いかに基づいて、主アンテナ14の共振周波数を自動的に調整する。このように、検知アンテナ20を、タグ間結合が存在するか否かを判定または検知するものと見なすことができ、スイッチング回路18は基本的に、タグ間結合が検出されたか否かに基づいて主アンテナ14の共振周波数を調整することにより、RFIDタグ12に給電するのに十分な電流を主アンテナが誘導できるようにする。その結果、検知アンテナ20は主アンテナ14に比べて小さくてよく、必ずしもRFIDタグ12自身に給電するほどの大きさでなくてもよい。
【0020】
例えば、検知アンテナ20はRFIDシステムの動作周波数に同調されてよく、主アンテナ14はRFIDシステムの動作周波数より高い周波数に同調されてよい。動作周波数が約13.56MHzであるRFIDシステムにおいて、例えば、検知アンテナ20は約13.56MHzに同調されてよく、主アンテナ14は約20MHzに同調されてよい。その結果、検知アンテナ20が十分な電流を誘導するのは、(1)RFIDタグ12が、検知アンテナの同調された周波数とほぼ同じ周波数のRF場に配置されている場合、(2)検知アンテナが不十分なタグ間結合を検知した、すなわち、検知アンテナがシステム周波数の近くで動作している場合である。この誘導電流により、スイッチング回路18は容量素子を主アンテナ14と並列に接続し、その結果、主アンテナ14の共振周波数が低下する。このように、主アンテナ14の共振周波数は、初期の高周波から周辺RFIDシステムの動作周波数まで自動的に下げられる。
【0021】
他のタグがRFIDタグ12に近接している場合、検知アンテナ20は十分なタグ間結合を検知して、自身の共振周波数をRFIDシステムの動作周波数よりも低く下げる。その結果、検知アンテナ20により誘導された電流が所定の閾値よりも低く下がることにより、スイッチング回路18が容量素子を主アンテナ14から切断するか、あるいはRFIDタグ12において容量素子が接続された状態にない場合、スイッチング回路18は動作しない。しかし、容量素子を切断したことによる主アンテナ14の共振周波数の増大は、タグ間結合に起因してRFIDシステムの動作周波数まで低下する。このように、RFIDタグ12は、他のRFIDタグが存在してタグ間結合を生じるか否かに関わらず、主アンテナ14の共振周波数を自動的に調整して通信を実現する。
【0022】
図1のRFIDタグ12は単一の検知アンテナしか含んでいないが、RFIDタグ12が2種以上の周波数で共振可能にすべく、RFIDタグ12が複数の検知アンテナおよび高次のスイッチング回路を含んでいてよい。例えば、RFIDタグ12は、異なる周波数に同調する2個の検知アンテナを含んでいてよい。本実施形態において、スイッチング回路18はオプションとして、複数の回路素子を接続および切断して主アンテナ14の共振周波数を調整することにより、検知アンテナの共振周波数およびタグ結合の程度に応じて、RFIDタグ12が3種の異なる周波数で共振できるようにする。追加的な検知アンテナを用いて粒度を増すことにより、スイッチング回路18がタグ間結合に対応して、RFIDシステムの動作周波数またはその付近で共振するように主アンテナ14を制御することができる。
【0023】
図2は、自身の共振周波数を動的に調整可能なRFIDタグ22の例示的な一実施形態を示す回路図である。図に示す実施形態において、RFIDタグ22は、主アンテナ14、検知アンテナ20、およびスイッチング回路18を含んでいる。スイッチング回路18は、近接して配置された他のRFIDタグとのタグ間結合を補償すべく主アンテナ14の共振周波数を変化させるために、容量素子24を主アンテナ14と選択的に並列接続および切断する。特に、スイッチング回路18は、検知アンテナ20により誘導された電流の量に基づいて、容量素子24を主アンテナ14と並列接続および切断する。
【0024】
その結果、スイッチング回路18を、検知アンテナ20がシステム動作周波数付近で動作しているか、またはタグ間結合に起因する共振周波数の減少を検知したか否かに基づいて、主アンテナ14の共振周波数を動的に制御するものと見なすことができる。換言すれば、スイッチング回路18は、主アンテナ14と検知アンテナ20のどちらが最適周波数、すなわちRFIDシステムの動作周波数に最も近い周波数で動作しているかを判定し、この判定に従って容量素子24を接続(スイッチイン)/切断(スイッチアウト)する。
【0025】
図2に示すように、主アンテナ14は、容量素子26および誘導素子28として表わされている。例えば、容量素子26は、主アンテナ14を形成すべく製造された導電トレースの容量特徴だけでなく、主アンテナ14に電気的に結合された集積回路(図示せず)の静電容量を表わすことができる。誘導素子28は、主アンテナ14を形成する導電トレースのインダクタンスを表わすことができる。検知アンテナ20もまた、容量素子30および誘導素子32を含んでいて、検知アンテナ20を形成すべく製造された導電トレースの容量および誘導特徴を表わすことができる。
【0026】
スイッチング回路18は、ダイオード34、分圧器38を形成すべく構成された抵抗器36Aおよび36B、トランジスタ40、並びに容量素子24を含んでいる。ダイオード34は、分圧器38によりトランジスタ40へ印加すべく、アンテナ14、20により誘導された電流から生じる電圧を維持し、それによりスイッチング回路18のスイッチング機能を制御する。分圧器38は、容量素子24の主アンテナ14との並列接続のスイッチングを制御する。
【0027】
分圧器38の抵抗器36A、36Bは、トランジスタ40がオンになる閾値を制御すべく選択することができる。例えば、抵抗器36Aの抵抗が抵抗器36Bの抵抗より大きい場合、トランジスタ40は、検知アンテナ20からより多くの誘導電流を受けてオンになる。上述のように、トランジスタ40は分圧器38の両端の電圧により制御され、当該電圧は検知アンテナ20内で誘導された電流に正比例する。トランジスタ40はこのように、起動時に容量素子24を主アンテナ14と並列に接続し、停止時に容量素子24の接続を切断するスイッチとして機能する。
【0028】
具体的には、RFIDタグ22がRF場に配置された場合、例えば、呼掛け装置がRFIDタグ22に呼掛けを試みる場合に、各々の電流が主アンテナ14および検知アンテナ20内で誘導される。隣接するタグがRFIDタグ22から離れて過ぎて不十分なタグ間結合が生じた場合、検知アンテナ20がRFIDシステムの動作周波数、すなわち、呼掛け装置がRFエネルギーを発する周波数に同調されているために、検知アンテナ20内で誘導された電流は主アンテナ14内で誘導された電流より強い。検知アンテナ20内の高電流は、分圧器38の両端の電圧を、トランジスタ40をオンにするのに十分高く上昇させ、それにより容量素子24を主アンテナ14と並列に接続する。このように、トランジスタ40は、分圧器38の電圧が制御された閾値の設定ポイントを上回った場合に起動されるスイッチとして機能する。容量素子26と並列に容量素子24を配置することにより、容量素子24の静電容量に基づいて、主アンテナ14の共振周波数が、例えば、20MHzから13.56MHzへ下がる。容量素子24は、コンデンサ、ダイオード、トランジスタ等、蓄電容量を有する任意の素子を含んでいてよい。
【0029】
しかし、隣接するRFIDタグがRFIDタグ22に近接している場合、結果として生じるタグ間結合により、主アンテナ14および検知アンテナ20の両方が共振する周波数が低下する。タグ結合により主アンテナ14の共振周波数が充分低下したならば、主アンテナ14は検知アンテナ20よりもRFIDシステムの動作周波数(例えば13.56MHz)に近い周波数で共振する。これが生じた場合、主アンテナ14内で誘導された電流が増大して、分圧器38の電圧を閾値設定ポイントよりも低く下げる。従って、トランジスタ40が停止されて、容量素子24は主アンテナ14との並列接続から切断される。このように、隣接するタグとのタグ間結合は、RFIDシステムが動作している周波数の付近で主アンテナ14が動作するように、主アンテナ14の周波数を離調させることにより、離調無しではタグ干渉が生じる虞のある環境において、RFIDタグ22が首尾よくRFID読取装置と通信できるようにする。
【0030】
図2に示す例示的なタグ22は2個の周波数でのみ動作するが、2個より多くの周波数で動作すべく可変周波数タグを設計することができる。例えば、タグ22は、4個の検知アンテナと、RFIDシステムの動作周波数に最も近い周波数で動作するアンテナを選択する4択スイッチを含んでいてよい。更に、図2の例においてスイッチング回路18は容量素子を主アンテナ14と並列に接続するが、スイッチング回路は容量素子を主アンテナ14と直列に接続して、容量素子を短絡させて、あるいは誘導素子を主アンテナ14と直列または並列に接続して、またはこれらを組み合わせて、主アンテナ14の共振周波数を変化させることができる。例えば、検知アンテナ20内で誘導された電流が所望の閾値を超えた場合に、主アンテナ14の共振周波数を増大させるべく、主アンテナ14を13.56MHzに同調させ、検知アンテナ20を20MHzに同調させ、また検知回路18が容量素子26を短絡させることができる。また、いくつかの実施形態において、スイッチング回路18は、分流器または他の何らかの回路応答測定器を用いて、アンテナ14、20のどちらがより最適な周波数で動作しているかを測定することができる。図2に示す実施形態は、集積回路16内の複数の回路素子、単一の回路素子、またはその組合せにより実装することができる。
【0031】
図3は、自身の共振周波数を動的に調整可能なRFIDタグ44の別の実施形態を示すブロック図である。図に示す実施形態において、RFIDタグ44は、アンテナ42の追加的なループとして誘導素子48A、48Bを選択的に含めるべく、誘導素子48Aと48Bとを切替えるスイッチ46を含んでいる。このように、スイッチ46は、RFIDタグ44が共振する周波数を変動させることが可能である。
【0032】
誘導素子48A、48Bは、アンテナ42の追加的なループを形成すべく製造された導電トレースの部分を含んでいる。しかし、誘導素子48A、48Bは、インダクタンスを有する任意の素子であっても、あるいは完全に別個のアンテナであってもよい。図3の例に示すように、誘導素子48Aは、誘導素子48Bより物理的に短い。従って、RFIDタグ44は、スイッチが誘導素子48Bに接触している時よりも、スイッチ46が誘導素子48Aと接触するように配置されている場合に、より高い周波数で共振する。
【0033】
スイッチ46は、低出力微小電子機械システム(MEMS)スイッチ、コンデンサ・スイッチ、または他のスイッチング素子を含んでいてよい。スイッチ46は、例えば単一の起動サイクルの最中に、または起動サイクルが交替する時点で、誘導素子48Aと誘導素子48Bの間を自動的に切替えるべく設計されている。一実施形態において、スイッチ46は、交替する起動サイクルにおいてRFIDタグ44の共振周波数を変化させる低出力MEMSスイッチを含んでいる。本実施形態において、MEMSスイッチ46は位置の切替えに、集積回路16が正常に機能するために必要な電力よりも少ない電力しか要しない。従って、RFIDタグ44が受けた給電がMEMSスイッチ46を起動させるのに十分であるが、集積回路16に給電するには十分でない場合、MEMSスイッチは、集積回路16に給電するのに十分な電流/電圧をRFエネルギーから引き出そうとして、位置を変える。MEMSスイッチ46は、例えば、毎回RFIDタグ44が給電を停止された後で、位置を変えることができる。このように、RFIDタグ44は、一つおきの起動サイクルにおいて、2個の異なる周波数、例えば13.56MHzおよび20MHzで交互に共振する。
【0034】
呼掛け装置は、従って、ある位置における全てのRFIDタグの第1の読み取りを試みることができる。第1の読み取りの間、RFIDタグの第1のサブセットは、タグの現在の状態に応じて、システム動作周波数、例えば、13.56MHzで共振すべく設定されていて、残りのタグは第2の周波数、例えば、20MHzで共振すべく設定されている。タグ間結合が生じない場合、呼掛け装置は第1の読み取りサイクルの間に第1のサブセットと通信し、次いで電磁場を除去および再適用してRFIDタグに自身の共振周波数を変えさせる。その結果、タグの第1のサブセットが第2の周波数で動作すべく設定され、残りのタグはシステム周波数で動作すべく設定される。このように、呼掛け装置は、2個以下の呼掛けサイクル内でタグと通信することが可能になる。
【0035】
しかし、第1の呼掛けサイクルの間にタグ間結合が存在する場合、RFIDタグの共振周波数を低下させることができる。特に、システム動作周波数で動作すべく設定された一部または全てのRFIDタグが、呼掛け装置に応答する周波数範囲よりも低く下げられる。従って、隣接するタグとのタグ間結合を検知するこれらのRFIDタグは、呼掛け機器と首尾よく通信することができない虞がある。しかし、システム動作周波数で共振すべく設定された、タグ間結合を検知しないRFIDタグは、呼掛け装置と首尾よく通信することが可能になる。また、第2の周波数、例えば20MHzで動作すべく設定された一部または全てのRFIDタグの共振周波数も同様に、動作周波数の近くまで低下して、呼掛け装置と通信することが可能になる。
【0036】
第1の読み取りで全ての検出可能なタグを読んだ後で、呼掛け装置は自動的にRF場を除去して、第2の呼掛けサイクルを開始することにより、RFIDタグのMEMSスイッチに位置を変えさせる。第2の呼掛けサイクルの間、第1の呼掛けを試みた際に呼掛け装置と通信できなかった全てのタグは、インダクタンスが変えられたため第2の読み取りで読み取り可能になる。特に、第2の呼掛けサイクルの間、当初はシステム動作周波数で共振すべく設定されていたタグの第1のサブセットは、ここで第2の動作周波数、例えば、20MHzで共振すべく設定される。第1の呼掛けサイクルの間に、タグ間結合のために通信が不成功であったこれら一部のタグは、ここで第2の共振周波数から、システム動作周波数により近い周波数へ、タグ間結合により離調されて、呼掛け装置との通信に成功する。第2の読み込みサイクルの間、当初は第2の周波数で共振すべく設定されていたRFIDタグが、システム動作周波数で共振すべく設定される。第1の読み込みサイクルの間に通信できなかったタグ、すなわち、タグ間結合を検知していなかったタグは、ここで呼掛け装置との通信に成功する。このように、本設定では、呼掛け装置は、2個以下の読み込みサイクルで全てのRFIDタグを読み込むことが可能である。2個より多い追加的な誘導素子、例えば3個以上の誘導素子を用いるRFIDタグ44の実施形態の場合、追加的な呼掛けサイクルを用いて、全てのRFIDタグがタグ間結合の有無に関わらず通信に成功することを保証することができる。これらの呼掛けサイクルを統合して、当該位置に同時に存在する物品の正確なログを取得すべく呼掛け装置により記録することができる。
【0037】
代替的な実施形態では、スイッチ46は容量素子をアンテナ42に選択的に接続(スイッチイン)/切断(スイッチアウト)してアンテナの共振周波数を変化させる。RF場を適用したならば、RFIDタグ44は第1の周波数、例えば、RFIDシステムの動作周波数(13.56MHz)で共振する一方、コンデンサは電荷の蓄電を開始する。コンデンサが十分な電荷を蓄電した直後、すなわち、延長された期間RF場に存在していた場合に、スイッチ46を「帯電」スイッチ位置に切替える。図3に示す例において、帯電スイッチ位置は、誘導素子48Bに接触する位置であってよい。「帯電」スイッチ位置において、RFIDタグ44は、十分なタグ間結合が生じた場合に、例えば、20MHzに通信が実現できるようにする第2の周波数で共振する。コンデンサを「帯電」スイッチ位置を保つことが不可能な程度にコンデンサがエネルギーを喪失した後、例えば、呼掛けサイクルが終了した後で、スイッチ46は「未帯電」スイッチ位置へ戻る。このように、スイッチ46は、例えば最初に13.56MHzで共振する既定スイッチ位置を有する。このように、RFIDタグ44は、RF読取装置と首尾よく通信が行なえることを保証すべく、単一の起動サイクルの間に自身の共振周波数を自動的に変動させる。換言すれば、この構成では、呼掛け装置は2個の別々の呼掛けサイクルを適用する必要がない。
【0038】
図3の例では、RFIDタグ44のスイッチ46が、長さの異なる2個のトレースを切り替えてアンテナ42のインダクタンスを変化させるが、N通りの異なる周波数バリエーションを許すべく、RFIDタグ44がN個の異なるトレース長および1対Nスイッチを用いてもよい。さらに、スイッチ46を用いて、容量素子、誘導素子またはそれらの組合せ等、他のタイプの素子を接続してRFIDタグ44の共振周波数を自動的に調整することができる。また、RFIDタグ44は、図2に関して述べたような検知回路を含んでいて、どちらのスイッチ位置によりアンテナ42を最適周波数で動作させるのかに基づいて、RFIDタグ44がスイッチ位置を選択可能にすることにより、RFIDタグ44を自動調節することができる。図3の実施形態は、RFIDチップ内の単一のタグ素子上の複数の「タグ素子」、またはその組合せにより実装することができる。
【0039】
図4は、自身の共振周波数を自動調節して隣接タグとの結合を補償する、図2のRFIDタグ22等のRFIDタグの例示的な動作を示すフローチャートである。最初に、RFIDタグ22がRF場に配置される(50)。例えば、RFIDタグ22は、RFIDタグから情報を取得しようと試みているRFID検出装置または読取装置アンテナからRFエネルギーを受け取ることができる。RFIDタグ22が配置されているRF場は、主アンテナ14および検知アンテナ20の両方において電流を誘導する。
【0040】
一般に、スイッチング回路18は、適当な周波数、すなわち呼掛け装置に応答する周波数範囲で共振すべく、RFIDシステムの動作周波数より高い共振周波数に設定されている主アンテナ14を離調するのに十分なタグ間結合を、RFIDタグ22が検知しているか否かを判定する(54)。例えば、スイッチング回路18は、検知アンテナ20内で誘導された電流が、閾値を超えて自身を上昇させる程度に十分大きいか否かを判定することができる。スイッチング回路18が、生じたタグ間結合が不十分である、すなわち、検知アンテナ20内で誘導された電流が閾値より大きいと判定したならば、トランジスタ40はオンになり(56)、容量素子24を主アンテナ14と並列に接続する(58)。上述のように、容量素子24は主アンテナ14の静電容量を増大させることにより、主アンテナ14の共振周波数を高周波数、例えば、20MHzから、システム動作周波数、例えば13.56MHzまで低下させる(62)。
【0041】
スイッチング回路18が、主アンテナ14をより高い共振周波数からシステム動作周波数へ離調させるのに十分なタグ間結合が生じていると判定したならば、スイッチング回路はトランジスタ40をオフにするか、あるいはトランジスタ40はオフのままである(60)。その結果、主アンテナ14は、より高い周波数で共振すべく設定されるが、隣接するタグが近接している状態でのタグ間結合により離調される(62)。このように、RFIDタグ22は、主アンテナ14により誘導された電流に対する検知アンテナ20により誘導された電流に基づいて制御されるトランジスタ40を用いて、タグ間結合を補償するために、自身を自動調節してシステム動作周波数における共振を実現する。他の実施形態において、他の種類の検知およびスイッチング機構を用いてRFIDタグ22を自動調節することができる。
【0042】
図5は、図3のRFIDタグ44等、RFIDタグの例示的な動作を示すフローチャートであり、当該タグは、主アンテナ14が最適周波数で共振しているか否かを検知することなく、主アンテナ14の共振周波数を動的に変化させるスイッチ46(本例では容量スイッチ)を含んでいる。最初に、RFIDタグ44はRF場内に配置され(64)、当該タグはRFIDシステムの動作周波数、例えば、13.56MHz等の第1の周波数で共振するようデフォルト設定されている(66)。しかし、タグ結合が存在する場合、共振周波数は恐らく、タグが呼掛け装置と通信可能である周波数範囲よりも低く下げられる。
【0043】
電磁場の結果として、容量スイッチ46は電荷の蓄電を開始する(68)。容量スイッチ46の電荷が十分な電荷を蓄電したならば、「帯電」スイッチ位置へ切替え(70)、RFIDタグ44は第2の周波数、例えば、20MHzで共振する(72)。隣接するタグ間にタグ間結合が存在する場合、アンテナ42は上述のように、より高い共振周波数からより低い動作周波数まで離調される。このように、RFIDタグ44の共振周波数は、単一の起動サイクルの間に変動して、2個の別々の呼掛けサイクルを必要とせずに呼掛け装置との通信が確実に行えるようにする。コンデンサが十分な電荷を喪失した後、例えば、呼掛け場が除去された場合、容量スイッチ46は「帯電」スイッチ位置を維持することが不可能になり、容量スイッチは再び「未帯電」スイッチ位置へ切替えられる(74)。
【0044】
図6は、図3のRFIDタグ44等、RFIDタグの例示的な動作を示すフローチャートであり、当該タグは、主アンテナ14が最適周波数で共振しているか否かを検知せずに、主アンテナ14の共振周波数を動的に変化させるMEMSスイッチを含んでいる。本例では、スイッチ46は、上述のように起動サイクル間に主アンテナ14の共振周波数を動的に変化させるMEMSスイッチを含んでいる。
【0045】
最初に、RFIDタグ44がRF場に配置され(76)、RFIDタグ44は、RFIDシステムの動作周波数(例えば13.56MHz)等、第1の周波数で共振すべく設定される(78)。しかし、タグ間結合が生じたならば、RFIDタグ44の共振周波数を、呼掛け装置に応答する周波数範囲よりも低く下げられて、RFIDタグが呼掛け装置と首尾よく通信できない恐れがある。例えば、呼掛け装置が第1の呼掛けサイクルに応答する全てのRFIDタグを読み取った後、続いてRF場が除去されて(80)、MEMSスイッチ46に位置を変えさせる(82)。次のRF場が、例えば、次の呼掛けサイクルの間に、RFIDタグ44に適用されたならば(84)、RFIDタグはより高い周波数、例えば、20MHzで共振すべく設定構成され(86)、隣接するタグとのタグ間結合が存在すれば離調される。
【0046】
図7は、タグ間結合が生じる虞のある環境における通信を支援すべく、自身の共振周波数を変動可能なRFIDタグを利用できる例示的なRFIDシステム88を示すブロック図である。図7に示す例において、RFIDシステム88を用いて文書およびファイルを管理する。RFIDシステム88は、例えば、法律事務所、政府機関、あるいは事業、犯罪、医療記録等の文書やファイルを作成して保存するその他施設内に装備することができる。
【0047】
実施に際して、これらのファイルは多くの保管区域90、例えば、図7に示すように、開架棚90A、キャビネット90B、垂直ファイル・セパレータ90C、カート90D、パッド90Eまたは同様の場所に配置することができる。保管区域90は、単一のファイル保管室ではなく、組織内の複数の場所に設置することができる。例えば、保管区域90は特定の場所、例えば文書整理棚等に関連付けることができ、従って、「専用」棚と称するか、またはそのように見なせる。また後述するように、保管区域90は、例えば、病院や診療所、法律事務所、会計事務所、仲介業者、または銀行等、個々のオフィスその他の区域の近くに設置することができる。
【0048】
いくつかの実施形態において、保管区域90は「知的保管区域」あってよい。「知的保管区域」という用語は一般に、システム88内の文書やファイルの追跡および発見を支援するRFID呼掛け機能を備えた、文書その他の品目用の保管区域を指す。特に、知的保管区域は、各々の保管区域に保管されている品目に関連付けられたRFIDタグを読み取って、RFIDタグから読み取った情報を、情報蓄積のため、例えば、関係データベース管理システム(RDBMS)の1個以上のデータベース内に集中データストアを提供する物品管理システム92へ伝送すべく用いる1個以上のアンテナを含んでいてよい。当該情報は、例えば、ファイルや文書がどこに存在するかを示す位置情報を含んでいてよい。ファイル追跡システム92が、ネットワークその他を介して1個以上のコンピュータに接続されて、個人が様々な場所からこれらの品目に関するデータにアクセス可能にすることができる。例えば、ユーザーがファイル追跡システム92を用いて、当該データストアからファイル位置情報を検索して、保管区域の1箇所で当該品目が最後に置かれた場所をユーザーに報告することができる。
【0049】
図7に示すような環境において、ファイルや文書、より具体的には、それらの物品に関連付けられたRFIDタグ間の距離は、一般に最小距離に固定することができない。本明細書に記載している技術に従い、システム88のRFIDタグは、知的保管区域等の呼掛け装置との通信を支援すべく、自身の共振周波数を動的且つ自動的に変動させる。その結果、タグ間結合が生じるかもしれないが、RFIDタグはシステム88のRFID呼掛け装置との通信の信頼性を向上させることができる。
【0050】
RFIDシステム88は、13.56MHz等の電磁スペクトルの周波数範囲で動作し、許容可能な周波数変動が±7kHzであり、多くの場合、産業、科学および医療(ISM)用途に用いられる。しかし、RFIDアプリケーションに他の周波数を用いてもよく、本発明はこれに限定されない。例えば、倉庫等の大規模保管区域におけるRFIDシステムでは、約900MHzで動作するRFIDシステムを用いてもよい。
【0051】
本発明の各種の実施形態について記載してきた。これらおよび他の実施形態は添付の請求項の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】タグ間結合の潜在的影響を減少または除去すべく自身の共振周波数を自動的且つ動的に変動させるRFIDタグを示すブロック図である。
【図2】自身の共振周波数を動的に調整可能なRFIDタグの例示的な一実施形態を示す回路図である。
【図3】自身の共振周波数を動的に調整可能なRFIDタグの別の実施形態を示す模式図である。
【図4】図2のRFIDタグ等、自身の共振周波数を自動調節して隣接タグとの結合を補償するRFIDタグの例示的な動作を示すフローチャートである。
【図5】図3のRFIDタグ等、自身の共振周波数を動的に変化させる容量スイッチを含むRFIDタグの例示的な動作を示すフローチャートである。
【図6】図3のRFIDタグ等、自身の共振周波数を動的に変化させるためにMEMSスイッチを含むRFIDタグの例示的な動作を示すフローチャートである。
【図7】タグ間結合が生じる可能性のある環境における通信を支援すべく、自身の共振周波数を変動可能なRFIDタグを利用する例示的なRFIDシステムを示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の共振周波数に同調された主アンテナと、
前記主アンテナの共振周波数を動的に変化させるスイッチング回路とを含む、無線認証(RFID)タグ。
【請求項2】
容量素子を更に含み、前記スイッチング回路が、前記主アンテナの共振周波数を変化させるべく、前記容量素子を選択的に前記主アンテナと電気的に接続する、請求項1に記載のRFIDタグ。
【請求項3】
前記スイッチング回路が、前記主アンテナの共振周波数を低下させるべく、前記容量素子を前記主アンテナと並列に接続する、請求項2に記載のRFIDタグ。
【請求項4】
前記容量素子が、コンデンサ、ダイオード、およびトランジスタのうち1つを含む、請求項2に記載のRFIDタグ。
【請求項5】
誘導素子を更に含み、前記スイッチング回路が、前記主アンテナの共振周波数を動的に変化させるべく、前記誘導素子を選択的に前記主アンテナと電気的に接続する、請求項1に記載のRFIDタグ。
【請求項6】
第1の長さを有する第1の導電トレースと、
第2の長さを有する第2の導電トレースと、を更に含み、第1の長さが第2の長さより長く、更に、前記スイッチング回路が、前記主アンテナの共振周波数を変化させるべく、前記第1の導電トレースまたは第2の導電トレースを前記主アンテナと選択的に接続する、請求項1に記載のRFIDタグ。
【請求項7】
前記スイッチング回路が、共振周波数を変化させるべく異なる電気素子を選択するマイクロ電子機械システム(MEMS)スイッチを含む、請求項1に記載のRFIDタグ。
【請求項8】
前記スイッチング回路が、蓄積された電荷に基づいて、前記主アンテナの共振周波数を変化させる容量スイッチを含む、請求項1に記載のRFIDタグ。
【請求項9】
隣接するタグとの電磁結合の量を検出する検知回路を更に含み、前記スイッチング回路が、検出された電磁結合の量に基づいて、前記主アンテナの共振周波数を選択的に増減させる、請求項1に記載のRFIDタグ。
【請求項10】
前記スイッチング回路が、前記検知回路内の電流が閾値を超えた場合にオンになるトランジスタを含む、請求項9に記載のRFIDタグ。
【請求項11】
前記スイッチング回路が更に、前記トランジスタがオンになる閾値を調整する分圧器を実現すべく構成された第1の抵抗器および第2の抵抗器を含む、請求項10に記載のRFIDタグ。
【請求項12】
第2の共振周波数に同調された検知アンテナを更に含み、前記スイッチング回路が、前記検知アンテナ内で誘導された電流の量に基づいて、前記主アンテナの共振周波数を変化させる、請求項1に記載のRFIDタグ。
【請求項13】
前記主アンテナと前記検知アンテナが同一平面上にある、請求項12に記載のRFIDタグ。
【請求項14】
前記検知アンテナが約13.56メガヘルツ(MHz)に同調されていて、前記主アンテナが約20MHzに同調されている、請求項12に記載のRFIDタグ。
【請求項15】
前記スイッチング回路が、前記RFIDタグに無線周波数場を適用または除去した際に、前記主アンテナの共振周波数を自動的に変化させる、請求項1に記載のRFIDタグ。
【請求項16】
前記主アンテナと電気的に結合されていて、関連付けられた物品の情報を格納し、前記主アンテナを介して前記情報をRFID読取装置へ伝送するRFID集積回路を更に含む、請求項1に記載のRFIDタグ。
【請求項17】
無線認証(RFID)タグの主アンテナを、関連付けられた共振周波数で動作させるステップと、
前記主アンテナの共振周波数を動的に変化させるステップとを含む方法。
【請求項18】
前記共振周波数を動的に変化させるステップが、前記主アンテナの共振周波数を選択的に増減すべく、容量素子を主アンテナに選択的に接続するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記容量素子がコンデンサ、ダイオード、およびトランジスタのうち1つを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記共振周波数を動的に変化させるステップが、前記主アンテナの共振周波数を変化させるべく、誘導素子を前記主アンテナと選択的に接続するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記共振周波数を動的に変化させるステップが、前記主アンテナの共振周波数を変化させるべく、前記主アンテナに第1の長さを有する第1の導電トレース、または第2の長さを有する第2の導電トレースを選択的に接続するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記RFIDタグと隣接するRFIDタグ間の電磁結合の量を検出するステップと、
前記検出された電磁結合の量に基づいて、前記主アンテナに関連付けられた共振周波数を動的に変化させるステップと、を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記RFIDタグが、前記主アンテナと関連付けられた共振周波数とは異なる共振周波数を有する検知アンテナを含み、前記共振周波数を動的に変化させるステップが、検知アンテナ内で誘導された電流が閾値を上回った場合に前記主アンテナに関連付けられた共振周波数を動的に変化させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記検知アンテナの共振周波数が約13.56メガヘルツ(MHz)に同調されていて、前記主アンテナの共振周波数が約20MHzに同調されている、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記共振周波数を動的に変化させるステップが、前記RFIDタグに無線周波数場を適用または除去した際に、前記主アンテナの共振周波数を動的に変化させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
RFID呼掛け装置と、
物品に関連付けられたRFIDタグであって、前記呼掛け装置が前記物品に関する情報を取得すべく呼掛けるRFIDタグと、
前記RFID呼掛け装置から取得された情報を処理するコンピュータ装置とを含み、
前記RFIDタグが、第1の共振周波数に同調された主アンテナと、前記主アンテナと電気的に結合されていて前記関連付けられた物品の情報を格納する集積回路と、前記主アンテナの共振周波数を調整すべく、1個以上の素子を前記主アンテナと選択的に接続するスイッチング回路とを含む、無線認証(RFID)システム。
【請求項27】
前記1個以上の素子が容量素子を含み、前記スイッチング回路が、前記容量素子を前記主アンテナと選択的に接続する、請求項26に記載に記載のシステム。
【請求項28】
スイッチング回路が、前記主アンテナの共振周波数を低下させるべく、前記容量素子を前記主アンテナと並列に接続する、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記容量素子が、コンデンサ、ダイオード、およびトランジスタのうち1つを含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記1個以上の素子が誘導素子を含み、前記スイッチング回路が前記誘導素子を前記主アンテナと選択的に接続する、請求項26に記載のシステム。
【請求項31】
前記1個以上の素子が、第1の長さを有する第1の導電トレースと、第2の長さを有する第2の導電トレースとを含み、前記スイッチング回路が、前記第1の導電トレースまたは第2の導電トレースを前記主アンテナと選択的に接続する、請求項26に記載のシステム。
【請求項32】
前記スイッチング回路が、マイクロ電子機械システム(MEMS)スイッチと容量スイッチのうち1つを含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項33】
隣接するRFIDタグとの電磁結合の量を検出する検知回路を更に含み、前記スイッチング回路が、検出された電磁結合の量に基づいて、前記主アンテナの共振周波数を選択的に増減させるべく前記1個以上の素子を前記主アンテナと選択的に接続する、請求項26に記載のシステム。
【請求項34】
前記検知回路が、前記第1の共振周波数とは異なる第2の共振周波数に同調する検知アンテナを含み、前記スイッチング回路が、前記センサアンテナ内の電流が閾値を超えた場合に前記1個以上の素子を前記主アンテナと選択的に接続する、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記スイッチング回路が、前記検知アンテナ内の電流が閾値を超えた場合にオンとなるトランジスタを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記スイッチング回路が更に、前記トランジスタがオンになる閾値を調整する分圧器を実現すべく構成された第1の抵抗器および第2の抵抗器を含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記主アンテナと前記検知アンテナが同一平面上にある、請求項33に記載のシステム。
【請求項38】
前記検知アンテナが約13.56メガヘルツ(MHz)に同調されていて、前記主アンテナが約20MHzに同調されている、請求項33に記載のシステム。
【請求項39】
前記スイッチング回路が、前記RFIDタグに無線周波数場を適用または除去した際に、前記主アンテナの共振周波数を自動的に変化させる、請求項26に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2007−533204(P2007−533204A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507313(P2007−507313)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/005634
【国際公開番号】WO2005/104022
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】