説明

呼吸低下を検出するための方法および装置

【課題】呼吸低下事象および/または呼吸低下の重症度を判定するための自動化された呼吸低下検出方法を提供する。
【解決手段】呼吸フロー信号の短期の分散が、呼吸フロー信号の長期の分散の第1および第2の割合と比較される。第1の期間において、第1の測定値が、第1および第2の割合の範囲を下回っているとともに、この範囲を超えていない場合には、呼吸低下の検出を示している。一部の実施形態では、換気量の短期の測定値と長期の測定値の割合との第1および第2の交叉部分によって区切られている領域を、自動的に測定することによって、呼吸低下における重症度を判定する。この検出方法は、特定の目的のためのコンピューター、呼吸のエアフローを測定する検出デバイス106、あるいは、検出された呼吸低下に基づいて呼吸低下治療レジメンを提供する呼吸治療装置によって実施することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この出願は、2009年6月5日出願の米国仮特許出願第61/184,592号における出願日の利益を主張する。この出願の開示内容は、参照することによって、この明細書に組み込まれている。
【0002】
[発明の分野]
本技術は、呼吸低下を検出するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者は、睡眠中に、反復性の無呼吸あるいは呼吸低下を呈し、これらは、患者が覚醒することのみによって終了する。呼吸低下については、睡眠時において少なくとも10秒は続く、呼吸における部分的な減少であると考えることが可能である。1999年の米国睡眠医学会(AASM)のガイドラインは、呼吸低下の症状を、50%以上のフローの低下が10秒間継続する状態か、あるいは、50%未満のフローの減少に続いて、覚醒反応、あるいは、少なくとも3%の飽和度の低下が生じる状態と定義している。その後のAASMのガイドラインは、換気量が30%低下するとともに、少なくとも4%の飽和度の低下が生じることを呼吸低下の症状としてと定義している。これらの反復性の事象は、睡眠の断片化、および、交感神経システムの刺激を引き起こす。これは、その患者にとって、日中の眠気(その結果としての自動車事故の可能性を伴う)、知的活動の低下、記憶障害、抑鬱症、および高血圧症を含む、危険な結果を有する可能性がある。また、OSA患者は、大きないびきをかくため、そのパートナの睡眠を妨げることにもなる。
【0004】
OSA患者のための最良の治療形態は、接続ホースおよびマスクを介してブロワ(コンプレッサ)によって付与される持続的陽気道圧(CPAP)である。この陽圧は、吸気中における患者の気道の狭窄を防止し、これにより、反復性の無呼吸あるいは呼吸低下、および、その後遺症を防止する。このような呼吸治療装置は、対象者の呼吸サイクル中における適切な時期に、清浄な呼吸可能ガス(通常は空気で、追加的な酸素を含んでいることも含んでいないこともある)の供給を、治療効果のある圧力で、または圧力で、患者に提供するように機能することが可能である。
【0005】
呼吸治療装置は、典型的には、フロー生成器、空気フィルタ、マスクあるいはカニューレ、フロー生成器をマスクに接続する空気搬送コンジット、さまざまなセンサ、および、マイクロプロセッサベースのコントローラを備えている。フロー生成器は、サーボ制御されたモータおよび羽根車を備えることが可能である。このフロー生成器は、さらに、モータの速度制御に代わる、患者に搬送される圧力を変更するための手段として、大気中に空気を排出することの可能なバルブを備えることも可能である。センサは、たとえば圧力トランスデューサ、フローセンサなどを用いて、とりわけ、モータの速度、ガスの体積流量、および、出口圧力を測定する。この装置は、任意的に、空気搬送回路の経路内に、加湿素子および/または加熱素子を含むことも可能である。コントローラは、統合データの検索/転送機能および表示機能を有していることも、有していないこともあるデータ保存容量を備えることが可能である。
【0006】
呼吸低下を治療するために、自動化された装置は、フローセンサからのデータに基づいて呼吸低下の症状を検出するためのアルゴリズムによって、実装されてきた。従来の無呼吸/呼吸低下の検出デバイスの例は、Dodakianに対する米国特許第5,295,490号、Lynnに対する米国特許第5,605,151号、Karakasoglu et al.に対する米国特許第5,797,852号、Raviv et al.に対する米国特許第5,961,447号、Allen et alに対する米国特許第6,142,950号、Rapoport et al.に対する米国特許第6,165,133号、Hadasに対する米国特許第6,368,287号、Haberland et al.に対する米国特許第7,118,536号において、教示されている。たとえば、このようなデバイスの1つにおいては、フロー(L/秒)信号における10秒間あるいは12秒間の二乗平均平方根(RMS)が、長期平均分時換気量(L/秒)の1.2倍(たとえば、半分に分けられたフロー信号の絶対値をロー・パス・フィルタリングする)を下回った場合に、呼吸低下を検出したと見なすことが可能である。これは、通常のRMS換気量における50%の減少にほぼ一致する。RMS換気量における50%の減少については、10秒窓を使用して計算されたフロー信号における10秒間の分散を、(0.5)と、60秒窓を使用して計算されたフロー信号における60秒間の分散との積と比較することによっても、検出することが可能である。このようなデバイスは、さらに、共通の呼吸低下事象を複数回にわたって記録してしまうことを回避するため、呼吸低下を検出した後の不応期間を備えることも可能である。たとえば、デバイスは、15秒間、あるいは、RMS換気量が連続する15秒間にわたって長期のRMS換気量の少なくとも4分の3に戻るまで、不応を維持することが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、呼吸低下の症状そのものの存在の問題は、解釈に委ねられている。多くの場合に、呼吸低下の存在を記録するにあたっては、臨床医の独自性を無視することができない。したがって、自動化された装置は、症状を検出するためのさまざまな方法によって実装されている可能性がある一方で、使用されている検出基準に差異があるために、結果的に、共通の呼吸事象に関して、さまざまな呼吸低下の記録が引き起こされる可能性がある。
【0008】
呼吸低下を検出するための別の方法であって、上気道の症状を検出するための装置および上気道の症状を治療するための装置において実装することも可能な方法を開発することが、望ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術の一部の実施形態における第1の態様は、呼吸低下および/または呼吸低下の重症度を検出するための方法およびデバイスを提供することである。
【0010】
本技術の一部の実施形態における他の態様は、患者の呼吸フロー信号を測定する装置において、呼吸低下あるいは呼吸低下の重症度を検出することである。
【0011】
本技術におけるさらに別の態様は、検出された呼吸低下あるいは呼吸低下の重症度の関数に基づいて、あるいは、この関数としての、持続的気道陽圧デバイスなどの呼吸治療装置における呼吸低下あるいは呼吸低下の重症度の検出を実装することである。
【0012】
本技術における一部の実施形態は、測定された呼吸可能ガスのフローから呼吸低下を検出するためのプロセッサを制御するための方法を有する、装置あるいはコントローラを包含している。このコントローラあるいはプロセッサの方法は、測定された呼吸可能ガスのフローに基づいて、データにおける短期の分散から第1の測定値を判定するステップを含むことが可能である。これは、さらに、測定された呼吸可能ガスのフローに基づいて、データにおける長期の分散から第2の測定値を判定するステップを含むことが可能である。この第1の測定値を、第2の測定値における第1および第2の割合と比較することが可能である。この方法を用いることにより、装置あるいはコントローラは、第1の測定値が第1の割合を下回っているとともに、その後の第1の期間において、第1および第2の割合の範囲を超えていない場合に、上記の比較に基づいて、呼吸低下の検出を示すことが可能である。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の割合が第2の割合よりも小さくなっている可能性があり、この方法が、さらに、該第1の期間において、第1の測定値が第1の割合を超えていない場合に、呼吸低下の検出を示すステップを含むことが可能である。さらに、この方法は、該第1の期間において、第1の測定値が、第1の割合を超えている一方、第2の割合を超えていない場合に、呼吸低下の検出を示すステップをさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態では、第1の測定値と第1の割合との該比較が、約10秒から20秒間(しかし、好ましくは12秒間)の呼吸フローデータから計算されたRMS値が、約50秒から70秒間(しかし、好ましくは60秒間)の呼吸フローデータから計算されたRMS値の約50パーセントからなる閾値を下回っているか否かの判定を示し、該第1の期間が、約3秒から8秒間(しかし、好ましくは4秒間)である。さらに、該第2の測定値と該第2の割合との該比較は、約10秒から15秒間(しかし、好ましくは12秒間)の呼吸フローデータから計算されたRMS値が、約50秒から70秒間(しかし、好ましくは60秒間)の呼吸フローデータから計算されたRMS値の約75パーセントからなる閾値を下回っているか否かの判定を示すことが可能である。
【0014】
任意的に、第2の期間において、第1の測定値が第2の割合を超えるまで、さらなる呼吸低下の検出を遮断することも可能である。このさらなる検出を遮断するステップは、第1の測定値と第2の割合とを比較するステップを含むことができ、この比較ステップは、約10秒から15秒間(しかし、好ましくは12秒間)の呼吸フローデータから計算されたRMS値が、約50秒から70秒間(しかし、好ましくは60秒間)の呼吸フローデータから計算されたRMS値の約75パーセントからなる閾値を超えているか否かの判定を表しており、さらに、該第2の期間が、約10秒から20秒間(しかし、好ましくは15秒間)である。場合によっては、換気量における長期の測定値が計算される時間を、短期の測定値が計算される時間の少なくとも約3〜5倍とすることが可能である。
【0015】
本技術における一部の実施形態は、測定された呼吸可能ガスのフローから呼吸低下を検出するようにプロセッサを制御するための方法を有する、装置あるいはコントローラを包含している。これらのプロセッサあるいはコントローラの方法は、換気量における長期の測定値および換気量における短期の測定値を判定するステップを含むことが可能である。これらのプロセッサあるいはコントローラの方法は、さらに、換気量における長期の測定値の割合としての閾値を決定するステップと、換気量における短期の測定値と該閾値との第1および第2の交叉部分によって区切られている領域を測定するステップとを、含むことが可能である。そして、この測定された領域を用いて、呼吸低下が検出される。この測定ステップは、換気量における短期の測定値が該閾値を下回ったときから、短期の測定値が該閾値を超えたときまでの期間における、該閾値と短期の測定値との間の差異を積分するステップを含むことが可能である。実施形態によっては、この測定ステップが、短期の測定値が該閾値を下回ったときから、短期の測定値が該閾値を超えたときまでの期間における、複数のサンプル差分を積算するステップを含んでいる。各サンプル差分については、該閾値のサンプルと換気量における短期の測定値のサンプルとの間の差異とすることが可能である。
【0016】
任意的に、これらの装置あるいはコントローラの方法を、該第2の交叉部分で開始される不応期間において、さらなる呼吸低下の検出を遮断するように構成することが可能である。さらに、この方法は、換気量における短期の測定値と該閾値とを不等式によって比較することによって、該第1の交叉部分を検出したときに、該領域の測定ステップを始動するステップをさらに含むことが可能である。さらに、呼吸低下の検出は、該第1の交叉部分から第2の交叉部分までの時間が約10秒間を超えることを、条件とすることも可能である。実施形態によっては、換気量における短期の測定値は、呼吸可能ガスのフローの測定値における絶対値の半値を、第1の時定数を用いてロー・パス・フィルタリングして得られる出力値とすることも可能である。同様に、換気量における長期の測定値は、呼吸可能ガスのフローの測定値における絶対値の半値を、第1の時定数よりも大きい第2の時定数を用いてロー・パス・フィルタリングして得られる出力値とすることも可能である。任意的に、上記の割合を、約70パーセントに設定することができる。実施形態によっては、デバイスあるいは装置は、上記した領域の測定値を用いて、呼吸低下の重症度を示すことも可能である。任意的に、デバイスあるいは装置は、測定された領域を、少なくとも4%の血液酸素の飽和度を近似的に示すように選択されている閾値と比較することも可能である。
【0017】
本技術における一部の実施形態は、測定された呼吸可能ガスのフローから呼吸低下を検出するようにプロセッサを制御するための方法を有する、装置あるいはコントローラを包含している。この方法は、このコントローラあるいはプロセッサが、換気量における長期の測定値および換気量における短期の測定値を判定するステップを含んでいる。そして、閾値が、換気量における長期の測定値の割合として決定される。そして、これらのコントローラあるいはプロセッサは、換気量における短期の測定値および該閾値の関数としての、呼吸低下の範囲を計算する。そして、この装置は、測定された範囲を用いて、呼吸低下の重症度を示す。この表示は、測定された範囲の値を出力するステップを含むことも可能である。この計算された範囲を、換気量における短期の測定値と該閾値との第1および第2の交叉部分によって区切られている計算された領域とすることも可能である。そして、この計算された領域を、任意的に、少なくとも4パーセントの血液酸素の飽和度を近似的に示すように選択されている閾値と比較することも可能である。
【0018】
一部の実施形態では、これらの装置あるいはコントローラの方法は、さらに、測定された呼吸可能ガスのフローからフロー制限の測定値を検出することが可能であり、上記した呼吸低下における検出の表示が、さらに、閉塞性を示しているフロー制限の測定値に基づいている。
【0019】
本技術におけるさらに別の実施形態は、測定された呼吸可能ガスのフローから呼吸低下を分類するようにプロセッサを制御するための方法を含むことが可能である。このプロセッサの方法は、測定された呼吸可能ガスのフローから呼吸低下事象を検出するステップを含むことが可能である。さらに、この方法は、呼吸低下事象とともに発生する、測定されたフローにおける閉塞性を示す測定値を判定するステップを含むことが可能である。この方法は、さらに、閉塞性を示す測定値を判定する該ステップに基づいて、検出された呼吸低下事象を、閉塞性あるいは中枢性に分類するステップを含んでいる。このような実施形態の一部では、上記の判定ステップが、部分的な閉塞を検出するステップを含んでおり、上記の分類ステップが、閉塞性の呼吸低下事象を記録するステップを含んでいる。このような実施形態の一部では、この方法は、さらに、呼吸の欠如を検出するステップを含むことも可能であり、さらに、上記の分類ステップが、この呼吸の欠如に基づいて、中枢性の呼吸低下事象を記録するステップを含むことも可能である。代替的な実施形態では、この方法は、検出された呼吸低下事象とともに発生する呼吸の欠如を検出するステップと、この呼吸の欠如に基づいて、検出された呼吸低下事象を、中枢性の呼吸低下あるいは閉塞性の呼吸低下として記録することを回避するステップと、をさらに含むことも可能である。このような場合には、この事象を、無呼吸であると判断することができる。
【0020】
一部の実施形態では、本技術を、呼吸低下検出装置として実装することも可能である。このような装置では、これに備えられているコントローラが、測定された呼吸可能ガスのフローを表すデータにアクセスするための、少なくとも1つのプロセッサを有することが可能である。このコントローラは、測定された呼吸可能ガスのフローを表すデータから呼吸低下事象の検出を制御するように、構成することも可能である。このコントローラは、さらに、測定されたフローを表す該データにおいて、呼吸低下事象とともに発生する閉塞性を示す測定値を判定するステップを制御するように、構成することも可能である。このコントローラは、さらに、閉塞性を示す測定値を判定する該ステップに基づいて、検出された呼吸低下事象を閉塞性あるいは中枢性の分類を制御するように、構成することも可能である。このような実施形態の一部では、上記の分類が部分的な閉塞を検出し、上記の分類が、閉塞性の呼吸低下事象を記録するステップを含んでいる。このような実施形態の一部では、コントローラが、呼吸の欠如の検出を制御するように構成することも可能であり、上記の分類が、中枢性の呼吸低下事象を記録するステップを含むことも可能である。代替的な実施形態では、コントローラが、さらに、検出された呼吸低下事象とともに発生する呼吸の欠如を判定するとともに、検出された呼吸の欠如に基づいて、上記の事象を、中枢性の呼吸低下あるいは閉塞性の呼吸低下として記録することを回避することも可能である。このような場合には、上記の事象を、無呼吸であると判断することが可能である。このような装置は、さらに、患者のために大気圧よりも高い圧力を有する呼吸可能ガスを生成するように構成されているフロー生成器、および、フローセンサを備えることも可能である。そして、コントローラが、フローセンサを用いて呼吸可能ガスのフローを測定するように構成するとともに、検出された呼吸低下に基づいて、圧力治療レジメンにしたがって呼吸可能ガスを生成するようにフロー生成器を制御するように、構成することも可能である。
【0021】
本呼吸技術におけるさらなる機能は、以下に示す詳細な議論、図面および特許請求の範囲を検討することによって、明らかになるはずである。
【0022】
限定のためではなく挙例のために、本技術を、以下のような添付図面の図に例示する。これらの図では、同様の要素に対しては、同様の参照番号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】オプションのフローセンサおよびフロー生成器を有する、本技術の例示的な呼吸低下検出装置を示す図である。
【図2】呼吸低下を検出するための装置を制御する方法における、例示的な実施形態のフロー図である。
【図3】呼吸低下を検出する方法を実装することの可能な、別の例示的な装置の状態図である。
【図4】本技術の方法における例示的な実施形態の検出相関を示すグラフである。
【図5】呼吸低下および/または呼吸低下の重症度を検出するための装置を制御する方法における、他の例示的な実施形態における別のフロー図である。
【図6】呼吸低下の検出および/または呼吸低下の重症度の測定に関する、測定値のグラフを示す図である。
【図7】本技術の検出方法を実装するために適しているその例示的な部材を含んでいる、呼吸低下検出装置におけるコントローラのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1に示されているように、本技術の実施形態は、コントローラ104を有する呼吸低下検出デバイスあるいは装置を備えることが可能である。このコントローラ104は、1つあるいは複数のプロセッサを備えており、これにより、たとえばこの明細書においてより詳細に説明されているアルゴリズムのような、特定の呼吸低下検出方法を実装している。したがって、このデバイスあるいは装置は、集積チップ、メモリ、および/または、他の制御命令、データあるいは情報の保存媒体を備えることが可能である。たとえば、上記のような検出手法を包含しているプログラム命令を、このデバイスあるいは装置のメモリ内の集積チップにコード化することによって、特定用途向けの集積チップ(ASIC)を形成することが可能である。追加的あるいは代替的に、適切なデータ保存媒体を用いることによって、このような命令を、ソフトウェアあるいはファームウェアとしてロードすることも可能である。このようなコントローラあるいはプロセッサを用いることによって、このデバイスを、フロー信号からのデータを処理するために、使用することが可能である。したがって、プロセッサは、この明細書においてより詳細に論じられている実施形態において説明されているように、従前の睡眠セッションからの測定および記録されている呼吸フローデータに基づいて、呼吸低下の発生あるいは重症度の査定を制御することが可能である。代替的に、この検出は、呼吸フロー信号の測定と同時に、睡眠セッション中に実行することも可能である。したがって、一部の実施形態では、デバイスあるいは装置自体は、任意的に、実装される方法とともに使用するために、呼吸フロー信号を測定するためのフローセンサ106を、実装することも可能である。たとえば、呼吸フロー計、および、圧力差トランスデューサあるいは同様のデバイス、たとえば、フロー信号を導出するための、チューブあるいはダクトの束を使用しているものを用いることによって、鼻カニューレ108あるいはマスクに向かう、あるいはこれらを通過するフローが測定することが可能である。任意的に、フロー信号は、モータ電流センサなどの他のセンサから推定することも可能である。このモータ電流センサは、2005年11月2日出願のPCT/AU2005/001688、および、その国内段階である米国特許出願第12/294,957号に記載されている。なお、これらの開示内容の全ては、相互参照することによって、この明細書に組み込まれている。
【0025】
別の例を示すと、呼吸低下検出デバイスを、呼吸治療装置として、検出された呼吸低下に対応するための制御方法によって実装することが可能である。たとえば、図1に示されているように、検出デバイスに、任意的に、上記の制御のために適したセンサ(たとえば圧力センサ)を有するサーボ制御されたブロワなどの、フロー生成器を実装することが可能である。呼吸治療あるいは圧力治療レジメン、たとえば、CPAP治療に関連する治療圧力レベルを、デバイスのコントローラによって搬送することが可能である。このような治療圧力レベルを、この明細書において説明されているように、呼吸低下の症状の検出に対応して、自動的に調整することも可能である。たとえば、呼吸低下を検出したときに、特定の量だけ圧力レベルを増加させることが可能である。任意的に、このレベルを、検出された呼吸低下の重症度の関数として、比例的に増加することも可能である。たとえば、より高い重症度の測定値を伴う呼吸低下は、より低い重症度の測定値を伴う呼吸低下に比べて、より高い圧力調整値を生じさせることが可能である。他の圧力調整スキームを実装することも可能である。
【0026】
一部の実施形態では、呼吸低下検出器は、AASMのガイドラインにしたがって、呼吸低下の検出を実装することが可能である。たとえば、この検出器を、約10秒間以上にわたって約30%以上の換気量の低下を検出するとともに、血液酸素における約4%以上の飽和度を検出したときに、呼吸低下事象を記録するように構築することが可能である。このような実施形態では、たとえば、換気量の低下は、換気量の測定値、たとえば、1回換気量、あるいは、測定された呼吸フロー信号に基づく他の同様の測定値によって、判定することが可能である。任意的に、これらの換気量の測定値は、判定された呼吸における最大吸気フローおよび/または呼吸における最大呼気フローを処理することによって、導出することも可能である。同様に、血液酸素の低下は、オプションの酸素濃度センサ(図1には示されていない)から得られる、酸素濃度信号からのデータに基づくものとすることも可能である。しかしながら、この明細書においてより詳細に論じられているように、本技術における他の実施形態を、酸素濃度センサからの酸素濃度データを分析することなく、上記したAASMガイドラインをエミュレートするように実装することも可能である。
【0027】
(1)例示的な検出機能
図2のフローチャートに示されているように、本技術の実施形態では、検出デバイスによる呼吸低下の症状の自動検出は、呼吸可能ガスのフローの測定値を表すデータ(すなわち呼吸フロー信号)からの分散の判定あるいは計算に基づくものとすることが可能である。たとえば、ステップ220において、短期の分散の計算から、第1の測定値が判定することが可能である。このような測定値の1つは、フローセンサからの呼吸フロー信号、あるいは、それに基づいて記録されているデータから得られるサンプル値の平均値の2乗を、平均平方和から差し引いたものを判定することによって、計算することが可能である。分散を計算するための、他の方法を実装することも可能である。短期の分散は、秒単位(たとえば約10秒から15秒間)のもの、たとえば、フロー信号から得られる約10秒間のサンプルを利用した、10秒間の分散とすることが可能である。同様に、長期の分散の測定は、ステップ222において判定することが可能である。この長期の分散については、およそ1分間、すなわち約50秒から70秒間という分単位のもの、たとえば、フロー信号から得られる約60秒間のサンプル値を利用した、60秒間のものとすることが可能である。場合によっては、換気量における長期の測定値が計算される時間は、短期の測定値が計算される時間の少なくともおよそ3〜5倍とすることも可能である。たとえば、換気量における長期の測定値が、60秒間から計算されるように選択されている場合には、短期の測定値は、その5分の1(たとえば、60/5)として計算することが可能であるこれにより、12秒間の期間が与えられる。
【0028】
ステップ224において、短期の分散の測定値を、長期の分散における第1および第2の割合と比較することが可能である。たとえば、一定の範囲、たとえば、45%〜70%を超えていない減少に基づいて、呼吸低下を検出することが望ましい場合もある。このような場合には、長期の分散は、(0.45)および(0.7)の因子によって乗じることが可能である。任意的に、これらの因子については、長期の分散の平方根によって乗じられる場合には、2乗の操作をすることなく用いることが可能である。そして、結果として得られる割合は、分散における短期の測定値の平方根と比較されることになる。このような比較は、RMS換気量に基づくエアフローにおける減少の判定を表している。そして、ステップ226において、短期の分散の測定値が、第1の割合を下回っているが、その後の一定の期間にわたって、第1および第2の割合の範囲を超えていない場合には、呼吸低下の事象は記録あるいは示すことが可能である。このようなシステムは、患者の呼吸における低下の期間が経過あるいは計測されている間に、呼吸フロー信号のデータの第1の割合を超えているけれども、第2の割合を超えていない短期の偏位を容認することによって、より正確な呼吸低下の自動検出あるいは自動記録することを可能とすることができる。
【0029】
本技術における上記のような検出器の実施形態の実施に関する状態図が、図3に示されている。この検出器は、睡眠セッション中の呼吸低下を、患者がこの事象を経験している間に、呼吸低下を同時に記録するデバイスにとって有用なものであることができ、セッション後の分析のために実装されることもできる。このデバイスの挙動は、スタート状態S0において始まる。ステップ332で、このデバイスは、RMS換気量が約50%の閾値を下回っているか否か、を判定することが可能である。たとえば、このデバイスは、10秒間あるいは12秒間のデータ窓(すなわち、V10あるいはV12)によって測定された呼吸フロー信号における短期の分散を、60秒間のデータ窓によって測定された長期の分散の割合(たとえば、V60の(0.5)倍)と比較することが可能である。この閾値が満たされている、すなわち破られている場合には、ステップ334において、計時期間が始動あるいはスタートされることができ、さらに、デバイスは、サブ50状態に入る(S1)。たとえば、カウント・ダウン・タイマー(指定されている「サブ50タイマー」)を、約3〜8秒間、しかしながら、好ましくは4秒間の最大期間にセットすることが可能である。この時間設定に関する他の値は、呼吸低下の評価基準における望ましい結果に応じて、あらかじめ決定しておくことも可能である。ステップ332において、上記の閾値が満たされていない場合、デバイスは、スタート状態(S0)に戻る。
【0030】
その後、ステップ336において、デバイスは、RMS換気量が約50%を下回ったままでいるか否か、を判定する。このようなテストについては、ステップ332において実装されているテストに相当するものとすることが可能である。下回ったままではない場合、デバイスは、偏位範囲状態(S2)に移行する。この状態から、デバイスは、ステップ338において、RMS換気量が再び約50%を下回っているか否か、をテストする。下回っている場合、デバイスは、サブ50状態(S1)に戻る。下回っていない場合、デバイスは、ステップ340において、RMS換気量が約75%の閾値を超えているか否か、をテストする。たとえば、このデバイスは、10秒間あるいは12秒間のデータ窓(すなわち、V10あるいはV12)によって測定された呼吸フロー信号における短期の分散を、60秒間のデータ窓によって測定された長期の分散における他の割合(たとえば、V60の(0.75)倍)と比較することが可能である。この閾値が満たされている、すなわち破られている場合には、デバイスは、呼吸低下の事象を記録することなく、スタート状態(S0)に移行することが可能である。ステップ340において、閾値が満たされていない場合には、デバイスは、偏位範囲状態(S2)に戻る。
【0031】
ステップ336において、テストが、RMS換気量が約50%を下回ったままである、と判断した場合には、プロセスブロック342において、サブ50タイマーの値は、それが終了していない場合(たとえば、それが0よりも大きい場合)には、デクリメントする、すなわちカウントダウンすることができる。そして、ステップ344において、サブ50タイマーは、呼気の症状に関して、計時期間が終了しているか、満了しているか否かをチェックされる。それが終了していない場合には、デバイスは、サブ50状態(S1)にとどまる。それが終了している場合には、デバイスは、記録状態に入ったときに、呼吸低下を記録する(S3)。このように、検出デバイスは、サブ50状態(S1)および偏位範囲状態(S2)の分析に基づいて、呼吸低下の症状を示している。
【0032】
いったん記録状態(S3)に入っているデバイスの他の機能は、共通の呼吸低下事象を複数回にわたって記録してしまうことを防止するための、不応期間の実装である。したがって、ステップ346では、RMS換気量がテストされ、それが約75%の閾値を超えているか否かが確かめられる。このテストは、ステップ340における比較に相当するものである。ステップ346において、それがこの閾値を超えていない場合には、デバイスは、記録状態(S3)にとどまる。ステップ346において、それがこの閾値を超えている場合には、ステップ348において、別の計時時間すなわち不応の計時時間を始動あるいはスタートすることが可能となり、デバイスは、スーパー75状態(S4)に入る。たとえば、カウント・ダウン・タイマー(指定されている『スーパー75タイマー』)を、約10〜20秒間、しかしながら、好ましくは15秒間の最大期間にセットすることが可能である。記録されている呼吸低下の症状が停止していることを保証するための、不応時間の望ましい長さ応じて、この時間設定に関する他の値をあらかじめ決定しておくことも可能である。
【0033】
このスーパー75状態(S4)から、ステップ346での比較と同様に、ステップ350で、RMS換気量が約75%の閾値を上回ったままでいることを確認するために、RMS換気量がチェックされる。それが上回ったままでいる場合には、ステップ352において、スーパー75タイマーの値をデクリメントし、そして、実行され続け、すなわち、カウントダウンし続ける。ステップ354において、スーパー75タイマーが終了している、すなわち、所望の期間を過ぎている場合には、デバイスは、スタート状態(S0)に戻る。そうでない場合、デバイスは、このスーパー75状態(S4)にとどまる。
【0034】
要約していえば、この検出器は、短期の換気量測定値が、50%の閾値を下回っているとともに、約4秒間にわたって、そこにとどまっているか否かを判定する。検出器は、4秒間が経過する間における、50%の閾値を超える偏位については容認するけれども、75%の閾値を超える偏位については容認しない。しかしながら、経過時間が終了する前に75%の閾値が超えられた場合には、検出器は、呼吸低下の表示をすることなく、スタート状態に戻ることになる。いったん経過が完了した時点において、呼吸低下が表示される。そして、検出器は、この検出器が不応答でなくなるまでの不応期間、たとえば連続する15秒間に関しては、短期の閾値の測定値が75%の閾値を超えていることを必要とする。このような実装においては、検出器は、短い呼吸低下を記録しないとともに、乱雑に発生しているフローの低下している期間を、2回以上ではなく1回の呼吸低下として記録することを可能とする傾向を有していることになる。
【0035】
一部の実施形態では、保存状態(S3)に入ること、あるいは、さもなければ、呼吸低下を表示あるいは記録することに関して、フロー制限、閉塞性の無呼吸および/または中枢性の無呼吸の検出を別の条件とすることも可能である。これらについては、呼吸低下の検出用のプロセッサ、あるいは、呼吸低下検出用のプロセッサと電子的に通信している他のプロセッサなどの、一般的なプロセッサによって検出することが可能である。たとえば、このデバイスは、米国特許第6,138,675号および第6,029,665号に記載されている任意の方法によって、閉塞性の無呼吸、部分的な閉塞および/または中枢性の無呼吸をも検出するように、構成することが可能である。なお、これらの特許における全ての開示内容は、異なるプロセッサあるいは検出器であっても、相互参照することによって、この明細書に組み込まれている。同様に、2008年5月9日出願のPCT/AU008/000647(国際特許出願第(WO/2008/138040)号公報として発行されている)、および、2007年8月17日出願の米国仮特許出願第60/965,172号に記載されているように、このデバイスは、フロー制限の測定値、たとえば、不鮮明なフロー制限の測定値を検出するように構成することも可能であり、これらの開示内容は、参照することによって、本明細書に組み込まれている。このような実施形態では、中枢性の無呼吸、気道の開存性、部分的な閉塞のないこと、閉塞性の無呼吸、あるいはフロー制限における低い、あるいは不十分な測定値における任意の1つあるいは複数を伴う、換気量の減少(たとえば、サブ50状態に関連する分類)の判定を、呼吸低下の症状の禁忌であると見なすことも可能である。このような場合には、換気量の減少を、無呼吸の結果であると考えることが可能である。たとえば、部分的な閉塞あるいはフロー制限の測定値が、サブ50の計時期間には、重大な閉塞はない、または閉塞がないことを示している場合には、検出器は、呼吸低下を記録することなく、スタート状態(S0)あるいは別の待機状態(図示せず)に戻ることが可能である。この待機状態は、換気量の測定値が閾値、たとえば、ステップ346において論じた75%の閾値より上に戻ることを待機するための、類似した不応の計時期間を提供する。同様に、別の例を示すと、中枢性の無呼吸あるいは気道の開存性における測定値が、サブ50の計時期間において、中枢性の無呼吸があることを示している場合には、検出器は、呼吸低下を記録することなく、スタート状態(S0)あるいは別の待機状態に戻ることが可能である。この待機状態は、換気量の測定値が閾値たとえば、ステップ346において論じた75%の閾値より上に戻ることを待機するための、類似した不応の計時期間を提供する。さらに別の例では、閉塞性の無呼吸の測定値が、サブ50の計時期間において、閉塞性の無呼吸があることを示している場合には、検出器は、呼吸低下を記録することなく、スタート状態(S0)あるいは別の待機状態に戻ることが可能である。この待機状態は、換気量の測定値が閾値たとえば、ステップ346において論じた75%の閾値より上に戻ることを待機するための、類似した不応の計時期間を提供する。
【0036】
図3の状態図に基づく上述した検出器の1実施形態は、記録されている患者の呼吸フロー信号を表すデータのライブラリーで、テストされている。フローデータは、酸素飽和度のデータに対して、あらかじめ関連づけられている。呼吸低下検出器はフローデータを分析している。また、呼吸低下事象は記録されている。検出された呼吸低下事象は、飽和事象のデータに関連づけられている。この相関関係のグラフが、図4に示されている。このグラフは、呼吸低下の検出方法は、少なくとも4%の飽和度の飽和事象(ODI)とよく関連していることを示している。
【0037】
図3に示されている記録方法における別の例では、無呼吸の事象(たとえば、中枢性の無呼吸あるいは閉塞性の無呼吸)が検出されたときには、呼吸低下を記録することを回避するように、この状態機械の状態を実施実装することが可能である。たとえば、検出器が記録状態(S3)に入ったときに、呼吸低下は、単に「事前登録」されるだけである(たとえば、「事前登録」変数を真に設定することによる)。このため、それは、すぐには記録されない。これについては、検出器による潜在的な呼吸低下の検出である、と考えることが可能である。この時点において、無呼吸検出器(たとえば、閉塞性の無呼吸および/または中枢性の無呼吸の検出器)を、(たとえば、この状態において連続的に)調査することによって、この無呼吸検出器が無呼吸を検出しているか否か、を判定する。この調査に応じて、無呼吸の検出が確認された場合には、「事前登録」変数の値を変更する(たとえば、偽に設定する)ことが可能となり、そして、呼吸低下検出器の状態が、スーパー75状態(S4)に進むとともに、348においてスーパー75タイマーが設定される。このようにして、呼吸低下の記録を回避することが可能となる。検出器がいったんスーパー75状態(S4)に進むと、潜在的な呼吸低下事象が、事前登録変数に基づいて、呼吸低下事象として登録あるいは記録されることになる(たとえば、「事前登録」変数が真である場合には、事象が呼吸低下として登録される。しかしながら、「事前登録」変数が偽である場合には、事象が呼吸低下として登録あるいは記録されることはない)。
【0038】
この実施形態では、検出器の状態機械は、スーパー75状態(S4)に入ることによって、記録状態(S3)から前進する。したがって、記録状態に入ってからスーパー75状態(S4)に入るまでの間のいずれかの時間において、無呼吸が確認された場合には、呼吸低下は登録されないことになる。さらに、いずれの時間帯においても、呼吸低下が記録される前に無呼吸が確認された場合には、呼吸低下検出器は不応状態となり、この不応期間が終了するまで、記録は不可能となる。したがって、この実施形態は、潜在的な呼吸低下事象が無呼吸事象である場合に、虚偽の肯定的な呼吸低下を記録してしまうことを防止することに役立てることが可能である。この実施形態は、上述したような調査(ポーリング)を介して通信している個別の検出器(たとえば、個別のデバイス、あるいは、共通の装置における個別のソフトウェア/ハードウェアモジュール)によって、協調的な無呼吸および呼吸低下の検出を実装している。しかしながら、実施形態によっては、既知の方法によって無呼吸を検出するための追加的な閾値を用いて、上述の状態機械の状態を修正することも可能である。このような場合には、共通のソフトウェア/ハードウェアモジュールからなる統合された状態機械の出力によって、さまざまな閾値あるいは状態機械の状況に対する査定結果に応じて、呼吸低下の症状あるいは無呼吸の症状のいずれかを検出することが可能となる。
【0039】
(2)追加的な検出構成
一部の実施形態では、呼吸低下の記録が、さらに、記録される呼吸低下における重症度の測定値に対する判定を含むことも可能である。このような方法の実施例が、図5に例示されている。この実施例では、換気量における短期の測定値および長期の測定値を、ステップ540およびステップ542のそれぞれにおいて、呼吸フロー信号から判定することが可能である。たとえば、この測定値を、上述の実施形態において議論されたような、短期(たとえば約12秒)の時間窓および長期(たとえば約60秒)の時間窓によって判定される、RMS換気量あるいは分散の計算値とすることが可能である。別の例を示すと、これらの換気量の測定値を、それぞれ、ロー・パス・フィルタリングされた平均換気量(たとえば、短期の定数および長期の定数を用いることによって得られる、フロー信号からのデータサンプルの絶対値の半値)とすることも可能である。さらに別の実施形態では、換気量の測定値として、複数回の呼吸に関する長期の平均1回換気量と、1回の呼吸における最新の1回換気量あるいは数回の呼吸の平均値とを、利用することも可能である。ステップ544において、長期の測定値の関数として、閾値が判定される。たとえば、この閾値を測定値の一部あるいは割合とすることも可能である(たとえば、50%、75%など)。この閾値は、患者における呼吸低下の症状に基づいて、実験的に判定することも可能である。そして、ステップ546において、この閾値および短期の測定値を用いて、たとえば、この閾値と換気量における短期の測定値との第1および第2の交叉部分によって区切られている領域を測定することによって、検出デバイスが、呼吸低下あるいは呼吸低下の重症度を検出する。
【0040】
本技術の実施例は、例示されている図6のグラフに関連するものである、と考えることも可能である。このグラフは、長期の換気量の測定値650および短期の換気量の測定値652をプロットしている。これらの測定値については、測定されている呼吸フロー信号から判定することが可能である。このグラフは、また、長期の換気量の測定値の関数として判定された、閾値650Pも示している。呼吸低下の事象における重症度の測定値を提供することの可能な、境界領域Aの範囲は、これらの測定値からのデータを用いて、検出デバイスによって判定することが可能である。たとえば、この境界領域Aは、以下の例示的な数式によって判定することも可能である。
【数1】

ここで、
f(x)は、換気量における長期の測定値の割合である。また、
G(x)は、換気量における短期の測定値である。
aおよびbは、f(x)とg(x)との第1および第2の交叉部分であり、少なくとも10秒間の長さの期間を区切ることが可能である。
【0041】
例示的な1実施形態では、換気量の測定値の積分が、これらの信号を共通する時間においてサンプリングするとともに、時間(a)から時間(b)までの間の、閾値と短期の測定値との間におけるサンプル差分(すなわち、f(x)−g(x)。ここで、xはサンプリング時間である)を連続的に積算することによって、実装することが可能である。図6に示されているように、この積算操作は、閾値と短期の測定値とを比較して、短期の測定値が閾値よりも小さいこと(たとえば、x=aのときに、G(x)<=F(x))を判定することによって、(「トリガーa」において)開始されることが可能である。そして、この積算操作は、閾値と短期の換気量とを再び比較して、短期の測定値が閾値を超えたこと(たとえば、x=bのときに、G(x)>=F(x))を判定することによって、(「トリガーb」において)停止することが可能である。結果として得られた合計値は、重症度の測定値であると見なすことが可能である。実施形態によっては、サンプリングが実施された期間(たとえばサンプルカウント)が、呼吸低下を示す選択された期間、たとえば10秒間を超えていない場合には、重症度の測定値は、無視されることもある(たとえば、(b−a)<10秒間の場合)。
【0042】
これらの図5に示されている領域判定方法を、任意的に、図2および図3に示されている記録方法とともに実装することによって、両方の方法に基づいて、記録される各事象に関する重症度の測定値を提供するおよび/またはジョイント呼吸低下を提供することも可能である。たとえば、いずれかの方法、あるいは、代替的に、両方の方法が、呼吸低下の発生を検出している場合に、呼吸低下は、検出器によってカウントすることも可能である。そして、重症度の測定値は、カウントされた呼吸低下に関して、提供することも可能である。しかしながら、領域方法は、独立した検出器として、前者の方法とは独立して実装することができる。
【0043】
このように、呼吸低下を記録するだけのためではなく、領域測定は、その重症度の測定値を同様に提供するために使用することが可能である。たとえば、重症度の測定値を、呼吸低下を示す閾値と比較することも可能である。たとえば、所定の閾値を、飽和度、たとえば約4%の飽和事象を示すように、実験的に決定することも可能である。したがって、重症度の測定値を上記のような閾値と比較することによって、呼吸低下事象を記録することが可能となる。任意的に、その重症度は、たとえば、それが閾値を超える値、あるいは閾値との比としての値を判定することによって、さらに分析されあるいは定量化されることも可能である。さらに、領域自体の値も、重症度の測定値として機能することが可能である。
【0044】
一部の実施形態では、呼吸低下の長さ、たとえば、その時間すなわち持続時間も、重症度の測定値として機能することが可能である。領域の測定値と同様に、それを、1つあるいは複数の閾値と比較することによって、呼吸低下の事象にアクセスすることが可能となる。一部の実施形態では、領域の測定値、長さすなわち持続時間、およびカウントを、それぞれ分析することによって、呼吸低下を記録すること、および/または、その重症度を規定することが可能である。たとえば、上述したいずれかの実施形態によって記録された呼吸低下事象を、その長さおよび領域によって特徴づけることによって、重症度を示すことも可能である。
【0045】
この呼吸低下検出技術におけるさらに他の実施形態では、タイプによって、たとえば、呼吸低下事象が閉塞性の呼吸低下であることを判定することによって、あるいは、呼吸低下事象が中枢性の呼吸低下であることを判定することによって、呼吸低下事象が特徴づけられ、あるいは分類することが可能である。この手法では、検出器は、異なるタイプの呼吸低下を区別することができる可能である。たとえば、(1)この明細書に記載したいずれかの方法によって、たとえば検出された無呼吸の確認を欠いている状態で、呼吸低下事象が検出されたこと、および、(2)(a)フロー制限の測定値(たとえば、フロー制限のインデックスを分析することによる)、(b)呼吸低下中における呼吸あるいは呼吸サイクルの検出(たとえば、始動閾値に基づいて、患者が呼気状態から吸気状態への移行を始動していることを確認したこと)、および/または、(c)部分的な閉塞の測定値、における1つあるいは複数を検出したこと、の同時的な発生を、記録するために、集合的に、中枢性の呼吸低下ではなく、むしろ閉塞性の呼吸低下の検出である、と見なすことが可能である。同様に、(1)この明細書に記載したいずれかの方法によって、たとえば検出された無呼吸の確認を欠いている状態で、呼吸低下事象が検出されたこと、および、(2)(a)気道における開存性の症状、(b)呼吸あるいは呼吸サイクルを検出していないこと(たとえば、始動閾値に基づいて、しばらくの間、患者が呼気状態から吸気状態への移行を始動していないこと)、および/又は(c)フロー制限あるいは部分的な閉塞のないこと、における1つあるいは複数を検出したこと、の同時的な発生を、記録するために、集合的に、閉塞性の呼吸低下ではなく、むしろ中枢性の呼吸低下の検出である、と見なすことが可能である。したがって、記録された呼吸低下事象の数を、閉塞性の呼吸低下および中枢性の呼吸低下の両方の合計として示すことが可能であるとともに、本技術における一部の実施形態が、この検出器によって判定された中枢性の呼吸低下の数から切り離された、閉塞性の呼吸低下の数における分析を記録あるいは報告するように、実装することが可能である。
【0046】
別の実施例を示すと、上記した検出器の実施形態の1つでは、中枢性の事象に起因する呼吸低下事象が記録されていない間においては、閉塞性の呼吸低下事象を記録することが可能である。この実施例では、この明細書に記載されたいずれかの方法によって検出されているとともに、所望の閾値を満たすフロー制限のインデックスを伴って発生している呼吸低下事象を、呼吸低下あるいは閉塞性の呼吸低下として記録することが可能である。しかしながら、検出された呼吸低下事象が、呼吸あるいは呼吸サイクルの検出を伴わずに発生している場合には、呼吸低下を記録しないことも可能である。このような場合には、呼吸あるいは呼吸サイクルを検出していないこと(たとえば、始動閾値に基づいて、しばらくの間、患者が呼気状態から吸気状態への移行を始動していないこと)を、中枢性の事象(たとえば中枢性の無呼吸)のインジケータであると考えることも可能である。
【0047】
例示的な構造
コントローラの例示的なシステム構造が、図7のブロック図に示されている。この図では、呼吸低下検出デバイス701あるいは汎用的なコンピューターが、1つあるいは複数のプロセッサ708を含むことが可能である。このデバイスは、さらに、ディスプレイインターフェイス710を含み、この明細書に記載されているような、呼吸低下の検出における報告(たとえば、呼吸低下のカウントおよび/または重症度の測定値)、結果、あるいはグラフ(たとえば、図6に例示されているような領域曲線)をたとえば、モニターあるいはLCDパネルに出力することが可能である。ユーザー制御/入力インターフェイス712は、たとえば、キーボード、タッチパネル、コントロールボタン、マウスなどのためのものであり、この明細書に記載されている方法を作動するように設けることも可能である。このデバイスは、さらに、プログラミング命令、酸素測定データ、フローデータ、呼吸低下の検出データなどのデータを、受信/送信するために、センサあるいはデータインターフェイス714、たとえばバスを含むことも可能である。このデバイスは、典型的には、さらに、上述した方法(たとえば図2〜図6)における制御命令を含むメモリ/データ保存構成部品を含むことも可能である。これらは、この明細書においてより詳細に説明されているように、ステップ722における、フロー信号あるいは酸素測定信号の処理(たとえば、前処理方法、フィルタリング)のための、プロセッサの制御命令を含むことも可能である。これらは、さらに、ステップ724における換気量の測定値の判定(たとえば、分散、RMS計算など)のための、プロセッサの制御命令を含むことが可能である。これらは、さらに、ステップ726において、呼吸低下の検出あるいは重症度の測定(たとえば、閾値の判定、比較、領域測定、始動、タイミング方法、記録、その他)のための、プロセッサの制御命令を含むことができる。最後に、これらは、上記の方法(たとえば、検出された呼吸低下事象および/または呼吸低下の重症度の測定値、閾値の割合、タイミング閾値、報告、およびグラフ、その他)に関する、記録されているデータ728を含むことが可能である。
【0048】
一部の実施形態では、上記した方法を制御するためのプロセッサの制御命令およびデータは、汎用的なコンピューターによって使用するためのソフトウェアとして、コンピューターによって読み出し可能な記録媒体に保存することも可能である。これにより、このソフトウェアを汎用的なコンピューターにロードすることによって、汎用的なコンピューターが、この明細書において論じられているいずれかの方法にしたがう、特定の目的のためのコンピューターとして機能することが可能となる。
【0049】
上述の説明および添付図面では、特定の専門用語、方程式、および図面の符号は、本技術における完全な理解を提供するために記載されている。場合によっては、これらの専門用語および符号は、本技術を実施するためには必要とされない、特定の具体的な事項を意味している可能性がある。たとえば、この明細書では、「第1の」および「第2の」という用語が使用されているけれども、特段の定めのない限り、これらの語句は、何らかの特定の順序を付与するためのものではなく、単に、本技術における異なる要素を説明することに役立てるためのものである。さらに、検出方法における処理ステップは、一定の順序をもって図に例示されているけれども、このような順序付けは不要である。当業者であれば、このような順序づけを修正することが可能であること、および/または、その態様を並行して実施することが可能であることを、認識するはずである。
【0050】
さらに、この明細書では、本技術が、具体的な実施形態に基づいて説明されてきたが、これらの実施形態は、単に、本技術の原理および応用形を例示しているだけであるということを理解されたい。したがって、例示的な実施形態に対する、非常に多くの修正形を形成することが可能であること、および、本技術の精神および範囲から逸脱することなく、他の構成を発明することも可能であることを、理解されたい。たとえば、上述した記録方法および重症度の測定方法については、測定された血液酸素データを用いることなく、実施することが可能である。しかしながら、一部の実施形態では、検出器が、さらに、酸素濃度センサからの飽和度データにアクセスすることを含み、これによって、実際のSpOデータ、および、換気量あるいはエアフローデータを用いて、たとえばAASMガイドラインに示されている方法によって、呼吸低下を分類することも可能である。このような1実施形態では、検出器は、上述した実施形態(たとえば図2、図3および図5)に記載されているようなデータを用いることなく、SpOデータを用いて、呼吸低下の検出を実装することが可能である。したがって、このデバイスは、いずれか一方の方法を用いた検出によって、あるいは、代替的に、両方の方法を用いた検出によって、呼吸低下を記録することが可能である。このような実施形態を、さらに、両方の方法から得られた結果を比較することによって、いずれか一方の方法を評価するために、あるいは、いずれか一方あるいは両方の方法によって呼吸低下が検出された場合に、検出された呼吸低下に対する処理を実行するために、利用することも可能である。
【0051】
以下に示す説明的な段落を検討することによって、この明細書に開示されている本技術における追加の例示的な実施形態をも、理解することも可能である。この目的のために、本技術は、以下の構成を包含することも可能である。
【0052】
測定された呼吸可能ガスのフローから呼吸低下を検出するようにプロセッサを制御するための方法において、測定された呼吸可能ガスのフローに基づいて、データにおける短期の分散から第1の測定値を判定するステップと、測定された呼吸可能ガスのフローに基づいて、データにおける長期の分散から第2の測定値を判定するステップと、該第1の測定値を、該第2の測定値における第1および第2の割合と比較するステップと、該第1の測定値が、該第1の割合を下回っているとともに、その後の第1の期間において、該第1および第2の割合の範囲を超えていない場合に、該比較に基づいて、呼吸低下の検出を示すステップと、を含んでいる、方法。
【0053】
前述した段落のいずれかの方法において、該第1の割合が、該第2の割合よりも小さくなっており、該第1の期間において、該第1の測定値が該第1の割合を超えていない場合に、呼吸低下の検出を示すステップをさらに含んでいる、方法。
【0054】
前述した段落のいずれかの方法において、該第1の割合が、該第2の割合よりも小さくなっており、該第1の期間において、該第1の測定値が、該第1の割合を超えている一方、該第2の割合を超えていない場合に、呼吸低下の検出を示すステップをさらに含んでいる、方法。
【0055】
前述した段落のいずれかの方法において、測定された呼吸可能ガスのフローから、フロー制限の測定値を検出するステップをさらに含んでおり、該呼吸低下の該検出を示す該ステップが、さらに、閉塞性を示している該フロー制限の該測定値にも基づいている、方法。
【0056】
前述した段落のいずれかの方法において、該第1の測定値と該第1の割合との該比較が、約10秒から15秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値が、約50秒から70秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値の約50パーセントからなる閾値を下回っているか否かの判定を表し、該第1の期間が、約3秒から8秒間である、方法。
【0057】
前述した段落のいずれかの方法において、該第2の測定値と該第2の割合との該比較が、約10秒から15秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値が、約50秒から70秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値の約75パーセントからなる閾値を下回っているか否かの判定を表している、方法。
【0058】
前述した段落のいずれかの方法において、該第1の測定値と該第1の割合との該比較が、約10秒から15秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値が、約50秒から70秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値の約50パーセントからなる閾値を下回っているか否かの判定を表し、該第1の期間が、約3秒から8秒間である、方法。
【0059】
前述した段落のいずれかの方法であって、第2の期間において、該第1の測定値が該第2の割合を超えるまで、さらなる呼吸低下の検出を遮断するステップをさらに含んでいる、方法。
【0060】
前述した段落のいずれかの方法において、該さらなる検出を遮断するステップが、該第1の測定値と該第2の割合とを比較するステップを含んでおり、該比較ステップが、約10秒から15秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値が、約50秒から70秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値の約75パーセントからなる閾値を超えているか否かの判定を表しているとともに、該第2の期間が、約10秒から20秒間である、方法。
【0061】
前述した段落のいずれかの方法において、フローセンサを用いて呼吸可能ガスのフローを測定するステップをさらに含んでいる、方法。
【0062】
呼吸低下検出装置において、測定された呼吸可能ガスのフローを表すデータにアクセスするための、少なくとも1つのプロセッサを有するコントローラを備えており、該コントローラが、さらに、該データにおける短期の分散から第1の測定値を判定し、該データにおける長期の分散から第2の測定値を判定し、該第1の測定値を、該第2の測定値における第1および第2の割合と比較し、さらに、該第1の測定値が、該第1の割合を下回っているとともに、その後の第1の期間において、該第1および第2の割合の範囲を超えていない場合に、該比較に基づいて、該呼吸低下の検出を示す、ように構成されている、呼吸低下検出装置。
【0063】
前述した段落のいずれかの装置において、該第1の割合が該第2の割合よりも小さくなっており、該コントローラが、さらに、該第1の期間において、該第1の測定値が該第1の割合を超えていない場合に、呼吸低下の検出を示すように構成されている、装置。
【0064】
前述した段落のいずれかの装置において、該第1の割合が該第2の割合よりも小さくなっており、該コントローラが、さらに、該第1の期間において、該第1の測定値が、該第1の割合を超えているけれども、該第2の割合を超えていない場合に、呼吸低下の検出を示すように構成されている、装置。
【0065】
前述した段落のいずれかの装置において、該コントローラが、さらに、該データからフロー制限の測定値を検出するように構成されており、該呼吸低下における該検出の該表示が、さらに、閉塞性を示している該フロー制限の測定値にも基づいている、装置。
【0066】
前述した段落のいずれかに記載の装置において、該第1の測定値と該第1の割合との該比較が、約10秒から15秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値が、約50秒から70秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値の約50パーセントからなる閾値を下回っているか否かの判定を表しているとともに、該第1の期間が、約3秒から8秒間である、装置。
【0067】
前述した段落のいずれかの装置において、該第2の測定値と該第2の割合との該比較が、約10秒から15秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値が、約50秒から70秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値の約75パーセントからなる閾値を下回っているか否かの判定を表している、装置。
【0068】
前述した段落のいずれかの装置において、該第1の測定値と該第1の割合との該比較が、約10秒から15秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値が、約50秒から70秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値の約50パーセントからなる閾値を下回っているか否かの判定を表しているとともに、該第1の期間が、約3秒から8秒間である、装置。
【0069】
前述した段落のいずれかの装置であって、該コントローラが、第2の期間において、該第1の測定値が該第2の割合を超えるまで、さらなる呼吸低下の検出を遮断するように構成されている、装置。
【0070】
前述した段落のいずれかの装置において、該さらなる検出の該遮断が、該第1の測定値と該第2の割合との比較を含んでおり、該比較が、約10秒から15秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値が、約50秒から70秒間の呼吸フローデータから計算されたRMS値の約75パーセントからなる閾値を超えているか否かの判定を表しているとともに、該第2の期間が、約10秒から20秒間である、装置。
【0071】
前述した段落のいずれかの装置において、フローセンサをさらに備えており、該コントローラが、さらに、該フローセンサを用いて、測定された呼吸可能ガスのフローを判定するように構成されている、装置。
【0072】
前述した段落のいずれかの装置において、患者のために大気圧よりも高い圧力を有する呼吸可能ガスを生成するように構成されているフロー生成器をさらに備えており、該コントローラが、さらに、該検出された呼吸低下に基づいて、圧力治療レジメンにしたがって該呼吸可能ガスを生成するように、該フロー生成器を制御するように構成されている、装置。
【0073】
測定された呼吸可能ガスのフローから呼吸低下を検出するようにプロセッサを制御するための方法において、換気量における長期の測定値を判定するステップと、換気量における短期の測定値を判定するステップと、換気量における該長期の測定値の割合としての閾値を決定するステップと、換気量における該短期の測定値と該閾値との第1および第2の交叉部分によって区切られている領域を測定するステップと、該測定された領域を用いて、該呼吸低下を検出するステップと、を含んでいる、方法。
【0074】
前述した段落のいずれかの方法において、該測定ステップが、換気量における該短期の測定値が該閾値を下回ったときから、該短期の測定値が該閾値を超えたときまでの期間における、該閾値と該短期の測定値との間の差異を積分するステップを含んでいる、方法。
【0075】
前述した段落のいずれかの方法において、該測定ステップが、該短期の測定値が該閾値を下回ったときから、該短期の測定値が該閾値を超えたときまでの期間における、複数のサンプル差分を積算するステップを含んでおり、各サンプル差分が、該閾値のサンプルと換気量における該短期の測定値のサンプルとの間の差異である、方法。
【0076】
前述した段落のいずれかの方法であって、該第2の交叉部分から開始される不応期間において、さらなる呼吸低下の検出を遮断するステップをさらに含んでいる、方法。
【0077】
前述した段落のいずれかの方法において、換気量における該短期の測定値と該閾値とを不等式によって比較することによって、該第1の交叉部分を検出したときに、該領域の測定ステップを始動するステップをさらに含んでいる、方法。
【0078】
前述した段落のいずれかの方法において、該呼吸低下の該検出が、該第1の交叉部分から該第2の交叉部分までの時間が約10秒間を超えることを条件としている、方法。
【0079】
前述した段落のいずれかの方法において、換気量における該短期の測定値が、呼吸可能ガスのフローの測定値における絶対値の半値を、第1の時定数を用いてロー・パス・フィルタリングして得られる出力値を有している、方法。
【0080】
前述した段落のいずれかの方法において、換気量における該長期の測定値が、呼吸可能ガスのフローの測定値における絶対値の半値を、第2の時定数を用いてロー・パス・フィルタリングして得られる出力値を有しており、該第2の時定数が、該第1の時定数よりも大きくなっている、方法。
【0081】
前述した段落のいずれかの方法において、該割合が約70パーセントである、方法。
【0082】
前述した段落のいずれの方法において、該領域の測定値を用いて、該呼吸低下の重症度を示すステップをさらに含んでいる、方法。
【0083】
前述した段落のいずれかの方法において、該検出ステップが、該測定された領域を、少なくとも4パーセントの血液酸素の飽和度を近似的に示すように選択されている閾値と比較するステップを含んでいる、方法。
【0084】
前述した段落のいずれかの方法において、フローセンサを用いて、呼吸可能ガスのフローを測定するステップをさらに含んでいる、方法。
【0085】
前述した段落のいずれかの方法において、該測定されたフロー信号からフロー制限の測定値を検出するステップをさらに備えており、該呼吸低下の該検出が、さらに、閉塞性を示している該フロー制限の測定値にも基づいている、方法。
【0086】
測定された呼吸可能ガスのフローから呼吸低下を検出するための装置において、測定された呼吸可能ガスのフローを表すデータにアクセスするための、少なくとも1つのプロセッサを有するコントローラを備えており、このコントローラが、さらに、該測定されたフローから換気量における長期の測定値を判定し、該測定されたフローから換気量における短期の測定値を判定し、換気量における該長期の測定値の割合としての閾値を決定し、換気量における該短期の測定値と該閾値との第1および第2の交叉部分によって区切られている領域を測定し、さらに、該測定された領域を用いて、該呼吸低下を検出するように構成されている、装置。
【0087】
前述した段落のいずれかの装置において、該コントローラが、換気量における該短期の測定値が該閾値を下回ったときから、該短期の測定値が該閾値を超えたときまでの期間における、該閾値と該短期の測定値との間の差異を積分することによって、該領域を測定するように構成されている、装置。
【0088】
前述した段落のいずれかの装置において、該コントローラが、該短期の測定値が該閾値を下回ったときから、該短期の測定値が該閾値を超えたときまでの期間における、複数のサンプル差分を積算することによって、該領域を測定するように構成されており、各サンプル差分が、該閾値のサンプルと換気量における該短期の測定値のサンプルとの間の差異である、装置。
【0089】
前述した段落のいずれかの装置において、該コントローラが、さらに、該第2の交叉部分の検出によって開始される不応期間において、さらなる呼吸低下の検出を遮断するように構成されている、装置。
【0090】
前述した段落のいずれかの装置において、該コントローラが、さらに、換気量における該短期の測定値と該閾値とを不等式によって比較することによって、該第1の交叉部分を検出したときに、該領域の該測定を始動するように構成されている、装置。
【0091】
前述した段落のいずれかの装置において、該呼吸低下の該検出が、該第1の交叉部分から該第2の交叉部分までの時間が約10秒を超えることを条件としている、装置。
【0092】
前述した段落のいずれかの装置において、換気量における該短期の測定値が、呼吸可能ガスのフローの測定値における絶対値の半値を、第1の時定数を用いてロー・パス・フィルタリングして得られる出力値を有している、装置。
【0093】
前述した段落のいずれかの装置において、換気量における該長期の測定値が、呼吸可能ガスのフローの測定値における絶対値の半値を、第2の時定数を用いてロー・パス・フィルタリングして得られる出力値を有しており、該第2の時定数が、該第1の時定数よりも大きくなっている、装置。
【0094】
前述した段落のいずれかの装置において、該割合が約70パーセントである、装置。
【0095】
前述した段落のいずれかの装置において、該コントローラが、さらに、該領域の測定値を用いて、該呼吸低下の重症度を示すように構成されている、装置。
【0096】
前述した段落のいずれかの装置において、該検出が、該測定された領域を、少なくとも4パーセントの血液酸素の飽和度を近似的に示すように選択されている閾値と比較するステップを含んでいる、装置。
【0097】
前述した段落のいずれかの装置において、該コントローラが、さらに、該データからフロー制限の測定値を検出するように構成されており、該呼吸低下の該検出が、さらに、閉塞性を示している該フロー制限の測定値にも基づいている、装置。
【0098】
前述した段落のいずれかの装置において、フローセンサをさらに備えており、該コントローラが、さらに、該フローセンサを用いて、該測定された呼吸可能ガスのフローを判定するように構成されている、装置。
【0099】
前述した段落のいずれかの装置において、患者のために大気圧よりも高い圧力を有する呼吸可能ガスを生成するように構成されているフロー生成器をさらに備えており、該コントローラが、さらに、該検出された呼吸低下に基づいて、圧力治療レジメンにしたがって該呼吸可能ガスを生成するように、該フロー生成器を制御するように構成されている、装置。
【0100】
測定された呼吸可能ガスのフローから呼吸低下を検出するようにプロセッサを制御するための方法において、換気量における長期の測定値を判定するステップと、換気量における短期の測定値を判定するステップと、換気量における該長期の測定値の割合としての閾値を決定するステップと、換気量における該短期の測定値および該閾値の関数としての呼吸低下の範囲を計算するステップと、該測定された範囲を用いて、該呼吸低下の重症度を示すステップと、を含んでいる、方法。
【0101】
前述した段落のいずれかの方法において、前記示すステップが、該測定された範囲の値を出力するステップを含んでいる、方法。
【0102】
前述した段落のいずれかの方法において、該計算された範囲が、換気量における該短期の測定値と該閾値との第1および第2の交叉部分によって区切られている計算された領域である、方法。
【0103】
前述した段落のいずれかの方法において、該計算された領域を、少なくとも4パーセントの血液酸素の飽和度を近似的に示すように選択されている閾値と比較するステップをさらに含んでいる、方法。
【0104】
前述した段落のいずれかの方法において、フローセンサを用いて、呼吸可能ガスのフローを測定するステップをさらに含んでいる、方法。
【0105】
前述した段落のいずれかの方法において、該測定されたフローからフロー制限の測定値を検出するステップをさらに備えており、該呼吸低下の該検出における前記示すことが、さらに、閉塞性を示している該フロー制限の測定値に基づいている、方法。
【0106】
測定された呼吸可能ガスのフローから呼吸低下を検出するための装置において、測定された呼吸可能ガスのフローを表すデータにアクセスするための、少なくとも1つのプロセッサを有するコントローラを備えており、このコントローラが、さらに、該データから換気量における長期の測定値を判定し、該データから換気量における短期の測定値を判定し、換気量における該長期の測定値の割合としての閾値を決定し、換気量における該短期の測定値および該閾値の関数としての呼吸低下の範囲を計算し、さらに、該計算された範囲を用いて、該呼吸低下の重症度を示すように構成されている、装置。
【0107】
前述した段落のいずれかの装置において、該コントローラが、該計算された範囲の値を出力デバイスに出力することによって、該重症度を示すように構成されている、装置。
【0108】
前述した段落のいずれかの装置において、該コントローラが、換気量における該短期の測定値と該閾値との第1および第2の交叉部分によって区切られている領域を計算することによって、該範囲を計算する、装置。
【0109】
前述した段落のいずれかの装置において、該コントローラが、さらに、該計算された領域を、少なくとも4パーセントの血液酸素の飽和度を近似的に示すように選択されている閾値と比較するように構成されている、装置。
【0110】
前述した段落のいずれかの装置において、フローセンサをさらに備えており、該コントローラが、さらに、該フローセンサを用いて、測定された呼吸可能ガスのフローを判定するように構成されている、装置。
【0111】
前述した段落のいずれかの装置において、患者のために大気圧よりも高い圧力を有する呼吸可能ガスを生成するように構成されているフロー生成器をさらに備えており、該コントローラが、さらに、該検出された呼吸低下に基づいて、圧力治療レジメンにしたがって該呼吸可能ガスを生成するように、該フロー生成器を制御するように構成されている、装置。
【0112】
前述した段落のいずれかの装置において、該コントローラが、さらに、該データからフロー制限の測定値を検出するように構成されており、該呼吸低下における該検出を前記示すことが、さらに、閉塞性を示している該フロー制限の測定値にも基づいている、装置。
【0113】
測定された呼吸可能ガスのフローから呼吸低下を分類するようにプロセッサを制御するための方法において、測定された呼吸可能ガスのフローから呼吸低下事象を検出するステップと、該呼吸低下事象とともに発生する、該測定されたフローにおける閉塞性を示す測定値を判定するステップと、閉塞性を示す該測定値を判定する該ステップに基づいて、該検出された呼吸低下事象を、閉塞性あるいは中枢性に分類するステップと、を含んでいる、方法。
【0114】
前述した段落のいずれかの方法において、該判定ステップが、部分的な閉塞を検出するステップを含んでおり、該分類ステップが、閉塞性の呼吸低下事象を記録するステップを含んでいる、方法。
【0115】
前述した段落のいずれかの方法において、呼吸の欠如を検出するステップをさらに含んでおり、該分類ステップが、中枢性の呼吸低下事象を記録するステップを含んでいる、方法。
【0116】
前述した段落のいずれかの方法において、検出された別の呼吸低下事象とともに発生する呼吸の欠如を検出するステップと、該検出された呼吸の欠如に基づいて、該検出された別の呼吸低下事象を記録することを回避するステップと、をさらに含んでいる、方法。
【0117】
呼吸低下検出装置において、測定された呼吸可能ガスのフローを表すデータにアクセスするための、少なくとも1つのプロセッサを有するコントローラを備えており、このコントローラが、さらに、該測定された呼吸可能ガスのフローを表す該データから、呼吸低下事象を検出するステップと、該測定されたフローを表す該データにおいて、該呼吸低下事象とともに発生する閉塞性を示す測定値を判定するステップと、該閉塞性を示す測定値を判定する該ステップに基づいて、該検出された呼吸低下事象を、閉塞性あるいは中枢性に分類するステップと、を制御するように構成されている、装置。
【0118】
前述した段落のいずれかの装置において、該判定ステップが、部分的な閉塞を検出し、該分類ステップが、閉塞性の呼吸低下事象を記録するステップを含んでいる、装置。
【0119】
前述した段落のいずれかの装置において、該コントローラが、さらに、呼吸の欠如を検出するステップを制御するように構成されており、該分類ステップが、中枢性の呼吸低下事象を記録するステップを含んでいる、装置。
【0120】
前述した段落のいずれかの装置において、該コントローラが、さらに、検出された別の呼吸低下事象とともに発生する呼吸の欠如を検出するとともに、該検出された呼吸の欠如に基づいて、該検出された別の呼吸低下事象を記録することを回避するように構成されている、装置。
【0121】
前述した段落のいずれかの装置において、患者のために大気圧よりも高い圧力を有する呼吸可能ガスを生成するように構成されているフロー生成器、および、フローセンサをさらに備えており、該コントローラが、さらに、該フローセンサを用いて、該呼吸可能ガスのフローを測定するように構成されているとともに、該検出された呼吸低下に基づいて、圧力治療レジメンにしたがって該呼吸可能ガスを生成するように、該フロー生成器を制御するように構成されている、装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定された呼吸可能ガスのフローを表すデータにアクセスするための、少なくとも1つのプロセッサを有するコントローラを備えており、
前記コントローラが、さらに、
前記データにおける短期の分散から第1の測定値を判定し、
前記データにおける長期の分散から第2の測定値を判定し、
前記第1の測定値を、前記第2の測定値における第1および第2の割合と比較し、
前記第1の測定値が、前記第1の割合を下回っているとともに、その後の第1の期間において、前記第1および第2の割合の範囲を超えていない場合に、前記比較に基づいて、前記呼吸低下の検出を示す、ように構成されている、
呼吸低下検出装置。
【請求項2】
前記第1の割合が前記第2の割合よりも小さくなっており、前記コントローラが、さらに、前記第1の期間において、前記第1の測定値が前記第1の割合を超えていない場合に、呼吸低下の検出を示すように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の割合が前記第2の割合よりも小さくなっており、前記コントローラが、さらに、前記第1の期間において、前記第1の測定値が、前記第1の割合を超えているけれども、前記第2の割合を超えていない場合に、呼吸低下の検出を示すように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記コントローラが、さらに、前記データからフロー制限の測定値を検出するように構成されており、前記呼吸低下における前記検出を示すことが、さらに、閉塞性を示しているフロー制限の前記測定値に基づいている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
測定された呼吸可能ガスのフローから呼吸低下を検出するための装置であって、測定された呼吸可能ガスのフローを表すデータにアクセスするための、少なくとも1つのプロセッサを有するコントローラを備えており、
前記コントローラが、さらに、
前記測定されたフローから換気量の長期の測定値を判定し、
前記測定されたフローから換気量の短期の測定値を判定し、
換気量の前記長期の測定値の割合としての閾値を決定し、
換気量の前記短期の測定値と前記閾値との第1および第2の交叉部分によって区切られている領域を測定し、
前記測定された領域を用いて、前記呼吸低下を検出するように構成されている、
装置。
【請求項6】
前記コントローラが、換気量の前記短期の測定値が前記閾値を下回ったときから、前記短期の測定値が前記閾値を超えたときまでの期間における、前記閾値と前記短期の測定値との間の差異を積分することによって、前記領域を測定するように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記コントローラが、前記短期の測定値が前記閾値を下回ったときから、前記短期の測定値が前記閾値を超えたときまでの期間における、複数のサンプル値の差分を積算することによって、前記領域を測定するように構成されており、各サンプル値の差分が、前記閾値のサンプル値と換気量の前記短期の測定値のサンプル値との間の差異である、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記コントローラが、さらに、換気量の前記短期の測定値と前記閾値とを不等式によって比較することによって、前記第1の交叉部分を検出したときに、前記領域の前記測定を始動するように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記コントローラが、さらに、前記領域の測定値を用いて、前記呼吸低下の重症度を示すように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
測定された呼吸可能ガスのフローから呼吸低下を検出するための装置であって、測定された呼吸可能ガスのフローを表すデータにアクセスするための、少なくとも1つのプロセッサを有するコントローラを備えており、
前記コントローラが、さらに、
前記データから換気量の長期の測定値を判定し、
前記データから換気量の短期の測定値を判定し、
換気量の前記長期の測定値の割合としての閾値を決定し、
換気量の前記短期の測定値および前記閾値の関数としての呼吸低下の範囲を計算し、
前記計算された範囲を用いて、前記呼吸低下の重症度を示すように構成されている、
装置。
【請求項11】
測定された呼吸可能ガスのフローを表すデータにアクセスするための、少なくとも1つのプロセッサを有するコントローラを備えており、
前記コントローラが、さらに、
前記測定された呼吸可能ガスのフローを表す前記データから、呼吸低下事象を検出することと、
前記測定されたフローを表す前記データにおいて、前記呼吸低下事象とともに発生する閉塞性を示す測定値を判定することと、
閉塞性を示す前記測定値を前記判定することに基づいて、前記検出された呼吸低下事象を、閉塞性あるいは中枢性に分類することと、を制御するように構成されている、
呼吸低下検出装置。
【請求項12】
前記判定することが、部分的な閉塞を検出し、前記分類することが、閉塞性の呼吸低下事象を記録することを含んでいる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記コントローラが、さらに、呼吸の欠如を検出することを制御するように構成されており、前記分類することが、中枢性の呼吸低下事象を記録することを含んでいる、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記コントローラが、さらに、検出された別の呼吸低下事象とともに発生する呼吸の欠如を検出するとともに、前記検出された呼吸の欠如に基づいて、前記検出された別の呼吸低下事象を記録することを回避するように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
患者のために大気圧よりも高い圧力で呼吸可能ガスを生成するように構成されているフロー生成器と、
フローセンサ、とをさらに備えており、
前記コントローラが、さらに、前記フローセンサを用いて、呼吸可能ガスの前記フローを測定するように構成されているとともに、前記検出された呼吸低下に基づいて、圧力治療レジメンにしたがって前記呼吸可能ガスを生成するように、前記フロー生成器を制御するように構成されている、請求項1〜14のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−50731(P2011−50731A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−128941(P2010−128941)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD
【Fターム(参考)】