説明

呼接続方法、呼接続プログラム、および、呼接続システム

【課題】呼接続が可能なIP電話網に対して、低コストで代表取扱サービスを追加すること。
【解決手段】AS2の番号応答部23は、加入者サーバ1のサービス判定部13から通知された呼接続要求の代表番号を検索キーとして、検索キーの代表番号に対応する着端末の電話番号のリストを候補番号リストとして取得し、呼接続要求の代表番号を通知した加入者サーバ1に応答する。加入者サーバ1の回線選択部14は、候補番号リストから1つの着端末の電話番号を選択して、着信制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼接続方法、呼接続プログラム、および、呼接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電話サービスの1つである代表取扱サービスとは、発端末が代表番号にダイヤルすると、その代表番号に関連づけられている複数の接続候補回線(子回線とも呼ぶ)のうちの空き回線になっている着端末を1つ選択して、その着端末との呼(call:電話の音声データが流れるコネクション)の接続を実現するサービスである(非特許文献1)。これにより、発端末の発信者は、1つの代表番号だけを記憶すればよいため、代表取扱サービスは、多くの着端末を収容するコールセンタ業務などに適している。
【0003】
一方、電気通信業界においては、NGN(Next Generation Network)上での主要なアプリケーションとして、IP(Internet Protocol)電話技術の検討・普及が盛んとなっている。IP電話とは、音声符号をIPパケット化させ、それをIP網で流通させる技術である(非特許文献2,3)。
【0004】
回線交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Networks)では1通話ごとに回線経路の占有が必要なのに対し、IP電話では複数の通話で1つの回線経路が共有される。よって、IP電話を提供する通信事業者にとっては、設備効率(回線使用効率)がよいために設備コストを削減できる。さらに、IP電話のユーザにとっては、回線利用料金を低減できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】NTT東日本、“商品概要(代表取扱サービス)”、[online]、[平成22年1月12日検索]、インターネット(URL:http://www.ntt-east.co.jp/50list/summary/)
【非特許文献2】大阪大学、“NGN(Next Generation Network)の目的と今後”、[online]、[平成22年1月12日検索]、インターネット(URL:http://www.ane.cmc.osaka-u.ac.jp/~hasegawa/2008-aiin/20081217-murakami.pdf)
【非特許文献3】NTT−AT、“やさしい解説「次世代ネットワーク(NGN)技術」”、[online]、[平成22年1月12日検索]、インターネット(URL:http://shop.ntt-at.co.jp/takumi/cat199/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現状のIP電話技術として基本呼レベルの通信は確立しつつあるものの、代表取扱サービスなどの電話の付加サービスに関する技術はまだ確立されていない。電話の付加サービスを既に実現している回線交換電話網の装置(非IP装置)をそのままIP装置として採用してしまうと、装置の置き換えについての導入コストや運用コストが多く負担となってしまい、現実的ではない。
【0007】
よって、基本呼レベルの通信は確立しているIP装置としての呼制御装置を活かしつつ、代表取扱サービスを低コストで追加することが、通信事業者の運用面およびユーザの利用面の両方から、求められている。
【0008】
そこで、本発明は、前記した問題を解決し、呼接続が可能なIP電話網に対して、低コストで代表取扱サービスを追加することを、主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は、発端末から着端末への呼接続要求によって前記発端末と前記着端末との間の呼接続を確立する呼接続システムによる呼接続方法であって、前記発端末からの前記呼接続要求には着信先として代表番号が指定され、前記発端末から前記着端末への前記呼接続要求の経路となるIP電話網には、前記呼接続要求を中継する加入者サーバと、前記代表番号に対応づけられる前記着端末の電話番号を前記加入者サーバに応答するアプリケーションサーバとが接続され、前記加入者サーバが、サービス判定部と、回線選択部と、着信制御部とを有し、前記サービス判定部が、受信した前記呼接続要求で指定されている電話番号が代表取扱サービスの対象であるか否かを判定し、その判定結果として代表取扱サービスの対象である前記呼接続要求の代表番号を前記アプリケーションサーバに通知して、その代表番号に対応する電話番号リストを要求し、前記回線選択部が、前記サービス判定部の要求結果として、代表番号に対応する前記着端末の電話番号のリストである候補番号リストを前記アプリケーションサーバから受信すると、その候補番号リストから使用中ではない前記着端末の電話番号を着信番号として選択し、前記着信制御部が、前記回線選択部が選択した前記着信番号が割り当てられている前記着端末に対して、受信した前記呼接続要求を転送し、前記アプリケーションサーバが、番号応答部と、記憶手段とを有し、前記アプリケーションサーバの記憶手段には、前記代表番号と前記着端末の電話番号との対応情報が記憶され、前記番号応答部が、前記サービス判定部から通知された前記呼接続要求の代表番号を検索キーとして、前記記憶手段の対応情報から、検索キーの代表番号に対応する前記着端末の電話番号のリストを前記候補番号リストとして取得し、前記呼接続要求の代表番号を通知した前記加入者サーバに応答することを特徴とする。
【0010】
これにより、既存の加入者サーバをそのまま活用することにより、呼接続が可能なIP電話網に対して、低コストで代表取扱サービスを追加することができる。なお、候補番号リストから着信番号を選択する処理は、加入者サーバ側で実行される。
【0011】
本発明は、前記番号応答部が、前記候補番号リストを構成する電話番号として、前記検索キーの代表番号に対応する前記着端末の電話番号に加え、前記検索キーの代表番号とは別の代表番号である仮代表番号を含めてから、前記加入者サーバに応答し、前記回線選択部が、前記候補番号リストを構成する前記着端末の電話番号が全て使用中であるときには、前記候補番号リストを構成する仮代表番号を新たな代表番号とする呼接続要求を、その仮代表番号を扱う別の加入者サーバへと転送することを特徴とする。
【0012】
これにより、所定の契約者が複数の加入者サーバにまたがって代表番号を設定することで、所定の加入者サーバの接続候補番号が全て使用中であっても、別の加入者サーバの接続候補番号を活用することができるため、代表取扱サービスにおける呼接続の成功確率を高めることができる。
【0013】
本発明は、発端末から着端末への呼接続要求によって前記発端末と前記着端末との間の呼接続を確立する呼接続システムによる呼接続方法であって、前記発端末からの前記呼接続要求には着信先として代表番号が指定され、前記発端末から前記着端末への前記呼接続要求の経路となるIP電話網には、前記呼接続要求を中継する加入者サーバと、前記代表番号に対応づけられる前記着端末の電話番号を前記加入者サーバに応答するアプリケーションサーバとが接続され、前記加入者サーバが、サービス判定部と、着信制御部とを有し、前記サービス判定部が、受信した前記呼接続要求で指定されている電話番号が代表取扱サービスの対象であるか否かを判定し、その判定結果として代表取扱サービスの対象である前記呼接続要求の代表番号を前記アプリケーションサーバに通知して、その代表番号に対応する電話番号リストを要求し、前記着信制御部が、前記サービス判定部への応答として受信した前記着信番号が割り当てられている前記着端末に対して、受信した前記呼接続要求を転送し、前記アプリケーションサーバが、番号応答部と、回線選択部と、記憶手段とを有し、前記アプリケーションサーバの記憶手段には、前記代表番号と、前記着端末の電話番号と、前記着端末の電話番号の使用状態との対応情報が記憶され、前記番号応答部が、前記サービス判定部から通知された前記呼接続要求の代表番号を検索キーとして、前記記憶手段の対応情報から、検索キーの代表番号に対応する前記着端末の電話番号のリストを前記候補番号リストとして取得し、前記回線選択部が、前記番号応答部が取得した候補番号リストから、前記記憶手段に記憶されている使用状態を参照して、使用中ではない前記候補番号リストに含まれる前記着端末の電話番号を着信番号として選択し、前記呼接続要求の代表番号を通知した前記加入者サーバに応答することを特徴とする。
【0014】
これにより、既存の加入者サーバをそのまま活用することにより、呼接続が可能なIP電話網に対して、低コストで代表取扱サービスを追加することができる。なお、候補番号リストから着信番号を選択する処理は、アプリケーションサーバ側で実行される。
【0015】
本発明は、前記アプリケーションサーバの記憶手段には、さらに、ユーザごとに使用する代表番号のリストが記憶され、前記回線選択部が、前記候補番号リストを構成する前記着端末の電話番号が全て使用中であるときには、前記検索キーの代表番号を使用する同じユーザにおける別の代表番号である仮代表番号を前記記憶手段から検索して前記加入者サーバへ通知し、前記加入者サーバが、前記通知された仮代表番号を新たな代表番号とする呼接続要求を、その仮代表番号を扱う別の加入者サーバへと転送することを特徴とする。
【0016】
これにより、所定の契約者が複数の加入者サーバにまたがって代表番号を設定することで、所定の加入者サーバの接続候補番号が全て使用中であっても、別の加入者サーバの接続候補番号を活用することができるため、代表取扱サービスにおける呼接続の成功確率を高めることができる。
【0017】
本発明は、前記アプリケーションサーバが、さらに、前記番号応答部が検索する前記代表番号と前記着端末の電話番号との対応情報を、利用時間帯ごとに変化させることを特徴とする。
【0018】
これにより、利用時間帯ごとに代表取扱サービスが設定されるので、店舗の営業時間などの利用形態に即した代表取扱サービスを提供することができる。
【0019】
さらに、本発明は、前記した各呼接続方法を実行するための呼接続プログラムである。さらに、本発明は、前記した各呼接続方法を実行することで構成される呼接続システムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、呼接続が可能なIP電話網に対して、低コストで代表取扱サービスを追加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態のIP電話網を示す構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に関する図1のIP電話網を構成する装置の詳細を示す構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態のIP電話網が実行する呼接続処理(リダイレクション無し)を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態のIP電話網を示す構成図である。
【図5】本発明の第1実施形態のIP電話網が実行する呼接続処理(リダイレクション有り)を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に関する図5の処理の続き(リダイレクション有り)を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態に関するIP電話網を構成する装置の詳細を示す構成図である。
【図8】本発明の第2実施形態に関する呼接続処理(リダイレクション無し)のフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態に関する呼接続処理(リダイレクション有り)のフローチャートである。
【図10】比較例としての、回線交換電話網での代表取扱サービスの実現形態を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の第1,第2実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の第1実施形態は、呼接続先の着信番号を、加入者サーバ側で決定する形態である。
本発明の第2実施形態は、呼接続先の着信番号を、アプリケーション側で決定する形態である。
【0023】
図1は、第1実施形態のIP電話網を示す構成図である。このIP電話網のネットワークシステムは、IPの電話網(VoIP:Voice over Internet Protocol)にて、代表取扱いサービスを実現するためのシステムである。
ネットワークシステムは、加入者サーバ1と、AS2と、中継サーバ3(3a)と、IP変換装置4と、発端末8と、着端末9(9a〜9c)とを含めて構成される。これらのネットワークシステムを構成する各装置は、それぞれ、各種プログラムを実行するCPUと、各種プログラムが読み込まれる記憶領域であるメモリと、各種テーブルの記憶先である記憶手段(ハードディスクなど)と、通信手段(ネットワークインタフェース)とを備えるコンピュータとして構成される。
なお、図1では、発端末8から着端末9への呼接続の流れについて、破線矢印でその呼接続の経路を示している。また、図1のIP電話網は、その構成要素の各装置をノードとし、その呼接続の経路(破線矢印)を決定するする呼ルーティングシステムとして動作する。
【0024】
発端末8は、発信者から代表番号のダイヤルを受け付ける電話端末であり、受け付けたダイヤルをもとに、代表番号への発信要求信号を収容先のIP変換装置4に送信する。送信する発信要求信号とは、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)のINVITEメッセージである。
中継サーバ3は、中継系呼処理を行うサーバであり、加入者サーバ1から受信した発信要求信号を、他の加入者サーバ1へと中継する。中継サーバ3は、この中継処理における中継先として、発信要求信号で指定されている代表番号を収容する加入者サーバ1を選択する。さらに、中継サーバ3は、発信要求信号への応答信号を加入者サーバ1から受信すると、発端末8を収容する加入者サーバ1へと転送する。
【0025】
加入者サーバ1は、中継サーバ3の下位装置として、加入者系呼処理を行うサーバである。加入者サーバ1は、IP変換装置4を下位装置として収容する。
IP変換装置4は、非IP信号からIP信号への変換処理、および、IP信号から非IP信号への変換処理を行う装置である。このIP変換装置4を非IP網とIP網との中継地点に配置することにより、既存の一般加入者の装置をIP網へと収容する。
非IP信号とは、既存のアナログ/ISDN(Integrated Services Digital Network)端末の電気インタフェースで伝達される呼制御信号および主信号(音声信号)である。IP信号とは、呼(セッション)の制御を行うためのSIP信号、および、そのセッションを介して伝達される音声信号を含む音声IPパケットである。
このIP変換装置4は、加入者宅内または通信事業者ビル内に設置される装置で、事業者ネットワークからの光ケーブルを終端し、電話機とのメタルインタフェースに変換するための装置であり、1台以上の電話端末(発端末8および着端末9のどちらでもよい)を収容することができる。
さらに、このIP変換装置4は、収容される加入者サーバ1からの着信制御の指示を受け、収容する着端末9への呼接続を実行する。
【0026】
加入者サーバ1は、配下に収容する各着端末9の使用状態である呼状態(図1の吹き出しに記載した、呼接続を行っている「使用中」、または、呼接続を行っていない「未使用」が該当)を管理する。そして、加入者サーバ1は、配下に収容する各着端末9からの発信要求信号を、IP変換装置4を介して受信すると、その発信要求信号の送信先を求めて、送信先へと転送する。同様に、加入者サーバ1は、配下に収容する各着端末9への発信要求信号を、IP変換装置4を介して各着端末9に転送する。
【0027】
なお、図1では、1つの加入者サーバ1に収容される3つの着端末9(9a,9b,9c)は、1つの代表番号を着信番号とする代表取扱サービスの代表回線を構成している。よって、発端末8が代表番号をダイヤルすると、3つの着端末9のうちの未使用の着端末9が加入者サーバ1によって選択され、その未使用の着端末9にのみ着呼する。
【0028】
AS(Application Server)2は、IP網で提供する高度なサービス(代表取扱サービスなど)を提供するためのサーバである。
AS2は、代表取扱サービスを提供するときには、加入者サーバ1から代表取扱サービスの着信番号(代表番号)に対応する接続候補番号の検索要求を受信する。AS2は、検索要求で指定された代表番号を構成する代表回線に対応する接続候補番号のうちの、その検索要求を送信した加入者サーバ1が収容する着端末9の接続候補番号のリストを取得して、候補番号リストとして加入者サーバ1へと返信する。
これにより、加入者サーバ1は、候補番号リストから自ら管理する接続候補番号ごとの使用/未使用の使用状態を参照して、未使用の着信番号を選択し、選択した着端末9に対して着信制御を実行することができる。
【0029】
なお、AS2を加入者サーバ1とは独立した筐体とし、1台のAS2が複数台の加入者サーバ1からのサービス要求に対応する形態により、加入者サーバ1への追加のインストールやリブートなどの保守処理を極力抑えることで、新しいサービス提供機能を柔軟に導入でき、迅速にサービスを提供できる。
【0030】
図2は、図1のIP電話網を構成する装置のうちの加入者サーバ1およびAS2それぞれの詳細を示す構成図である。
加入者サーバ1は、番号サービス対応テーブル11と、サービス接続先テーブル12と、サービス判定部13と、回線選択部14と、着信制御部15とを有する。
AS2は、候補番号管理テーブル21と、代表サービス管理テーブル22と、番号応答部23とを有する。
【0031】
【表1】

【0032】
表1に示す番号サービス対応テーブル11は、着信番号ごとに、その着信番号に対する各付加サービス(代表取扱サービス、留守番電話サービス、メータ検診サービスなどが例示される)の契約状況(契約あり、または、契約なし)を記憶する。
例えば、着信番号「#100」は、代表取扱サービスを契約しており、着信番号「#200」は、代表取扱サービスおよび留守番電話サービスを契約している。
サービス判定部13は、加入者サーバ1の配下に収容する各着端末9への発信要求信号を受信すると、その発信要求信号で指定される着信番号をもとに、その着信番号に対して適用する電話サービスを特定する。
【0033】
【表2】

【0034】
表2に示すサービス接続先テーブル12は、各付加サービスのサービス名称ごとに、そのサービス接続先であるAS2のアドレスと、その接続先への通信内容(送信パラメータおよび受信パラメータ)とを対応づけて記憶する。
例えば、代表取扱サービスの接続先は「第1AS」であり、その「第1AS」への送信パラメータは、着信番号(代表番号と同じ)であり、その「第1AS」からの受信パラメータは、代表番号に属する接続候補番号のリストである。
サービス判定部13は、表1の番号サービス対応テーブル11を参照して特定した、着信番号に対して適用する電話サービスに「代表取扱サービス」が含まれる場合には、AS2(第1AS)の番号応答部23に対して、前記した送信パラメータを送信し、その応答として前記した受信パラメータを受信することで、複数の着端末9の中から着信対象となる1つの着端末9を選択する。
【0035】
【表3】

【0036】
表3に示す候補番号管理テーブル21は、代表リストの識別子ごとに、その代表リストを構成する1つ以上の接続候補番号を対応づけて記憶する。
【0037】
【表4】

【0038】
表4に示す代表サービス管理テーブル22は、表3に示す候補番号管理テーブル21と「代表リスト」列を共通で有する。代表サービス管理テーブル22は、代表取扱サービスの代表番号と、その代表番号に対応する代表リストと、その代表リストが利用される条件を示す利用条件とを対応づけて管理する。
表4では、利用条件の一例として、現在の曜日ごとに利用する代表リストを変更する例を示している。
例えば、代表番号#100に対応する接続候補番号は、平日(月曜〜金曜)には、代表リスト「L100−1」に対応づけられている「#101,#102,#103」である(候補番号管理テーブル21を参照することで、代表リストから接続候補番号を特定できる)。
一方、同じ代表番号#100に対応する接続候補番号でも、土曜日には、代表リスト「L100−2」に対応づけられている「#103」である。
さらに、同じ代表番号#100に対応する接続候補番号でも、日曜日には、代表リストがそもそも対応づけられていないので、接続候補番号が存在せず、その日曜日には営業時間外ガイダンスが流れる。
【0039】
番号応答部23は、加入者サーバ1から代表番号「#100」を検索要求として受信すると、受信した代表番号「#100」から、代表サービス管理テーブル22において対応する代表リスト「L100−1」を求め、候補番号管理テーブル21において代表リスト「L100−1」に対応づけられている3つの接続候補番号(#101、#102、#103)から構成される候補番号リストを、加入者サーバ1の回線選択部14へと応答する。
【0040】
回線選択部14は、番号応答部23から受信した候補番号リストから、優先順位の一番高い番号(例えば、電話番号の数値が最小である#101など)を着信番号として選択し、着信制御部15へと通知する。
ここで、回線選択部14は、その回線選択部14が属する加入者サーバ1によって、その加入者サーバ1が収容する各着端末9の現在の使用状態を記憶手段に格納しているときには、その記憶手段から各着端末9の現在の使用状態を読み取り、受信した候補番号リストのうちの現在の使用状態が「使用中」である電話番号を、着信制御からあらかじめ除外してもよい。
【0041】
着信制御部15は、通知された着信番号をもとに、IP変換装置4に対して、その着信番号が割り当てられている着端末9への着信制御を依頼する。IP変換装置4は、依頼に基づき、収容する着端末9への着信制御を実行する。
ここで、着信制御部15は、着信番号が使用中(通話中)であるときには、回線選択部14にその旨を返信し、回線選択部14に対して、まだ着呼制御していない候補番号リストの電話番号を新たに通知してもらってもよい。
【0042】
図3は、第1実施形態のIP電話網が実行する呼接続処理を示すフローチャートである。
【0043】
S11において、発端末8は、発信者からダイヤルされた代表番号(表3の「#100」)を含むINVITEを、中継サーバ3へ送信する。
S12において、中継サーバ3は、受信したINVITEを加入者サーバ1aへ送信する。なお、加入者サーバ1aは、INVITEの代表番号に対応する着端末9を収容する加入者サーバ1である。
【0044】
S21において、加入者サーバ1は、受信したINVITEの代表番号についての代表取扱サービスを起動する。具体的には、サービス判定部13が、受信したINVITEの代表番号を検索キーの着信番号(表1の「#100」)として番号サービス対応テーブル11を検索し、該当するレコードの「代表取扱サービス」列が「○ 契約あり」であるときに、その着信番号での代表取扱サービスを起動する。
S22において、サービス判定部13は、代表番号を含むINVITEを、AS2の番号応答部23へと送信する。ここで、サービス判定部13は、送信先のAS2のアドレスを、サービス接続先テーブル12の「サービス接続先」から取得する。
【0045】
S23において、番号応答部23は、S22からのINVITEで指定された代表番号に代表サービス管理テーブル22で対応する代表リスト「L100−1」の構成要素である接続候補番号を候補番号管理テーブル21から抽出し、その結果を候補番号リストとして取得する(表3の「#101,#102,#103」)。
【0046】
S24において、番号応答部23は、S23で取得した候補番号リストを含むINVITEを、加入者サーバ1の回線選択部14へと返信する。
S25において、回線選択部14は、受信した候補番号リストから、現在の使用状態が「未使用」であり、かつ、優先度が一番高い接続候補番号を、着信回線として選択する(表3の「#101」)。そして、回線選択部14は、着信回線を指定した着信制御の指示を着信制御部15に通知する。
【0047】
S31において、着信制御部15は、通知された着信回線の電話番号を含むINVITE(着信回線指示)を、IP変換装置4へ送信する。
S32において、IP変換装置4は、受信した着信回線指示で指定される電話番号が、収容する着端末9のものであり、かつ、その着端末9が未使用状態であることを確認する。
S33において、IP変換装置4は、S32で確認した着信番号の情報を含む呼び出し信号を、加入者サーバ1aに通知する。
S34において、加入者サーバ1aは、通知された呼び出し信号を、中継サーバ3へと転送する。
S35において、中継サーバ3は、通知された呼び出し信号を、発端末8へと転送する。
S36において、IP変換装置4は、S32で確認した着信番号の着端末9に対して、呼び出し音を通知しつづける。そして、着端末9の着信者から、受話器がとられたときに、発端末8と着端末9との呼接続処理が完了し、お互いの通話が可能になる。
【0048】
図4は、図1とは別のIP電話網を示す構成図である。基本的には、図1(第1実施形態)のIP電話網と同じである。しかし、図4では、発端末8から着端末9dへの呼接続の経路について、着端末9を収容する加入者サーバ1(1a,1b)を2台分通過するが、図1では、呼接続の経路においては、着端末9を収容する加入者サーバは、1台だけである点が異なる。なお、加入者サーバ1zは、着端末9を収容していないサーバである。
【0049】
加入者サーバ1aは、着端末9a,9bを収容するが、図4の時点ではその2つ着端末9は、共に他の呼接続によって使用中である。よって、加入者サーバ1aは、受信した呼接続要求を割り当てる着端末9を、自ら収容する着端末9からは検索できない。そのため、加入者サーバ1aは、AS2に問い合わせることによって、他の加入者サーバ1bなら呼接続要求を割り当てることができる旨を通知してもらい、その加入者サーバ1bに対して、呼接続要求を転送する。
【0050】
加入者サーバ1bは、転送された呼接続要求を割り当てる着端末9を、自ら収容する着端末9dから検索すると、その着端末9dに対して、着信制御することにより、発端末8と着端末9dとの間の呼接続を確立することができる。
【0051】
図5は、図4のIP電話網が実行する呼接続処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、図3の呼接続処理に対して、一部の処理を修正したものである。よって、図3と同じ処理には同じ符号を割り当てるとともに、以下の説明では両フローチャートの相違点に着目して、説明する。
【0052】
【表5】

【0053】
表5に示す候補番号管理テーブル21は、図4のIP電話網におけるAS2が参照するデータの一例である。表3の候補番号管理テーブル21との違いは、接続候補番号に、着端末9の電話番号(#101,#102,#103)だけでなく、仮代表番号(#200)も含まれている点である。なお、加入者サーバ1bが扱う仮代表番号とは、加入者サーバ1aが扱う代表番号と同様に、代表取扱サービスにおける1つ以上の接続候補番号に対応づけられる番号である。
【0054】
S11〜S22は、図3の同じ符号で示される各処理と同じ処理内容である。
S23aは、S23の代わりとなる処理であり、図3のS23で取得する着端末9の電話番号に加え、さらに、S22の代表番号に対応する仮代表番号を含む候補番号リストを取得する処理である。
S24aは、S24の代わりとなる処理であり、S23の候補番号リストの代わりに、S23aの仮代表番号を含む候補番号リストを送信する処理である。
S25において、S24aで受信した候補番号リストに含まれる着端末9の電話番号は、全て使用中であることにより、S29において、候補番号リストに含まれる仮代表番号を、S11,S12のINVITEの転送先とする。
【0055】
図6は、図5の処理の続きを示すフローチャートである。
【0056】
S41において、加入者サーバ1aは、S29で決定した仮代表番号を含むINVITEを、その仮代表番号を収容する加入者サーバ1bへと通知する。
S42〜S45の処理は、S22〜S25の処理と同じであるが、以下が相違点である。
・動作の主体が加入者サーバ1aから加入者サーバ1bへと置き換わっている。
・検索対象の代表番号が、仮代表番号へと置き換わっている。
S45の後に実行されるS31〜S36の各処理は、図3の同じ符号で示される各処理と同じ処理内容である。
【0057】
以上、図1〜図6を参照して、第1実施形態(単一の加入者サーバ1を中継した呼接続処理、および、複数の加入者サーバ1を中継した呼接続処理)を説明した。
【0058】
図7は、第2実施形態における加入者サーバ1およびAS2の装置構成を示す構成図である。第2実施形態でのIP電話網システムの概要は、図1と同じである。そして、図7と図2との相違点は、以下の通りである。
・回線選択部14を包含する装置が、加入者サーバ1からAS2へと変更されている。
・候補番号管理テーブル21から候補番号管理テーブル21bへと変更されている。両テーブルの違いは、着端末9ごとの現在の使用状態を記憶するか否かである(後記の表6で説明)。
・新たに契約者管理テーブル24をAS2側に設けている。この契約者管理テーブル24は、代表番号から仮代表番号を求める処理において、参照される。
【0059】
【表6】

【0060】
表6は、候補番号管理テーブル21bを示す。表3の候補番号管理テーブル21との違いは、「番号状態」列が追加されている点である。「番号状態」は、対応する接続候補番号の着端末9が使用中(通話中)か否かを示す列である。なお、この「番号状態」は、AS2が着端末9を監視することにより、最新の情報を取得して更新し続ける動的な(時刻経過によって変動する)パラメータである。
これにより、AS2の回線選択部14は、候補番号管理テーブル21bの使用状態を参照して、候補番号リストの接続候補番号から、使用状態が「未使用」である着信番号を選択することができる。
【0061】
【表7】

【0062】
表7は、契約者管理テーブル24を示す。契約者管理テーブル24は、契約者IDごとに、その契約者が使用する1つ以上の代表リストが対応づけられている。
【0063】
図8は、図7の変形例に対応する呼接続処理のフローチャートである。基本的には、図3のフローチャートと同じであるが、以下の相違点がある。
・候補番号リストから着信回線を選択する回線選択部14の処理(図3のS25)が、AS2の側で行われる(図8のS25b)。
・S22の代表番号での問い合わせへの応答として、候補番号リストを応答する(図3のS24)代わりに、着信番号として選択された結果を応答する(図8のS24b)。
【0064】
なお、S24bで着信番号を通知するときのメッセージは、S22で検索キーとしての代表番号を受信し、S24bで着信番号を返信するときの通信メッセージの形態について、例えば、以下の3つの方式のうちの1つを採用してもよい。
(方式1)AS2は、S22で代表番号を含むSIPのMESSAGEリクエストを受信し、S24bで着信番号を含む「200 OK」応答を送信する。
(方式2)AS2は、S22で代表番号を含むSIPのINVITEを受信し、S24bで着信番号を含む応答信号(SIPのINVITE)を送信する。
(方式3)AS2は、S22で代表番号を含むSIPのINVITEを受信し、S24bでリダイレクション応答信号(状態番号30X)を送信する。
なお、候補番号管理テーブル21bで管理する番号状態の内容が古く、加入者サーバ1側で、S24bで受信した着信番号が「使用中」であることを検知したときには、S24bで受信した着信番号とは別の着信番号を、再度AS2に催促してもよい。
【0065】
図9は、第2実施形態における図7のIP電話網(回線選択部14を包含する装置がAS2である構成)が実行する呼接続処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、図5のフローチャートの代わりとなる呼接続処理の前半部の処理を示し、呼接続処理の後半部の処理は、図6のフローチャートと同じである。以下、図9と図5との違いに着目して、説明を行う。
【0066】
図9のS23,S24b,S25bの処理は、図5のS23a,S24a,S25の処理を置き換えるものである。図9のS23,S24b,S25bの処理は、図8の同じ符号の処理で説明したとおりである。
【0067】
S26〜S28の処理が、図5のS29の処理から置き換わっている。
S26において、回線選択部14は、AS2が一つの空き子番号を抽出し加入者サーバへ通知し、加入者サーバが当該子番号へ着信処理を行ったら(タイミング等で)話中だったときには、その旨を示す「話中」を、AS2に通知する。
なお、S25bの後に、AS2が「話中」であるか否かを判断し、「話中」であるときにはただちにS27を実行することによって、S24bおよびS26の処理の省略が可能である。
S27において、回線選択部14は、「話中」を受信すると、契約者管理テーブル24を参照して、「話中」であった所定の代表リストに対応する契約者を特定し、その同じ契約者に対応する1つ以上の別の代表リストを取得する。
そして、回線選択部14は、取得した1つ以上の別の代表リストから、その代表リストに属する接続候補番号で1つ以上の「未使用」の接続候補番号が存在する代表リスト(着呼可能な代表リスト)を選択する。そして、回線選択部14は、その着呼可能な代表リストに対応する仮代表番号を取得する。
なお、代表リストから仮代表番号を取得する処理は、代表サービス管理テーブル22の「代表リスト」列を検索キーとして、対応する「代表番号」列を求める処理である。
S28において、回線選択部14は、取得した仮代表番号が設定されたINVITE信号を、AS2から加入者サーバ1aへと返信する。
これにより、加入者サーバ1aがS28で受信した仮代表番号は、その仮代表番号に属する接続候補番号に1つ以上の空き(未使用)があることがS27で保証されているので、迅速に着呼可能な着端末9への着呼を実現できる。
【0068】
以上説明した本実施形態では、回線交換電話網で実現していた代表取扱サービスを、IP網で実現する方式に関する。代表取扱サービスを担当する装置を加入者サーバ1とは別のAS2として構成し、複数の加入者サーバ1(クライアント)が1つのAS2(サーバ)を共用するサーバ・クライアント構成にすることにより、既存の加入者サーバ1を活用しつつ、代表取扱サービスを円滑に導入することができる。
さらに、同じ契約者が複数の加入者サーバ1(その加入者サーバ1が担当する代表リスト)を使用するように、契約者管理テーブル24に登録しておくことにより、複数の加入者サーバ1にまたがった代表取扱サービスを実現することができる。よって、代表を構成する子回線を同一サーバ収容としなくてよいため、事業者側にとって設備効率を向上させることができるとともに、同一サーバ収容でしか代表を組めないといった事業者都合によるサービス制約を、ユーザは受けずに済む。
【0069】
図10は、比較例としての、回線交換電話網での代表取扱サービスの実現形態を示す構成図である。図1と比較すると、以下の点が異なる。
・図10のIC(Intra-zone Center)73は、図1の中継サーバ3に対応する県内中継局としての装置である。
・図10では、図1の代表取扱サービスを担当するAS2が存在しない。図10での代表取扱サービスは、加入者サーバ1に対応するそれぞれの群局としてのGC(Group Unit Center)71が、他のGC71とは独立に実行する。
【0070】
このため、図10では、着端末9を収容するGC71の全てが代表取扱サービスの機能をそれぞれ持つ必要があるため、加入者サーバ1に対して代表取扱サービスを実現するためのプログラムやデータなどをインストールする作業が発生する。この作業によって、稼動している加入者サーバ1を停止するなど、ユーザに不便を強いる。
さらに、図10では、代表取扱サービスの実現機能が、個々のGC71に閉じているため、空き回線の選択は同一のGC71内に収容されている着端末9間に限定される。このため、複数のGC71をまたがっての代表取扱サービスが実現できない。
【符号の説明】
【0071】
1 加入者サーバ
2 AS(アプリケーションサーバ)
3 中継サーバ
4 IP変換装置
8 発端末
9 着端末
11 番号サービス対応テーブル
12 サービス接続先テーブル
13 サービス判定部
14 回線選択部
15 着信制御部
21 候補番号管理テーブル
22 代表サービス管理テーブル
23 番号応答部
24 契約者管理テーブル
71 GC
73 IC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発端末から着端末への呼接続要求によって前記発端末と前記着端末との間の呼接続を確立する呼接続システムによる呼接続方法であって、
前記発端末からの前記呼接続要求には着信先として代表番号が指定され、
前記発端末から前記着端末への前記呼接続要求の経路となるIP電話網には、前記呼接続要求を中継する加入者サーバと、前記代表番号に対応づけられる前記着端末の電話番号を前記加入者サーバに応答するアプリケーションサーバとが接続され、
前記加入者サーバは、サービス判定部と、回線選択部と、着信制御部とを有し、
前記サービス判定部は、受信した前記呼接続要求で指定されている電話番号が代表取扱サービスの対象であるか否かを判定し、その判定結果として代表取扱サービスの対象である前記呼接続要求の代表番号を前記アプリケーションサーバに通知して、その代表番号に対応する電話番号リストを要求し、
前記回線選択部は、前記サービス判定部の要求結果として、代表番号に対応する前記着端末の電話番号のリストである候補番号リストを前記アプリケーションサーバから受信すると、その候補番号リストから使用中ではない前記着端末の電話番号を着信番号として選択し、
前記着信制御部は、前記回線選択部が選択した前記着信番号が割り当てられている前記着端末に対して、受信した前記呼接続要求を転送し、
前記アプリケーションサーバは、番号応答部と、記憶手段とを有し、
前記アプリケーションサーバの記憶手段には、前記代表番号と前記着端末の電話番号との対応情報が記憶され、
前記番号応答部は、前記サービス判定部から通知された前記呼接続要求の代表番号を検索キーとして、前記記憶手段の対応情報から、検索キーの代表番号に対応する前記着端末の電話番号のリストを前記候補番号リストとして取得し、前記呼接続要求の代表番号を通知した前記加入者サーバに応答することを特徴とする
呼接続方法。
【請求項2】
前記番号応答部は、前記候補番号リストを構成する電話番号として、前記検索キーの代表番号に対応する前記着端末の電話番号に加え、前記検索キーの代表番号とは別の代表番号である仮代表番号を含めてから、前記加入者サーバに応答し、
前記回線選択部は、前記候補番号リストを構成する前記着端末の電話番号が全て使用中であるときには、前記候補番号リストを構成する仮代表番号を新たな代表番号とする呼接続要求を、その仮代表番号を扱う別の加入者サーバへと転送することを特徴とする
請求項1に記載の呼接続方法。
【請求項3】
発端末から着端末への呼接続要求によって前記発端末と前記着端末との間の呼接続を確立する呼接続システムによる呼接続方法であって、
前記発端末からの前記呼接続要求には着信先として代表番号が指定され、
前記発端末から前記着端末への前記呼接続要求の経路となるIP電話網には、前記呼接続要求を中継する加入者サーバと、前記代表番号に対応づけられる前記着端末の電話番号を前記加入者サーバに応答するアプリケーションサーバとが接続され、
前記加入者サーバは、サービス判定部と、着信制御部とを有し、
前記サービス判定部は、受信した前記呼接続要求で指定されている電話番号が代表取扱サービスの対象であるか否かを判定し、その判定結果として代表取扱サービスの対象である前記呼接続要求の代表番号を前記アプリケーションサーバに通知して、その代表番号に対応する電話番号リストを要求し、
前記着信制御部は、前記サービス判定部への応答として受信した前記着信番号が割り当てられている前記着端末に対して、受信した前記呼接続要求を転送し、
前記アプリケーションサーバは、番号応答部と、回線選択部と、記憶手段とを有し、
前記アプリケーションサーバの記憶手段には、前記代表番号と、前記着端末の電話番号と、前記着端末の電話番号の使用状態との対応情報が記憶され、
前記番号応答部は、前記サービス判定部から通知された前記呼接続要求の代表番号を検索キーとして、前記記憶手段の対応情報から、検索キーの代表番号に対応する前記着端末の電話番号のリストを前記候補番号リストとして取得し、
前記回線選択部は、前記番号応答部が取得した候補番号リストから、前記記憶手段に記憶されている使用状態を参照して、使用中ではない前記候補番号リストに含まれる前記着端末の電話番号を着信番号として選択し、前記呼接続要求の代表番号を通知した前記加入者サーバに応答することを特徴とする
呼接続方法。
【請求項4】
前記アプリケーションサーバの記憶手段には、さらに、ユーザごとに使用する代表番号のリストが記憶され、
前記回線選択部は、前記候補番号リストを構成する前記着端末の電話番号が全て使用中であるときには、前記検索キーの代表番号を使用する同じユーザにおける別の代表番号である仮代表番号を前記記憶手段から検索して前記加入者サーバへ通知し、
前記加入者サーバは、前記通知された仮代表番号を新たな代表番号とする呼接続要求を、その仮代表番号を扱う別の加入者サーバへと転送することを特徴とする
請求項3に記載の呼接続方法。
【請求項5】
前記アプリケーションサーバは、さらに、前記番号応答部が検索する前記代表番号と前記着端末の電話番号との対応情報を、利用時間帯ごとに変化させることを特徴とする
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の呼接続方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の呼接続方法を、IP電話網の各装置に実行させるための呼接続プログラム。
【請求項7】
発端末から着端末への呼接続要求によって前記発端末と前記着端末との間の呼接続を確立する呼接続システムであって、
前記発端末からの前記呼接続要求には着信先として代表番号が指定され、
前記発端末から前記着端末への前記呼接続要求の経路となる前記呼接続システムとしてのIP電話網には、前記呼接続要求を中継する加入者サーバと、前記代表番号に対応づけられる前記着端末の電話番号を前記加入者サーバに応答するアプリケーションサーバとが接続され、
前記加入者サーバは、サービス判定部と、回線選択部と、着信制御部とを有し、
前記サービス判定部は、受信した前記呼接続要求で指定されている電話番号が代表取扱サービスの対象であるか否かを判定し、その判定結果として代表取扱サービスの対象である前記呼接続要求の代表番号を前記アプリケーションサーバに通知して、その代表番号に対応する電話番号リストを要求し、
前記回線選択部は、前記サービス判定部の要求結果として、代表番号に対応する前記着端末の電話番号のリストである候補番号リストを前記アプリケーションサーバから受信すると、その候補番号リストから使用中ではない前記着端末の電話番号を着信番号として選択し、
前記着信制御部は、前記回線選択部が選択した前記着信番号が割り当てられている前記着端末に対して、受信した前記呼接続要求を転送し、
前記アプリケーションサーバは、番号応答部と、記憶手段とを有し、
前記アプリケーションサーバの記憶手段には、前記代表番号と前記着端末の電話番号との対応情報が記憶され、
前記番号応答部は、前記サービス判定部から通知された前記呼接続要求の代表番号を検索キーとして、前記記憶手段の対応情報から、検索キーの代表番号に対応する前記着端末の電話番号のリストを前記候補番号リストとして取得し、前記呼接続要求の代表番号を通知した前記加入者サーバに応答することを特徴とする
呼接続システム。
【請求項8】
前記番号応答部は、前記候補番号リストを構成する電話番号として、前記検索キーの代表番号に対応する前記着端末の電話番号に加え、前記検索キーの代表番号とは別の代表番号である仮代表番号を含めてから、前記加入者サーバに応答し、
前記回線選択部は、前記候補番号リストを構成する前記着端末の電話番号が全て使用中であるときには、前記候補番号リストを構成する仮代表番号を新たな代表番号とする呼接続要求を、その仮代表番号を扱う別の加入者サーバへと転送することを特徴とする
請求項7に記載の呼接続システム。
【請求項9】
発端末から着端末への呼接続要求によって前記発端末と前記着端末との間の呼接続を確立する呼接続システムであって、
前記発端末からの前記呼接続要求には着信先として代表番号が指定され、
前記発端末から前記着端末への前記呼接続要求の経路となる前記呼接続システムとしてのIP電話網には、前記呼接続要求を中継する加入者サーバと、前記代表番号に対応づけられる前記着端末の電話番号を前記加入者サーバに応答するアプリケーションサーバとが接続され、
前記加入者サーバは、サービス判定部と、着信制御部とを有し、
前記サービス判定部は、受信した前記呼接続要求で指定されている電話番号が代表取扱サービスの対象であるか否かを判定し、その判定結果として代表取扱サービスの対象である前記呼接続要求の代表番号を前記アプリケーションサーバに通知して、その代表番号に対応する電話番号リストを要求し、
前記着信制御部は、前記サービス判定部への応答として受信した前記着信番号が割り当てられている前記着端末に対して、受信した前記呼接続要求を転送し、
前記アプリケーションサーバは、番号応答部と、回線選択部と、記憶手段とを有し、
前記アプリケーションサーバの記憶手段には、前記代表番号と、前記着端末の電話番号と、前記着端末の電話番号の使用状態との対応情報が記憶され、
前記番号応答部は、前記サービス判定部から通知された前記呼接続要求の代表番号を検索キーとして、前記記憶手段の対応情報から、検索キーの代表番号に対応する前記着端末の電話番号のリストを前記候補番号リストとして取得し、
前記回線選択部は、前記番号応答部が取得した候補番号リストから、前記記憶手段に記憶されている使用状態を参照して、使用中ではない前記候補番号リストに含まれる前記着端末の電話番号を着信番号として選択し、前記呼接続要求の代表番号を通知した前記加入者サーバに応答することを特徴とする
呼接続システム。
【請求項10】
前記アプリケーションサーバの記憶手段には、さらに、ユーザごとに使用する代表番号のリストが記憶され、
前記回線選択部は、前記候補番号リストを構成する前記着端末の電話番号が全て使用中であるときには、前記検索キーの代表番号を使用する同じユーザにおける別の代表番号である仮代表番号を前記記憶手段から検索して前記加入者サーバへ通知し、
前記加入者サーバは、前記通知された仮代表番号を新たな代表番号とする呼接続要求を、その仮代表番号を扱う別の加入者サーバへと転送することを特徴とする
請求項9に記載の呼接続システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−166253(P2011−166253A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23857(P2010−23857)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】