説明

商品の三列振り分け装置

【課題】 製造工程等から一列に搬送された商品を内容物である商品、商品の外装等を損傷させることなく、三列に振り分けることができ、構成簡単かつ安価な商品の三列振り分け装置を提供する。
【解決手段】 商品Wを三列に載置搬送する幅を有し、幅中央部に所定間隔をあけて商品Wが供給されるベルトコンベア1、該ベルトコンベア1の上面部に平行アーム19、20によって支持され、前記ベルトコンベア1の前記幅中央部に供給された前記商品Wの側面に当接して前記商品Wの供給方向に弧を描きながら前記ベルトコンベア1上を該ベルトコンベア1と平行に揺動し、前記ベルトコンベア1の前記幅中央部に供給された前記商品Wを左右列に振り分け中央列を通過させる振り分けバー12とからなる商品Wの三列振り分け装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、製造工程から、一列に搬送された商品を三列に整列させ、その後の段ボールケース等に一括自動箱詰め等する場合に使用される商品の三列振り分け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本件出願人は、商品を一列に搬送するコンベア、該コンベアに連続させて設けられ、前記商品を適数列に載置する幅を有し、前記コンベアよりもスピードが速められたベルトコンベア、該ベルトコンベア上方に支持され、該ベルトコンベア上に供給された商品を交互列に振り分ける振り分け装置として、直角に駆動させられる反転レバーと、該反転レバーとリンクによって連結され、ガイドレールに沿って往復動させられるスライダーと、該スライダーに設けられた振り分けバーからなる装置を提供している。
【特許文献1】特開2003−327323号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記装置においても、一列に搬送された商品を三列に振り分けることができるが、本発明は、さらに商品の三列振り分け時に、商品に衝撃を与えることなく、すなわち、内容物である商品及び商品の外装等を損傷等することなく振り分けが行われ、さらに構成簡単かつ安価な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するため、本発明の商品の三列振り分け装置は、商品を三列に載置搬送する幅を有し、幅中央部に所定間隔をあけて商品が供給されるベルトコンベアと、該ベルトコンベアの上面部に平行アームによって支持され、前記ベルトコンベアの前記幅中央部に供給された前記商品の側面に当接して前記商品の供給方向に弧を描きながら前記ベルトコンベア上を該ベルトコンベアと平行に揺動し、前記ベルトコンベアの前記中央部に供給された前記商品を左右列に振り分け中央列を通過させる振り分けバーと、からなることを特徴とする(請求項1)。
【0005】
前記本発明によれば、前記商品の左右列への振り分けが、該商品に衝撃を与えることなく行われる。すなわち、前記振り分けバーは、前記ベルトコンベアの幅中央部に供給された商品の側面に当接するとともに、前記商品の供給方向に弧を描きながら前記ベルトコンベア上を該ベルトコンベアと平行に揺動しながら前記商品の左右列振り分け、該商品に衝撃を与えることがないものである。
【0006】
本発明の実施の一形態は、前記振り分けバーを支持する前記平行アームの後端が、前記ベルトコンベアの前記中央列上方の前後に所定間隔をあけて設けられ、同方向に反転するタイミングプーリの回転軸に支持されてなることを特徴とする(請求項2)。
【0007】
前記実施の一形態によれば、構成を簡単にして前記振り分けバーを前記ベルトコンベアと平行に揺動させることができる。すなわち、前記両タイミングプーリにタイミングベルトを掛けて、該タイミングベルトをサーボモータ、ロータ等により反転駆動させればよいものである。
【0008】
本発明のさらに他の実施の一形態は、振り分けバーの前記商品の供給方向側端部にローラを設けたことを特徴とする(請求項3)。
【0009】
前記実施の一形態によれば、前記振り分けバーによる商品の振り分け時に、何らかの事情によりつぎの商品が供給された場合であっても、前記ローラがストッパとして機能し、同時に供給された前記商品の前端面を前記ローラが走行等して前記商品を保護し、同時に前記振り分けバーの速やかな作動を阻害することなく、その後の商品の振り分け工程にトラブルを生ぜしめることがないものである。
【0010】
本発明のさらに他の実施の一形態は、振り分けバーが滑らかな表面を有することを特徴とする。この実施の一形態によれば、商品の左右列振り分けがスムーズに行われるとともに商品に当接した場合に該商品の外装を傷を付けることがないものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の一形態に係る三列振り分け装置の概略側面図、図2は図1の概略平面図、図3は図1の概略正面図、図4は一部切欠き要部の斜視図である。
【0012】
本発明では、商品Wを三列に載置搬送するベルトコンベア1の幅中央部に所定間隔をあけて前記商品Wが供給される。
【0013】
図面実施例では、前記ベルトコンベア1の手前位置に供給コンベア2及びコンべア3を設け、該コンベア3が、モータ4からVベルト5、プーリ6を介して減速させられ、前記供給コンベア2が、前記コンベア3と同一のモータ4からVベルト7、プーリ8を介して、前記コンベア3に比べて駆動スピードが速められた構成になっている。
【0014】
したがって、前記コンベア3上を隣接状態で連続搬送されてきた前記商品Wは前記コンベア3から前記供給コンベア2上に移行すると同時に後続の商品Wと所定間隔をあけられて搬送され、さらに、前記供給コンベア2上において、所定間隔をあけられた前記商品Wは、続いて前記ベルトコンベア1の幅中央部に供給される。
【0015】
なお、前記商品W間に所定間隔をあけて前記ベルトコンベア1上に供給することは、前記供給コンベア2及びコンベア3によることなく行うことができる。
【0016】
すなわち、前記供給コンベア2と前記ベルトコンベア1との間の駆動スピードを前記のごとく調整し、前記ベルトコンベア1上に供給される前記商品W間に所定間隔をあけることが可能である。なお、その場合には、前記コンベア3を必要としない。
【0017】
本発明では、前記のごとく、所定間隔をあけて前記ベルトコンベア1上に供給された前記商品Wが三列に振り分けられる。前記ベルトコンベア1は、モータ9からVベルト10、プーリ11を介して駆動させられる構成になっている。
【0018】
つぎに、前記ベルトコンベア1の上面部に、該ベルトコンベア1の中央部に供給された前記商品Wを左右列に振り分け中央列を通過させる振り分けバー12が設けられる。
【0019】
前記振り分けバー12は、前記ベルトコンベア1の両側位置に、機体13から設けられた支持枠14部から設けられる。図面実施の一形態では、前記ベルトコンベア1の前記中央列上方の前記支持枠14上に、前後に所定間隔をあけてタイミングプーリ15、16を設け、該タイミングプーリ15、16の中心軸15a、16aを前記支持板14に設けた軸受17、18に貫通し、該中心軸15a、16a下端の水平方向に平行アーム19、20の後端部を固着している。
【0020】
さらに、前記平行アーム19、20の先端部に設けた軸受21、22に、前記振り分けバー12を支持する支持板23の上部に設けた軸24、25を嵌装させてなる。したがって、前記平行アーム19、20が揺動させられると、前記振り分けバー12及び前記支持板23が前記ベルトコンベア1上を該ベルトコンベア1と平行に揺動させられる。なお、前記振り分けバー12は滑らかな表面を有する素材が使用される。
【0021】
さらに、前記タイミングプーリ15、16と、前記支持枠14上に設けられたサーボモータ26の駆動タイミングプーリ27とにタイミングベルト28が掛けられる。
【0022】
図中、29は前記振り分けバー12の前記商品の供給方向側端部に設けられたローラであり、すでに述べたごとく、前記商品Wの保護と該商品Wの振り分け時のトラブルを防止する機能を有する。図中、30は前記ベルトコンベア1の両側に設けたガイドレールであり、好ましくは、振り分ける前記商品Wの大きさに合わせて間隔調整自在に構成される。
【0023】
前記構成において、前記ベルトコンベア1の所定位置において、前記商品Wの搬送を検知して前記サーボモータ26を反転駆動させると、前記タイミングプーリ15、16が同方向に反転駆動させられる。同時に、前記振り分けバー12、及び前記支持板23が前記平行アーム19、20の揺動によって前記ベルトコンベア1上を前記商品Wの供給方向に円弧を描きながら、前記ベルトコンベア1と平行に移動させられる。
【0024】
すなわち、前記ベルトコンベア1の幅中央部に所定間隔をあけて供給された前記商品Wを前記振り分けバー12によって、左右列に振り分け中央列を通過させることにより前記ベルトコンベア2上において、前記商品Wを三列に振り分け後続の工程へ搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の一形態に係る三列振り分け装置の概略側面図である。
【図2】図1の概略平面図である。
【図3】図1の概略正面図である。
【図4】図1の一部切欠き要部の斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1 ベルトコンベア
12 振り分けバー
15、16 タイミングプーリ
19、20 平行アーム
29 ローラ
W 商品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を三列に載置搬送する幅を有し、幅中央部に所定間隔をあけて商品が供給されるベルトコンベアと、該ベルトコンベアの上面部に平行アームによって支持され、前記ベルトコンベアの前記幅中央部に供給された前記商品の側面に当接して前記商品の供給方向に弧を描きながら前記ベルトコンベア上を該ベルトコンベアと平行に揺動し、前記ベルトコンベアの前記幅中央部に供給された前記商品を左右列に振り分け中央列を通過させる振り分けバーと、からなることを特徴とする商品の三列振り分け装置。
【請求項2】
前記振り分けバーを支持する前記平行アームの後端が、前記ベルトコンベアの前記中央列上方に前後に所定間隔をあけて設けられ、同方向に反転するタイミングプーリの回転軸に支持されてなる請求項1に記載の商品の三列振り分け装置。
【請求項3】
振り分けバーの前記商品の供給方向端部にローラが設けられてなる請求項1又は2に記載の商品の三列振り分け装置。
【請求項4】
振り分けバーが滑らかな表面を有することを特徴と請求項1、2又は3に記載の商品の三列振り分け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−27757(P2006−27757A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−205019(P2004−205019)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(390039549)株式会社インターパック (15)
【Fターム(参考)】