説明

商品情報表示システム及び情報端末装置

【課題】商品陳列場所での発注作業を簡便化する。
【解決手段】各情報端末装置18は、発注作業担当者を検出したことを条件に当該情報端末装置に対応する商品の在庫をサーバ装置2に問合せる。サーバ装置2は、各種商品の在庫数を商品毎に計数管理しており、情報端末装置18から商品の在庫問合せがある毎に、その管理されている当該商品の在庫数から発注対象商品か否かを判定する。そして、発注対象商品と判定されると当該商品の発注指示画面を編集して、この発注指示画面の情報を在庫問合せがあった情報端末装置18へ送信する。情報端末装置18は、サーバ装置2から発注指示画面の画面情報が応答されると、その画面情報を当該情報端末装置18の表示部に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット,コンビニエンスストア等の店舗で利用される商品情報表示システム及びこのシステムで用いられる情報端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の商品情報表示システムとしては、電子棚札管理システムが知られている。このシステムは、店舗内の商品陳列棚に陳列された各種商品にそれぞれ対応して表示部を備えた電子棚札装置を設けるとともに、各電子棚札装置を管理する電子棚札管理装置を設け、電子棚札管理装置から品名や価格等の商品に関する情報を各電子棚札装置に無線または有線を利用して送信し、この情報を各電子棚札装置が受信して表示部に表示するようにしたものである。この電子棚札管理システムにおいて、従来、店員が陳列棚の前で商品の売上実績を確認しながら発注作業ができるようにするために、各電子棚札装置にそれぞれ対応する商品の売上実績を表示可能としたものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3674538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、商品の売上実績を表示可能な従来の商品情報表示システムを用いた場合でも、商品の発注が必要であるか否かは、実際に陳列されている数量と売上実績から店員が判断しなければならず、店員の負担となっていた。
【0004】
また、発注数量の実績を見ることはできなかったので、売上実績から適当な発注数量を算出しなければならないという面倒もあった。
【0005】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、商品陳列場所での発注作業の簡便化を図り得る商品情報表示システム及び情報端末装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の商品情報表示システムは、陳列されている各種商品にそれぞれ対応して設けられその対応する商品に関する情報を表示する表示部を備えた複数の情報端末装置と、各情報端末装置の表示部に表示させる情報を情報端末装置毎に編集し、編集した情報を該当する情報端末装置へ配信する機能を有したサーバ装置とを、通信ネットワークで接続してなるものである。このものにおいて、各情報端末装置には、発注作業担当者を検出する担当者検出手段と、この担当者検出手段により発注作業担当者が検出されたことを条件に当該情報端末装置に対応する商品の在庫をサーバ装置に問合せる在庫問合せ手段と、この在庫問合せ手段による問合せに対してサーバ装置から応答される画面情報を当該情報端末装置の表示部に表示させる在庫応答画面表示手段とをそれぞれ設ける。サーバ装置には、各種商品の在庫数を商品毎に計数管理する在庫管理手段と、情報端末装置から商品の在庫問合せがある毎に在庫管理手段によって管理されている当該商品の在庫数から発注対象商品か否かを判定する発注判定手段と、この発注判定手段により発注対象商品と判定されると当該商品の発注指示画面を編集する発注指示画面編集手段と、この発注指示画面編集手段により編集された発注指示画面の情報を在庫問合せがあった情報端末装置へ送信する発注指示画面応答手段とを設ける。
【0007】
また、本発明の情報端末装置は、陳列されている商品に対応して設けられ、その対応する商品に関する情報を表示する表示部及びサーバ装置との送信部を備えたものにおいて、さらに、入力部と、この入力部が入力されたことを条件に当該情報端末装置に対応する商品の発注状況をサーバ装置に問合せる発注問合せ手段と、この発注問合せ手段による問合せに対してサーバ装置から応答される画面情報を当該情報端末装置の表示部に表示させる発注応答画面表示手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
かかる手段を講じた本発明によれば、商品陳列場所での発注作業の簡便化を図り得る商品情報表示システム及び情報端末装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、スーパーマーケット,コンビニエンスストア等の店舗に構築される電子棚札管理システムに本発明を適用した場合である。
【0010】
図1は本発明に係る電子棚札管理システムを含む店舗システム1の全体構成を示すブロック図である。店舗システム1は、その中枢部としてサーバ装置2を備えている。サーバ装置2は、専用回線または公衆回線で接続された本部システム3等の外部システムとのデータ通信に特化したネットワークサーバ4、商品販売に関する情報管理に特化したPOS(Point Of Sales)サーバ5、商品の発注・検品業務に関する情報管理に特化した発注・検品サーバ6及び棚札に関する情報管理に特化した棚札管理サーバ7等で構成されている。各サーバ4〜7は、通信回線8によって接続されている。
【0011】
POSサーバ5は、POSシステムの中枢を担うコンピュータであり、通信回線9を介して複数台のPOS端末10を接続している。各POS端末10は、商品販売データ処理装置の一態様であり、客が買い上げる商品の販売データを登録処理し、その商品の商品コード,売上点数及び売上金額からなる商品売上データをPOSサーバ5へ通知する機能を有する。
【0012】
POSサーバ5には、商品情報ファイル11が実装されている。商品情報ファイル11には、商品の品目別に、商品コード,品名,単価,商品分類コード,棚札番号,合計点数,合計金額等のデータ項目からなる商品情報レコードが保存されている。上記データ項目において、商品コードは、店で販売される各種商品品目を識別するために商品毎に予め設定された固有のコードである。合計点数,合計金額は、同一レコードの商品コードによって特定される商品の売上点数及び売上金額の合計値である。棚札番号は、同一レコードの商品コードによって特定される商品に関する情報が表示される電子棚札装置を識別する番号である。POSサーバ5は、各POS端末10から通知される商品売上データを基に、商品情報ファイル11を用いて、商品別に売上点数及び売上金額を累計するものとなっている。また、各POS端末10から通知される商品売上データを、通信回線8を介して棚札管理サーバ7へ転送する機能を有している。
【0013】
発注・検品サーバ6は、発注・検品システムの中枢を担うコンピュータであり、通信回線12を介して無線基地局13を接続している。無線基地局13は、商品発注データ,商品納品データ及び商品品だしデータを入力するための無線式のハンディターミナル14と無線送受信を行うものである。商品発注データとは、発注する商品の商品コードと発注数とからなる。商品納品データとは、納品された商品の商品コードと納品数とからなる。商品品だしデータとは、商品陳列棚へ品だしされた商品の商品コードと品だし数とからなる。なお、図では無線基地局13を1台しか示していないが、実際には複数台が店の各所に分散して設置されており、店内のどの場所からもハンディターミナル14を使ってデータの送受信を行えるようになっている。また、ハンディターミナル14も複数台用意されており、1つの無線基地局13に対して複数のハンディターミナル14が並行して無線通信できるようになっている。
【0014】
発注・検品サーバ6には、発注情報ファイル15が実装されている。発注情報ファイル15には、商品の品目別に、図2に示すデータ構造の発注データレコードが保存されている。すなわち発注データレコードは、商品コード,商品名,発注単位,仕入先情報などの商品発注情報と、発注日付別の発注数及び納品数の発注実績情報とを含む。発注・検品サーバ6は、ハンディターミナル14で入力された商品発注データを受信する毎に、発注情報ファイル15に記憶されている当該商品の発注日付別発注数を更新し、同じく商品納品データを受信する毎に、発注情報ファイル15に記憶されている当該商品の発注日付別納品数を更新するものとなっている。また、ハンディターミナル14から受信した商品納品データ及び商品品だしデータを、通信回線8を介して棚札管理サーバ7へ転送する機能を有している。ここに、発注・検品サーバ6は、発注情報ファイル15を用いて各種商品の過去の発注数を管理する発注管理手段として機能する。
【0015】
棚札管理サーバ7は、電子棚札管理システムの中枢を担うコンピュータであり、通信回線16を介して複数台の棚札コントローラ17を接続している。各棚札コントローラ17は、それぞれ店内に設置された複数の商品陳列棚に対応して設けられており、その商品陳列棚に陳列されている各種商品品目にそれぞれ対応して設けられた全ての電子棚札装置18を通信回線19を介して接続している。各棚札コントローラ17は、棚札管理サーバ7と各電子棚札装置18との間のデータ中継部として機能する。
【0016】
棚札管理サーバ7には、棚札情報ファイル20と発注管理ファイル21が実装されている。棚札情報ファイル20には、図4に示すデータ構造の棚札情報レコードが保存されている。すなわち棚札情報レコードは、棚札番号,商品コード,商品名,価格等の商品棚札情報と、同一レコードの商品コードによって識別される商品の全在庫数A,棚在庫数B及び棚補充数Cの商品在庫情報とを含む。上記データ項目において、棚札番号は、各電子棚札装置18を識別するために電子棚札装置18毎に予め設定された固有の番号である。なお、棚札番号は数字だけでなく、アルファベットなどの文字や記号を含むものであってもよい。また、文字や記号のみで表現されていてもよい。棚在庫数Bは、商品陳列棚に陳列されている当該商品の数量である。本実施の形態では、棚在庫数Bが棚補充数C以下になると、補充または発注の警告が発せられるようになっている。
【0017】
発注管理ファイル21には、図5に示すデータ構造の発注管理レコードが保存されている。すなわち発注管理レコードは、営業日,発注業務開始時刻及び発注業務終了時刻の発注業務時間帯情報と、同一レコードの発注業務時間帯に発注業務を担当する店員を特定するための店員IDコードとを含む。店員IDコードは、各店員を識別するために店員別に設定された固有のIDコードである。ここに、発注管理ファイル21は、予め設定された発注作業担当者の店員IDコードを記憶するID記憶手段として機能する。
【0018】
図3は棚札管理サーバ7の要部構成を示すブロック図である。棚札管理サーバ7は、情報処理,演算処理等を行うCPU(Central Processing Unit)31、CPU31の処理を制御するプログラム等の固定的データが予め格納されるROM(Read Only Memory)32、情報処理,演算処理等で必要なデータを記憶するRAM(Random Access Memory)33、棚札コントローラ17を介して各電子棚札装置18と通信を行うための棚札インターフェイス34、前記棚札情報ファイル20及び発注管理ファイル21等が保存されるHDD(Hard Disk Drive)装置35、現在の日付及び時刻を計時する時計部36、前記通信回線8を介して接続される各サーバ4,5,6と通信を行うためのネットワークコントローラ37等で構成されている。CPU31と、ROM32,RAM33,棚札インターフェイス34,HDD装置35,時計部36及びネットワークコントローラ37とは、アドレスバス,データバス等のバスライン38で接続されている。
【0019】
しかしてCPU31は、棚札情報ファイル20に記憶された商品棚札情報に基づいて各電子棚札装置18に表示させる品名及び価格の表示情報を棚札番号別に編集し、各表示情報をそれぞれ該当する棚札番号が設定された電子棚札装置18に棚札コントローラ17を介して送信する機能を有している。
【0020】
またCPU31は、特に図6の流れ図に示す手順のサーバ間データ受信処理を行うようにプログラムで制御されている。すなわちCPU31は、ST1(ステップ)1としてネットワークコントローラ37を介して接続された他のサーバ4,5,6からデータが転送されてくるのを待機する。そして、ST2としてPOSサーバ5から転送される商品売上データを受信した場合には、ST5として棚札情報ファイル20を検索し、受信した商品売上データ中の商品コードが設定された棚札情報レコードの全在庫数A及び棚在庫数Bから、同商品売上データ中の売上点数を減算する。
【0021】
また、ST3として発注・検品サーバ6から転送される商品納品データを受信した場合には、ST6として棚札情報ファイル20を検索し、受信した商品納品データ中の商品コードが設定された棚札情報レコードの全在庫数A及び棚在庫数Bに、同商品納品データ中の納品点数を加算する。
【0022】
また、ST4として発注・検品サーバ6から転送される商品品だしデータを受信した場合には、ST7として棚札情報ファイル20を検索し、受信した商品品だしデータ中の商品コードが設定された棚札情報レコードの棚在庫数Bに、同商品品だしデータ中の品だし点数を加算する。ここに、棚札管理サーバ7は、各種商品の在庫数を商品毎に計数管理する在庫管理手段としての機能を有している。
【0023】
電子棚札装置18は、陳列されている各種商品にそれぞれ対応して設けられており、その対応する商品に関する情報を表示する表示部を備えた情報端末装置として機能する。電子棚札装置18の正面図を図7に示す。また、電子棚札装置18の要部構成を示すブロック図を図8に示す。
【0024】
電子棚札装置18は、ラベル状をなす筐体41の正面側に、品名,価格等を表示するための表示部42と、切換ボタン43とを設けている。また、RFIDリーダライタ44のアンテナ45を、筐体41の略外周に沿って埋設している。また、駆動源としてのバッテリ46、棚札コントローラ17を介して棚札管理サーバ7とデータ通信を行う通信部47、不揮発性の記憶部48及び各部を制御する制御部49を搭載している。
【0025】
記憶部48では、各電子棚札装置18をそれぞれ識別するために棚札装置毎に割当設定された棚札番号を記憶保持している。また、前記棚札管理サーバ7から配信される品名,価格等の商品値札情報を記憶する。
【0026】
RFIDリーダライタ44は、アンテナ45の交信領域内に存在するRFIDタグ(無線タグ)と無線通信を行って、当該RFIDタグのメモリに記憶された情報を非接触で読取ったり、同メモリに情報を非接触で書き込んだりするものである。本実施の形態では、各店員がそれぞれ身に付けるネームプレート50に、それぞれ自己の店員IDコードが記憶保持されたRFIDタグ51が埋設されている。したがって、店員が商品陳列棚に近付くと、その陳列棚に設けられているいくつかの電子棚札装置18のRFIDリーダライタ44によって、当該店員のネームプレート50から店員IDコードが非接触で読取られる。ここに、RFIDリーダライタ44は、店員を識別する店員IDコードを検出する店員ID検出手段の一部を構成している。
【0027】
図9は電子棚札装置18の制御部49が実行するメイン処理の要部手順を示す流れ図である。前述したように、各電子棚札装置18の記憶部48には、棚札管理サーバ7から棚札コントローラ17を介して伝送されてきた商品名と価格の表示情報が記憶されているので、制御部49は、先ず、ST11としてこの表示情報を表示部42に表示させる。次いで、ST12としてRFIDリーダライタ44によるRFIDタグ51の読取動作を開始させる。
【0028】
これにより、アンテナ45の交信領域内に各店員がそれぞれ胸に付けているネームプレート50が入ると、このネームプレート50に埋設されたRFIDタグ51のメモリ部に記憶されている店員IDコードがRFIDリーダライタ44によって非接触で読取られる。そこで制御部49は、ST13として店員IDコードが読取られるのを待機している。そして、店員IDコードが読取られたことを検知したならば(店員ID検出手段)、制御部49は、ST14としてこの店員IDコードを記憶部48に一時記憶した後、RFIDリーダライタ44による読取動作を一時的に停止させる。しかる後、制御部49は、ST15として記憶部48に記憶されている店員IDコードと棚札番号で在庫問合せデータを編集し、通信部47を介して棚札管理サーバ7宛てに送信する(在庫問合せ手段)。
【0029】
棚札インターフェイス34を介して上記在庫問合せデータを受信した棚札管理サーバ7のCPU31は、図10の流れ図に示す手順の在庫問合せ受信処理を実行する。先ず、ST31として時計部36にて計時されている現在の日付及び時刻を取得する。次に、ST32として発注管理ファイル21を検索して現在の日時が発注時間帯として設定されているか否かを判断する。その結果、現在の日時を発注時間帯とする発注データレコードが存在しない場合には、この在庫問合せ受信処理を終了する。
【0030】
現在の日時を発注時間帯とする発注データレコードが存在する場合には、CPU31は、ST33としてその発注データレコードに設定されている店員IDコードの中に、受信した在庫問合せデータに組み込まれている店員IDコードが存在するか否かを判断する(店員検索手段)。その結果、存在しない場合には、この在庫問合せ受信処理を終了する。
【0031】
在庫問合せデータ中の店員IDコードが当該発注データレコードに設定されている場合には、RFIDリーダライタ44によって検知されたRFIDタグ51を埋設しているネームプレート50は、現在の日時を発注時間帯とする発注業務において発注作業を行う店員のものなので、CPU31は、ST34として受信した在庫問合せデータに組み込まれている棚札番号で棚札情報ファイル20を検索し、当該棚札番号が設定された棚札情報レコードを読み出す。そして、ST35としてこの棚札情報レコードの棚在庫数Bと棚補充数Cとを比較する。その結果、棚在庫数Bが棚補充数Cより多い場合には、品だし不要なので、この在庫問合せ受信処理を終了する。
【0032】
棚在庫数Bが棚補充数C以下の場合には、CPU31は、ST36として当該棚札情報レコードの全在庫数Aと棚補充数Cとを比較する(発注判定手段)。その結果、全在庫数Aが棚補充数C以下の場合には、当該商品は発注を要するので、CPU31は、ST37として当該商品の発注指示画面を編集する(発注指示画面編集手段)。そして、この発注指示画面の情報を、当該在庫問合せデータ送信元の電子棚札装置18宛に、棚札インターフェイス34を介して送信する(発注指示画面応答手段)。また、全在庫数Aが棚補充数Cより多い場合には、当該商品は品だしを要するので、CPU31は、ST38として当該商品の品だし指示画面を編集する。そして、この品だし指示画面の情報を、当該在庫問合せデータ送信元の電子棚札装置18宛に、棚札インターフェイス34を介して送信する。しかる後、この在庫問合せ受信処理を終了するものとなっている。
【0033】
そこで、図9のST15にて在庫問合せデータを送信した電子棚札装置18の制御部49は、ST16として棚札管理サーバ7から画面情報の応答があったか否かを判断する。そして、画面情報の応答が無かった場合にはST12の処理に戻り、RFIDリーダライタ44によるRFIDタグ51の読取動作を再度開始させる。
【0034】
これに対し、発注指示画面または品だし指示画面の情報が応答された場合には、制御部49は、ST17としてその受信画面情報を表示部42に表示させる(在庫応答画面表示手段)。因みに、品だし指示画面が表示部42に表示された電子棚札装置18の一例を図12に示す。また、発注指示画面が表示部42に表示された電子棚札装置18の一例を図13に示す。
【0035】
ここで、受信画面情報が発注指示画面でなく品だし指示画面であった場合には(ST18のNO)、制御部49は、ST49として一定時間が経過するのを待機する。そして、一定時間が経過したならば、ST11の処理に戻り、商品名と価格の表示情報を表示部42に再度表示させる。
【0036】
一方、受信画面情報が発注指示画面であった場合には(ST18のYES)、制御部49は、ST20として記憶部48で記憶しているカウンタデータKを“0”にリセットする。また、ST21として切換ボタン43の入力を許可する。換言すれば、これまでは切換ボタン43が操作入力されても制御部49はその入力を無視するが、以後はボタン入力を受付ける。そして制御部49は、ST22として切換ボタン43が操作入力されるのを待機する。そして、ST23として一定時間を経過しても切換ボタン43が操作入力されない場合には、制御部49は、ST11の処理に戻り、商品名と価格の表示情報を表示部42に再度表示させる。
【0037】
これに対し、一定時間以内に切換ボタン43の操作入力を検知した場合には、制御部49は、ST24として上記カウンタデータKを“1”だけカウントアップする。そして、ST25としてこのカウンタデータKが“4”に達したか否かを判断し、“4”に達した場合には、ST26としてこのカウンタデータKを“0”にリセットする。カウンタデータKが“4”に達していない場合には、カウンタデータKはそのままとする。しかる後、制御部49は、ST27としてこのカウンタデータKと記憶部48で記憶している棚札番号とで発注状況問合せデータを編集し、通信部47を介して棚札管理サーバ7宛てに送信する(発注問合せ手段)。
【0038】
棚札インターフェイス34を介して上記発注問合せデータを受信した棚札管理サーバ7のCPU31は、図11の流れ図に示す手順の発注問合せ受信処理を実行する。先ず、ST41として棚札情報ファイル20を検索して、受信した発注問合せデータ中の棚札番号を含む棚札情報レコードを取得する。そして、ST42としてこの棚札情報レコードの商品コードで発注・検品サーバ6に問合せを行い、発注情報ファイル15に保存されている各発注データレコードのうち当該商品コードを含む発注データレコードを取得する。
【0039】
次に、CPU31は、ST43〜ST45としてカウンタデータKを調べる。因みに、カウンタデータKは、“0”〜“3”のいずれかの値である。そこでCPU31は、このカウンタデータKに応じて、当該商品の過去の発注数から発注状況を示す発注支援画面を編集する(発注支援画面編集手段)。
【0040】
すなわち本実施の形態では、カウンタデータが“1”であった場合には、CPU31は、ST46として発注・検品サーバ6から取得した発注データレコードの情報に基づき、受信した発注問合せデータ中の棚札番号で特定される電子棚札装置18に品名等が表示されている商品の昨日発注実績画面(第1の画面)を編集する。また、カウンタデータが“2”であった場合には、CPU31は、ST47として同発注データレコードの情報に基づき、同商品の週別発注実績画面を編集する(第2の画面)。また、カウンタデータが“3”であった場合には、CPU31は、ST48として同発注データレコードの情報に基づき、同商品の前月発注実績リスト画面を編集する(第2の画面)。また、カウンタデータが“0”であった場合には、CPU31は、ST49として同発注データレコードの情報に基づき、同商品の前月発注実績グラフ画面を編集する(第3の画面)。
【0041】
その後、CPU31は、作成されたいずれかの発注支援画面の情報を、当該発注問合せデータ送信元の電子棚札装置18宛に、棚札インターフェイス34を介して送信する(発注支援画面応答手段)。以上で、この発注問合せ受信処理を終了するものとなっている。
【0042】
そこで、図9のST27にて発注問合せデータを送信した電子棚札装置18の制御部49は、ST28として棚札管理サーバ7から画面情報の応答を待機する。そして、画面情報が応答されたならば、制御部49は、ST29としてその受信画面情報を表示部42に表示させる(発注応答画面表示手段)。因みに、昨日発注実績画面の一例を図14(a)に示し、週別発注実績画面の一例を図14(b)に示し、前月発注実績リスト画面の一例を図14(c)に示し、前月発注実績グラフ画面の一例を図14(d)に示す。
【0043】
その後、制御部49は、ST22に戻り、切換ボタン43の操作入力待機状態に戻る。そして、一定時間を経過しても切換ボタン43が操作入力されない場合には、制御部49は、ST11の処理に戻り、商品名と価格の表示情報を表示部42に再度表示させるものとなっている。
【0044】
このように構成された本実施の形態の店舗システム1が構築された店舗においては、発注業務時間帯として予め設定された時間内に、その時間帯での発注業務担当者として予め指定された店員が商品陳列棚に近付くと、その商品陳列棚に設けられている1乃至複数の電子棚札装置18のRFIDリーダライタ44によって、当該店員の胸などに取り付けられているネームプレート50に埋設されたRFIDタグのメモリデータ,つまりは店員IDコードが非接触で読取られる。そうすると、この店員IDコードを非接触で読取った全ての電子棚札装置18から棚札管理サーバ7に在庫問合せデータが送信される。
【0045】
これにより、棚札管理サーバ7においては、電子棚札装置18毎に、その装置に品名等が表示されている商品の在庫数A,Bがチェックされる。その結果、棚在庫数Bのみ棚補充数C以下の商品の品名が表示されている電子棚札装置18に対して品だし指示画面が編集され、その画面情報が当該電子棚札装置18に伝送されて、当該電子棚札装置18の表示部42に表示される。また、全在庫数Aが棚補充数C以下の商品の品名が表示されている電子棚札装置18に対しては発注指示画面が編集され、その画面情報が当該電子棚札装置18に伝送されて、当該電子棚札装置18の表示部42に表示される。
【0046】
したがって、発注業務担当の店員は、自身が近付いた商品陳列棚に設けられている各電子棚札装置18の中に、例えば図12に示す内容の品だし指示画面が表示された電子棚札装置18が存在した場合には、その電子棚札装置18が対応する商品の品だし作業を行う。この際、ハンディターミナル14から品だしを行った商品の商品コードと品だし点数とを入力する。そうすることにより、該当する商品の棚在庫数Bが更新される。
【0047】
また、各電子棚札装置18の中に例えば図13に示す内容の発注指示画面が表示された電子棚札装置18が存在した場合には、その電子棚札装置18が対応する商品の発注作業を行う。この際、ハンディターミナル14から発注する商品の商品コードと発注点数とを入力するが、発注点数をいくつにするかは店員の判断に委ねられている。
【0048】
そこで本実施の形態では、店員は、発注指示画面が表示された電子棚札装置18の切換ボタン43を1回操作する。そうすると、図14(a)に示すように、この電子棚札装置18に品名等が表示されている商品の前日の発注実績画面が表示される。また、店員がさらに1回切換ボタン43を操作すると、同電子棚札装置18の画面は、図14(b)に示すように、当該商品の週別発注実績画面に切り換わる。さらに1回切換ボタン43を操作すると、同電子棚札装置18の画面は、図14(c)に示すように、当該商品の前月発注実績リスト画面に切り換わり、さらに1回切換ボタン43を操作すると、図14(d)に示すように、前月発注実績グラフ画面に切り換わる。その後、さらに1回切換ボタン43を操作すると、同電子棚札装置18の画面は前日の発注実績画面に戻る。
【0049】
したがって、発注作業を行う店員は、適宜切換ボタン43を操作することによって、前日の発注実績や週別の発注実績あるいは前月の発注実績を容易に確認することができる。これにより、商品陳列棚に陳列されている商品の中から発注対象や品だし対象の商品を簡単に判別することができる上、発注対象の商品に関しては的確な発注点数も容易に決定することができるので、商品発注作業を効率よく進められるようになる。
【0050】
なお、発注担当以外の店員が商品陳列棚に近付いた場合は、たとえその陳列棚に陳列されている商品の中に発注対象もしくは品だし対象の商品が存在しても、その商品に対応した電子棚札装置18の表示内容は変わらない。
【0051】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0052】
例えば前記実施の形態では、発注作業担当者を検出する担当者検出手段として、各店員が身に着けるネームプレート50に装着されたRFIDタグから店員IDコードをRFIDリーダライタ44で読取る手法を示したが、担当者検出手段は当該手法に限定されるものではない。例えば電子棚札装置18毎に、指紋,掌紋,虹彩等の生体情報を認証する生体認証装置を設け、電子棚札装置18に近付いた店員の生体認証情報を検出して発注作業担当者か否かを判定するようにしてもよい。
【0053】
また、前記実施の形態では、商品毎に棚補充数Cを設定し、棚在庫数Bが棚補充数C以下になった商品を品だし対象商品とし、全在庫数Aも棚補充数C以下になった商品を発注対象商品としたが、品だし対象商品及び発注対象商品を判別する手法はこれに限定されるものではなく、当該商品の在庫数から発注対象商品か否かを判定すればよい。
【0054】
また、前記実施の形態では、各商品の在庫数は棚札管理サーバ7で計数管理し、発注実績情報は発注・検品サーバ6で管理したが、各情報を1つのサーバで管理するようにしてもよい。この場合のサーバは、棚札管理サーバ7であってもよいし、発注・検品サーバ6であってもよい。また、各情報の管理に特化した専用のサーバを新たにサーバ装置2内に設けてもよい。
【0055】
また、前記実施の形態では、発注支援画面として昨日発注実績画面,週別発注実績画面,前月発注実績リスト画面及び前月発注実績グラフ画面の4種類を例示したが、発注支援画面はこの4種類に限定されるものではない。また、切換ボタン43操作入力により切り換わる順番も本実施の形態の順番に限定されないのは言うまでもないことである。
【0056】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施の形態である店舗システムの全体構成を示す模式図。
【図2】同実施の形態の発注情報ファイルに保存される発注データレコードの主要なデータ構造を示す模式図。
【図3】同実施の形態における棚札管理サーバの要部構成を示すブロック図。
【図4】同実施の形態の棚札情報ファイルに保存される棚札情報レコードの主要なデータ構造を示す模式図。
【図5】同実施の形態の発注管理ファイルに保存される発注管理レコードの主要なデータ構造を示す模式図。
【図6】同実施の形態において棚札管理サーバのCPUが実行するサーバ間データ受信処理の要部を示す流れ図。
【図7】同実施の形態における電子棚札装置の外観構成を示す平面図。
【図8】同実施の形態における電子棚札装置の要部構成を示すブロック図。
【図9】同実施の形態において電子棚札装置の制御部が実行するメイン処理の要部手順を示す流れ図。
【図10】同実施の形態において棚札管理サーバのCPUが実行する在庫問合せデータ受信処理の要部を示す流れ図。
【図11】同実施の形態において棚札管理サーバのCPUが実行する発注問合せデータ受信処理の要部を示す流れ図。
【図12】同実施の形態において電子棚札装置の表示部に表示される品だし指示画面の一例を示す平面図。
【図13】同実施の形態において電子棚札装置の表示部に表示される発注指示画面の一例を示す平面図。
【図14】同実施の形態において電子棚札装置の表示部に表示される各種発注支援画面の一例を示す平面図。
【符号の説明】
【0058】
1…店舗システム、2…サーバ装置、5…POSサーバ、6…発注・検品サーバ、7…棚札管理サーバ、10…POS端末、11…商品情報ファイル、13…無線基地局、14…ハンディターミナル、15…発注情報ファイル、17…棚札コントローラ、18…電子棚札装置、20…棚札情報ファイル、21…発注管理ファイル、42…表示部、43…切換ボタン、44…RFIDリーダライタ、50…ネームプレート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陳列されている各種商品にそれぞれ対応して設けられその対応する商品に関する情報を表示する表示部を備えた複数の情報端末装置と、前記各情報端末装置の表示部に表示させる情報を情報端末装置毎に編集し、編集した情報を該当する情報端末装置へ配信する機能を有したサーバ装置とを、通信ネットワークで接続してなる商品情報表示システムにおいて、
前記各情報端末装置は、発注作業担当者を検出する担当者検出手段と、この担当者検出手段により前記発注作業担当者が検出されたことを条件に当該情報端末装置に対応する商品の在庫を前記サーバ装置に問合せる在庫問合せ手段と、この在庫問合せ手段による問合せに対して前記サーバ装置から応答される画面情報を当該情報端末装置の前記表示部に表示させる在庫応答画面表示手段とをそれぞれ具備し、
前記サーバ装置は、前記各種商品の在庫数を商品毎に計数管理する在庫管理手段と、前記情報端末装置から商品の在庫問合せがある毎に前記在庫管理手段によって管理されている当該商品の在庫数から発注対象商品か否かを判定する発注判定手段と、この発注判定手段により発注対象商品と判定されると当該商品の発注指示画面を編集する発注指示画面編集手段と、この発注指示画面編集手段により編集された発注指示画面の情報を在庫問合せがあった前記情報端末装置へ送信する発注指示画面送信応答手段とを具備したことを特徴とする商品情報表示システム。
【請求項2】
陳列されている各種商品にそれぞれ対応して設けられその対応する商品に関する情報を表示する表示部を備えた複数の情報端末装置と、前記各情報端末装置の表示部に表示させる情報を情報端末装置毎に編集し、編集した情報を該当する情報端末装置へ配信する機能を有したサーバ装置とを、通信ネットワークで接続してなる商品情報表示システムにおいて、
前記各情報端末装置は、店員を識別する店員IDコードを検出する店員ID検出手段と、この店員ID検出手段により店員IDコードが検出されるとその店員IDコードとともに当該情報端末装置に対応する商品の在庫を前記サーバ装置に問合せる在庫問合せ手段と、この在庫問合せ手段による問合せに対して前記サーバ装置から応答される画面情報を当該情報端末装置の前記表示部に表示させる在庫応答画面表示手段とをそれぞれ具備し、
前記サーバ装置は、前記各種商品の在庫数を商品毎に計数管理する在庫管理手段と、予め設定された発注作業担当者の店員IDコードを記憶するID記憶手段と、前記情報端末装置から前記店員IDコードとともに商品の在庫問合せがある毎にその店員IDコードが前記ID記憶手段にて記憶されているか検索する店員検索手段と、この店員検索手段により当該店員IDコードが記憶されていることを条件に前記在庫管理手段によって管理されている当該商品の在庫数から発注対象商品か否かを判定する発注判定手段と、この発注判定手段により発注対象商品と判定されると当該商品の発注指示画面を編集する発注指示画面編集手段と、この発注指示画面編集手段により編集された発注指示画面の情報を在庫問合せがあった前記情報端末装置へ送信する発注指示画面応答手段とを具備したことを特徴とする商品情報表示システム。
【請求項3】
陳列されている各種商品にそれぞれ対応して設けられその対応する商品に関する情報を表示する表示部を備えた複数の情報端末装置と、前記各情報端末装置の表示部に表示させる情報を情報端末装置毎に編集し、編集した情報を該当する情報端末装置へ配信する機能を有したサーバ装置とを、通信ネットワークで接続してなる商品情報表示システムにおいて、
前記各情報端末装置は、入力部と、この入力部が入力されたことを条件に当該情報端末装置に対応する商品の発注状況を前記サーバ装置に問合せる発注問合せ手段と、この発注問合せ手段による問合せに対して前記サーバ装置から応答される画面情報を当該情報端末装置の前記表示部に表示させる発注応答画面表示手段とをそれぞれ具備し、
前記サーバ装置は、前記各種商品の過去の発注数を記憶管理する発注管理手段と、前記情報端末装置から商品の発注状況問合せがある毎に前記発注管理手段によって管理されている当該商品の過去の発注数から発注状況を示す発注支援画面を編集する発注支援画面編集手段と、この発注支援画面編集手段により編集された発注支援画面の情報を発注状況問合せがあった前記情報端末装置へ送信する発注支援画面応答手段とを具備したことを特徴とする商品情報表示システム。
【請求項4】
前記発注支援画面編集手段は、前回の発注数を示す第1の画面、過去の所定期間における発注数を示す第2の画面及び過去の所定期間における発注数をグラフで示す第3の画面の少なくとも1画面を編集する手段であることを特徴とする請求項3記載の商品情報表示システム。
【請求項5】
陳列されている商品に対応して設けられ、その対応する商品に関する情報を表示する表示部及びサーバ装置との送信部を備えた情報端末装置において、
入力部と、この入力部が入力されたことを条件に当該情報端末装置に対応する商品の発注状況を前記サーバ装置に問合せる発注問合せ手段と、この発注問合せ手段による問合せに対して前記サーバ装置から応答される画面情報を当該情報端末装置の前記表示部に表示させる発注応答画面表示手段とを具備したことを特徴とする情報端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−172143(P2007−172143A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−366563(P2005−366563)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】