説明

商品販売データ処理装置及びその制御プログラム

【課題】年齢制限商品を購入しようとする顧客の年齢確認を円滑に行うことができるようにする。
【解決手段】POS端末は、顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、年齢制限商品であるか否かを記憶する商品情報記憶手段と、商品を特定する商品コードを入力するための商品コード入力手段と、前記商品コード入力手段により入力された商品コードが、年齢制限商品であるか否かを判断する年齢制限商品判断手段と、前記商品を購入する顧客を撮影するための撮影手段と、前記撮影手段により撮影した顧客画像が前記顧客情報記憶手段に記憶されているか判断する顧客判断手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗のレジ等において対面販売する際に、年齢制限などの販売制限のある商品について制限をクリアしているか否かの確認を行う商品販売データ処理装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの店舗では、さまざまな種類の商品が販売されている。店舗で販売される商品の中には、アルコール飲料やタバコなど、その商品の販売を許可するための年齢条件が定められている商品がある(以下、「年齢制限商品」と表記する)。年齢制限商品が販売されている店舗では、年齢制限商品を購入しようとする顧客の年齢を確認して、店員によって顧客の年齢が年齢制限商品に定められている年齢条件を満たしているか否かが判断された上で、年齢制限商品が顧客に販売される。とりわけアルコール飲料やタバコの販売については、未成年の飲酒や喫煙が法律上禁止されているため、店員は、年齢制限商品を顧客に販売するにあたり、顧客に年齢を尋ねたり、顧客の風貌から年齢を推測したりすることによって、顧客が年齢条件を満たしているか否かを判断している(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のPOSシステムでは、年齢制限商品の販売時は店員の顧客に年齢を尋ねたり、顧客の風貌から年齢を推測したりすることによって、顧客が年齢条件を満たしているか否かを判断するしかなかった。また、その顧客が再度来店しても同じように店員がチェックすることになる。そのため、顧客にとっては何度も年齢確認されるのは嫌気が差し、再度の来店の機会を失う可能性があった。
【0004】
本発明の目的は、年齢制限商品を購入しようとする顧客の年齢確認を円滑に行うことが可能な商品販売データ処理装置及びその制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の商品販売データ処理装置は、顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、年齢制限商品であるか否かを記憶する商品情報記憶手段と、商品を特定する商品コードを入力するための商品コード入力手段と、前記商品コード入力手段により入力された商品コードが、年齢制限商品であるか否かを判断する年齢制限商品判断手段と、前記商品を購入する顧客を撮影するための撮影手段と、前記撮影手段により撮影した顧客画像が前記顧客情報記憶手段に記憶されているか判断する顧客判断手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、年齢制限商品を購入しようとする顧客の年齢確認を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態におけるPOS端末の制御回路を示す模式図
【図2】同実施形態におけるPOS端末の背面図
【図3】同実施形態におけるPOS端末の表示画面の一例を示す図
【図4】同実施形態における商品データファイルの一例を示す模式図
【図5】同実施形態における顧客情報データーベースの構造の一例を示す図
【図6】同実施形態におけるPOS端末のCPUが実行する処理の流れ図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、POS端末1の制御回路の模式図である。POS端末1は、内部に制御の中枢として機能するCPU20を備えている。そして、CPU20に、制御プログラム等の固定的データを記憶するROM21、処理場面に応じて各種の作業用記憶領域を形成するRAM22、各種のアプリケーションプログラムやデータベースを記憶するHDD(ハードディスクドライブ)23、ディスプレイ24、レシート発行手段であるプリンタ25、商品に付されたバーコードを読み取るための商品コード入力手段であるスキャナ26、客側ディスプレイ27、CCDカメラ28、通信ユニット29がバスライン31で接続されている。
【0009】
図2は、POS端末1の背面図である。POS端末1の顧客側に位置する背面には、例えばLCD(Liquid Crystal Display)である客側ディスプレイ27が設けられている。加えて、POS端末1の背面であって客側ディスプレイ27の上方には、CCD(Charge Coupled Device)を主体に構成される小型のCCDカメラ28が設けられている。このCCDカメラ28は、POS端末1の背面に買上顧客が位置した場合にその買上顧客の顔付近を撮影可能なように取り付けられている。つまり、CCDカメラ28が買上顧客を撮影し、その撮影画像を画像情報として出力する撮影手段として機能することになる。
【0010】
図3は、年齢確認が必要な場合に店員側のディスプレイ24に表示される表示の一例を示す図である。この店員側のディスプレイ24の表示面上には、抵抗膜式のタッチパネル30が積層されており、店員側のディスプレイ24に表示されるボタン等とタッチパネル30の座標との位置関係の同期をとることによって、店員側のディスプレイ24は操作部としても機能することになる。
店員に顧客の年齢を確認を促すメッセージ40と顧客に確認した年齢が、年齢制限をクリアしているときに押下するOKボタン41と顧客に確認した年齢が、年齢制限をクリアしていないときに押下するNGボタン42を表示する。
【0011】
図4は、商品データファイルを構成するPLUファイルの一例を示す模式図である。PLUファイルは、商品コードに対応させて、商品名称と単価と制限情報としての年齢制限商品フラグとを記憶している。つまり、PLUファイルには、商品コードに対応させてその商品の販売を許可する年齢条件が定められている年齢制限商品であるか否かを示す制限情報を記憶する。
【0012】
図5は、HDD23に記憶されている顧客情報データーベースの構造の一例を示す図である。画像データID50は、撮影された画像データを数値化したデータで記憶する。また、、画像データID50に対応付けて、顧客が未成年か成人かの年齢フラグ51を格納している。この年齢フラグ51は、未成年の場合は1が格納され、成人の場合は0が格納されている。
【0013】
図6は、POS端末1が年齢確認処理にてCPU20が実行する処理の流れ図である。先ず、顧客が購入した商品の支払いのためにPOS端末1の前に移動したときに客側ディスプレイ27の上部に設置されてカメラにて顧客の顔付近を撮影する(ST100)。次にHDD23に記憶されているデーターベースに撮影された顔画像があるか否かを判断し、一致する顔画像があった場合(ST101のYES)は、商品に付されたバーコードをキャナ26で読み取り(ST102のYES)、読み取ったバーコード情報から、その商品が年齢制限商品であるか否かを商品データファイルを構成するPLUファイルを検索する(ST103)。年齢制限商品でなかった場合(ST103のNO)は、締め操作であれば登録処理を終了し、まだ商品登録を行うのであればST102に戻る(ST105)。年齢制限商品であった場合(ST103のYES)は、顧客情報データーベースの年齢フラグ51を参照し、年齢フラグ51が”0”だった場合、つまり成人であった場合はST105の処理へ進む。年齢フラグ51が”1”だった場合、つまり未成年であった場合(ST104のNO)は、図3に示すように店員側のディスプレイ24に年齢確認を促すメッセージを表示する(ST106)。このとき、顧客の回答が成人であった場合はOKキー41を押下(ST107のYES)し、顧客情報データーベースの年齢フラグ51を”0”に更新する(ST108)。顧客の回答が未成年であった場合は、NGキー42を押下し、エラー処理として取引を中止する(ST109)。
【0014】
また、顧客情報データーベースに登録されていなかった場合(ST101のNO)は、商品の登録があれば(ST110)読み取ったバーコード情報から、その商品が年齢制限商品であるか否かを商品データファイルを構成するPLUファイルを検索する(ST111)。年齢制限商品であった場合(ST111のYES)は店員側のディスプレイ24に年齢確認を促すメッセージを表示する(ST113)。このとき、顧客の回答が成人であった場合はOKキー41を押下し、顧客情報データーベースの年齢フラグ51を”0”に設定する(ST114)。顧客の回答が未成年であった場合は、NGキー42を押下し、顧客情報データーベースの年齢フラグ51を”1”に設定する(ST114)。このときNGキー42を押下された場合は、エラー処理として取引を中止する(ST116)。
【0015】
また、上述した顧客情報データーベースをサーバ(図示せず)に記憶し、POS端末1に搭載している通信ユニット29を介してサーバと通信することも可能である。
【0016】
以上説明したように、POS端末1は、顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、年齢制限商品であるか否かを記憶する商品情報記憶手段と、商品を特定する商品コードを入力するための商品コード入力手段と、前記商品コード入力手段により入力された商品コードが、年齢制限商品であるか否かを判断する年齢制限商品判断手段と、前記商品を購入する顧客を撮影するための撮影手段と、前記撮影手段により撮影した顧客画像が前記顧客情報記憶手段に記憶されているか判断する顧客判断手段とを備えることにより、商品コード入力部によって入力された商品コードによって特定される商品が年齢制限商品である場合には実行中の一取引の商品販売データ処理が停止されるため、年齢制限商品を購入しようとする顧客の年齢確認を円滑に行うことができる。
【符号の説明】
【0017】
1…POS端末、27…客側ディスプレイ、28…カメラ、30…タッチパネル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2006−39884公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、
年齢制限商品であるか否かを記憶する商品情報記憶手段と、
商品を特定する商品コードを入力するための商品コード入力手段と、
前記商品コード入力手段により入力された商品コードが、年齢制限商品であるか否かを判断する年齢制限商品判断手段と、
前記商品を購入する顧客を撮影するための撮影手段と、
前記撮影手段により撮影した顧客画像が前記顧客情報記憶手段に記憶されているか判断する顧客判断手段と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記顧客情報は、少なくとも顧客画像を数値化した情報と成人または未成年かの情報であることを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記撮影手段は、CCDカメラであることを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記顧客判断手段は、前記撮影手段により撮影された顧客画像が前記顧客情報記憶手段に記憶されているか否かを判断し、記憶されていない場合は、前記顧客記憶手段に記憶させる顧客記憶手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記顧客情報は、サーバーに記憶されていることを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
商品販売データ処理装置の制御プログラムであって、
前記商品販売データ処理装置に、
顧客情報を記憶する機能と、
年齢制限商品であるか否かを記憶する機能と、
商品を特定する商品コードを入力するための機能と、
前記商品コード入力手段により入力された商品コードが、年齢制限商品であるか否かを判断する機能と、
前記商品を購入する顧客を撮影するための機能と、
撮影した顧客画像が記憶されているか判断する機能と、
を実現させるための制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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