説明

商品販売データ処理装置

【課題】顧客毎にその顧客の家族構成に適した分類の商品を値引して販売するサービスを容易に実施できるようにする。
【解決手段】販売促進キャンペーン毎にキャンペーン実施期間,特売の対象となる商品の分類情報及び家族構成に関する情報を記憶する。また、会員別にその会員が有する家族構成に関する情報を記憶する。買物客との商取引が行われる毎に記憶情報に基づき販売促進キャンペーン中か否かを判定する。販売促進キャンペーン中であると判定されると、当該キャンペーンの特売対象となる家族構成を有する会員との取引か否かを判断する。また、買上商品の中に当該キャンペーンの特売対象となる分類に属する商品が存在するか否かを判断する。そして、当該キャンペーンの特売対象となる家族構成を有する会員であるとき、当該キャンペーンの特売対象となる分類に属する商品を特売価格で値引販売処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流通小売業で用いられる電子式キャッシュレジスタやPOS(Point Of Sales)端末等の商品販売データ処理装置に関わり、特に、特定の分類に属する商品の特売キャンペーンを適時実施する商店向けの商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の商店向け商品販売データ処理装置としては、次のものが知られている。すなわち、季節や行事等に合わせて特売を実施する商品の分類コードと売価変更データとを対応付けて記憶する売価変更ファイルを設ける。そして、客買上商品の商品コードが入力されると、商品マスタファイルから入力商品コードに対応する売価データを読み出すとともに、当該入力商品コードの商品が属する分類コードを読出し、この分類コードが売価変更ファイルに設定されているか否かを判断する。その結果、当該分類コードが売価変更ファイルに設定されていない場合には、商品マスタファイルから読み出した売価データで当該商品の販売データを売上処理する。これに対し、売価変更ファイルに設定されていた場合には、その分類コードに対応して売価変更ファイルに設定されている売価変更データを読出し、この売価変更データで当該商品の売価データを変更した後、この変更後売価データで販売データを売上処理する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、次のような商品販売データ処理装置もすでに知られている。すなわち、会員毎に商品分類別の優待レベル情報を設定するとともに、商品毎に優待レベル別の特売価格情報を設定する。そして、会員による商品買上時、買上商品毎にその商品が属する分類に対する当該会員の優待レベルを判定し、その優待レベルに応じた特売価格で当該買上商品を売上処理する。こうすることにより、特定の商品分類に対して優待レベルが高い会員に対してはその分類に属する商品を値引して販売するというサービスに対応できる(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平08−320970号公報
【特許文献2】特開2000−149147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、食料品のみならず衣料品,日用品等の多種の商品を販売する大規模スーパーマーケット等の商店では、例えば季節の変わり目になると、まもなく訪れる季節に適した商品やその季節の行事で必要とされる商品を選定し、予め設定された期間の間、通常価格よりも安い特売価格で販売する期間対応のキャンペーンがしばしば実施される。しかしこのキャンペーンでは、買物客であれば誰でも特売対象の商品を特売価格で購入できてしまうので、値引率をあまり大きくすることはできない。
【0005】
そこで、例えば春の入学シーズンを前に、小学校や中学校へ就学する子供がいる家庭には学用品を大幅に値引して販売するというように、顧客の家族構成に特化したサービスを実施することが考えられる。しかしながら従来の商品販売データ処理装置では、このような顧客サービスを容易に実施できるようなものはなかった。
【0006】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、顧客毎にその顧客の家族構成に適した分類の商品を値引して販売するサービスを容易に実施できる商品販売データ処理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、買物客が買い上げる商品のデータを入力するための商品データ入力手段及びこの商品データ入力手段により入力されたデータに基づいて客買上商品の販売データを売上処理する商品販売データ処理手段を有してなる商品販売データ処理装置例えばPOS端末において、特定の家族構成を有する買物客に対して特定の分類に属する商品を特売するという販売促進キャンペーン毎に、キャンペーン実施期間と、特売の対象となる商品の分類情報及び家族構成に関する情報とを記憶する販売促進情報記憶部と、会員毎に、その会員が有する家族構成に関する情報を記憶する会員情報記憶部とを設ける。そして、買物客との商取引が行われる毎に、今回販促判定手段によって販売促進情報記憶部のデータに基づき販売促進キャンペーン中か否かを判定する。その結果、販売促進キャンペーン中であると判定された場合には、会員判断手段によって買物客が当該キャンペーンの特売対象となる家族構成を有する会員か否かを判断するとともに、商品判断手段によって当該商取引で買物客が買い上げた商品の中に当該キャンペーンの特売対象となる分類に属する商品が存在するか否かを判断する。そして、当該キャンペーンの特売対象となる家族構成を有する会員であると判断されたことを条件に、値引処理手段によって当該キャンペーンの特売対象となる分類に属する商品を特売価格で値引販売処理するようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
かかる手段を講じた本発明によれば、顧客毎にその顧客の家族構成に適した分類の商品を値引して販売するサービスを容易に実施できる商品販売データ処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、商品買上の際に会員カードを提示した会員のうち、家族構成が特売キャンペーン中の条件に一致した会員に対してのみ、対象分類に属する商品の値引を行う商店向けのPOS端末に本発明を適用した場合である。
【0010】
図1は本実施の形態におけるPOS端末の要部構成を示すブロック図である。このPOS端末は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)1を搭載している。そしてこのCPU1に、アドレスバス,データバスなどのバスライン2を介して、プログラム等の固定的データが格納されたROM3、商品販売データを登録処理するためのメモリエリア等が形成されるRAM4、現在の日時を計時する時計部5,ドロワ14に駆動信号を出力するI/Oポート6の他、通信コントローラ7,キーボードコントローラ8,第1の表示コントローラ9,第2の表示コントローラ10,プリンタコントローラ11,カードリーダコントローラ12,スキャナコントローラ13等が接続されている。
【0011】
キーボードコントローラ8は、キーボードの操作キーに対応したキー信号を取り込むもので、このキーボードコントローラ8には、置数キー,PLUキー,小計キー,預/現計キー,非会員キー等が配設されたPOS端末専用のキーボード15が接続されている。なお、非会員キーは、商品買上の際に会員カードを提示しなかった非会員との商取引の開始を宣言するキーである。
【0012】
表示コントローラ9,10は、ディスプレイの駆動を制御して表示データに対応する画面を表示させるもので、一方の表示コントローラ9にはオペレータに対する画面を表示するためのオペレータ用ディスプレイ16が接続されており、他方の表示コントローラ10には客に対する画面を表示するための客用ディスプレイ17が接続されている。
【0013】
プリンタコントローラ11は、プリンタの駆動を制御して印字データを記録紙に印字させるもので、このプリンタコントローラ11には、商品売買取引が成立する毎にその取引の明細情報をレシート用紙に印字し発行するためのレシートプリンタ18が接続されている。
【0014】
カードリーダコントローラ12は、カードリーダで読み取られたカードデータを取り込むもので、このカードリーダコントローラ12には、会員カードのカードデータを読取ることが可能なカードリーダ19が接続されている。
【0015】
スキャナコントローラ13は、スキャナで読み取られたデータを取り込むもので、このスキャナコントローラ13には、商品に付されたバーコードあるいは二次元コード等を読取ることが可能なスキャナ20が接続されている。
【0016】
通信コントローラ7は、通信回線を介して接続される外部機器との間で行うデータ通信を制御するもので、この通信コントローラ7には、商品マスタファイル21,会員マスタファイル22及び販促マスタファイル23をPOS端末からアクセス自在に記憶管理しているPOSサーバ24が接続されている。
【0017】
商品マスタファイル21には、図2に示すように、商品コード,商品名,価格,属性コード等の項目情報からなる商品情報レコードが、店で販売される商品数分、蓄積保存されている。商品コードは、各商品に対して設定された商品固有の識別コードであって、各商品には商品コードがバーコードまたは二次元コードの形態で記録されている。商品名及び単価は、対応する商品コードによって特定される商品の品名及び単位数量あたりの価格である。属性コードは、対応する商品コードによって特定される商品が属する商品分類のコードである。
【0018】
会員マスタファイル22には、図3に示すように、会員コード,会員名,会員個人情報,家族構成情報等の項目情報からなる会員情報レコードが、会員契約をした人数分、蓄積保存されている。会員コードは、各会員に対して設定された会員固有の識別コードであって、当該会員が有する会員カードに記録されている。会員名は、対応する会員コードによって特定される会員の氏名である。会員個人情報は対応する会員コードによって特定される会員の性別,年齢,職業等の個人情報である。家族構成情報は、対応する会員コードによって特定される会員の家族一人ひとりの性別,年齢,職業等の情報である。ここに、会員マスタファイル22は会員情報記憶部を構成する。
【0019】
販促マスタファイル23には、図4に示すように、販促コード,販促名,開始日,終了日,販促対象家族情報,販促対象商品属性情報,値引情報等の項目情報からなる販促情報レコードが、販売促進キャンペーンの設定数分、蓄積保存されている。販促コードは、各販売促進キャンペーンに対して設定されたキャンペーン固有の識別コードである。販促名,開始日及び終了日は、対応する販促コードによって特定される販売促進キャンペーンの名称とキャンペーン期間の開始日及び終了日である。販促対象家族情報は、対応する販促コードによって特定される販売促進キャンペーンの対象となる家族構成に関する情報、例えば性別,年齢,職業などである。販促対象商品属性情報及び値引情報は、対応する販促コードによって特定される販売促進キャンペーンの対象となる商品の分類コード及びその分類コードに属する商品に対する値引額あるいは割引率である。ここに、販促マスタファイル23は販売促進情報記憶部を構成する。
【0020】
かかる構成のPOS端末は、図5に示すエリア構成の商品情報テーブル31、会員情報テーブル32及びフラグメモリ33を、RAM4に形成している。すなわち商品情報テーブル31は、1商取引で売買される各商品の商品コード,商品名,単価,属性コード,販売点数,販売金額,値引額等の明細データを商品別に記憶するエリアと、販売点数,販売金額及び値引額の合計データを記憶するエリアとで構成されている。会員情報テーブル32は、商品を買い上げる会員の会員コード,会員名,会員個人情報及び家族構成情報を記憶するエリアで構成されている。フラグメモリ33は、会員との商取引の際にセットされる会員取引フラグMFのエリアで構成されている。
【0021】
しかしてCPU1は、図6の流れ図に示す手順の商取引処理を実行するものとなっている。すなわちCPU1は、ST(ステップ)1として非会員登録が宣言されるか、ST2として会員登録が宣言されるのを待機している。ここで、非会員キーが操作入力されたことを検知した場合には、非会員登録が宣言されたので、CPU1は、ST3としてフラグメモリ33の会員取引フラグを“0”にリセットする。
【0022】
これに対し、カードリーダ19で会員カードのカードデータが読取られたことを検知した場合には、会員登録が宣言されたので、CPU1は、ST4としてそのカードデータ中の会員コードで会員マスタファイル22を検索して、当該会員コードに対応した会員情報レコードのデータ項目(会員コード,会員名,会員個人情報,家族構成情報)を読込む。そして、この会員情報レコードのデータ項目を会員情報テーブル32にセットする(会員コード取得手段)。また、ST5としてフラグメモリ33の会員取引フラグを“1”にセットする。
【0023】
次に、CPU1は、ST6として商品情報テーブル31のデータをクリアする。しかる後、ST7として1商取引の買上商品が登録されるのを待機する。そして、商品データ入力手段として例えばスキャナ20による商品コードのスキャニング入力により買上商品の販売データが登録されると、CPU1は、ST8としてその商品コードで商品マスタファイル21を検索して、当該商品コードに対応した商品名,単価,属性コード等の商品データを読取る。そして、この商品データに販売点数=1,販売金額=単価,値引額=0を付加したデータを商品情報テーブル31にセットする。また、商品名,単価,販売点数,販売金額等の商品登録データをオペレータ用ディスプレイ16及び客用ディスプレイ17に表示させる。
【0024】
以後、CPU1は、小計キーが操作入力されるまで、買上商品の販売データが登録される毎にST8の処理を繰り返し実行する。そして、ST9として1商取引の登録終了を宣言する小計キーが操作入力されたことを検知したならば、CPU1は、ST10としてフラグメモリ33の会員取引フラグMFをチェックして会員取引か否かを判断する。ここで、会員取引フラグMFがセットされていた場合には、会員取引なので、後述する今回販促値引判定処理を実行する。これに対し、会員取引フラグMFがリセットされていた場合には、非会員取引なので、後述する今回販促値引判定処理を実行しない。
【0025】
しかる後、CPU1は、ST11として商品情報テーブル31の販売金額合計額から値引額合計額を減算して小計金額を算出する。そして、この小計金額をオペレータ用ディスプレイ16及び客用ディスプレイ17に表示させる。
【0026】
その後、CPU1は、ST12として締めキーが操作入力されるのを待機する。そして、1商取引の決済を宣言する締めキーが操作入力されたことを検知すると、CPU1は、ST13として商品販売データ登録処理を行う。すなわち、商品情報テーブル31に記憶されている商品情報から商品コード,販売点数,販売金額,値引額の商品販売データを生成し、RAM4の売上集計エリアに登録処理する(商品販売データ処理手段)。また、ST14として決済処理を行う。すなわち、現金支払いの場合には預り金額と請求金額とから釣銭を算出し、オペレータ用ディスプレイ16と客用ディスプレイ17に表示させる。
【0027】
次に、CPU1は、ST15として再度フラグメモリ33の会員取引フラグMFをチェックして会員取引か否かを判断する。ここで、会員取引フラグMFがセットされていた場合には、会員取引なので、後述する次回販促値引判定処理を実行する。これに対し、会員取引フラグMFがリセットされていた場合には、非会員取引なので、後述する次回販促値引判定処理を実行しない。
【0028】
しかる後、CPU51は、ST16として商品情報テーブル31のデータに基づいて当該商取引のレシート印字データを作成する。そして、レシートプリンタ18に出力してレシートを印字発行させる。また、ST17としてI/Oポート6から駆動信号を出力して、ドロワ14を開放させる。以上で、1商取引に対する処理を完了する。
【0029】
図7は前記今回販促値引判定処理の処理手順を具体的に示す流れ図である。CPU1は、この今回販促値引判定処理に入ると、先ず、ST21として時計部5にて計時されている現在日時で販促マスタファイル23を検索して、キャンペーン期間中の販促情報レコードが設定されているか否かを判定する(今回販促判定手段)。
【0030】
ここで、ST22として現在日時がキャンペーン期間中の販促情報レコードが設定されていると判定した場合には、CPU1は、ST23としてその販促情報レコードの販促対象家族情報と会員情報テーブル32に記憶されている家族構成情報とを照合し、当該キャンペーンの特売対象となる家族構成を有する会員との商取引か否かを判断する(会員判断手段)。
【0031】
そして、当該キャンペーンの特売対象となる家族構成を有する会員との商取引であると判断された場合には、CPU1は、ST24としてその販促情報レコードの販促対象商品属性情報と商品情報テーブル31に登録されている買上商品情報の属性コードとを照合し、当該商取引で買物客が買い上げた商品の中に当該キャンペーンの特売対象となる分類に属する商品が存在するか否かを判断する(商品判断手段)。
【0032】
そして、当該キャンペーンの特売対象となる分類に属する商品が存在すると判断された場合には、CPU1は、ST25としてその販促情報レコードの値引情報に基づいて該当する商品の値引額を算出する。そして、商品情報テーブル31の該当買上商品情報に対応する値引額エリアに値引額をセットしたならば(値引処理手段)、この今回販促値引判定処理を終了する。
【0033】
なお、ST22にて現在日時がキャンペーン期間中の販促情報レコードが設定されていないと判定した場合、または、ST23にて当該キャンペーンの特売対象となる家族構成を有する会員との商取引でないと判断された場合、あるいは、ST24にて当該キャンペーンの特売対象となる分類に属する商品が存在しないと判断された場合には、ST25の値引処理を行うことなく今回販促値引判定処理を終了する。
【0034】
図8は前記次回販促値引判定処理の処理手順を具体的に示す流れ図である。CPU1は、この次回販促値引判定処理に入ると、先ず、ST31として時計部5にて計時されている現在日付で販促マスタファイル23を検索して、現在日付から1週間後までの期間内に開始が予定されるキャンペーンの販促情報レコードが設定されているか否かを判定する(次回販促判定手段)。
【0035】
ここで、ST32として現在日付から1週間後までの期間内に開始が予定されるキャンペーンの販促情報レコードが設定されていると判定された場合には、CPU1は、ST33としてその販促情報レコードの販促対象家族情報と会員情報テーブル32に記憶されている家族構成情報とを照合し、当該キャンペーンの特売対象となる家族構成を有する会員との商取引か否かを判断する(会員判断手段)。
【0036】
そして、当該キャンペーンの特売対象となる家族構成を有する会員との商取引であると判断された場合には、CPU1は、ST34として販促情報レコードの販促対象商品属性情報と値引情報とから販促メッセージの印字データを作成する。そして、この印字データをレシートプリンタ18に出力してレシート用紙に印字させたならば(キャンペーン内容報知手段)、この次回販促値引判定処理を終了する。
【0037】
なお、ST32にて現在日付より一定期間内にキャンペーン開始が予定される販促情報レコードが設定されていないと判定した場合、または、ST33にて当該キャンペーンの特売対象となる家族構成を有する会員との商取引でないと判断された場合には、ST34のレシート印字処理を行うことなく次回販促値引判定処理を終了する。
【0038】
このように構成された本実施の形態のPOSシステムが構築されている商店において、2005年2月15日から3月25日までの期間、その年の4月から小学校または中学校に就学される子供がいるご家庭の会員との商取引において、文房具として分類される商品を全品10%で割引販売する特売キャンペーンを実施するものとする。この場合、販促マスタファイル23には、開始日が2005年2月15日、終了日が2005年3月25日、販促対象家族情報が2005年4月2日〜2006年4月1日の間に満7歳になる男女または満13歳になる男女を示す家族構成情報、販促対象商品属性情報が文房具の分類を示す属性コード、値引情報が10%割引を示す情報である販促情報レコードが記憶される。
【0039】
しかして、次回販促値引の判定期間を1週間と設定すると、2005年2月8日から2月14日までの期間中に、該当する家族構成を有する会員が買物をした場合に、その会員に対しては、図9に示すように、キャンペーンの特売内容を示す販促メッセージ40が印字されたレシート41が発行される。
【0040】
これにより、当該買物客は、レシート41の販促メッセージ40によって、文房具が割引販売される特売キャンペーンが2月15日から実施されることを容易に知り得る。したがって、この買物客の家族には、小学校または中学校へ就学するお子様が居られるので、文房具を購入する際にはキャンペーン期間中に当該商店に来店する可能性が高くなり、販売の促進が期待できる。
【0041】
そして、この会員がキャンペーン期間中に実際に買物に来た場合には、図10のレシート42の印字例に示されるように、商品分類が文房具に属する商品(文房具A,文房具D)がそれぞれ10%割引されて販売される。
【0042】
このように本実施の形態によれば、顧客毎にその顧客の家族構成に適した分類の商品を値引して販売するサービスを容易に実施できるようになる。この場合において、値引の特典が得られるのは特定の家族構成を有する会員だけに制限されるので、例えば値引率を大きく設定しても店の利益率を損ねるおそれは少なく、大胆なサービスを提供できるようになる。
【0043】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
例えば前記実施の形態では、商品マスタファイル21,会員マスタファイル22及び販促マスタファイル23をいずれも外部のPOSサーバ24に持たせたが、HDD装置等の大容量記憶装置を有するPOS端末であれば、少なくとも1つのマスタファイルをその大容量記憶装置で記憶させることも可能である。
【0044】
また前記実施の形態では、販促メッセージ40をレシートに印字することで該当する会員に報知するようにしたが、報知手段はレシート印字手段に限定されるものではなく、例えば客用ディスプレイ17にメッセージを表示させることによって報知してもよい。
【0045】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施の形態であるPOS端末の要部構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態において、商品マスタファイルに保存されるレコードのデータ構造を示す模式図。
【図3】同実施の形態において、会員マスタファイルに保存されるレコードのデータ構造を示す模式図。
【図4】同実施の形態において、販促マスタファイルに保存されるレコードのデータ構造を示す模式図。
【図5】同実施の形態におけるPOS端末のRAMに形成される主要なメモリエリアを示す模式図。
【図6】同実施の形態においてPOS端末のCPUが実行する商取引処理の要部手順を示す流れ図。
【図7】図6における今回販促値引判定処理の処理手順を具体的に示す流れ図。
【図8】図6における次回販促値引判定処理の処理手順を具体的に示す流れ図。
【図9】同実施の形態においてキャンペーン期間前にPOS端末から発行されるレシートの一例を示す平面図。
【図10】同実施の形態においてキャンペーン期間中にPOS端末から発行されるレシートの一例を示す平面図。
【符号の説明】
【0047】
1…CPU、3…ROM、4…RAM、5…時計部、15…キーボード、16…オペレータ用ディスプレイ、17…客用ディスプレイ、18…レシートプリンタ、19…カードリーダ、21…商品マスタファイル、22…会員マスタファイル、23…販促マスタファイル、31…商品情報テーブル、32…会員情報テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
買物客が買い上げる商品のデータを入力するための商品データ入力手段及びこの商品データ入力手段により入力されたデータに基づいて客買上商品の販売データを売上処理する商品販売データ処理手段を有してなる商品販売データ処理装置において、
特定の家族構成を有する買物客に対して特定の分類に属する商品を特売するという販売促進キャンペーン毎に、キャンペーン実施期間と、特売の対象となる商品の分類情報及び家族構成に関する情報とを記憶する販売促進情報記憶部と、
会員毎に、その会員が有する家族構成に関する情報を記憶する会員情報記憶部と、
買物客との商取引が行われる毎に前記販売促進情報記憶部のデータに基づき販売促進キャンペーン中か否かを判定する今回販促判定手段と、
この今回販促判定手段により販売促進キャンペーン中であると判定されると、前記買物客が当該キャンペーンの特売対象となる家族構成を有する会員か否かを判断する会員判断手段と、
前記今回販促判定手段により販売促進キャンペーン中であると判定されると、当該商取引で買物客が買い上げた商品の中に当該キャンペーンの特売対象となる分類に属する商品が存在するか否かを判断する商品判断手段と、
前記会員判断手段により当該キャンペーンの特売対象となる家族構成を有する会員であると判断されたことを条件に、前記商品判断手段により当該キャンペーンの特売対象となる分類に属する商品を特売価格で値引販売処理する値引処理手段と、
を具備したことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
買物客が買い上げる商品のデータを入力するための商品データ入力手段及びこの商品データ入力手段により入力されたデータに基づいて客買上商品の販売データを売上処理する商品販売データ処理手段を有してなる商品販売データ処理装置において、
特定の家族構成を有する買物客に対して特定の分類に属する商品を特売する販売促進キャンペーン毎に、キャンペーン実施期間,特売の対象となる商品の分類情報及び家族構成に関する情報を記憶する販売促進情報記憶部と、
会員毎にその会員が有する家族構成に関する情報を記憶する会員情報記憶部と、
買物客との商取引が行われる毎に前記販売促進情報記憶部のデータに基づき販売促進キャンペーンの予定有無を判定する次回販促判定手段と、
この次回販促判定手段により販売促進キャンペーンの予定有りと判定されると、前記買物客が当該キャンペーンの特売対象となる家族構成を有する会員か否かを判断する会員判断手段と、
この会員判断手段により当該キャンペーンの特売対象となる家族構成を有する会員であると判断されると、当該キャンペーンの特売内容を当該会員に対して報知するキャンペーン内容報知手段と、
を具備したことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記キャンペーン内容報知手段は、当該会員に対して印字発行される買上レシートに当該キャンペーンの特売内容を印字出力することを特徴とする請求項2記載の商品販売データ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−244066(P2006−244066A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−57796(P2005−57796)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】