喘息の診断
喘息を診断するための装置が開示される。装置は、検査される対象者の、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴の取得を行うよう構成されたデータ取得モジュール及び検査される前記対象者の、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記取得された、少なくとも1つの前記身体的変形特徴の解析を行い、検査される前記対象者の、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記解析された、少なくとも1つの前記身体的変形特徴に基づいて、喘息を診断するよう構成された解析モジュールを含む。開示された装置は、家で、病院で又は外来患者での喘息を監視するために使用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
サブジェクトマター(subject matter)は、喘息の診断に関する。
【背景技術】
【0002】
US7077810は、臨床病状の発現の予測する方法を開示し、該方法は、対象者の呼吸を感知する工程、感知された前記呼吸に応答可能なように、前記対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを決定する工程、前記呼吸パターンを基準値呼吸パターンと比較を行う工程及び前記比較に少なくとも部分的に応答可能なように、臨床病状の発現を予測する工程を含む。臨床病状の発現を予測する工程は、信頼性がなく、喘息を診断するときの変動(variation)となり得る。
【発明の概要】
【0003】
喘息の診断を改善することが、本サブジェクトマターの目的である。本サブジェクトマターの目的は、喘息を診断するための装置を供することにより実現され、前記装置は:
検査される対象者の鼻孔拡張(nasal flaring)、首の退縮(neck retraction)及び肋間(inter coastal)の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴の取得を行うよう構成されたデータ取得モジュール;及び
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間(inter coastal)の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記取得が行われた少なくとも1つの前記身体的変形特徴の解析を行い、検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間(inter coastal)の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記解析が行われた少なくとも1つの前記身体的変形特徴に基づいて、喘息を診断するよう構成された解析モジュール;を含む。
【0004】
通常、呼吸することがより困難になるとき、退縮が見受けられる胸の領域が増加する。(a)呼吸するときの軽度の困難(mild difficulty)は、胸郭のちょうど下にあり(肋骨下(sub coastal))、胸骨の底部にある(胸骨下)、腹部の退縮を引き起こし得る、(b)呼吸するときの中等度の困難(moderate difficulty)は、呼吸するときの軽度の困難と、胸及び腹部の同じ領域及び肋骨間(肋間)の退縮を引き起こし得る、(c)呼吸するとき重度の困難(severe difficulty)は、呼吸するときの軽度及び中程度の困難と、胸及び腹部の同じ領域及び、鎖骨のちょうど上(鎖骨上)又は胸骨のちょうど上(胸骨上)の、首の退縮を引き起こし得る、ということが観察されている。
【0005】
通常、喘息の症状は、(i)鼻孔のサイズが呼吸とともに増加する鼻孔拡張(ii)首の領域が呼吸とともに内側に移動する、首退縮及び(iii)肋骨間又は下の皮膚が、呼吸とともに内側に移動する、肋間退縮を含む。
【0006】
鼻孔拡張、胸退縮及び首退縮は、機能不全の呼吸パターンを示し、かつ、具体的に喘息の気道閉塞の特性である。鼻で引き起こされる身体的変形、肋間空間及び首は、苦しい呼吸が、通常、明らかにされる箇所である。したがって、これらの身体的変形を監視及び解析することは、内在する閉塞性呼吸器疾患の重症度の客観的評価を可能とすることができる。これにより、喘息の診断及び管理を改善することができる。
【0007】
開示された装置は、鼻孔拡張、首退縮及び肋間退縮が喘息の発現の間発生するので、起こりうる喘息の発作の診断に至るための、貴重な情報(valuable input)を供することができる。
【0008】
鼻、首及び胸の身体的変形に基づいた診断は、正確でありより信頼でき得る。診断は、非侵襲であり、単純である。さらに、喘息は、発生期で診断することができ、かつ、本格的な(full blown)発作の発達及び促進を未然に防ぐことができる。
【0009】
装置の一実施様態において、データ取得モジュールは、少なくとも1呼吸サイクルの間、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するよう構成された、少なくとも1つのストレインゲージ(strain gauge)を含み、少なくとも1つの身体的変形特徴は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で取得される。
【0010】
ストレインゲージは、シアノ−アクリレートといった、適切な接着剤の助けをもって、鼻孔又は首又は肋間領域に取り付けることができる。開示された装置は、(a)鼻孔拡張と関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するために、鼻孔の先端の下又は上に、(b)首の退縮と関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するために、右及び左側の双方に、又は、胸鎖乳突筋の外縁側と鎖骨の上縁との間の片側に、のいずれかの首の領域に、(c)肋間の退縮と関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するために、両側で又は片側でのいずれかで、胸の前の9個の肋間空間の1つ以上で、少なくとも1つのストレインゲージの配置を容易にし得る。
【0011】
ストレインゲージは、鼻孔拡張の形状及び肋間空間及び首領域に亘る皮膚の吸引において、時間と共に進行する、身体的変形の測定に役立ち得る。鼻孔又は首領域又は肋間領域が変形するとき、箔(foil)もまた変形され、その電気抵抗の変化を引き起こす。この抵抗変化は、ゲージ率(gauge factor)として知られる量で歪みにと関連する、ホイートストンブリッジを使用して測定することができる。
【0012】
開示されたアイデアは、鼻孔拡張、胸及び首の退縮により生じた歪みを測定し、その測定に基づいて喘息を診断することである。
【0013】
いくつかの実施様態において、少なくとも1つのストレインゲージは、水銀封入ゴムストレインゲージである。この種のストレインゲージは、小さいゴムチューブに封入された少量の液体水銀からなり、身体部位(鼻孔、首領域及び肋間領域)の周辺に適用される。身体部位(鼻孔、首領域及び肋間領域)の身体的変形は、チューブの引き伸ばすこと、それをより長く及びより薄くさせることをもたらし、電気抵抗を増加させる。ストレインゲージを使用することの有意は、(i)動いている部分がない(ii)比較的構造が単純である(iii)サイズが小さい及び(iV)開示された装置内に配置するのが容易である、ことである。
【0014】
さらに他の実施様態において、装置は、
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で、前記取得が行われた少なくとも1つの前記身体的変形特徴を、所定の時間周期でデジタル記録を行うよう構成された記録モジュール;
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で、前記デジタル記録された少なくとも1つの前記身体的変形特徴から、時間領域特徴及び/又は周波数領域特徴を、抽出を行うよう構成された、特徴抽出モジュール;及び
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記抽出が行われた前記時間領域特徴及び/又は前記周波数領域特徴の電気的変動を保管するよう構成された保管モジュールを含む。
【0015】
この実施様態は、家庭用に関してよく適合される。両親は、首の退縮、鼻孔拡張及び肋間の退縮と関連した、彼らの子供の抽出された身体的変形特徴を記録し、保管するために、開示された特徴を使用することができる。病院への定期的な訪問の間、医師は、保管された記録を解析し、解釈し、かつ、喘息に関する子供状況を診断することができる。
【0016】
抽出された特徴の記録及び保管は、
(a)医師が、子供(患者又は対象者)の臨床プロフィールを完璧に練り、適切な治療を指示するのに役立つ、
(b)喘息を有していると知られた、特に小さい子供である、すでに治療中の対象者を効果的に監視し、症状の進行及び回復の適切な理解をするのに役に立つ、
(c)病気の進行の動向を追跡するための過程(history)として振舞う、
(d)特に若い子供たち、幼児及び年配の患者、精神遅滞又は他の行動障害を有する患者にとって、臨床的に役に立つ。これらの人は、呼吸に関する問題を、考えるかつ、医師に正確に伝えることができないかもしれない、対象者(患者又は子供たち)のグループであるので。
【0017】
さらに、対象者(患者又は子供)が医師に連絡する時間までに、病徴及び兆候は、少なくとも部分的に弱まっているであろう。このことは、医師に不完全な臨床像を与え得る。このことは、不正確な診断をもたらし得る。鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、保管された、抽出された身体的変形特徴は、不正確な診断をするリスクを切り抜けることができる。この実施様態は、家庭に関する状況で(home scenarios)、対象者(患者又は子供)と医師との両方の間で、その使用を発見する。
【0018】
さらに他の実施様態において、特徴抽出モジュールは、
(a)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル、
(b)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクルの所定の数に亘る、電気的変動の平均、
(c)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル内に存在する、周波数バンド、
(d)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル内に存在する、最小の周波数バンド及び最大の周波数バンド、
の少なくとも1つを抽出するよう構成される。
【0019】
喘息の症状は、抽出された特徴の助けで、より良く理解することができる。これは、また、他の利用可能な基準特徴(baseline features)で比較分析するときに役に立つことができ、喘息の診断をさらに改善することができる。
【0020】
さらに他の実施様態において、解析モジュールはさらに、
入力を受信するよう構成された入力モジュールであって、前記入力は、検査される対象者の性別、年齢、身長、体重及び民族性(ethnicity)の少なくとも1つである、入力モジュール;及び
非喘息である対象者と喘息である対象者と関連したデータを有する、予め分類されたキャリブレートされたデータベース(pre−classified calibrated database)であって、前記データは、
i. 性別、
ii. 年齢、
iii. 身長
iv. 体重
v. 民族性
vi. 鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で取得された身体的変形を使用して抽出された、時間領域及び/又は周波数領域特徴、
vii. 対象者の状況:非喘息、喘息の発現、軽度の喘息、深刻な喘息、
の少なくとも1つであるデータベース;を含む。
【0021】
入力モジュールは、検査される対象者のデータを収集するのに役立つ。この入力データは、対象者をグループ分けするとき及びグループ内の喘息に関連した症状を識別するときに、役に立ち得る。さらに、収集されたデータは、類似した対象者の抽出された身体的変形特徴の比較研究を実行するときに役に立ち得る。これは、さらに、喘息の診断及び管理をさらに改善することができる。
【0022】
さらに、経済により、全ての家庭が開示された装置を所有できない、発展途上国において、家族は、共用の装置を所有することができ、必要に応じて使用することができる。そのような場合において、入力モジュールは、検査される対象者と、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、保管された身体的変形特徴とを、識別するのに役に立ち得る。
【0023】
予め分類されたキャリブレートされたデータベースは、ベースラインとしての機能を果たすことができる。鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、検査される対象者の身体的変形を解析し、喘息の異なる等級(grades)に分類するときに、役に立ち得る。喘息の異なる等級は、喘息の発現、軽度の喘息、重度の喘息とすることができる。
【0024】
予め分類されたキャリブレートされたデータベースは、定期的に更新することができる。これは、年齢、身長、体重、性別及び民族性に基づいて、十分な数の対象者に亘って、開示された装置を試験することにより、なすことができる。鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、身体的変形が必要とされ得る。時間領域及び/又は周波数領域特徴は、抽出され、非喘息/喘息の対象者としてラベル化され、保管することができる。予め分類されたキャリブレートされたデータベースは、喘息の診断を改善するときに、さらに助けとなり得る。
【0025】
さらに他の実施形態において、解析モジュールは、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、抽出された、時間領域及び/又は周波数領域身体的変形特徴を、予め分類されたキャリブレートされたデータベース内の利用できるデータと比較し、検査される前記対象者の喘息の状況を診断し、診断に関連した情報を保管するよう構成された論理モジュールを含む。
【0026】
従来のパターン照合アルゴリズムが、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、抽出された、身体的特徴時間領域及び/又は周波数領域特徴を、予め分類されたキャリブレートされたデータベース内の利用できる、抽出された身体的変形時間領域及び/又は周波数特徴と比較するために、使用することができる。検査される、対象者の状況は、パターン照合結果に基づいて、得ることができる。例えば喘息の発現、軽度の喘息又は重度の喘息の、喘息の等級を得ることも、可能である。
【0027】
いくつかの実施形態において、サポートベクターマシン(SVM)を、分類のために使用することができる。説明的な例として、SVMは、入力データを2組のベクトル(vectors)と見なすことができる;ストレインゲージを使用する抽出された実際の特徴に対応する一方の組と、喘息及び非喘息の対象者の予め分類されたキャリブレートされたデータベース内で利用できるデータに対応する他方の組とである。SVMは、n次元空間での分離超平面を構成することができ、前記分離超平面は、2つのデータセットの間のマージンを最大化する超平面である。マージンを計算するために、2つの平行する超平面を構成することができ、2つのデータ組に“対して押し上げられた(pushed up against)”分離超平面の各々の側でのマージンである。
【0028】
さらに他の実施形態において、装置は、
通知モジュールを含み、該通知モジュールは、視覚的表示ユニット、オーディオユニット又は着色光発生ユニットの少なくとも1つであり、前記通知ユニットは、(i)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つが検出されているかどうか、(ii)もし診断された喘息が所定の閾値より上であるなら、緊急協議の必要性、(iii)もし診断された喘息が所定の閾値より低いなら、緊急協議の必要性がないということ、を通知するよう構成される。
【0029】
この実施様態は、次の利点を有する、
(i)重度の喘息の発作を有することの、恐怖及び不快感を避けることができる、
(ii)緊急来院又は入院の必要性を最小化する、
(iii)不必要な診察を避けることによる、治療の費用を減らすことができる、
(iv)喘息の再発再燃を防ぐことができる。
【0030】
開示された装置は、視覚的表示の形態で、結果を通知することができ、検査される対象者への喘息の重症度を示すことができる。さらに、警告ビープ(alarm beep)が、成人患者及び病気の子供が気がかりな親の両方を、重度の喘息の場合にすぐに医師に相談を求むよう、導くことができる。
【0031】
開示された装置は、また、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮が存在しているかどうかに関して、着色光の形態で、直接情報を与えることができる。さらに、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、身体的変形を表現する波形を表示することができる。これにより、客観的に症状を評価するために、医師に信頼できる入力を形成することができ、それにより、喘息診断、喘息の重症度の評価及び治療に対する応答の、通常のワークフローを容易にする。これにより、さらに、喘息の診断及び管理を改善することができる。
【0032】
鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮の、主観的な評価は、信頼することができない。肋間の退縮における、観察者間(inter−observer)(即ち、種々の医師間)の一致(agreement)及び解釈において、いくらか変動があり得る。これらの制限を克服するために、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮は、記録され、抽出された特徴は、デジタル形態で保管される。保管された特徴は、医師により可視化することができる。このことは、症状について客観的な情報を供することにより、喘息の診断を改善するときにさらに助けとなり得る。
【0033】
さらに他の実施形態において、装置はさらに、
(i)、検査される、対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、現在取得された、少なくとも1つの身体的変形特徴、(ii)検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、予め保管された身体的変形特徴、に基づいて、治療又は回復の進捗を評価するよう構成された評価モジュールを含む。
【0034】
開示された装置は、回復の期間の間、鼻孔拡張、胸の退縮及び肋間の退縮の減少/増加の形態で、喘息の重症度の客観的測定を供するので、喘息の進行及び治療に対する応答を評価するために使用することができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、ストレインゲージからのデータは、喘鳴監視デバイスに、ワイヤレスで又はワイヤ接続を通じて、供給することができる。喘鳴監視デバイスは、喘息の重症度を評価するために、実質的に、喘息に伴う追加的な入力として、このデータを使用することができる。このことは、喘息の診断をさらに改善することができる。
【0036】
本サブジェクトマターの目的は、喘息を診断するための方法を供することにより、さらに実現され、前記方法は:
鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴の、取得を行う工程;
前記取得された、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの前記身体的変形特徴の解析を行う工程;及び
前記解析された、前記取得された、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの前記身体的変形特徴に基づいて、喘息を診断する工程;
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1a及び図1bは、検査される例示された対象者の、正常な鼻孔、拡張された鼻孔及び首の退縮を示す。
【図2a】図2aは、本サブジェクトマターの一実施形態に係る、喘息を診断するための装置の例示された概略ブロック図を示す。
【図2b】図2bは、一例のホイートストンブリッジにおける、抵抗v/s出力電圧の例示された変動を示す。
【図3】図3は、本サブジェクトマターの一実施形態に係る解析モジュールの、例示された概略ブロック図を示す。
【図4a】図4aは、例示される波形を概略的に示す。
【図4b】図4bは、例示される波形を概略的に示す。
【図4c】図4cは、例示される波形を概略的に示す。
【図5】図5は、本サブジェクトマターのさらに他の実施形態に係る、喘息を診断するための装置の例示された概略ブロック図を示す。
【図6】図6は、本サブジェクトマターの一実施形態に係る解析モジュールの例示された概略ブロック図を示す。
【図7】図7は、本サブジェクトマターのさらに他の実施形態に係る、喘息を診断するための装置の例示された概略ブロック図を示す。
【図8】図8は、本サブジェクトマターのさらに他の実施形態に係る、喘息を診断するための装置の例示された概略ブロック図を示す。
【図9】図9は、例示された喘鳴監視デバイスを概略的に示す。
【図10】図10は、本サブジェクトマターの一実施形態に係る、喘息を診断するための方法を説明する、例示されたフローチャートを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
これから図1a及び図1bを参照するに、喘息の症状は、i)鼻孔のサイズが呼吸にと共に増加することである、鼻孔拡張、ii)肋骨の間又は下の皮膚が、呼吸とともに内側に動くことである、肋間退縮を含む。
【0039】
これから図2aを参照するに、喘息を診断するための装置200は、
i)データ取得モジュール210、
ii)解析モジュール220を含む。
【0040】
データ取得モジュール210は、検査される対象者の少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するよう構成することができる。前記少なくとも1つの身体的変形特徴は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連し得る。
【0041】
解析モジュール220は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、取得された少なくとも1つの身体的変形特徴を解析するよう構成することができる。喘息は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴の解析に基づいて、診断することができる。
【0042】
データ取得モジュール210は、少なくとも1つのストレインゲージを有することができる。少なくとも1つのストレインゲージは、少なくとも1回の呼吸サイクルの間、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するよう構成することができる。
少なくとも1つの身体的変形特徴は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で取得することができる。
【0043】
少なくとも1つのストレインゲージは、シアノ−アクリレートといった、適切な接着剤の助けをもって、鼻孔又は首又は肋間領域に取り付けることができる。開示された装置は、
(a)鼻孔拡張と関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するために、鼻孔の先端の下又は上に、(b)首の退縮と関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するために、右及び左側の双方に、又は、胸鎖乳突筋の外縁側と鎖骨の上縁との間の片側に、のいずれかの首の領域に、(c)肋間の退縮と関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するために、両側で又は片側でのいずれかで、胸の前の9個の肋間空間の1つ以上で、少なくとも1つのストレインゲージの配置を容易にし得る。
【0044】
ストレインゲージは、鼻孔拡張の形状及び肋間空間及び首領域に亘る皮膚の吸引において、時間と共に進行する、身体的変形の測定に役立ち得る。鼻孔又は首領域又は肋間領域が変形するとき、箔(foil)もまた変形され、その電気抵抗の変化を引き起こす。この抵抗変化は、ゲージ率(gauge factor)として知られる量で歪みにと関連する、ホイートストンブリッジを使用して測定することができる。
【0045】
開示されたアイデアは、鼻孔拡張、胸及び首の退縮により生じた歪みを測定し、その測定に基づいて喘息を診断することである。
【0046】
歪みは、無次元の単位であり、単位長さあたりの長さの変化として定義される。
【0047】
説明的な例として、もし1メートルの長さの鋼鉄棒が1.000002メートルに伸びるなら、歪みは2マイクロ歪みとして定義される。ストレインゲージは、歪みにより分割された(divided)わずかな抵抗の変化として定義される、特有のゲージ率を有する。
【0048】
説明的な例として、軽度の喘息の場合において、鼻孔拡張は、2のゲージ率でゲージに適用された2マイクロ歪みを引き起こし、(2×2)10−6=4×10−6=4μΩのわずかな抵抗変化を生む。
【0049】
この変化は、V0=Vex(X/4)で与えられる、回路レベルでの、適切な電圧損失(voltage dissipation)反映するであろう。
【0050】
ここでV0=ブリッジ出力電圧、
Vex=ブリッジにより適用された励起電圧、
X=抵抗の相対変化、BR/Rである。
【0051】
図2bは、典型的なホイートストンブリッジにおける抵抗v/s出力電圧変化を示す。ホイートストンブリッジからのこの出力電圧は、開示された装置200により記録される。出力電圧の変動は、3分の間記録することができ、対応するデータは、数値の配列として保管することができる。これらの数値は、おおよそ3分のウインドウでの、最小電圧変化及び最大電圧変化といった、特徴を抽出するよう解析することができる。これらの特徴は、軽度の喘息又は通常を分類するために、サポートベクターマシンを使用して、データベースと比較することができる。同様に、中程度の喘息に関して、鼻孔拡張は、例えば、5マイクロ歪みに関して反映することができ、重度の喘息に関して、例えば、8マイクロ歪みに関して反映することができる。胸及び肋間退縮は、また、同様の技術を使用して解析することができる。
【0052】
少なくとも1つのストレインゲージは、水銀封入ゴムストレインゲージであり得る。この種のストレインゲージは、小さいゴムチューブに封入された少量の液体水銀からなり、身体部位(鼻孔、首領域及び肋間領域)の周辺に適用することができる。身体部位(鼻孔、首領域及び肋間領域)の身体的変形は、チューブの引き伸ばすこと、それをより長く及びより薄くさせることをもたらし、電気抵抗を増加させる。
【0053】
ストレインゲージを使用することの有意は:
(a)動いている部分がない、
(b)比較的構造が単純である、
(c)サイズが小さい、
(d)開示された装置内に配置するのが容易である、
ことである。
【0054】
ストレインゲージは、電圧/電流変動の形態で、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、身体的変形を取得することができる。これらの変動は通常、各々の呼吸サイクルの間発生する変形の量に比例する。
【0055】
ストレインゲージは、レジスタ、キャパシタ及びOP−AMPSのようなアナログ構成要素を使用して、電圧/電流変動を記録することができる、データ取得ハードウェアに接続することができる。アナログ−デジタル変換器は、電圧/電流波形のアナログ信号を、信号を適切にサンプリングすることにより、デジタル領域に変換するよう、使用することができる。説明的な例として、呼吸の速度は、アナログ−デジタル変換器の正しいサンプリング周波数を選択するための入力と見なすことができる。健康な対象者と病気にかかった対象者の呼吸の速度は、通常、1分間あたり12から25までの呼吸サイクルに変化を持たせる。したがって、サンプリング周波数は、50より多くとして、選択することができる。
【0056】
これから図3を参照して、喘息を診断するための解析モジュール220は、
a)記録モジュール300、
b)特徴抽出モジュール310、
c)保管モジュール320、
をさらに含む。
【0057】
記録モジュール300は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で、取得された少なくとも1つの身体的変形特徴を、所定の時間周期でデジタル記録するよう構成することができる。
【0058】
特徴抽出モジュール310は、さらに、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で、デジタル記録された少なくとも1つの前記身体的変形特徴から、時間領域特徴及び/又は周波数領域特徴を、抽出するよう構成することができる。
【0059】
特徴抽出モジュール310は、
a)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル、
b)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクルの所定の数に亘る、電気的変動の平均、
c)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル内に存在する、周波数バンド、
d)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル内に存在する、最小の周波数バンド及び最大の周波数バンド、
の少なくとも1つを抽出するよう構成することができる。
【0060】
呼吸速度、呼吸リズム及び呼吸努力を含む、呼吸のパターンは、呼吸システムを評価するための、役に立つ実用的なツールを供することができる。調整されてない(dis-coordinated)呼吸の(呼吸移管する胸筋及び横隔膜筋の間の調整が欠けている)の存在もまた、悪い兆候である。その究極の形態において、同期の不全があると、胸は吸入の間、内側に移動する。
【0061】
呼吸努力及び呼吸仕事量の増大は、副筋の使用、肋骨下並びに肋間退縮、鼻孔拡張及び呼吸努力の速さ及び深さの評価により、評価されても良い。重度の呼吸の苦痛に対して穏やかである(in moderate)子供たちは、顕著な(marked)副筋活動及び肋骨下退縮並びに肋骨下退縮を有する初期状態に存在しているであろう。鼻孔拡張は、軽度の喘息を示すことができ、しかし、胸鎖乳突筋及び他の副筋の使用は、呼吸努力の増大を意味する。
【0062】
喘息は、抽出された特徴の助けで、より良く診断することができる。抽出された特徴は、また、他の利用可能な基準特徴で比較分析を実行するときに役に立つことができ、喘息の診断をさらに改善することができる。
【0063】
保管モジュール320は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、抽出された時間領域特徴及び/又は周波数領域特徴の電気的変動を保管するよう構成することができる。
【0064】
両親は、彼らの子供の、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮と関連した、抽出された身体的変形特徴を記録及び保管するための、開示された装置200を使用することができる。病院への予定された訪問の間、医師は、補完された記録を解析及び解明することができ、喘息に関する子供の状況を診断することができる。
【0065】
抽出された特徴の記録及び保管は、
(a)医師が、子供(患者又は対象者)の臨床プロフィールを完璧に練り、適切な治療を指示するのに役立つ、
(b)喘息を有していると知られた、特に小さい子供である、すでに治療中の対象者を効果的に監視し、症状の進行及び回復の適切な理解をするのに役に立つ、
(c)病気の進行の動向を追跡するための過程として振舞う、
(d)特に若い子供たち、幼児及び年配の患者、精神遅滞又は他の行動障害を有する患者にとって、臨床的に役に立つ。これらの人は、呼吸に関する問題を、考えるかつ、医師に正確に伝えることができないかもしれない、対象者(患者又は子供たち)のグループであるので。
【0066】
通常、対象者(患者又は子供)が医師に連絡する時間までに、病徴及び兆候は、少なくとも部分的に弱まっているであろう。このことは、医師に不完全な臨床像を与え得る、かつ、不正確な診断をもたらし得る。鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、保管された、抽出された身体的変形特徴は、不正確な診断をするリスクを切り抜けることができる。
【0067】
正常な呼吸サイクルのパターンは、図4aで示される。呼吸サイクルは、吸入と呼ばれるプロセスにより肺に空気を取り入れ、呼気と呼ばれるプロセスにより肺から空気を追い出し、吸入と呼気との間で中断(pause)を有する、周期的及び律動的なプロセスを参照する。呼吸のプロセスは、吸息中枢及び呼息中枢からなる脳幹の呼吸中枢により仲裁される又は制御される。正常な呼吸速度は通常、種々の生理学的条件下で、1分あたり14−20回の間で変動し、通常1分あたり25回より少ない。
【0068】
図4bは、健康な対象者における、正常な呼吸サイクルと関連した、ストレインゲージにより発生した例示された電気波形を示す。そのグラフから見受けられるように、鼻孔又は首又は肋間領域に配置されたストレインゲージによる電圧発生は、通常、健康な対象者で400−500mVの範囲内にある。健康な対象者の電気波形の周波数バンドは、通常およそ0.5Hzである。
【0069】
図4cは、重度の喘息対象者の肋間退縮と関連した、例示された電気波形を示す。電気波形は、周波数領域でのより高い周波数バンドにつながる、時間領域での、漸次(progressively)より高い電圧及びより高い変動(ゼロ交差)の発生を示唆する。対象者を、時間領域での変動のパターン、電圧の振幅及び周波数バンドに基づいて、軽度の喘息、中程度な喘息及び重度の喘息を有するグループに分けることが可能である。説明的な例として、図4cから、軽度の喘息、中程度な喘息及び重度の喘息を有する対象者での、ストレインゲージを通じて発生した電位差の値は、各々、およそ600、800及び1000mVであるということが、推定可能である。周波数領域において、軽度の喘息、中程度な喘息及び重度の喘息に関する電気波形の周波数バンドは、各々、およそ3Hz、6Hz及び10Hzである。
【0070】
これから図5を参照して、喘息を診断するための装置200はさらに、
入力を受信するよう構成された入力モジュールであって、前記入力は、検査される対象者の性別、年齢、身長、体重及び民族性(ethnicity)の少なくとも1つである、入力モジュール、
非喘息である対象者と喘息である対象者と関連したデータを有する、予め分類されたキャリブレートされたデータベース(pre−classified calibrated database)であって、前記データは、
i) 性別、
ii) 年齢、
iii) 身長
iv) 体重
v) 民族性
vi) 鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で取得された身体的変形を使用して抽出された、時間領域及び/又は周波数領域特徴、
vii. 対象者の状況:非喘息、喘息の発現、軽度の喘息、深刻な喘息、
の少なくとも1つであるデータベースを含む。
【0071】
入力モジュールは、検査される対象者のデータを収集するのに役立つ。この入力データは、対象者をグループ分けするとき及びグループ内の喘息に関連した症状を識別するときに、役に立ち得る。さらに、収集されたデータは、類似した対象者の抽出された身体的変形特徴の比較研究を実行するときに役に立ち得る。これは、さらに、喘息の診断及び管理をさらに改善することができる。さらに、経済により、全ての家庭が開示された装置を所有できない、発展途上国において、家族は、共用の装置を所有することができ、必要に応じて使用することができる。そのような場合において、入力モジュールは、検査される対象者と、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、保管された身体的変形特徴とを、識別するのに役に立ち得る。
【0072】
予め分類されたキャリブレートされたデータベースは、ベースラインとしての機能を果たすことができる。鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、検査される対象者の身体的変形を、喘息の異なる等級(grades)に分類するときに、役に立ち得る。喘息の異なる等級は、喘息の発現、軽度の喘息、重度の喘息とすることができる。
【0073】
予め分類されたキャリブレートされたデータベースは、定期的に調整することができる。これは、年齢、身長、体重、性別及び民族性に基づいて、十分な数の対象者に亘って、開示された装置を試験することにより、なすことができる。鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、身体的変形が必要とされ得る。時間領域及び/又は周波数領域特徴は、抽出され、非喘息/喘息の対象者としてラベル化され、保管することができる。予め分類されたキャリブレートされたデータベースは、喘息の診断のための役に立つツールとなり得る。
【0074】
これから図6を参照して、解析モジュール220はさらに、
検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、抽出された、時間領域及び/又は周波数領域身体的変形特徴を、予め分類されたキャリブレートされたデータベース内の利用できるデータと比較し、検査される前記対象者の喘息の状況を診断し、診断に関連した情報を保管するよう構成された論理モジュールを含む。
【0075】
従来のパターン照合アルゴリズムが、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、抽出された、身体的特徴時間領域及び/又は周波数領域特徴を、予め分類されたキャリブレートされたデータベース内の利用できる、抽出された身体的変形時間領域及び/又は周波数特徴と比較するために、使用することができる。検査される、対象者の状況は、分類結果に基づいて、得ることができる。例えば喘息の発現、軽度の喘息又は重度の喘息の、喘息の等級を得ることも、可能である。
【0076】
いくつかの実施形態において、サポートベクターマシン(SVM)を、分類のために使用することができる。説明的な例として、SVMは、入力データを2組のベクトル(vectors)と見なすことができる;ストレインゲージを使用する抽出された実際の特徴に対応する一方の組と、喘息及び非喘息の対象者の予め分類されたキャリブレートされたデータベース内で利用できるデータに対応する他方の組とである。SVMは、n次元空間での分離超平面を構成することができ、前記分離超平面は、2つのデータセットの間のマージン(margin)を最大化する超平面である。マージンを計算するために、2つの平行する超平面を構成することができ、2つのデータ組に“対して押し上げられた(pushed up against)”分離超平面の各々の側でのマージンである。直感的に、両方の部類(classes)の隣接したデータポイントに対する最大の距離を有する、超平面により、優れた分類を達成することができる。通常、マージンをより大きくすると、分類器の一般化誤差をより良くなるので。
【0077】
これから図7を参照して、喘息を診断するための装置200はさらに、
i)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つが検出されているかどうか、ii)もし診断された喘息が所定の閾値より上であるなら、緊急協議の必要性、iii)もし診断された喘息が所定の閾値より低いなら、緊急協議の必要性がないということ、を通知するよう構成された、通知モジュール710を含む。
【0078】
通知モジュール710は、視覚的表示ユニット、オーディオユニット又は着色光発生ユニットの少なくとも1つとすることができる。
【0079】
この実施様態は、次の利点を有する、
i)重度の喘息の発作を有することの、恐怖及び不快感を避けることができる、
ii)緊急来院又は入院の必要性を最小化する、
iii)不必要な診察を避けることによる、治療の費用を減らすことができる、
iv)喘息の再発再燃を防ぐことができる。
【0080】
開示された装置は、視覚的表示の形態で、結果を通知することができ、検査される対象者への喘息の重症度を示すことができる。さらに、警告ビープが、成人患者及び病気の子供が気がかりな親の両方を、重度の喘息の場合にすぐに医師に相談を求むよう、導くことができる。
【0081】
鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮の、主観的な評価は、信頼することができない。肋間の退縮における、観察者間(即ち、種々の医師間)での一致及び解釈において、いくらか変動があり得る。これらの制限を克服するために、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮は、記録され、抽出された特徴は、デジタル形態で保管される。保管された特徴は、医師により可視化することができる。このことは、症状について客観的な情報を供することにより、喘息の診断を改善するときにさらに助けとなり得る。
【0082】
開示された装置は、また、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮が存在しているかどうかに関して、着色光の形態で、直接情報を与えることができる。さらに、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、身体的変形を表現する波形を表示することができる。これにより、客観的に症状を評価するために、医師に信頼できる入力を形成することができ、それにより、喘息診断、喘息の重症度の評価及び治療に対する応答の、通常のワークフローを容易にする。これにより、さらに、喘息の診断及び管理を改善することができる。
【0083】
これより図8を参照して、喘息を診断するための装置200はさらに、(i)、検査される、対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、現在取得された、少なくとも1つの身体的変形特徴、(ii)検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、予め保管された身体的変形特徴、に基づいて、治療又は回復の進捗を評価するよう構成された評価モジュール810を含む。開示された装置は、回復の期間の間、鼻孔拡張、胸の退縮及び肋間の退縮の減少/増加の形態で、喘息の重症度の客観的測定を供するので、喘息の進行及び治療に対する応答を評価するために使用することができる。
【0084】
開示された装置は、喘息症状を監視するための独立型システム又は既存の装置の拡張機能(add-on)として形成することができる。これより図9を参照して、喘息を診断するための開示された装置200は、喘鳴監視デバイスのための拡張機能装置として使用することができる。ストレインゲージからのデータは、喘鳴監視デバイスに、ワイヤレスで又はワイヤ接続を通じて、供給することができる。喘鳴監視デバイスは、喘息の重症度を評価するために、実質的に、喘息に伴う追加的な入力として、このデータを使用することができる。このことは、喘息の診断をさらに改善することができる。
【0085】
これより図10を参照して、喘息を診断するための方法1000は、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴の取得を行う工程1010及び前記取得された、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記少なくとも1つの身体的変形特徴の解析を行うこと及び前記解析された、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記少なくとも1つの身体的変形特徴に基づいて、喘息を診断する工程1020を含む。
【0086】
本サブジェクトマターは、気道閉塞の病気において、鼻孔拡張の形状及び肋間空間及び首領域に亘る皮膚の吸引での、時間と共に進行する、物理的変化を測定するためのストレインゲージの使用を開示する。さらに、これらの物理的変化は、病気の状況の重症度を発見するために、検査される。
【0087】
要約すると、喘息を診断するための装置が開示される。装置は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴の取得を行うよう構成されたデータ取得モジュール及び検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記取得が行われた少なくとも1つの前記身体的変形特徴の解析を行い、検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記解析が行われた少なくとも1つの前記身体的変形特徴に基づいて、喘息を診断するよう構成された解析モジュールを含む。
【0088】
開示された装置は、家で、病院で、外来患者での喘息を監視するために使用することができる。開示された装置は、また、新生児一過性多呼吸、後鼻孔閉鎖症、幼児の持続性多呼吸(Persistent tachypnea)、細気管支炎、クループ、急性喉頭蓋炎といった、胸及び首の退縮及び鼻孔拡張が、臨床的特徴の1つとなり得る、他の気道閉塞関連の病気の進行の指標となり得る。
【0089】
サブジェクトマターは、図及び前述の詳細な説明で、詳細に説明されてきたが、そのような説明及び詳細は、説明的又は例示的であり、制限的ではないと考えられる;サブジェクトマターは、開示された実施形態に制限されない。怪異された実施形態の他のバリエーションが、図面、開示及び添付された特許請求の範囲の調査から、主張されたサブジェクトマターを実践している当業者によって、理解及び達成され得る。“含む”の動詞及びその同根語の使用は、特許請求の範囲又は詳細な説明で言及されたものより他の要素の存在を除外しない。要素又は工程に先行する不定冠詞“a”又は“an”の使用は、複数の、そのような要素又は工程の存在を除外しない。単一ユニットにより、特許請求の範囲で引用された、いくつかの項目の機能を発揮することができる。しかるべき措置が、互いに異なる独立請求項で引用されるという単なる事実は、これらの措置の組み合わせが、有意に使用できないということを意味しない。図面及び詳細な説明は、説明的なためだけであると見なされ、サブジェクトマターを制限しない。特許請求の範囲の中の如何なる符号も、範囲を制限すると解釈されるべきでない。
【技術分野】
【0001】
サブジェクトマター(subject matter)は、喘息の診断に関する。
【背景技術】
【0002】
US7077810は、臨床病状の発現の予測する方法を開示し、該方法は、対象者の呼吸を感知する工程、感知された前記呼吸に応答可能なように、前記対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを決定する工程、前記呼吸パターンを基準値呼吸パターンと比較を行う工程及び前記比較に少なくとも部分的に応答可能なように、臨床病状の発現を予測する工程を含む。臨床病状の発現を予測する工程は、信頼性がなく、喘息を診断するときの変動(variation)となり得る。
【発明の概要】
【0003】
喘息の診断を改善することが、本サブジェクトマターの目的である。本サブジェクトマターの目的は、喘息を診断するための装置を供することにより実現され、前記装置は:
検査される対象者の鼻孔拡張(nasal flaring)、首の退縮(neck retraction)及び肋間(inter coastal)の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴の取得を行うよう構成されたデータ取得モジュール;及び
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間(inter coastal)の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記取得が行われた少なくとも1つの前記身体的変形特徴の解析を行い、検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間(inter coastal)の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記解析が行われた少なくとも1つの前記身体的変形特徴に基づいて、喘息を診断するよう構成された解析モジュール;を含む。
【0004】
通常、呼吸することがより困難になるとき、退縮が見受けられる胸の領域が増加する。(a)呼吸するときの軽度の困難(mild difficulty)は、胸郭のちょうど下にあり(肋骨下(sub coastal))、胸骨の底部にある(胸骨下)、腹部の退縮を引き起こし得る、(b)呼吸するときの中等度の困難(moderate difficulty)は、呼吸するときの軽度の困難と、胸及び腹部の同じ領域及び肋骨間(肋間)の退縮を引き起こし得る、(c)呼吸するとき重度の困難(severe difficulty)は、呼吸するときの軽度及び中程度の困難と、胸及び腹部の同じ領域及び、鎖骨のちょうど上(鎖骨上)又は胸骨のちょうど上(胸骨上)の、首の退縮を引き起こし得る、ということが観察されている。
【0005】
通常、喘息の症状は、(i)鼻孔のサイズが呼吸とともに増加する鼻孔拡張(ii)首の領域が呼吸とともに内側に移動する、首退縮及び(iii)肋骨間又は下の皮膚が、呼吸とともに内側に移動する、肋間退縮を含む。
【0006】
鼻孔拡張、胸退縮及び首退縮は、機能不全の呼吸パターンを示し、かつ、具体的に喘息の気道閉塞の特性である。鼻で引き起こされる身体的変形、肋間空間及び首は、苦しい呼吸が、通常、明らかにされる箇所である。したがって、これらの身体的変形を監視及び解析することは、内在する閉塞性呼吸器疾患の重症度の客観的評価を可能とすることができる。これにより、喘息の診断及び管理を改善することができる。
【0007】
開示された装置は、鼻孔拡張、首退縮及び肋間退縮が喘息の発現の間発生するので、起こりうる喘息の発作の診断に至るための、貴重な情報(valuable input)を供することができる。
【0008】
鼻、首及び胸の身体的変形に基づいた診断は、正確でありより信頼でき得る。診断は、非侵襲であり、単純である。さらに、喘息は、発生期で診断することができ、かつ、本格的な(full blown)発作の発達及び促進を未然に防ぐことができる。
【0009】
装置の一実施様態において、データ取得モジュールは、少なくとも1呼吸サイクルの間、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するよう構成された、少なくとも1つのストレインゲージ(strain gauge)を含み、少なくとも1つの身体的変形特徴は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で取得される。
【0010】
ストレインゲージは、シアノ−アクリレートといった、適切な接着剤の助けをもって、鼻孔又は首又は肋間領域に取り付けることができる。開示された装置は、(a)鼻孔拡張と関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するために、鼻孔の先端の下又は上に、(b)首の退縮と関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するために、右及び左側の双方に、又は、胸鎖乳突筋の外縁側と鎖骨の上縁との間の片側に、のいずれかの首の領域に、(c)肋間の退縮と関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するために、両側で又は片側でのいずれかで、胸の前の9個の肋間空間の1つ以上で、少なくとも1つのストレインゲージの配置を容易にし得る。
【0011】
ストレインゲージは、鼻孔拡張の形状及び肋間空間及び首領域に亘る皮膚の吸引において、時間と共に進行する、身体的変形の測定に役立ち得る。鼻孔又は首領域又は肋間領域が変形するとき、箔(foil)もまた変形され、その電気抵抗の変化を引き起こす。この抵抗変化は、ゲージ率(gauge factor)として知られる量で歪みにと関連する、ホイートストンブリッジを使用して測定することができる。
【0012】
開示されたアイデアは、鼻孔拡張、胸及び首の退縮により生じた歪みを測定し、その測定に基づいて喘息を診断することである。
【0013】
いくつかの実施様態において、少なくとも1つのストレインゲージは、水銀封入ゴムストレインゲージである。この種のストレインゲージは、小さいゴムチューブに封入された少量の液体水銀からなり、身体部位(鼻孔、首領域及び肋間領域)の周辺に適用される。身体部位(鼻孔、首領域及び肋間領域)の身体的変形は、チューブの引き伸ばすこと、それをより長く及びより薄くさせることをもたらし、電気抵抗を増加させる。ストレインゲージを使用することの有意は、(i)動いている部分がない(ii)比較的構造が単純である(iii)サイズが小さい及び(iV)開示された装置内に配置するのが容易である、ことである。
【0014】
さらに他の実施様態において、装置は、
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で、前記取得が行われた少なくとも1つの前記身体的変形特徴を、所定の時間周期でデジタル記録を行うよう構成された記録モジュール;
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で、前記デジタル記録された少なくとも1つの前記身体的変形特徴から、時間領域特徴及び/又は周波数領域特徴を、抽出を行うよう構成された、特徴抽出モジュール;及び
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記抽出が行われた前記時間領域特徴及び/又は前記周波数領域特徴の電気的変動を保管するよう構成された保管モジュールを含む。
【0015】
この実施様態は、家庭用に関してよく適合される。両親は、首の退縮、鼻孔拡張及び肋間の退縮と関連した、彼らの子供の抽出された身体的変形特徴を記録し、保管するために、開示された特徴を使用することができる。病院への定期的な訪問の間、医師は、保管された記録を解析し、解釈し、かつ、喘息に関する子供状況を診断することができる。
【0016】
抽出された特徴の記録及び保管は、
(a)医師が、子供(患者又は対象者)の臨床プロフィールを完璧に練り、適切な治療を指示するのに役立つ、
(b)喘息を有していると知られた、特に小さい子供である、すでに治療中の対象者を効果的に監視し、症状の進行及び回復の適切な理解をするのに役に立つ、
(c)病気の進行の動向を追跡するための過程(history)として振舞う、
(d)特に若い子供たち、幼児及び年配の患者、精神遅滞又は他の行動障害を有する患者にとって、臨床的に役に立つ。これらの人は、呼吸に関する問題を、考えるかつ、医師に正確に伝えることができないかもしれない、対象者(患者又は子供たち)のグループであるので。
【0017】
さらに、対象者(患者又は子供)が医師に連絡する時間までに、病徴及び兆候は、少なくとも部分的に弱まっているであろう。このことは、医師に不完全な臨床像を与え得る。このことは、不正確な診断をもたらし得る。鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、保管された、抽出された身体的変形特徴は、不正確な診断をするリスクを切り抜けることができる。この実施様態は、家庭に関する状況で(home scenarios)、対象者(患者又は子供)と医師との両方の間で、その使用を発見する。
【0018】
さらに他の実施様態において、特徴抽出モジュールは、
(a)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル、
(b)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクルの所定の数に亘る、電気的変動の平均、
(c)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル内に存在する、周波数バンド、
(d)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル内に存在する、最小の周波数バンド及び最大の周波数バンド、
の少なくとも1つを抽出するよう構成される。
【0019】
喘息の症状は、抽出された特徴の助けで、より良く理解することができる。これは、また、他の利用可能な基準特徴(baseline features)で比較分析するときに役に立つことができ、喘息の診断をさらに改善することができる。
【0020】
さらに他の実施様態において、解析モジュールはさらに、
入力を受信するよう構成された入力モジュールであって、前記入力は、検査される対象者の性別、年齢、身長、体重及び民族性(ethnicity)の少なくとも1つである、入力モジュール;及び
非喘息である対象者と喘息である対象者と関連したデータを有する、予め分類されたキャリブレートされたデータベース(pre−classified calibrated database)であって、前記データは、
i. 性別、
ii. 年齢、
iii. 身長
iv. 体重
v. 民族性
vi. 鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で取得された身体的変形を使用して抽出された、時間領域及び/又は周波数領域特徴、
vii. 対象者の状況:非喘息、喘息の発現、軽度の喘息、深刻な喘息、
の少なくとも1つであるデータベース;を含む。
【0021】
入力モジュールは、検査される対象者のデータを収集するのに役立つ。この入力データは、対象者をグループ分けするとき及びグループ内の喘息に関連した症状を識別するときに、役に立ち得る。さらに、収集されたデータは、類似した対象者の抽出された身体的変形特徴の比較研究を実行するときに役に立ち得る。これは、さらに、喘息の診断及び管理をさらに改善することができる。
【0022】
さらに、経済により、全ての家庭が開示された装置を所有できない、発展途上国において、家族は、共用の装置を所有することができ、必要に応じて使用することができる。そのような場合において、入力モジュールは、検査される対象者と、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、保管された身体的変形特徴とを、識別するのに役に立ち得る。
【0023】
予め分類されたキャリブレートされたデータベースは、ベースラインとしての機能を果たすことができる。鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、検査される対象者の身体的変形を解析し、喘息の異なる等級(grades)に分類するときに、役に立ち得る。喘息の異なる等級は、喘息の発現、軽度の喘息、重度の喘息とすることができる。
【0024】
予め分類されたキャリブレートされたデータベースは、定期的に更新することができる。これは、年齢、身長、体重、性別及び民族性に基づいて、十分な数の対象者に亘って、開示された装置を試験することにより、なすことができる。鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、身体的変形が必要とされ得る。時間領域及び/又は周波数領域特徴は、抽出され、非喘息/喘息の対象者としてラベル化され、保管することができる。予め分類されたキャリブレートされたデータベースは、喘息の診断を改善するときに、さらに助けとなり得る。
【0025】
さらに他の実施形態において、解析モジュールは、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、抽出された、時間領域及び/又は周波数領域身体的変形特徴を、予め分類されたキャリブレートされたデータベース内の利用できるデータと比較し、検査される前記対象者の喘息の状況を診断し、診断に関連した情報を保管するよう構成された論理モジュールを含む。
【0026】
従来のパターン照合アルゴリズムが、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、抽出された、身体的特徴時間領域及び/又は周波数領域特徴を、予め分類されたキャリブレートされたデータベース内の利用できる、抽出された身体的変形時間領域及び/又は周波数特徴と比較するために、使用することができる。検査される、対象者の状況は、パターン照合結果に基づいて、得ることができる。例えば喘息の発現、軽度の喘息又は重度の喘息の、喘息の等級を得ることも、可能である。
【0027】
いくつかの実施形態において、サポートベクターマシン(SVM)を、分類のために使用することができる。説明的な例として、SVMは、入力データを2組のベクトル(vectors)と見なすことができる;ストレインゲージを使用する抽出された実際の特徴に対応する一方の組と、喘息及び非喘息の対象者の予め分類されたキャリブレートされたデータベース内で利用できるデータに対応する他方の組とである。SVMは、n次元空間での分離超平面を構成することができ、前記分離超平面は、2つのデータセットの間のマージンを最大化する超平面である。マージンを計算するために、2つの平行する超平面を構成することができ、2つのデータ組に“対して押し上げられた(pushed up against)”分離超平面の各々の側でのマージンである。
【0028】
さらに他の実施形態において、装置は、
通知モジュールを含み、該通知モジュールは、視覚的表示ユニット、オーディオユニット又は着色光発生ユニットの少なくとも1つであり、前記通知ユニットは、(i)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つが検出されているかどうか、(ii)もし診断された喘息が所定の閾値より上であるなら、緊急協議の必要性、(iii)もし診断された喘息が所定の閾値より低いなら、緊急協議の必要性がないということ、を通知するよう構成される。
【0029】
この実施様態は、次の利点を有する、
(i)重度の喘息の発作を有することの、恐怖及び不快感を避けることができる、
(ii)緊急来院又は入院の必要性を最小化する、
(iii)不必要な診察を避けることによる、治療の費用を減らすことができる、
(iv)喘息の再発再燃を防ぐことができる。
【0030】
開示された装置は、視覚的表示の形態で、結果を通知することができ、検査される対象者への喘息の重症度を示すことができる。さらに、警告ビープ(alarm beep)が、成人患者及び病気の子供が気がかりな親の両方を、重度の喘息の場合にすぐに医師に相談を求むよう、導くことができる。
【0031】
開示された装置は、また、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮が存在しているかどうかに関して、着色光の形態で、直接情報を与えることができる。さらに、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、身体的変形を表現する波形を表示することができる。これにより、客観的に症状を評価するために、医師に信頼できる入力を形成することができ、それにより、喘息診断、喘息の重症度の評価及び治療に対する応答の、通常のワークフローを容易にする。これにより、さらに、喘息の診断及び管理を改善することができる。
【0032】
鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮の、主観的な評価は、信頼することができない。肋間の退縮における、観察者間(inter−observer)(即ち、種々の医師間)の一致(agreement)及び解釈において、いくらか変動があり得る。これらの制限を克服するために、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮は、記録され、抽出された特徴は、デジタル形態で保管される。保管された特徴は、医師により可視化することができる。このことは、症状について客観的な情報を供することにより、喘息の診断を改善するときにさらに助けとなり得る。
【0033】
さらに他の実施形態において、装置はさらに、
(i)、検査される、対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、現在取得された、少なくとも1つの身体的変形特徴、(ii)検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、予め保管された身体的変形特徴、に基づいて、治療又は回復の進捗を評価するよう構成された評価モジュールを含む。
【0034】
開示された装置は、回復の期間の間、鼻孔拡張、胸の退縮及び肋間の退縮の減少/増加の形態で、喘息の重症度の客観的測定を供するので、喘息の進行及び治療に対する応答を評価するために使用することができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、ストレインゲージからのデータは、喘鳴監視デバイスに、ワイヤレスで又はワイヤ接続を通じて、供給することができる。喘鳴監視デバイスは、喘息の重症度を評価するために、実質的に、喘息に伴う追加的な入力として、このデータを使用することができる。このことは、喘息の診断をさらに改善することができる。
【0036】
本サブジェクトマターの目的は、喘息を診断するための方法を供することにより、さらに実現され、前記方法は:
鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴の、取得を行う工程;
前記取得された、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの前記身体的変形特徴の解析を行う工程;及び
前記解析された、前記取得された、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの前記身体的変形特徴に基づいて、喘息を診断する工程;
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1a及び図1bは、検査される例示された対象者の、正常な鼻孔、拡張された鼻孔及び首の退縮を示す。
【図2a】図2aは、本サブジェクトマターの一実施形態に係る、喘息を診断するための装置の例示された概略ブロック図を示す。
【図2b】図2bは、一例のホイートストンブリッジにおける、抵抗v/s出力電圧の例示された変動を示す。
【図3】図3は、本サブジェクトマターの一実施形態に係る解析モジュールの、例示された概略ブロック図を示す。
【図4a】図4aは、例示される波形を概略的に示す。
【図4b】図4bは、例示される波形を概略的に示す。
【図4c】図4cは、例示される波形を概略的に示す。
【図5】図5は、本サブジェクトマターのさらに他の実施形態に係る、喘息を診断するための装置の例示された概略ブロック図を示す。
【図6】図6は、本サブジェクトマターの一実施形態に係る解析モジュールの例示された概略ブロック図を示す。
【図7】図7は、本サブジェクトマターのさらに他の実施形態に係る、喘息を診断するための装置の例示された概略ブロック図を示す。
【図8】図8は、本サブジェクトマターのさらに他の実施形態に係る、喘息を診断するための装置の例示された概略ブロック図を示す。
【図9】図9は、例示された喘鳴監視デバイスを概略的に示す。
【図10】図10は、本サブジェクトマターの一実施形態に係る、喘息を診断するための方法を説明する、例示されたフローチャートを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
これから図1a及び図1bを参照するに、喘息の症状は、i)鼻孔のサイズが呼吸にと共に増加することである、鼻孔拡張、ii)肋骨の間又は下の皮膚が、呼吸とともに内側に動くことである、肋間退縮を含む。
【0039】
これから図2aを参照するに、喘息を診断するための装置200は、
i)データ取得モジュール210、
ii)解析モジュール220を含む。
【0040】
データ取得モジュール210は、検査される対象者の少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するよう構成することができる。前記少なくとも1つの身体的変形特徴は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連し得る。
【0041】
解析モジュール220は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、取得された少なくとも1つの身体的変形特徴を解析するよう構成することができる。喘息は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴の解析に基づいて、診断することができる。
【0042】
データ取得モジュール210は、少なくとも1つのストレインゲージを有することができる。少なくとも1つのストレインゲージは、少なくとも1回の呼吸サイクルの間、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するよう構成することができる。
少なくとも1つの身体的変形特徴は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で取得することができる。
【0043】
少なくとも1つのストレインゲージは、シアノ−アクリレートといった、適切な接着剤の助けをもって、鼻孔又は首又は肋間領域に取り付けることができる。開示された装置は、
(a)鼻孔拡張と関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するために、鼻孔の先端の下又は上に、(b)首の退縮と関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するために、右及び左側の双方に、又は、胸鎖乳突筋の外縁側と鎖骨の上縁との間の片側に、のいずれかの首の領域に、(c)肋間の退縮と関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴を取得するために、両側で又は片側でのいずれかで、胸の前の9個の肋間空間の1つ以上で、少なくとも1つのストレインゲージの配置を容易にし得る。
【0044】
ストレインゲージは、鼻孔拡張の形状及び肋間空間及び首領域に亘る皮膚の吸引において、時間と共に進行する、身体的変形の測定に役立ち得る。鼻孔又は首領域又は肋間領域が変形するとき、箔(foil)もまた変形され、その電気抵抗の変化を引き起こす。この抵抗変化は、ゲージ率(gauge factor)として知られる量で歪みにと関連する、ホイートストンブリッジを使用して測定することができる。
【0045】
開示されたアイデアは、鼻孔拡張、胸及び首の退縮により生じた歪みを測定し、その測定に基づいて喘息を診断することである。
【0046】
歪みは、無次元の単位であり、単位長さあたりの長さの変化として定義される。
【0047】
説明的な例として、もし1メートルの長さの鋼鉄棒が1.000002メートルに伸びるなら、歪みは2マイクロ歪みとして定義される。ストレインゲージは、歪みにより分割された(divided)わずかな抵抗の変化として定義される、特有のゲージ率を有する。
【0048】
説明的な例として、軽度の喘息の場合において、鼻孔拡張は、2のゲージ率でゲージに適用された2マイクロ歪みを引き起こし、(2×2)10−6=4×10−6=4μΩのわずかな抵抗変化を生む。
【0049】
この変化は、V0=Vex(X/4)で与えられる、回路レベルでの、適切な電圧損失(voltage dissipation)反映するであろう。
【0050】
ここでV0=ブリッジ出力電圧、
Vex=ブリッジにより適用された励起電圧、
X=抵抗の相対変化、BR/Rである。
【0051】
図2bは、典型的なホイートストンブリッジにおける抵抗v/s出力電圧変化を示す。ホイートストンブリッジからのこの出力電圧は、開示された装置200により記録される。出力電圧の変動は、3分の間記録することができ、対応するデータは、数値の配列として保管することができる。これらの数値は、おおよそ3分のウインドウでの、最小電圧変化及び最大電圧変化といった、特徴を抽出するよう解析することができる。これらの特徴は、軽度の喘息又は通常を分類するために、サポートベクターマシンを使用して、データベースと比較することができる。同様に、中程度の喘息に関して、鼻孔拡張は、例えば、5マイクロ歪みに関して反映することができ、重度の喘息に関して、例えば、8マイクロ歪みに関して反映することができる。胸及び肋間退縮は、また、同様の技術を使用して解析することができる。
【0052】
少なくとも1つのストレインゲージは、水銀封入ゴムストレインゲージであり得る。この種のストレインゲージは、小さいゴムチューブに封入された少量の液体水銀からなり、身体部位(鼻孔、首領域及び肋間領域)の周辺に適用することができる。身体部位(鼻孔、首領域及び肋間領域)の身体的変形は、チューブの引き伸ばすこと、それをより長く及びより薄くさせることをもたらし、電気抵抗を増加させる。
【0053】
ストレインゲージを使用することの有意は:
(a)動いている部分がない、
(b)比較的構造が単純である、
(c)サイズが小さい、
(d)開示された装置内に配置するのが容易である、
ことである。
【0054】
ストレインゲージは、電圧/電流変動の形態で、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、身体的変形を取得することができる。これらの変動は通常、各々の呼吸サイクルの間発生する変形の量に比例する。
【0055】
ストレインゲージは、レジスタ、キャパシタ及びOP−AMPSのようなアナログ構成要素を使用して、電圧/電流変動を記録することができる、データ取得ハードウェアに接続することができる。アナログ−デジタル変換器は、電圧/電流波形のアナログ信号を、信号を適切にサンプリングすることにより、デジタル領域に変換するよう、使用することができる。説明的な例として、呼吸の速度は、アナログ−デジタル変換器の正しいサンプリング周波数を選択するための入力と見なすことができる。健康な対象者と病気にかかった対象者の呼吸の速度は、通常、1分間あたり12から25までの呼吸サイクルに変化を持たせる。したがって、サンプリング周波数は、50より多くとして、選択することができる。
【0056】
これから図3を参照して、喘息を診断するための解析モジュール220は、
a)記録モジュール300、
b)特徴抽出モジュール310、
c)保管モジュール320、
をさらに含む。
【0057】
記録モジュール300は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で、取得された少なくとも1つの身体的変形特徴を、所定の時間周期でデジタル記録するよう構成することができる。
【0058】
特徴抽出モジュール310は、さらに、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で、デジタル記録された少なくとも1つの前記身体的変形特徴から、時間領域特徴及び/又は周波数領域特徴を、抽出するよう構成することができる。
【0059】
特徴抽出モジュール310は、
a)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル、
b)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクルの所定の数に亘る、電気的変動の平均、
c)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル内に存在する、周波数バンド、
d)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル内に存在する、最小の周波数バンド及び最大の周波数バンド、
の少なくとも1つを抽出するよう構成することができる。
【0060】
呼吸速度、呼吸リズム及び呼吸努力を含む、呼吸のパターンは、呼吸システムを評価するための、役に立つ実用的なツールを供することができる。調整されてない(dis-coordinated)呼吸の(呼吸移管する胸筋及び横隔膜筋の間の調整が欠けている)の存在もまた、悪い兆候である。その究極の形態において、同期の不全があると、胸は吸入の間、内側に移動する。
【0061】
呼吸努力及び呼吸仕事量の増大は、副筋の使用、肋骨下並びに肋間退縮、鼻孔拡張及び呼吸努力の速さ及び深さの評価により、評価されても良い。重度の呼吸の苦痛に対して穏やかである(in moderate)子供たちは、顕著な(marked)副筋活動及び肋骨下退縮並びに肋骨下退縮を有する初期状態に存在しているであろう。鼻孔拡張は、軽度の喘息を示すことができ、しかし、胸鎖乳突筋及び他の副筋の使用は、呼吸努力の増大を意味する。
【0062】
喘息は、抽出された特徴の助けで、より良く診断することができる。抽出された特徴は、また、他の利用可能な基準特徴で比較分析を実行するときに役に立つことができ、喘息の診断をさらに改善することができる。
【0063】
保管モジュール320は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、抽出された時間領域特徴及び/又は周波数領域特徴の電気的変動を保管するよう構成することができる。
【0064】
両親は、彼らの子供の、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮と関連した、抽出された身体的変形特徴を記録及び保管するための、開示された装置200を使用することができる。病院への予定された訪問の間、医師は、補完された記録を解析及び解明することができ、喘息に関する子供の状況を診断することができる。
【0065】
抽出された特徴の記録及び保管は、
(a)医師が、子供(患者又は対象者)の臨床プロフィールを完璧に練り、適切な治療を指示するのに役立つ、
(b)喘息を有していると知られた、特に小さい子供である、すでに治療中の対象者を効果的に監視し、症状の進行及び回復の適切な理解をするのに役に立つ、
(c)病気の進行の動向を追跡するための過程として振舞う、
(d)特に若い子供たち、幼児及び年配の患者、精神遅滞又は他の行動障害を有する患者にとって、臨床的に役に立つ。これらの人は、呼吸に関する問題を、考えるかつ、医師に正確に伝えることができないかもしれない、対象者(患者又は子供たち)のグループであるので。
【0066】
通常、対象者(患者又は子供)が医師に連絡する時間までに、病徴及び兆候は、少なくとも部分的に弱まっているであろう。このことは、医師に不完全な臨床像を与え得る、かつ、不正確な診断をもたらし得る。鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、保管された、抽出された身体的変形特徴は、不正確な診断をするリスクを切り抜けることができる。
【0067】
正常な呼吸サイクルのパターンは、図4aで示される。呼吸サイクルは、吸入と呼ばれるプロセスにより肺に空気を取り入れ、呼気と呼ばれるプロセスにより肺から空気を追い出し、吸入と呼気との間で中断(pause)を有する、周期的及び律動的なプロセスを参照する。呼吸のプロセスは、吸息中枢及び呼息中枢からなる脳幹の呼吸中枢により仲裁される又は制御される。正常な呼吸速度は通常、種々の生理学的条件下で、1分あたり14−20回の間で変動し、通常1分あたり25回より少ない。
【0068】
図4bは、健康な対象者における、正常な呼吸サイクルと関連した、ストレインゲージにより発生した例示された電気波形を示す。そのグラフから見受けられるように、鼻孔又は首又は肋間領域に配置されたストレインゲージによる電圧発生は、通常、健康な対象者で400−500mVの範囲内にある。健康な対象者の電気波形の周波数バンドは、通常およそ0.5Hzである。
【0069】
図4cは、重度の喘息対象者の肋間退縮と関連した、例示された電気波形を示す。電気波形は、周波数領域でのより高い周波数バンドにつながる、時間領域での、漸次(progressively)より高い電圧及びより高い変動(ゼロ交差)の発生を示唆する。対象者を、時間領域での変動のパターン、電圧の振幅及び周波数バンドに基づいて、軽度の喘息、中程度な喘息及び重度の喘息を有するグループに分けることが可能である。説明的な例として、図4cから、軽度の喘息、中程度な喘息及び重度の喘息を有する対象者での、ストレインゲージを通じて発生した電位差の値は、各々、およそ600、800及び1000mVであるということが、推定可能である。周波数領域において、軽度の喘息、中程度な喘息及び重度の喘息に関する電気波形の周波数バンドは、各々、およそ3Hz、6Hz及び10Hzである。
【0070】
これから図5を参照して、喘息を診断するための装置200はさらに、
入力を受信するよう構成された入力モジュールであって、前記入力は、検査される対象者の性別、年齢、身長、体重及び民族性(ethnicity)の少なくとも1つである、入力モジュール、
非喘息である対象者と喘息である対象者と関連したデータを有する、予め分類されたキャリブレートされたデータベース(pre−classified calibrated database)であって、前記データは、
i) 性別、
ii) 年齢、
iii) 身長
iv) 体重
v) 民族性
vi) 鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で取得された身体的変形を使用して抽出された、時間領域及び/又は周波数領域特徴、
vii. 対象者の状況:非喘息、喘息の発現、軽度の喘息、深刻な喘息、
の少なくとも1つであるデータベースを含む。
【0071】
入力モジュールは、検査される対象者のデータを収集するのに役立つ。この入力データは、対象者をグループ分けするとき及びグループ内の喘息に関連した症状を識別するときに、役に立ち得る。さらに、収集されたデータは、類似した対象者の抽出された身体的変形特徴の比較研究を実行するときに役に立ち得る。これは、さらに、喘息の診断及び管理をさらに改善することができる。さらに、経済により、全ての家庭が開示された装置を所有できない、発展途上国において、家族は、共用の装置を所有することができ、必要に応じて使用することができる。そのような場合において、入力モジュールは、検査される対象者と、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、保管された身体的変形特徴とを、識別するのに役に立ち得る。
【0072】
予め分類されたキャリブレートされたデータベースは、ベースラインとしての機能を果たすことができる。鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、検査される対象者の身体的変形を、喘息の異なる等級(grades)に分類するときに、役に立ち得る。喘息の異なる等級は、喘息の発現、軽度の喘息、重度の喘息とすることができる。
【0073】
予め分類されたキャリブレートされたデータベースは、定期的に調整することができる。これは、年齢、身長、体重、性別及び民族性に基づいて、十分な数の対象者に亘って、開示された装置を試験することにより、なすことができる。鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、身体的変形が必要とされ得る。時間領域及び/又は周波数領域特徴は、抽出され、非喘息/喘息の対象者としてラベル化され、保管することができる。予め分類されたキャリブレートされたデータベースは、喘息の診断のための役に立つツールとなり得る。
【0074】
これから図6を参照して、解析モジュール220はさらに、
検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、抽出された、時間領域及び/又は周波数領域身体的変形特徴を、予め分類されたキャリブレートされたデータベース内の利用できるデータと比較し、検査される前記対象者の喘息の状況を診断し、診断に関連した情報を保管するよう構成された論理モジュールを含む。
【0075】
従来のパターン照合アルゴリズムが、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、抽出された、身体的特徴時間領域及び/又は周波数領域特徴を、予め分類されたキャリブレートされたデータベース内の利用できる、抽出された身体的変形時間領域及び/又は周波数特徴と比較するために、使用することができる。検査される、対象者の状況は、分類結果に基づいて、得ることができる。例えば喘息の発現、軽度の喘息又は重度の喘息の、喘息の等級を得ることも、可能である。
【0076】
いくつかの実施形態において、サポートベクターマシン(SVM)を、分類のために使用することができる。説明的な例として、SVMは、入力データを2組のベクトル(vectors)と見なすことができる;ストレインゲージを使用する抽出された実際の特徴に対応する一方の組と、喘息及び非喘息の対象者の予め分類されたキャリブレートされたデータベース内で利用できるデータに対応する他方の組とである。SVMは、n次元空間での分離超平面を構成することができ、前記分離超平面は、2つのデータセットの間のマージン(margin)を最大化する超平面である。マージンを計算するために、2つの平行する超平面を構成することができ、2つのデータ組に“対して押し上げられた(pushed up against)”分離超平面の各々の側でのマージンである。直感的に、両方の部類(classes)の隣接したデータポイントに対する最大の距離を有する、超平面により、優れた分類を達成することができる。通常、マージンをより大きくすると、分類器の一般化誤差をより良くなるので。
【0077】
これから図7を参照して、喘息を診断するための装置200はさらに、
i)鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つが検出されているかどうか、ii)もし診断された喘息が所定の閾値より上であるなら、緊急協議の必要性、iii)もし診断された喘息が所定の閾値より低いなら、緊急協議の必要性がないということ、を通知するよう構成された、通知モジュール710を含む。
【0078】
通知モジュール710は、視覚的表示ユニット、オーディオユニット又は着色光発生ユニットの少なくとも1つとすることができる。
【0079】
この実施様態は、次の利点を有する、
i)重度の喘息の発作を有することの、恐怖及び不快感を避けることができる、
ii)緊急来院又は入院の必要性を最小化する、
iii)不必要な診察を避けることによる、治療の費用を減らすことができる、
iv)喘息の再発再燃を防ぐことができる。
【0080】
開示された装置は、視覚的表示の形態で、結果を通知することができ、検査される対象者への喘息の重症度を示すことができる。さらに、警告ビープが、成人患者及び病気の子供が気がかりな親の両方を、重度の喘息の場合にすぐに医師に相談を求むよう、導くことができる。
【0081】
鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮の、主観的な評価は、信頼することができない。肋間の退縮における、観察者間(即ち、種々の医師間)での一致及び解釈において、いくらか変動があり得る。これらの制限を克服するために、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮は、記録され、抽出された特徴は、デジタル形態で保管される。保管された特徴は、医師により可視化することができる。このことは、症状について客観的な情報を供することにより、喘息の診断を改善するときにさらに助けとなり得る。
【0082】
開示された装置は、また、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮が存在しているかどうかに関して、着色光の形態で、直接情報を与えることができる。さらに、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、身体的変形を表現する波形を表示することができる。これにより、客観的に症状を評価するために、医師に信頼できる入力を形成することができ、それにより、喘息診断、喘息の重症度の評価及び治療に対する応答の、通常のワークフローを容易にする。これにより、さらに、喘息の診断及び管理を改善することができる。
【0083】
これより図8を参照して、喘息を診断するための装置200はさらに、(i)、検査される、対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、現在取得された、少なくとも1つの身体的変形特徴、(ii)検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、予め保管された身体的変形特徴、に基づいて、治療又は回復の進捗を評価するよう構成された評価モジュール810を含む。開示された装置は、回復の期間の間、鼻孔拡張、胸の退縮及び肋間の退縮の減少/増加の形態で、喘息の重症度の客観的測定を供するので、喘息の進行及び治療に対する応答を評価するために使用することができる。
【0084】
開示された装置は、喘息症状を監視するための独立型システム又は既存の装置の拡張機能(add-on)として形成することができる。これより図9を参照して、喘息を診断するための開示された装置200は、喘鳴監視デバイスのための拡張機能装置として使用することができる。ストレインゲージからのデータは、喘鳴監視デバイスに、ワイヤレスで又はワイヤ接続を通じて、供給することができる。喘鳴監視デバイスは、喘息の重症度を評価するために、実質的に、喘息に伴う追加的な入力として、このデータを使用することができる。このことは、喘息の診断をさらに改善することができる。
【0085】
これより図10を参照して、喘息を診断するための方法1000は、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴の取得を行う工程1010及び前記取得された、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記少なくとも1つの身体的変形特徴の解析を行うこと及び前記解析された、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記少なくとも1つの身体的変形特徴に基づいて、喘息を診断する工程1020を含む。
【0086】
本サブジェクトマターは、気道閉塞の病気において、鼻孔拡張の形状及び肋間空間及び首領域に亘る皮膚の吸引での、時間と共に進行する、物理的変化を測定するためのストレインゲージの使用を開示する。さらに、これらの物理的変化は、病気の状況の重症度を発見するために、検査される。
【0087】
要約すると、喘息を診断するための装置が開示される。装置は、検査される対象者の鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴の取得を行うよう構成されたデータ取得モジュール及び検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記取得が行われた少なくとも1つの前記身体的変形特徴の解析を行い、検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記解析が行われた少なくとも1つの前記身体的変形特徴に基づいて、喘息を診断するよう構成された解析モジュールを含む。
【0088】
開示された装置は、家で、病院で、外来患者での喘息を監視するために使用することができる。開示された装置は、また、新生児一過性多呼吸、後鼻孔閉鎖症、幼児の持続性多呼吸(Persistent tachypnea)、細気管支炎、クループ、急性喉頭蓋炎といった、胸及び首の退縮及び鼻孔拡張が、臨床的特徴の1つとなり得る、他の気道閉塞関連の病気の進行の指標となり得る。
【0089】
サブジェクトマターは、図及び前述の詳細な説明で、詳細に説明されてきたが、そのような説明及び詳細は、説明的又は例示的であり、制限的ではないと考えられる;サブジェクトマターは、開示された実施形態に制限されない。怪異された実施形態の他のバリエーションが、図面、開示及び添付された特許請求の範囲の調査から、主張されたサブジェクトマターを実践している当業者によって、理解及び達成され得る。“含む”の動詞及びその同根語の使用は、特許請求の範囲又は詳細な説明で言及されたものより他の要素の存在を除外しない。要素又は工程に先行する不定冠詞“a”又は“an”の使用は、複数の、そのような要素又は工程の存在を除外しない。単一ユニットにより、特許請求の範囲で引用された、いくつかの項目の機能を発揮することができる。しかるべき措置が、互いに異なる独立請求項で引用されるという単なる事実は、これらの措置の組み合わせが、有意に使用できないということを意味しない。図面及び詳細な説明は、説明的なためだけであると見なされ、サブジェクトマターを制限しない。特許請求の範囲の中の如何なる符号も、範囲を制限すると解釈されるべきでない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査される対象者の、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴の取得を行うよう構成されたデータ取得モジュール;及び
検査される前記対象者の、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記取得が行われた、少なくとも1つの前記身体的変形特徴の解析を行い、検査される前記対象者の、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記解析が行われた、少なくとも1つの前記身体的変形特徴に基づいて、喘息を診断するよう構成された解析モジュール;
を含む、喘息を診断するための装置。
【請求項2】
前記データ取得モジュールは、検査される前記対象者の、少なくとも1つの呼吸サイクルの間の、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの前記身体的変形特徴の取得を行うよう構成された、少なくとも1つのストレインゲージを含み、
少なくとも1つの前記身体的変形特徴は、検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で、前記取得が行われる、
請求項1に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのストレインゲージは、水銀封入ゴムストレインゲージである、請求項2に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項4】
前記解析モジュールは、さらに、
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記電気的変動の形態で、前記取得が行われた少なくとも1つの前記身体的変形特徴を、所定の時間周期でデジタル記録を行うよう構成された記録モジュール;
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記電気的変動の形態で、前記デジタル記録が行われた少なくとも1つの前記身体的変形特徴から、時間領域特徴及び/又は周波数領域特徴の、抽出を行うよう構成された、特徴抽出モジュール;及び
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記抽出が行われた前記時間領域特徴及び/又は前記周波数領域特徴の前記電気的変動を保管するよう構成された保管モジュール;
を含む、請求項3に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項5】
前記特徴抽出モジュールは、
(a)前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル、
(b)前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、所定の数の呼吸サイクルに亘る、前記電気的変動の平均、
(c)前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル内に存在する、周波数バンド、
(d)前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル内に存在する、最小の周波数バンド及び最大の周波数バンド、
の少なくとも1つの前記抽出を行うよう構成される、
請求項4に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項6】
前記解析モジュールは:
入力を受信するよう構成された入力モジュールであって、前記入力は、検査される前記対象者の性別、年齢、身長、体重及び民族性の少なくとも1つである、入力モジュール;及び
非喘息である対象者及び喘息である対象者と関連したデータを有する、予め分類されたキャリブレートされたデータベースであって、前記データは、
a) 性別、
b) 年齢、
c) 身長
d) 体重
e) 民族性
f) 鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で取得された身体的変形を使用して抽出された、時間領域及び/又は周波数領域特徴、
g) 対象者の状況:非喘息、喘息の発現、軽度の喘息、深刻な喘息、
の少なくとも1つである、データベース;
をさらに含む、請求項4に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項7】
前記解析モジュールは、
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記抽出が行われた、前記時間領域及び/又は周波数領域身体的変形特徴を、前記予め分類されたキャリブレートされたデータベース内の利用できる前記データと比較し、検査される前記対象者の喘息の状況を診断し、前記診断に関連した情報を保管するよう構成された論理モジュールを含む、
請求項6に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項8】
さらに通知モジュールを含み、該通知モジュールは、視覚的表示ユニット、オーディオユニット又は着色光発生ユニットの少なくとも1つであり、当該通知ユニットは、(i)前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つが検出されているかどうか、(ii)もし診断された喘息が所定の閾値より上であるなら、緊急協議の必要性、(iii)もし診断された喘息が所定の閾値より低いなら、緊急協議の必要性がないということ、を通知するよう構成される、
請求項1に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項9】
(i)、検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、現在前記取得が行われた、少なくとも1つの前記身体的変形特徴、
(ii)検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、予め保管された前記身体的変形特徴、
に基づいて、治療又は回復の進捗を評価するよう構成された評価モジュールを含む、
請求項1に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の、喘息を診断するための装置を含む、喘鳴監視デバイス。
【請求項11】
鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴の取得を行う段階;及び
前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記取得された、少なくとも1つの前記身体的変形特徴の解析を行う段階及び前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記解析された、少なくとも1つの前記身体的変形特徴に基づいて、喘息を診断する段階;
を含む、喘息を診断するための方法。
【請求項1】
検査される対象者の、鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴の取得を行うよう構成されたデータ取得モジュール;及び
検査される前記対象者の、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記取得が行われた、少なくとも1つの前記身体的変形特徴の解析を行い、検査される前記対象者の、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記解析が行われた、少なくとも1つの前記身体的変形特徴に基づいて、喘息を診断するよう構成された解析モジュール;
を含む、喘息を診断するための装置。
【請求項2】
前記データ取得モジュールは、検査される前記対象者の、少なくとも1つの呼吸サイクルの間の、前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの前記身体的変形特徴の取得を行うよう構成された、少なくとも1つのストレインゲージを含み、
少なくとも1つの前記身体的変形特徴は、検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で、前記取得が行われる、
請求項1に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのストレインゲージは、水銀封入ゴムストレインゲージである、請求項2に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項4】
前記解析モジュールは、さらに、
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記電気的変動の形態で、前記取得が行われた少なくとも1つの前記身体的変形特徴を、所定の時間周期でデジタル記録を行うよう構成された記録モジュール;
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記電気的変動の形態で、前記デジタル記録が行われた少なくとも1つの前記身体的変形特徴から、時間領域特徴及び/又は周波数領域特徴の、抽出を行うよう構成された、特徴抽出モジュール;及び
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記抽出が行われた前記時間領域特徴及び/又は前記周波数領域特徴の前記電気的変動を保管するよう構成された保管モジュール;
を含む、請求項3に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項5】
前記特徴抽出モジュールは、
(a)前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル、
(b)前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、所定の数の呼吸サイクルに亘る、前記電気的変動の平均、
(c)前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル内に存在する、周波数バンド、
(d)前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、呼吸サイクル内に存在する、最小の周波数バンド及び最大の周波数バンド、
の少なくとも1つの前記抽出を行うよう構成される、
請求項4に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項6】
前記解析モジュールは:
入力を受信するよう構成された入力モジュールであって、前記入力は、検査される前記対象者の性別、年齢、身長、体重及び民族性の少なくとも1つである、入力モジュール;及び
非喘息である対象者及び喘息である対象者と関連したデータを有する、予め分類されたキャリブレートされたデータベースであって、前記データは、
a) 性別、
b) 年齢、
c) 身長
d) 体重
e) 民族性
f) 鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、電気的変動の形態で取得された身体的変形を使用して抽出された、時間領域及び/又は周波数領域特徴、
g) 対象者の状況:非喘息、喘息の発現、軽度の喘息、深刻な喘息、
の少なくとも1つである、データベース;
をさらに含む、請求項4に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項7】
前記解析モジュールは、
検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記抽出が行われた、前記時間領域及び/又は周波数領域身体的変形特徴を、前記予め分類されたキャリブレートされたデータベース内の利用できる前記データと比較し、検査される前記対象者の喘息の状況を診断し、前記診断に関連した情報を保管するよう構成された論理モジュールを含む、
請求項6に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項8】
さらに通知モジュールを含み、該通知モジュールは、視覚的表示ユニット、オーディオユニット又は着色光発生ユニットの少なくとも1つであり、当該通知ユニットは、(i)前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つが検出されているかどうか、(ii)もし診断された喘息が所定の閾値より上であるなら、緊急協議の必要性、(iii)もし診断された喘息が所定の閾値より低いなら、緊急協議の必要性がないということ、を通知するよう構成される、
請求項1に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項9】
(i)、検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、現在前記取得が行われた、少なくとも1つの前記身体的変形特徴、
(ii)検査される前記対象者の前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、予め保管された前記身体的変形特徴、
に基づいて、治療又は回復の進捗を評価するよう構成された評価モジュールを含む、
請求項1に記載の、喘息を診断するための装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の、喘息を診断するための装置を含む、喘鳴監視デバイス。
【請求項11】
鼻孔拡張、首の退縮及び肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、少なくとも1つの身体的変形特徴の取得を行う段階;及び
前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記取得された、少なくとも1つの前記身体的変形特徴の解析を行う段階及び前記鼻孔拡張、前記首の退縮及び前記肋間の退縮のうち少なくとも1つと関連した、前記解析された、少なくとも1つの前記身体的変形特徴に基づいて、喘息を診断する段階;
を含む、喘息を診断するための方法。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2012−520111(P2012−520111A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553569(P2011−553569)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050933
【国際公開番号】WO2010/103435
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050933
【国際公開番号】WO2010/103435
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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