噴射器容器
【課題】使用時や内容物充填容器の交換時等の取扱時の誤噴射を減じることができる噴射器容器を提供。
【解決手段】エアゾール容器の如き内容物充填容器を交換可能に収容し、該内容物充填容器のバルブ開閉を行う噴射操作部の操作により内容物を噴射する構成の噴射器容器において、前記噴射器容器が、内容物充填容器を収容する本体収容部と、該本体収容部の蓋体となる収容部蓋体部と、該収容部蓋体部に押下操作可能に接続される噴射操作部と、を有してなり、前記噴射操作部が、前記収容部蓋体部に対して回動可能であり、且つ該収容部蓋体部に対する回動停止位置により前記押下操作の規制(ロック)と規制解除(アンロック)を行うロック機構を有する噴射器容器。
【解決手段】エアゾール容器の如き内容物充填容器を交換可能に収容し、該内容物充填容器のバルブ開閉を行う噴射操作部の操作により内容物を噴射する構成の噴射器容器において、前記噴射器容器が、内容物充填容器を収容する本体収容部と、該本体収容部の蓋体となる収容部蓋体部と、該収容部蓋体部に押下操作可能に接続される噴射操作部と、を有してなり、前記噴射操作部が、前記収容部蓋体部に対して回動可能であり、且つ該収容部蓋体部に対する回動停止位置により前記押下操作の規制(ロック)と規制解除(アンロック)を行うロック機構を有する噴射器容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は噴射器容器に関し、詳しくは整髪料等の化粧品、消臭剤、冷却剤、殺虫剤、塗料、洗浄剤等の内容物を充填した容器を交換可能に収容する噴射器容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、整髪料等の化粧品、消臭剤、冷却剤、殺虫剤、塗料、洗浄剤等の噴射は、これらの液体・溶液・溶剤等をエアゾール容器等の内容物充填容器に充填し、該内容物充填容器のバルブを開閉操作することで該バルブに連通したノズルから内容物を噴射する構成の噴射器等によって行われている。
【0003】
これらの噴射器等では、内容物充填容器単体にノズルキャップを被冠した程度の簡易な構成で用いる態様のものに替えて、ノズルや噴射操作部等を備えた噴射器容器に内容物充填容器を交換可能に収容した状態で使用し、内容物である充填剤が無くなった際に新たな充填剤の入った新規の内容物充填容器と交換する態様のものが知られている(例えば、特許文献1〜5等参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平7−096227号
【特許文献2】登録実用新案第3132324号
【特許文献3】登録実用新案第3062495号
【特許文献4】実開平01−069651号
【特許文献5】米国特許第3254803号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1〜5等に記載の技術である内容物充填容器を噴射器容器に交換可能に収容する態様のものの場合、前述の内容物充填容器単体の簡易な構成で用いる態様のもののようにバルブに直結したノズルキャップを押下操作するだけで噴射が可能な構成とは異なり、前記ノズルキャップに相当する噴射を行うための操作部である噴射操作部が噴射器容器の蓋体の一部ないし全部であったり、該噴射器容器の主要な構成部材の一つであることが多い。
【0006】
このような構成の場合、初めて使用する際や使用に未だ慣れていない際等に、噴射操作部に誤って触れる等して誤噴射させてしまうことがある等の問題を有していた。
【0007】
また、誤噴射の問題は使用時だけでなく、内容物充填容器を新規に或いは交換時に噴射器容器に収容する際、特に、該噴射器容器の蓋体を閉める際等に噴射操作部に誤って触れてしまって噴射操作させてしまうことが多かった。
【0008】
上記のように誤噴射してしまった場合、噴射対象ではない部分に噴射することになるため、衣服や周囲等を汚してしまったり、眼に入ったり肌等に付着したり、内容物充填容器の内容物によっては危険を伴うこともあるという問題点を有していた。
【0009】
そこで本発明の課題は、使用時や内容物充填容器の交換時等の取扱時の誤噴射を減じることができる噴射器容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明は、下記構成を有する。
【0011】
1.エアゾール容器の如き内容物充填容器を交換可能に収容し、該内容物充填容器のバルブ開閉を行う噴射操作部の操作により内容物を噴射する構成の噴射器容器において、
前記噴射器容器が、内容物充填容器を収容する本体収容部と、該本体収容部の蓋体となる収容部蓋体部と、該収容部蓋体部に押下操作可能に接続される噴射操作部と、を有してなり、
前記噴射操作部が、前記収容部蓋体部に対して回動可能であり、且つ該収容部蓋体部に対する回動停止位置により前記押下操作の規制(ロック)と規制解除(アンロック)を行うロック機構を有する構成であることを特徴とする噴射器容器。
【0012】
2.前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置となる前記噴射操作部の前記収容部蓋体部に対する回動停止位置に目印が設けられていることを特徴とする上記1に記載の噴射器容器。
【0013】
3.前記目印が、前記噴射操作部の回動時に前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置にクリック感の如き回動に対する抵抗が生じる箇所を設けた構成であることを特徴とする上記2に記載の噴射器容器。
【0014】
4.前記噴射操作部の回動時に前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置にクリック感の如き回動に対する抵抗が生じる箇所を設けた構成が、前記収容部蓋体部と前記噴射操作部の接続部のいずれか一方に凹部を設け、他方に該凹部に少なくとも一部が入り込む凸部を設けた構成であることを特徴とする上記3に記載の噴射器容器。
【0015】
5.前記収容部蓋体部と前記噴射操作部との境界部の少なくとも一部の表面が、前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置にある際に面一となるように形成されていることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の噴射器容器。
【0016】
6.前記噴射操作部に、ノズルが取り付けられる構成であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の噴射器容器。
【0017】
7.内容物充填容器が、携帯に適した小容量サイズの内容物充填容器であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の噴射器容器。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に示す発明によれば、使用時や内容物充填容器の交換時等の取扱時の誤噴射を減じることができる噴射器容器を提供することができる。
【0019】
特に、収容部蓋体部に対して噴射操作部を回動させることで押下操作の規制(ロック)と規制解除(アンロック)を行うロック機構を有するので、初めて使用する際や使用に未だ慣れていない際等の誤噴射を減じることができるだけでなく、内容物充填容器の噴射器容器への収容時に生じ易い蓋体を閉める際の誤噴射を減じることができる。
【0020】
請求項2に示す発明によれば、押下操作が規制(ロック)されているか規制解除(アンロック)されているかが容易に判る。
【0021】
請求項3に示す発明によれば、押下操作が規制(ロック)されているか規制解除(アンロック)されているかが、噴射操作部を回動させた時に手に伝わる感覚で容易に判るので噴射器容器を目視することなく手の感触のみで判る。
【0022】
請求項4に示す発明によれば、噴射操作部を回動させた時に手に伝わるクリック感の如き回動に対する抵抗がより明瞭化する。
【0023】
請求項5に示す発明によれば、押下操作が規制(ロック)されているか規制解除(アンロック)されているかが、噴射操作部を回動させた時に該噴射操作部及び収容部蓋体部の面一部分を手と眼の両方で判るので、手の感触と目視の二重の確認となる。
【0024】
請求項6に示す発明によれば、押下操作の規制(ロック)と規制解除(アンロック)を行うために噴射操作部を回動させた際にノズル位置が判るので噴射方向を誤ることがない。
【0025】
請求項7に示す発明によれば、携帯に適した噴射器容器とすることができ、特にバッグ等の収納用具に収納した際の誤噴射の問題を減じることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る噴射器容器を詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明に係る噴射器容器の一実施例を示す斜視図及び拡散分解斜視図、図2は図1の一部を断面状態にした拡散分解側面図、図3は収容部蓋体部の平面図、図4は噴射操作部の下方斜視図、図5は噴射操作部の底面図、図6は押下操作の規制(ロック)時の収容部蓋体部と噴射操作部の接続状態を示す一部断面側面図、図7は押下操作の規制(ロック)時の収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置を示す説明図、図8は押下操作の規制解除(アンロック)時及び押下操作(噴射)時の収容部蓋体部と噴射操作部の接続状態を示す一部断面側面図、図9は押下操作の規制解除(アンロック)時の収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置を示す説明図、図10は収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置の目印の他の例を示す要部斜視図、図11は収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置の目印の更に他の例を示す要部斜視図である。
【0028】
図1及び図2に示すように、本発明に係る噴射器容器1は、エアゾール容器の如き内容物充填容器5を交換可能に収容する本体収容部2と、該本体収容部2の蓋体となる収容部蓋体部3と、該収容部蓋体部3に押下操作可能に接続される噴射操作部4と、を主構成とし、前記内容物充填容器5のバルブ50の開閉を行う噴射操作部4の押下操作により内容物充填容器5内の内容物をノズル40から噴射するものである。
【0029】
内容物充填容器5は、整髪料等の化粧品、消臭剤、冷却剤、殺虫剤、塗料、洗浄剤等の液体・溶液・溶剤等を充填したものであり、バルブ50を有するエアゾール容器に代表される容器構成のものであり、該内容物充填容器5としては、この種の充填容器として公知公用のものを特別の制限なく用いることができる。また、その容量・大きさ・形状は、この種の充填容器として公知公用の態様が挙げられ、例えば、内容物が化粧品類であれば、美容院等の業務用の大容量サイズのものから家庭用の普通サイズや携帯用の小容量サイズ等が挙げられる。本発明は、後述するロック機構を有する構成により、バッグ等の収納用具に収納した際等であっても誤噴射を防ぐことができるので、携帯に適した小容量サイズに特に適したものとなっている。
【0030】
本体収容部2は、前記内容物充填容器5を収容する収容部20、収容部蓋体部3が接続される接続部21が形成され、一般的な噴射器容器として本体部分に相当する構成部材である。収容部20は、収容する内容物充填容器5の容量・大きさ・形状に対応する構成に形成される。
【0031】
本体収容部2に接続される収容部蓋体部3は、前記本体収容部2の接続部21に接続する被接続部30と、噴射操作部4が回動可能に接続する回動被接続部31と、を有する。
【0032】
前記本体収容部2の接続部21と収容部蓋体部3の被接続部30との接続は、本実施例では接続部21を雄ネジ部に形成し、被接続部30を雌ネジ部に形成し、両者を螺合することで行われるが、本発明はこれに限定されず、接続部21を雌ネジ部に形成し、被接続部雄ネジ部に形成した反対の構成であってもよい。また、雄ネジ・雌ネジの螺合による接合の他に、圧入や嵌合、蝶番や薄肉部形成等による開閉可能な蓋体構成による接続等とすることもできる。
【0033】
収容部蓋体部3に接続される噴射操作部4は、前記収容部蓋体部3に回動可能に接続する回動接続部41を有する。
【0034】
前記収容部蓋体部3の回動被接続部31と噴射操作部4の回動接続部41との接続は、前述した如く回動可能な接続であり、かかる回動可能な接続の具体的構成の一例としては、図2及び図6に示すように、回動接続部41を筒状体構成とし、該筒状体の端部を外方に突出させて回動掛止部41Aを形成し、回動被接続部31を前記回動接続部41が回動可能に差込みできる筒状孔構成とし、該筒状孔の入口部分を前記回動掛止部41Aより小径となるように内方に突出させて回動被掛止部31Aを形成することである。かかる構成により、収容部蓋体部3に接続された噴射操作部4は該収容部蓋体部3から外れることなく且つ回動可能となる。
【0035】
また、噴射操作部4にはノズル40が取り付けられており、該ノズル40は本体収容部2の収容部20に内容物充填容器5を収容し、収容部蓋体部3を接続し、更に噴射操作部4を接続した際に内容物充填容器5のバルブ50が連通する構成である。ノズル40とバルブ50との連通構成としては、例えば、図5に示すように、ノズル40に連通するバルブ挿通孔42を噴射操作部4の収容部蓋体部3及び本体収容部2方向に臨む位置に設け、該バルブ挿通孔42にバルブ50を挿通して接続する構成が挙げられる。
【0036】
ノズル40は、噴射操作部4に直接透孔を形成することで設けてもよいし、別体部品から成るものを取付けることで設けてもよい。別体部品から成るものの場合、市販のエアゾール容器等に用いられている既製のノズルキャップ等を用いることもできる。また、内容物充填容器5として市販の既製のエアゾール容器を収容する場合には、該エアゾール容器に取り付けられているノズルキャップを用いるようにしてもよい。更にノズル40は、噴射口形状が単なる透孔状であるものに限らず、細管が取り付けられたもの等、種々のスプレーパターンを有するものを用いることができる。
【0037】
噴射操作部4にノズル40が取り付けられる構成により、後述するロック機構により該噴射操作部4を収容部蓋体部3に対して回動させた際でもノズル位置が容易に判るので噴射方向を誤ることがない。尚、該ノズル40の取付位置は、本実施例に示す位置に限らず、噴射操作部4の上部或いは上面等の他の部位であってもよいし、収容部蓋体部3や本体収容部2であってもよい。
【0038】
次に、噴射操作部4の押下操作のロック機構の具体的構成の一例について説明する。
押下操作のロック機構は、収容部蓋体部3に回動可能に接続した噴射操作部4の前記収容部蓋体部3に対する回動停止位置により前記噴射操作部4の押下操作の規制(ロック)と規制解除(アンロック)を作用させる構成を有するものである。
【0039】
図3に示すように、収容部蓋体部3の回動被接続部31内にロック用突起32が少なくとも1つ(本実施例では3つ)設けられており、該ロック用突起32・32・32の上面(噴射操作部4が接続される側の面)に噴射操作部4の回動接続部41の端部が当接ないしは僅かな間隙を有して近接する高さ{図6及び図8(A)参照}に形成されている。
【0040】
また、図4、図5、図8(B)及び図9に示すように、噴射操作部4の回動接続部41に前記ロック用突起32が入り込み可能なロック用凹溝43が前記ロック用突起32に対応する数・位置・幅・深さに形成されている。
【0041】
ロック用突起32とロック用凹溝42の対応位置は、任意の位置(図9参照)を噴射可能位置に定め、該噴射可能位置に収容部蓋体部3に対する噴射操作部4の回動停止位置である場合に前記ロック用凹溝43・43・43に前記ロック用突起32・32・32が入り込み可能に構成{図8(B)参照}し、且つ他の位置(図7参照)である場合に前記ロック用突起32・32・32が前記回動接続部41のロック用凹溝43・43・43が形成されていない端部に当接する構成(図6参照)とすることが挙げられる。
【0042】
従って、かかる構成により、使用時には、噴射操作部4を回動させて収容部蓋体部3に対する回動停止位置を、前記ロック用凹溝43・43・43に前記ロック用突起32・32・32のが入り込み可能な位置(図9参照)とすることで、前記噴射操作部4の押下操作が規制解除(アンロック)され{図8(A)参照}、押下操作を行うことができ{図8(B)参照}、内容物充填容器5内の内容物をノズル40から噴射することができる。使用後の不使用時や内容物充填容器5の収納時・交換時等の取扱時には、噴射操作部4を回動させて他の位置(図7参照)とすることで、前記噴射操作部4の押下操作が規制(ロック)される(図6参照)ことになり、誤噴射を防ぐことができる。
【0043】
前記ロック機構は、本実施例では収容部蓋体部3の回動被接続部31にロック用突起32を設け、噴射操作部4の回動接続部41にロック用凹溝43を形成した構成であるが、前述したように収容部蓋体部3に回動可能に接続した噴射操作部4の前記収容部蓋体部3に対する回動停止位置により前記噴射操作部4の押下操作の規制(ロック)と規制解除(アンロック)を作用させることが可能な構成であれば本発明は上記実施例に限定されず、回動被接続部31にロック用凹溝を形成し、回動接続部41にロック用突起を設けた本実施例とは反対の構成であってもよいし、更に他の構成を有するロック機構を採用することもできる。
【0044】
次に、上記した構成を有するロック機構の規制(ロック)位置と規制解除(アンロック)位置の目印の構成について説明する。尚、目印を付す位置としては、噴射可能な位置である規制解除(アンロック)位置のみに目印を設け、該目印以外の位置を規制(ロック)位置としてもよいが、ロック機構が確実に規制(ロック)されていることを明瞭化して誤噴射を確実に防ぐために規制解除(アンロック)位置以外の部分の任意の箇所に規制(ロック)位置の目印を付すようにしてもよい。
【0045】
目印は、前記噴射操作部4の前記収容部蓋体部3に対する回動停止位置が判るように設けられるものであり、好ましくは、噴射操作部4の回動時にロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置にクリック感の如き回動に対する抵抗が生じる箇所を設けた構成とすることである。
【0046】
クリック感の如き回動に対する抵抗が生じる箇所を設けた構成としては、図2に示すように、前記収容部蓋体部3の接続部に凹部33を設け、該凹部33に少なくとも一部が入り込む凸部44を前記噴射操作部4の接続部に設けることが挙げられる。凸部44は、凸部材44Aと、該凸部材44Aを前記凹部33方向に付勢する弾性部材44Bと、を有して成る。弾性部材44Bは、本実施例ではツル巻バネを用いているが、本発明はこれに限定されず、前記凸部材44Aを前記凹部33方向に付勢できる弾性を有する弾性体等(例えば、板バネ、ゴム等)であればよい。
【0047】
かかる構成によって、噴射操作部3を回動させた際に収容部蓋体部3に対する回動停止位置が前記噴射操作部4の押下操作が規制(ロック)される位置や規制解除(アンロック)される位置になった際に、前記凹部33に凸部44の凸部材44Aの先端が入り込むことでクリック感が生じ、その間隔が手に伝わることでロック機構が作用する回動停止位置が容易に判ることになる。更に、この位置に停止した噴射操作部4を回動させる際には、該回動に対して抵抗が生じ、該抵抗に抗して回動させると抵抗がなくなるので、ロック機構が作用しない位置に回動されてことが容易に判ることになる。クリック感の如き回動に抵抗が生じる箇所を設けた態様とすることで、ロック機構が作用しているか否かが噴射器容器1を目視することなく手の感触のみで判る。
【0048】
また、目印は、上記構成に限らず、例えば、図10に示すように、ロック機構の規制(ロック)位置や規制解除(アンロック)位置にある際に前記収容部蓋体部3と前記噴射操作部4の少なくともいずれか一方(図10では両方)に目印34・45が付された構成であってもよい。目印34・45を付した態様とすることで、ロック機構が作用しているか否かが噴射器容器1を目視するだけで容易に判る。
【0049】
更に、目印は、図11に示すように、ロック機構の規制(ロック)位置や規制解除(アンロック)位置にある際に前記収容部蓋体部3と前記噴射操作部4との境界部の少なくとも一部の表面が面一となるように面一部35・46が形成された構成であってもよい。面一部35・46を設けた態様とすることで、ロック機構が作用しているか否かが手と眼の両方で判るので手の感触と目視の二重の確認ができる。
【0050】
ロック機構の規制(ロック)位置や規制解除(アンロック)位置にある際に前記収容部蓋体部3と前記噴射操作部4との境界部の少なくとも一部の表面が面一となるように形成した構成の場合、境界部の一部の表面だけでなく、収容部蓋体部3と噴射操作部4との境界部の断面形状を略一致させ、前記ロック機構の規制(ロック)位置や規制解除(アンロック)位置にある際に該接続部分の断面形状が一致するようにし、他の回動位置にある際には断面形状が不一致となる態様とすることもできる。
【0051】
更にまた、目印は、上記した各態様の2つ以上を組み合わせた態様とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る噴射器容器の一実施例を示す斜視図及び拡散分解斜視図
【図2】図1の一部を断面状態にした拡散分解側面図
【図3】収容部蓋体部の平面図
【図4】噴射操作部の下方斜視図
【図5】噴射操作部の底面図
【図6】押下操作の規制(ロック)時の収容部蓋体部と噴射操作部の接続状態を示す一部断面側面図
【図7】押下操作の規制(ロック)時の収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置を示す説明図
【図8】押下操作の規制解除(アンロック)時及び押下操作(噴射)時の収容部蓋体部と噴射操作部の接続状態を示す一部断面側面図
【図9】押下操作の規制解除(アンロック)時の収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置を示す説明図
【図10】収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置の目印の他の例を示す要部斜視図
【図11】収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置の目印の更に他の例を示す要部斜視図
【符号の説明】
【0053】
1 噴射器容器
2 本体収容部
20 収容部
21 接続部
3 収容部蓋体部
30 被接続部
31 回動被接続部
31A 回動被掛止部
32 ロック用突起
33 凹部
34 目印
35 面一部
4 噴射操作部
40 ノズル
41 回動接続部
41A 回動掛止部
42 バルブ挿通孔
43 ロック用凹溝
44 凸部
44A 凸部材
44B 弾性部材
45 目印
46 面一部
5 内容物充填容器
50 バルブ
【技術分野】
【0001】
本発明は噴射器容器に関し、詳しくは整髪料等の化粧品、消臭剤、冷却剤、殺虫剤、塗料、洗浄剤等の内容物を充填した容器を交換可能に収容する噴射器容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、整髪料等の化粧品、消臭剤、冷却剤、殺虫剤、塗料、洗浄剤等の噴射は、これらの液体・溶液・溶剤等をエアゾール容器等の内容物充填容器に充填し、該内容物充填容器のバルブを開閉操作することで該バルブに連通したノズルから内容物を噴射する構成の噴射器等によって行われている。
【0003】
これらの噴射器等では、内容物充填容器単体にノズルキャップを被冠した程度の簡易な構成で用いる態様のものに替えて、ノズルや噴射操作部等を備えた噴射器容器に内容物充填容器を交換可能に収容した状態で使用し、内容物である充填剤が無くなった際に新たな充填剤の入った新規の内容物充填容器と交換する態様のものが知られている(例えば、特許文献1〜5等参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平7−096227号
【特許文献2】登録実用新案第3132324号
【特許文献3】登録実用新案第3062495号
【特許文献4】実開平01−069651号
【特許文献5】米国特許第3254803号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1〜5等に記載の技術である内容物充填容器を噴射器容器に交換可能に収容する態様のものの場合、前述の内容物充填容器単体の簡易な構成で用いる態様のもののようにバルブに直結したノズルキャップを押下操作するだけで噴射が可能な構成とは異なり、前記ノズルキャップに相当する噴射を行うための操作部である噴射操作部が噴射器容器の蓋体の一部ないし全部であったり、該噴射器容器の主要な構成部材の一つであることが多い。
【0006】
このような構成の場合、初めて使用する際や使用に未だ慣れていない際等に、噴射操作部に誤って触れる等して誤噴射させてしまうことがある等の問題を有していた。
【0007】
また、誤噴射の問題は使用時だけでなく、内容物充填容器を新規に或いは交換時に噴射器容器に収容する際、特に、該噴射器容器の蓋体を閉める際等に噴射操作部に誤って触れてしまって噴射操作させてしまうことが多かった。
【0008】
上記のように誤噴射してしまった場合、噴射対象ではない部分に噴射することになるため、衣服や周囲等を汚してしまったり、眼に入ったり肌等に付着したり、内容物充填容器の内容物によっては危険を伴うこともあるという問題点を有していた。
【0009】
そこで本発明の課題は、使用時や内容物充填容器の交換時等の取扱時の誤噴射を減じることができる噴射器容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明は、下記構成を有する。
【0011】
1.エアゾール容器の如き内容物充填容器を交換可能に収容し、該内容物充填容器のバルブ開閉を行う噴射操作部の操作により内容物を噴射する構成の噴射器容器において、
前記噴射器容器が、内容物充填容器を収容する本体収容部と、該本体収容部の蓋体となる収容部蓋体部と、該収容部蓋体部に押下操作可能に接続される噴射操作部と、を有してなり、
前記噴射操作部が、前記収容部蓋体部に対して回動可能であり、且つ該収容部蓋体部に対する回動停止位置により前記押下操作の規制(ロック)と規制解除(アンロック)を行うロック機構を有する構成であることを特徴とする噴射器容器。
【0012】
2.前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置となる前記噴射操作部の前記収容部蓋体部に対する回動停止位置に目印が設けられていることを特徴とする上記1に記載の噴射器容器。
【0013】
3.前記目印が、前記噴射操作部の回動時に前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置にクリック感の如き回動に対する抵抗が生じる箇所を設けた構成であることを特徴とする上記2に記載の噴射器容器。
【0014】
4.前記噴射操作部の回動時に前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置にクリック感の如き回動に対する抵抗が生じる箇所を設けた構成が、前記収容部蓋体部と前記噴射操作部の接続部のいずれか一方に凹部を設け、他方に該凹部に少なくとも一部が入り込む凸部を設けた構成であることを特徴とする上記3に記載の噴射器容器。
【0015】
5.前記収容部蓋体部と前記噴射操作部との境界部の少なくとも一部の表面が、前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置にある際に面一となるように形成されていることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の噴射器容器。
【0016】
6.前記噴射操作部に、ノズルが取り付けられる構成であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の噴射器容器。
【0017】
7.内容物充填容器が、携帯に適した小容量サイズの内容物充填容器であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の噴射器容器。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に示す発明によれば、使用時や内容物充填容器の交換時等の取扱時の誤噴射を減じることができる噴射器容器を提供することができる。
【0019】
特に、収容部蓋体部に対して噴射操作部を回動させることで押下操作の規制(ロック)と規制解除(アンロック)を行うロック機構を有するので、初めて使用する際や使用に未だ慣れていない際等の誤噴射を減じることができるだけでなく、内容物充填容器の噴射器容器への収容時に生じ易い蓋体を閉める際の誤噴射を減じることができる。
【0020】
請求項2に示す発明によれば、押下操作が規制(ロック)されているか規制解除(アンロック)されているかが容易に判る。
【0021】
請求項3に示す発明によれば、押下操作が規制(ロック)されているか規制解除(アンロック)されているかが、噴射操作部を回動させた時に手に伝わる感覚で容易に判るので噴射器容器を目視することなく手の感触のみで判る。
【0022】
請求項4に示す発明によれば、噴射操作部を回動させた時に手に伝わるクリック感の如き回動に対する抵抗がより明瞭化する。
【0023】
請求項5に示す発明によれば、押下操作が規制(ロック)されているか規制解除(アンロック)されているかが、噴射操作部を回動させた時に該噴射操作部及び収容部蓋体部の面一部分を手と眼の両方で判るので、手の感触と目視の二重の確認となる。
【0024】
請求項6に示す発明によれば、押下操作の規制(ロック)と規制解除(アンロック)を行うために噴射操作部を回動させた際にノズル位置が判るので噴射方向を誤ることがない。
【0025】
請求項7に示す発明によれば、携帯に適した噴射器容器とすることができ、特にバッグ等の収納用具に収納した際の誤噴射の問題を減じることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る噴射器容器を詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明に係る噴射器容器の一実施例を示す斜視図及び拡散分解斜視図、図2は図1の一部を断面状態にした拡散分解側面図、図3は収容部蓋体部の平面図、図4は噴射操作部の下方斜視図、図5は噴射操作部の底面図、図6は押下操作の規制(ロック)時の収容部蓋体部と噴射操作部の接続状態を示す一部断面側面図、図7は押下操作の規制(ロック)時の収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置を示す説明図、図8は押下操作の規制解除(アンロック)時及び押下操作(噴射)時の収容部蓋体部と噴射操作部の接続状態を示す一部断面側面図、図9は押下操作の規制解除(アンロック)時の収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置を示す説明図、図10は収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置の目印の他の例を示す要部斜視図、図11は収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置の目印の更に他の例を示す要部斜視図である。
【0028】
図1及び図2に示すように、本発明に係る噴射器容器1は、エアゾール容器の如き内容物充填容器5を交換可能に収容する本体収容部2と、該本体収容部2の蓋体となる収容部蓋体部3と、該収容部蓋体部3に押下操作可能に接続される噴射操作部4と、を主構成とし、前記内容物充填容器5のバルブ50の開閉を行う噴射操作部4の押下操作により内容物充填容器5内の内容物をノズル40から噴射するものである。
【0029】
内容物充填容器5は、整髪料等の化粧品、消臭剤、冷却剤、殺虫剤、塗料、洗浄剤等の液体・溶液・溶剤等を充填したものであり、バルブ50を有するエアゾール容器に代表される容器構成のものであり、該内容物充填容器5としては、この種の充填容器として公知公用のものを特別の制限なく用いることができる。また、その容量・大きさ・形状は、この種の充填容器として公知公用の態様が挙げられ、例えば、内容物が化粧品類であれば、美容院等の業務用の大容量サイズのものから家庭用の普通サイズや携帯用の小容量サイズ等が挙げられる。本発明は、後述するロック機構を有する構成により、バッグ等の収納用具に収納した際等であっても誤噴射を防ぐことができるので、携帯に適した小容量サイズに特に適したものとなっている。
【0030】
本体収容部2は、前記内容物充填容器5を収容する収容部20、収容部蓋体部3が接続される接続部21が形成され、一般的な噴射器容器として本体部分に相当する構成部材である。収容部20は、収容する内容物充填容器5の容量・大きさ・形状に対応する構成に形成される。
【0031】
本体収容部2に接続される収容部蓋体部3は、前記本体収容部2の接続部21に接続する被接続部30と、噴射操作部4が回動可能に接続する回動被接続部31と、を有する。
【0032】
前記本体収容部2の接続部21と収容部蓋体部3の被接続部30との接続は、本実施例では接続部21を雄ネジ部に形成し、被接続部30を雌ネジ部に形成し、両者を螺合することで行われるが、本発明はこれに限定されず、接続部21を雌ネジ部に形成し、被接続部雄ネジ部に形成した反対の構成であってもよい。また、雄ネジ・雌ネジの螺合による接合の他に、圧入や嵌合、蝶番や薄肉部形成等による開閉可能な蓋体構成による接続等とすることもできる。
【0033】
収容部蓋体部3に接続される噴射操作部4は、前記収容部蓋体部3に回動可能に接続する回動接続部41を有する。
【0034】
前記収容部蓋体部3の回動被接続部31と噴射操作部4の回動接続部41との接続は、前述した如く回動可能な接続であり、かかる回動可能な接続の具体的構成の一例としては、図2及び図6に示すように、回動接続部41を筒状体構成とし、該筒状体の端部を外方に突出させて回動掛止部41Aを形成し、回動被接続部31を前記回動接続部41が回動可能に差込みできる筒状孔構成とし、該筒状孔の入口部分を前記回動掛止部41Aより小径となるように内方に突出させて回動被掛止部31Aを形成することである。かかる構成により、収容部蓋体部3に接続された噴射操作部4は該収容部蓋体部3から外れることなく且つ回動可能となる。
【0035】
また、噴射操作部4にはノズル40が取り付けられており、該ノズル40は本体収容部2の収容部20に内容物充填容器5を収容し、収容部蓋体部3を接続し、更に噴射操作部4を接続した際に内容物充填容器5のバルブ50が連通する構成である。ノズル40とバルブ50との連通構成としては、例えば、図5に示すように、ノズル40に連通するバルブ挿通孔42を噴射操作部4の収容部蓋体部3及び本体収容部2方向に臨む位置に設け、該バルブ挿通孔42にバルブ50を挿通して接続する構成が挙げられる。
【0036】
ノズル40は、噴射操作部4に直接透孔を形成することで設けてもよいし、別体部品から成るものを取付けることで設けてもよい。別体部品から成るものの場合、市販のエアゾール容器等に用いられている既製のノズルキャップ等を用いることもできる。また、内容物充填容器5として市販の既製のエアゾール容器を収容する場合には、該エアゾール容器に取り付けられているノズルキャップを用いるようにしてもよい。更にノズル40は、噴射口形状が単なる透孔状であるものに限らず、細管が取り付けられたもの等、種々のスプレーパターンを有するものを用いることができる。
【0037】
噴射操作部4にノズル40が取り付けられる構成により、後述するロック機構により該噴射操作部4を収容部蓋体部3に対して回動させた際でもノズル位置が容易に判るので噴射方向を誤ることがない。尚、該ノズル40の取付位置は、本実施例に示す位置に限らず、噴射操作部4の上部或いは上面等の他の部位であってもよいし、収容部蓋体部3や本体収容部2であってもよい。
【0038】
次に、噴射操作部4の押下操作のロック機構の具体的構成の一例について説明する。
押下操作のロック機構は、収容部蓋体部3に回動可能に接続した噴射操作部4の前記収容部蓋体部3に対する回動停止位置により前記噴射操作部4の押下操作の規制(ロック)と規制解除(アンロック)を作用させる構成を有するものである。
【0039】
図3に示すように、収容部蓋体部3の回動被接続部31内にロック用突起32が少なくとも1つ(本実施例では3つ)設けられており、該ロック用突起32・32・32の上面(噴射操作部4が接続される側の面)に噴射操作部4の回動接続部41の端部が当接ないしは僅かな間隙を有して近接する高さ{図6及び図8(A)参照}に形成されている。
【0040】
また、図4、図5、図8(B)及び図9に示すように、噴射操作部4の回動接続部41に前記ロック用突起32が入り込み可能なロック用凹溝43が前記ロック用突起32に対応する数・位置・幅・深さに形成されている。
【0041】
ロック用突起32とロック用凹溝42の対応位置は、任意の位置(図9参照)を噴射可能位置に定め、該噴射可能位置に収容部蓋体部3に対する噴射操作部4の回動停止位置である場合に前記ロック用凹溝43・43・43に前記ロック用突起32・32・32が入り込み可能に構成{図8(B)参照}し、且つ他の位置(図7参照)である場合に前記ロック用突起32・32・32が前記回動接続部41のロック用凹溝43・43・43が形成されていない端部に当接する構成(図6参照)とすることが挙げられる。
【0042】
従って、かかる構成により、使用時には、噴射操作部4を回動させて収容部蓋体部3に対する回動停止位置を、前記ロック用凹溝43・43・43に前記ロック用突起32・32・32のが入り込み可能な位置(図9参照)とすることで、前記噴射操作部4の押下操作が規制解除(アンロック)され{図8(A)参照}、押下操作を行うことができ{図8(B)参照}、内容物充填容器5内の内容物をノズル40から噴射することができる。使用後の不使用時や内容物充填容器5の収納時・交換時等の取扱時には、噴射操作部4を回動させて他の位置(図7参照)とすることで、前記噴射操作部4の押下操作が規制(ロック)される(図6参照)ことになり、誤噴射を防ぐことができる。
【0043】
前記ロック機構は、本実施例では収容部蓋体部3の回動被接続部31にロック用突起32を設け、噴射操作部4の回動接続部41にロック用凹溝43を形成した構成であるが、前述したように収容部蓋体部3に回動可能に接続した噴射操作部4の前記収容部蓋体部3に対する回動停止位置により前記噴射操作部4の押下操作の規制(ロック)と規制解除(アンロック)を作用させることが可能な構成であれば本発明は上記実施例に限定されず、回動被接続部31にロック用凹溝を形成し、回動接続部41にロック用突起を設けた本実施例とは反対の構成であってもよいし、更に他の構成を有するロック機構を採用することもできる。
【0044】
次に、上記した構成を有するロック機構の規制(ロック)位置と規制解除(アンロック)位置の目印の構成について説明する。尚、目印を付す位置としては、噴射可能な位置である規制解除(アンロック)位置のみに目印を設け、該目印以外の位置を規制(ロック)位置としてもよいが、ロック機構が確実に規制(ロック)されていることを明瞭化して誤噴射を確実に防ぐために規制解除(アンロック)位置以外の部分の任意の箇所に規制(ロック)位置の目印を付すようにしてもよい。
【0045】
目印は、前記噴射操作部4の前記収容部蓋体部3に対する回動停止位置が判るように設けられるものであり、好ましくは、噴射操作部4の回動時にロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置にクリック感の如き回動に対する抵抗が生じる箇所を設けた構成とすることである。
【0046】
クリック感の如き回動に対する抵抗が生じる箇所を設けた構成としては、図2に示すように、前記収容部蓋体部3の接続部に凹部33を設け、該凹部33に少なくとも一部が入り込む凸部44を前記噴射操作部4の接続部に設けることが挙げられる。凸部44は、凸部材44Aと、該凸部材44Aを前記凹部33方向に付勢する弾性部材44Bと、を有して成る。弾性部材44Bは、本実施例ではツル巻バネを用いているが、本発明はこれに限定されず、前記凸部材44Aを前記凹部33方向に付勢できる弾性を有する弾性体等(例えば、板バネ、ゴム等)であればよい。
【0047】
かかる構成によって、噴射操作部3を回動させた際に収容部蓋体部3に対する回動停止位置が前記噴射操作部4の押下操作が規制(ロック)される位置や規制解除(アンロック)される位置になった際に、前記凹部33に凸部44の凸部材44Aの先端が入り込むことでクリック感が生じ、その間隔が手に伝わることでロック機構が作用する回動停止位置が容易に判ることになる。更に、この位置に停止した噴射操作部4を回動させる際には、該回動に対して抵抗が生じ、該抵抗に抗して回動させると抵抗がなくなるので、ロック機構が作用しない位置に回動されてことが容易に判ることになる。クリック感の如き回動に抵抗が生じる箇所を設けた態様とすることで、ロック機構が作用しているか否かが噴射器容器1を目視することなく手の感触のみで判る。
【0048】
また、目印は、上記構成に限らず、例えば、図10に示すように、ロック機構の規制(ロック)位置や規制解除(アンロック)位置にある際に前記収容部蓋体部3と前記噴射操作部4の少なくともいずれか一方(図10では両方)に目印34・45が付された構成であってもよい。目印34・45を付した態様とすることで、ロック機構が作用しているか否かが噴射器容器1を目視するだけで容易に判る。
【0049】
更に、目印は、図11に示すように、ロック機構の規制(ロック)位置や規制解除(アンロック)位置にある際に前記収容部蓋体部3と前記噴射操作部4との境界部の少なくとも一部の表面が面一となるように面一部35・46が形成された構成であってもよい。面一部35・46を設けた態様とすることで、ロック機構が作用しているか否かが手と眼の両方で判るので手の感触と目視の二重の確認ができる。
【0050】
ロック機構の規制(ロック)位置や規制解除(アンロック)位置にある際に前記収容部蓋体部3と前記噴射操作部4との境界部の少なくとも一部の表面が面一となるように形成した構成の場合、境界部の一部の表面だけでなく、収容部蓋体部3と噴射操作部4との境界部の断面形状を略一致させ、前記ロック機構の規制(ロック)位置や規制解除(アンロック)位置にある際に該接続部分の断面形状が一致するようにし、他の回動位置にある際には断面形状が不一致となる態様とすることもできる。
【0051】
更にまた、目印は、上記した各態様の2つ以上を組み合わせた態様とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る噴射器容器の一実施例を示す斜視図及び拡散分解斜視図
【図2】図1の一部を断面状態にした拡散分解側面図
【図3】収容部蓋体部の平面図
【図4】噴射操作部の下方斜視図
【図5】噴射操作部の底面図
【図6】押下操作の規制(ロック)時の収容部蓋体部と噴射操作部の接続状態を示す一部断面側面図
【図7】押下操作の規制(ロック)時の収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置を示す説明図
【図8】押下操作の規制解除(アンロック)時及び押下操作(噴射)時の収容部蓋体部と噴射操作部の接続状態を示す一部断面側面図
【図9】押下操作の規制解除(アンロック)時の収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置を示す説明図
【図10】収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置の目印の他の例を示す要部斜視図
【図11】収容部蓋体部に対する噴射操作部の回動停止位置の目印の更に他の例を示す要部斜視図
【符号の説明】
【0053】
1 噴射器容器
2 本体収容部
20 収容部
21 接続部
3 収容部蓋体部
30 被接続部
31 回動被接続部
31A 回動被掛止部
32 ロック用突起
33 凹部
34 目印
35 面一部
4 噴射操作部
40 ノズル
41 回動接続部
41A 回動掛止部
42 バルブ挿通孔
43 ロック用凹溝
44 凸部
44A 凸部材
44B 弾性部材
45 目印
46 面一部
5 内容物充填容器
50 バルブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール容器の如き内容物充填容器を交換可能に収容し、該内容物充填容器のバルブ開閉を行う噴射操作部の操作により内容物を噴射する構成の噴射器容器において、
前記噴射器容器が、内容物充填容器を収容する本体収容部と、該本体収容部の蓋体となる収容部蓋体部と、該収容部蓋体部に押下操作可能に接続される噴射操作部と、を有してなり、
前記噴射操作部が、前記収容部蓋体部に対して回動可能であり、且つ該収容部蓋体部に対する回動停止位置により前記押下操作の規制(ロック)と規制解除(アンロック)を行うロック機構を有する構成であることを特徴とする噴射器容器。
【請求項2】
前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置となる前記噴射操作部の前記収容部蓋体部に対する回動停止位置に目印が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の噴射器容器。
【請求項3】
前記目印が、前記噴射操作部の回動時に前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置にクリック感の如き回動に対する抵抗が生じる箇所を設けた構成であることを特徴とする請求項2に記載の噴射器容器。
【請求項4】
前記噴射操作部の回動時に前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置にクリック感の如き回動に対する抵抗が生じる箇所を設けた構成が、前記収容部蓋体部と前記噴射操作部の接続部のいずれか一方に凹部を設け、他方に該凹部に少なくとも一部が入り込む凸部を設けた構成であることを特徴とする請求項3に記載の噴射器容器。
【請求項5】
前記収容部蓋体部と前記噴射操作部との境界部の少なくとも一部の表面が、前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置にある際に面一となるように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の噴射器容器。
【請求項6】
前記噴射操作部に、ノズルが取り付けられる構成であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の噴射器容器。
【請求項7】
内容物充填容器が、携帯に適した小容量サイズの内容物充填容器であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の噴射器容器。
【請求項1】
エアゾール容器の如き内容物充填容器を交換可能に収容し、該内容物充填容器のバルブ開閉を行う噴射操作部の操作により内容物を噴射する構成の噴射器容器において、
前記噴射器容器が、内容物充填容器を収容する本体収容部と、該本体収容部の蓋体となる収容部蓋体部と、該収容部蓋体部に押下操作可能に接続される噴射操作部と、を有してなり、
前記噴射操作部が、前記収容部蓋体部に対して回動可能であり、且つ該収容部蓋体部に対する回動停止位置により前記押下操作の規制(ロック)と規制解除(アンロック)を行うロック機構を有する構成であることを特徴とする噴射器容器。
【請求項2】
前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置となる前記噴射操作部の前記収容部蓋体部に対する回動停止位置に目印が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の噴射器容器。
【請求項3】
前記目印が、前記噴射操作部の回動時に前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置にクリック感の如き回動に対する抵抗が生じる箇所を設けた構成であることを特徴とする請求項2に記載の噴射器容器。
【請求項4】
前記噴射操作部の回動時に前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置にクリック感の如き回動に対する抵抗が生じる箇所を設けた構成が、前記収容部蓋体部と前記噴射操作部の接続部のいずれか一方に凹部を設け、他方に該凹部に少なくとも一部が入り込む凸部を設けた構成であることを特徴とする請求項3に記載の噴射器容器。
【請求項5】
前記収容部蓋体部と前記噴射操作部との境界部の少なくとも一部の表面が、前記ロック機構の規制(ロック)位置及び/又は規制解除(アンロック)位置にある際に面一となるように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の噴射器容器。
【請求項6】
前記噴射操作部に、ノズルが取り付けられる構成であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の噴射器容器。
【請求項7】
内容物充填容器が、携帯に適した小容量サイズの内容物充填容器であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の噴射器容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−173327(P2009−173327A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16300(P2008−16300)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(507270300)株式会社びーんず研究所 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(507270300)株式会社びーんず研究所 (9)
【Fターム(参考)】
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