説明

四酸化ルテニウムなどの腐食性ガスが発生する製造方法と装置

【課題】四酸化ルテニウムなどのような腐食性ガスの生成を伴う製造方法について、反応終点を安全かつ正確に測定することができ、作業員の経験や目視に頼らずに客観的に反応を制御することができる製造方法を提供する。
【解決手段】白金族金属を含む塩酸酸性溶液に臭素酸ナトリウムを添加して四酸化ルテニウムを酸化蒸留させる工程、該四酸化ルテニウムを塩酸に吸収させて塩化ルテニウム酸溶液を回収する方法において、塩酸による吸収工程から排出される副生ガスをアルカリ溶液に吸収させ、このアルカリ溶液の酸化還元電位の経時変化、例えば電位変化率によって酸化蒸留の反応終点を測定する塩化ルテニウム酸溶液の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四酸化ルテニウムなどの腐食性ガスが発生する製造方法において、反応終点を安全かつ正確に測定することができる製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
白金族金属を含む溶液からルテニウムを分離回収する方法として、ルテニウムの揮発性を利用した酸化蒸留方法が知られている。白金族金属のうち、ルテニウム(Ru)とオスミウム(Os)の酸化物は揮発性を有するので他の白金族金属から蒸留して分離することができる。例えば特公平01−30896号公報(特許文献1)には、白金族金属を含む溶液に臭素酸ナトリウムを加えてルテニウム等を四酸化物にし、これを蒸留して分離回収する方法が記載されている。
【0003】
さらに、ルテニウムの酸化蒸留法について、蒸留した四酸化ルテニウムを臭素酸ナトリウム溶液を入れたトラップ槽に導入して白金等のミストを捕集すると共に四酸化ルテニウムの還元を防止し収率を高める方法が知られている(特開2006−161096号公報:特許文献2)。また、ルテニウムの酸化蒸留法をルテニウム含有スクラップからルテニウムを回収する方法に適用することも知られている(特開2009−203486号公報:特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平01−30896号公報
【特許文献2】特開2006−161096号公報
【特許文献3】特開2009−203486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、ルテニウムの酸化蒸留法において、酸化蒸留反応の終点は原料溶液量や蒸留温度などの反応条件に基づいて経験的に判定し、あるいは酸化反応槽や回収槽の溶液の色変化が落着いた様子を目視観察して判断していた。
【0006】
しかし、反応時間を経験的に定めると、反応元液中のルテニウムの量が変動した場合などに対応できず、また反応槽や回収槽の溶液の色変化の目視確認では微少な変化が分かり難く、また作業者による誤差も大きいなどの問題があった。
【0007】
一方、酸化蒸留によって発生する四酸化ルテニウム蒸気は非常に不安定な腐食性ガスであるため、反応槽で四酸化ルテニウム量などを測定すると器具の腐食が進み、信頼性ある測定を長期間行うことが難しく、また回収槽での測定ではルテニウム回収液に不純物が混入する問題があり、このため従来は客観的な反応制御が難しかった。
【0008】
本発明は、四酸化ルテニウムなどのような腐食性ガスの生成を伴う製造方法について、反応終点を安全かつ正確に測定することができ、作業員の経験や目視に頼らずに客観的に反応を制御することができる製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下の構成からなる四酸化ルテニウムなどの腐食性ガスの製造方法に関する。
〔1〕腐食性ガスの生成回収工程において、生成した腐食性ガスを回収する工程と共に、該回収工程から排出される副生ガスを溶液に吸収する工程を設け、該吸収液の経時的な状態変化によって腐食性ガスの生成反応終点を測定することを特徴とする腐食性ガスが発生する製造方法。
〔2〕白金族金属を含む塩酸酸性溶液に臭素酸ナトリウムを添加して四酸化ルテニウムを酸化蒸留させる工程、該四酸化ルテニウムを塩酸に吸収させて塩化ルテニウム酸溶液を回収する方法において、塩酸による吸収工程から排出される副生ガスをアルカリ溶液に吸収させ、このアルカリ溶液の酸化還元電位の経時変化によって酸化蒸留の反応終点を測定する塩化ルテニウム酸溶液の製造方法。
〔3〕上記[1]の方法において、副生ガスを水酸化ナトリウム溶液に吸収させ、該水酸化ナトリウム溶液の電位変化率によって酸化蒸留の反応終点を測定する塩化ルテニウム酸溶液の製造方法。
〔4〕上記[3]の方法において、電位変化率が0.5mV/min以下の定常状態が30分継続した段階を反応終点とする塩化ルテニウム酸溶液の製造方法。
〔5〕白金族金属を含む塩酸酸性溶液に臭素酸ナトリウムを添加して四酸化ルテニウムを酸化蒸留させる反応槽、四酸化ルテニウム蒸留ガスを塩酸に吸収させて塩化ルテニウム酸溶液を回収する回収槽、回収槽から排出される副生ガスをアルカリ溶液に吸収させる吸収槽、この吸収槽に装着された酸化還元電位計、反応槽から回収槽を経由して吸収槽にガスを導入する手段を有し、アルカリ溶液の酸化還元電位の経時変化によって酸化蒸留の反応終点を測定することを特徴とする塩化ルテニウムの製造装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法は、生成した腐食性ガスに代えて、副生ガスによる経時変化に基づいて反応終点を把握するので、腐食性ガスによる測定器具の劣化の問題が無く、客観的に反応を制御することができる。腐食性ガスが発生する製造方法としては、例えば、ルテニウムやオスミウムの酸化蒸留があり、本発明はこれらの分離回収による製造方法に適用することができる。
【0011】
本発明の製造方法によれば、白金族金属からルテニウムを分離回収する製造方法において、臭素酸ナトリウムによってルテニウムを酸化して四酸化ルテニウムを蒸留させて分離回収する際に、発生した腐食性ガスの四酸化ルテニウムを塩酸に吸収させると共に、この酸化蒸留工程で副生したガス(主に臭素ガスおよび塩素ガス)をアルカリ溶液に吸収させ、このアルカリ溶液の酸化還元電位の経時変化によって酸化蒸留反応の終点を正確に測定することができる。
【0012】
本発明の製造方法は、例えば、酸化蒸留工程で副生したガスを水酸化ナトリウム溶液に吸収させ、この水酸化ナトリウム溶液の電位変化率によって酸化蒸留反応の終点を正確に測定することができる。具体的には、電位変化率が0.5mV/min以下の定常状態が30分継続した段階を反応終点として客観的に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る塩化ルテニウム酸溶液の製造装置例を示す模式図。
【図2】本発明の塩化ルテニウム酸溶液の製造方法において、水酸化ナトリウム溶液の酸化還元電位グラフ。
【図3】図2に基づく電位変化率のグラフ。
【図4】電位変化率と状態変化を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について、腐食性ガスが発生する製造方法として、四酸化ルテニウムの発生から塩化ルテニウム酸溶液を回収する製造方法を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0015】
本発明の製造方法は、腐食性ガスの生成回収工程において、生成した腐食性ガスを回収する工程と共に、該回収工程から排出される副生ガスを溶液に吸収する工程を設け、該吸収液の経時的な状態変化によって腐食性ガスの生成反応終点を測定することを特徴とする腐食性ガスが発生する製造方法であり、例えば、白金族金属を含む塩酸酸性溶液から腐食性ガスの四酸化ルテニウムを酸化蒸留させ、これを塩酸に吸収させて塩化ルテニウム酸溶液を回収する方法において、副生ガスを利用して酸化蒸留の反応終点を測定する塩化ルテニウム酸溶液の製造方法である。
【0016】
本発明に係る製造装置は、白金族金属を含む塩酸酸性溶液に臭素酸ナトリウムを添加して四酸化ルテニウムを酸化蒸留させる反応槽、四酸化ルテニウム蒸留ガスを塩酸に吸収させて塩化ルテニウム酸溶液を回収する回収槽、回収槽から排出される副生ガスをアルカリ溶液に吸収させる吸収槽、この吸収槽に装着された酸化還元電位計、反応槽から回収槽を経由して吸収槽にガスを導入する手段を有し、アルカリ溶液の酸化還元電位の経時変化によって酸化蒸留の反応終点を測定することを特徴とする塩化ルテニウム酸溶液の製造装置である。
【0017】
〔装置構成〕
白金族金属含有溶液からルテニウムを分離回収する蒸留装置の構成例を図1に示す。
図示するように、反応槽10はマントルヒータに設置されており、反応槽10には白金(Pt)およびルテニウム(Ru)を含有する白金族金属を含有する塩酸酸性溶液(元液)が入っている。この元液に水酸化ナトリウム(NaOH)を加えてpHを約1に調整する。pH調整した元液に酸化剤の臭素酸ナトリウム溶液(NaBr03)を加えて、約80℃に加熱する。元液中のルテニウムは臭素酸ナトリウムによって酸化され、揮発性の四酸化ルテニウム(RuO4)になり蒸留ガスを生じる。同時に臭素ガス(Br2)が副生する。
【0018】
反応槽10には回収槽11が接続している。図示する装置例では回収槽11が三段に設けられている。回収槽11には塩酸(HCl)が入っており、蒸留したRuO4ガスは回収槽11に導入され、この塩酸に吸収されて塩化ルテニウム酸溶液(H2RuCl6)になり、回収される。回収槽11では塩素ガス(Cl2)が副生する。反応槽10において副生したガス(主にBr2)はRuO4ガスと共に回収槽11に導入されるが、酸性であるので塩酸には殆ど吸収されずに回収槽11において副生したガス(主にCl2)と共に槽外に排出される。
【0019】
回収槽11には吸収槽12が接続している。図示する装置例では吸収槽12が二段に設けられている。吸収槽12には水酸化ナトリウム(NaOH)溶液が入っている。回収槽11から排出された副生ガスは吸収槽12に導入され、NaOH溶液に吸収される。二段目の吸収槽12にはNaOH溶液(吸収液)の酸化還元電位を測定するORP計16が設置されている。
【0020】
二段目の吸収槽12には空槽13が接続しており、さらに空槽13に流量計14を経由して吸気ポンプ15が接続している。反応槽10から回収槽11、吸収槽12、空槽13、および流量計14に至る経路は吸気ポンプ15によって吸引されており、RuO4蒸留ガスおよび副生ガスは吸引されて各槽に導入され、また吸気ポンプ15によって流量が制御される。さらに空槽13では吸引されたガス中のミストなどが捕集される。
【0021】
〔電位測定〕
回収槽11から排出された副生ガスは吸収槽12に導入され、NaOH溶液に吸収される。副生ガスを吸収したNaOH溶液の酸化還元電位がORP計16によって測定され、その経時変化、例えば、電位変化率が次式によって測定される。
【0022】
〔ΔE/Δt〕n=(En−En-1)/(tn−tn-1
式中、ΔEは電位変化量、Δtは単位時間、Enはn測定時の電位、En-1は(n-1)測定時の電位、tnはn測定時、tn-1は(n-1)測定時。
【0023】
この電位変化率が基準以下であって、この基準以下の電位変化率が30分継続すれば酸化蒸留反応は終了したものと判断することができる。電位変化率の具体的な数値および定常状態の継続時間は装置構成の具体的な条件によって定めればよい。
【0024】
以下の実施例では、電位変化率の基準を0.5mV/min以下、定常状態の継続時間を30分以上としている。
(イ)電位変化率0.5mV/min以下
電位変化率(単位時間あたりの電位変化)がこの値にまで低下すると、反応槽内では茶色蒸気の発生がほぼ観測されなくなり、つまり四酸化ルテニウムの生成反応が落ち着く。
(ロ)継続時間を30分以上
電位変化率0.5mV/min以下の状態が30分以上経過すると、回収槽の色変化も観察されなくなり、また酸化還元電位も上昇せず、電位変化率はほぼ0 mV/minになり、四酸化ルテニウム蒸気および副生成ガス(臭素ガスと塩素ガス)が発生しなくなる。なお、流速が遅い場合は回収槽の変化が長時間持続するが、RuO4は生成しなくなるので、この経過時間によって反応終点とみなすことができる。また、酸化還元電位の測定値がばらつくことによってその変化率がばらついても、電位変化率が0.5mV/min以下になってから30分後であればその誤差範囲をカバーすることができる。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を実施例によって示す。
(イ)図1に示した蒸留装置を用いてルテニウムの酸化蒸留を行なった。
(ロ)図1の装置において、吸収槽12(2本目)(内液は4N NaOH水溶液)の酸化還元電位変化をORP計(vs Ag/AgCl)を用いて測定した。
(ハ)電位変化率=(電位変化)/(経過時間) の計算により、単位時間あたりの電位変化(mV/min)を算出した。
(ニ)Ru回収量は、反応終了後に溶液のRu濃度をICP-AESを用いて測定して求めた。
Ru回収率=(Ru回収量)/(反応前の元液中のRu量) の計算により、Ru回収率(%)を算出した。
【0026】
〔実施例1〕
Ru(濃度23g/L)および白金族金属(Pt,Pd,Rh,Ir)を含む塩酸性溶液(pH マイナス1)にNaOH水溶液を加えてpH1に調整し、酸化剤NaBrO3を過剰量(RuがRuO4に酸化されるのに必要な当量の5倍量)添加して、マントルヒーターで80℃に加熱した反応槽内で撹拌し、吸引ポンプを用いて流速1L/minで吸引しながら反応させた。反応槽10で発生したRuO4蒸気を含むガスは、回収槽11(6N HCl水溶液)に導いてHCl溶液に吸収させ、塩化ルテニウム酸(H2RuCl6)溶液として回収した。回収槽11の排ガスを吸収槽12(4N NaOH水溶液)に導いて副生成ガス(Br2およびCl2)を吸収させた。この吸収槽12(2本目)のNaOH水溶液の酸化還元電位を5分おきに測定した。
電位変化率が0.5mV/min以下になってから30分経過した時点で、反応槽10の茶色蒸気発生はほぼなくなり、吸収槽12(2本目)の色変化もそれ以上は観測されなくなり、電位変化率もほぼ0mV/minに落ち着いたので、反応を終了した。その結果、Ruの回収率は99.2%であった。
【0027】
〔実施例2〕
吸引ポンプの流速を4L/minにした以外は実施例1と同様に行なった。
電位変化率が0.5mV/min以下になってから30分経過した時点で、反応槽10の茶色蒸気発生はほぼなくなり、吸収槽12(2本目)の色変化もそれ以上は観測されなくなり、電位変化率もほぼ0mV/minに落ち着いたので、反応を終了した。その結果、Ruの回収率は99.3%であった。
【0028】
〔実施例3〕
吸引ポンプの流速を6L/minにした以外は実施例1と同様に行なった。
電位変化率が0.5mV/min以下になってから30分経過した時点で、反応槽10の茶色蒸気発生はほぼなくなり、吸収槽12(2本目)の色変化もそれ以上は観測されなくなり、電位変化率もほぼ0mV/minに落ち着いたので、反応を終了した。その結果、Ruの回収率は99.1%であった。
【0029】
〔実施例4〕
吸引ポンプの流速を10L/minにした以外は実施例1と同様に行なった。
電位変化率が0.5mV/min以下になってから30分経過した時点で、反応槽10の茶色蒸気発生はほぼなくなり、吸収槽12(2本目)の色変化もそれ以上は観測されなくなり、電位変化率もほぼ0mV/minに落ち着いたので、反応を終了した。その結果、Ruの回収率は99.8%であった。
【0030】
〔比較例1〕
実施例2の流速4L/minの条件で、反応を加熱開始から60分で停止した。このときの吸収槽12(2本目)の電位変化率は1.8mV/minであり、酸化還元電位はまだ上昇中で、吸収槽12の色変化もまだ落ち着いていなかった。また、反応槽10でも茶色蒸気がまだ少し発生していた。このときのRuの回収率は92.1%であった。
【0031】
実施例1〜実施例4の結果を図2〜図4に示す。
図2はNaOH溶液の酸化還元電位グラフ、図3は図2に基づく電位変化率のグラフ、図4は電位変化率の拡大図であり状態変化を示すグラフである。
【0032】
図2に示すように、実施例1は加熱時間180分で酸化還元電位は定常になり、実施例2〜実施例4では加熱時間60分で酸化還元電位は定常になっている。この経時変化を図3の電位変化率によってみると、実施例1〜実施例4の何れにおいても、電位変化率が0.5mV/min以下になってから30分経過すると電位変化がほぼ0mV/minに落ち着いている。この電位変化の状態を反応槽および回収槽の状態と対比してみると、図4に示すように、電位変化率が0.5mV/min以下になってから30分経過すると、反応槽10の蒸気発生はなくなり、吸収槽12のHCl溶液は薄黄色透明で変わらず、酸化蒸留反応が終了していることが確認できる。
【符号の説明】
【0033】
10−反応槽、11−回収槽、12−吸収槽、13−空槽、14−流量計、15−吸気ポンプ、16−ORP計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腐食性ガスの生成回収工程において、生成した腐食性ガスを回収する工程と共に、該回収工程から排出される副生ガスを溶液に吸収する工程を設け、該吸収液の経時的な状態変化によって腐食性ガスの生成反応終点を測定することを特徴とする腐食性ガスが発生する製造方法。
【請求項2】
白金族金属を含む塩酸酸性溶液に臭素酸ナトリウムを添加して四酸化ルテニウムを酸化蒸留させる工程、該四酸化ルテニウムを塩酸に吸収させて塩化ルテニウム酸溶液を回収する方法において、塩酸による吸収工程から排出される副生ガスをアルカリ溶液に吸収させ、このアルカリ溶液の酸化還元電位の経時変化によって酸化蒸留の反応終点を測定する塩化ルテニウム酸溶液の製造方法。
【請求項3】
請求項1の方法において、副生ガスを水酸化ナトリウム溶液に吸収させ、該水酸化ナトリウム溶液の電位変化率によって酸化蒸留の反応終点を測定する塩化ルテニウム酸溶液の製造方法。
【請求項4】
請求項3の方法において、電位変化率が0.5mV/min以下の定常状態が30分継続した段階を反応終点とする塩化ルテニウム酸溶液の製造方法。
【請求項5】
白金族金属を含む塩酸酸性溶液に臭素酸ナトリウムを添加して四酸化ルテニウムを酸化蒸留させる反応槽、四酸化ルテニウム蒸留ガスを塩酸に吸収させて塩化ルテニウム酸溶液を回収する回収槽、回収槽から排出される副生ガスをアルカリ溶液に吸収させる吸収槽、この吸収槽に装着された酸化還元電位計、反応槽から回収槽を経由して吸収槽にガスを導入する手段を有し、アルカリ溶液の酸化還元電位の経時変化によって酸化蒸留の反応終点を測定することを特徴とする塩化ルテニウム酸溶液の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−12241(P2012−12241A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148929(P2010−148929)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】