説明

回路付サスペンション基板およびその製造方法

【課題】光アシスト法を採用できながら、設計上の自由を確保でき、製造効率を向上させることができるとともに、製造コストの低減を図ることができる回路付サスペンション基板およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】金属支持基板11、ベース絶縁層12、導体パターン13およびカバー絶縁層14を順次積層し、ベース絶縁層12またはカバー絶縁層14の上に、光導波路19を形成するとともに、発光素子20を、光導波路19と光学的に接続するように、ベース絶縁層12またはカバー絶縁層14の上に設置することにより、回路付サスペンション基板1を得る。この回路付サスペンション基板1に、磁気ヘッド28が実装されたヘッドスライダ27を搭載し、これらをハードディスクドライブに搭載させて、光アシスト法により、ハードディスク26に情報を記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路付サスペンション基板およびその製造方法、詳しくは、光アシスト法が採用されるハードディスクドライブなどに搭載される回路付サスペンション基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハードディスクなどに対する磁気記録方式として、情報の記録時において、ハードディスクを光照射により加熱して、その保磁力を低下させた状態で、磁気ヘッドによって記録することにより、情報を小さな記録磁界で高密度に記録できる光アシスト法(光アシスト磁気記録方式)が知られている。
例えば、光アシスト法を採用する光アシスト磁気記録装置では、ヘッドスライダの側面に、磁気再生素子および磁気記録素子(磁気ヘッド)と光導波路と光源とを形成することにより、磁気記録再生素子を設け、このヘッドスライダをサスペンションに支持させることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−195002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ヘッドスライダは、小型化の要求に対応すべく、比較的小さく形成されており、しかも、磁気ヘッドが設けられているため、それ以外の部品を設置することは、スペース的に困難である。そのため、光アシスト法に用いられる光導波路および光源を、磁気ヘッドと一緒にヘッドスライダに設けようとすると、レイアウト上の制限を受け、製造に手間がかかり、製造コストが増大するという不具合がある。
【0004】
本発明の目的は、光アシスト法を採用できながら、設計上の自由を確保でき、製造効率を向上させることができるとともに、製造コストの低減を図ることができる回路付サスペンション基板およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の回路付サスペンション基板は、金属支持基板と、前記金属支持基板の上に形成されるベース絶縁層と、前記ベース絶縁層の上に形成される導体パターンと、前記ベース絶縁層の上に、前記導体パターンを被覆するように形成されるカバー絶縁層と、光導波路とを備えることを特徴としている。
また、本発明の回路付サスペンション基板では、前記光導波路が、前記ベース絶縁層または前記カバー絶縁層の上に設けられていることが好適である。
【0006】
また、本発明の回路付サスペンション基板では、前記光導波路は、アンダークラッド層と、前記アンダークラッド層の上に形成され、前記アンダークラッド層よりも屈折率の高いコア層と、前記アンダークラッド層の上に、前記コア層を被覆するように形成され、前記コア層よりも屈折率の低いオーバークラッド層とを備え、前記ベース絶縁層が前記アンダークラッド層を兼ねており、前記コア層が前記ベース絶縁層の上に形成されており、前記カバー絶縁層が前記オーバークラッド層を兼ねていることが好適である。
【0007】
また、本発明の回路付サスペンション基板では、さらに、発光素子を備えており、その発光素子が前記光導波路と光学的に接続されていることが好適である。
また、本発明の回路付サスペンション基板では、ヘッドスライダを搭載するための搭載部を備え、前記搭載部の近傍には、前記金属支持基板を厚み方向に貫通する開口部が形成されており、前記光導波路は、その一端が前記発光素子と接続され、その他端が前記開口部に臨むように形成されていることが好適である。
【0008】
また、本発明の回路付サスペンション基板では、前記光導波路が、前記導体パターンが延びる方向に沿って配置されており、前記発光素子が、前記金属支持基板の長手方向一方側に配置され、前記搭載部が、前記金属支持基板の長手方向他方側に配置されていることが好適である。
また、本発明の回路付サスペンション基板の製造方法は、金属支持基板を用意して、前記金属支持基板の上に形成されるベース絶縁層と、前記ベース絶縁層の上に形成される導体パターンと、前記ベース絶縁層の上に、前記導体パターンを被覆するように形成されるカバー絶縁層とを形成する工程と、光導波路を前記ベース絶縁層または前記カバー絶縁層の上に形成する工程と、ヘッドスライダを搭載するための搭載部の近傍に、前記金属支持基板を厚み方向に貫通する開口部を形成する工程と、前記ベース絶縁層および/またはカバー絶縁層と前記光導波路とを、前記開口部側から、前記光導波路の端面が前記光導波路が延びる方向と交差するように、切削する工程とを備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の回路付サスペンション基板の製造方法は、金属支持基板を用意する工程と、前記金属支持基板の上に、アンダークラッド層を兼ねるベース絶縁層を形成する工程と、前記ベース絶縁層の上に、導体パターンを形成する工程と、前記ベース絶縁層の上に、前記ベース絶縁層よりも屈折率の高いコア層を形成する工程と、前記ベース絶縁層の上に、前記導体パターンおよび前記コア層を被覆するように、オーバークラッド層を兼ね、前記コア層よりも屈折率の低いカバー絶縁層を形成する工程とを備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の回路付サスペンション基板では、光アシスト法に用いられる光導波路を、ヘッドスライダよりも、スペース的に余裕を持って形成することができる。そのため、設計上の自由を確保でき、製造効率を向上させることができるとともに、製造コストの低減を図ることができる。
また、本発明の回路付サスペンション基板の製造方法によれば、光アシスト法に用いられる光導波路を、ヘッドスライダよりも、スペース的に余裕を持ってベース絶縁層またはカバー絶縁層の上に形成することができる。そのため、設計上の自由を確保できる。しかも、ベース絶縁層および/またはカバー絶縁層と光導波路とを、開口部側から一度に切削するので、光導波路から出射された光を所望の位置に向けて確実に照射させことができながら、簡易かつ迅速に製造することができる。そのため、製造効率を向上させることができるとともに、製造コストの低減を図ることができる。
【0011】
さらに、本発明の回路付サスペンション基板およびその製造方法において、ベース絶縁層がアンダークラッド層を兼ね、カバー絶縁層がオーバークラッド層を兼ねるように形成すれば、回路付サスペンション基板の薄型化、構成の簡略化および製造工数の低減化を図ることができ、製造効率を向上させて、コストの低減化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明の回路付サスペンション基板の一実施形態を示す平面図、図2は、図1に示す回路付サスペンション基板における光導波路に沿う断面図、図3は、図1に示す回路付サスペンション基板の配線部における長手方向に直交する方向(以下、幅方向という。)に沿う断面図であって、光導波路がベース絶縁層の上に設けられる形態の断面図を示す。なお、図1および図2において、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14は、省略している。
【0013】
図1において、この回路付サスペンション基板1は、ハードディスクドライブにおける磁気ヘッド28(図5参照)を実装して、その磁気ヘッド28を、磁気ヘッド28とハードディスク26(図5参照)とが相対的に走行するときの空気流に抗して、ハードディスク26との間に微小な間隔を保持しながら支持するための金属支持基板11に、外部回路基板(例えば、リード・ライト基板など)2と磁気ヘッド28とを接続するための導体パターン13が一体的に形成されている。
【0014】
この回路付サスペンション基板1は、長手方向に延びる平帯状に形成されており、長手方向一方側(以下、後側という。)に配置される配線部3と、配線部3の長手方向他方側(以下、先側という。)に配置されるジンバル部4とを一体的に備えている。
配線部3は、長手方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。
ジンバル部4は、配線部3の先端から連続して形成され、配線部3に対して幅方向両外側に膨出する平面視略矩形状に形成されている。また、ジンバル部4には、平面視において先側に向かって開く略U字状のスリット部5が形成されている。また、ジンバル部4は、スリット部5に幅方向において挟まれるタング部6と、スリット部5の幅方向両外側およびタング部6の先端側に配置されるアウトリガー部8とを一体的に備えている。
【0015】
タング部6は、平面視略矩形状に形成されており、搭載部9と端子形成部10とを備えている。
搭載部9は、ヘッドスライダ27を搭載するための領域であって、タング部6の後側に配置され、平面視略矩形状に形成されている。
端子形成部10は、後述する磁気ヘッド側接続端子部17が形成されている領域であって、搭載部9の先側に配置されている。また、端子形成部10には、平面視略矩形状の開口部7が形成されている。
【0016】
開口部7は、金属支持基板11を厚み方向に貫通するように平面視略矩形状に形成されており、搭載部9の近傍であって、端子形成部10における幅方向中央に形成されている。
導体パターン13は、外部側接続端子部16と、磁気ヘッド側接続端子部17と、これら外部側接続端子部16および磁気ヘッド側接続端子部17を接続するための信号配線15とを、一体的に連続して備えている。
【0017】
各信号配線15は、回路付サスペンション基板1の長手方向に沿って複数(4本)設けられ、幅方向において互いに間隔を隔てて並列配置されている。
複数の信号配線15は、第1配線15a、第2配線15b、第3配線15cおよび第4配線15dから形成されており、これら第1配線15a、第2配線15b、第3配線15cおよび第4配線15dが、幅方向一方側から幅方向他方側に向かって、順次配置されている。
【0018】
より具体的には、第1配線15a、第2配線15b、第3配線15cおよび第4配線15dは、配線部3において、互いに並行して延びるように形成されている。ジンバル部4において、第1配線15aおよび第2配線15bは、幅方向一方側のアウトリガー部8に沿うように配置され、第3配線15cおよび第4配線15dは、幅方向他方側のアウトリガー部8に沿うように配置されている。第1配線15a、第2配線15b、第3配線15cおよび第4配線15dは、先端側のアウトリガー部8に至った後、幅方向内側に延び、さらに後側に折り返されて、磁気ヘッド側接続端子部17の先端部に至るように配置されている。
【0019】
なお、第1配線15aおよび第2配線15bは、配線部3において後述する発光素子20を幅方向内側に迂回するように、配置されている。
外部側接続端子部16は、配線部3の後端部に配置され、各配線15の後端部がそれぞれ接続されるように、複数(4つ)設けられている。また、この外部側接続端子部16は、幅方向に間隔を隔てて配置されている。また、外部側接続端子部16は、外部側接続端子部16に接続する第1配線15a、第2配線15b、第3配線15cおよび第4配線15dに対応して、第1外部側接続端子部16a、第2外部側接続端子部16b、第3外部側接続端子部16cおよび第4外部側接続端子部16dが、幅方向一方側から幅方向他方側に向かって順次配置されている。この外部側接続端子部16には、破線で示す外部回路基板2の図示しない端子部が接続される。
【0020】
磁気ヘッド側接続端子部17は、ジンバル部4に配置され、より具体的には、タング部6の端子形成部10の後端部に配置されている。磁気ヘッド側接続端子部17は、各信号配線15の先端部がそれぞれ接続されるように、複数(4つ)設けられている。
より具体的には、磁気ヘッド側接続端子部17は、端子形成部10の後端縁(搭載部9の先端縁)に沿うように、幅方向において互いに間隔を隔てて配置されている。また、磁気ヘッド側接続端子部17は、これに接続する第1配線15a、第2配線15b、第3配線15cおよび第4配線15dに対応して、第1磁気ヘッド側接続端子部17a、第2磁気ヘッド側接続端子部17b、第3磁気ヘッド側接続端子部17cおよび第4磁気ヘッド側接続端子部17dが、幅方向一方側から幅方向他方側に向かって順次配置されている。この磁気ヘッド側接続端子部17には、磁気ヘッド28の図示しない端子部が接続される。
【0021】
そして、この回路付サスペンション基板1は、図3に示すように、金属支持基板11と、金属支持基板11の上に形成されるベース絶縁層12と、ベース絶縁層12の上に形成される導体パターン13と、ベース絶縁層12の上に、導体パターン13を被覆するように形成されるカバー絶縁層14とを備えている。
金属支持基板11は、図1および図3に示すように、回路付サスペンション基板1の外形形状に対応して形成されている。
【0022】
ベース絶縁層12は、金属支持基板11の周端縁が露出するように、配線部3およびジンバル部4における導体パターン13および光導波路19(後述)が形成される位置に対応するように形成されている。より具体的には、ベース絶縁層12は、金属支持基板11より長手方向および幅方向がやや短くなる平帯状に形成されている。
導体パターン13は、配線部3およびジンバル部4にわたって配置され、外部側接続端子部16および磁気ヘッド側接続端子部17と、信号配線15とを、一体的に連続して備える配線回路パターンとして形成されている。
【0023】
カバー絶縁層14は、配線部3およびジンバル部4にわたって配置され、信号配線15が形成される位置に対応するように配置されている。カバー絶縁層14は、外部側接続端子部16および磁気ヘッド側接続端子部17が露出し、信号配線15を被覆するように形成されている。また、カバー絶縁層14は、ベース絶縁層12の上において、後述する光導波路19が形成される領域が確保されるように配置されている。
【0024】
そして、この回路付サスペンション基板1は、図1に示すように、光アシスト法に用いられる光アシスト部18を備えている。
光アシスト部18は、光導波路19と、発光素子20とを備えている。
光導波路19は、配線部3およびジンバル部4にわたって配置され、導体パターン13が延びる方向に沿って配置されている。
【0025】
より具体的には、光導波路19は、配線部3において、幅方向一方側、つまり、第1配線15aと幅方向最外側に間隔を隔てて配置されており、第1配線15aと並行して延びるように設けられている。また、光導波路19は、アウトリガー部8における幅方向一方側および先端側と端子形成部10とにおいて、第1配線15aに対する第2配線15bの反対側に間隔を隔てて配置され、第1配線15aと並行して延びるように設けられている。すなわち、光導波路19は、第1配線15aと並行して延び、先端側のアウトリガー部8で後側に折り返した後、ジンバル部4の幅方向中央に沿って延び、開口部7に至るように配置されている。
【0026】
また、光導波路19は、発光素子20と光学的に接続されている。より具体的には、光導波路19は、その後端が、発光素子20と接続されるとともに、その先端が、開口部7に臨むように形成されている。
発光素子20は、光導波路19に光を入射させるための光源であって、例えば、電気エネルギーを光エネルギーに変換して、高エネルギーの光を出射する光源である。この発光素子20は、金属支持基板11の後端側に配置されており、より具体的には、配線部3の後端側であって、外部側接続端子部16と先端側に間隔を隔てて配置されており、信号配線15(第1配線15a)と幅方向一方側に間隔を隔てて配置されている。また、この発光素子20は、ベース絶縁層12の上に形成されている。
【0027】
また、この発光素子20には、発光素子20に電気エネルギーを供給するための供給配線30が接続されており、この供給配線30には、外部回路基板2の図示しない端子部と接続されるための供給端子部31が接続されている。なお、供給配線30は、発光素子20の後端側において、信号配線15(第1配線15a)に沿って延び、供給端子部31は、外部側接続端子部16(第1外部側接続端子部16a)と幅方向一方側に間隔を隔てて配置されている。また、供給配線30は、カバー絶縁層14に被覆されており、供給端子部31は、カバー絶縁層14から露出している。
【0028】
この光アシスト部18では、発光素子20において、外部回路基板2から供給端子部31および供給配線30を介して供給される電気エネルギーが光エネルギーに変換され、その光が光導波路19に出射される。出射された光は光導波路19を通過して、次に述べる端面21において、反射されて、ハードディスク26に照射される。
また、光導波路19は、図5に示すように、その先端部の端面21が、例えば、光導波路19の長手方向と所定の角度(傾斜角)αで交差するように形成されている。これにより、光導波路19は、その端面21が傾斜角αを有するミラー面となるように形成されるので、光導波路19に入射した光は、端面21によって所定の角度で光路変換されて、光路変換された光が所望の位置に向けて、散乱しながら照射される。このような傾斜角αは、特に限定されず、例えば、35〜55°、好ましくは、40〜50°であり、より具体的には、45°である。
【0029】
そして、図3に示すように、この回路付サスペンション基板1では、光導波路19は、ベース絶縁層12の上に設けられている。
このような光導波路19は、アンダークラッド層22と、アンダークラッド層23の上に形成されるコア層23と、アンダークラッド層22の上に、コア層23を被覆するように形成されるオーバークラッド層24とを備えている。
【0030】
なお、光導波路19は、開口部7に臨む先側半分においても、ベース絶縁層12の上に形成されている。すなわち、ベース絶縁層12は、光導波路19と対応して、平面視において略同一位置となるように、開口部7に臨んでいる。
オーバークラッド層24は、その幅方向両外側端縁が、アンダークラッド層22の幅方向両外側端縁と平面視において同一位置となるように形成されている。
【0031】
図4は、図3に示す回路付サスペンション基板の製造工程を示す断面図であって、左側図は、図3に対応する配線部における幅方向に沿う断面図、右側図は、端子形成部における長手方向に沿う拡大断面図を示す。
次いで、この回路付サスペンション基板1の製造方法について、図4を参照して、説明する。
【0032】
まず、この方法では、図4(a)に示すように、金属支持基板11を用意する。
金属支持基板11は、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、銅−ベリリウム、りん青銅などの金属材料から形成されている。金属支持基板11の厚みは、例えば、15〜30μm、好ましくは、20〜25μmである。
次いで、この方法では、図4(b)に示すように、金属支持基板11の上に、ベース絶縁層12、導体パターン13およびカバー絶縁層14を順次積層する。
【0033】
ベース絶縁層12、導体パターン13およびカバー絶縁層14を順次積層するには、まず、ベース絶縁層12を、金属支持基板11の上に形成する。
ベース絶縁層12は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂などの絶縁材料から形成されている。好ましくは、ポリイミド樹脂から形成されている。
【0034】
ベース絶縁層12を形成するには、例えば、金属支持基板11の上面に、感光性の、上記した絶縁材料のワニスを塗布し、乾燥後、フォトマスクを介して露光し、現像後、必要により硬化させる。
これにより形成されるベース絶縁層12の厚みは、例えば、1〜35μm、好ましくは、8〜15μmである。
【0035】
次いで、導体パターン13を上記したパターンで形成する。
導体パターン13を形成する導体材料としては、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、またはそれらの合金などの導体材料が用いられる。
導体パターン13を形成するには、例えば、アディティブ法、サブトラクティブ法などの公知のパターンニング法を用いる。好ましくは、アディティブ法を用いる。
【0036】
これにより形成される導体パターン13では、厚みが、例えば、3〜50μm、好ましくは、5〜20μmである。また、各信号配線15の幅は、例えば、10〜200μm、好ましくは、20〜100μmであり、各信号配線15間の間隔は、例えば、10〜1000μm、好ましくは、20〜100μmである。また、各外部側接続端子部16および各磁気ヘッド側接続端子部17の幅は、例えば、20〜1000μm、好ましくは、30〜800μmであり、各外部側接続端子部16間の間隔および各磁気ヘッド側接続端子部17間の間隔は、例えば、20〜1000μm、好ましくは、30〜800μmである。
【0037】
カバー絶縁層14を上記したパターンで形成するには、例えば、導体パターン4およびベース絶縁層12を含む金属支持基板11の表面に、感光性の、上記した絶縁材料のワニスを塗布し、乾燥後、フォトマスクを介して露光し、現像後、必要により硬化させる。
これにより形成されるカバー絶縁層14の厚みは、例えば、1〜40μm、好ましくは、1〜7μmである。
【0038】
これにより、金属支持基板11の上に、ベース絶縁層12、導体パターン13およびカバー絶縁層14を順次積層することができる。
なお、上記した導体パターン13の形成とともに、供給配線30および供給端子部31を上記と同様の方法により、同時に形成する。
次いで、この方法では、図4(c)に示すように、光導波路19を、ベース絶縁層12の上に形成する。
【0039】
光導波路19を形成するには、ベース絶縁層12の上に、アンダークラッド層22、コア層23およびオーバークラッド層24を順次積層する。
アンダークラッド層22、コア層23およびオーバークラッド層24を順次積層するには、まず、アンダークラッド層22を、ベース絶縁層12の上に形成する。
アンダークラッド層22を形成する材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂(脂環式エポキシ樹脂など)、アクリル樹脂、または、フルオレン誘導体樹脂、さらには、フルオレン誘導体樹脂と脂環式エポキシ樹脂との混合樹脂、これら樹脂と脂環式エーテル化合物(例えば、オキセタン化合物など)との混合樹脂が用いられる。これら樹脂は、好ましくは、感光剤を配合して、感光性樹脂として用いられる。好ましくは、感光性フルオレン誘導体樹脂(原料としては、感光性フルオレン系エポキシ樹脂)と脂環式エポキシ樹脂との混合樹脂が用いられる。また、感光剤としては、例えば、公知のオニウム塩などが用いられ、より具体的には、4,4-ビス[ジ(βヒドロキシエトキシ)フェニルスルフィニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネートなどが用いられる。
【0040】
アンダークラッド層22を上記したパターンで形成するには、例えば、上記した樹脂のワニス(樹脂溶液)を、公知の希釈剤を用いて調製して、そのワニスをベース絶縁層12の表面に塗布後、乾燥し、必要により硬化させる。また、感光性樹脂が用いられる場合には、ワニスの塗布および乾燥後に、フォトマスクを介して露光して、公知の有機溶剤などにより未露光部分を溶解させることにより、現像して、その後、必要により硬化させる。
【0041】
このようにして形成されるアンダークラッド層22の屈折率は、例えば、1.45〜1.55である。また、アンダークラッド層22の厚みは、例えば、1〜50μm、好ましくは、5〜20μmであり、幅は、例えば、20〜200μm、好ましくは、30〜100μmである。
次いで、コア層23を、アンダークラッド層22の上に形成する。
【0042】
コア層23を形成する材料としては、アンダークラッド層3の樹脂材料よりも、屈折率が高くなる樹脂材料が用いられる。このような樹脂材料としては、例えば、上記と同様の樹脂が用いられ、好ましくは、感光性フルオレン誘導体樹脂(原料としては、感光性フルオレン系エポキシ樹脂)とオキセタン化合物との混合樹脂が用いられる。
コア層23を上記したパターンで形成するには、例えば、上記した樹脂のワニス(樹脂溶液)を、公知の希釈剤を用いて調製して、そのワニスを、アンダークラッド層22を含むベース絶縁層12の表面に塗布後、乾燥し、必要により硬化させる。また、感光性樹脂が用いられる場合には、ワニスの塗布および乾燥後に、フォトマスクを介して露光して、公知の有機溶剤などにより未露光部分を溶解させることにより、現像して、その後、必要により硬化させる。
【0043】
このようにして形成されるコア層23の屈折率は、アンダークラッド層22の屈折率より高く設定されており、例えば、1.55〜1.65である。また、コア層23の厚みは、例えば、1〜30μm、好ましくは、2〜20μmであり、幅は、例えば、1〜30μm、好ましくは、2〜20μmである。
次いで、オーバークラッド層24を、アンダークラッド層22の上に、コア層23を被覆するように形成する。
【0044】
オーバークラッド層24を形成する材料としては、上記したアンダークラッド層22と同様の樹脂材料が用いられる。
オーバークラッド層24を上記したパターンで形成するには、例えば、上記した樹脂のワニス(樹脂溶液)を、公知の希釈剤を用いて調製して、そのワニスを、コア層23およびアンダークラッド層22を含むベース絶縁層12の表面に、塗布後、乾燥し、必要により硬化させる。また、感光性樹脂が用いられる場合には、ワニスの塗布および乾燥後に、フォトマスクを介して露光して、公知の有機溶剤などにより未露光部分を溶解させることにより、現像して、その後、必要により硬化させる。
【0045】
このようにして形成されるオーバークラッド層24の屈折率は、コア層23の屈折率より低く設定されており、例えば、アンダークラッド層22の屈折率と同様に設定されている。また、オーバークラッド層24のコア層23の表面からの厚みは、例えば、1〜50μm、好ましくは、5〜20μmであり、幅は、例えば、20〜200μm、好ましくは、30〜100μmである。
【0046】
このようにして、ベース絶縁層12の上に、アンダークラッド層22、コア層23およびオーバークラッド層24を順次積層することにより、これらを備える光導波路24を形成することができる。
次いで、この方法では、図4(d)に示すように、端子形成部10における金属支持基板11に開口部7を形成する。
【0047】
開口部7を形成するには、例えば、ドリルなどの穿孔、例えば、ドライエッチング、ウエットエッチングなどのエッチングなどにより、形成する。好ましくは、エッチングにより、形成する。
この開口部7は、光導波路19の先端部と厚み方向において重なるように、より具体的には、幅方向においては、光導波路19の先端部が中央に配置され、長手方向においては、光導波路19の先端部が先側半分に配置されるように形成されている。
【0048】
このようにして形成される開口部7は、幅が、例えば、50〜500μm、好ましくは、100〜200μmであり、長さ(長手方向長さ)が、例えば、50〜500μm、好ましくは、100〜200μmである。
次いで、この方法では、図4(e)に示すように、ベース絶縁層12および光導波路19の先端部を、開口部7側から、レーザ加工により、光導波路19の先端部の端面21が長手方向と交差するように、切削する。
【0049】
レーザ加工では、図4(e)の破線で示すように、開口部7を通過するレーザ光を、長手方向と所定の角度で交差するように、開口部7側(厚み方向下側)から、ベース絶縁層12および光導波路19に照射することにより、これらベース絶縁層12および光導波路19を一度に切削する。
これにより、ベース絶縁層12および光導波路19を、開口部7側から、レーザ加工により、光導波路19の先端部の端面21が長手方向と交差するように、切削することができる。
【0050】
その後、配線部3の後端側において、光導波路19の後端と光学的に接続され、供給配線30の先端と電気的に接続されるように、発光素子20を、ベース絶縁層12の上に設置する。これにより、回路付サスペンション基板1を得る。
そして、このようにして得られた回路付サスペンション基板1では、図1および図2の破線で示すように、配線部3において、外部側接続端子部16および供給端子部31が、外部回路基板2の図示しない端子部と接続される。また、この外部回路基板2には、磁気ヘッド28(図5参照)および発光素子20を制御するためのIC32が実装されており、このIC32が、IC配線33を介して、外部側接続端子部16および供給端子部31が接続される端子部と電気的に接続されている。
【0051】
また、回路付サスペンション基板1には、図1および図5に示すように、ジンバル部4の搭載部9にヘッドスライダ27が搭載される。このヘッドスライダ27には、磁気ヘッド28が実装されており、上記したヘッドスライダ27の実装によって、磁気ヘッド28の図示しない端子部が、磁気ヘッド側接続端子部17と電気的に接続される。また、上記したヘッドスライダ27の実装によって、磁気ヘッド28は、開口部7を臨むように、光導波路19の先端部の端面21の近傍に対向配置されている。
【0052】
そして、このような磁気ヘッド28、ヘッドスライダ27、回路付サスペンション基板1および外部回路基板2が搭載されるハードディスクドライブでは、光アシスト法を採用することができる。
このハードディスクドライブでは、例えば、ハードディスク26が、光導波路19の先端部の端面21および磁気ヘッド28に対して、相対的に走行している。そして、発光素子20から出射された光が、光導波路19を通過して、その端面21において、光路が上方に変換または散乱され、端面21の上側に対向するハードディスク26の表面に照射される。光導波路19の端面21からの光の照射により、ハードディスク26の表面が加熱され、この状態で、磁気ヘッド28からの磁界の照射により、ハードディスク26に情報が記録される。そうすると、ハードディスク26の保磁力が低下されているので、このハードディスク26に情報を、小さな磁界の照射によって、高密度で記録することができる。
【0053】
そして、この回路付サスペンション基板1では、光アシスト法に用いられる光導波路19を、回路付サスペンション基板1より小さく形成されるヘッドスライダ27よりも、スペース的に余裕を持って形成することができる。
とりわけ、光導波路19が、ヘッドスライダ27よりも、スペース的に余裕のあるベース絶縁層12の上に設けられているので、設計上の自由を確保でき、製造効率を向上させることができるとともに、製造コストの低減を図ることができる。
【0054】
また、この回路付サスペンション基板1は、発光素子20を備えており、その発光素子20が光導波路19と光学的に接続されているので、ベース絶縁層12の上に、発光素子20と光導波路19とを一緒に設けることができる。そのため、光学的な接続信頼性を向上させて、光アシスト法を確実に実施することができる。
また、この回路付サスペンション基板1は、搭載部9を備えているので、ヘッドスライダ27を確実に搭載することができる。また、この回路付サスペンション基板1では、搭載部9の近傍に、開口部7が形成されており、光導波路19の先端部が開口部7に臨むように形成されているので、レーザ加工により、光導波路19の先端部の端面21を確実に、切削することができる。
【0055】
つまり、この回路付サスペンション基板1の製造方法では、ベース絶縁層12と光導波路19とを、開口部7側からレーザ加工により、光導波路19の先端部の端面21が長手方向と交差するように、切削する。そうすると、開口部7内において、ベース絶縁層12と光導波路19とを一度に切削できるので、端面21を平滑なミラー面として確実に形成することができる。そのため、回路付サスペンション基板1では、光導波路19から出射された光を所望の位置、すなわち、ハードディスク26の表面に確実に照射させことができながら、この回路付サスペンション基板1を簡易かつ迅速に製造することができる。そのため、製造効率を向上させることができるとともに、製造コストの低減を図ることができる。
【0056】
また、この回路付サスペンション基板1は、発光素子19が、回路付サスペンション基板1の後端側、すなわち、配線部3の後端側に配置され、搭載部9が、回路付サスペンション基板1の先端側、すなわち、ジンバル部4のタング部6に配置されている。そのため、発光素子19およびヘッドスライダ27のレイアウトの設計上の自由を確実に確保することができる。
【0057】
図6は、図1に示す回路付サスペンション基板の配線部における幅方向に沿う断面図であって、光導波路がカバー絶縁層の上に設けられる形態の断面図、図7は、図6に示す回路付サスペンション基板の製造工程を示す断面図であって、左側図は、図6に対応する配線部における幅方向に沿う断面図、右側図は、端子形成部における長手方向に沿う拡大断面図を示す。なお、上記した各部に対応する部材については、図6および図7において同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0058】
上記した説明では、光導波路19を、ベース絶縁層12の上に設けたが、例えば、カバー絶縁層14の上に設けることもできる。
図6において、この回路付サスペンション基板1では、カバー絶縁層14は、その周端縁が、ベース絶縁層12の周端縁と平面視において略同一位置となるように形成されている。
【0059】
光導波路19は、配線部3およびジンバル部4のアウトリガー部8において、信号配線15(より具体的には、第1配線15a)の上に形成されている。また、光導波路19のコア層23は、配線部3およびジンバル部4のアウトリガー部8において、第1配線15aと平面視において重複するように形成されている。
また、光導波路19は、ジンバル部4の端子形成部10において、カバー絶縁層14の上に形成されており、端子形成部10の第1配線15aと幅方向他方側にずれるように配置されており、より具体的には、第1配線15aと間隔を隔てて、第1配線15aと並行して延びるように配置されている。すなわち、光導波路19は、端子形成部10において、端子形成部10の中央に沿って延び、開口部7に至るように配置されている。
【0060】
発光素子20は、カバー絶縁層14の上に形成されている。
この回路付サスペンション基板1を製造するには、まず、図7(a)に示すように、金属支持基板11を用意して、次いで、図7(b)に示すように、金属支持基板11の上に、ベース絶縁層12、導体パターン13およびカバー絶縁層14を順次積層する。次いで、図7(c)に示すように、光導波路19を、カバー絶縁層14の上に形成する。次いで、図7(d)に示すように、端子形成部10における金属支持基板11に開口部7を形成して、次いで、図7(e)に示すように、ベース絶縁層12、カバー絶縁層14および光導波路19を、開口部7側から、レーザ加工により、光導波路19の先端部の端面21が長手方向と交差するように、切削する。これにより、回路付サスペンション基板1を製造することができる。
【0061】
このように、光導波路19をカバー絶縁層14の上に形成することにより、ベース絶縁層12がスペース的に余裕のない場合にも、光導波路19の設計上の自由を確保でき、製造効率を向上させることができるとともに、製造コストの低減を図ることができる。
なお、上記した説明では、光導波路19を、第1配線15aの幅方向一方側に設けたが、その配置は限定されず、例えば、図示しないが、第4配線15dの幅方向他方側に設けることができる。また、第2配線15bに対する第1配線15aの反対側(すなわち、第3配線15cに対する第4配線15dの反対側)、第1配線15aおよび第2配線15bの間、第3配線15cおよび第4配線15dの間に、光導波路19を設けることもできる。好ましくは、スペースの観点、および、光導波路19の先端部をジンバル部4の幅方向中央に配置させる観点から、光導波路19を、第1配線15aの幅方向一方側、または、第4配線15dの幅方向他方側に設ける。
【0062】
また、上記した説明では、回路付サスペンション基板1に、1本の光導波路19を設けたが、その本数は特に限定されず、例えば、回路付サスペンション基板1の用途および目的に応じて、複数本の光導波路19を設けることもできる。
また、上記した説明では、光導波路19において、アンダークラッド層22およびオーバークラッド層24を設けたが、例えば、アンダークラッド層22および/またはオーバークラッド層24を設けることなく、光導波路19を形成することもできる。
【0063】
より具体的には、カバー絶縁層14の屈折率が、コア層23の屈折率より低い場合に、アンダークラッド層22を設けず、カバー絶縁層14をアンダークラッド層22として兼用させることができる。
また、ベース絶縁層12の屈折率が、コア層23の屈折率より低い場合に、アンダークラッド層22を設けず、ベース絶縁層12をアンダークラッド層22として兼用させることができる。その場合において、カバー絶縁層14の屈折率が、コア層23の屈折率より低い場合には、さらに、カバー絶縁層14とオーバークラッド層24とを1つの層として一体的に形成することができる。つまり、オーバークラッド層24およびアンダークラッド層22を設けることなく、カバー絶縁層14をオーバークラッド層24として兼用させ、かつ、ベース絶縁層12をアンダークラッド層22として兼用させることができる。
【0064】
このような回路付サスペンション基板1を製造するには、まず、図8(a)に示すように、金属支持基板11を用意する。
次いで、図8(b)に示すように、金属支持基板11の上に、アンダークラッド層22を兼ねるベース絶縁層12を形成する。アンダークラッド層22を兼ねるベース絶縁層12を形成するには、例えば、上記したベース絶縁層12を形成する樹脂材料またはアンダークラッド層22を形成する樹脂材料と、同様の樹脂材料のワニス(樹脂溶液)を調製し、そのワニスを、金属支持基板11の上面に、塗布し、乾燥後、必要によりフォトマスクを介して露光および現像して、必要により硬化させる。
【0065】
ベース絶縁層12の屈折率は、例えば、1.45〜1.70である。また、ベース絶縁層12の厚みは、例えば、例えば、1〜35μm、好ましくは、5〜15μmである。
その後、図8(c)に示すように、ベース絶縁層12の上に、導体パターン13を形成する。導体パターン13を形成するには、例えば、上記と同様に、アディティブ法、サブトラクティブ法などの公知のパターンニング法を用いる。好ましくは、アディティブ法を用いる。なお、導体パターン13は、上記と同様の導体材料から、図1に示す導体パターン13と同様のパターンで形成される。
【0066】
なお、導体パターン13の形成とともに、供給配線30および供給端子部31を、上記と同様の方法により、同時に形成する。
続いて、図8(d)に示すように、ベース絶縁層12の上に、コア層23を形成する。コア層23を形成するには、上記したコア層23を形成する樹脂材料のワニス(樹脂溶液)を調製し、そのワニスを、ベース絶縁層12の上面に、塗布し、乾燥後、必要によりフォトマスクを介して露光および現像して、必要により硬化させる。
【0067】
コア層23の屈折率は、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14の屈折率より高く設定されており、例えば、1.55〜1.65である。また、コア層23の厚みは、例えば、1〜30μm、好ましくは、2〜20μmであり、幅は、例えば、1〜30μm、好ましくは、2〜20μmである。また、コア層23は、図1に示すコア層23と同様のパターンで配置される。
【0068】
次いで、図8(e)に示すように、ベース絶縁層12の上に、導体パターン13(供給配線30を含む)およびコア層23を被覆するように、オーバークラッド層24を兼ねるカバー絶縁層14を形成する。オーバークラッド層24を兼ねるカバー絶縁層14を形成するには、例えば、上記したカバー絶縁層14を形成する樹脂材料またはオーバークラッド層24を形成する樹脂材料と同様の樹脂材料のワニス(樹脂溶液)を調製し、そのワニスを、導体パターン13およびコア層23を含むベース絶縁層12の上面に、塗布し、乾燥後、必要によりフォトマスクを介して露光および現像して、必要により硬化させる。これによって、カバー絶縁層14は、外部側接続端子部16、磁気ヘッド側接続端子部17および供給端子部31が露出し、信号配線15、コア層23および供給端子部31を被覆するように形成される。
【0069】
カバー絶縁層14の屈折率は、例えば、1.45〜1.70である。また、カバー絶縁層14の厚み(コア層の表面からの厚み)は、例えば、1〜40μm、好ましくは、1〜12μmである。
そして、図8(f)に示すように、端子形成部10における金属支持基板11に開口部7を、上記と同様の方法により形成し、その後、図8(g)に示すように、ベース絶縁層12、コア層23およびカバー絶縁層14の先端部を、開口部7側から、レーザ加工により、それらの先端部の端面21が長手方向と交差するように、切削する。これにより、回路付サスペンション基板1を製造することができる。
【0070】
このように製造される回路付サスペンション基板1では、ベース絶縁層12がアンダークラッド層22を兼ね、カバー絶縁層14がオーバークラッド層24を兼ねており、導体パターン13およびコア層23が、ともに、ベース絶縁層12の上面において、カバー絶縁層14によって被覆される。
そのため、回路付サスペンション基板1の薄型化、構成の簡略化および製造工数の低減化を図ることができ、製造効率を向上させて、コストの低減化を図ることができる。
【0071】
なお、上記の説明では、コア層23を被覆するように、オーバークラッド層24またはカバー絶縁層14を設けたが、オーバークラッド層24またはカバー絶縁層14を設けず、コア層23を露出、すなわち、空気に曝させて、いわゆるエアクラッドとすることもできる。好ましくは、コア層23の外的要因による損傷防止の観点から、オーバークラッド層24またはカバー絶縁層14を設ける。
【0072】
さらに、アンダークラッド層22やオーバークラッド層24に代えて、金属薄層からなる光反射層を設けることもできる。
また、上記した説明では、開口部7をジンバル部4における幅方向中央に形成したが、その配置はこれに限定されず、例えば、幅方向一端部または幅方向他端部に形成することもできる。好ましくは、ヘッドスライダ27の幅方向中央部分と光導波路19の先端部とを、長手方向において対向配置させるために、開口部7をジンバル部4における幅方向中央に形成する。
【実施例】
【0073】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例に限定されない。
実施例1(光導波路がベース絶縁層の上に設けられる形態)
厚み20μmのステンレスからなる金属支持基板を用意した(図4(a)参照)。
次いで、ポリイミド樹脂からなるベース絶縁層を、金属支持基板の上に、上記したパターンで形成した。このベース絶縁層の厚みは10μmであった。
【0074】
次いで、アディティブ法により、銅からなる、導体パターンと供給配線および供給端子部とを、同時に形成した。これらの厚みは、10μmであった。
次いで、ポリイミド樹脂からなるカバー絶縁層を、ベース絶縁層の上に、上記したパターンで形成した。このカバー絶縁層の厚みは5μmであった。これにより、金属支持基板の上に、ベース絶縁層、導体パターンおよびカバー絶縁層を順次積層した(図4(b)参照)。
【0075】
次いで、ベース絶縁層の上に、光導波路を形成した。光導波路を形成するには、まず、アンダークラッド層を形成した。
アンダークラッド層を上記したパターンで形成するには、まず、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル(フルオレン誘導体、エポキシ当量300g/eq.)35重量部、シクロヘキセンオキシド骨格を有する脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2081、ダイセル化学社製)25重量部、4,4−ビス[ジ(βヒドロキシエトキシ)フェニルスルフィニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート(感光剤)の50%プロピオンカーボネート溶液2重量部、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(希釈剤、脂環式エポキシ、セロキサイド2021P、ダイセル化学社製)40重量部を配合してワニスを調製した。次いで、このワニスを、ベース絶縁層の表面に塗布し、80℃で15分間加熱することにより、乾燥した。その後、フォトマスクを介して露光して、ガンマブチロラクトン系の有機溶剤によって未露光部分を溶解させることにより、現像した。その後、100℃で15分間、加熱して硬化させることにより、ベース絶縁層の上に、アンダークラッド層を形成した。
【0076】
このアンダークラッド層(硬化後のアンダークラッド層)の波長830nmにおける屈折率は1.540であった。また、アンダークラッド層の厚みは10μm、幅は30μmであった。
次いで、コア層をアンダークラッド層の上に形成した。
コア層を上記したパターンで形成するには、まず、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル(フルオレン誘導体、エポキシ当量300g/eq.)70重量部、1,1,1−トリス{4−[2−(3−オキセタニル)]ブトキシフェニル}エタン(オキセタン化合物)30重量部、4,4−ビス[ジ(βヒドロキシエトキシ)フェニルスルフィニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート(感光剤)の50%プロピオンカーボネート溶液1重量部、乳酸エチル(希釈剤)30重量部を配合してワニスを調製した。次いで、このワニスを、アンダークラッド層を含むベース絶縁層の表面に塗布し、80℃で15分間加熱することにより、乾燥した。その後、フォトマスクを介して露光して、ガンマブチロラクトン系の有機溶剤によって未露光部分を溶解させることにより、現像した。その後、100℃で15分間、加熱して硬化させることにより、アンダークラッド層の上に、コア層を形成した。
【0077】
このコア層(硬化後のコア層)の波長830nmにおける屈折率は1.594であった。また、コア層の厚みは5μm、幅は5μmであった。
次いで、オーバークラッド層を、アンダークラッド層の上に、コア層を被覆するように形成した。
オーバークラッド層を上記したパターンで形成するには、まず、上記したアンダークラッド層を形成するためのワニスと同様のワニスを調製し、次いで、このワニスを、コア層およびアンダークラッド層を含むベース絶縁層の表面に塗布し、80℃で15分間加熱することにより、乾燥した。その後、フォトマスクを介して露光して、ガンマブチロラクトン系の有機溶剤によって未露光部分を溶解させることにより、現像した。その後、100℃で15分間、加熱して硬化させることにより、アンダークラッド層の上に、コア層を被覆するように、オーバークラッド層を形成した。
【0078】
このオーバークラッド層(硬化後のオーバークラッド層)の波長830nmにおける屈折率は1.540であった。また、オーバークラッド層のコア層の表面からの厚みは10μm、幅は30μmであった。
これにより、光導波路を、ベース絶縁層の上に、第1配線と間隔を隔てて形成した(図4(c)参照)。
【0079】
次いで、端子形成部における金属支持基板に、ウエットエッチングによって、平面視矩形状の開口部を形成した(図4(d)参照)。この開口部の幅は100μm、長さは100μmであった。
次いで、ベース絶縁層および光導波路を、開口部側からレーザ加工により、光導波路の先端部の端面が長手方向と交差するように、一度に切削した(図4(e)参照)。この切削により形成された端面の傾斜角は45°であった。
【0080】
その後、この回路付サスペンション基板の配線部の後端側において、光導波路の後端と光学的に接続され、供給配線の先端と電気的に接続されるように、発光素子を、ベース絶縁層の上に設置した(図1および図2参照)。
実施例2(光導波路がカバー絶縁層の上に設けられる形態)
実施例1において、光導波路をカバー絶縁層に設け、発光素子をカバー絶縁層の上に設置した以外は、実施例1と同様に、回路付サスペンション基板を製造した(図1、図2および図7参照)。
【0081】
すなわち、カバー絶縁層を、その周端縁が、ベース絶縁層の周端縁と平面視において略同一位置となるように形成した(図7(b)参照)。
また、光導波路を、配線部およびジンバル部のアウトリガー部において、カバー絶縁層の上に、第1配線と重なるように、端子形成部において、カバー絶縁層の上に、第1配線部と幅方向他方側にずれるように形成した。また、発光素子をカバー絶縁層の上に設置した。
【0082】
実施例3(ベース絶縁層がアンダークラッド層を兼ね、カバー絶縁層がオーバークラッド層を兼ねる形態)
厚み20μmのステンレスからなる金属支持基板を用意した(図8(a)参照)。
次いで、ポリイミド樹脂からなるベース絶縁層を、金属支持基板の上に、上記したパターンで形成した。このベース絶縁層の波長830nmにおける屈折率は1.541であった。また、ベース絶縁層の厚みは6μmであった(図8(b)参照)。
【0083】
次いで、ベース絶縁層の上に、アディティブ法により、銅からなる、導体パターンと供給配線および供給端子部とを、同時に形成した(図8(c)参照)。これらの厚みは、10μmであった。
次いで、ベース絶縁層の上にコア層を形成した。
コア層を上記したパターンで形成するには、まず、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル(フルオレン誘導体、エポキシ当量300g/eq.)70重量部、1,3,3−トリス{4−[2−(3−オキセタニル)]ブトキシフェニル}エタン(オキセタン化合物)30重量部、4,4−ビス[ジ(βヒドロキシエトキシ)フェニルスルフィニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート(感光剤)の50%プロピオンカーボネート溶液0.5重量部、乳酸エチル(希釈剤)28重量部を配合してワニスを調製した。次いで、このワニスを、ベース絶縁層の表面に塗布し、80℃で15分間加熱することにより、乾燥した。その後、フォトマスクを介して露光して、ガンマブチロラクトン系の有機溶剤によって未露光部分を溶解させることにより、現像した。その後、100℃で15分間、加熱して硬化させることにより、ベース絶縁層の上に、コア層を形成した(図8(d)参照)。
【0084】
このコア層(硬化後のコア層)の波長830nmにおける屈折率は1.588であった。また、コア層の厚みは5μm、幅は5μmであった。
次いで、カバー絶縁層を、ベース絶縁層の上に、導体パターンおよびコア層を被覆するように、上記したパターンで形成した。
カバー絶縁層を上記したパターンで形成するには、まず、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル(フルオレン誘導体、エポキシ当量300g/eq.)35重量部、(3,4−エポキシシクロヘキサン)メチル3´,4´−エポキシシクロヘキシル−カルボキシレート40重量部、シクロヘキセンオキシド骨格を有する脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2081、ダイセル化学社製)25重量部、4,4−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフィニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート(感光剤)の50%プロピオンカーボネート溶液1重量部を配合してワニスを調製した。次いで、このワニスを、導体パターンおよびコア層を含むベース絶縁層の表面に塗布し、80℃で15分間加熱することにより、乾燥した。その後、フォトマスクを介して露光して、ガンマブチロラクトン系の有機溶剤によって未露光部分を溶解させることにより、現像した。その後、100℃で15分間、加熱して硬化させることにより、ベース絶縁層の上に、外部側接続端子部、磁気ヘッド側接続端子部および供給端子部を露出させ、信号配線、コア層および供給端子部を被覆するように、カバー絶縁層を形成した(図8(e)参照)。
【0085】
カバー絶縁層の波長830nmにおける屈折率は1.542であった。また、カバー絶縁層の厚み(コア層の表面からの厚み)は10μmであった。
次いで、端子形成部における金属支持基板に、ウエットエッチングによって、平面視矩形状の開口部を形成した(図8(f)参照)。この開口部の幅は100μm、長さは100μmであった。
【0086】
次いで、ベース絶縁層、コア層およびカバー絶縁層を、開口部側からレーザ加工により、それらの先端部の端面が長手方向と交差するように、一度に切削した(図8(g)参照)。この切削により形成された端面の傾斜角は45°であった。
その後、この回路付サスペンション基板の配線部の後端側において、光導波路の後端と光学的に接続され、供給配線の先端と電気的に接続されるように、発光素子を、ベース絶縁層の上に設置した。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の回路付サスペンション基板の一実施形態を示す平面図を示す。
【図2】図1に示す回路付サスペンション基板における光導波路に沿う断面図を示す。
【図3】図1に示す回路付サスペンション基板の配線部における幅方向に沿う断面図であって、光導波路がベース絶縁層の上に設けられる形態の断面図を示す。
【図4】図3に示す回路付サスペンション基板の製造工程を示す断面図であって、左側図は、図3に対応する配線部における幅方向に沿う断面図、右側図は、端子形成部における長手方向に沿う拡大断面図であり、(a)は、金属支持基板を用意する工程、(b)は、ベース絶縁層、導体パターンおよびカバー絶縁層を、金属支持基板の上に順次積層する工程、(c)は、光導波路を、ベース絶縁層の上に形成する工程、(d)は、開口部を、端子形成部における金属支持基板に形成する工程、(e)は、ベース絶縁層および光導波路を、レーザ加工により、光導波路の先端部の端面が長手方向と交差するように切削する工程を示す。
【図5】ヘッドスライダ、磁気ヘッドおよび図1に示す回路付サスペンション基板が搭載されたハードディスクドライブが、光アシスト法を採用して、ハードディスクに情報を記録する状態の説明図である。
【図6】図1に示す回路付サスペンション基板の配線部における幅方向に沿う断面図であって、光導波路がカバー絶縁層の上に設けられる形態の断面図を示す。
【図7】図6に示す回路付サスペンション基板の製造工程を示す断面図であって、左側図は、図6に対応する配線部における幅方向に沿う断面図、右側図は、端子形成部における長手方向に沿う拡大断面図であり、(a)は、金属支持基板を用意する工程、(b)は、ベース絶縁層、導体パターンおよびカバー絶縁層を、金属支持基板の上に順次積層する工程、(c)は、光導波路を、カバー絶縁層の上に形成する工程、(d)は、開口部を、端子形成部における金属支持基板に形成する工程、(e)は、ベース絶縁層、カバー絶縁層および光導波路を、レーザ加工により、光導波路の先端部の端面が長手方向と交差するように切削する工程を示す。
【図8】図8に示す回路付サスペンション基板の製造工程を示す断面図であって、左側図は、配線部における幅方向に沿う断面図、右側図は、端子形成部における長手方向に沿う拡大断面図であり、(a)は、金属支持基板を用意する工程、(b)は、金属支持基板の上に、アンダークラッド層を兼ねるベース絶縁層を形成する工程、(c)は、ベース絶縁層の上に、導体パターンを形成する工程、(d)は、ベース絶縁層の上に、コア層を形成する工程、(e)は、ベース絶縁層の上に、導体パターンおよびコア層を被覆するように、オーバークラッド層を兼ねるカバー絶縁層を形成する工程、(f)は、開口部を、端子形成部における金属支持基板に形成する工程、(g)は、ベース絶縁層、コア層およびカバー絶縁層の先端部を、開口部側から、レーザ加工により、それらの先端部の端面が長手方向と交差するように切削する工程を示す。
【符号の説明】
【0088】
1 回路付サスペンション基板
7 開口部
9 搭載部
11 金属支持基板
12 ベース絶縁層
13 導体パターン
14 カバー絶縁層
19 光導波路
20 発光素子
21 端面
27 ヘッドスライダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属支持基板と、前記金属支持基板の上に形成されるベース絶縁層と、前記ベース絶縁層の上に形成される導体パターンと、前記ベース絶縁層の上に、前記導体パターンを被覆するように形成されるカバー絶縁層と、光導波路とを備えることを特徴とする、回路付サスペンション基板。
【請求項2】
前記光導波路が、前記ベース絶縁層または前記カバー絶縁層の上に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の回路付サスペンション基板。
【請求項3】
前記光導波路は、アンダークラッド層と、前記アンダークラッド層の上に形成され、前記アンダークラッド層よりも屈折率の高いコア層と、前記アンダークラッド層の上に、前記コア層を被覆するように形成され、前記コア層よりも屈折率の低いオーバークラッド層とを備え、
前記ベース絶縁層が前記アンダークラッド層を兼ねており、前記コア層が前記ベース絶縁層の上に形成されており、前記カバー絶縁層が前記オーバークラッド層を兼ねていることを特徴とする、請求項1に記載の回路付サスペンション基板。
【請求項4】
さらに、発光素子を備えており、
その発光素子が前記光導波路と光学的に接続されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の回路付サスペンション基板。
【請求項5】
ヘッドスライダを搭載するための搭載部を備え、
前記搭載部の近傍には、前記金属支持基板を厚み方向に貫通する開口部が形成されており、
前記光導波路は、その一端が前記発光素子と接続され、その他端が前記開口部に臨むように形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の回路付サスペンション基板。
【請求項6】
前記光導波路が、前記導体パターンが延びる方向に沿って配置されており、
前記発光素子が、前記金属支持基板の長手方向一方側に配置され、
前記搭載部が、前記金属支持基板の長手方向他方側に配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の回路付サスペンション基板。
【請求項7】
金属支持基板を用意して、前記金属支持基板の上に形成されるベース絶縁層と、前記ベース絶縁層の上に形成される導体パターンと、前記ベース絶縁層の上に、前記導体パターンを被覆するように形成されるカバー絶縁層とを形成する工程と、
光導波路を前記ベース絶縁層または前記カバー絶縁層の上に形成する工程と、
ヘッドスライダを搭載するための搭載部の近傍に、前記金属支持基板を厚み方向に貫通する開口部を形成する工程と、
前記ベース絶縁層および/またはカバー絶縁層と前記光導波路とを、前記開口部側から、前記光導波路の端面が前記光導波路が延びる方向と交差するように、切削する工程と
を備えることを特徴とする、回路付サスペンション基板の製造方法。
【請求項8】
金属支持基板を用意する工程と、
前記金属支持基板の上に、アンダークラッド層を兼ねるベース絶縁層を形成する工程と、
前記ベース絶縁層の上に、導体パターンを形成する工程と、
前記ベース絶縁層の上に、前記ベース絶縁層よりも屈折率の高いコア層を形成する工程と、
前記ベース絶縁層の上に、前記導体パターンおよび前記コア層を被覆するように、オーバークラッド層を兼ね、前記コア層よりも屈折率の低いカバー絶縁層を形成する工程と
を備えていることを特徴とする、回路付サスペンション基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−152899(P2008−152899A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−199996(P2007−199996)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】