説明

回転ダンパー

【課題】収容部内に残留する空気が減少することにより、組み付け易くなり、また、制動トルクのバラツキを少なくすることのできる回転ダンパーを提供する。
【解決手段】固定支持部材71の中心に中心軸73を設け、この中心軸73が回転可能に挿入される内側円筒壁63を被駆動回転部材61に設け、この被駆動回転部材61と固定支持部材71との間から粘性流体101が漏れるのを防止するOリング81を設け、中心軸73と内側円筒壁63の内周面との間に、収容部91が外へ通じる第1通路70を設け、収容部91内のOリング81の下側と第1通路70とを連通させる孔63cを、被駆動回転部材61に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被駆動回転部材と、この被駆動回転部材を回転自在に保持する固定支持部材とが相対的に回転するのを粘性流体の粘性抵抗によって制動する回転ダンパーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記した回転ダンパーとして、例えば、歯車やラックなどの駆動部材に係合する被駆動回転部を一体的に備えた被駆動回転部材と、この被駆動回転部材を回転自在に保持する固定支持部材と、この固定支持部材と被駆動回転部材との間に形成される、例えば、環状の収容部と、この収容部の外周端を、被駆動回転部材と固定支持部材とが相対的に回転可能に封止するシール部材と、収容部内に収容され、被駆動回転部材と固定支持部材とが相対的に回転するのを制動する粘性流体とで構成されているものが公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記した回転ダンパーは、固定支持部材の中心に、収容部を大気に連通させる開口(孔)を設け、被駆動回転部材と固定支持部材とを組み付けるときに収容部内に不要な(必要以上の)空気が溜まらないようにして組み付け易くし、また、粘性流体中に空気が混入しないようにしてトルク精度を一定にしている。
しかしながら、開口(孔)から粘性流体が漏れる対策、すなわち、開口(孔)を閉塞していないので、高温下で回転ダンパーを使用すると、開口(孔)から粘性流体が漏れ出すことがある。
そこで、開口(孔)から粘性流体が漏れることを考慮し、収容部を大気に連通させる開口(孔)を設けない回転ダンパーが提案されている(例えば、特許文献2〜特許文献5参照。)。
【0004】
また、下面中央にケーシングの凸部が嵌合する凹部を有するとともに、粘性流体が充填されたケーシング内に回動自在に配設される回転体に、一方の開口部が回転体の凹部に開口し、他方の開口部が回転体の外周面に開口するエア抜き通路を設けた回転ダンパーが提案されている(例えば、特許文献6参照。)。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2603574号公報
【特許文献2】実公平1−37236号公報
【特許文献3】特許第3421484号公報
【特許文献4】実用新案登録第2519149号公報
【特許文献5】特開平11−30261号公報
【特許文献6】特開平10−306836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、開口(孔)から粘性流体が漏れることを考慮して収容部を大気に連通させる開口(孔)を設けないと、収容部に空気が溜まることにより、組み付け性が悪くなるとともに、粘性流体中に空気が混入して制動トルクにバラツキが発生し、トルク精度が一定しなくなる(制動トルクむらが発生する。)。
また、特許文献6に記載されている回転ダンパーは、回転体の取付時に回転体の凹部に溜まる空気を、エア抜き通路を介して排出させることができるが、回転体を取り付けた後に蓋部材を取り付けると、蓋部材によってケーシング内に空気が閉じ込められる。
このように、ケーシング内に空気が閉じ込められると、制動トルクにバラツキが発生し、トルク精度が一定しなくなる。
【0007】
この発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、収容部内に残留する空気が減少することにより、組み付け易くなり、また、制動トルクのバラツキを少なく(トルク精度を一定に)することのできる回転ダンパーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、以下のような発明である。
(1)駆動部材に係合する被駆動回転部を一体的に備えた被駆動回転部材と、この被駆動回転部材を回転自在に保持する固定支持部材と、この固定支持部材と前記被駆動回転部材との間に形成される収容部と、この収容部内に収容され、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転するのを制動する粘性流体とからなる回転ダンパーにおいて、前記収容部の外周端を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転可能に封止するシール部材を設け、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との少なくとも一方に、前記収容部の前記シール部材よりも内側部分を大気に連通させる開口を設け、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とを組み付けた時または組み付けた後に前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との相対的な回転を阻害しないように前記開口を閉塞したことを特徴とする。
(2)(1)に記載の回転ダンパーにおいて、前記開口を閉塞する閉塞手段が、前記被駆動回転部材の先端開口部の溶着であることを特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載の回転ダンパーにおいて、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とを組み付けたとき、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向の間隔を規制する間隔規制部を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との少なくとも一方に設けたことを特徴とする。
(4)(3)に記載の回転ダンパーにおいて、前記固定支持部材の中心に中心軸を設け、前記被駆動回転部材に、前記中心軸が挿入される前記開口を有する筒状部を設け、この筒状部内に、溶融した前記筒状部部分が前記中心軸に接するのを規制する溶着規制部を設けたことを特徴とする。
(5)(4)に記載の回転ダンパーにおいて、前記溶着規制部が前記間隔規制部を兼ねていることを特徴とする。
(6)(1)から(5)のいずれか1つに記載の回転ダンパーにおいて、前記固定支持部材の中心に中心軸を設け、前記被駆動回転部材に、前記中心軸が挿入される前記開口を有する筒状部を設け、前記筒状部の内周と前記中心軸の外周との間に、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向へ移動するのを規制するとともに、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転可能な相補的係合部を設けたことを特徴とする。
(7)(1)から(5)のいずれか1つに記載の回転ダンパーにおいて、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向へ移動するのを規制するとともに、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転可能な係合部を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との外側部分に設けたことを特徴とする。
(8)駆動部材に係合する被駆動回転部を一体的に備えた被駆動回転部材と、この被駆動回転部材を回転自在に保持する固定支持部材と、この固定支持部材と前記被駆動回転部材との間に形成される収容部と、この収容部内に収容され、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転するのを制動する粘性流体とからなる回転ダンパーにおいて、前記固定支持部材の中心に中心軸を設け、この中心軸が回転可能に挿入される孔を前記被駆動回転部材に設け、この被駆動回転部材と前記固定支持部材との間から前記粘性流体が漏れるのを防止するシール部材を設け、前記中心軸と前記孔を形成する周面との間に、前記収容部が外へ通じる第1通路を設け、前記収容部内の前記シール部材の下側と前記第1通路とを連通させる第2通路を、前記被駆動回転部材に設けたことを特徴とする。
(9)駆動部材に係合する被駆動回転部を一体的に備えた被駆動回転部材と、この被駆動回転部材を回転自在に保持する固定支持部材と、この固定支持部材と前記被駆動回転部材との間に形成される収容部と、この収容部内に収容され、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転するのを制動する粘性流体とからなる回転ダンパーにおいて、前記固定支持部材の中心に中心軸を設け、この中心軸が回転可能に挿入される孔を前記被駆動回転部材に設け、この被駆動回転部材と前記固定支持部材との間から前記粘性流体が漏れるのを防止するシール部材を設け、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との間に、前記収容部が外へ通じる第1通路を設け、この第1通路に狭窄部を設けたことを特徴とする。
(10)(9)に記載の回転ダンパーにおいて、前記第1通路に、前記粘性流体が流れる方向へ前記狭窄部を複数設けたことを特徴とする。
(11)(9)または(10)に記載の回転ダンパーにおいて、前記第1通路を形成する上壁面を、上昇する傾斜面にしたことを特徴とする。
(12)駆動部材に係合する被駆動回転部を一体的に備えた被駆動回転部材と、この被駆動回転部材を回転自在に保持する固定支持部材と、この固定支持部材と前記被駆動回転部材との間に形成される収容部と、この収容部内に収容され、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転するのを制動する粘性流体とからなる回転ダンパーにおいて、前記固定支持部材の中心に中心軸を設け、この中心軸が回転可能に挿入される孔を前記被駆動回転部材に設け、この被駆動回転部材と前記固定支持部材との間から前記粘性流体が漏れるのを防止するシール部材を設け、前記収容部の外と前記収容部内の前記シール部材の下側とを連通させる第1通路を前記中心軸に設けたことを特徴とする。
(13)(8)から(12)のいずれか1つに記載の回転ダンパーにおいて、前記第1通路を、組立後に閉塞したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、被駆動回転部材と固定支持部材との少なくとも一方に、収容部のシール部材よりも内側部分を大気に連通させる開口を設け、被駆動回転部材と固定支持部材とを組み付けた時または組み付けた後に被駆動回転部材と固定支持部材との相対的な回転を阻害しないように開口を閉塞したので、収容部内に残留する空気が減少することにより、組み付け易くなり、粘性流体中に混入する空気が減少してトルク精度を一定にすることができるとともに、開口を閉塞する作業を別途必要とせず、組み付けを作業性よく行うことができる。
そして、開口を閉塞する閉塞手段を、被駆動回転部材の先端開口部の溶着としたので、開口を確実に閉塞し、粘性流体が開口から漏れるのを防止することができる。
さらに、被駆動回転部材と固定支持部材とを組み付けたとき、被駆動回転部材と固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向の間隔を規制する間隔規制部を、被駆動回転部材と固定支持部材との少なくとも一方に設けたので、被駆動回転部材と固定支持部材との間隔が変動しなくなり、トルク精度を一定にすることができる。
そして、固定支持部材の中心に中心軸を設け、被駆動回転部材に、中心軸が挿入される開口を有する筒状部を設け、この筒状部内に、溶融した筒状部部分が中心軸に接するのを規制する溶着規制部を設けたので、溶融した筒状部部分が中心軸に付着するのを阻止でき、被駆動回転部材と固定支持部材とを確実に回転させることができる。
さらに、溶着規制部が間隔規制部を兼ねているので、1つの構成部分に2つの機能を持たせることができ、機能に比して構成を簡単にすることができる。
そして、筒状部の内周と中心軸の外周との間に、被駆動回転部材と固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向へ移動するのを規制するとともに、被駆動回転部材と固定支持部材とが相対的に回転可能な相補的係合部を設けたので、固定支持部材に対して被駆動回転部材が抜け難くなり、また、スライダを使用するものの、2面割り金型で被駆動回転部材および固定支持部材を成形することができるようになり、また、被駆動回転部材と固定支持部材とが接触部分の少ない中心部分で接触することによって被駆動回転部材と固定支持部材との摩擦抵抗が少なくなるとともに、被駆動回転部材と固定支持部材との間に粘性流体が入り込むことにより、被駆動回転部材と固定支持部材との摩擦抵抗がさらに少なくなる。
また、被駆動回転部材と固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向へ移動するのを規制するとともに、被駆動回転部材と固定支持部材とが相対的に回転可能な係合部を、被駆動回転部材と固定支持部材との外側部分に設けたので、スライダを使用するものの、2面割り金型で被駆動回転部材および固定支持部材を成形することができるようになる。
この発明によれば、中心軸と孔を形成する周面との間に、収容部が外へ通じる第1通路を設け、収容部内のシール部材の下側と第1通路とを連通させる第2通路を、被駆動回転部材に設けたので、空気の溜まり易い収容部内のシール部材の下側に位置する空気を、第2通路および第1通路を介して収容部の外へ排出させることができる。
したがって、収容部内に残留する空気が減少することにより、制動トルクのバラツキが少なくなる。
また、この発明によれば、被駆動回転部材と固定支持部材との間に、収容部が外へ通じる第1通路を設け、この第1通路に狭窄部を設けたので、第1通路を移動する粘性流体の速度が狭窄部によって抑制され、空気の移動する速度が粘性流体に対して速くなることにより、空気が収容部の外へ排出され易くなる。
したがって、収容部内に残留する空気が減少することにより、制動トルクのバラツキが少なくなる。
そして、第1通路に、粘性流体が流れる方向へ狭窄部を複数設けたので、第1通路を移動する粘性流体の速度が複数の狭窄部によってさらに抑制され、空気の移動する速度が粘性流体に対してさらに速くなることにより、空気が収容部の外へ一層排出され易くなる。
したがって、収容部内に残留する空気がさらに減少することにより、制動トルクのバラツキがさらに少なくなる。
さらに、第1通路を形成する上壁面を、上昇する傾斜面にしたので、空気が上壁面伝いに上昇して収容部の外へより一層排出され易くなる。
したがって、収容部内に残留する空気がより一層減少することにより、制動トルクのバラツキがより一層少なくなる。
また、この発明によれば、収容部の外と収容部内のシール部材の下側とを連通させる第1通路を中心軸に設けたので、空気の溜まり易い収容部内のシール部材の下側に位置する空気を、第1通路を介して収容部の外へ排出させることができる。
したがって、収容部内に残留する空気が減少することにより、制動トルクのバラツキが少なくなる。
そして、第1通路を、組立後に閉塞したので、粘性流体の流出路がなくなることにより、粘性流体の収容部の外へ漏れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施例を図に基づいて説明する。
【0011】
図1はこの発明の第1実施例である回転ダンパーの分解正断面図、図2は図1に示した被駆動回転部材の平面図、図3は図1に示した固定支持部材の平面図、図4は図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとする組み付け途中の正断面図、図5は図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとする組み付け途中の平面図、図6は図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとし、被取付部材に回転ダンパーを取り付けた状態の正断面図である。
【0012】
図1において、Dは回転ダンパーを示し、合成樹脂製の被駆動回転部材11と、この被駆動回転部11を回転自在に保持する合成樹脂製の、ハウジングと称される固定支持部材21と、被駆動回転部材11に取り付けられ、被駆動回転部材11と固定支持部材21との間に形成される環状の収容部41(図4または図6を参照)の外周端を、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転可能に封止するシール部材として、例えば、シリコーンゴムやEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)などで適宜形成されたOリング31と、被駆動回転部材11と固定支持部材21とで形成される収容部41(図4または図6を参照)内に収容され、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転するのを制動する、グリースやシリコーンオイルなどの粘性流体51(図4または図6を参照)とで構成されている。
【0013】
上記した被駆動回転部材11は、例えば、歯車やラックなどの駆動部材に係合する被駆動回転部としての歯車部12(図2をも参照)と、この歯車部12の下側に一体的に設けられた保持フランジ部13と、歯車部12の中心を中心として保持フランジ部13の下側に一体的に設けられた外側円筒壁14と、この外側円筒壁14の下端外周に、保持フランジ部13に対向させて一体的に設けられ、外側円筒壁14の外周にOリング31を保持フランジ部13とで保持する保持フランジ部15と、歯車部12の中心を中心として歯車部12に一体的に設けられ、外側円筒壁14の内側に上下に貫通し、収容部41に連通する開口を有するとともに、先端(上端)が開口した筒状部である内側円筒壁16とで構成されている。
そして、内側円筒壁16の上端部外周には、周回する段部16sが設けられている。
さらに、内側円筒壁16の内周には、下端から上下方向の中央部分位まで延びる、例えば、60度の等間隔で6本の溝17と、この溝17の上側に位置し、後述する固定支持部材21の係止周回溝26とで相対的に回転可能な相補的係合部を形成する、上端が平面とされ、下端が下側へ進むにしたがって外側へ拡開する傾斜面とされた、例えば、180度の間隔で位置する係合突起18(図2をも参照)と、この係合突起18の上側に差し渡されて位置し、被駆動回転部材11と固定支持部材21とを組み付けたとき、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転する回転軸方向の間隔を規制するとともに、内側円筒壁16の上端部分を閉塞するために溶着した場合、溶融した内側円筒壁16の上端部分が凝固した閉塞部分16c(図6を参照)が、後述する固定支持部材21の中心軸25に接するのを規制する、間隔規制部を兼ねた溶着規制部19(図2をも参照)とが一体的に設けられている。
なお、保持フランジ部15の下端部外周、および、内側円筒壁16の下端部内周には、面取り加工が施されている。
【0014】
上記した固定支持部材21は、平面視円形の底壁22(図3をも参照)と、この底壁22の外縁に一体的に設けられた外側円筒壁23(図3をも参照)と、外側円筒壁23と同心で底壁22に設けられ、被駆動回転部材11の外側円筒壁14と内側円筒壁16とで形成される環状溝内へ挿入される内側円筒壁24(図3をも参照)と、底壁22の中心に一体的に設けられ、被駆動回転部材11の内側円筒壁16内へ挿入される中心軸25(図3をも参照)と、底壁22の外周に、例えば、180度の間隔で一体的に設けられた取付部27(図3をも参照)とで構成されている。
そして、外側円筒壁23には、内側下端に、被駆動回転部材11の保持フランジ部15を内側に回転可能に収容する下側段部23dが設けられ、内側上端に、被駆動回転部材11の保持フランジ部13を内側に回転可能に収容する上側段部23uが設けられている。
なお、中心軸25は、上端外周に面取り加工が施され、被駆動回転部材11の係合突起18に対応する高さの外周に、被駆動回転部材11の係合突起18とで相対的に回転可能な相補的係合部を形成する、上端が平面とされた係止周回溝26が設けられている。
また、取付部27は、底部22から一旦外側へ延びた後に上側へ延び、上端外側に保持爪28aを有する保持片28と、底部22から外側へ延び、保持爪28aとの間に保持する被取付部材、例えば、被取付板E(図6を参照)の間隔を有する保持突起29(図3を参照)とで構成されている。
【0015】
図4において、Hは溶着治具としてのヒートチップを示し、下端に、被駆動回転部材11の内側円筒壁16の上側を収容する球面の一部を形成する凹部cが設けられ、この凹部cの中心に、突起pが設けられている。
【0016】
次に、回転ダンパーDの組み付けの一例について説明する。
まず、図1に示すように、作業台の上に固定支持部材21を載置し、外側円筒壁23と内側円筒壁24とで形成される環状凹部内に所定量の粘性流体51を注入する。
そして、外側円筒壁14の外側に両保持フランジ部13,15でOリング31を保持させた被駆動回転部材11の下側を、中心軸25を内側円筒壁16内へ挿入するのをガイドとして固定支持部材21内へ挿入する。
このようにして被駆動回転部材11の下側を固定支持部材21内へ挿入すると、粘性流体51および空気は被駆動回転部材11と固定支持部材21とで圧縮されながら被駆動回転部材11と固定支持部材21との間を外側から内側へと移動し、溝17を通って内側円筒壁16と中心軸25との間へ進入する。
なお、空気は粘性流体51よりも速く移動するので、被駆動回転部材11と固定支持部材21とで形成される収容部41内に空気が残らなくなる。
【0017】
上記のようにして被駆動回転部材11の下側を固定支持部材21内へ挿入すると、保持フランジ部15は、図4に示すように、外側円筒壁23の内側に回転可能に挿入され、Oリング31は外側円筒壁23と外側円筒壁14との間を、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転可能に封止する。
また、中心軸25は、図4に示すように、内側円筒壁16内へ進入し、係合突起18を乗り越えて先端が溶着規制部19に衝合すると、係合突起18が係止周回溝26内に突入し、係合突起18が、図4に示すように、係止周回溝26に係合する。
【0018】
そして、図4に示すように、被駆動回転部材11を固定支持部材21に組み付けた状態で、ヒートチップHに電流を流して加熱させ、二点鎖線で示すように、内側円筒壁16の上端部分をヒートチップHの凹部c内へ入れ、ヒートチップHを押し下げることにより、内側円筒壁16の上端部分を溶融させて閉塞した後、ヒートチップHを空気で冷却して取り外すことにより、図6に示す状態の回転ダンパーDとすることができ、組み付け(組立)が終了する。
【0019】
次に、回転ダンパーDの取付の一例について説明する。
図6に示すように、被取付板Eに設けた孔h、すなわち、固定支持部材21の底壁22と同じ円形で、その180度の対向する外周位置に取付部27を挿入させることのできる切欠を有する孔を利用し、被取付板Eを保持爪28aと保持突起29とに挟持させることにより、回転ダンパーDを被取付板Eに取り付ける。
【0020】
次に、動作について説明する。
まず、歯車、ラックなどに噛み合う歯車部12が回転することによって被駆動回転部材11が回転すると、被駆動回転部材11と固定支持部材21との間に位置する粘性流体51の粘性抵抗およびせん断抵抗により、被駆動回転部材11の回転を制動する。
したがって、被駆動回転部材11の歯車部12が噛み合う歯車、ラックなどの回転または移動を制動し、歯車、ラックなどをゆっくりと回転または移動させる。
【0021】
上述したように、この発明の第1実施例によれば、被駆動回転部材11に収容部41の中心部分を大気に連通させる内側円筒壁16(開口)を設け、被駆動回転部材11と固定支持部材21とを組み付けた後に被駆動回転部材11と固定支持部材21との相対的な回転を阻害しないように内側円筒壁16(開口)を閉塞するので、収容部41内に残留する空気が減少することにより、組み付け易くなるとともに、粘性流体51中に混入する空気が減少してトルク精度を一定にすることができる。
そして、内側円筒壁16(開口)を閉塞する閉塞手段を、内側円筒壁16の上端部分(先端開口部、閉塞部材)の溶着としたので、閉塞部材を別途用意することなく内側円筒壁16(開口)を確実に閉塞し、粘性流体51が内側円筒壁16(開口)から漏れるのを防止することができる。
さらに、被駆動回転部材11と固定支持部材21とを組み付けたとき、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転する回転軸方向の間隔を規制する間隔規制部(溶着規制部19)を、被駆動回転部材11に設けたので、被駆動回転部材11と固定支持部材21との間隔が変動しなくなり、トルク精度を一定にすることができる。
そして、固定支持部材21の中心に中心軸25を設け、被駆動回転部材11に、中心軸25が挿入される開口を有する内側円筒壁16(筒状部)を設け、この内側円筒壁16内に、溶融した内側円筒壁16の上端部分が中心軸25に接するのを規制する溶着規制部19を設けたので、溶融した内側円筒壁16の上端部分が中心軸25に付着するのを阻止でき、被駆動回転部材11と固定支持部材21とを確実に回転させることができる。
さらに、溶着規制部19が間隔規制部を兼ねているので、1つの構成部分に2つの機能を持たせることができ、機能に比して構成を簡単にすることができる。
そして、内側円筒壁16の内周と中心軸25の外周との間に、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転する回転軸方向へ移動するのを規制するとともに、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転可能な、係合部としての相補的係合部(係合突起18、係止周回溝26)を設けたので、固定支持部材21に対して被駆動回転部材11が抜け難くなり、また、スライダを使用するものの、2面割り金型で被駆動回転部材11および固定支持部材21を成形することができるようになり、また、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが接触部分の少ない中心部分で接触することによって被駆動回転部材11と固定支持部材21との摩擦抵抗が少なくなるとともに、被駆動回転部材11と固定支持部材21との間に粘性流体51が入り込むことにより、被駆動回転部材11と固定支持部材21との摩擦抵抗がさらに少なくなる。
また、外側円筒壁14に保持フランジ部15を設けたので、外側円筒壁14からOリング31が抜く落ちなくなることにより、組み付け作業を作業性よく行うことができる。
そして、内側円筒壁16の内周に溝17を設けたので、収容部41内の空気が溝17を伝って内側円筒壁16から大気へと放出されることにより、また、収容部41内の粘性流体51が溝17を伝って内側円筒壁16と内側円筒壁24との間へ入ることにより、収容部41内に残留する空気がさらに減少することにより、さらに組み付け易くなるとともに、粘性流体51中に混入する空気がさらに減少してトルク精度をさらに一定にすることができる。
【0022】
図7はこの発明の第2実施例である回転ダンパーの正断面図であり、図1〜図6と同一または相当部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0023】
図7において、13Aは保持フランジ部を示し、歯車部12との間に、後述する外側円筒壁23Aの係合爪23iが通過できるように所定の間隔が設けられている。
23Aは底壁22の外縁に一体的に設けられた外側円筒壁を示し、上端内側に、上側が内側へ下降する傾斜とされて内側へ突出し、被駆動回転部材11の保持フランジ部13Aの上面に回転可能に係合する係合爪23iが所定間隔、例えば、90度分割で円周方向へ4つ設けられている。
上記した保持フランジ部13Aと係合爪23iとは、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転可能な係合部を構成している。
なお、この第2実施例の回転ダンパーDにおける他の部分は、第1実施例と同じ構成とされている。
【0024】
次に、回転ダンパーDの組み付けの一例について説明する。
まず、図1に示すように、作業台の上に固定支持部材21を載置し、外側円筒壁23Aと内側円筒壁24とで形成される環状凹部内に所定量の粘性流体51を注入する。
そして、外側円筒壁14の外側に両保持フランジ部13A,15でOリング31を保持させた被駆動回転部材11の下側を、中心軸25を内側円筒壁16内へ挿入するのをガイドとして固定支持部材21内へ挿入する。
このようにして被駆動回転部材11の下側を固定支持部材21内へ挿入すると、粘性流体51および空気は被駆動回転部材11と固定支持部材21とで圧縮されながら被駆動回転部材11と固定支持部材21との間を外側から内側へと移動し、溝17を通って内側円筒壁16と中心軸25との間へ進入する。
なお、空気は粘性流体51よりも速く移動するので、被駆動回転部材11と固定支持部材21とで形成される収容部41内に空気が残らなくなる。
【0025】
上記のようにして被駆動回転部材11の下側を固定支持部材21内へ挿入すると、図7に示すように、保持フランジ部15は外側円筒壁23Aの内側に回転可能に挿入され、Oリング31は外側円筒壁23Aと外側円筒壁14との間を、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転可能に封止し、係合爪23iは拡開して保持フランジ部13Aを乗り越えた後に縮閉することにより、保持フランジ部13Aの上面に回転可能に係合する。
また、中心軸25は、図7に示すように、内側円筒壁16内へ進入し、係合突起18を乗り越えて先端が溶着規制部19に衝合すると、係合突起18が係止周回溝26内に突入し、係合突起18が係止周回溝26に係合する。
【0026】
そして、図4に示すように、被駆動回転部材11を固定支持部材21に組み付けた状態で、ヒートチップHに電流を流して加熱させ、二点鎖線で示すように、内側円筒壁16の上端部分をヒートチップHの凹部c内へ入れ、ヒートチップHを押し下げることにより、内側円筒壁16の上端部分を溶融させて閉塞した後、ヒートチップHを空気で冷却して取り外すことにより、図7に示す状態の回転ダンパーDとすることができ、組み付け(組立)が終了する。
【0027】
この第2実施例における回転ダンパーDの取付、動作は、第1実施例と同じになるので、説明を省略する。
【0028】
この第2実施例においても、第1実施例と同様な効果を得ることができる。
そして、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転可能な係合部(保持フランジ部13A、係合爪23i)を、被駆動回転部材11と固定支持部材21との外側部分に設けたので、スライダを使用するものの、2面割り金型で被駆動回転部材11および固定支持部材21を成形することができる。
【0029】
図8はこの発明の第3実施例である回転ダンパーの正断面図であり、図1〜図7と同一または相当部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0030】
図8において、13Bは歯車部12の下側に一体的に設けられた保持フランジ部を示し、外縁に、一旦外側へ延びた後に下側へ延びるL字状で、下端内側が上側から下側へ拡開する傾斜とされて後述する外側円筒壁23Bの周回係止部23oに係合する係合爪13cが所定間隔、例えば、90度分割で円周方向へ4つ設けられている。
23Bは底壁22の外縁に一体的に設けられた外側円筒壁を示し、上端外側に、上側が外側へ下降する傾斜面とされて外側へ突出し、被駆動回転部材11の保持フランジ部13Bの係合爪13cが下面に回転可能に係合する周回係止部23oが設けられている。
上記した係合爪13cと周回係止部23oとは、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転可能な係合部を構成している。
なお、この第3実施例の回転ダンパーDにおける他の部分は、第1実施例と同じ構成とされている。
【0031】
この第3実施例における回転ダンパーDの組み付けは第2実施例と同様に行うことででき、また、この第3実施例における回転ダンパーDの取付、動作は、第1実施例と同じになるので、その説明を省略する。
そして、この第3実施例においても、第2実施例と同様な効果を得ることができる。
【0032】
図9はこの発明の第4実施例である回転ダンパーの分解正断面図、図10は図9に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとした状態の正断面図であり、図1〜図8と同一または相当部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
図9において、16Xは下方に開放した内側有底円筒壁を示し、内側に溝17および係合突起18が設けられている。
25Aは中心軸を示し、中心に貫通孔25tが設けられている。
そして、中心軸25Aの高さ(長さ)は、被駆動回転部材11を固定支持部材21に組み付けると、内側有底円筒壁16Xの底が上端面に当接して貫通孔25tを閉塞する高さ(長さ)とされている。
したがって、先端開口部、閉塞部材としての内側有底円筒壁16Xに、間隔規制部を兼ねさせることができる。
【0034】
この第4実施例における回転ダンパーDの組み付けは第1実施例(ヒートチップHを用いた溶着を除く。)と同様に行うことにより、図10に示すように、組み付けることができる。
なお、この第4実施例における回転ダンパーDの取付、動作は、第1実施例と同じになるので、その説明を省略する。
【0035】
この第4実施例においても、第1実施例と同様な効果を得ることができる。
そして、被駆動回転部材11と固定支持部材21とを組み付けたときに貫通孔25t(開口)を閉塞する構成にしたので、貫通孔25t(開口)を閉塞する作業を別途必要せず、組み付けを作業性よく行うことができる。
さらに、内側有底円筒壁16Xが閉塞部材を兼ねているので、1つの構成部分に2つの機能を持たせることができ、機能に比して構成を簡単にすることができる。
【0036】
図11はこの発明の第5実施例である回転ダンパーの正断面図であり、図1〜図10と同一または相当部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0037】
この第5実施例が第4実施例と異なるところは、被駆動回転部材11を固定支持部材21に組み付けた状態で、内側有底円筒壁16Xの底が中心軸25Aの上端面から離れている点と、被駆動回転部材11と固定支持部材21とを組み付けた後に貫通孔25t(開口)の開放端(下端)を溶着によって閉塞する点とである。
この第5実施例においても、第1実施例と同様な効果を得ることができる。
【0038】
図12はこの発明の第6実施例である回転ダンパーの分解正断面図、図13(a)は図12に示した被駆動回転部材の平面図、図13(b)は図12に示した被駆動回転部材の底面図、図13(c)は図12のA−A線による断面図、図14は図12に示した固定支持部材の平面図、図15は図12に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとする組み付け途中の正断面図、図16は図12に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとする組み付け途中の平面図、図17は図12に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとし、被取付部材に回転ダンパーを取り付けた状態の正断面図である。
【0039】
図12において、Dは回転ダンパーを示し、合成樹脂製の被駆動回転部材61と、この被駆動回転部材61を回転自在に保持する合成樹脂製の、ハウジングと称される固定支持部材71と、被駆動回転部材61に取り付けられ、被駆動回転部材61と固定支持部材71との間に形成される環状の収容部91(図4または図6を参照)の外周端を、被駆動回転部材61と固定支持部材71とが相対的に回転可能に封止するシール部材として、例えば、シリコーンゴムやEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)などで適宜形成されたOリング81と、被駆動回転部材61と固定支持部材71とで形成される収容部91(図15または図17を参照)内に収容され、被駆動回転部材61と固定支持部材71とが相対的に回転するのを制動する、グリースやシリコーンオイルなどの粘性流体101(図15または図17を参照)とで構成されている。
【0040】
上記した被駆動回転部材61は、例えば、歯車やラックなどの駆動部材に係合する被駆動回転部としての歯車部62(図13(a),(b)をも参照)と、この歯車部62の中心を中心として歯車部62を貫通するように歯車部62に設けられた内側円筒壁(軸部)63(図13(a)〜(c)をも参照)と、この内側円筒壁63の下端外周に、歯車部62に対向させて設けられ、内側円筒壁63の外周にOリング81を歯車部62とで保持する、歯車部62と同心で平面視円形の収容部91(図15または図17を参照)に挿入されるローター部66(図13(b),(c)をも参照)とで構成されている。
そして、内側円筒壁63の上端部は、薄肉にされて外側に周回する段部63a(図13(a)をも参照)が設けられている。
さらに、内側円筒壁63の内周には、下端から上下方向の中央部分位まで、例えば、90度の等間隔で延びる4本の溝63b(図13(b),(c)をも参照)と、この溝63bの上側に位置し、固定支持部材71の係止周回溝73aとで相対的に回転可能な相補的係合部を形成する、上端が平面とされ、下端が下側へ進むにしたがって外側へ拡開する傾斜面とされ、例えば、180度の間隔で位置する係合突起64(図13(a),(b)をも参照)と、この係合突起64の上側に差し渡されて位置し、被駆動回転部材61と固定支持部材71とを組み付けたとき、被駆動回転部材61と固定支持部材71とが相対的に回転する回転軸方向の間隔を規制するとともに、内側円筒壁63の上端部分を閉塞するために溶着した場合、溶融した内側円筒壁63の上端部分が凝固した閉塞部分63d(図17を参照)が、固定支持部材71の中心軸73に接するのを規制する、間隔規制部を兼ねた溶着規制部65(図13(a),(b)をも参照)とが設けられている。
さらに、内側円筒壁63には、例えば、ローター部66の上端部分を180度の間隔で半径方向へ延びる孔(第2通路)63c(図13(c)をも参照)が設けられている。
上記したローター部66は、平面視円形のフランジ部67(図13(b),(c)をも参照)と、このフランジ部67の下側にIカット状に突出する突出傾斜部68(図13(b)をも参照)とで構成されている。
そして、突出傾斜部68の下面(上壁面)68aは、中心(内側円筒壁63)へ向かって上昇する傾斜面(図13(b)をも参照)とされている。
【0041】
上記した固定支持部材71は、平面視円形で、内側底面が中心へ向かって上昇する底壁72(図14をも参照)と、この底壁72の内側の中心に設けられ、被駆動回転部材61の内側円筒壁63(孔)内へ挿入される中心軸73(図14をも参照)と、底壁72の外縁に設けられた外側円筒壁74(図14をも参照)と、この外側円筒壁74の外周に、例えば、180度の間隔で設けられた取付部75(図14をも参照)とで構成されている。
そして、底壁72の内側には、中心軸73を中心とする同心の段部72aが複数、例えば、3つ(段)設けられている。
そして、中心軸73には、上端外周に面取り加工が施され、被駆動回転部材61の係合突起64に対応する高さの外周に、被駆動回転部材61の係合突起64とで相対的に回転可能な相補的係合部を形成する、上端が平面とされた係止周回溝73aが設けられている。
上記した取付部75は、外側円筒壁74から一旦外側へ延びた後に上側へ延び、上端外側に保持爪76aを有する保持片76(図14をも参照)と、外側円筒壁74から外側へ延び、保持爪76aとの間に保持する被取付部材、例えば、被取付板E(図17を参照)の間隔を有する保持突起77(図14参照)とで構成されている。
【0042】
なお、粘性流体101は、被駆動回転部材61と、固定支持部材71と、Oリング81とで形成される収容部91内を満たす(図15または図17を参照)。
そして、固定支持部材71の中心軸73が回転可能に挿通される孔は、内側円筒壁63によって形成される。
そして、粘性流体101で満たされる収容部91を固定支持部材71の外へ連通させる第1通路70は、固定支持部材71を構成する底壁72の内側面および中心軸73の外周面と、被駆動回転部材61を構成する内側円筒壁63の内周面および突出傾斜部68の下面68aとによって形成される(図15または図17を参照)。
そして、第1通路70の狭窄部70a(図15または図17を参照)は、底壁72に設けた段部72aの上外側へ突出するエッジ(角部)と、突出傾斜部68の下面68aとによって形成される。
【0043】
図15において、Hは溶着治具としてのヒートチップを示し、下端に、被駆動回転部材61の内側円筒壁63の上側を収容する球面の一部を形成する凹部cが設けられ、この凹部cの中心に、下側へ突出する突起が設けられている。
【0044】
次に、回転ダンパーDの組立の一例について説明する。
まず、図12に示すように、作業台の上に固定支持部材71を載置し、底壁72と外側円筒壁74とで形成される凹部内に所定量の粘性流体101を注入する。
そして、内側円筒壁63の外側に歯車部62とローター部66とでOリング81を保持させた被駆動回転部材61の下側を、中心軸73を内側円筒壁63内へ挿入するのをガイドとして固定支持部材71内へ挿入する。
このようにして被駆動回転部材61の下側、すなわち、歯車部62よりも下側を固定支持部材71内へ挿入すると、粘性流体101および空気は、底壁72とローター部66との間の第1通路70を通って中心軸73と内側円筒壁63との間へ進入するとともに、外側円筒壁74とローター部66との間を上昇してOリング81の下側を通って孔(第2通路)63cから中心軸73と内側円筒壁63との間の第1通路70へと進入する。
【0045】
このように、粘性流体101および空気が移動する場合、空気は粘性流体101よりも速く移動するので、被駆動回転部材61、固定支持部材71およびOリング81で形成される収容部91内に空気が残らなくなる。
また、第1通路70に狭窄部70aが設けられているので、第1通路70を移動する粘性流体101の速度が狭窄部70aによって抑制され、空気の移動する速度が粘性流体101に対して速くなることにより、空気が収容部91の外へ排出され易くなる。
さらに、外側円筒壁74、内側円筒壁63およびローター部66で形成される空間、すなわち、収容部91内のOリング81の下側が孔(第2通路)63cで第1通路70に連通しているので、この収容部91内に空気が残らなくなる。
【0046】
上記のようにして被駆動回転部材61の下側を固定支持部材71内へ挿入すると、ローター部66は、図15に示すように、外側円筒壁74の内側に回転可能に挿入され、Oリング81は外側円筒壁74と内側円筒壁63との間を、被駆動回転部材61と固定支持部材71とが相対的に回転可能に封止する。
また、中心軸73は、内側円筒壁63内へ進入し、係合突起64を乗り越えて先端が溶着規制部65に衝合すると、係合突起64が係止周回溝73a内に突入し、係止周回溝73aに係合する。
【0047】
そして、図15に示すように、被駆動回転部材61を固定支持部材71に組み付けた状態で、ヒートチップHに電流を流して加熱させ、二点鎖線で示すように、内側円筒壁63の上端部分をヒートチップHの凹部c内へ入れ、ヒートチップHを押し下げることにより、内側円筒壁63の上端部分を溶融させて閉塞部分63dとし、第1通路70を閉塞した後、ヒートチップHを空気で冷却して取り外すことにより、図17に示す状態の回転ダンパーDとすることができ、組立が終了する。
【0048】
次に、回転ダンパーDの取付の一例について説明する。
図17に示すように、被取付板Eに設けられた孔h、すなわち、固定支持部材71の外側円筒壁74と同じ円形で、その180度の対向する外周位置に取付部75を挿入させることのできる切欠を有する孔を利用し、被取付板Eを保持爪76aと保持突起77とに挟持させることにより、回転ダンパーDを被取付板Eに取り付ける。
【0049】
次に、動作について説明する。
まず、歯車、ラックなどに噛み合う歯車部62が回転することによって被駆動回転部材61が回転すると、被駆動回転部材61と固定支持部材71との間に位置する粘性流体101の粘性抵抗およびせん断抵抗により、被駆動回転部材61の回転を制動する。
したがって、被駆動回転部材61の歯車部62が噛み合う歯車、ラックなどの回転または移動を制動し、歯車、ラックなどをゆっくりと回転または移動させる。
【0050】
上述したように、この発明の第6実施例によれば、中心軸73と内側円筒壁63の内周面との間に収容部91が外へ通じる第1通路70を設け、収容部91内のOリング81の下側と第1通路70とを連通させる孔(第2通路)63cを被駆動回転部材61に設けたので、空気の溜まり易い収容部91内のOリング81の下側に位置する空気を、孔(第2通路)63cおよび第1通路70を介して収容部91の外へ排出させることができる。
したがって、収容部内91に残留する空気が減少することにより、制動トルクのバラツキが少なくなる。
また、被駆動回転部材61と固定支持部材71との間に収容部91が外へ通じる第1通路70を設け、この第1通路70に狭窄部70aを設けたので、第1通路70を移動する粘性流体101の速度が狭窄部70aによって抑制され、空気の移動する速度が粘性流体に対して速くなることにより、空気が収容部91の外へ排出され易くなる。
したがって、収容部91内に残留する空気が減少することにより、制動トルクのバラツキが少なくなる。
そして、第1通路70に、粘性流体101が流れる方向へ狭窄部70aを複数設けたので、第1通路70を移動する粘性流体101の速度が複数の狭窄部70aによってさらに抑制され、空気の移動する速度が粘性流体101に対してさらに速くなることにより、空気が収容部91の外へ一層排出され易くなる。
したがって、収容部91内に残留する空気がさらに減少することにより、制動トルクのバラツキがさらに少なくなる。
さらに、第1通路70を形成する上壁面(突出傾斜部68の下面68a)を、上昇する傾斜面にしたので、空気が上壁面伝いに上昇して収容部91の外へより一層排出され易くなる。
したがって、収容部91内に残留する空気がより一層減少することにより、制動トルクのバラツキがより一層少なくなる。
そして、第1通路70を、組立後に閉塞したので、粘性流体101の流出路がなくなることにより、粘性流体101の収容部91の外へ漏れを防止することができる。
【0051】
上記した実施例では、被駆動回転部材11,61と固定支持部材21,71とを組み付けたとき、被駆動回転部材11,61と固定支持部材21,71とが相対的に回転する回転軸方向の間隔を規制する間隔規制部(溶着規制部19,35)を、被駆動回転部材11,61に設けた構成の例を示したが、図4および図6に示すように、保持フランジ部13が当接する外側円筒壁23の上側段部23uを間隔規制部とすることもできる。
また、内側円筒壁16,63に係合突起18,64を設け、中心軸25,73に係止周回溝26,73aを設けた相補的係合部の例を示したが、内側円筒壁に係止周回溝を設け、中心軸に係合突起を設けて相補的係合部を構成してもよい。
また、シール部材をOリング31,81とした例を示したが、シール部材は、相対的に回転可能な凹部と凸部、さらには、その凸部を軟質材を用いて二色成形したものであってもよい。
また、第1〜第4、第6実施例の中心軸25,73に、第5実施例における貫通孔25tを設け、この貫通孔25tを組み付けた後に溶着によって閉塞してもよい。
また、係合爪23iの撓み量を確保したい場合は、Oリング31が圧接してシールする外側円筒壁23Aの上側部分に、係合爪23iの左右に対応させてスリットを設けることにより、外側円筒壁23の一部を撓ませるようにするとよい。
また、係合部を、係合突起18,64と係止周回溝26,73aとで構成したり(第1、第4、第5、第6実施例)、または、保持フランジ部13Aと係合爪23iとで構成したり(第2実施例)、または、係合爪13cと周回係止部23oとで構成した例(第3実施例)を示したが、いずれの係合部を用いることができる。
また、収容部91内のOリング81の下側と第1通路70とを連通させる第2通路(孔63c)を、ローター部66の上側の内側円筒壁63の部分に設けた例を示したが、この第2通路は、ローター部66の上端部分にかかるように、または、ローター部66の上端に設けてもよい。
また、ローター部66をフランジ部67と突出傾斜部68とで構成し、突出傾斜部68の下面68aを傾斜面とした例を示したが、ローター部66全体を突出傾斜部として、突出傾斜部の下面を、中心(内側円筒壁63)に向かって上昇する円錐面としてもよい。
また、内側円筒壁63の上端部分を閉塞する例を示したが、粘性流体101が第1通路70から固定支持部材71の外へ漏れなければ、内側円筒壁63の上端部分は閉塞しなくてもよい。
また、第1通路70の狭窄部70aを、底壁72に段部12aを設けることによって形成した例を示したが、底壁72の内側底面を円錐面とし、突出傾斜部68に段部を設けることによって第1通路70に狭窄部を設けてもよい。
さらに、円筒状の凹部を有する固定支持部材本体、この固定支持部材本体の開口面を閉塞し、周縁が固定支持部材本体にシールされて取り付けられるキャップで構成された円筒状の凹部を有する固定支持部材と、この固定支持部材内に充填される粘性流体と、固定支持部材内の粘性流体内にローター部が回転可能に挿入されるとともに、中心軸がキャップの中心から外(固定支持部材外)へ突出する被駆動回転部材と、中心軸の外側(被駆動回転部材)とキャップの内側(固定支持部材)との間から粘性流体が漏れるのを防止するシール部材(Oリング)とで構成される通常の回転ダンパーにも、この発明の第6実施例を適用することができる。
このように、通常の回転ダンパーにこの発明の第6実施例を適用する場合、横孔(第2通路63cに相当する横方向の孔)と、内側円筒壁63が有する孔(上下方向の孔)の横孔よりも上側で、横孔に連通する縦孔(上下方向の孔)とによって構成(形成)される、縦断面がL字状または逆T字状の第1通路を中心軸に設け、この第1通路を組み立てた時または組み立てた後に閉塞すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明の第1実施例である回転ダンパーの分解正断面図である。
【図2】図1に示した被駆動回転部材の平面図である。
【図3】図1に示した固定支持部材の平面図である。
【図4】図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとする組み付け途中の正断面図である。
【図5】図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとする組み付け途中の平面図である。
【図6】図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとし、被取付部材に回転ダンパーを取り付けた状態の正断面図である。
【図7】この発明の第2実施例である回転ダンパーの正断面図である。
【図8】この発明の第3実施例である回転ダンパーの正断面図である。
【図9】この発明の第4実施例である回転ダンパーの分解正断面図である。
【図10】図9に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとした状態の正断面図である。
【図11】この発明の第5実施例である回転ダンパーの正断面図である。
【図12】この発明の第6実施例である回転ダンパーの分解正断面図である。
【図13】(a)は図12に示した被駆動回転部材の平面図、(b)は図12に示した被駆動回転部材の底面図、(c)は図12のA−A線による断面図である。
【図14】図12に示した固定支持部材の平面図である。
【図15】図12に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとする組み付け途中の正断面図である。
【図16】図12に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとする組み付け途中の平面図である。
【図17】図12に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとし、被取付部材に回転ダンパーを取り付けた状態の正断面図である。
【符号の説明】
【0053】
D 回転ダンパー
11 被駆動回転部材
12 歯車部(被駆動回転部)
13 保持フランジ部
13A 保持フランジ部(係合部)
13B 保持フランジ部
13c 係合爪
14 外側円筒壁
15 保持フランジ部
16 内側円筒壁(開口、筒状部、先端開口部)
16X 内側有底円筒壁(閉塞部材、間隔規制部)
16s 段部
16c 閉塞部分
17 溝
18 係合突起(相補的係合部)
19 溶着規制部(間隔規制部)
21 固定支持部材(ハウジング)
22 底壁
23 外側円筒壁
23A 外側円筒壁
23B 外側円筒壁
23d 下側段部
23u 上側段部
23i 係合爪(係合部)
23o 周回係止部(係合部)
24 内側円筒壁
25 中心軸
25A 中心軸
25t 貫通孔
26 係止周回溝(相補的係合部)
27 取付部
28 保持片
28a 保持爪
29 保持突起
31 Oリング(シール部材)
41 収容部
51 粘性流体
61 被駆動回転部材
62 歯車部(被駆動回転部)
63 内側円筒壁(孔、軸部)
63a 段部
63b 溝
63c 孔(第2通路)
63d 閉塞部分
64 係合突起(相補的係合部)
65 溶着規制部(間隔規制部)
66 ローター部
67 フランジ部
68 突出傾斜部
68a 下面(上壁面)
70 第1通路
70a 狭窄部
71 固定支持部材(ハウジング)
72 底壁
72a 段部
73 中心軸
73a 係止周回溝(相補的係合部)
74 外側円筒壁(孔、軸部)
75 取付部
76 保持片
76a 保持爪
77 保持突起
81 Oリング(シール部材)
91 収容部
101 粘性流体
H ヒートチップ(溶着治具)
c 凹部
p 突起
E 被取付板(被取付部材)
h 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部材に係合する被駆動回転部を一体的に備えた被駆動回転部材と、
この被駆動回転部材を回転自在に保持する固定支持部材と、
この固定支持部材と前記被駆動回転部材との間に形成される収容部と、
この収容部内に収容され、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転するのを制動する粘性流体と、
からなる回転ダンパーにおいて、
前記収容部の外周端を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転可能に封止するシール部材を設け、
前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との少なくとも一方に、前記収容部の前記シール部材よりも内側部分を大気に連通させる開口を設け、
前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とを組み付けた時または組み付けた後に前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との相対的な回転を阻害しないように前記開口を閉塞した、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項2】
請求項1に記載の回転ダンパーにおいて、
前記開口を閉塞する閉塞手段が、前記被駆動回転部材の先端開口部の溶着である、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の回転ダンパーにおいて、
前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とを組み付けたとき、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向の間隔を規制する間隔規制部を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との少なくとも一方に設けた、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項4】
請求項3に記載の回転ダンパーにおいて、
前記固定支持部材の中心に中心軸を設け、
前記被駆動回転部材に、前記中心軸が挿入される前記開口を有する筒状部を設け、
この筒状部内に、溶融した前記筒状部部分が前記中心軸に接するのを規制する溶着規制部を設けた、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項5】
請求項4に記載の回転ダンパーにおいて、
前記溶着規制部が前記間隔規制部を兼ねている、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転ダンパーにおいて、
前記固定支持部材の中心に中心軸を設け、
前記被駆動回転部材に、前記中心軸が挿入される前記開口を有する筒状部を設け、
前記筒状部の内周と前記中心軸の外周との間に、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向へ移動するのを規制するとともに、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転可能な相補的係合部を設けた、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転ダンパーにおいて、
前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向へ移動するのを規制するとともに、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転可能な係合部を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との外側部分に設けた、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項8】
駆動部材に係合する被駆動回転部を一体的に備えた被駆動回転部材と、
この被駆動回転部材を回転自在に保持する固定支持部材と、
この固定支持部材と前記被駆動回転部材との間に形成される収容部と、
この収容部内に収容され、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転するのを制動する粘性流体と、
からなる回転ダンパーにおいて、
前記固定支持部材の中心に中心軸を設け、
この中心軸が回転可能に挿入される孔を前記被駆動回転部材に設け、
この被駆動回転部材と前記固定支持部材との間から前記粘性流体が漏れるのを防止するシール部材を設け、
前記中心軸と前記孔を形成する周面との間に、前記収容部が外へ通じる第1通路を設け、
前記収容部内の前記シール部材の下側と前記第1通路とを連通させる第2通路を、前記被駆動回転部材に設けた、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項9】
駆動部材に係合する被駆動回転部を一体的に備えた被駆動回転部材と、
この被駆動回転部材を回転自在に保持する固定支持部材と、
この固定支持部材と前記被駆動回転部材との間に形成される収容部と、
この収容部内に収容され、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転するのを制動する粘性流体と、
からなる回転ダンパーにおいて、
前記固定支持部材の中心に中心軸を設け、
この中心軸が回転可能に挿入される孔を前記被駆動回転部材に設け、
この被駆動回転部材と前記固定支持部材との間から前記粘性流体が漏れるのを防止するシール部材を設け、
前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との間に、前記収容部が外へ通じる第1通路を設け、
この第1通路に狭窄部を設けた、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項10】
請求項9に記載の回転ダンパーにおいて、
前記第1通路に、前記粘性流体が流れる方向へ前記狭窄部を複数設けた、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の回転ダンパーにおいて、
前記第1通路を形成する上壁面を、上昇する傾斜面にした、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項12】
駆動部材に係合する被駆動回転部を一体的に備えた被駆動回転部材と、
この被駆動回転部材を回転自在に保持する固定支持部材と、
この固定支持部材と前記被駆動回転部材との間に形成される収容部と、
この収容部内に収容され、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転するのを制動する粘性流体と、
からなる回転ダンパーにおいて、
前記固定支持部材の中心に中心軸を設け、
この中心軸が回転可能に挿入される孔を前記被駆動回転部材に設け、
この被駆動回転部材と前記固定支持部材との間から前記粘性流体が漏れるのを防止するシール部材を設け、
前記収容部の外と前記収容部内の前記シール部材の下側とを連通させる第1通路を前記中心軸に設けた、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項13】
請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の回転ダンパーにおいて、
前記第1通路を、組立後に閉塞した、
ことを特徴とする回転ダンパー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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