回転工具
【課題】工具ビットに与える回転トルクを容易に変更することができ、作業性を向上させることができる回転工具を提供すること。
【解決手段】回転工具1は、ロータの回転力を受けて回転する回転主軸と、ロータに流体を供給する流体供給路21と、流体供給路21を開閉するための開閉弁5と、開閉弁5に係合し、開閉弁5を開動作させる第1操作部6及び第2操作部7とを有している。回転主軸は、その先端部に工具ビットを取り付ける取付部を備えており、ロータ、回転主軸の一部、流体供給路21及び開閉弁5は、ハウジング2内に内蔵されている。第1操作部6と第2操作部7とは、開閉弁5を開動作させたときの開閉弁5の開度を互いに異ならせるよう構成されている。
【解決手段】回転工具1は、ロータの回転力を受けて回転する回転主軸と、ロータに流体を供給する流体供給路21と、流体供給路21を開閉するための開閉弁5と、開閉弁5に係合し、開閉弁5を開動作させる第1操作部6及び第2操作部7とを有している。回転主軸は、その先端部に工具ビットを取り付ける取付部を備えており、ロータ、回転主軸の一部、流体供給路21及び開閉弁5は、ハウジング2内に内蔵されている。第1操作部6と第2操作部7とは、開閉弁5を開動作させたときの開閉弁5の開度を互いに異ならせるよう構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エア等の流体を駆動源としてドライバ等の工具ビットを回転させて作業可能な回転工具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、種々の組付部品の組付を行う際には、作業者の負担を低減させるために、エア等の流体を駆動源として用い、先端部に取り付けたドライバ等の工具ビットを回転させて作業可能な回転工具が多用されている。
この回転工具としては、例えば、特許文献1に開示された締付け工具がある。この締付け工具は、ケース内にロータを備えた駆動軸を回転自在に支持しており、ケースの後端部には、操作レバーの基部を枢着している。そして、操作レバーによるスイッチの押込み動作により、エア供給源からケース内にエアが供給され、このエアによってロータが回転し、駆動軸に取り付けた工具ビットが回転駆動される。
また、従来より、回転工具が発生させる回転トルクを調整するために、ケースの適宜箇所にトルク調整つまみを設けることが行われている。
【0003】
しかしながら、従来のトルク調整つまみは、作業者が片手で回転工具を把持したときに、同じ手では調整することができない位置に配置されている。そして、組付部品において、例えば締め付けるボルトのサイズ等により目標回転トルクの異なる作業箇所が混在する場合には、その都度調整つまみを調整する必要がある。このとき、トルク調整つまみの調整は、回転工具を把持していない逆の手を使って行う必要があり、作業性を悪化させる要因となっていた。
そのため、回転トルクを容易に変更することができる回転工具の開発が望まれていた。
【0004】
【特許文献1】特開平10−109275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、工具ビットに与える回転トルクを容易に変更することができ、作業性を向上させることができる回転工具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、先端部に工具ビットを取り付ける取付部を備え、ロータの回転力を受けて回転する回転主軸と、
上記ロータに流体を供給する流体供給路と、
該流体供給路を開閉するための開閉弁と、
上記回転主軸、上記流体供給路及び上記開閉弁を内蔵してなるハウジングと、
上記開閉弁に係合し、該開閉弁を開動作させる操作部とを有する回転工具において、
上記操作部は、複数設けてあり、該各操作部は、上記開閉弁を開動作させたときの該開閉弁の開度を互いに異ならせるよう構成してあることを特徴とする回転工具にある(請求項1)。
【0007】
本発明の回転工具は、上記開閉弁を開動作させる操作部を複数有しており、各操作部において開動作を行ったときの開閉弁の開度を互いに異ならせている。そのため、上記工具ビットによって作業を行う際には、以下のように優れた作用効果を呈することができる。
【0008】
すなわち、上記回転工具を使用する際には、作業者は、上記回転主軸の先端部における取付部に、作業対象に見合った種々の工具ビットを取り付ける。そして、回転工具は、流体の供給源に配管等によって接続され、上記流体供給路には流体が供給される。また、作業者が操作部を操作していないときには、上記開閉弁が流体供給路を閉じており、回転主軸の回転は停止している。
【0009】
そして、作業者がいずれかの操作部を操作し、開閉弁を開動作させたときには、流体供給路から上記ロータに流体が供給され、ロータが回転することによって回転主軸が回転し、工具ビットによって作業を行うことができる。
次いで、目標回転トルクが異なる他の部位の作業を行う際には、作業者は、上記いずれかの操作部とは異なる他の操作部を操作する。このとき、他の操作部によって開動作を行った開閉弁の開度は、上記いずれかの操作部によって開動作を行った開閉弁の開度とは異なる。これにより、回転工具は、上記いずれかの操作部を操作したときの回転トルクとは異なる回転トルクを発生させることができる。
【0010】
そのため、作業者は、操作する操作部を変更するだけで、工具ビットに与える回転トルクを変更することができる。そのため、例えば、作業対象において発生させる目標回転トルクの異なる作業箇所が混在する場合においても、作業者は、把持する操作部を変更するだけで対応することができる。そして、作業者は、回転トルクを変更するために両手を使って行う必要がなく、作業性を向上させることができる。
それ故、本発明の回転工具によれば、工具ビットに与える回転トルクを容易に変更することができ、作業性を向上させることができる。
【0011】
第2の発明は、先端部に工具ビットを取り付ける取付部を備え、ロータの回転力を受けて回転する回転主軸と、
上記ロータに流体を供給する流体供給路と、
該流体供給路を開閉するための開閉弁と、
上記回転主軸、上記流体供給路及び上記開閉弁を内蔵してなるハウジングと、
上記開閉弁に係合し、該開閉弁を開動作させる操作部とを有する回転工具において、
上記操作部は、上記ハウジングに設けた回動支点部を中心に回動し上記開閉弁を開動作させる回動レバーと、上記回動支点部に対する位置又は上記回動レバーの裏面からの突出量を変更して上記回動レバーの回動量を調整可能な調整ストッパーとを備えており、該調整ストッパーの上記位置又は上記突出量を変更することによって、上記開閉弁を開動作させたときの該開閉弁の開度を変更可能であることを特徴とする回転工具にある(請求項6)。
【0012】
本発明の回転工具は、上記回動レバーの回動量を調整可能な調整ストッパーを備えており、上記開閉弁を開動作させたときの開閉弁の開度を変更可能にしている。
そのため、作業者は、作業対象のある部位の作業を行った後に、目標回転トルクが異なる他の部位の作業を行う際には、上記回動支点部に対する上記調整ストッパーの位置又は上記回動レバーの裏面からの調整ストッパーの突出量を調整する。これにより、上記回転レバーによって上記開閉弁を開動作させたときの開閉弁の開度を変更することができ、回転工具は、上記作業対象のある部位の作業を行ったときの回転トルクとは異なる回転トルクを発生させることができる。
【0013】
そのため、作業者は、調整ストッパーの位置又は突出量を変更するだけで、工具ビットに与える回転トルクを変更することができる。そして、例えば、作業対象において発生させる目標回転トルクの異なる作業箇所が混在する場合においても、調整ストッパーの位置又は突出量を変更するだけで対応することができる。そのため、作業者は、調整ストッパーの位置又は突出量を変更するために、両手を使って行う必要がなく、作業性を向上させることができる。
それ故、本発明の回転工具によっても、工具ビットに与える回転トルクを容易に変更することができ、作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
上述した第1、第2発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記第1、第2の発明において、上記工具ビットとしては、ソケット、レンチ、ドライバ、研磨刃、ドリル刃、リーマ刃、グラインダー等がある。
【0015】
また、上記操作部は、上記開閉弁の開度を全閉にする全閉位置から、該開閉弁の開度を全開にする全開位置へ操作可能な第1操作部と、上記全閉位置から該全閉位置と上記全開位置との間の中間位置へ操作可能な第2操作部とからなることが好ましい(請求項2)。この場合には、上記第1操作部及び第2操作部の2つの操作部により、開閉弁を開動作させたときに、最大回転トルクと、これよりも小さい回転トルクとを発生させることができる。そのため、回転工具の簡単な構造により、2種類の回転トルクを容易に発生させることができる。
【0016】
また、上記第2操作部は、上記中間位置を調整可能であることが好ましい(請求項3)。この場合には、上記最大回転トルクよりも小さい回転トルクを適宜必要な大きさに変更することができる。
【0017】
また、上記第1操作部は、上記開閉弁の開閉動作方向に配設された押込み片から構成し、上記第2操作部は、上記ハウジングに設けた回動支点部を中心に回動し、上記開閉弁を開動作させる回動レバーから構成することが好ましい(請求項4)。この場合には、上記押込み片を上記全閉位置から全開位置へ押し込み、開閉弁を開動作させたときには、開閉弁の開度を全開にすることができる。また、上記回転レバーを上記全閉位置から中間位置へ回動させ、開閉弁を開動作させたときには、開閉弁の開度を所定の大きさの開度にすることができる。そのため、回転工具の簡単な構造により、2種類の回転トルクを容易に発生させることができる。
【0018】
また、上記第2操作部は、上記回動支点部に対する位置又は上記回動レバーの裏面からの突出量を変更して上記回動レバーの回動量を調整可能な調整ストッパーを備えており、該調整ストッパーの上記位置又は上記突出量を変更することによって、上記中間位置を所定位置に固定するよう構成することが好ましい(請求項5)。この場合には、作業者は、上記調整ストッパーの位置又は突出量を変更することが容易であり、例えば回転レバーを操作する側の手と同じ手で調整ストッパーを操作することができる。これにより、回動レバーの中間位置を容易に変更することができ、この中間位置を容易に所定位置に固定することができる。
【実施例】
【0019】
以下に、本発明の回転工具にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
(実施例1)
本例の回転工具1は、図1〜図4に示すごとく、作業者の簡単な操作により、異なる大きさの回転トルクを発生させる工夫を行ったものである。
すなわち、回転工具1は、図1、図2に示すごとく、流体によって回転するロータ31と、このロータ31の回転力を受けて回転する回転主軸32と、ロータ31に流体を供給する流体供給路21と、この流体供給路21を開閉するための開閉弁5と、この開閉弁5に係合し、開閉弁5を開動作させる第1操作部6及び第2操作部7とを有している。
【0020】
また、回転主軸32は、その先端部に工具ビット4を取り付ける取付部33を備えており、ロータ31、回転主軸32の一部、流体供給路21及び開閉弁5は、ハウジング2内に内蔵されている。
また、第1操作部6と第2操作部7とは、開閉弁5を開動作させたときの開閉弁5の開度を互いに異ならせるよう構成されている。
以下に、これを詳説する。
【0021】
図1〜図4に示すごとく、本例の流体は空気であり、上記回転工具1は、空気によって操作する空気回転工具1である。また、上記工具ビット4は、六角ボルトの頭部に係合するソケット又はキャップボルトの六角形状の凹部に係合する六角レンチである。
【0022】
図2に示すごとく、上記ロータ31は、円筒形状を有しており、その外周面に複数の回転羽根(図示略)を有している。そして、回転羽根に流体が衝突することによって、回転主軸32を回転させる回転力を発生させる。また、上記開閉弁5の開度によって、上記流体供給路21から供給される流体の流量(圧力)が変化することにより、ロータ31が発生させる回転力が変化する。
また、上記回転主軸32は、ロータ31の先端部側に連結されており、ロータ31の回転力を受けて回転し、その取付部33に取り付けた工具ビット4を回転させるよう構成されている。
【0023】
図1に示すごとく、上記開閉弁5は、上記流体供給路21をその途中で遮断又は開通させるようハウジング2内にスライド可能に配設されている。そして、開閉弁5は、その開度を全閉にしたときには、流体供給路21の上流側部分と下流側部分とを遮断し、一方、その開度を全開にしたときには、流体供給路21の上流側部分と下流側部分とを連通させる。
【0024】
また、開閉弁5は、上記押込み片6のスライドピン部61を固定した側と反対側に、開閉弁5を閉じる方向に付勢し、押込み片6を全閉位置Cにスライドさせる開閉弁付勢バネ51を配設してなる。そして、いずれかの操作部を操作して開閉弁5の開動作を行った後には、開閉弁5は、開閉弁付勢バネ51の付勢力によって閉じられ、押込み片6は、全閉位置Cにスライドする。
【0025】
図1に示すごとく、本例の第1操作部6は、開閉弁5の開閉動作方向に配設された押込み片6を用いて構成されており、第2操作部7は、ハウジング2に設けた回動支点部(回動支持部)22を中心に回動し、開閉弁5を開動作させる回動レバー7を用いて構成されている。押込み片6は、開閉弁5の開度を全閉にする全閉位置C(図1参照)から、開閉弁5の開度を全開にする全開位置O(図3参照)へ操作可能であり、回動レバー7は、全閉位置Cから全閉位置Cと全開位置Oとの間の中間位置M(図4参照)へ操作可能である。
【0026】
図1に示すごとく、本例の押込み片6は、ハウジング2に形成されたスライド穴24内をスライド可能なスライドピン部61と、このスライドピン部61の外方端部において拡径して形成された押圧部62とからなる。スライドピン部61はスライド穴24内に挿通配置されており、押圧部62はハウジング2の外部に配置されている。また、スライドピン部61の内方端部は、上記開閉弁5に固定されている。
また、ハウジング2は、筒形状を有しており、上記回動レバー7は、ハウジング2の軸方向Lに沿って配設されている。
【0027】
図1に示すごとく、本例の回動レバー7は、その後端部に、ハウジング2の回動支点部22に回動可能に支持された回動軸部71を形成してなり、回動軸部71よりも先端側の位置において、開閉弁5と係合するよう構成されている。本例の回動レバー7は、押込み片6のスライドピン部61に係合して開閉弁5を開動作させるよう構成されている。すなわち、スライドピン部61は、一般部611を有すると共に、その押圧部62側の部分に一般部611よりも縮径してなる縮径部612を有しており、一般部611と縮径部612との間に段差部613を形成してなる。また、回動レバー7は、スライドピンの縮径部612を挿通するための挿通穴72を形成してなる。
【0028】
また、スライドピン部61の縮径部612は、回動レバー7の挿通穴72内に挿通されており、図4に示すごとく、回動レバー7を回動支点部22を中心に回動させると、挿通穴72の外縁部がスライドピン部61の段差部613に当接する。これにより、回動レバー7を回動操作すると、押込み片6がスライドし、開閉弁5を開動作させることができる。
【0029】
また、図1に示すごとく、回動レバー7は、回動支点部22に対する位置を変更して、当該回動レバー7の回動量を調整可能な調整ストッパー8を備えている。この調整ストッパー8は、回動レバー7において、上記挿通穴72の形成位置よりも先端側に配設されている。また、本例の回動レバー7には、ハウジング2の軸方向Lに向けた複数箇所にねじ穴73が形成されており、本例の調整ストッパー8は、いずれかのねじ穴73にボルト80を螺合して形成されており、ボルト80を螺合するねじ穴73を変更することによって回動支点部22に対する位置を変更するよう構成されている。
そして、作業者が回動レバー7を回動させたときには、ボルト80の先端部がハウジング2に当接することにより、回動レバー7の回動位置を上記中間位置Mに固定することができる。
【0030】
また、図1、図2に示すごとく、上記ハウジング2の後端部には、流体としての空気を上記流体供給路21に取り込むための流体入口部23が形成されている。
また、回転工具1は、回動レバー7の配設位置に、作業者が把持するための把持部11を有している。
また、ハウジング2に設けた回動支点部22には、回動レバー7を全閉位置Cに付勢するレバー付勢手段(図示略)が配設されている。このレバー付勢手段は、ねじりコイルバネ等によって構成することができる。
【0031】
本例の回転工具1は、上記開閉弁5を開動作させる第1操作部6及び第2操作部7を有しており、各操作部6、7において開動作を行ったときの開閉弁5の開度を互いに異ならせている。そのため、回転工具1に取り付けた工具ビット4によって作業を行う際には、以下のように優れた作用効果を呈することができる。また、本例においては、工具ビット4はボルトの頭部に係合するソケット又はレンチであり、組付部品に対して2種類のボルトの締付けを行うよう2種類準備してある。そして、以下に、大きいサイズの第1ボルトに係合する工具ビット4を第1工具ビット4といい、第1ボルトよりも小さいサイズの第2ボルトに係合する工具ビット4を第2工具ビット4という。
【0032】
回転工具1を使用して、組付部品にボルトの締付けを行う際には、作業者は、上記回転主軸32の取付部33に、大きいサイズの第1ボルトを締め付けるための第1工具ビット4を取り付ける。そして、作業者は、回転工具1の流体入口部23には、配管等を介して流体の供給源を接続する。このとき、上記流体供給路21には流体が供給される。
また、図1に示すごとく、作業者が各操作部6、7を操作していないときには、各操作部6、7は全閉位置Cにあると共に開閉弁5の開度が全閉になっている。これにより開閉弁5によって流体供給路21が閉じられており、回転主軸32の回転は停止している。
【0033】
そして、図3に示すごとく、作業者が、回転工具1における把持部11を把持することによって第1操作部6としての押込み片6を押し込み、これを全閉位置Cから全開位置Oへスライドさせたときには、開閉弁5の開度が全開になる。これにより、流体供給路21から上記ロータ31に流体が供給され、ロータ31が最大回転数で回転することによって回転主軸32が最大回転数で回転する。こうして、第1工具ビット4に最大回転トルクを発生させることができ、第1工具ビット4によって第1ボルトの締付け作業を行うことができる。
なお、上記最大回転数又は最大回転トルクとは、流体供給路21に供給された流体の圧力によって生じる最大の回転数又は回転トルクのことをいう。
【0034】
次いで、第1ボルトとは目標締付トルクが異なる第2ボルトの締付け作業を行う際には、作業者は、回転工具1の取付部33から第1工具ビット4を取り外し、取付部33に第2工具ビット4を取り付ける。
そして、図4に示すごとく、作業者が、回転工具1における把持部11を把持することによって第2操作部7としての回動レバー7を回動させ、これを全閉位置Cから中間位置Mへ回動させたときには、押込み片6が、全閉位置Cと全開位置Oとの間の中間位置Mまでスライドし、開閉弁5の開度が所定の開度になる。
【0035】
これにより、流体供給路21から上記ロータ31に流体が供給され、ロータ31が所定の大きさの回転数で回転することによって回転主軸32が所定の大きさの回転数で回転する。こうして、第2工具ビット4に所定の大きさの回転トルクを発生させることができ、第2工具ビット4によって第2ボルトの締付け作業を行うことができる。
また、回転工具1は、第2操作部7を操作したときには、第1操作部6を操作したときの回転トルクとは異なる回転トルクを発生させることができる。
【0036】
このように、作業者は、操作する操作部6、7を変更するだけで、工具ビット4に与える回転トルクを変更することができる。そのため、例えば、組付部品において発生させる目標締付トルクの異なる作業箇所が混在する場合においても、作業者は、把持する操作部6、7を変更するだけで対応することができる。そして、作業者は、回転トルクを変更するために両手を使って行う必要がなく、作業性を向上させることができる。
それ故、本例の回転工具1によれば、工具ビット4に与える回転トルクを容易に変更することができ、作業性を向上させることができる。
【0037】
(実施例2)
本例の回転工具1は、図5〜図8に示すごとく、上記第1操作部6を備えておらず、上記第2操作部7としての回動レバー7における調整ストッパー8の調整を容易にしたことにより、上記開閉弁5の開度を容易に変更し、異なる回転トルクを発生させるようにしている。
すなわち、図5、図6に示すごとく、本例の回転工具1は、第1操作部6としての押込み片6の代わりに、開閉弁5に固定され、回動レバー7と係合する係合スライドピン63を有している。そして、回動レバー7を回動させたときには、係合スライドピン63及び開閉弁5がスライドする。
【0038】
また、本例の回動レバー7は、調整ストッパー8をハウジング2の軸方向Lに移動可能にするためのストッパー係合部74を有している。また、本例の調整ストッパー8は、ストッパー本体部81と、このストッパー本体部81に対する突出量を変更可能な突出部82とを有している。
【0039】
また、図6に示すごとく、本例のストッパー係合部74は、ストッパー本体部81を軸方向Lにスライド可能に配置する長穴部741と、長穴部741の側方に形成され、突出部82を配置するよう回動レバー7の軸方向Lに複数並列形成された配置溝部742とからなる。本例の複数の配置溝部742は、回動レバー7の軸方向Lに向けて連続的に形成してなる波型形状を有している。また、突出部82は、付勢バネ(図示略)による付勢力を受けてストッパー本体部81から突出するよう構成されている。
そして、作業者が回動レバー7を回動させたときには、突出部82がいずれかの配置溝部742内に配置された状態で、ストッパー本体部81の先端部がハウジング2に当接することにより、回動レバー7の回動位置を上記中間位置Mに固定することができる。
【0040】
また、調整ストッパー8の位置を調整して、回動レバー7の中間位置Mを変更する際には、作業者は、調整ストッパー8をハウジング2の軸方向Lにスライドさせる。このとき、突出部82が付勢バネによる付勢力に抗して、隣接する別の配置溝部742に配置される。これにより、図7、図8に示すごとく、回動レバー7によって上記開閉弁5を開動作させたときの開閉弁5の開度を簡単に変更することができる。そのため、作業者は、回動レバー7を操作する手と同じ手で調整ストッパー8の位置を変更することができ、作業性を向上させることができる。
なお、図8において、調整ストッパー8を開閉弁5から最も遠い位置にしたときには、回動レバー7が開閉弁5を全開にする全開位置Oになるようにすることもできる。
【0041】
それ故、本例の回転工具1によっても、工具ビット4に与える回転トルクを容易に変更することができ、作業性を向上させることができる。
本例においても、その他は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0042】
(実施例3)
本例の回転工具1は、上記実施例2と同様に、上記第1操作部6を備えておらず、上記第2操作部7としての回動レバー7における調整ストッパー8の調整を容易にしたことにより、上記開閉弁5の開度を容易に変更し、異なる回転トルクを発生させるようにしている。そして、本例の調整ストッパー8は、回動レバー7の裏面からの突出量を変更して、回動レバー7の回動量を調整するよう構成されている。また、本例の回転工具1は、第1操作部6としての押込み片6の代わりに、上記係合スライドピン63を有している。
【0043】
すなわち、図9〜図11に示すごとく、調整ストッパー8を、回動レバー7に固定した固定本体部83と、この固定本体部83に対してハウジング2と対向する方向に押込み可能な押込み部84とによって構成する。また、押込み部84は、その内方端部が回動レバー7の裏面(ハウジング2に対向する面)から突出する突出量を変更可能であり、その外方端部に押込み操作するための押込み操作部841を形成してなる。
【0044】
そして、押込み部84を押圧すると、その内方端部が回動レバー7の裏面から突出し、再び押込み部84を押圧すると、その内方端部が回動レバー7の裏面から回動レバー7内に引き込まれる。
これにより、図10に示すごとく、押込み部84の内方端部が回動レバー7の裏面から突出したときに、回動レバー7を操作して開閉弁5を開動作させると、回動レバー7が中間位置Mで止まり、開閉弁5の開度を所定の開度にして、回転工具1は、所定の大きさの回転トルクを発生させることができる。
【0045】
一方、図11に示すごとく、押込み部84の内方端部を回動レバー7内に引き込んだときに、回動レバー7を操作して開閉弁5を開動作させると、回動レバー7が全開位置Oで止まり、開閉弁5の開度を全開にして、回転工具1は、最大回転トルクを発生させることができる。
本例においても、その他は上記実施例2と同様であり、上記実施例2と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施例1における、第1操作部及び第2操作部が全閉位置にあり、開閉弁が流体供給路を閉じている状態を示す断面説明図。
【図2】実施例1における、回転工具を示す説明図。
【図3】実施例1における、第1操作部が全開位置にあり、開閉弁が流体供給路を全開にしている状態を示す断面説明図。
【図4】実施例1における、第2操作部が中間位置にあり、開閉弁が流体供給路を所定開度で開けている状態を示す断面説明図。
【図5】実施例2における、第2操作部が全閉位置にあり、開閉弁が流体供給路を閉じている状態を示す断面説明図。
【図6】実施例2における、第2操作部を示す説明図。
【図7】実施例2における、第2操作部を操作して、開閉弁が流体供給路を所定開度で開けている状態を示す断面説明図。
【図8】実施例2における、第2操作部を操作して、開閉弁が流体供給路を所定開度で開けている状態を示す断面説明図。
【図9】実施例3における、第2操作部が全閉位置にあり、開閉弁が流体供給路を閉じている状態を示す断面説明図。
【図10】実施例3における、第2操作部が中間位置にあり、開閉弁が流体供給路を所定開度で開けている状態を示す断面説明図。
【図11】実施例3における、第2操作部が全開位置にあり、開閉弁が流体供給路を全開にしている状態を示す断面説明図。
【符号の説明】
【0047】
1 回転工具
2 ハウジング
21 流体供給路
22 回動支点部
31 ロータ
32 回転主軸
33 取付部
4 工具ビット
5 開閉弁
6 第1操作部(押込み片)
7 第2操作部(回動レバー)
8 調整ストッパー
O 全開位置
C 全閉位置
M 中間位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、エア等の流体を駆動源としてドライバ等の工具ビットを回転させて作業可能な回転工具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、種々の組付部品の組付を行う際には、作業者の負担を低減させるために、エア等の流体を駆動源として用い、先端部に取り付けたドライバ等の工具ビットを回転させて作業可能な回転工具が多用されている。
この回転工具としては、例えば、特許文献1に開示された締付け工具がある。この締付け工具は、ケース内にロータを備えた駆動軸を回転自在に支持しており、ケースの後端部には、操作レバーの基部を枢着している。そして、操作レバーによるスイッチの押込み動作により、エア供給源からケース内にエアが供給され、このエアによってロータが回転し、駆動軸に取り付けた工具ビットが回転駆動される。
また、従来より、回転工具が発生させる回転トルクを調整するために、ケースの適宜箇所にトルク調整つまみを設けることが行われている。
【0003】
しかしながら、従来のトルク調整つまみは、作業者が片手で回転工具を把持したときに、同じ手では調整することができない位置に配置されている。そして、組付部品において、例えば締め付けるボルトのサイズ等により目標回転トルクの異なる作業箇所が混在する場合には、その都度調整つまみを調整する必要がある。このとき、トルク調整つまみの調整は、回転工具を把持していない逆の手を使って行う必要があり、作業性を悪化させる要因となっていた。
そのため、回転トルクを容易に変更することができる回転工具の開発が望まれていた。
【0004】
【特許文献1】特開平10−109275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、工具ビットに与える回転トルクを容易に変更することができ、作業性を向上させることができる回転工具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、先端部に工具ビットを取り付ける取付部を備え、ロータの回転力を受けて回転する回転主軸と、
上記ロータに流体を供給する流体供給路と、
該流体供給路を開閉するための開閉弁と、
上記回転主軸、上記流体供給路及び上記開閉弁を内蔵してなるハウジングと、
上記開閉弁に係合し、該開閉弁を開動作させる操作部とを有する回転工具において、
上記操作部は、複数設けてあり、該各操作部は、上記開閉弁を開動作させたときの該開閉弁の開度を互いに異ならせるよう構成してあることを特徴とする回転工具にある(請求項1)。
【0007】
本発明の回転工具は、上記開閉弁を開動作させる操作部を複数有しており、各操作部において開動作を行ったときの開閉弁の開度を互いに異ならせている。そのため、上記工具ビットによって作業を行う際には、以下のように優れた作用効果を呈することができる。
【0008】
すなわち、上記回転工具を使用する際には、作業者は、上記回転主軸の先端部における取付部に、作業対象に見合った種々の工具ビットを取り付ける。そして、回転工具は、流体の供給源に配管等によって接続され、上記流体供給路には流体が供給される。また、作業者が操作部を操作していないときには、上記開閉弁が流体供給路を閉じており、回転主軸の回転は停止している。
【0009】
そして、作業者がいずれかの操作部を操作し、開閉弁を開動作させたときには、流体供給路から上記ロータに流体が供給され、ロータが回転することによって回転主軸が回転し、工具ビットによって作業を行うことができる。
次いで、目標回転トルクが異なる他の部位の作業を行う際には、作業者は、上記いずれかの操作部とは異なる他の操作部を操作する。このとき、他の操作部によって開動作を行った開閉弁の開度は、上記いずれかの操作部によって開動作を行った開閉弁の開度とは異なる。これにより、回転工具は、上記いずれかの操作部を操作したときの回転トルクとは異なる回転トルクを発生させることができる。
【0010】
そのため、作業者は、操作する操作部を変更するだけで、工具ビットに与える回転トルクを変更することができる。そのため、例えば、作業対象において発生させる目標回転トルクの異なる作業箇所が混在する場合においても、作業者は、把持する操作部を変更するだけで対応することができる。そして、作業者は、回転トルクを変更するために両手を使って行う必要がなく、作業性を向上させることができる。
それ故、本発明の回転工具によれば、工具ビットに与える回転トルクを容易に変更することができ、作業性を向上させることができる。
【0011】
第2の発明は、先端部に工具ビットを取り付ける取付部を備え、ロータの回転力を受けて回転する回転主軸と、
上記ロータに流体を供給する流体供給路と、
該流体供給路を開閉するための開閉弁と、
上記回転主軸、上記流体供給路及び上記開閉弁を内蔵してなるハウジングと、
上記開閉弁に係合し、該開閉弁を開動作させる操作部とを有する回転工具において、
上記操作部は、上記ハウジングに設けた回動支点部を中心に回動し上記開閉弁を開動作させる回動レバーと、上記回動支点部に対する位置又は上記回動レバーの裏面からの突出量を変更して上記回動レバーの回動量を調整可能な調整ストッパーとを備えており、該調整ストッパーの上記位置又は上記突出量を変更することによって、上記開閉弁を開動作させたときの該開閉弁の開度を変更可能であることを特徴とする回転工具にある(請求項6)。
【0012】
本発明の回転工具は、上記回動レバーの回動量を調整可能な調整ストッパーを備えており、上記開閉弁を開動作させたときの開閉弁の開度を変更可能にしている。
そのため、作業者は、作業対象のある部位の作業を行った後に、目標回転トルクが異なる他の部位の作業を行う際には、上記回動支点部に対する上記調整ストッパーの位置又は上記回動レバーの裏面からの調整ストッパーの突出量を調整する。これにより、上記回転レバーによって上記開閉弁を開動作させたときの開閉弁の開度を変更することができ、回転工具は、上記作業対象のある部位の作業を行ったときの回転トルクとは異なる回転トルクを発生させることができる。
【0013】
そのため、作業者は、調整ストッパーの位置又は突出量を変更するだけで、工具ビットに与える回転トルクを変更することができる。そして、例えば、作業対象において発生させる目標回転トルクの異なる作業箇所が混在する場合においても、調整ストッパーの位置又は突出量を変更するだけで対応することができる。そのため、作業者は、調整ストッパーの位置又は突出量を変更するために、両手を使って行う必要がなく、作業性を向上させることができる。
それ故、本発明の回転工具によっても、工具ビットに与える回転トルクを容易に変更することができ、作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
上述した第1、第2発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記第1、第2の発明において、上記工具ビットとしては、ソケット、レンチ、ドライバ、研磨刃、ドリル刃、リーマ刃、グラインダー等がある。
【0015】
また、上記操作部は、上記開閉弁の開度を全閉にする全閉位置から、該開閉弁の開度を全開にする全開位置へ操作可能な第1操作部と、上記全閉位置から該全閉位置と上記全開位置との間の中間位置へ操作可能な第2操作部とからなることが好ましい(請求項2)。この場合には、上記第1操作部及び第2操作部の2つの操作部により、開閉弁を開動作させたときに、最大回転トルクと、これよりも小さい回転トルクとを発生させることができる。そのため、回転工具の簡単な構造により、2種類の回転トルクを容易に発生させることができる。
【0016】
また、上記第2操作部は、上記中間位置を調整可能であることが好ましい(請求項3)。この場合には、上記最大回転トルクよりも小さい回転トルクを適宜必要な大きさに変更することができる。
【0017】
また、上記第1操作部は、上記開閉弁の開閉動作方向に配設された押込み片から構成し、上記第2操作部は、上記ハウジングに設けた回動支点部を中心に回動し、上記開閉弁を開動作させる回動レバーから構成することが好ましい(請求項4)。この場合には、上記押込み片を上記全閉位置から全開位置へ押し込み、開閉弁を開動作させたときには、開閉弁の開度を全開にすることができる。また、上記回転レバーを上記全閉位置から中間位置へ回動させ、開閉弁を開動作させたときには、開閉弁の開度を所定の大きさの開度にすることができる。そのため、回転工具の簡単な構造により、2種類の回転トルクを容易に発生させることができる。
【0018】
また、上記第2操作部は、上記回動支点部に対する位置又は上記回動レバーの裏面からの突出量を変更して上記回動レバーの回動量を調整可能な調整ストッパーを備えており、該調整ストッパーの上記位置又は上記突出量を変更することによって、上記中間位置を所定位置に固定するよう構成することが好ましい(請求項5)。この場合には、作業者は、上記調整ストッパーの位置又は突出量を変更することが容易であり、例えば回転レバーを操作する側の手と同じ手で調整ストッパーを操作することができる。これにより、回動レバーの中間位置を容易に変更することができ、この中間位置を容易に所定位置に固定することができる。
【実施例】
【0019】
以下に、本発明の回転工具にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
(実施例1)
本例の回転工具1は、図1〜図4に示すごとく、作業者の簡単な操作により、異なる大きさの回転トルクを発生させる工夫を行ったものである。
すなわち、回転工具1は、図1、図2に示すごとく、流体によって回転するロータ31と、このロータ31の回転力を受けて回転する回転主軸32と、ロータ31に流体を供給する流体供給路21と、この流体供給路21を開閉するための開閉弁5と、この開閉弁5に係合し、開閉弁5を開動作させる第1操作部6及び第2操作部7とを有している。
【0020】
また、回転主軸32は、その先端部に工具ビット4を取り付ける取付部33を備えており、ロータ31、回転主軸32の一部、流体供給路21及び開閉弁5は、ハウジング2内に内蔵されている。
また、第1操作部6と第2操作部7とは、開閉弁5を開動作させたときの開閉弁5の開度を互いに異ならせるよう構成されている。
以下に、これを詳説する。
【0021】
図1〜図4に示すごとく、本例の流体は空気であり、上記回転工具1は、空気によって操作する空気回転工具1である。また、上記工具ビット4は、六角ボルトの頭部に係合するソケット又はキャップボルトの六角形状の凹部に係合する六角レンチである。
【0022】
図2に示すごとく、上記ロータ31は、円筒形状を有しており、その外周面に複数の回転羽根(図示略)を有している。そして、回転羽根に流体が衝突することによって、回転主軸32を回転させる回転力を発生させる。また、上記開閉弁5の開度によって、上記流体供給路21から供給される流体の流量(圧力)が変化することにより、ロータ31が発生させる回転力が変化する。
また、上記回転主軸32は、ロータ31の先端部側に連結されており、ロータ31の回転力を受けて回転し、その取付部33に取り付けた工具ビット4を回転させるよう構成されている。
【0023】
図1に示すごとく、上記開閉弁5は、上記流体供給路21をその途中で遮断又は開通させるようハウジング2内にスライド可能に配設されている。そして、開閉弁5は、その開度を全閉にしたときには、流体供給路21の上流側部分と下流側部分とを遮断し、一方、その開度を全開にしたときには、流体供給路21の上流側部分と下流側部分とを連通させる。
【0024】
また、開閉弁5は、上記押込み片6のスライドピン部61を固定した側と反対側に、開閉弁5を閉じる方向に付勢し、押込み片6を全閉位置Cにスライドさせる開閉弁付勢バネ51を配設してなる。そして、いずれかの操作部を操作して開閉弁5の開動作を行った後には、開閉弁5は、開閉弁付勢バネ51の付勢力によって閉じられ、押込み片6は、全閉位置Cにスライドする。
【0025】
図1に示すごとく、本例の第1操作部6は、開閉弁5の開閉動作方向に配設された押込み片6を用いて構成されており、第2操作部7は、ハウジング2に設けた回動支点部(回動支持部)22を中心に回動し、開閉弁5を開動作させる回動レバー7を用いて構成されている。押込み片6は、開閉弁5の開度を全閉にする全閉位置C(図1参照)から、開閉弁5の開度を全開にする全開位置O(図3参照)へ操作可能であり、回動レバー7は、全閉位置Cから全閉位置Cと全開位置Oとの間の中間位置M(図4参照)へ操作可能である。
【0026】
図1に示すごとく、本例の押込み片6は、ハウジング2に形成されたスライド穴24内をスライド可能なスライドピン部61と、このスライドピン部61の外方端部において拡径して形成された押圧部62とからなる。スライドピン部61はスライド穴24内に挿通配置されており、押圧部62はハウジング2の外部に配置されている。また、スライドピン部61の内方端部は、上記開閉弁5に固定されている。
また、ハウジング2は、筒形状を有しており、上記回動レバー7は、ハウジング2の軸方向Lに沿って配設されている。
【0027】
図1に示すごとく、本例の回動レバー7は、その後端部に、ハウジング2の回動支点部22に回動可能に支持された回動軸部71を形成してなり、回動軸部71よりも先端側の位置において、開閉弁5と係合するよう構成されている。本例の回動レバー7は、押込み片6のスライドピン部61に係合して開閉弁5を開動作させるよう構成されている。すなわち、スライドピン部61は、一般部611を有すると共に、その押圧部62側の部分に一般部611よりも縮径してなる縮径部612を有しており、一般部611と縮径部612との間に段差部613を形成してなる。また、回動レバー7は、スライドピンの縮径部612を挿通するための挿通穴72を形成してなる。
【0028】
また、スライドピン部61の縮径部612は、回動レバー7の挿通穴72内に挿通されており、図4に示すごとく、回動レバー7を回動支点部22を中心に回動させると、挿通穴72の外縁部がスライドピン部61の段差部613に当接する。これにより、回動レバー7を回動操作すると、押込み片6がスライドし、開閉弁5を開動作させることができる。
【0029】
また、図1に示すごとく、回動レバー7は、回動支点部22に対する位置を変更して、当該回動レバー7の回動量を調整可能な調整ストッパー8を備えている。この調整ストッパー8は、回動レバー7において、上記挿通穴72の形成位置よりも先端側に配設されている。また、本例の回動レバー7には、ハウジング2の軸方向Lに向けた複数箇所にねじ穴73が形成されており、本例の調整ストッパー8は、いずれかのねじ穴73にボルト80を螺合して形成されており、ボルト80を螺合するねじ穴73を変更することによって回動支点部22に対する位置を変更するよう構成されている。
そして、作業者が回動レバー7を回動させたときには、ボルト80の先端部がハウジング2に当接することにより、回動レバー7の回動位置を上記中間位置Mに固定することができる。
【0030】
また、図1、図2に示すごとく、上記ハウジング2の後端部には、流体としての空気を上記流体供給路21に取り込むための流体入口部23が形成されている。
また、回転工具1は、回動レバー7の配設位置に、作業者が把持するための把持部11を有している。
また、ハウジング2に設けた回動支点部22には、回動レバー7を全閉位置Cに付勢するレバー付勢手段(図示略)が配設されている。このレバー付勢手段は、ねじりコイルバネ等によって構成することができる。
【0031】
本例の回転工具1は、上記開閉弁5を開動作させる第1操作部6及び第2操作部7を有しており、各操作部6、7において開動作を行ったときの開閉弁5の開度を互いに異ならせている。そのため、回転工具1に取り付けた工具ビット4によって作業を行う際には、以下のように優れた作用効果を呈することができる。また、本例においては、工具ビット4はボルトの頭部に係合するソケット又はレンチであり、組付部品に対して2種類のボルトの締付けを行うよう2種類準備してある。そして、以下に、大きいサイズの第1ボルトに係合する工具ビット4を第1工具ビット4といい、第1ボルトよりも小さいサイズの第2ボルトに係合する工具ビット4を第2工具ビット4という。
【0032】
回転工具1を使用して、組付部品にボルトの締付けを行う際には、作業者は、上記回転主軸32の取付部33に、大きいサイズの第1ボルトを締め付けるための第1工具ビット4を取り付ける。そして、作業者は、回転工具1の流体入口部23には、配管等を介して流体の供給源を接続する。このとき、上記流体供給路21には流体が供給される。
また、図1に示すごとく、作業者が各操作部6、7を操作していないときには、各操作部6、7は全閉位置Cにあると共に開閉弁5の開度が全閉になっている。これにより開閉弁5によって流体供給路21が閉じられており、回転主軸32の回転は停止している。
【0033】
そして、図3に示すごとく、作業者が、回転工具1における把持部11を把持することによって第1操作部6としての押込み片6を押し込み、これを全閉位置Cから全開位置Oへスライドさせたときには、開閉弁5の開度が全開になる。これにより、流体供給路21から上記ロータ31に流体が供給され、ロータ31が最大回転数で回転することによって回転主軸32が最大回転数で回転する。こうして、第1工具ビット4に最大回転トルクを発生させることができ、第1工具ビット4によって第1ボルトの締付け作業を行うことができる。
なお、上記最大回転数又は最大回転トルクとは、流体供給路21に供給された流体の圧力によって生じる最大の回転数又は回転トルクのことをいう。
【0034】
次いで、第1ボルトとは目標締付トルクが異なる第2ボルトの締付け作業を行う際には、作業者は、回転工具1の取付部33から第1工具ビット4を取り外し、取付部33に第2工具ビット4を取り付ける。
そして、図4に示すごとく、作業者が、回転工具1における把持部11を把持することによって第2操作部7としての回動レバー7を回動させ、これを全閉位置Cから中間位置Mへ回動させたときには、押込み片6が、全閉位置Cと全開位置Oとの間の中間位置Mまでスライドし、開閉弁5の開度が所定の開度になる。
【0035】
これにより、流体供給路21から上記ロータ31に流体が供給され、ロータ31が所定の大きさの回転数で回転することによって回転主軸32が所定の大きさの回転数で回転する。こうして、第2工具ビット4に所定の大きさの回転トルクを発生させることができ、第2工具ビット4によって第2ボルトの締付け作業を行うことができる。
また、回転工具1は、第2操作部7を操作したときには、第1操作部6を操作したときの回転トルクとは異なる回転トルクを発生させることができる。
【0036】
このように、作業者は、操作する操作部6、7を変更するだけで、工具ビット4に与える回転トルクを変更することができる。そのため、例えば、組付部品において発生させる目標締付トルクの異なる作業箇所が混在する場合においても、作業者は、把持する操作部6、7を変更するだけで対応することができる。そして、作業者は、回転トルクを変更するために両手を使って行う必要がなく、作業性を向上させることができる。
それ故、本例の回転工具1によれば、工具ビット4に与える回転トルクを容易に変更することができ、作業性を向上させることができる。
【0037】
(実施例2)
本例の回転工具1は、図5〜図8に示すごとく、上記第1操作部6を備えておらず、上記第2操作部7としての回動レバー7における調整ストッパー8の調整を容易にしたことにより、上記開閉弁5の開度を容易に変更し、異なる回転トルクを発生させるようにしている。
すなわち、図5、図6に示すごとく、本例の回転工具1は、第1操作部6としての押込み片6の代わりに、開閉弁5に固定され、回動レバー7と係合する係合スライドピン63を有している。そして、回動レバー7を回動させたときには、係合スライドピン63及び開閉弁5がスライドする。
【0038】
また、本例の回動レバー7は、調整ストッパー8をハウジング2の軸方向Lに移動可能にするためのストッパー係合部74を有している。また、本例の調整ストッパー8は、ストッパー本体部81と、このストッパー本体部81に対する突出量を変更可能な突出部82とを有している。
【0039】
また、図6に示すごとく、本例のストッパー係合部74は、ストッパー本体部81を軸方向Lにスライド可能に配置する長穴部741と、長穴部741の側方に形成され、突出部82を配置するよう回動レバー7の軸方向Lに複数並列形成された配置溝部742とからなる。本例の複数の配置溝部742は、回動レバー7の軸方向Lに向けて連続的に形成してなる波型形状を有している。また、突出部82は、付勢バネ(図示略)による付勢力を受けてストッパー本体部81から突出するよう構成されている。
そして、作業者が回動レバー7を回動させたときには、突出部82がいずれかの配置溝部742内に配置された状態で、ストッパー本体部81の先端部がハウジング2に当接することにより、回動レバー7の回動位置を上記中間位置Mに固定することができる。
【0040】
また、調整ストッパー8の位置を調整して、回動レバー7の中間位置Mを変更する際には、作業者は、調整ストッパー8をハウジング2の軸方向Lにスライドさせる。このとき、突出部82が付勢バネによる付勢力に抗して、隣接する別の配置溝部742に配置される。これにより、図7、図8に示すごとく、回動レバー7によって上記開閉弁5を開動作させたときの開閉弁5の開度を簡単に変更することができる。そのため、作業者は、回動レバー7を操作する手と同じ手で調整ストッパー8の位置を変更することができ、作業性を向上させることができる。
なお、図8において、調整ストッパー8を開閉弁5から最も遠い位置にしたときには、回動レバー7が開閉弁5を全開にする全開位置Oになるようにすることもできる。
【0041】
それ故、本例の回転工具1によっても、工具ビット4に与える回転トルクを容易に変更することができ、作業性を向上させることができる。
本例においても、その他は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0042】
(実施例3)
本例の回転工具1は、上記実施例2と同様に、上記第1操作部6を備えておらず、上記第2操作部7としての回動レバー7における調整ストッパー8の調整を容易にしたことにより、上記開閉弁5の開度を容易に変更し、異なる回転トルクを発生させるようにしている。そして、本例の調整ストッパー8は、回動レバー7の裏面からの突出量を変更して、回動レバー7の回動量を調整するよう構成されている。また、本例の回転工具1は、第1操作部6としての押込み片6の代わりに、上記係合スライドピン63を有している。
【0043】
すなわち、図9〜図11に示すごとく、調整ストッパー8を、回動レバー7に固定した固定本体部83と、この固定本体部83に対してハウジング2と対向する方向に押込み可能な押込み部84とによって構成する。また、押込み部84は、その内方端部が回動レバー7の裏面(ハウジング2に対向する面)から突出する突出量を変更可能であり、その外方端部に押込み操作するための押込み操作部841を形成してなる。
【0044】
そして、押込み部84を押圧すると、その内方端部が回動レバー7の裏面から突出し、再び押込み部84を押圧すると、その内方端部が回動レバー7の裏面から回動レバー7内に引き込まれる。
これにより、図10に示すごとく、押込み部84の内方端部が回動レバー7の裏面から突出したときに、回動レバー7を操作して開閉弁5を開動作させると、回動レバー7が中間位置Mで止まり、開閉弁5の開度を所定の開度にして、回転工具1は、所定の大きさの回転トルクを発生させることができる。
【0045】
一方、図11に示すごとく、押込み部84の内方端部を回動レバー7内に引き込んだときに、回動レバー7を操作して開閉弁5を開動作させると、回動レバー7が全開位置Oで止まり、開閉弁5の開度を全開にして、回転工具1は、最大回転トルクを発生させることができる。
本例においても、その他は上記実施例2と同様であり、上記実施例2と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施例1における、第1操作部及び第2操作部が全閉位置にあり、開閉弁が流体供給路を閉じている状態を示す断面説明図。
【図2】実施例1における、回転工具を示す説明図。
【図3】実施例1における、第1操作部が全開位置にあり、開閉弁が流体供給路を全開にしている状態を示す断面説明図。
【図4】実施例1における、第2操作部が中間位置にあり、開閉弁が流体供給路を所定開度で開けている状態を示す断面説明図。
【図5】実施例2における、第2操作部が全閉位置にあり、開閉弁が流体供給路を閉じている状態を示す断面説明図。
【図6】実施例2における、第2操作部を示す説明図。
【図7】実施例2における、第2操作部を操作して、開閉弁が流体供給路を所定開度で開けている状態を示す断面説明図。
【図8】実施例2における、第2操作部を操作して、開閉弁が流体供給路を所定開度で開けている状態を示す断面説明図。
【図9】実施例3における、第2操作部が全閉位置にあり、開閉弁が流体供給路を閉じている状態を示す断面説明図。
【図10】実施例3における、第2操作部が中間位置にあり、開閉弁が流体供給路を所定開度で開けている状態を示す断面説明図。
【図11】実施例3における、第2操作部が全開位置にあり、開閉弁が流体供給路を全開にしている状態を示す断面説明図。
【符号の説明】
【0047】
1 回転工具
2 ハウジング
21 流体供給路
22 回動支点部
31 ロータ
32 回転主軸
33 取付部
4 工具ビット
5 開閉弁
6 第1操作部(押込み片)
7 第2操作部(回動レバー)
8 調整ストッパー
O 全開位置
C 全閉位置
M 中間位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に工具ビットを取り付ける取付部を備え、ロータの回転力を受けて回転する回転主軸と、
上記ロータに流体を供給する流体供給路と、
該流体供給路を開閉するための開閉弁と、
上記回転主軸、上記流体供給路及び上記開閉弁を内蔵してなるハウジングと、
上記開閉弁に係合し、該開閉弁を開動作させる操作部とを有する回転工具において、
上記操作部は、複数設けてあり、該各操作部は、上記開閉弁を開動作させたときの該開閉弁の開度を互いに異ならせるよう構成してあることを特徴とする回転工具。
【請求項2】
請求項1において、上記操作部は、上記開閉弁の開度を全閉にする全閉位置から、該開閉弁の開度を全開にする全開位置へ操作可能な第1操作部と、上記全閉位置から該全閉位置と上記全開位置との間の中間位置へ操作可能な第2操作部とからなることを特徴とする回転工具。
【請求項3】
請求項2において、上記第2操作部は、上記中間位置を調整可能であることを特徴とする回転工具。
【請求項4】
請求項2又は3において、上記第1操作部は、上記開閉弁の開閉動作方向に配設された押込み片から構成されており、
上記第2操作部は、上記ハウジングに設けた回動支点部を中心に回動し、上記開閉弁を開動作させる回動レバーから構成されていることを特徴とする回転工具。
【請求項5】
請求項4において、上記第2操作部は、上記回動支点部に対する位置又は上記回動レバーの裏面からの突出量を変更して上記回動レバーの回動量を調整可能な調整ストッパーを備えており、該調整ストッパーの上記位置又は上記突出量を変更することによって、上記中間位置を所定位置に固定するよう構成されていることを特徴とする回転工具。
【請求項6】
先端部に工具ビットを取り付ける取付部を備え、ロータの回転力を受けて回転する回転主軸と、
上記ロータに流体を供給する流体供給路と、
該流体供給路を開閉するための開閉弁と、
上記回転主軸、上記流体供給路及び上記開閉弁を内蔵してなるハウジングと、
上記開閉弁に係合し、該開閉弁を開動作させる操作部とを有する回転工具において、
上記操作部は、上記ハウジングに設けた回動支点部を中心に回動し上記開閉弁を開動作させる回動レバーと、上記回動支点部に対する位置又は上記回動レバーの裏面からの突出量を変更して上記回動レバーの回動量を調整可能な調整ストッパーとを備えており、該調整ストッパーの上記位置又は上記突出量を変更することによって、上記開閉弁を開動作させたときの該開閉弁の開度を変更可能であることを特徴とする回転工具。
【請求項1】
先端部に工具ビットを取り付ける取付部を備え、ロータの回転力を受けて回転する回転主軸と、
上記ロータに流体を供給する流体供給路と、
該流体供給路を開閉するための開閉弁と、
上記回転主軸、上記流体供給路及び上記開閉弁を内蔵してなるハウジングと、
上記開閉弁に係合し、該開閉弁を開動作させる操作部とを有する回転工具において、
上記操作部は、複数設けてあり、該各操作部は、上記開閉弁を開動作させたときの該開閉弁の開度を互いに異ならせるよう構成してあることを特徴とする回転工具。
【請求項2】
請求項1において、上記操作部は、上記開閉弁の開度を全閉にする全閉位置から、該開閉弁の開度を全開にする全開位置へ操作可能な第1操作部と、上記全閉位置から該全閉位置と上記全開位置との間の中間位置へ操作可能な第2操作部とからなることを特徴とする回転工具。
【請求項3】
請求項2において、上記第2操作部は、上記中間位置を調整可能であることを特徴とする回転工具。
【請求項4】
請求項2又は3において、上記第1操作部は、上記開閉弁の開閉動作方向に配設された押込み片から構成されており、
上記第2操作部は、上記ハウジングに設けた回動支点部を中心に回動し、上記開閉弁を開動作させる回動レバーから構成されていることを特徴とする回転工具。
【請求項5】
請求項4において、上記第2操作部は、上記回動支点部に対する位置又は上記回動レバーの裏面からの突出量を変更して上記回動レバーの回動量を調整可能な調整ストッパーを備えており、該調整ストッパーの上記位置又は上記突出量を変更することによって、上記中間位置を所定位置に固定するよう構成されていることを特徴とする回転工具。
【請求項6】
先端部に工具ビットを取り付ける取付部を備え、ロータの回転力を受けて回転する回転主軸と、
上記ロータに流体を供給する流体供給路と、
該流体供給路を開閉するための開閉弁と、
上記回転主軸、上記流体供給路及び上記開閉弁を内蔵してなるハウジングと、
上記開閉弁に係合し、該開閉弁を開動作させる操作部とを有する回転工具において、
上記操作部は、上記ハウジングに設けた回動支点部を中心に回動し上記開閉弁を開動作させる回動レバーと、上記回動支点部に対する位置又は上記回動レバーの裏面からの突出量を変更して上記回動レバーの回動量を調整可能な調整ストッパーとを備えており、該調整ストッパーの上記位置又は上記突出量を変更することによって、上記開閉弁を開動作させたときの該開閉弁の開度を変更可能であることを特徴とする回転工具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−102857(P2006−102857A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291482(P2004−291482)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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