説明

回転式キャップ抜き具

【課題】握力や腕力の弱い人および手や指等に障害を有する人でも、容易に且つ確実にペットボトル等の飲料容器に取り付けられた回転式キャップを取外すことが可能な回転式キャップ抜き具を提供する。
【解決手段】略円筒状に形成され、先端部の開口部に飲料容器23の首部が同軸状に挿入されるケース本体1と、当該ケース本体1の内部にこのケース本体1と同軸状に回転自在に設けられた回転軸5と、当該回転軸5を回転させるギヤードモータ2とを備えてなり、且つケース本体1の上記先端部の開口縁部に、飲料容器23を固定する容器固定部19が設けられ、ケース本体1内の回転軸5の先端部に、回転式キャップ25を把持して回転軸5と一体的に回転可能であるとともに、回転式キャップ25の開栓とともにケース本体1の基端部方向に移動可能なキャップ把持部11が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットボトル等の飲料容器の開口部に取り付けられた回転式キャップを取外すための回転式キャップ抜き具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、飲料容器の一つであるペットボトルは、飲料を収容するペットボトル本体と、当該ペットボトル本体の開口部を塞ぐ回転式キャップによって構成されている。
【0003】
そして、このペットボトルは、市販段階において、飲料の漏洩を防止するために、ペットボトル本体への回転式キャップの締付けを強くしている。また、不正な開封を防止するために、ペットボトル本体の開口部側にタンパーエビデンスリングを取り付けている等の対策が施されている。
【0004】
このため、上記ペットボトル本体の開口部に取り付けられた回転式キャップを開栓するためには、0.1N・m〜2.0N・m程度のトルク(開栓トルク)が必要であった。
【0005】
この結果、幼児や老人のように握力や腕力が弱い人、特に手や指等に障害を有する人は、上記飲料容器に取り付けられた回転式キャップを取外すことが非常に困難となることがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、握力や腕力の弱い人および手や指等に障害を有する人でも、容易に且つ確実にペットボトル等の飲料容器に取り付けられた回転式キャップを取外すことが可能な回転式キャップ抜き具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、飲料容器の開口部の螺子部に螺着された回転式キャップを取外す回転式キャップ抜き具であって、略円筒状に形成され、先端部の開口部に上記飲料容器の首部が同軸状に挿入されるケース本体と、当該ケース本体の内部にこのケース本体と同軸状に回転自在に設けられた回転軸と、当該回転軸を回転させるモータとを備えてなり、且つ上記ケース本体の上記先端部の開口縁部に、上記飲料容器を固定する容器固定部が設けられ、上記ケース本体内の上記回転軸の先端部に、上記回転式キャップを把持して上記回転軸と一体的に回転可能であるとともに、上記回転式キャップの開栓とともに上記ケース本体の基端部方向に移動可能なキャップ把持部が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の回転式キャップ抜き具において、上記キャップ把持部は、円柱状に形成され、その先端面に上記回転式キャップを挿入可能な凹部が形成されるとともに、当該凹部の内周面に上記回転式キャップを把持する把持用突起が形成され、且つ上記容器固定部は、その内径が上記キャップ把持部の外径より小さく形成されるとともに上記凹部の口径より大きく形成され、その内周面に上記飲料容器を固定する固定用突起が形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
さらに、請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の回転式キャップ抜き具において、上記キャップ把持部の中心には、軸線方向に貫通する貫通孔が穿設されるとともに、上記回転軸に連結する円筒状の連結部が設けられ、且つ上記貫通孔に押出し棒が上記凹部内に出没自在に挿通されるとともに、上記連結部の内部に上記押出し棒を上記凹部側に向けて付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
そして、請求項4に記載の本発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の回転式キャップ抜き具において、上記回転軸に、上記連結部を同軸状に挿入可能な円筒状の案内筒が設けられ、当該案内筒の側面に軸線方向に延在するガイド孔が形成されるとともに、上記連結部の側面にガイド孔に挿入されるガイドピンが突設され、上記連結部が上記案内筒内において軸線方向に移動自在に配設されており、且つ上記連結部内の付勢手段が上記回転軸と上記押出し棒との間に配設されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項5に記載の本発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の回転式キャップ抜き具において、上記キャップ把持部の凹部の口径が、先端面から基端面に向けて漸次狭くなるように形成されてなることを特徴とするものである。
【0012】
さらに、請求項6に記載の本発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の回転式キャップ抜き具において、上記容器固定部の内径が、先端面から基端面に向けて漸次狭くなるように形成されてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の本発明によれば、上記ケース本体の先端部の開口部に、上記回転式キャップをキャップ把持部に到達するまで挿入して、キャップ把持部に上記回転式キャップを把持させるとともに、容器固定部に上記飲料容器の首部を固定させる。
【0014】
そして、上記ケース本体に取り付けられたモータを起動させると、回転軸を介して、その先端部に一体的に設けたキャップ把持部が軸線回り方向に回転する。これにより、上記飲料容器の首部が上記容器固定部に固定された状態で、上記回転式キャップのみに開栓方向に回転する力が作用する。この結果、幼児や老人のように握力や腕力が弱い人、特に手や指等に障害を有する人でも、上記回転式キャップを螺着した飲料容器に本発明の回転式キャップ抜き具を取り付け、上記モータを起動するという簡単な作業で、容易に上記飲料容器から上記回転式キャップを取外すことが可能となる。
【0015】
また、上記キャップ把持部は、上記回転式キャップを開栓する際に、上記回転式キャップが飲料容器の首部の螺子部によって上昇することにより、ケース本体の基端部方向に向かう力が作用しても、基端部方向へと移動可能であるために、確実に上記飲料容器から上記回転式キャップを取り外すことが可能となる。
【0016】
さらに、請求項2に記載の本発明によれば、容器固定部の内径が、上記キャップ把持部の外径より小さく形成されているために、上記キャップ把持部をケース本体外に突出させること無く、上記ケース本体内に保持することが可能となる。また、上記回転式キャップが挿入される上記凹部の口径より大きく形成されているために、上記回転式キャップが容器固定部を介して、上記ケース本体内に配設されたキャップ把持部の凹部へと挿入され、当該凹部の内周面に形成された把持用突起に上記回転式キャップが確実に把持されるとともに、上記飲料容器の首部が上記容器固定部の内周面に形成された固定用突起に確実に固定される。この結果、上記キャップ把持部および容器固定部が空回りすることが無くなり、より一層確実に上記飲料容器から上記回転式キャップを取り外すことが可能となる。
【0017】
また、請求項3に記載の本発明によれば、開栓後、本発明に係る回転式キャップ抜き具から上記飲料容器を取り外す際に、上記連結部に設けられた付勢手段によって、押出し棒に上記キャップ把持部の凹部側に向かう力が作用するために、上記飲料容器を取り外すと、上記押出し棒によって上記回転式キャップが上記凹部外へと押し出される。この結果、キャップ把持部の把持用突起に把持された回転式キャップを容易に取り外すことが可能である。
【0018】
また、請求項4に記載の本発明によれば、案内筒に形成された軸線方向に延在するガイド孔に沿って、上記連結部に突設されたガイドピンが移動可能であることにより、上記案内筒内において、上記連結部が軸線方向に移動自在に配設されているために、上記回転式キャップを開栓する際に、上記回転式キャップが飲料容器の首部の螺子部により上昇して、キャップ把持部に上記ケース本体の基端部方向に向かう力が作用しても、確実に上記キャップ把持部を上記ケース本体の基端部側へと移動させることが可能となる。
【0019】
また、上記連結部内の付勢手段が回転軸と押出し棒との間に配設されているために、上記回転式キャップを取り外す際に、上記付勢手段によって、上記押出し棒を凹部側に押し出すと同時に、ケース本体の基端部側に移動した上記キャップ把持部を上記ケース本体の先端部側の初期位置へと移動させることが可能となる。
【0020】
そして、請求項5に記載の本発明によれば、上記キャップ把持部の凹部の口径が、先端面から基端面に向けて漸次狭くなるように形成されているために、上記回転式キャップの外径が僅かながら大小しても、確実に上記回転式キャップを把持することが可能である。
【0021】
さらに、請求項6に記載の本発明によれば、上記容器固定部の内径が、先端面から基端面に向けて漸次狭くなるように形成されているために、上記飲料容器の首部の外径が僅かながら大小しても、確実に上記飲料容器の首部を固定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る回転式キャップ抜き具の一実施形態を示すものであり、(a)が縦断面図であり、(b)が回転軸の左側面図である。
【図2】図1のA−A端面図である。
【図3】図1のB−B端面図である。
【図4】図1を使用した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1(a)は、本発明に係る回転式キャップ抜き具の一実施形態を示すものであり、図中符号1がケース本体である。
このケース本体1は、略円筒状に形成され、その基端部側の外径が先端部側の外径より小径に形成されており、これにより、上記基端部が上記回転式キャップ抜き具を把持する把持部となっている。
【0024】
そして、ケース本体1の基端部には、ギヤードモータ2が取り付けられている。
【0025】
ここで、ギヤードモータ2は、モータ3のシャフトに、内部に減速ギヤを備えたギアヘッド4を取り付けて構成されている。そして、このギアヘッド4の回転軸5がケース本体1と同軸状に挿入されており、当該回転軸5に案内筒6が同軸状に固定されている。なお、本実施形態においては、回転数を20r/min、定格トルクを2.5N・mに設定したギヤードモータ2を使用している。
【0026】
この案内筒6は、円筒状に形成され、先端部側の側面とケース本体1との間にジャーナル軸受7が設けられることにより、軸回り方向に回転自在となっている。さらに、図1(b)に示すように、案内筒6の側面には、軸線方向に延在するガイド孔8が形成されている。そして、その内部に連結部9が同軸状に挿入されている。
【0027】
この連結部9は、円筒状に形成されるとともに、側面に案内筒6のガイド孔8に嵌入されるガイドピン10が設けられ、案内筒6内に軸線方向に移動自在に配設されている。そして、連結部9の先端部には、上記回転式キャップを把持するキャップ把持部11が一体的に設けられている。
【0028】
このキャップ把持部11は、円柱状に形成されるとともに、先端面に上記回転式キャップを挿入可能な寸法(φ27〜38mm)の凹部12が形成されている。そして、この凹部の口径が、先端面から基端面に向けて漸次狭くなる(本実施形態においては基端面φ27mm、先端面φ29mm)ように形成されている。また、この凹部12の内周面には、上記回転式キャップを把持する把持用突起13が等間隔に3個形成されている。なお、当該把持用突起13には、図1に示すように、断面視において、軸線方向に延在する引掻き部26が形成されている。当該引掻き部26は、図2に示すように、端面視において、軸回り方向に6℃のピッチ間隔毎に形成されており、且つそれぞれの引掻き部26が軸回り左方向に進むに連れて傾斜して構成されることにより、引掻き部26の軸回り方向左側に段部21が形成されている。
【0029】
また、キャップ把持部11の中心には、軸線方向に貫通する貫通孔14が穿設され、その貫通孔14に押出し棒15が凹部12内に出没自在となるように挿通されている。
【0030】
この押出し棒15は、円柱状に形成されるとともに、その基端部が他部より外径の大きな円板状に形成されることにより、貫通孔14から押出し棒15が抜け落ちることを防止するストッパー16となっている。さらに、連結部9の内部において、当該ストッパー16上にバネ部材(付勢手段)17が配置され、バネ部材17上にギヤードモータ2の回転軸5の先端に設けられ、バネ部材17のケース本体1の基端部方向への移動を規制するストッパー部材18が配置されていることにより、押出し棒15が凹部12側に向けて付勢されている。
【0031】
一方、ケース本体1の先端部の開口縁部には、飲料容器を固定する容器固定部19が設けられている。そして、容器固定部19の内径がキャップ把持部11の外径より小さい寸法に形成されるとともに、凹部12の先端面側の口径より大きい寸法(φ30〜40mm)形成されている。さらに、容器固定部19の内径が、先端から中段に向けて漸次狭くなり、中段から基端に向けて漸次広く(本実施形態においては基端面および先端面φ31mm、中段部φ30mm)なるように形成されている。そして、その内周面に上記飲料容器を固定する固定用突起20が等間隔に3個形成されている。なお、当該固定用突起20は、図1に示すように、断面視において、水平方向に対し右斜め45℃方向に傾斜して延在する引掻き部27が形成されている。当該引掻き部27は、図3に示すように、端面視において、軸回り方向に8℃のピッチ間隔毎に形成されており、且つそれぞれの引掻き部27が軸回り右方向に進むに連れて傾斜して構成されることにより、引掻き部27の軸回り方向右側に段部22が形成されている。
【0032】
次に、本実施形態の回転式キャップ抜き具の作用を図4を用いて説明する。
先ず、上記回転式キャップ抜き具のケース本体1の上記把持部を把持して、ケース本体1の先端部の開口部に、回転式キャップ25が取り付けられた飲料容器の首部を、回転式キャップ25がキャップ把持部11の凹部12の基端部側に到達するまで挿入する。
【0033】
これにより、ケース本体1内において、回転式キャップにより凹部12内の押出し棒12がケース本体の基端部方向へと押し込まれて、バネ部材17が収縮する。さらに、キャップ把持部11の把持用突起13および引掻き部26によって回転式キャップ25が把持されるとともに、容器固定部19の固定用突起20および引掻き部27によって飲料容器23の首部28および当該首部28に設けられたタンパーエビデンスリング24が固定される。
【0034】
次いで、ケース本体1に取り付けられたギヤードモータ2を起動する。すると、回転軸5に設けられた案内筒6が反時計回り方向に回転し、そのガイド孔8に嵌入しているガイドピン10を介して、連結部9が反時計回り方向に回転することにより、連結部9と一体的に設けられたキャップ把持部11も反時計回り方向に回転する。
【0035】
この結果、飲料容器23の首部およびタンパーエビデンスリング24が固定された状態で、回転式キャップ25に開栓方向(反時計回り方向)に回転する力が作用することにより、飲料容器23から回転式キャップ25が取り外される。
【0036】
次いで、開栓後、上記回転式キャップ抜き具を図中軸線方向上方に持ち上げて、容器固定部19から飲料容器23の首部28およびタンパーエビデンスリング24を取り外すと、キャップ把持部11に回転式キャップ25を取り付けた際に収縮したバネ部材17の反発力により、押出し棒15が凹部12側に押し出され、当該押出し棒15により回転式キャップ25も凹部12外へと押し出される。これにより、キャップ把持部11の把持用突起13および引掻き部26から回転式キャップ25が外れる。
【0037】
以上の構成からなる回転式キャップ抜き具によれば、ギヤードモータ2を起動すると、その回転力が、回転軸5、案内筒6、連結部9を介して、当該連結部9に一体に形成されたキャップ把持部11に伝達される。これにより、飲料容器23の首部28および当該首部28に設けられたタンパーエビデンスリング24が容器固定部19に固定された状態で、キャップ把持部11に把持された回転式キャップ25に開栓方向に回転する力が作用する。この結果、幼児や老人のように握力や腕力が弱い人、特に手や指等に障害を有する人でも、回転式キャップ25を螺着した飲料容器24に本発明の回転式キャップ抜き具を取り付け、ギヤードモータ2を起動するという簡単な作業で、容易に飲料容器23から回転式キャップ25を取外すことが可能となる。
【0038】
また、容器固定部19の内径が、キャップ把持部11の外径より小さく形成されているために、キャップ把持部11をケース本体1外に突出させること無く、ケース本体1内に保持することが可能となる。また、回転式キャップ25が挿入される凹部12の口径より大きく形成されているために、回転式キャップ25が容器固定部19を介して、ケース本体1内に配設されたキャップ把持部11の凹部12へと挿入され、当該凹部12の内周面に形成された把持用突起13および引掻き部26に回転式キャップ25が確実に把持されるとともに、飲料容器23の首部28および当該首部28に設けたタンパーエビデンスリング24が、容器固定部19の内周面に形成された固定用突起20および引掻き部27に確実に固定される。この結果、キャップ把持部11および容器固定部19が空回りすることがなくなり、より一層確実に飲料容器23から回転式キャップ25を取り外すことが可能となる。
【0039】
そして、開栓後、本発明に係る回転式キャップ抜き具から飲料容器23を取り外す際に、キャップ把持部11に回転式キャップ25を取り付けた際に収縮したバネ部材17の反発力によって、押出し棒15にキャップ把持部11の凹部12側に向かう力が作用するために、押出し棒15によって回転式キャップ25が凹部12外へと押し出される。この結果、キャップ把持部11の把持用突起13および引掻き部26に把持された回転式キャップ25を容易に取り外すことが可能である。
【0040】
さらに、バネ部材17が回転軸5の先端に設けたストッパー部材18と押出し棒15との間に配設されているために、回転式キャップ25を取り外す際に、バネ部材17の反発力によって、押出し棒15を凹部12側に押し出すと同時に、ケース本体1の基端部側に移動したキャップ把持部11をケース本体1の先端部側の初期位置へと移動させることが可能となる。
【0041】
そして、案内筒6に形成された軸線方向に延在するガイド孔8に沿って、連結部9に突設されたガイドピン10が移動可能であることにより、案内筒6内において、連結部9が軸線方向に移動自在に配設されているために、回転式キャップ25を開栓する際に、回転式キャップ25が飲料容器23の首部の螺子部により上昇して、キャップ把持部11にケース本体1の基端部方向に向かう力が作用しても、確実にキャップ把持部11をケース本体1の基端部側へと移動させることが可能となる。
【0042】
そして、キャップ把持部11の凹部12の口径が、先端面から基端面に向けて漸次狭くなるように形成されているために、回転式キャップ25の外径が僅かながら大小しても、確実に回転式キャップ25を把持することが可能である。
【0043】
さらに、把持用突起13の引掻き部26は、断面視において、軸線方向に延在するために、外周に軸線方向に延在する滑り止め用突起が形成された回転式キャップ25であっても、回転式キャップ25の挿入の際、引掻き部26が上記滑り止め用突起に引っ掛かることなく容易に回転式キャップ25を挿入することが可能である。また、引掻き部26は、端面視において、軸回り方向に6℃のピッチ間隔に形成されており、且つそれぞれの引掻き部26が軸左回り方向に進むに連れて傾斜して構成されることにより、引掻き部26の軸回り方向左側に段部21が形成されているために、当該段部21に上記滑り止め用突起が引っ掛かり、より一層確実に回転式キャップ25を把持することが可能となる。この結果、空回りすることなく回転式キャップ25を確実に取り外すことが可能となる。
【0044】
そして、容器固定部19の内径が、先端から中段に向けて漸次狭く、中段から基端に向けて漸次広くなるように形成されているために、中段部によりタンパーエビデンスリング24を把持することが可能であるとともに、タンパーエビデンスリング24の外径が僅かながら大小しても、確実にタンパーエビデンスリング24を固定することが可能である。
【0045】
さらに、固定用突起20の引掻き部27は、断面視において、水平方向に対し右斜め45℃方向に延在しているために、タンパーエビデンスリング24に開栓方向の力が作用すると、当該引掻き部27にタンパーエビデンスリング24が食い込む。そして、端面視において、軸回り方向に8℃のピッチ間隔に形成されており、且つそれぞれの引掻き部27が軸右回り方向に進むに連れて傾斜して構成されていることにより、引掻き部27の軸回り方向右側に段部22が形成されているために、タンパーエビデンスリング24の上記食い込み部が段部22に引っ掛り、より一層確実にタンパーエビデンスリング24を固定することが可能となる。
【符号の説明】
【0046】
1 ケース本体
2 ギヤードモータ(モータ)
5 回転軸
6 案内筒
8 ガイド孔
9 連結部
10 ガイドピン
11 キャップ把持部
12 凹部
13 把持用突起
14 貫通孔
15 押出し棒
17 バネ部材(付勢手段)
19 容器固定部
20 固定用突起
23 飲料容器
25 回転式キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器の開口部の螺子部に螺着された回転式キャップを取外す回転式キャップ抜き具であって、
略円筒状に形成され、先端部の開口部に上記飲料容器の首部が同軸状に挿入されるケース本体と、当該ケース本体の内部にこのケース本体と同軸状に回転自在に設けられた回転軸と、当該回転軸を回転させるモータとを備えてなり、
且つ上記ケース本体の上記先端部の開口縁部に、上記飲料容器を固定する容器固定部が設けられ、上記ケース本体内の上記回転軸の先端部に、上記回転式キャップを把持して上記回転軸と一体的に回転可能であるとともに、上記回転式キャップの開栓とともに上記ケース本体の基端部方向に移動可能なキャップ把持部が設けられていることを特徴とする回転式キャップ抜き具。
【請求項2】
上記キャップ把持部は、円柱状に形成され、その先端面に上記回転式キャップを挿入可能な凹部が形成されるとともに、当該凹部の内周面に上記回転式キャップを把持する把持用突起が形成され、且つ上記容器固定部は、その内径が上記キャップ把持部の外径より小さく形成されるとともに上記凹部の口径より大きく形成され、その内周面に上記飲料容器を固定する固定用突起が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転式キャップ抜き具。
【請求項3】
上記キャップ把持部の中心には、軸線方向に貫通する貫通孔が穿設されるとともに、上記回転軸に連結する円筒状の連結部が設けられ、且つ上記貫通孔に押出し棒が上記凹部内に出没自在に挿通されるとともに、上記連結部の内部に上記押出し棒を上記凹部側に向けて付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転式キャップ抜き具。
【請求項4】
上記回転軸に、上記連結部を同軸状に挿入可能な円筒状の案内筒が設けられ、当該案内筒の側面に軸線方向に延在するガイド孔が形成されるとともに、上記連結部の側面にガイド孔に挿入されるガイドピンが突設され、上記連結部が上記案内筒内において軸線方向に移動自在に配設されており、且つ上記付勢手段が上記回転軸と上記押出し棒との間に配設されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の回転式キャップ抜き具。
【請求項5】
上記キャップ把持部は、凹部の口径が先端面から基端面に向けて漸次狭くなるように形成されてなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の回転式キャップ抜き具。
【請求項6】
上記容器固定部は、内径が先端面から基端面に向けて漸次狭くなるように形成されてなることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の回転式キャップ抜き具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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