説明

回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置

【課題】ゴミ集積地や土壌改良の必要な土地において、ゴミ焼却及び土壌の運搬が不要な大気汚染物質を排出しない回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置を提供する。
【解決手段】本発明は、円筒型焼却炉11と、二次煙焼却窯38と、排気処理室28とを備え、円筒型焼却炉11が回転可能で地表面1に対して傾斜を持ち配置され、円筒型焼却炉11断面に対して垂直にゴミ及び汚染土撹拌羽30と、円筒型焼却炉11中心軸に沿ってゴミ及び汚染土一時止め板上部及び下部35;36とを備えたためゴミ及び汚染土3の焼却炎12に接する表面積拡大とともに円筒型焼却炉11の煙突効果が可能に構成され、円筒型焼却炉11上部と地表面1との間にベルトコンベア2を配置するとともに円筒型焼却炉11一端の重力方向下側に車輪39を備えたためゴミ及び汚染土の移送及び焼却処理を同時に可能に構成されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ集積地や土壌改良の必要な土地において、ゴミ焼却及び土壌の改良が可能であるとともに、ゴミ及び土の運搬が不要な大気汚染物質を排出しない装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴミ焼却及び土壌改良を実施するには、搬送者がゴミ及び汚染土を回収し焼却施設まで移送する。そして、焼却施設でゴミ及び汚染土を高温の熱により焼却を行うという方法が知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ゴミ集積所や汚染土に覆われた土地全体のゴミ及び汚染土を運搬し、焼却された改良土及び灰を再び土地に戻すには、移送の時間的・資金的なコストがかかるという問題があった。さらに、ゴミ及び汚染土を焼却施設で高温の熱により焼却したとしても、固体であるゴミ及び汚染土が瞬間的に高熱になり焼却されることは無く汚染された煙を大気に排出しているという問題があった。本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、ゴミ及び汚染土が広がっている土地その場でゴミ及び汚染土の焼却が可能であるとともに、ゴミ及び汚染土が高熱の炎に触れる表面積を広げ、さらに焼却から発生する大気を再処理し大気汚染の抑制が可能な装置を提供する。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0004】
本発明の回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置は、地表面に沿って配置された処理装置積台と、地表面から傾斜を持って上側に回転するベルトコンベアと、ベルトコンベア最上部の垂直落下方向に配置されたホッパーと、ホッパー下部に地表面に対して傾斜し配置された回転可能で内側表面が耐熱銅板により構成された円筒型焼却炉と、二次煙焼却窯と、排気処理室とが備えられ、円筒型焼却炉下部と地表面との間に配置された処理室と、円筒型焼却炉と二次煙焼却窯の間を繋ぐ煙通路と、二次煙焼却窯と排気処理室との間を繋ぐ排気管と、排気処理室天井部に繋がれた水送管と、水送管と繋がれた水タンクとを備え、円筒型焼却炉と処理装置積台との間には、格子状に形成された補強骨組とを備えたことを特徴とするので、地表面を覆うゴミ及び汚染土が、ベルトコンベアにより汲み上げられた後円筒型焼却炉内部を回転移動しながら焼却可能となるとともに、焼却により発生した煙は二次煙焼却窯で完全焼却、排気処理室で水に吸収されることで大気に有害物質の無い気体を排出することが可能となる。
さらに、円筒型焼却炉の円形断面円周に対して垂直に一定の離間を保って配置されたゴミ及び汚染土撹拌羽を備えたことも特徴とするので、円筒型焼却炉の回転とともに、円筒型焼却炉内部にて焼却されているゴミ及び汚染土が、回転・撹拌されることで均一に焼却可能となる。
円筒型焼却炉の円筒中心軸に沿ってゴミ及び汚染土一時止め板上部及び下部を設けたことも特徴とするので、円筒型焼却炉内部をゴミ及び汚染土が一定時間焼却可能となる。
また、円筒型焼却炉円筒内部の耐熱鋼板を覆うように円筒状に形成された断熱材を備えたことも特徴とするので、円筒型焼却炉と接する部分が熱による変形を防ぐことが可能となる。
円筒型焼却炉底部から天井部へ渡って焼却炎が構成され、円筒型焼却炉天井部円形断面一部分がゴミ及び汚染土搬入口と、円筒型焼却炉天井部円形断面他断面が煙通路と繋がれたことも特徴とするので、円筒型焼却炉に投入されるゴミ及び汚染土と、円筒型焼却炉内部でゴミ及び汚染土が焼却され発生する煙とを分離することが可能となる。
さらに、地表面と処理装置積台との間に設けられた車輪と、地表面に垂直に接するよう設けられたレールとを設けられたことも特徴とするので、回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置全体が地表面を移動可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
図1は本発明の最良の形態による回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置の全体構成図を示し、図2は円筒型焼却炉の断面図を示し、図3は円筒型焼却炉の側面図を示し、図4は円筒型焼却炉の構成図を示し、図5は回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置の断面図を示し、図6は回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置の側面図を示す。
【0006】
本発明の回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置は、地表面1に沿って配置された処理装置積台41と、地表面1に対して傾斜し配置された回転可能な円筒型焼却炉11と、二次煙焼却窯38と、排気処理室28とを備える。
【0007】
円筒型焼却炉11底部から天井部へ渡って焼却炎12が構成され、円筒型焼却炉11天井部円形断面一部分がゴミ及び汚染土搬入口33と、円筒型焼却炉11天井部円形断面他断面が煙通路8と繋がれるよう構成される。図2に示すように円筒型焼却炉11の一番内側円筒は耐熱銅板31により構成され、耐熱銅板31の外側は表面を覆うように断熱材29を備える。円筒型焼却炉11内側の円形断面円周に対して垂直に一定の離間を保ってゴミ及び汚染土撹拌羽30を設け、円筒型焼却炉11内側の円筒中心軸に沿ってゴミ及び汚染土一時止め板上部35及びゴミ及び汚染土一時止め板下部36を設ける。
【0008】
図2及び3に示すように、円筒型焼却炉11の外周を覆うように焼却炉ずれ止め10が備えられ、円筒型焼却炉11に隣接するように焼却炉駆動モーター7が設けられる。焼却炉駆動モーター7と地表面1との間は駆動モーター台座32が設けられる。焼却炉駆動モーター7回転部分と円筒型焼却炉11の外周とは一つのベルト6で繋がれるよう構成される。地表面1と円筒型焼却炉11との間には、円筒状に形成された地表面1と円筒型焼却炉11に沿って回転可能な焼却炉回転ローラー9が設けられる。
【0009】
円筒型焼却炉11天井部の外周は全体を覆うように回転部接点4が設けられる。回転部接点4開口断面とゴミ及び汚染土搬入口33開口底面とが互いに合うように接続され、ゴミ及び汚染土搬入口33天井部はホッパー5と接続される。ホッパー5と処理装置積台41との間には地表面1に対して傾斜を持って上側に回転するベルトコンベア2が設けられる。図6に示すように、処理装置積台41と円筒型焼却炉11及びベルトコンベア2との間には格子状に形成された補強骨組42を備える。
【0010】
円筒型焼却炉11下部と地表面1との間には、円筒型焼却炉11の円形断面より広く形成された処理室26が配置され、円筒型焼却炉11と処理室26底面との間には運搬車25が配置される。
【0011】
一端面が円筒型焼却炉11天井部円形断面と接続された煙通路8の他端面は、二次煙焼却窯38と接続される。
【0012】
二次煙焼却窯38は、管状に形成された水素ガス送管13と空気圧送管14と接続される開口断面を備える。水素ガス送管13の二次煙焼却窯38と接続された断面とは逆側の開口断面は水素ガスタンク18と接続される。空気圧送管14の二次煙焼却窯38と接続された断面とは逆側の開口断面はコンプレッサー17と接続される。
【0013】
二次煙焼却窯38と排気処理室28との間は、管状に形成された排気管15により接続されている。排気管15の管内途中には、管内の気体が二次煙焼却窯38から排気処理室28の向きに移動する向きに回転する排気ファン16を備える。
【0014】
排気処理室28天井部は、排気管15との接続断面を除いた全ての断面において、一定の離間を保った複数の開口断面が水送管27側面に一定の離間を保ち設けられた複数の開口断面と互いに合い接するよう構成される。水送管27の排気処理室28と接しているのとは逆側の開口断面は、水タンク19と接続される。排気処理室28側面下部に設けられた開口断面は排出管23と接続される。排出管23の内側一部分は、フィルター22が設けられる。
【0015】
地表面1には垂直に接するようレール40が設けられ、地表面1と処理装置積台41との間には装置全体が移動可能なように車輪39が一箇所以上設けられる。
【0016】
次に動作を説明する。ゴミ及び汚染土3に覆われた土地にレール40を敷き、車輪39を備えた回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置を移動させる。次にベルトコンベア2が地表面1に対して上側へ向けて回転を始める。ゴミ及び汚染土3をベルトコンベア2に載せることで、ゴミ及び汚染土3は地表面1に対して上側へ移動し、最終的にホッパー5の中へ投入される。
【0017】
ホッパー5へ投入されたゴミ及び汚染土3は垂直落下方向34へ落下し、ゴミ及び汚染土搬入口33を通過し、円筒型焼却炉11内部へと移動する。この時、焼却炉駆動モーター7が駆動され、焼却炉駆動モーター7に接続されたベルト6が回転することで円筒型焼却炉11も回転する。円筒型焼却炉11底部には、水素ガスタンク18から水素ガスが供給され燃焼されることで燃焼炎12として発生する。円筒型焼却炉11内部に投入されたゴミ及び汚染土3は、燃焼炎12により焼却される。図4に示すように、円筒型焼却炉11は地表面1に対して焼却炉傾斜角度37を持って構成されているので、ゴミ及び汚染土3はゴミ及び汚染土一時止め板上部35又は、ゴミ及び汚染土一時止め板上部36に一時とどまりながら焼却される。ゴミ及び汚染土3は、円筒型焼却炉11の回転に伴い、ゴミ及び汚染土撹拌羽30に回転方向に上げられながら回転し、やがてゴミ及び汚染土3の重量により、垂直落下方向34へ落下し、さらに下側に配置されたゴミ及び汚染土一時止め板下部37に止まっていく。以下、同様に、ゴミ及び汚染土は回転しながら焼却され、円筒型焼却炉11底部へたどりつく。
【0018】
焼却されたゴミ及び汚染土3は、円筒型焼却炉11底部から改良土及び灰24として排出され処理室26へ移動する。一方、ゴミ及び汚染土3の焼却により発生した煙は、円筒型焼却炉11の天井部に接続された煙通路8を通過し、二次煙焼却窯38へ移動する。二次煙焼却窯38には、水素ガス送管13から水素ガスが、空気圧送管14から空気が配合され燃焼炎12を形成し、移動してきた煙が完全焼却される。焼却された煙は、排出管15の中を排気ガス21として通過し、排気処理室28へ移動する。排気処理室28天井部で接している水送管27から噴射水20が排気処理室28内へ噴射される。排気処理室28へ移動した排気ガス21は、噴射水20に溶け込んだ後、フィルター22及び排出管23を通過して、装置外部へ排出される。
【0019】
最良の形態によれば、回転可能に形成された円筒型焼却炉11が地表面1に対して傾斜を持って配置されるとともに、円筒型焼却炉11内部にゴミ及び汚染土撹拌羽30を備えたため、ゴミ及び汚染土3が円筒型焼却炉11内部を回転されながら焼却されることが可能となる。また、円筒型焼却炉11が、一定の離間を保ってゴミ及び汚染土一時止め板上部35、ゴミ及び汚染土一時止め板下部36を備えたため、ゴミ及び汚染土3が円筒型焼却炉11内部に一定時間留まる事が可能となる。円筒型焼却炉11が断熱材29を備えたため、焼却炉ずれ止め10などの円筒型焼却炉11外部に接する物質を変形することを防ぐことが可能となる。また、地表面1に対して傾斜を持って配置された円筒型焼却炉11天井部がゴミ及び汚染土搬入口33と煙通路8と分離して接続されたため、円筒型焼却炉11内部においてゴミ及び汚染土3の焼却と焼却による煙突として同時に利用することが可能となる。さらに、地表面1にレール40が設けられ、地表面1と処理装置積台41との間に車輪39が設けられたので、ゴミ及び汚染土3のある場所まで移動する事が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
上記では燃焼炎12を生成するのに、水素ガスを利用したがその他の燃焼される物質を利用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置の全体構成図(最良の形態)。
【図2】円筒型焼却炉の断面図(最良の形態)。
【図3】円筒型焼却炉の側面図(最良の形態)。
【図4】円筒型焼却炉の構成図(最良の形態)。
【図5】回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置の断面図(最良の形態)。
【図6】回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置の側面図(最良の形態)。
【符号の説明】
【0022】
1 地表面、2 ベルトコンベア、3 ゴミ及び汚染土、4 回転部接点、5 ホッパー、6 ベルト、7 焼却炉駆動モーター、8 煙通路、9 焼却炉回転ローラー、10 焼却炉ずれ止め、11 円筒型焼却炉、12 燃焼炎、13 水素ガス送管、14 空気圧送管、15 排気管、16 排気ファン、17 コンプレッサー、18 水素ガスタンク、19 水タンク、20 噴射水、21 排気ガス、22 フィルター、23 排出管、24 改良土及び灰、25 運搬車、26 処理室、27 水送管、28 排気処理室、29 断熱材、30 ゴミ及び汚染土撹拌羽、31 耐熱銅板、32 駆動モーター台座、33 ゴミ及び汚染土搬入口、34 垂直落下方向、35 ゴミ及び汚染土一時止め板上部、36 ゴミ及び汚染土一時止め板下部、37 焼却炉傾斜角度、38 二次煙焼却窯、39 車輪、40 レール、41 処理装置積台、42 補強骨組

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地表面に沿って配置された処理装置積台と、地表面から傾斜を持って上側に回転するベルトコンベアと、ベルトコンベア最上部の垂直落下方向に配置されたホッパーと、ホッパー下部に地表面に対して傾斜し配置された回転可能で内側表面が耐熱銅板により構成された円筒型焼却炉と、二次煙焼却窯と、排気処理室とが備えられ、円筒型焼却炉下部と地表面との間に配置された処理室と、円筒型焼却炉と二次煙焼却窯の間を繋ぐ煙通路と、二次煙焼却窯と排気処理室との間を繋ぐ排気管と、排気処理室天井部に繋がれた水送管と、水送管と繋がれた水タンクを備え、円筒型焼却炉と処理装置積台との間には、格子状に形成された補強骨組とを備えた回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置。
【請求項2】
円筒型焼却炉の円形断面円周に対して垂直に一定の離間を保って配置されたゴミ及び汚染土撹拌羽を備えた請求項1に記載の回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置。
【請求項3】
円筒型焼却炉の円筒中心軸に沿ってゴミ及び汚染土一時止め板上部及び下部を設けた請求項1に記載の回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置。
【請求項4】
円筒型焼却炉円筒内部の耐熱鋼板を覆うように円筒状に形成された断熱材を備えた請求項1に記載の回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置。
【請求項5】
円筒型焼却炉底部から天井部へ渡って焼却炎が構成され、円筒型焼却炉天井部円形断面一部分がゴミ及び汚染土搬入口と、円筒型焼却炉天井部円形断面他断面が煙通路と繋がれた請求項1に記載の回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置。
【請求項6】
地表面と処理装置積台との間に設けられた車輪と、地表面に垂直に接するよう設けられたレールとを設けられた請求項1に記載の回転式ゴミ焼却及び土壌改良装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−107177(P2010−107177A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300079(P2008−300079)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(595130252)
【出願人】(508186048)
【出願人】(508347915)
【出願人】(508348233)
【出願人】(508186107)
【出願人】(508097294)
【Fターム(参考)】