説明

回転式充填装置

本発明は、充填製品を貯蔵するための回転式環状タンク(2)と、複数の充填ステーション(3)と、環状タンク供給手段とを備え、上記充填ステーションのそれぞれが、環状タンクに接続された充填噴出口(31)と、計量手段(32)とを有しており、上記計量手段が、充填噴出口に配置されたバルブシステムと、上記環状タンクの中空中心部分(24)に向かって伸びる制御ケーブル(323)を用いて、上記環状タンクの上部に取り付けられて、該バルブシステムを制御可能に開閉するバルブ制御手段とを有する回転式容器充填機であって、上記供給手段が、上記充填ステーション(3)の上記バルブ制御手段(322)と上記環状タンク(2)の外側壁(21)との間に配置されている、少なくとも1本の固定供給チューブ(61)を備えている回転式容器充填装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ボトルまたはポットなどの中空容器を、食品、より具体的には水、牛乳、油、またはフルーツジュースなどの液体を用いて充填するための回転装置に関する。より具体的には、本発明は、充填製品を貯蔵するための環状タンクを備える回転式充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
当該回転式充填装置は、一般的に、環状タンクを支持する回転台と、多数の充填ステーション(filing stations)とを備える。各充填ステーションは、タンクに接続された充填噴出口と、各容器の中に既定量の充填製品を分配するための計量手段とを備える。計量手段は、充填噴出口の部分に配置されたバルブシステムと、そのバルブシステムを制御可能に開閉するためのバルブ制御手段とを備える。これら制御手段は、制御ケーブルを用いて環状タンクの上部に取り付けられる。当該制御ケーブルは、自身を制御装置に差し込むために、環状タンクにおける中空中央部分に向かって伸びる。
【0003】
このタイプのタンクにおける充填製品供給手段は、一般的に、1本の主要鉛直固定チューブ(main vertical fixed tube)を有する。この主要鉛直固定チューブは、中空中央部内においてタンクの回転軸に沿って伸びるとともに、環状タンクと流体連通する1つ以上の第二チューブに対して、回り継手(swivel joint)を介して、その下端において接続されている。当該第二チューブは、上記環状タンクに沿って回転する。
【0004】
前記環状タンクによって、タンク容量を抑えつつ、より多数の充填ステーションを備えた回転装置を提供することができる。しかしながら、スイベルジョイントを備えるそれらの供給システムは、複雑な構想および繊細な整備を含んでおり、かつ洗浄が困難であることがわかっている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、単純な構造を含むとともに容易に洗浄可能である、上述の欠点を克服する回転式充填装置を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、次のような充填装置を対象としている。すなわち、本発明の対象物は、
充填製品を貯蔵するための回転式環状タンクと、
複数の充填ステーションと、
環状タンク供給手段とを備え、
上記充填ステーションのそれぞれが、環状タンクに接続された充填噴出口と、計量手段とを有しており、上記計量手段が、充填噴出口に配置されたバルブシステムと、上記環状タンクの中空中心部分に向かって伸びる制御ケーブルを用いて、上記環状タンクの上部に取り付けられて、該バルブシステムを制御可能に開閉するバルブ制御手段とを有する回転式容器充填装置であって、
上記供給手段が、タンクに接触せずにタンクから独立して、充填ステーションのバルブ制御手段と環状タンクの外側壁との間に配置されている、少なくとも1本の固定供給チューブを備えていることを特徴とする回転式容器充填装置である。
【0007】
本発明によると、供給チューブは、回転タンクに固定されたバルブ制御手段の回転を妨げることなく、タンクの外側壁とバルブ制御手段との間においてほぼ鉛直に伸びるように、回転タンクから独立している支持部材の上に固定的に取り付けられている。従来の装置と同じ数の充填ステーションおよび同じ計量手段に関して、固定供給チューブを配置するためにタンクを若干拡張する必要があり得る。そのような供給チューブは特に単純な構造を有しており、整備が容易である。さらに、タンクにおける内側壁と装置の回転軸との間に対応する空間を選択することによって、タンク容量を充填製品の特性および充填ステーションの数に容易に適合させることができる。
【0008】
固定供給チューブは、長方形または円形の横断面、好ましくは、その空間要件の範囲に収めるための長方形の断面からできている。
【0009】
ある実施形態によると、充填噴出口が環状タンクの底壁に対して取り付けられ、バルブシステムが、ジャッキの脚(stem)の自由端に取り付けられたバルブによって形成されており、当該ジャッキは、好ましくは気圧式であって、上記バルブ制御手段を構成している。
【0010】
好適には、タンクの上部開口部が、タンクに対して固定された第一保護手段およびタンクと接触しない第二固定保護手段によって覆われている。
【0011】
添付の概略図に関連した、本発明の特定の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明のための記載において、本発明がよりよく理解され、かつ他の詳細、特徴、および効果がより明白になるだろう。図面は以下のとおりである。
【0012】
図1は、本発明に係る回転式充填装置の半分を示す概略断面図である。
【0013】
図2は、図1の装置の部分概略上面図である。
【0014】
図面を参照すると、回転装置は、図1において概略的にのみ示されたカルーセル1を備える。カルーセル1は、鉛直回転軸Aの周囲にある固定フレーム(図示せず)上に回転可能に取り付けられることを目的とする支持構造11を有する。カルーセル1は、回転軸の周りの直角スペースに配置された複数の充填ステーション3を備える、充填液の入った環状タンク2を支持する。
【0015】
軸Aを有する環状タンク2は、周壁とも言われる円筒形外側壁21と、円筒形内側壁22と、底壁23とを備える。これらの壁を全て合わせて、充填液の貯蔵量が規定される。環状タンクは、例えば上部の縁に近接するその内側壁によって支持構造11の上に固定される。
【0016】
各充填ステーション3は、充填タンクにおける底壁23の鉛直に取り付けられた充填噴出口31を備えており、当該噴出口31は、充填タンクと流体連通する、下方を向いた排出口を有する。噴出口は、例えば、図1に示されるように、タンクの両側壁に対して等距離に配置されている。
【0017】
各ステーションは、充填噴出口の下にあるボトルなどの容器を支持および保持するための容器支持システム(図示せず)をさらに備える。この支持システムは、例えば、ボトルを把持するための把持システムと、底からボトルを支持するための基部とを備える。
【0018】
製品計量手段32は、充填噴出口の下に設置された各容器の中に既定量の製品を分配するために、各充填噴出口に連結されている。これらの計量手段は、充填噴出口内に配置され、かつタンク上方に設置された気圧ジャッキ322によってその開閉を制御される、バルブ321を備える。ジャッキの本体322aは、各ジャッキ本体332a(図示せず)に付属の支持プレート5の上にか、または支持構造11に取り付けられた単一の環状支持プレート5の上に取り付けられる。ジャッキの脚部322bは、ジャッキによってバルブが鉛直に平行移動して排出口を開閉し得るように、ほぼ鉛直にタンク内において伸びるとももに、その自由端においてバルブを支持する。
【0019】
図面において概略的に示されるように、ジャッキを制御するための電気ケーブル323が、タンクにおける内側壁22によって区切られた中空中心部分24に向かって導かれ、ここで、それらが、まとめ直されて、例えば中空中心部に取り付けられた制御部と接続される。計量手段は、例えば上記基部において支持システム部分に配置された重量センサによってサーボ制御される、例えば重量に基づく、ジャッキである。交換可能に、ジャッキは、容器の充填レベルを検知するセンサ、または充填の際に容器と噴出口との間に挿入される流量計によって、サーボ制御される。
【0020】
ジャッキの本体322aは、中空かつ真っ直ぐな固定供給チューブ61が通過可能にするための、図2の斜線部Bによって示される、上記ジャッキと外側壁21との間の開放環状部を維持するように、タンク上方に配置されている。この充填チューブは、外側壁とジャッキとの間において接触しない配置にとって求められる空間の範囲内に収めるために、図2に示されるように、長方形断面であることが好ましい。この供給チューブは、取付金具71を介して固定支持部材7の上に取り付けられる。固定支持部材7は、例えばカルーセルにおける固定枠に締め付け固定される。供給チューブはタンクの中に鉛直方向に伸びており、外側壁の近位にあるとともに、その外側壁と平行である。供給チューブの下端61aは、タンクにおいて底壁23の上方に、例えば中程度の深部において配置され、かつチューブは、ダクト62を介して、その上端61bによって充填物の供給源(図示せず)に対して接続される。動作中、環状タンクは回転運動を行うが、供給チューブはタンクの外側壁21と充填ステーションのジャッキ322との間に静止したままである。
【0021】
図1に示すように、タンク内部の製品を外部から保護するために、ジャッキ用の支持プレート5がタンクを覆い、かつ開放環状部が第一リング81および第二リング82によって覆われる。第一リング81は、支持プレートに固定されており、上方を向いた鉛直外部リムを示し、かつ供給チューブから隔てて配置されている。第二リング82は、適した固定手段によって、供給チューブのようにタンクと接触せずに固定的に取り付けられており、この第二リングは、下方を向いた外部リムを示しており、外側壁の上端を越えて配置されており、第一リングの上方に、その鉛直リムを越えて伸びる。
【0022】
本発明は特定の実施形態に関して説明されているが、当然のことながら、それに限定されるものではなく、本発明の範囲内であれば、記載された手段およびそれらの組合せの、技術的な等価物の全てが含まれることは、理解される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る回転式充填機の半分を示す概略断面図である。
【図2】図2は、図1の機械の部分概略上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填製品を貯蔵するための回転式環状タンクと、複数の充填ステーションと、環状タンク供給手段とを備え、上記充填ステーションのそれぞれが、環状タンクに接続された充填噴出口と、計量手段とを有しており、上記計量手段が、充填噴出口に配置されたバルブシステムと、上記環状タンクの中空中心部分に向かって伸びる制御ケーブルを用いて、上記環状タンクの上部に取り付けられて、該バルブシステムを制御可能に開閉するバルブ制御手段とを有する回転式容器充填装置であって、
上記供給手段が、上記充填ステーション(3)の上記バルブ制御手段(322)と上記環状タンク(2)の外側壁(21)との間に配置されている、少なくとも1本の固定供給チューブ(61)を備えていることを特徴とする回転式容器充填装置である。
【請求項2】
上記固定供給チューブ(61)が長方形断面を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記充填噴出口(31)が上記環状タンク(2)の上記底壁(23)に接して取り付けられており、上記バルブシステムが、ジャッキ(322)の脚(stem)(322b)の自由端において取り付けられたバルブ(321)によって形成されており、上記ジャッキが、上記バルブ制御手段を構成していることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
上記タンクの上部開口部が、上記タンクに固定された第一保護手段(5、81)と、上記タンクと接触していない第二固定保護手段(82)とによって覆われていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−505706(P2010−505706A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530910(P2009−530910)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001604
【国際公開番号】WO2008/040876
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(504102770)シデル パルティシパション (46)
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
【Fターム(参考)】