説明

回転式脚マッサージ機

【課題】 エアポンプ等が足場の邪魔になることがなく、また支持台部と床面との間にスペースを確保することが容易であって持ち運びの際に足先を挟むといった危険性が低く、且つ全体にスリムであって外観性の非常に良好な回転式脚マッサージ機を提供する。
【解決手段】 被施療者の脚部をマッサージするためのエアバッグを配してある脚施療部1を一面側に有するとともに該脚施療部1の反対面側には脚部を載せておくための脚載部2を有する本体部3と、上記本体部3を回転自在に支持する支持台部4とを具備する回転式脚マッサージ機において、エアバッグへの給気を行うエアポンプ22を上記本体部3に内蔵させたものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚施療部の反対面に脚載部を有する本体部を、回転自在に備えて成る回転式脚マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、エアバッグを配してある脚施療部を一面側に有し、その反対面側には脚部を載せておくことのできる脚載部を有する本体部と、上記本体部を回転自在に支持する支持台部とを具備する回転式脚マッサージ機が知られている(特許文献1参照)。被施療者は、本体部の脚施療部側が上方乃至側方を向くようにセットして自らの脚部を該脚施療部内に保持させ、この状態でエアバッグの給排気を行うことで脚部にマッサージを施すことができる。また本体部を反転させて脚載部が上側を向くようにセットすれば、脚載部の平坦面上に脚部を載せておく脚載せ台としても利用可能になっている。
【0003】
上記従来の回転式脚マッサージ機にあっては、脚施療部に配されるエアバッグへの給排気を行うためのエアポンプ等から成る制御機構は、本体部を回転自在に支持する支持台部上に設置してあった。具体的に言えば、この支持台部は本体部を支持する左右一対の支持脚と、両支持脚をつなぐ長板部とで主体を成すものであって、この長板部の上面にエアポンプ等の制御機構を固定させた構造であった。
【0004】
そして、上記構造のものにあっては、特にエアポンプは外形が大きいことからこれを保持する長板部としては幅広の部材を備えておくことが必要であった。加えて、長板部上にはエアポンプ等の制御機構を固定するスペースを確保する必要があるので、長板部としては床面に近い低い位置に備える必要があった。
【0005】
これにより従来は、支持台部におけるエアポンプやこれを保持するための長板部等の構造が足場の邪魔になるといった問題や、支持台部の低い位置に設置してある幅広の長板部と床面との間に足先を挟む恐れが高く持ち運びの際に危険であるといった問題や、支持台部全体が非常に大型の構造物となって外観が悪いといった問題があった。
【特許文献1】特許第3624908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、エアポンプ等が足場の邪魔になることがなく、また支持台部と床面との間にスペースを確保することが容易であって持ち運びの際に足先を挟むといった危険性が低く、且つ全体にスリムであって外観性の非常に良好な回転式脚マッサージ機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明を、被施療者50の脚部をマッサージするためのエアバッグを配してある脚施療部1を一面側に有するとともに該脚施療部1の反対面側には脚部を載せておくための脚載部2を有する本体部3と、上記本体部3を回転自在に支持する支持台部4とを具備する回転式脚マッサージ機において、エアバッグへの給気を行うエアポンプ22を上記本体部3に内蔵させてあることを特徴としたものとする。
【0008】
このように、外形が大きなエアポンプ22を本体部3内に収納した構成とすることで、支持台部4側にはエアポンプ22を固定させるための大型の構造物やスペースが不要となる。したがってエアポンプ22等が足場の邪魔になることがなく、また支持台部4と床面との間にスペースを形成することも容易であるから持ち運びの際に足先を挟むといった危険性が低く、しかも全体にスリムであって外観性の非常に良好な回転式脚マッサージ機となる。
【0009】
更に上記構成の回転式脚マッサージ機にあっては、上記エアポンプ22を用いてエアバッグへの給排気を制御する制御機構20を、上記本体部3に内蔵させてあることも好適である。このようにすることで、支持台部4側にはエアポンプ22のみならず全体の制御機構20を固定させるための構造物やスペースも不要となる。つまり、これら制御機構20が足場の邪魔になるといったことが完全になくなり、また持ち運びの際に足先を挟むといった危険性が更に低くなるとともに、全体に更にスリムとなって外観性の非常に良好な回転式脚マッサージ機となる。
【0010】
また、上記エアポンプ22の互いに反対側を向く面にそれぞれ複数接続される防振用ゴム足18を介して、上記エアポンプ22を上記本体部3内に隙間を空けて支持させてあることも好適である。このようにすることで、本体部3の姿勢に関係なくエアポンプ22の振動や動作音を低減させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、エアポンプ等が足場の邪魔になることがなく、また支持台部と床面との間にスペースを確保することが容易であって持ち運びの際に足先を挟むといった危険性が低く、且つ全体にスリムであって外観性が非常に良好なるといった効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1、図2には、本発明の実施形態における一例の回転式脚マッサージ機を示している。図示の如く、本例の回転式脚マッサージ機は従来のものと同様に、被施療者50の脚部をマッサージするためのエアバッグ(図示せず)を配してある脚施療部1を一面側に有するとともに該脚施療部1の反対面側には脚部を載せておくための脚載部2を有する本体部3と、上記本体部3を水平軸廻りに回転自在に支持する支持台部4とで主体を成すものである。
【0013】
上記本体部3の脚施療部1側には、被施療者50の左右の脚部をそれぞれ嵌入させる一対の溝部5を設けてあり、この溝部5の内壁部にエアバッグを配置しておくことで、エアバッグの膨縮により各溝部5に嵌入される脚部に適宜マッサージを施すことが可能になっている。上記脚施療部1の溝部5を設けてある側と反対側の面(即ち背面)には、一面の開口した箱型を成す脚載部2の開口縁部分を固定するようになっており、上記固定によって、脚施療部1と脚載部2が互いに反対側に位置する本体部3全体の外形を形成している。箱型を成す脚載部2の外底面には略平坦な載置面6を形成しており、被施療者50はこの載置面6上に自らの脚部を載せて休ませることが可能になっている。また上記本体部3の脚施療部1の左右両側面からは、それぞれ水平方向を軸方向とする回転軸7が一体に延設してある(図5参照)。
【0014】
また上記支持台部4は、本体部3から延出される左右一対の回転軸7をそれぞれ回転自在に支持する左右一対の支持脚部8と、左右の支持脚部8を水平方向につなぐ細長形状の補助フレーム9とで主体を成している。一方の支持脚部8には解除レバー10を備えており、この解除レバー10の下端を外側に引き上げることで、本体部3の回転を禁止するロック機構(図示せず)のロックを解除することができる。なお図中の符号11は後述の制御回路14に接続される外部コントローラであり、符号12は同じく制御回路14に接続される電源コードである。
【0015】
そして本例の回転式脚マッサージ機にあっては、本体部3内に形成される収納空間Sに、脚施療部1の溝部5に配される各エアバッグへの給気を行うエアポンプ22と、このエアポンプ22や後述の電磁弁16の駆動を制御する制御回路14と、エアポンプ22とエアバッグとを連通させて給排気を行う各種エア経路15と、このエア経路15内に介在させてある電磁弁16とを内蔵させてある。上記収納空間S内の各部材により、エアポンプ22を用いて各エアバッグへの給排気を制御するための、外部コントローラ11を除いた全ての制御機構20が形成されている。
【0016】
本体部3内の上記収納空間Sは、図2に示す如く、脚施療部1の背面と、上記背面に固定される箱型の脚載部2との間に形成される密閉空間である。そして上記収納空間S内に収納される制御機構20は、平板状を成す取付板17の脚載部2側を向く平坦面上に固定されるようになっている。つまり箱型を成す脚載部2は、脚施療部1の背面側に固定される取付板17上の制御機構20を、脚載部2との間で覆って保護する収納カバーのような役割をも果たすものである。
【0017】
なお上記エアポンプ22は、有底筒状を成すカバー21と取付板17との間にこれを収納することでエアポンプユニット13を形成するものである。上記カバー21の底板部分には複数の防振用ゴム足18が圧入固定してあり、各防振用ゴム足18の先端がエアポンプ22の図中上面に圧縮状態で当たるようになっている。また取付板17にも複数の防振用ゴム足18が圧入固定されており、各防振用ゴム足18の先端がエアポンプ22の図中下面に圧縮状態で当たるようになっている。これにより本例のエアポンプ22は、その互いに反対側を向く面(図中上下面)にそれぞれ複数接続される防振用ゴム足18のみを介して、周囲の構造物(即ち取付板17とカバー21)とは隙間を空けて支持されるものである。
【0018】
上記構成から成る本例の回転式脚マッサージ機にあっては、本体部3の脚載部2側を上方乃至斜め上方に向けた姿勢において該脚載部2の上面である載置面6上に脚部を載せて休ませることができる。このとき本体部3の回転はロックさせておく。
【0019】
そしてマッサージを行いたい場合は、解除レバー10を引いてロックを解除したうえで本体部3を回転させ、脚施療部1側を上方乃至側方に向けた姿勢に切換える。この姿勢で脚施療部1の溝部5内に脚部を嵌入させて外部コントローラ11によりマッサージ開始を指令すれば、外部コード12から電力を供給される制御回路14はエアポンプ22や電磁弁16の駆動を適宜制御することでエアバッグを給排気させ、脚部に揉みマッサージを施すことができる。なお本体部3は、これを反転させる間の複数段階にてロック機構により回転をロック可能となっている。
【0020】
このように本例の回転式脚マッサージ機にあっては、マッサージ施療時以外では脚載部2側を上にして脚部を載せて用いることができ、また簡易椅子として用いることも可能である。更に本体部3の姿勢を複数段階で切換えることで、図6(a)に示すように溝部5の内底面に足裏部分を当てるように脚部を嵌入させてマッサージを施すことも可能であるし、また図6(b)に示すように膝下部分を床面上に立てた状態で溝部5内に脹脛部分を嵌入させてマッサージを施すことも可能である。
【0021】
ここで、本例にあってはエアポンプ22や制御回路14から成る制御機構20全体を本体部3内に収納してあるから、支持台部4の左右の支持脚部8間には細長の補助フレーム9を設けるだけでよく、したがって図6(b)のように膝下部分を立てた状態で溝部5内に脹脛部分を嵌入させる際に、この脚部が補助フレーム9と接触しないように設けることができる。これに対して従来例のように、仮に補助フレーム9にエアポンプユニット13等の制御機構20を固定させる構造とするならば、補助フレーム9は幅広に設ける必要があってここに脚部が当たり、図6(b)の姿勢でマッサージを施すことができない。
【0022】
加えて、同じく従来例のように補助フレーム9にエアポンプユニット13等を固定させる構造とするならば、外形の大きなエアポンプユニット13が上方の本体部3と接触しないように補助フレーム9は床面近くの低い位置に備える必要が生じ、このため持ち運び時に補助フレーム9と床面との間で足先を挟む恐れが高くなる。対して本例にあっては、エアポンプユニット13等を備える必要のない補助フレーム9を高い位置に備えることで、足先を挟むといった事態を防止しているのである。更に言えば、本例の回転式脚マッサージ機にあっては全体の外観もスリム化され、使用者の扱いも快適であるとともに居住空間にもフィットするものである。
【0023】
またエアポンプ22はエアポンプユニット13内において上下の防振用ゴム足18のみを介して中空支持されており、本体部3を回転させても接触することがない充分な隙間をエアポンプ22とこれを囲む面との間に設けてあるので、エアポンプ22の振動や騒音が周囲に影響を及ぼすことは防止されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態における一例の回転式脚マッサージ機の分解斜視図である。
【図2】同上の回転式脚マッサージ機の全体斜視図である。
【図3】同上の回転式脚マッサージ機の本体部内に収納される制御機構を示す斜視図である。
【図4】同上の制御機構の一部破断図である。
【図5】同上の本体部の一部破断図であり、(a)は脚施療部側から見た状態、(b)は脚載部側から見た状態である。
【図6】同上の回転式脚マッサージ機を用いたマッサージの説明図であり、(a)は足先部分をマッサージする場合、(b)は床面に立てた脹脛部分をマッサージする場合である。
【符号の説明】
【0025】
1 脚施療部
2 脚載部
3 本体部
4 支持台部
18 防振用ゴム足
20 制御機構
22 エアポンプ
50 被施療者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の脚部をマッサージするためのエアバッグを配してある脚施療部を一面側に有するとともに該脚施療部の反対面側には脚部を載せておくための脚載部を有する本体部と、上記本体部を回転自在に支持する支持台部とを具備する回転式脚マッサージ機において、エアバッグへの給気を行うエアポンプを上記本体部に内蔵させてあることを特徴とする回転式脚マッサージ機。
【請求項2】
上記エアポンプを用いてエアバッグへの給排気を制御する制御機構を、上記本体部に内蔵させてあることを特徴とする請求項1に記載の回転式脚マッサージ機。
【請求項3】
上記エアポンプの互いに反対側を向く面にそれぞれ複数接続される防振用ゴム足を介して、上記エアポンプを上記本体部内に隙間を空けて支持させてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転式脚マッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−330700(P2007−330700A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−169171(P2006−169171)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】