説明

回転楕円形状物の方向整頓装置

【課題】 横倒し状態で搬送されてくる回転楕円形状物(例えば果実)を直立させることが可能な回転楕円形状物の方向整頓装置を提供する。
【解決手段】 上記課題を解決するための装置は、上下方向に回転軸を配置した複数のローラ12のローラ面によって構成される回転楕円形状物の収容部を備え、前記ローラ面に傾きを設け、前記収容部は少なくともローラ12の下端側で窄むように構成し、前記複数のローラ12のうち少なくとも2つ以上は、異なる回転速度で回転する駆動ローラとし、前記収容部に収容した回転楕円形状物に滑りと回転を生じさせ、長軸方向に直立させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オリーブ等の回転楕円形状をした果実の載置方向を整えるための装置に係り、特に、回転ローラを回転楕円形状物に接触させることにより、この回転楕円形状物の長軸を一定方向に整える回転楕円形状物の方向整頓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オリーブ等に代表される回転楕円形状(その立体形状に長軸と短軸とを持つもの)の果実を持つ食用植物において、工業的に果実と種子とを分離するニーズがある。果実と種子との分離は、プランジャなどで種子を押し出すことにより行われる。このとき、一般的に食用に適さないとされる蔕部も同時に取り除くことにより作業効率を上げることができる。種子の押し出しは、上方から下方へ行うことにより押し出された種子の処理が容易となる。この場合、プランジャによる種子の押し出しを行う前に、不安定な回転楕円形状をした果実を直立させるという工程が必要となる。しかしながら、機械的に果実を直立させる手段は知られていないため、これらの作業は人手により行われている。
【0003】
近縁の技術として、果実や根菜類の搬送過程においてその方向を整列する装置が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されている装置は、ブラシを構成する毛の長さに長短を設けてブラシ先端が山なりとなるように形成した一対のブラシローラを備え、前記ブラシを回転させつつコンベアによりブラシ間に果実や根菜類を通過させることで、搬送物の長軸方向を揃えるというものである。また、類似の形状物である鶏卵に関する方向整頓装置については特許文献2〜4に記載されているものがある。
【特許文献1】特開2004−75380号公報
【特許文献2】実公平6−24326号公報
【特許文献3】特開平9−142639号公報
【特許文献4】特開2003−231507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献のうち、特許文献1に記載された装置は、長軸と短軸の方向を揃えるものであり、特許文献2〜4に記載された装置は、鶏卵の形状の特徴に従ってその向きを揃えるものである。これらの装置はいずれも、搬送物(回転楕円形状物)を横倒しにした状態でその向きを変えるというものである。したがって、これらの装置はそれぞれの分野においては好適に使用可能であると考えられるが、果実を直立させるといったニーズに対応することはできない。
本発明では、横倒し状態で搬送されてくる回転楕円形状物(例えば果実)を直立させることが可能な回転楕円形状物の方向整頓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
横倒しで搬送される回転楕円形状の果実を直立させる(楕円形状の長軸が縦になるようにする)には、果実との接触面に滑りを生じさせながら果実を挟み込む状態を実現することができれば良いと考えられる。このような状態を実現することにより、果実は挟み込みを行うガイドに沿って姿勢を変え、最終的に直立状態となる。
【0006】
そこで、本発明に係る回転楕円形状物の方向整頓装置は、上下方向に回転軸を配置した複数のローラのローラ面によって構成される回転楕円形状物の収容部を備え、前記ローラ面に傾きを設け、前記収容部は少なくともローラの下端側で窄むように構成し、前記複数のローラのうち少なくとも2つ以上は、異なる回転速度で回転する駆動ローラとし、前記収容部に収容した回転楕円形状物に滑りと回転を生じさせ、長軸方向に直立させることを特徴とする。
【0007】
また、上記構成の回転楕円形状物の方向整頓装置では、前記ローラを鼓型とし、前記ローラ面を前記回転楕円形状物に押し付ける押付手段を備えることが望ましい。
また、前記押付手段は、1つのローラの動きに連動して他のローラを移動させ、それぞれのローラの移動方向が収容部に配置した回転楕円形状物の回転中心となるように構成したリンク機構と前記リンク機構を介して前記ローラを前記回転楕円形状物に押し付ける駆動シリンダとより構成すると良い。
【発明の効果】
【0008】
上記のような構成の回転楕円形状物の方向整頓装置によれば、横倒し状態で搬送されてくる回転楕円形状物を直立させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の回転楕円形状物の方向整頓装置について、図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明に係る好適な実施形態の一部を示すものであり、本発明の範囲は以下に示す実施形態のみに限定されるものでは無い。
【0010】
図1は、本発明の回転楕円形状物の方向整頓装置に係る実施形態を示す斜視図である。本実施形態の回転楕円形状物の方向整頓装置(以下、単に装置という)10は、回転楕円形状物(以下、果実という)100(図2参照)を取り囲む複数のローラ12(12a,12b,12c)と、前記複数のローラ12に回転駆動力を付与するモータ(駆動手段)14と、前記モータ14から前記ローラ12へ付与される回転駆動力を変化させ、前記複数のローラ12の回転速度をそれぞれ異ならせる回転速度差発生手段とを基本的な構成としている。
【0011】
前記複数のローラ12の各々は、円筒の胴部をくびれさせた鼓型を成し、当該くびれを形成した胴部をローラ面としている。ローラをこのような形状とすることにより、ローラ面は傾きを持つこととなり、複数のローラのローラ面によって構成される果実の収容部は、ローラの端部へ行くにしたがって窄まることとなる。そして、オリーブの果実のような回転楕円形状物を挟み込んだ際には、果実がローラの中心付近に位置することとなる。また、くびれ部分に果実が収まるため、挟み込み状態で果実を安定保持することが可能となる。
【0012】
このような形状のローラ12は、図2,図3に詳細を示すようなリンク機構16に取り付けられる。そして、前記リンク機構16を動作させることにより、前記複数のローラ12はそれぞれ、整列対象となる果実100にローラ面を押し付けるようにしてその中心に向けて移動される。
【0013】
リンク機構16は、中心リンク40と、アームリンク50,60と、平行リンク52,62とから構成される。中心リンク40は、装置に取り付けるローラ12と同数(本実施形態では3つ)のアーム40a,40b,40cを供えており、それぞれのアームの中心に固定ピン70aが設けられる。このような構成の中心リンク40は、前記固定ピン70aを中心として回転自在とされている。また、本実施形態では、アーム40bにローラ12bを備える構成とし、他のアーム40a,40cにはそれぞれ後述する平行リンク52,62を接続する構成としている。
【0014】
本実施形態の装置10には、「く」の字(或いは「ヘ」の字、「L」字)状に形成された2つのアームリンク50,60が備えられ、それぞれ、固定ピン70b,70cを中心に回転自在に設けられている。直線構造では、動作時に干渉が生じるからである。
前記アームリンク50,60は、その一方の辺50a,60aにそれぞれローラ12a,12cを備え、他方の辺50b,60bを後述する平行リンク52,62に接続している。ここで、少なくとも一方の辺50a,60aは前記中心リンク40のアーム40bと長さを同一にし、他方の辺50b,60bは前記中心リンク40のアーム40a,40cと同一の長さとすることが望ましい。
【0015】
平行リンク52,62はその両端を自由ピン72(72a〜72d)で、各々アーム40a,40cと他方の辺50b,60bとに接続される。このような構成において、前記固定ピン70aと固定ピン70bとの距離と自由ピン72bと自由ピン72aとの距離、固定ピン70aと固定ピン70cとの距離と自由ピン72cと自由ピン72bとの距離とを等しくすることが望ましい。
【0016】
上記のような構成のリンク機構16によれば、中心リンク40を動作させるだけで、あるいは1つのローラを動作させるだけで、3つのローラ12a,12b,12cの全てが整列対象である果実100に押し付けられるように移動することとなる。また、上記のような構成によれば、平行リンク機構が成り立つと共に、3つのローラ12a,12b,12cに付与される移動量がそれぞれ等しくなる。さらに、上記構成のリンク機構16において、3つの固定ピン70a,70b,70cの配置位置を正三角形に配置することにより、3つのローラ12a,12b,12cをそれぞれ均等に果実100に押し付けることが可能となる。
【0017】
リンク機構16の動作には、例えば駆動シリンダ90を用いるようにすれば良い。図3にリンク機構16の斜視図を示す。ここで、図3(A)はローラ12を押し付ける前の状態を示し、図3(B)はローラ12を押し付けた後の状態を示す。図3においては、中心リンク40のアーム40bと平行リンク52とを接続する自由ピン72bに駆動シリンダ90のロッド90aの先端を接続している。
【0018】
このような構成のリンク機構16において、図3(A)に示す状態から駆動シリンダ90のロッド90aを伸長させることにより、中心リンク40が時計回りに回転し、アーム40bに備えられたローラ12bが果実100(図3においては不図示)に押し付けられるように移動する。これに伴い、平行リンク52は押し上げられ(図中)、当該平行リンク52に接続されたアームリンク50は固定ピン70bを中心に時計回りに回転し、一方の辺50aに備えられたローラ12aが果実100に押し付けられるように移動する。一方、平行リンク62は中心リンク40の回転に伴い引き下げられ(図中)、当該平行リンク62に接続されたアームリンク60は固定ピン70cを中心に時計回りに回転する。これにより、一方の辺60aに備えられたローラ12cが果実100に押し付けられるように移動する。このような動作により、ローラ12a,12b,12cはそれぞれ同時に整列対象となる果実100の中心方向へと移動し、図3(B)に示す状態となる。
【0019】
このような構成であれば、整頓対象となる果実100の大きさが異なる場合であっても、果実100をローラ12の中心へ位置させることが容易となる。
駆動手段としての前記モータ14の回転駆動力は、駆動軸14aを介して駆動プーリ32に伝達される(図1参照)。
【0020】
前記回転速度差発生手段は、回転速度差発生プーリ18(18a,18b,18c)と、前記駆動プーリ32と、前記それぞれのプーリ18,32に掛け回されるベルト30とより構成される。前記回転速度差発生プーリ18は、前記ローラ12と同じ数だけ設けられ、各々その直径を異にしている。
【0021】
このような構成とすることにより、ベルト30を介して駆動プーリ32から伝達される回転駆動力に違いが生じ、回転速度差発生プーリ18毎に回転速度の差が生じることとなる。
そして、回転速度差発生プーリ18a,18b,18cの回転軸には、回転駆動力を前記ローラ12a,12b,12cへ伝達するためのベルト24(24a,24b,24c)を掛け回す連動プーリ20(20a,20b,20c)が備えられている。なお、前記連動プーリ20はそれぞれ直径を同一とすることが望ましい。こうすることにより、回転速度差発生プーリ18によって異ならせた回転速度差を保ったままローラ12へ回転駆動力を伝達することができるからである。また、前記ローラ12にも回転軸80(80a,80b,80c)を持たせ、各々の回転軸80に対してプーリ22(22a,22b,22c)を固定する構成とした。ここで、各ローラ12の回転軸80に設けるプーリ22の直径も同一とすることが望ましい。
【0022】
このような構成の回転速度差発生手段では、モータ14を回転させることにより、駆動プーリ32が回転する。駆動プーリ32に回転駆動力が付与されることにより、回転速度差発生プーリ18に、ベルト30を介して回転駆動力が伝達される。これにより回転速度差発生プーリ18は、各々異なる速度で回転する。回転速度差発生プーリ18の回転に伴い、同軸に設けられた連動プーリ20に回転駆動力が付与され、ベルト24を介してローラ12の回転軸80に備えられたプーリ22に回転駆動力が伝達される。そして、プーリ22の回転に伴い、それぞれのローラ12が異なる回転速度で回転する。
【0023】
なお、回転速度差発生プーリ18は、固定ピン70のそれぞれに回転自在に設けるようにし、連動プーリ20は、対応する回転速度差発生プーリ18と連動して回転する構成とすると良い。このような構成とすることにより、リンク機構16が動作した場合であっても各回転速度差発生プーリ18間の距離が変動しないため、ローラ12を安定して回転させることができる。また、プーリを設けるための軸(ピン)を新たに設ける必要が無く、リンク機構16とプーリあるいは軸とが干渉する虞も無い。
【0024】
上記のように構成される装置10では、ローラ12が開いた状態(図3(A)の状態)で3つのローラ12a,12b,12cの中心に果実100が投入される。以下、図4を参照して、投入後の果実100の方向が整えられる様子を説明する。なお、図4は、説明を簡単化するために、ローラを2つ(ローラ12a,12b)として説明するが、その作用はローラを3つとする上記実施形態の装置10の場合と殆ど変わらない。
【0025】
ローラ12が「開」の状態でローラ12aとローラ12bとの間に果実100が投入される。投入された果実100は横倒しのままである。果実100が投入された後、ローラ12aとローラ12bとはそれぞれ異なる速度で同一方向に回転しながら果実100を挟み込む。挟み込まれた果実100は、ローラ12a,12bから回転駆動力を得て回転を始める。また、ローラ12a,12bによって挟み込まれた果実100はローラ12のローラ面を滑りつつ、収容部が広くなるローラ12のくびれ部分に移動することなる。ここで、ローラ12のローラ面と果実100とは、点接触となるため滑りが生じやすい(図4(A)参照)。
【0026】
また、ローラ12aとローラ12bとはそれぞれ回転速度が異なるため、ローラ12から回転駆動力を付与される果実100の表面には常に、いずれかのローラのローラ面との間に滑りが生じている。換言すれば、果実100は、いずれかのローラに弾かれる状態となっているのである。このため、ローラ12aとローラ12bとを果実100に押し付けるように果実100の中心へ向けて移動させることにより、果実100はローラ12の曲面に沿って滑りながら姿勢(方向)を変え、狭められた収容部に収まるようになる(図4(B)参照)。
【0027】
このような状態でローラ12aとローラ12bとを果実100の中心へ近づけて行くことで、果実100は直立状態となる。すなわち、果実100とローラ面との接触点で描く緯線が最も短くなる方向へと姿勢を変えるのである(図4(C)参照)。
【0028】
上記のようにして本実施形態の装置10による果実100の方向整頓は終了する。この後、ローラ12の回転を止め、必要に応じて図示しないプランジャ等を用いて種子を押し出す加工を行うことで、種子と蔕部とを同時に取り除くことができる。なお、本実施形態のローラ12は、その形状を鼓型としたため、挟み込んだ果実を安定保持することができる。また、本実施形態の装置10によれば、果実100の方向を変えるための搬送経路(例えばローラコンベア等)を必要としないため、機械的に方向整頓を行うためのスペースを小さくすることができる。
【0029】
次に、本発明の回転楕円形状物の整列装置に関する応用形態について説明する。図5は、上記実施形態におけるローラ12の形状に変化を持たせたものである。
図5に示すように、本実施形態におけるローラ112(112a,112b)は、円錐型(あるいは円錐台型)をしている。したがって、複数のローラによって構成される収容部は、ローラの下側へ行くほど窄まることとなる。また、前記ローラ112a,112bは、各々異なる回転速度で回転するように構成されている。
【0030】
このような構成のローラ112を有する装置10において、ローラ112aとローラ112bとの間に果実100を投入すると、果実100はローラ112のローラ面を滑りながら横倒し状態で回転させられる(図5(A)参照)。
上述したように、ローラ112aとローラ112bとは異なる回転速度で回転しているため、果実100は常にいずれかのローラ112のローラ面との間に滑りを生じさせる状態となる。このような状態において、果実100には重力が作用し、下方へ落下する力が生じる。回転速度の異なる複数のローラ112の間で滑りながら回転する果実100は、ローラ112の間に形成された、狭まる収容部に入り込むように姿勢を変えながら、下側へと移動していく(図5(B)参照)。
【0031】
姿勢を変えながらローラ112の下側へと移動(落下)していく果実100は、ローラ112の間に形成されたの隙間(収容部)が果実100が構成する楕円型形状の短軸よりも狭くなったところで止まる。ここで、果実100の落下の停止は、果実100とローラ面との接触点の軌跡で描かれる緯線が最も短い状態となったこと、すなわち、果実100が直立状態となったことを意味する(図5(C)参照)。
上記のようにして本実施形態の装置10による果実100の方向整頓は終了する。
【0032】
本実施形態では、重力による果実100の落下を利用して果実100の方向を整える方法を採っている。したがって、ローラ112を果実100の中心に向けて移動させるリンク機構16(図1参照)を備えなくとも、果実100の方向整頓を実現することができる。なお、本実施形態の場合、ローラ112のローラ面の間隔が最も狭まる箇所が、整列対象となる果実が構成する楕円型形状の短軸よりも狭く設定するようにする。
【0033】
本発明の回転楕円形状物の方向整頓装置に関する応用形態としては、図6に示すようなものも挙げることができる。図6は、上記実施形態と同様に、装置10におけるローラ12の形態を変えたことを示す図である。図6に示すローラ212(212a,212b)は、円筒形状であり、一点鎖線で示す回転軸を傾けることで、そのローラ面に傾きを持たせるような構成としている。
【0034】
図6(A)〜(C)に、果実100の投入から方向整頓終了までの様子を示すように、このような構成のローラ212であっても、上記実施形態と同様な効果を奏することができる。なお、本実施形態におけるローラ212は、装置10に対する取り付けに工夫が必要であるが、設計事項の範囲内の工夫により解決することができるものである。
【0035】
実施形態として上述した回転楕円形状物の方向整頓装置10は、回転速度差発生プーリ18の直径をそれぞれ異ならせることでローラ12の回転速度を変える構成としている。しかし、回転速度差発生プーリ18として設けたプーリの直径をそれぞれ同一とし、ローラ12の回転軸80あるいは前記回転速度差発生プーリ18と連動して回転する連動プーリ20の直径を変えることによりローラ12の回転速度に差を持たせるような構成としても良い。
【0036】
また、回転駆動力の伝達に関しては、プーリとベルトによって行う旨記載したが、スプロケットとチェーンによって回転駆動力を伝達するようにしても良いし、ギヤ等によってしても良い。また、それぞれのローラにアクチュエータを備えて駆動させるようにしても良く、その他の手段によっても良い。
【0037】
また、上記実施形態では、装置に備えるローラは3つとして説明した。しかしながら、ローラの数は2つ以上であれば特に限定しないこととする。また、上記実施形態では、3つのローラの全てを駆動させる旨記載した。しかしながら、3つ以上のローラを備える場合には、少なくとも2つ以上が異なる回転速度で回転する駆動ローラであれば良い。
また、2つのローラで収容部を構成する場合には、収容する果実がローラによって弾かれないように、ガイドを備えるようにすると良い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
なお、上記実施形態のごとく、ローラの形状を鼓型とすることによれば、重力の影響に頼ることなく果実の姿勢を整えることができる。このため、装置10を横置きにした場合には、ベルトコンベア等によって搬送されてくる野菜等の向き(縦・横)を揃える工程にも適用することができる。
また、上記実施形態では、果実としてオリーブを例に挙げて説明したが、長軸と短軸とを備えた回転曲面から成る立体形状をしていれば、他の果実にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の回転楕円形状物の方向整頓装置を示す斜視図である。
【図2】回転楕円形状物の方向整頓装置におけるリンク機構を示す状面図である。
【図3】リンク機構の動作形態を示す斜視図である。
【図4】鼓型ローラにより回転楕円形状物の姿勢を整える様子を示す図である。
【図5】円錐型ローラにより回転楕円形状物の姿勢を整える様子を示す図である。
【図6】円柱型ローラにより回転楕円形状物の姿勢を整える様子を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
10………回転楕円形状物の方向整頓装置(装置)、12(12a,12b,12c)………ローラ、14………モータ(駆動手段)、14a………駆動軸、16………リンク機構、18(18a,18b,18c)………回転速度差発生プーリ、20(20a,20b,20c)………連動プーリ、22(22a,22b,22c)………プーリ、24(24a,24b,24c)………ベルト、30………ベルト、32………駆動プーリ、40………中心リンク、50………アームリンク、52………平行リンク、60………アームリンク、62………平行リンク、70(70a,70b,70c)………固定ピン、72(72a,72b,72c)………自由ピン、80(80a,80b,80c)………回転軸、90………駆動シリンダ、100………回転楕円形状物(果実)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に回転軸を配置した複数のローラのローラ面によって構成される回転楕円形状物の収容部を備え、
前記ローラ面に傾きを設け、前記収容部は少なくともローラの下端側で窄むように構成し、
前記複数のローラのうち少なくとも2つ以上は、異なる回転速度で回転する駆動ローラとし、
前記収容部に収容した回転楕円形状物に滑りと回転を生じさせ、長軸方向に直立させることを特徴とする回転楕円形状物の方向整頓装置。
【請求項2】
前記ローラを鼓型とし、前記ローラ面を前記回転楕円形状物に押し付ける押付手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の回転楕円形状物の方向整頓装置。
【請求項3】
前記押付手段は、1つのローラの動きに連動して他のローラを移動させ、それぞれのローラの移動方向が収容部に配置した回転楕円形状物の回転中心となるように構成したリンク機構と前記リンク機構を介して前記ローラを前記回転楕円形状物に押し付ける駆動シリンダとより構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転楕円形状物の方向整頓装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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