説明

回転機構付きボールスプライン

【課題】本願発明は,可能な限り小形化し,高精度化し,軽量化して装置そのものへの高機能化に貢献する回転機構付きボールスプラインを提供する。
【解決手段】この回転機構付きボールスプラインは,スプライン軸1,スプライン軸1にボール45を介して摺動自在なスライダ2,及びスライダ2の両端部にホルダ7,8を介して機台36に対して回転用のベアリング9,10が配設されている。ホルダ7,8には,端部に一対の突起部20が突出して設けられている。突起部20は,スライダ2を構成するエンドキャップ本体5に形成された凹溝22,スペーサ6に形成された凹溝23及びスライダ本体3に形成された凹溝21に順次挿通して,突起部20に設けたねじ孔28にホルダ固定ねじ17を螺入してスライダ2の両端にホルダ7,8をそれぞれ固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,例えば,半導体製造装置,組立装置などの各種装置の部品装着ヘッドとして,立軸状態で使用して好ましい回転機構付きボールスプラインに関する。
【背景技術】
【0002】
近年,回転機構付きボールスプラインは,電子機器の小型化や高機能化が益々促進されるのに伴って,半導体製造装置,組立装置などの各種装置の部品装着ヘッドとして使用され,小形化,高精度化のものが要望されている。
【0003】
従来,回転機構付きボールスプラインが部品装着ヘッドに用いられたものが知られている。該回転機構付きボールスプラインは,昇降軸であるスプラインシャフトに一対のスライダでなる第1スライダと第2スライダとが所定間隔を有して配設されている。スプラインシャフトは,スライダに対して転動体のボールを介して昇降自在になっている。更に,上記回転機構付きボールスプラインは,第1スライダの上部に軸受け部を設けて第1スライダの外周部に固定してなる円筒部材,第2スライダの下部に軸受け部を設けて第2スライダの外周部に固定してなる円筒部材,及び第1スライダと第2スライダとを互いに連結して一体的な構造にして第1スライダと第2スライダとの外周部に固定してなる円筒部材を備えており,各々の円筒部材が2つの軸受け部を介してヘッドフレームに対してスプラインシャフトの回転中心の回りに回転可能に支持されて構成されている(例えば,特許文献1参照)。
【0004】
また,従来のボールスプラインは,図8に示すように,両側面の長手方向に沿って軌道溝56が形成された長手状の円柱形状でなるスプライン軸51,及びスプライン軸51に沿ってボールでなる転動体57を介して摺動自在なスライダ52から構成されている。スライダ52は,スプライン軸51に嵌挿した円筒状の外筒でなるスライダ本体53,スライダ本体53の両端面にそれぞれ取り付けられたエンドキャップ54,エンドキャップ54の端面に配設され且つスプライン軸51とスライダ52との隙間をシールするエンドシール55,及び循環路を転走する複数の転動体57から構成されている。スライダ本体53には,スプライン軸51の軌道溝56に対向して内周面に軌道溝61が形成され,軌道溝56と軌道溝61間に形成される軌道路62に平行なリターン路58が形成されている。また,エンドキャップには,軌道路62とリターン路58とを連通する方向転換路が形成されている。上記循環路は,軌道路62,リターン路58,及び一対の方向転換路で構成されている。スライダ本体53には,エンドキャップ54とエンドシール55が固定ねじ59で固定されている。スプライン軸51とスライダ52とは,転動体57を介して相互に回転伝達可能に且つ相互に摺動自在に構成されている。スライダ52には,ハウジングに嵌着した際に,ハウジングに対して相対回転しないようにキーを配設するためにスライダ52の外周部分にキー溝60が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−128485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の部品装着ヘッドに組み込まれた回転機構付きボールスプラインは,スライダの端部に軸受け部を形成した円筒部材がスライダの外周部にしっくり嵌合してスライダの外周部に固定されるものになっており,軸受け部に嵌合した軸受の外径は円筒部材の外径よりも僅かに大きな外径に構成されており,軸受の外輪外径がヘッドフレームの内径に嵌合され,軸受によりボールスプラインがヘッドフレームに対して回転支持されている。従って,特許文献1に開示された回転機構付きボールスプラインは,外径がスライダの外周部に被さる円筒部材の肉厚の2倍分の大きさだけ,どうしても大きくなると共に,スライダの外周部にしっくり嵌る嵌合内面にする加工精度が円筒部材の内周面に必要になり,更に,回転機構付きボールスプラインの組立精度を出すための工数を要しており,装置そのものを小形化,高精度化することに課題があった。
【0007】
また,近年,回転機構付きボールスプラインは,益々,電子機器の小型化や高機能化が促進されるのに伴って,半導体製造装置,組立装置などの各種装置に設けた部品装着ヘッドに使用され,小形化,高精度化に対応できるものが要望されるようになった。
【0008】
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,回転機構付きボールスプラインそのものを可能な限り小形化し,高精度化して,しかも軽量化して装置そのものへの高機能化に貢献することができることを特徴とする回転機構付きボールスプラインを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は,外周面の対向した2箇所に長手方向に沿って第1軌道溝が形成された断面円形の長尺状のスプライン軸,前記スプライン軸に沿って多数の転動体で成るボールを介して摺動自在に配設されたスライダ,前記スライダの両端部にそれぞれ配設されたホルダ,及び前記ホルダを機台に対して回転自在に配設するための回転用ベアリングから構成されている回転機構付きボールスプラインにおいて,
前記スライダは,前記スプライン軸の前記第1軌道溝に対向して内周面に第2軌道溝が形成され且つ前記第1軌道溝と前記第2軌道溝との間に形成される軌道路に平行なリターン路が形成された円筒状の外筒でなるスライダ本体,前記スライダ本体の両端面にそれぞれ取り付けられ且つ前記軌道路と前記リターン路とを連通する方向転換路が形成されたエンドキャップ,及び前記軌道路と前記リターン路と一対の前記方向転換路とで構成される循環路を転走する前記ボールから構成されており,
前記スライダ本体の前記内周面には,互いに対向した対称位置の前記長手方向に沿って一対の第1凹溝が形成され,前記エンドキャップの内周面には,前記第1凹溝に連通する一対の第2凹溝が形成されて成り,
前記ホルダは,前記スライダの端部に隣接して円環状に成るフランジ部,前記フランジ部の一方の端面から延びて前記エンドキャップの前記第2凹溝に嵌挿し且つ前記スライダ本体の前記第1凹溝に嵌着して成る前記フランジ部と一体構造に形成された一対の突起部,及び前記フランジ部の他方の端面から延びて円筒体に形成された前記フランジ部と一体構造に形成されて前記ベアリングの内径に嵌着する内輪嵌合部から構成されていることを特徴とする回転機構付きボールスプラインに関する。
【0010】
また,この回転機構付きボールスプラインは,前記ホルダの前記突起部には,前記第1凹溝に嵌入する部分と前記第2凹溝に嵌入する部分との境界部分に段部が形成され,前記段部には,前記スライダ本体の前記端面に突き当たる当接面が形成されており,前記当接面が前記スライダ本体の前記端面に当接することによって前記ホルダが前記スライダの前記端部に対して位置決め固着されるものである。
【0011】
また,この回転機構付きボールスプラインは,前記スプライン軸に一対の前記スライダが予め決められた所定間隔を有して嵌挿されており,互いに対向する前記スライダの内側の端面間には円筒状のカラーが前記スライダに固着して配設されており,前記スライダの外側の端面には前記ベアリングを取り付けた前記ホルダが嵌着して配設されており,前記カラーの両端面には前記ホルダの前記突起部と同一構造を持つ突起部がそれぞれ形成されており,前記カラーはそれぞれの前記突起部を各々の前記スライダ本体の前記第1凹溝に嵌着して固着されているものである。
【0012】
また,この回転機構付きボールスプラインは,少なくとも一方の前記ホルダには,前記内輪嵌合部に一体構造に形成され且つ前記スプライン軸に摺動自在に設けられた回転駆動部材を固定する円筒部が設けられているものである。
【0013】
また,この回転機構付きボールスプラインは,前記ホルダの前記突起部には,前記スライダ本体の前記第1凹溝に設けた取付け孔に対向する領域にねじ孔が形成されており,ホルダ固定ねじを前記取付け孔に挿通して前記ねじ孔に螺入することによって前記ホルダが前記スライダ本体に固定されるものである。
【0014】
また,前記スライダ本体に形成された前記第1凹溝は,前記スライダ本体に形成された前記第2軌道溝,前記リターン路,及び前記スライダ本体に前記エンドキャップを固定するためのねじ穴を避けた領域に形成されているものである。
【0015】
また,前記エンドキャップは,前記スライダ本体の端面に取着するスペーサと,前記スペーサに取着し且つ前記ホルダの前記フランジ部に近接するエンドキャップ本体とから構成され,前記スペーサには前記方向転換路の内周部が形成され,前記エンドキャップ本体には前記方向転換路の外周部が形成されているものである。
【発明の効果】
【0016】
この発明による回転機構付きボールスプラインは,上記のように,スライダの内周に凹溝を形成し,スライダの端部にベアリングを装着するためのホルダに突起部を形成して,ホルダの突起部をスライダの凹溝に嵌着するように構成されているので,スライダの外周には余分なものを装着する必要が無く,装置全体の外径がコンパクトに構成され,可能な限り小形化して高精度化し,また,スライダの凹溝とホルダの突起部とが嵌着するだけの構成であるので,部分的に結合する構成であり,広い範囲での嵌合精度が不要になっており,ホルダの構成部品も製作し易い構造に構成されており,また,スライダの内周に凹溝を形成し,ホルダの突起部を凹溝に嵌着することによって,全体的に軽量化された構造に構成されている。また,一対のスライダを設けた回転機構付きボールスプラインについては,一対のスライダ間を連結するカラーは,外径が小さい部材により形成可能に成り,装置そのものを軽量化でき,製作も容易な構成部材に成っており,従って,可能な限り小形化して高精度化して形成され,コンパクトに軽量化された構造に構成されるので,より高速化された装置に適用して好ましいものに構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明による回転機構付きボールスプラインの第1の実施例を示す正面図である。
【図2】図1の回転機構付きボールスプラインを示す側面図である。
【図3】図1の回転機構付きボールスプラインの分解して示す斜視図である。
【図4】図2のIV−IV断面図である。
【図5】この発明による回転機構付きボールスプラインの第2の実施例を示す正面図である。
【図6】図5のカラーを示す側面図である。
【図7】図5のカラーを示す図6のVII −VII 断面図である。
【図8】従来のボールスプラインの1例を示す一部断面を含む斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下,図面を参照して,この発明による回転機構付きボールスプラインの実施例について説明する。この回転機構付きボールスプラインは,従来の直動案内ユニットであるボールスプラインに回転用のベアリング9,10を付加した構造に構成されたものであり,スライダ2の両端部にベアリング9,10を配設可能にするホルダ7,8とスライダ2,2A,2Bとの取付け構造に特徴を有している。
【0019】
まず,図1〜図4を参照して,この発明による回転機構付きボールスプラインの一実施例を説明する。この回転機構付きボールスプラインは,半導体製造装置,組立装置などの各種の装置の部品装着ヘッドとして立軸状態で使用して好ましいものであり,スライダ2が部品装着ヘッドのヘッドフレーム等の機台36に対してベアリング9,10を介して回転自在に支持され,支持されたスライダ2に対して複数の転動体であるボール45を介してスプライン軸1が摺動自在に昇降するものであり,結果として,スプライン軸1がヘッドフレーム等の機台36に対して回転自在に且つ昇降自在に構成されている。この回転機構付きボールスプラインは,スプライン軸1の先端の吸着ノズル(図示せず)が装着部品を吸着してピックアップし,スプライン軸1が配線基板等の所定位置に降下して装着部品を回転位置決めして配設することができるものである。
【0020】
この回転機構付きボールスプラインは,外周面の対向した2箇所に長手方向に沿って軌道溝12(第1軌道溝)が形成された断面円形の長尺状のスプライン軸1,スプライン軸1に沿って転動体で成る多数のボール45を介して摺動自在なスライダ2,及びスライダ2の端部にホルダ7,8を介して機台36に対して回転用のベアリング9,10が配設されたものである。この回転機構付きボールスプラインは,スプライン軸1に摺動自在に配設された円筒状のスライダ2の両端部にホルダ7,8を介して回転用のベアリング9,10を取り付け,スライダ2の内周に凹溝21,22,23を形成し,且つスライダ2の両端部にベアリング9,10を装着するホルダ7,8に突起部20を形成して,ホルダ7,8の突起部20をスライダ2の凹溝21,22,23に挿通して嵌着した構造に構成されており,全体的にコンパクト化され,軽量化された構造に構成されている。
【0021】
この回転機構付きボールスプラインは,ボールスプラインに回転機構でなるベアリング9,10を取り付けたものであり,スプライン軸1にスライダ2を摺動自在の取り付けたボールスプラインにおけるスライダ2の両端部にホルダ7,8を介してそれぞれベアリング9,10を取り付けた構造に構成されている。この回転機構付きボールスプラインは,全体的に小形なものに構成されており,例えば,スプライン軸1の外径:5mm,スライダ2の外径:9.9mm,ベアリング9,10の内径:7mm,外径11mm,及び幅3mmのサイズから成るミニアチュア玉軸受で構成されている。
【0022】
図1〜図3に示すように,スライダ2は,スプライン軸1の軌道溝12に対向する位置に軌道溝24(第2軌道溝)が形成され且つスプライン軸1に摺動自在に配設されたスライダ本体3,及びスライダ本体3の両端面29に配設されたスペーサ6とスペーサ6に密接整合して配設されたエンドキャップ本体5とから成るエンドキャップ4から構成されている。スライダ2の両端部には,ホルダ7,8を介してベアリング9,10が取り付けられている。ベアリング9,10は,スライダ2の外径より僅かに突出する位置に配設されている。ベアリング9,10は,ホルダ7,8の内輪嵌合部33に嵌合した内輪15,内輪15に回転自在に配設され且つ装置のヘッドフレーム等に嵌入された外輪14,及び外輪14と内輪15との間に介在している転動体16から構成されている。この実施例では,ベアリング9,10の外輪14の外径がスライダ2の外径より僅かに突出する位置になるように設定して,スライダ2にホルダ7,8が取り付けられている。ホルダ7,8は,スライダ2の内周と同様に,スプライン軸1に接触することが無いように僅かな隙間を有して形成された内周部を有し,スライダ2の外周と略同一径の外周に形成されたフランジ部13,フランジ部13に隣接して形成されたベアリング9,10を嵌着する軸受部31,及びホルダ7,8をスライダ2の端部に固着するためフランジ部13のスライダ2に対向する端面に形成された取付け部から構成されている。
【0023】
第1実施例では,この回転機構付きボールスプラインは,部品装着ヘッドに使用可能に具体化されたものであり,スライダ2の一方の端部に取り付けられたホルダ7(図1では左側)は,ベアリング9の端面から延在して成るため円筒部でなる歯車固定部19及びその先端部に設けられたねじ部32が形成され,ホルダ7を通じてボールスプラインを回転駆動する回転モータ(図示せず)からの回転駆動部品が装着可能に構成されている。スライダ2の他方の端部に取り付けられたホルダ8は,ベアリング10の端面までの長さに形成され,ベアリング10を固着するだけのサイズに構成されている。また,この実施例では,一個のスライダ2の両端部に設けたホルダ7,8にそれぞれベアリング9,10を配設させたものであり,スライダ2は,標準品よりも負荷容量が大きいロングタイプのスライダが使用されている。即ち,スライダ2のスライダ本体3の長さが標準品よりも長尺に形成されており,スライダ2の軌道溝24の長さが長いので,負荷を受ける転動体45の数を増やすことができ,負荷容量が大きく構成されている。従って,この実施例の回転機構付きボールスプラインは,1個のスライダ2から構成されており,後述の一対のスライダ2A,2Bにより構成された回転機構付きボールスプラインよりも,長さ方向にコンパクトに構成されている。
【0024】
更に,ホルダ7,8の取付け部は,図3の分解斜視図に示すように,円環状に成るフランジ部13の端面から一体構造で成るスライダ本体3の内部まで延びる一対の突起部20が形成され,突起部20の先端は,スライダ2の両端部からそれぞれ嵌入されるホルダ7,8の突起部20の先端がぶつかることがないように,スライダ本体3の中央位置を超えない長さに形成されている。ホルダ7,8の一対の突起部20は,フランジ部13の内周面から面一に延びる同一の内周面を有しており,突起部20の内周面を挟んで互いに対向して円周上180°位置に成る対称位置に形成され,軸方向と直角な断面が略矩形状に形成されている。突起部20の外周面は,スライダ本体3の内部に嵌入する先端側の第1外周部と,第1外周部からフランジ部13の端面に延びたスライダ2のエンドキャップ4の内部に嵌入する第2外周部とで形成されている。第2外周部は第1外周部よりも僅かに大径に形成されており,第1外周部と第2外周部との境界部には段部34が形成され,段部34に形成された軸方向に対して垂直になる面がスライダ本体3の端面29に当接する当接面35に形成されている。即ち,ホルダ7,8の突起部20の外周面には,スライダ本体3の端面29に当接する当接面35が形成された段部34が形成されている。
【0025】
ホルダ7,8は,突起部20の第1外周部にねじ孔28が形成され,突起部20をスライダ2内に嵌入した後に,スライダ本体3の外周側からのホルダ固定ねじ17をねじ孔28に螺入することによってスライダに固着される。一方,突起部20が形成された端面に対する反対側のフランジ部13の端面には,ベアリング9,10が嵌着する軸受部31が形成されている。軸受部31は,軸方向に対して垂直面でなるフランジ部13の端面と該端面から軸方向に沿って延びる内輪嵌合部33とで構成され,フランジ部13との境界は部は段部に形成されている。ホルダ7,8の突起部20には,その外面の中央部に段部34を形成し,段部34の側面を当接面35に形成されている。当接面35は,スライダ2にホルダ7,8を取り付ける際に,スライダ本体3の端面29が当接するように配設するだけであって,位置決めを容易に確実に正確に確保することができる。スライダ本体3の端面29に対する当接面35を突起部20に形成することにより,ホルダ7,8の取付け部である突起部20を,エンドキャップ本体5の端面から挿通して突起部20の当接面35をスライダ本体3の端面29に当接させることによって,ホルダ7,8のフランジ部13の端面がスライダ2のエンドキャップ4の端面に突き当たることが無い僅かな隙間を有する予め決められた所定位置にホルダ7,8が位置決めされて,ホルダ7,8をスライダ2の端面に固着することが可能に成っている。
【0026】
ホルダ7,8の内輪嵌合部33は,ベアリング9,10の内輪15の内径が嵌入する外径と同一径に形成され,また,内輪嵌合部33の内周部とフランジ部13の内周部とは同一内径に形成されており,内輪嵌合部33は,フランジ部13の端面から軸方向に沿って一体構造に延びた円筒体に構成されている。ホルダ7は,内輪嵌合部33の円筒体がさらに軸方向に延びて歯車固定部19及びねじ部32を形成した長尺のものに構成されている。即ち,ホルダ7には,内輪嵌合部33に一体構造に形成され且つスプライン軸1に摺動自在に設けられた回転駆動部材を固定する円筒部でなる歯車固定部19,及びその先端に形成されたねじ部32が設けられている。ホルダ8は,内輪嵌合部33の円筒体の長さ(幅)がベアリング10の幅と略同一に形成された短尺のものに構成されている。内輪嵌合部33は,図4に示すように,スライダ2が回転してスライダ2の外周がヘッドフレーム等の機台36の内周に接触することが無いように僅かに隙間を有した状態に構成するために,ベアリング9,10を嵌着したときに,外輪14の外径がスライダ2の外径よりも僅かに突出する位置に成る外周(外径)に形成されている。軸受部に成るフランジ部13の端面は,図4に示すように,ベアリング9,10を嵌着したときに,内輪15の一方の端面を突き当てして位置決めする垂直面に形成され,且つ外輪14に対向するフランジ部13の端面部分は外輪14の端面に接触することが無く,外輪14が回転自在に成るように隙間を有する逃げ面に形成されている。
【0027】
図3に示すように,スライダ2の内周には,ホルダ7,8の突起部20が嵌入して固着するための凹溝21,22,23が軸方向に沿って形成されている。スライダ2は,スプライン軸1を嵌挿してスプライン軸1の軌道溝12に対向して内周に軌道溝24が形成され且つ軌道溝12と24との間に形成される軌道路に平行なリターン路30が形成された円筒状の外筒でなるスライダ本体3と,スライダ本体3の両端面にそれぞれ取り付けられ且つ軌道路とリターン路30とを連通する方向転換路の内周部26が形成されたスペーサ6と,スペーサ6の端面に配設された方向転換路の外周部25が形成されたエンドキャップ本体5とで構成されている。スペーサ6とエンドキャップ本体5とが合わさってエンドキャップ4が構成される。スライダ2は,従来のようなエンドシールが無い構造にコンパクトに構成されている。
【0028】
スライダ2の凹溝21,22,23は,ホルダ7,8の突起部20がフィットして嵌入する大きさに形成されており,軌道溝24の位置から90°回転した位置に,内周間に互いに対向した位置(180°)で長手方向に沿った一対に形成されている。言い換えれば,スライダ本体3では,軌道溝24,リターン路30,ねじ穴18が形成されていないスペースを有効に利用して凹溝21(第1凹溝)が形成されている。エンドキャップ本体5では,ねじ穴18,方向転換路の外周部25が形成されていないスペースを有効に利用して凹溝22(第2凹溝)が形成されている。スペーサ6では,ねじ穴18,方向転換路の内周部26が形成されていないスペースを有効に利用して凹溝23(第2凹溝)が形成されている。スライダ本体3の凹溝21は,凹溝21の底部が突起部20の第1外周部が嵌入する大きさ(内径)に形成され,エンドキャップ4であるエンドキャップ本体5及びスペーサ6の凹溝22,23は,凹溝23の底部が突起部20の第2外周部が嵌入する大きさ(内径)に形成されており,エンドキャップ4であるエンドキャップ本体5及びスペーサ6の凹溝22,23は,スライダ本体3の凹溝21よりも段部24分だけ僅かに深く形成されている。スライダ本体3の凹溝21,エンドキャップ本体5の凹溝22,及びスペーサ6の凹溝23は,ホルダ7,8の突起部29が挿通するように,一直線上に位置決めして,配設される。
【0029】
スライダ本体3の凹溝21に対向する外周部には,一対の取付け孔が形成され,取付け孔にホルダ固定ねじ17を挿入し,それぞれのホルダ7,8の突起部20のねじ孔28に螺入して,スライダ2にホルダ7,8を固着するものに成っている。スプライン軸1は,長尺状の円形状に形成され,両側面の長手方向に沿って軌道溝12が形成されており,ここでは,中心に通し孔11が形成され,通し孔11は,スプライン軸1の先端に配設される吸着ノズル(図示せず)が装着部品を吸着するためのエアー孔に構成されている。
【0030】
この直動案内ユニットは,上述した各構成部品より,下記のように構成されている。
第1に,スライダ本体3の両端面29にそれぞれエンドキャップ4であるスペーサ6とエンドキャップ本体5とを合わせて固定ねじ27で取り付け,同時に転動体のボール45を循環路に組み込んでスライダ2が構成されている。スライダ本体3の端面29には一対のねじ穴18が形成されており,エンドキャップ4を構成するエンドキャップ本体5及びスペーサ6にはねじ穴18に対向する位置に取付け孔46が形成されている。そこで,スライダ本体3,エンドキャップ本体5及びスペーサ6を,ねじ穴18と取付け孔46とが整合するように合せて,固定ねじ27を取付け孔46に挿通してねじ穴18に螺入し,スライダ本体3,エンドキャップ本体5及びスペーサ6を互いに固定してスライダ2が組み立てられる。
第2に,スライダ2の両端面から凹溝22,23及び凹溝21にそれぞれホルダ7,8の突起部20を嵌入して,突起部20の段部34の当接面35をスライダ本体3の端面29に突き当て,ホルダ固定ねじ17をスライダ本体3の外周からそれぞれの突起部20のねじ孔28に螺入して,スライダ2の両端面にそれぞれホルダ7,8を固着したホルダ付スライダ2に構成される。なお,これらの部品をしっかりと固着するために,さらにスライダ本体3とそれぞれの突起部20とを接着剤にて固着することもできる。
第3に,ホルダ付スライダ2にスプライン軸1を嵌挿し,スプライン軸1の回転中心軸に対してそれぞれのホルダ7,8の軸受部31を追加工して軸受部31が同心に成るホルダ付ボールスプラインに構成される。
第4に,ホルダ付ボールスプラインのそれぞれの軸受部31にベアリング9,10を嵌着して回転機構付きボールスプラインが構成される。
【0031】
次に,図5〜図7を参照して,この発明による回転機構付きボールスプラインの第2実施例について説明する。第2実施例の回転機構付きボールスプラインは,一つのスプライン軸1に嵌挿した一対のスライダ2A,2Bが所定間隔を有して配設されているタイプであり,スプライン軸1の先端に大きいモーメント力が負荷される場合などに適用して好ましいものである。
【0032】
第2実施例では,この回転機構付きボールスプラインは,スプライン軸1に一対のスライダ2A,2Bが予め決められた所定間隔を有して嵌挿されており,互いに対向するスライダ2A,2Bの内側の端面間が円筒状に成るカラー37によって固着されており,スライダ2A,2Bの内側の端面に対するそれぞれのスライダ2A,2Bの外側の端面にベアリング9,10を固着したホルダ7,8が嵌着して構成されており,カラー37の両端面にはホルダ7,8の突起部20と同一の突起部39がそれぞれ形成されており,カラー37はそれぞれの突起部39を各々のスライダ2A,2Bの凹溝21,22,23に嵌挿し,スライダ本体3の取付け孔を挿通したホルダ固定ねじ17が突起部39に設けたねじ孔41に螺入して固着されている。
【0033】
図5に示すように,回転機構付きボールスプラインは,長尺状のスプライン軸1に嵌挿した一対のスライダ2A,2Bが所定間隔を有して互いに対向するスライダ2A,2Bの内側の端面間に,円筒状に成るカラー37により固着されて構成されており,内側の端面に対してそれぞれのスライダ2A,2Bの外側の端面において,一方のスライダ2Aの外側の端面にはベアリング9が嵌着したホルダ7が固着され,他方のスライダ2Bの外側の端面にはベアリング10が嵌着したホルダ8が固着されて構成されている。ホルダ7及びホルダ8は,第1実施例のものと同様の構成を有しており,一対のスライダ2A,2Bは,標準品の大きさのものが適用され,スライダ本体3の長さが標準品の長さに形成されており,第1実施例のスライダ2に比較してスライダ2の長さが短い構造に構成されている。なお,スライダ2A,2Bの凹溝21,22,23の構成,即ち,スライダ本体3の凹溝21(第1凹溝)とスペーサ6及びエンドキャップ本体5でなるエンドキャップ4の凹溝22,23(第2凹溝)との構成は,第1実施例のものと同様に構成されている。
【0034】
この実施例では,カラー37が特徴ある構成部材に形成されている。カラー37は,図6及び図7に示すように,一対のスライダ2A,2Bの内側の端面間に成る所定長さの円筒体でなる円筒部38と,円筒部38の両端面からそれぞれ一体構造に延びる一対の突起部39とで構成されており,円筒部38の内周部44と突起部39の内周部44とは面一に繋がり同一の内周部44に形成され,内周部44は,スプライン軸1に接触することが無いように僅かな隙間を有して形成されホルダ7,8の内周部と同様に成っている。カラー37の突起部39は,ホルダ7,8の突起部20と同様に構成され,円筒部38の内周部から面一に延びる同一の内周部を有して,内周部を挟んで互いに対向して円周180°位置に成る対称位置に形成され,軸方向と直角な断面が略矩形状に形成され,突起部39の外周部は,円筒部38の外周部43より小径位置であり,スライダ本体3の凹溝21に嵌入する先端側の第1外周部と第1外周部から円筒部38の端面に延びたスライダ2A,2Bのエンドキャップ4の凹溝22,23に嵌入する第2外周部とに形成され,第2外周部は第1外周部よりも僅かに大径に形成されて第1外周部と第2外周部との境界部が段部40に形成され,段部40に形成された軸方向に対して垂直になる面がスライダ本体3の端面29に当接する当接面42に形成されている。
【0035】
突起部39の外周部には,スライダ本体3の端面29に当接する当接面42が形成された段部40が形成されている。突起部39の外側に設けた段部40の側面を当接面42に形成することにより,突起部39をスライダ2A,2Bの端面から嵌入して突起部39の当接面42をスライダ本体3の端面29に当接させることによって,カラー37の円筒部38の端面がスライダ2A,2Bのエンドキャップ4の端面に突き当たることが無い僅かな隙間を有する所定位置にカラー37が位置決めされて,スライダ2A,2Bの端面に固着することが可能に成っている。カラー37の突起部39の第1外周部にねじ孔41が形成され,突起部39をスライダ2A,2B内に嵌入した後に,スライダ本体3の外周側からのホルダ固定ねじ17をねじ孔41に螺入することによってスライダ2A,2Bに固着される。ここで,カラー37の円筒部38の外周部は,突起部39の第2外周部と面一に繋がった円筒体の外周に形成されている。即ち,カラー37の円筒部38の外周部は,スライダ2A,2Bの外径よりも小さいものに形成されている。
【0036】
第2実施例の回転機構付きボールスプラインでは,次のように構成されている。
第1に,一対のスライダ2A,2Bのそれぞれの内側端面にそれぞれ対向するカラー37の突起部39をスライダ2A,2Bの凹溝21,22,23に嵌入して,突起部39の段部40の当接面42をスライダ本体3の端面29に突き当てしてホルダ固定ねじ17をスライダ本体3の外周から突起部39のねじ孔41に螺入して,一対のスライダ2A,2Bの端面間がカラー37で固着され,カラー連結スライダに構成される。しっかりと固着するために,更に各スライダ本体3の凹溝21とそれぞれの突起部39とを接着剤にて固着する。
第2に,一方のスライダ2Aの外側の端面からホルダ7の突起部20をスライダ2Aの凹溝21,22,23に嵌入して,突起部20の段部34の当接面35をスライダ2Aのスライダ本体3の端面に突き当てしてホルダ固定ねじ17をスライダ2Aのスライダ本体3の外周から突起部20のねじ孔28に螺入して,スライダ2Aの端面にホルダ7が固着され,他方のスライダ2Bの外側の端面からホルダ8の突起部20をスライダ2Bの凹溝21,22,23に嵌入して,突起部20の段部34の当接面35をスライダ2Bのスライダ本体3の端面に突き当てしてホルダ固定ねじ17をスライダ2Bのスライダ本体3の外周から突起部20のねじ孔28に螺入して,スライダ2Bの端面にホルダ8が固着されたホルダ付スライダ2A,2Bに構成される。なお,スライダ2A,2Bとホルダ7,8とを,しっかりと固着するために,更に各スライダ本体2A,2Bの凹溝21とそれぞれの突起部20とを接着剤にて固着する。
第3に,ホルダ付スライダ2A,2Bにスプライン軸1を嵌挿し,スプライン軸1の回転中心軸に対してそれぞれのホルダ7,8の軸受部31を追加工して軸受部31が同心に成るホルダ付ボールスプラインに構成される。
第4に,ホルダ付ボールスプラインのそれぞれの軸受部31にベアリング9,10を嵌着して第2実施例の回転機構付きボールスプラインが構成されることになる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
この発明による回転機構付きボールスプラインは,半導体製造装置,各種組立装置など各種装置の部品装着ヘッドとして,立軸状態で使用して好ましいものである。
【符号の説明】
【0038】
1 スプライン軸
2,2A,2B スライダ
3 スライダ本体
4 エンドキャップ
5 エンドキャップ本体
6 スペーサ
7,8 ホルダ
9,10 ベアリング
12 軌道溝(第1軌道溝)
13 フランジ部
16 転動体(ボール)
17 ホルダ固定ねじ
18 ねじ穴
19 歯車固定部
20,39 突起部
21 凹溝(第1凹溝)
22,23 凹溝(第2凹溝)
24 軌道溝(第2軌道溝)
25 方向転換路部の外周部
26 方向転換路部の内周部
28,41 ねじ孔
29 端面
30 リターン路
31 軸受部
32 ねじ部
33 内輪嵌合部
34,40 段部
35,42 当接面
36 ベッドフレーム(機台)
37 カラー
45 ボール(転動体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面の対向した2箇所に長手方向に沿って第1軌道溝が形成された断面円形の長尺状のスプライン軸,前記スプライン軸に沿って多数の転動体で成るボールを介して摺動自在に配設されたスライダ,前記スライダの両端部にそれぞれ配設されたホルダ,及び前記ホルダを機台に対して回転自在に配設するための回転用ベアリングから構成されている回転機構付きボールスプラインにおいて,
前記スライダは,前記スプライン軸の前記第1軌道溝に対向して内周面に第2軌道溝が形成され且つ前記第1軌道溝と前記第2軌道溝との間に形成される軌道路に平行なリターン路が形成された円筒状の外筒でなるスライダ本体,前記スライダ本体の両端面にそれぞれ取り付けられ且つ前記軌道路と前記リターン路とを連通する方向転換路が形成されたエンドキャップ,及び前記軌道路と前記リターン路と一対の前記方向転換路とで構成される循環路を転走する前記ボールから構成されており,
前記スライダ本体の前記内周面には,互いに対向した対称位置の前記長手方向に沿って一対の第1凹溝が形成され,前記エンドキャップの内周面には,前記第1凹溝に連通する一対の第2凹溝が形成されて成り,
前記ホルダは,前記スライダの端部に隣接して円環状に成るフランジ部,前記フランジ部の一方の端面から延びて前記エンドキャップの前記第2凹溝に嵌挿し且つ前記スライダ本体の前記第1凹溝に嵌着して成る前記フランジ部と一体構造に形成された一対の突起部,及び前記フランジ部の他方の端面から延びて円筒体に形成された前記フランジ部と一体構造に形成されて前記ベアリングの内径に嵌着する内輪嵌合部から構成されていることを特徴とする回転機構付きボールスプライン。
【請求項2】
前記ホルダの前記突起部には,前記第1凹溝に嵌入する部分と前記第2凹溝に嵌入する部分との境界部分に段部が形成され,前記段部には,前記スライダ本体の前記端面に突き当たる当接面が形成されており,前記当接面が前記スライダ本体の前記端面に当接することによって前記ホルダが前記スライダの前記端部に対して位置決めして前記スライダに固着されることを特徴とする請求項1に記載の回転機構付きボールスプライン。
【請求項3】
前記スプライン軸に一対の前記スライダが予め決められた所定間隔を有して嵌挿されており,互いに対向する前記スライダの内側の端面間には円筒状のカラーが前記スライダに固着して配設されており,前記スライダの外側の端面には前記ベアリングを取り付けた前記ホルダが嵌着して配設されており,前記カラーの両端面には前記ホルダの前記突起部と同一構造を持つ突起部がそれぞれ形成されており,前記カラーはそれぞれの前記突起部を各々の前記スライダ本体の前記第1凹溝に嵌着して固着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転機構付きボールスプライン。
【請求項4】
少なくとも一方の前記ホルダには,前記内輪嵌合部に一体構造に形成され且つ前記スプライン軸に摺動自在に設けられた回転駆動部材を固定する円筒部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転機構付きボールスプライン。
【請求項5】
前記ホルダの前記突起部には,前記スライダ本体の前記第1凹溝に設けた取付け孔に対向する領域にねじ孔が形成されており,ホルダ固定ねじを前記取付け孔に挿通して前記ねじ孔に螺入することによって前記ホルダが前記スライダ本体に固定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転機構付きボールスプライン。
【請求項6】
前記スライダ本体に形成された前記第1凹溝は,前記スライダ本体に形成された前記第2軌道溝,前記リターン路,及び前記スライダ本体に前記エンドキャップを固定するためのねじ穴を避けた領域に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転機構付きボールスプライン。
【請求項7】
前記エンドキャップは,前記スライダ本体の端面に取着するスペーサと,前記スペーサに取着し且つ前記ホルダの前記フランジ部に近接するエンドキャップ本体とから構成され,前記スペーサには前記方向転換路の内周部が形成され,前記エンドキャップ本体には前記方向転換路の外周部が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転機構付きボールスプライン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−72847(P2012−72847A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218592(P2010−218592)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000229335)日本トムソン株式会社 (96)
【Fターム(参考)】