回転電機
【課題】本発明が解決しようとする課題は、機器毎の地絡判定に用いる中性点電流規定値の設定が不要で、誤動作を起すことなくコイル地絡検出を可能とすることにある。
【解決手段】本発明は上記課題を解決するために、三相電機子巻線を有する回転電機において、中性点に接地抵抗を備え、電流計測手段を前記電機子巻線の少なくとも2相に備え、相電流を比較し、相によって高調波成分の構成が異なる際にコイル地絡検出と判定することを特徴とする。
【解決手段】本発明は上記課題を解決するために、三相電機子巻線を有する回転電機において、中性点に接地抵抗を備え、電流計測手段を前記電機子巻線の少なくとも2相に備え、相電流を比較し、相によって高調波成分の構成が異なる際にコイル地絡検出と判定することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電機子巻線におけるコイル地絡を検出し、保護可能な回転電機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回転電機における電機子巻線の地絡は、一般的に地絡発生時の中性点電流を予め設定した値、あるいは出力等に応じて変更した値と比較することで判定している。従来方式によるコイル地絡検出を行う回転電機の一例を図8に示す。回転電機1の電機子巻線中性点側は三相が短絡された上で断路器3と中性点接地抵抗10を介して地絡されており、電流計測手段2によって中性点電流が計測される。計測された中性点電流は電流検出装置6により検出された後、演算装置9によって規定値と比較され、健全値の範囲外であった場合にはコイル地絡ありと判定される。
【0003】
従来の回転電機保護の例として、特許文献1,2,3及び4が知られている。これらはいずれもコイル地絡が生じた場合に中性点に流れる電流が変化することに着目している。以下これらの例について概要を示す。
【0004】
特許文献1では、全出力範囲に適用しようとした際の誤動作を防ぐため、発電機出力と比例して変化する基本波電流を検出して第3高調波と演算することで解決を図っている。
【0005】
特許文献2では低電位における地絡にも適用可能となるように、基本波電流に基づいて地絡保護継電器の動作値を変更するようにしている。
【0006】
特許文献3では、ガスタービン発電プラント用発電機を誘導機として起動する起動装置を設けた場合において、中性点接地抵抗器と並列に高調波電流検出手段と中性点側地絡保護継電器を設け、中性点接地抵抗器と高調波電流検出手段の間にフューズを設けて中性点側地絡時の第3高調波電流を検出して保護する構成としている。
【0007】
特許文献4では、回転電機の第3調波電圧に影響する諸状態量を入力して予測した第3調波と、中性点接地装置により変換された中性相電流に対応する検出電圧の第3調波成分を比較し、測定値が予測値に接近したとき所定の条件で動作出力する構成としている。
【0008】
しかしながらこれらの方法においては、いずれも事前に設定した値との比較にならざるを得ず、機器毎に地絡判定に用いる中性点電流規定値の設定が必要である。また、出力や電流との演算を経たとしても中性点電流の健全時からの変化量を計測する必要があることから、誤動作を発生させない範囲での検出に限られることがある。
【0009】
また、発電電動機等に用いられる電気ブレーキ印加時にはコイルの起電力が電機子電流によって打ち消されるため、中性点接地装置における中性点電流およびその変換された電圧の変化は小さく、これらの方法によって地絡を検出することは困難と考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭59−25529号公報
【特許文献2】特開昭59−10127号公報
【特許文献3】特開2005−33877号公報
【特許文献4】特開平3−36920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上のように、従来の地絡検出方法では、いずれも事前に設定した値との比較にならざるを得ず、機器毎に地絡判定に用いる中性点電流規定値の設定が必要である。また、出力や電流との演算を経たとしても中性点電流の健全時からの変化量を計測する必要があることから、誤動作を発生させない範囲での検出に限られることがある。
【0012】
また、発電電動機等に用いられる電気ブレーキ印加時にはコイルの起電力が電機子電流によって打ち消されるため、中性点接地装置における中性点電流およびその変換された電圧の変化は小さく、これらの方法によって地絡を検出することは困難という問題があった。
【0013】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、機器毎の地絡判定に用いる中性点電流規定値の設定が不要で、誤動作を起すことなくコイル地絡検出を可能とするとともに、電気ブレーキ印加時のコイル地絡についても検出を可能とする地絡検出装置を備えた回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明では、2相以上からなる電機子巻線を有し、電流計測手段を前記電機子巻線の少なくとも2相に備え、前記電流計測手段により計測した電流に含まれる高調波成分を比較し、相によって高調波成分の構成が異なる際にコイル地絡検出と判定することを特徴とする。
【0015】
また、三相電機子巻線を有し、中性点に接地抵抗を備え、ライン側に三相短絡かつ地絡する電気ブレーキ断路器を備え、電気ブレーキ回路の中性点と接地の間に電流検出手段を備え、前記電流検出手段における電流値からコイル地絡検出を判定する地絡検出装置を備えた回転電機を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、上記のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0017】
本発明の回転電機は、機器毎の地絡判定に用いる中性点電流規定値の設定が不要で、なおかつ中性点電流変化の計測によらないため、誤動作を起こす懸念が無くコイル地絡の検出が可能である。
【0018】
また、電気ブレーキ印加時においてもコイル地絡の検出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態1を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態2を示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態3を示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態4を示す構成図である。
【図5】本発明の実施形態5を示す構成図である。
【図6】本発明の実施形態6を示す構成図である。
【図7】本発明の実施形態7を示す構成図である。
【図8】従来方式によるコイル地絡検出を行う回転電機の一例を示す構成図である。
【図9】本発明の実施形態5の変形例を示す構成図である。
【図10】本発明の実施形態1における地絡検出のフローを示す図である。
【図11】健全時の電流波形計算例を示す図である。
【図12】U相に地絡がある場合の電流波形計算例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態6における地絡検出のフローを示す図である。
【図14】本発明の実施形態8を示す構成図である。
【図15】電気ブレーキ印加時の地絡電流経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の回転電機の実施形態について図面に基づき説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明の実施形態1を示す構成図である。回転電機1の電機子巻線中性点側は三相が短絡された上で断路器3を介して地絡されている。電流計測手段2が電機子巻線の三相のうち2相に配置されており、電流を計測する。計測された2相の電流は電流検出装置6により検出され、演算装置7は2相の電流について高調波成分を比較し、2相の間で高調波成分に差があった場合にはコイル地絡ありと判定する。
【0022】
図10は実施形態1におけるコイル地絡検出フローを示す。電流検出装置6によって電流検出21が行われ、この情報に基づいて演算装置7内において周期波形抽出22と高調波成分演算24を実施し、相による差25を判断した結果、差があった場合には地絡検出判定26、差が無かった場合は健全判定28とする。
【0023】
例えば、出力端が変圧器を介して系統に接続された三相同期発電機において、健全時の電流波形には図11に示すように高調波成分はほとんど含まれない。しかし、電機子巻線に地絡がある場合、図12のように高調波を含んだ波形となることを解析により確かめることができる。図12は三相のうちU相コイルに地絡がある場合の電流波形の計算例を示したものである。図11,図12において電流値は地絡のない時の電流ピーク値を1.0として示したものである。
【0024】
コイルに地絡があるとき、零相電圧に変化が生じることにより中性点電流が変化する。一方、出力や力率によっても中性点電流が変化することから、従来法では出力,電流などの情報を演算に用いることで中性点電流の第3高調波に対する規定値を変化させてコイル地絡を判定していた。
【0025】
これに対し、本発明によれば、コイル地絡を判定するために用いる情報は2つ以上の相電流の高調波成分であって、その成分に差があったときにコイル地絡を検出することから、規定値によらない検出が可能であり、誤動作や計測器の感度による検出範囲の制約を受けない検出が可能となる利点がある。
【0026】
ここで比較する高調波成分は、電流波形を高調波分析した際の振幅または位相を指す。本発明により、地絡箇所の抵抗が高いために基本波にはほとんど差が見られない場合においても高調波成分の変化を検出することでコイル地絡の検出が可能となる。
【0027】
検出する高調波成分として零相成分に起因する3次を用いるのが良いが、機械や測定手段に応じて検出しやすい調波成分が3次でない条件であれば5次,7次,11次,13次などを比較しても良い。
【0028】
回転電機がインバータ駆動等の条件により電機子電流に高調波を含む場合には、初期値からの増加を検出することで判定が可能である。
【実施例2】
【0029】
図2は本発明の実施形態2を示す構成図である。実施例1には2相の電流を比較する例を示したが、電流計測対象とする電機子巻線は3相全てであってもよい。
【実施例3】
【0030】
図3は本発明の実施形態3を示す構成図である。回転電機1には3並列の回路からなる三相の電機子巻線が施されており、1相の2つの並列回路に電流計測手段2を備え、別の1相の1つの回路に電流計測手段2を備えている。演算装置7は、電流検出装置6により検出した同相の並列回路2つの電流あるいは他相の1つの回路の電流を元に高調波成分を比較し、回路間で高調波成分に差があった場合にはコイル地絡ありと判定する。
【0031】
コイル地絡が発生した回路では、地絡電流が重畳することにより、他の並列回路と電流波形が異なる。このため回路間の電流成分を比較することによりコイル地絡検出が可能である。また、比較対象として他の相の1回路を選んで比較しても良い。
【0032】
地絡電流が作る磁束の変化は他の並列回路にも影響し、電流波形の変化を起すため、電流を検出している回路以外において短絡が発生した場合においても他の回路との比較から検出が可能である。
【0033】
ここでは2相に電流計測手段を備えた例を示したが、1相以上の複数回路に電流計測手段を備えても良い。
【実施例4】
【0034】
図4は本発明の実施形態4を示す構成図である。揚水発電向けの発電電動機などの回転電機においては、ライン側にも電気ブレーキ用断路器4を介して電機子巻線を三相短絡し、かつその中性点を地絡した回路を形成し、回転子に界磁電流を与えることで電機子巻線に三相短絡電流を流して回転エネルギーを損失として消費することにより制動を行うことがある。
【0035】
本実施例は、回転電機の電気ブレーキ印加時にコイル地絡検出を行えるよう構成したものである。回転電機1の電機子巻線中性点側は三相が短絡された上で断路器3を介して地絡されている。ライン側も電気ブレーキ用断路器4を介して電機子巻線は三相短絡され、その中性点が地絡されている。電流計測手段2が電機子巻線の三相のうち2相の中性点側に配置されており、電流を計測する。演算装置7は、電流検出装置6により検出した電流と回転速度検出手段11が与える回転速度を元に高調波成分を比較し、2相の間で高調波成分に差があった場合にはコイル地絡ありと判定する。
【0036】
中性点接地抵抗は比較的大きな抵抗が用いられているため、電気ブレーキ印加時に中性点接地から地絡箇所へ流れる電流は非常に小さく、検出が困難であった。加えて、従来の方法は中性点電流と発電機出力あるいは電流などとの演算によってコイル地絡を検出するものであるため、三相を短絡した状態であって電圧がゼロとなっている電気ブレーキ印加時のコイル地絡検出への適用は困難であった。
【0037】
これに対し本発明によれば、三相短絡状態である電気ブレーキ印加時においても電流計測手段2により電流を計測し、相による高調波成分を比較することによりコイル地絡を検出することができる利点を有する。
【実施例5】
【0038】
図5は本発明の実施形態5を示す構成図である。電機子巻線の中性点側に加えてライン側にも電流計測手段2を配置してある。
【0039】
コイル地絡が発生した相では、地絡電流が重畳することにより、中性点側とライン側で電流波形が異なる。このため相毎の中性点側における電流の成分に加えて、中性点側とライン側でも電流の成分を比較することによりコイル地絡検出の高精度化を図るとともに、地絡発生相も特定できる利点がある。
【0040】
ここでは2相に電流計測手段2を配置した例を示したが、1相のみ、あるいは3相全てに電流計測手段を配置しても良い。
【0041】
また、図9に示すように3相に独立して遮断器が設けられる場合には、ライン側の電流計測手段2は回転電機1機内と遮断器5の間に設けるのが望ましい。さらに、ライン側と中性点側を比較する相は1相以上のいくつであっても良い。
【実施例6】
【0042】
図6は本発明の実施形態6を示す構成図である。回転電機1には三相の電機子巻線が施されており、電気ブレーキ回路の中性点と接地の間に電流検出手段2nを設け、演算装置13は、電流検出手段2nにより検出した電流値が初期値より増加した際にコイル地絡検出を判定するよう構成している。
【0043】
図13は実施形態6におけるコイル地絡検出フローを示す。電流検出手段2nの電流値は演算装置13内において電流振幅計算27の後、初期値と比較29され、初期値より大30を判断した結果、大であった場合には地絡検出判定26、そうでなかった場合は健全判定28とする。
【0044】
図15に電気ブレーキ印加時にコイル地絡が発生した場合の地絡電流Igの流れる経路を破線で示す。コイル地絡が生じた場合、中性点接地抵抗10には通常大きな抵抗が用いられるため、中性点接地15から地絡箇所16へ流れる電流は非常に小さい。これに対し、電気ブレーキ回路側中性点接地17に大きな抵抗が挿入されていなければ、コイル地絡発生時には地絡コイル18,地絡箇所16,電気ブレーキ回路側中性点接地17を通って比較的大きな地絡電流が流れることが予測され、これは地絡がない場合に比べて明らかに大きな電流であり、電流検出手段2nによる検出は容易である。
【0045】
したがって、本実施例に示すように電気ブレーキ回路側の接地箇所に電流検出手段を付加することにより、電気ブレーキ印加時におけるコイル地絡を検出できる。
【実施例7】
【0046】
図7は本発明の実施形態7を示す構成図である。回転電機1の電機子巻線中性点側は三相が短絡された上で断路器3を介して地絡されている。ライン側も電気ブレーキ用断路器4を介して電機子巻線は三相短絡され、その中性点が地絡されている。電機子巻線のうち2相に電流計測手段2を備えている。演算装置7は、電流検出装置6により検出した2つの相電流を元に高調波成分を比較し、相間で高調波成分に差があった場合にはコイル地絡ありと判定する。さらに、回路の中性点と接地の間に電流検出手段2nを付加し、相電流の高調波成分の比較に加えて、電流検出手段2nにおける電流値の規定値との比較によってコイル地絡検出を判定するよう構成している。
【0047】
コイル地絡が生じた場合、中性点接地抵抗は大きな抵抗であるため、中性点接地から地絡箇所へ流れる電流は非常に小さい。これに対し、電気ブレーキ回路側の中性点地絡に中性点接地抵抗のように大きな抵抗が挿入されていなければ、コイル地絡発生時には電気ブレーキ回路側の接地箇所と地絡箇所との間で比較的大きな電流が流れることが予測され、これは地絡がない場合の電流値に比べて明らかな差であり判別は容易である。
【0048】
したがって、本実施例に示すように電気ブレーキ回路側の接地箇所における電流の情報を付加することにより、コイル地絡検出の高精度化を図ることができる。
【実施例8】
【0049】
図14は本発明の実施形態8を示す構成図である。回転電機1には三相の電機子巻線が施されており、中性点接地抵抗と接地の間に電流計測手段2、電気ブレーキ回路の中性点と接地の間に電流検出手段2nをそれぞれ設け、演算装置13は、電流計測手段2と電流検出手段2nにより検出した電流値の差が初期値より増加した際にコイル地絡検出を判定するよう構成している。
【0050】
コイル地絡が生じた場合、中性点接地抵抗は大きな抵抗であるため、中性点接地から地絡箇所へ流れる電流は非常に小さい。これに対し、電気ブレーキ回路側の中性点地絡に中性点接地抵抗のように大きな抵抗が挿入されていなければ、コイル地絡発生時には電気ブレーキ回路側の接地箇所と地絡箇所との間で比較的大きな電流が流れることが予測される。したがって、電流計測手段2と電流検出手段2nにおける電流には明確な差が見られる。
【符号の説明】
【0051】
1 回転電機
2 電流計測手段
2n 電流検出手段
3 断路器
4 電気ブレーキ用断路器
5 遮断器
6 電流検出装置
7,9,13 演算装置
10 中性点接地抵抗
11 回転速度検出手段
14 巻線インピーダンス
15 中性点接地
16 地絡箇所
17 電気ブレーキ回路側中性点接地
18 地絡コイル
【技術分野】
【0001】
本発明は、電機子巻線におけるコイル地絡を検出し、保護可能な回転電機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回転電機における電機子巻線の地絡は、一般的に地絡発生時の中性点電流を予め設定した値、あるいは出力等に応じて変更した値と比較することで判定している。従来方式によるコイル地絡検出を行う回転電機の一例を図8に示す。回転電機1の電機子巻線中性点側は三相が短絡された上で断路器3と中性点接地抵抗10を介して地絡されており、電流計測手段2によって中性点電流が計測される。計測された中性点電流は電流検出装置6により検出された後、演算装置9によって規定値と比較され、健全値の範囲外であった場合にはコイル地絡ありと判定される。
【0003】
従来の回転電機保護の例として、特許文献1,2,3及び4が知られている。これらはいずれもコイル地絡が生じた場合に中性点に流れる電流が変化することに着目している。以下これらの例について概要を示す。
【0004】
特許文献1では、全出力範囲に適用しようとした際の誤動作を防ぐため、発電機出力と比例して変化する基本波電流を検出して第3高調波と演算することで解決を図っている。
【0005】
特許文献2では低電位における地絡にも適用可能となるように、基本波電流に基づいて地絡保護継電器の動作値を変更するようにしている。
【0006】
特許文献3では、ガスタービン発電プラント用発電機を誘導機として起動する起動装置を設けた場合において、中性点接地抵抗器と並列に高調波電流検出手段と中性点側地絡保護継電器を設け、中性点接地抵抗器と高調波電流検出手段の間にフューズを設けて中性点側地絡時の第3高調波電流を検出して保護する構成としている。
【0007】
特許文献4では、回転電機の第3調波電圧に影響する諸状態量を入力して予測した第3調波と、中性点接地装置により変換された中性相電流に対応する検出電圧の第3調波成分を比較し、測定値が予測値に接近したとき所定の条件で動作出力する構成としている。
【0008】
しかしながらこれらの方法においては、いずれも事前に設定した値との比較にならざるを得ず、機器毎に地絡判定に用いる中性点電流規定値の設定が必要である。また、出力や電流との演算を経たとしても中性点電流の健全時からの変化量を計測する必要があることから、誤動作を発生させない範囲での検出に限られることがある。
【0009】
また、発電電動機等に用いられる電気ブレーキ印加時にはコイルの起電力が電機子電流によって打ち消されるため、中性点接地装置における中性点電流およびその変換された電圧の変化は小さく、これらの方法によって地絡を検出することは困難と考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭59−25529号公報
【特許文献2】特開昭59−10127号公報
【特許文献3】特開2005−33877号公報
【特許文献4】特開平3−36920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上のように、従来の地絡検出方法では、いずれも事前に設定した値との比較にならざるを得ず、機器毎に地絡判定に用いる中性点電流規定値の設定が必要である。また、出力や電流との演算を経たとしても中性点電流の健全時からの変化量を計測する必要があることから、誤動作を発生させない範囲での検出に限られることがある。
【0012】
また、発電電動機等に用いられる電気ブレーキ印加時にはコイルの起電力が電機子電流によって打ち消されるため、中性点接地装置における中性点電流およびその変換された電圧の変化は小さく、これらの方法によって地絡を検出することは困難という問題があった。
【0013】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、機器毎の地絡判定に用いる中性点電流規定値の設定が不要で、誤動作を起すことなくコイル地絡検出を可能とするとともに、電気ブレーキ印加時のコイル地絡についても検出を可能とする地絡検出装置を備えた回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明では、2相以上からなる電機子巻線を有し、電流計測手段を前記電機子巻線の少なくとも2相に備え、前記電流計測手段により計測した電流に含まれる高調波成分を比較し、相によって高調波成分の構成が異なる際にコイル地絡検出と判定することを特徴とする。
【0015】
また、三相電機子巻線を有し、中性点に接地抵抗を備え、ライン側に三相短絡かつ地絡する電気ブレーキ断路器を備え、電気ブレーキ回路の中性点と接地の間に電流検出手段を備え、前記電流検出手段における電流値からコイル地絡検出を判定する地絡検出装置を備えた回転電機を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、上記のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0017】
本発明の回転電機は、機器毎の地絡判定に用いる中性点電流規定値の設定が不要で、なおかつ中性点電流変化の計測によらないため、誤動作を起こす懸念が無くコイル地絡の検出が可能である。
【0018】
また、電気ブレーキ印加時においてもコイル地絡の検出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態1を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態2を示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態3を示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態4を示す構成図である。
【図5】本発明の実施形態5を示す構成図である。
【図6】本発明の実施形態6を示す構成図である。
【図7】本発明の実施形態7を示す構成図である。
【図8】従来方式によるコイル地絡検出を行う回転電機の一例を示す構成図である。
【図9】本発明の実施形態5の変形例を示す構成図である。
【図10】本発明の実施形態1における地絡検出のフローを示す図である。
【図11】健全時の電流波形計算例を示す図である。
【図12】U相に地絡がある場合の電流波形計算例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態6における地絡検出のフローを示す図である。
【図14】本発明の実施形態8を示す構成図である。
【図15】電気ブレーキ印加時の地絡電流経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の回転電機の実施形態について図面に基づき説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明の実施形態1を示す構成図である。回転電機1の電機子巻線中性点側は三相が短絡された上で断路器3を介して地絡されている。電流計測手段2が電機子巻線の三相のうち2相に配置されており、電流を計測する。計測された2相の電流は電流検出装置6により検出され、演算装置7は2相の電流について高調波成分を比較し、2相の間で高調波成分に差があった場合にはコイル地絡ありと判定する。
【0022】
図10は実施形態1におけるコイル地絡検出フローを示す。電流検出装置6によって電流検出21が行われ、この情報に基づいて演算装置7内において周期波形抽出22と高調波成分演算24を実施し、相による差25を判断した結果、差があった場合には地絡検出判定26、差が無かった場合は健全判定28とする。
【0023】
例えば、出力端が変圧器を介して系統に接続された三相同期発電機において、健全時の電流波形には図11に示すように高調波成分はほとんど含まれない。しかし、電機子巻線に地絡がある場合、図12のように高調波を含んだ波形となることを解析により確かめることができる。図12は三相のうちU相コイルに地絡がある場合の電流波形の計算例を示したものである。図11,図12において電流値は地絡のない時の電流ピーク値を1.0として示したものである。
【0024】
コイルに地絡があるとき、零相電圧に変化が生じることにより中性点電流が変化する。一方、出力や力率によっても中性点電流が変化することから、従来法では出力,電流などの情報を演算に用いることで中性点電流の第3高調波に対する規定値を変化させてコイル地絡を判定していた。
【0025】
これに対し、本発明によれば、コイル地絡を判定するために用いる情報は2つ以上の相電流の高調波成分であって、その成分に差があったときにコイル地絡を検出することから、規定値によらない検出が可能であり、誤動作や計測器の感度による検出範囲の制約を受けない検出が可能となる利点がある。
【0026】
ここで比較する高調波成分は、電流波形を高調波分析した際の振幅または位相を指す。本発明により、地絡箇所の抵抗が高いために基本波にはほとんど差が見られない場合においても高調波成分の変化を検出することでコイル地絡の検出が可能となる。
【0027】
検出する高調波成分として零相成分に起因する3次を用いるのが良いが、機械や測定手段に応じて検出しやすい調波成分が3次でない条件であれば5次,7次,11次,13次などを比較しても良い。
【0028】
回転電機がインバータ駆動等の条件により電機子電流に高調波を含む場合には、初期値からの増加を検出することで判定が可能である。
【実施例2】
【0029】
図2は本発明の実施形態2を示す構成図である。実施例1には2相の電流を比較する例を示したが、電流計測対象とする電機子巻線は3相全てであってもよい。
【実施例3】
【0030】
図3は本発明の実施形態3を示す構成図である。回転電機1には3並列の回路からなる三相の電機子巻線が施されており、1相の2つの並列回路に電流計測手段2を備え、別の1相の1つの回路に電流計測手段2を備えている。演算装置7は、電流検出装置6により検出した同相の並列回路2つの電流あるいは他相の1つの回路の電流を元に高調波成分を比較し、回路間で高調波成分に差があった場合にはコイル地絡ありと判定する。
【0031】
コイル地絡が発生した回路では、地絡電流が重畳することにより、他の並列回路と電流波形が異なる。このため回路間の電流成分を比較することによりコイル地絡検出が可能である。また、比較対象として他の相の1回路を選んで比較しても良い。
【0032】
地絡電流が作る磁束の変化は他の並列回路にも影響し、電流波形の変化を起すため、電流を検出している回路以外において短絡が発生した場合においても他の回路との比較から検出が可能である。
【0033】
ここでは2相に電流計測手段を備えた例を示したが、1相以上の複数回路に電流計測手段を備えても良い。
【実施例4】
【0034】
図4は本発明の実施形態4を示す構成図である。揚水発電向けの発電電動機などの回転電機においては、ライン側にも電気ブレーキ用断路器4を介して電機子巻線を三相短絡し、かつその中性点を地絡した回路を形成し、回転子に界磁電流を与えることで電機子巻線に三相短絡電流を流して回転エネルギーを損失として消費することにより制動を行うことがある。
【0035】
本実施例は、回転電機の電気ブレーキ印加時にコイル地絡検出を行えるよう構成したものである。回転電機1の電機子巻線中性点側は三相が短絡された上で断路器3を介して地絡されている。ライン側も電気ブレーキ用断路器4を介して電機子巻線は三相短絡され、その中性点が地絡されている。電流計測手段2が電機子巻線の三相のうち2相の中性点側に配置されており、電流を計測する。演算装置7は、電流検出装置6により検出した電流と回転速度検出手段11が与える回転速度を元に高調波成分を比較し、2相の間で高調波成分に差があった場合にはコイル地絡ありと判定する。
【0036】
中性点接地抵抗は比較的大きな抵抗が用いられているため、電気ブレーキ印加時に中性点接地から地絡箇所へ流れる電流は非常に小さく、検出が困難であった。加えて、従来の方法は中性点電流と発電機出力あるいは電流などとの演算によってコイル地絡を検出するものであるため、三相を短絡した状態であって電圧がゼロとなっている電気ブレーキ印加時のコイル地絡検出への適用は困難であった。
【0037】
これに対し本発明によれば、三相短絡状態である電気ブレーキ印加時においても電流計測手段2により電流を計測し、相による高調波成分を比較することによりコイル地絡を検出することができる利点を有する。
【実施例5】
【0038】
図5は本発明の実施形態5を示す構成図である。電機子巻線の中性点側に加えてライン側にも電流計測手段2を配置してある。
【0039】
コイル地絡が発生した相では、地絡電流が重畳することにより、中性点側とライン側で電流波形が異なる。このため相毎の中性点側における電流の成分に加えて、中性点側とライン側でも電流の成分を比較することによりコイル地絡検出の高精度化を図るとともに、地絡発生相も特定できる利点がある。
【0040】
ここでは2相に電流計測手段2を配置した例を示したが、1相のみ、あるいは3相全てに電流計測手段を配置しても良い。
【0041】
また、図9に示すように3相に独立して遮断器が設けられる場合には、ライン側の電流計測手段2は回転電機1機内と遮断器5の間に設けるのが望ましい。さらに、ライン側と中性点側を比較する相は1相以上のいくつであっても良い。
【実施例6】
【0042】
図6は本発明の実施形態6を示す構成図である。回転電機1には三相の電機子巻線が施されており、電気ブレーキ回路の中性点と接地の間に電流検出手段2nを設け、演算装置13は、電流検出手段2nにより検出した電流値が初期値より増加した際にコイル地絡検出を判定するよう構成している。
【0043】
図13は実施形態6におけるコイル地絡検出フローを示す。電流検出手段2nの電流値は演算装置13内において電流振幅計算27の後、初期値と比較29され、初期値より大30を判断した結果、大であった場合には地絡検出判定26、そうでなかった場合は健全判定28とする。
【0044】
図15に電気ブレーキ印加時にコイル地絡が発生した場合の地絡電流Igの流れる経路を破線で示す。コイル地絡が生じた場合、中性点接地抵抗10には通常大きな抵抗が用いられるため、中性点接地15から地絡箇所16へ流れる電流は非常に小さい。これに対し、電気ブレーキ回路側中性点接地17に大きな抵抗が挿入されていなければ、コイル地絡発生時には地絡コイル18,地絡箇所16,電気ブレーキ回路側中性点接地17を通って比較的大きな地絡電流が流れることが予測され、これは地絡がない場合に比べて明らかに大きな電流であり、電流検出手段2nによる検出は容易である。
【0045】
したがって、本実施例に示すように電気ブレーキ回路側の接地箇所に電流検出手段を付加することにより、電気ブレーキ印加時におけるコイル地絡を検出できる。
【実施例7】
【0046】
図7は本発明の実施形態7を示す構成図である。回転電機1の電機子巻線中性点側は三相が短絡された上で断路器3を介して地絡されている。ライン側も電気ブレーキ用断路器4を介して電機子巻線は三相短絡され、その中性点が地絡されている。電機子巻線のうち2相に電流計測手段2を備えている。演算装置7は、電流検出装置6により検出した2つの相電流を元に高調波成分を比較し、相間で高調波成分に差があった場合にはコイル地絡ありと判定する。さらに、回路の中性点と接地の間に電流検出手段2nを付加し、相電流の高調波成分の比較に加えて、電流検出手段2nにおける電流値の規定値との比較によってコイル地絡検出を判定するよう構成している。
【0047】
コイル地絡が生じた場合、中性点接地抵抗は大きな抵抗であるため、中性点接地から地絡箇所へ流れる電流は非常に小さい。これに対し、電気ブレーキ回路側の中性点地絡に中性点接地抵抗のように大きな抵抗が挿入されていなければ、コイル地絡発生時には電気ブレーキ回路側の接地箇所と地絡箇所との間で比較的大きな電流が流れることが予測され、これは地絡がない場合の電流値に比べて明らかな差であり判別は容易である。
【0048】
したがって、本実施例に示すように電気ブレーキ回路側の接地箇所における電流の情報を付加することにより、コイル地絡検出の高精度化を図ることができる。
【実施例8】
【0049】
図14は本発明の実施形態8を示す構成図である。回転電機1には三相の電機子巻線が施されており、中性点接地抵抗と接地の間に電流計測手段2、電気ブレーキ回路の中性点と接地の間に電流検出手段2nをそれぞれ設け、演算装置13は、電流計測手段2と電流検出手段2nにより検出した電流値の差が初期値より増加した際にコイル地絡検出を判定するよう構成している。
【0050】
コイル地絡が生じた場合、中性点接地抵抗は大きな抵抗であるため、中性点接地から地絡箇所へ流れる電流は非常に小さい。これに対し、電気ブレーキ回路側の中性点地絡に中性点接地抵抗のように大きな抵抗が挿入されていなければ、コイル地絡発生時には電気ブレーキ回路側の接地箇所と地絡箇所との間で比較的大きな電流が流れることが予測される。したがって、電流計測手段2と電流検出手段2nにおける電流には明確な差が見られる。
【符号の説明】
【0051】
1 回転電機
2 電流計測手段
2n 電流検出手段
3 断路器
4 電気ブレーキ用断路器
5 遮断器
6 電流検出装置
7,9,13 演算装置
10 中性点接地抵抗
11 回転速度検出手段
14 巻線インピーダンス
15 中性点接地
16 地絡箇所
17 電気ブレーキ回路側中性点接地
18 地絡コイル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2相以上からなる電機子巻線を有し、電流計測手段を前記電機子巻線の少なくとも2相に備え、前記電流計測手段により計測した電流に含まれる高調波成分を比較し、相によって高調波成分の構成が異なる際にコイル地絡検出と判定する回転電機。
【請求項2】
前記電流計測手段により計測した電流に含まれる高調波成分のうち、第3高調波成分の振幅値を比較することを特徴とする請求項1記載の回転電機。
【請求項3】
電機子巻線が複数の並列回路より構成され、電流計測手段を前記並列回路のうち2つ以上の中性点側に備え、各回路電流に含まれる高調波成分を比較することでコイル地絡を検出することを特徴とする請求項1記載の回転電機。
【請求項4】
三相電機子巻線を有し、中性点に接地抵抗を備え、ライン側に三相短絡かつ地絡する電気ブレーキ断路器を備え、電気ブレーキ印加時の相電流の高調波成分が相によって異なる際にコイル地絡検出と判定することを特徴とする請求項1記載の回転電機。
【請求項5】
三相電機子巻線を有し、中性点に接地抵抗を備え、電流計測手段を前記電機子巻線の中性点側,ライン側両方に備え、双方の計測した相電流に含まれる高調波成分を比較し、差がある際にコイル地絡検出と判定する回転電機。
【請求項6】
三相電機子巻線を有し、中性点に接地抵抗を備え、ライン側に三相短絡かつ地絡する電気ブレーキ断路器を備え、電気ブレーキ回路の中性点と接地の間に電流検出手段を備え、前記電流検出手段における電流値からコイル地絡検出を判定する回転電機。
【請求項7】
三相電機子巻線を有し、中性点に接地抵抗を備え、ライン側に三相短絡かつ地絡する電気ブレーキ断路器を備え、中性点接地抵抗と接地との間および電気ブレーキ回路の中性点と接地の間にそれぞれ電流検出手段を備え、2つの電流検出手段の検出した電流値の差からコイル地絡検出を判定することを特徴とする請求項6記載の回転電機。
【請求項1】
2相以上からなる電機子巻線を有し、電流計測手段を前記電機子巻線の少なくとも2相に備え、前記電流計測手段により計測した電流に含まれる高調波成分を比較し、相によって高調波成分の構成が異なる際にコイル地絡検出と判定する回転電機。
【請求項2】
前記電流計測手段により計測した電流に含まれる高調波成分のうち、第3高調波成分の振幅値を比較することを特徴とする請求項1記載の回転電機。
【請求項3】
電機子巻線が複数の並列回路より構成され、電流計測手段を前記並列回路のうち2つ以上の中性点側に備え、各回路電流に含まれる高調波成分を比較することでコイル地絡を検出することを特徴とする請求項1記載の回転電機。
【請求項4】
三相電機子巻線を有し、中性点に接地抵抗を備え、ライン側に三相短絡かつ地絡する電気ブレーキ断路器を備え、電気ブレーキ印加時の相電流の高調波成分が相によって異なる際にコイル地絡検出と判定することを特徴とする請求項1記載の回転電機。
【請求項5】
三相電機子巻線を有し、中性点に接地抵抗を備え、電流計測手段を前記電機子巻線の中性点側,ライン側両方に備え、双方の計測した相電流に含まれる高調波成分を比較し、差がある際にコイル地絡検出と判定する回転電機。
【請求項6】
三相電機子巻線を有し、中性点に接地抵抗を備え、ライン側に三相短絡かつ地絡する電気ブレーキ断路器を備え、電気ブレーキ回路の中性点と接地の間に電流検出手段を備え、前記電流検出手段における電流値からコイル地絡検出を判定する回転電機。
【請求項7】
三相電機子巻線を有し、中性点に接地抵抗を備え、ライン側に三相短絡かつ地絡する電気ブレーキ断路器を備え、中性点接地抵抗と接地との間および電気ブレーキ回路の中性点と接地の間にそれぞれ電流検出手段を備え、2つの電流検出手段の検出した電流値の差からコイル地絡検出を判定することを特徴とする請求項6記載の回転電機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−189403(P2012−189403A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52344(P2011−52344)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(511238158)日立三菱水力株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(511238158)日立三菱水力株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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