説明

回転駆動式調理器

【課題】本発明の課題は、ユーザーが調理を中断することなく回転速度を調整することができる回転駆動式調理器を提供することにある。
【解決手段】本発明に係る回転駆動式調理器100,101は、筒形状の外装部210、シャフト420、回転駆動部410、運転操作部220および回転速度調整部230を備える。シャフトは、外装部の内部に挿通される。回転駆動部は、外装部の内部に収容される。そして、この回転駆動部は、シャフトの軸を中心軸としてシャフトを回転駆動させる。運転操作部は、外装部の側壁の外側から操作可能に設けられる。そして、この運転操作部は、ユーザーの操作により回転駆動部を運転または停止させる。回転速度調整部は、外装部の側壁の外側から操作可能に設けられる。そして、この回転速度調整部は、ユーザーの操作により回転駆動部の回転速度を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にハンディ式ブレンダーと称される回転駆動式調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
過去に、ハンディ式ブレンダーと称される回転駆動式調理器が種々提案されている(例えば、特開平07−067794号公報、特開2005−052513号公報、特開2005−058645号公報、特開2007−014522号公報、特開2010−273770号公報、特表2001−511382号公報、特表2008−541981号公報等参照)。
【0003】
このような回転駆動式調理器は、小型であることから家庭向けの調理器として好評を博している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−067794号公報
【特許文献2】特開2005−052513号公報
【特許文献3】特開2005−058645号公報
【特許文献4】特開2007−014522号公報
【特許文献5】特開2010−273770号公報
【特許文献6】特表2001−511382号公報
【特許文献7】特表2008−541981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、「略円筒形の外装の側壁に運転停止スイッチを設けると共に、モータの回転速度を調整するダイヤルを、本体の天面の運転停止スイッチ寄りの位置に取り付けた回転駆動式調理器」が市販されている。このような回転駆動式調理器では、ユーザーは、運転停止スイッチ側でダイヤルを操作することができる。このような回転駆動式調理器は、調理物の種類や、粘度、量等に応じて回転速度を調整することができるため、ユーザーにとって非常に便利である。
【0006】
しかし、回転駆動式調理器では、通常、本体を把持している手で運転スイッチの操作を行い、もう片方の手で容器等を支持する必要がある。このため、上述のような構造を有する回転駆動式調理器において回転速度を調整するためには、一度、調理を中断する必要がある。
【0007】
本発明の課題は、調理を中断することなく回転速度を調整することができる回転駆動式調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1局面に係る回転駆動式調理器は、外装部、シャフト、回転駆動部、運転操作部および回転速度調整部を備える。外装部は、筒形状を呈している。なお、ここにいう「筒形状」には、テーパ筒形状や樽形状も含まれる。また、外装部は、把持部として機能するため、人の片手で把持することができる程度の大きさとされる。また、外装部が人の手で把持されやすいように、くびれ、窪み等が外装部に形成されてもかまわない。シャフトは、外装部の内部に挿通される。回転駆動部は、外装部の内部に収容される。そして、この回転駆動部は、シャフトの軸を中心軸としてシャフトを回転駆動させる。なお、シャフトの軸は外装部の軸と一致することが好ましい。運転操作部は、外装部の側壁の外側から操作可能に設けられる。そして、この運転操作部は、ユーザーの操作により回転駆動部を運転または停止させる。回転速度調整部は、外装部の側壁の外側から操作可能に設けられる。そして、この回転速度調整部は、ユーザーの操作により回転駆動部の回転速度を調整する。なお、回転速度調整部は、押しボタンであってもよいし、レバーであってもよいし、ジョグダイヤルであってもよいし、外装部の外部に全周に亘って露出する環状ダイヤルであってもよい。また、回転速度調整部は、無段階で回転速度を調整するようにしてもよいし、段階的に回転速度を調整するようにしてもよい。なお、本回転駆動式調理器には、取り換え可能な付属品(アタッチメント)が用意されていてもよい。かかる場合、外装部の下端部には、その付属品を取り付けるための取付け部が設けられる。
【0009】
このため、例えば、ユーザーが運転操作部に人差し指を置くようにして外装部を片手で把持したときに親指等の他の指が自然にくる位置の側壁に回転速度調整部を配置すれば、ユーザーは、調理をしたままの状態で回転駆動式調理器の回転速度を調整することができる。したがって、ユーザーは、調理を中断することなく回転駆動式調理器の回転速度を調整することができる。なお、回転速度調整部の位置は、例えば、成人女性の指の長さの平均値等を利用して決定される。
【0010】
本発明の第2局面に係る回転駆動式調理器は、第1局面に係る回転駆動式調理器であって、回転速度調整部は、回転駆動部の中心軸に沿って見た場合において運転操作部と重ならない位置で操作可能となるように設けられる。
【0011】
通常、人が物を片手で掴むとき、人差し指と親指とは、ほぼ対向する。したがって、回転駆動部の中心軸に沿って見た場合において、回転速度調整部が、運転操作部と重なる位置でしか操作できない場合、人指し指で運転操作部を操作し、親指で回転速度調整部を操作することが困難になる。
【0012】
これに対し、本局面に係る回転駆動式調理器では、回転速度調整部は、回転駆動部の中心軸に沿って見た場合において運転操作部と重ならない位置で操作可能となるように設けられる。このため、この回転駆動式調理器では、ユーザーは、無理なく、人指し指で運転操作部を操作し、親指で回転速度調整部を操作することができる。また、かかる場合、ユーザーは、残りの三本の指で外装部をしっかりと把持することができる。このため、ユーザーは、回転駆動式調理器を安定して把持することができる。なお、残りの三本の指の内、中指をロック解除部(運転操作部の操作を有効にするためのスイッチ等)等の操作に用いてもよい。通常、ロック解除部は使用初期に一度操作されるに過ぎない。したがって、上述の通り、ユーザーは、回転駆動式調理器の使用中において、残りの三本の指で外装部をしっかりと把持することができる。このため、ユーザーは、回転駆動式調理器を安定して把持することができる。
【0013】
本発明の第3局面に係る回転駆動式調理器は、第1局面または第2局面に係る回転駆動式調理器であって、回転速度調整部は、外装部の外部に全周に亘って露出する環状の部材である。そして、この回転速度調整部は、回転駆動式調理器において回転可能に又は揺動可能に設けられ、ユーザーによって回転操作又は揺動操作されることによって回転駆動部の回転速度を調整する。なお、この回転速度調整部は円環状であることが好ましい。また、外装部が略円筒状であり、回転速度調整部が円環状である場合、回転速度調整部が外装部の面位置と一致しているのが好ましい。また、この回転速度調整部は、運転操作部よりも高い位置に配置されてもよいし、低い位置に配置されてもよい。なお、回転速度調整部が運転操作部よりも高い位置に配置される場合、回転速度調整部は、親指で操作されるのが好ましい。また、回転速度調整部が運転操作部よりも低い位置に配置される場合、回転速度調整部は、中指や薬指で操作されるのが好ましい。なお、運転操作部は、人差し指で操作されるのが好ましい。
【0014】
このため、この回転駆動式調理器では、ユーザーは、360°どの位置からでも回転速度調整部を操作することができる。また、この回転駆動式調理器では、ユーザーの利き手に関わらず、ユーザーは無理なく回転速度調整部を操作することができる。
【0015】
本発明の第4局面に係る回転駆動式調理器は、第3局面に係る回転駆動式調理器であって、回転速度調整部は、運転操作部よりも上方に配置される。また、回転速度調整部は、運転操作部の反対側に向かって下方に傾斜する。
【0016】
このため、ユーザーは、運転操作部に人差し指を置くようにして外装部を片手で保持したときに、回転速度調整部を親指で操作しやすくなる。このため、この回転駆動式調理器は、ユーザーの操作性向上に寄与する。
【0017】
本発明の第5局面に係る回転駆動式調理器は、第1局面から第4局面のいずれかに係る回転駆動式調理器であって、電源コードをさらに備える。電源コードは、外部電源から回転駆動部に電気を供給するためのものである。また、外装部は、天面を有する。そして、電源コードは、天面に形成される開口から外装部の外部に引き出されている。なお、開口の付近に電源コードを回転駆動式調理器の上方へと案内する案内部が設けられてもよい。
【0018】
上述の通り、近年、「略筒形状の外装の側壁に運転停止スイッチを設けると共に、モータの回転速度を調整するダイヤルを、本体の天面の運転停止スイッチ寄りの位置に取り付けた回転駆動式調理器」が市販されている。このような回転駆動式調理器では、天面に設けられるダイヤルを避けるようにして電源コードを外部に引き出す必要がある。このため、このような回転駆動式調理器では、電源コードは、一般的に、天面に近い側面から、回転駆動部の回転軸に交差する方向に向かって引き出されている。電源コードがこのようにして引き出されていると、電源コードがユーザーの手に引っ掛かって邪魔になる場合がある。
【0019】
これに対し、本局面に係る回転駆動式調理器では、電源コードは、天面に形成される開口から外装部の外部に引き出されている。したがって、回転駆動式調理器では、電源コードがユーザーの手に引っ掛かることが少なくなると期待される。なお、上述のように、電源コードを回転駆動式調理器の上方へと案内する案内部が開口付近に設けられれば、電源コードがユーザーの手に引っ掛かることがさらに少なくなると期待される。
【0020】
本発明の第6局面に係る回転駆動式調理器は、外装部、シャフト、回転駆動部、運転操作部および回転速度調整部を備える。外装部は、筒形状を呈している。なお、ここにいう「筒形状」には、テーパ筒形状や樽形状も含まれる。また、外装部は、把持部として機能するため、人の片手で把持することができる程度の大きさとされる。また、外装部が人の手で把持されやすいように、外装部にくびれ、窪み等が形成されてもかまわない。シャフトは、外装部の内部に挿通される。回転駆動部は、外装部の内部に収容される。そして、この回転駆動部は、シャフトの軸を中心軸としてシャフトを回転駆動させる。なお、シャフトの軸は外装部の軸と一致することが好ましい。運転操作部は、外装部の側壁の外側から操作可能に設けられる。そして、この運転操作部は、ユーザーの操作により回転駆動部を運転または停止させる。回転速度調整部は、外装部の天面上に設けられる。そして、この回転速度調整部は、ユーザーの操作により回転駆動部の回転速度を調整する。また、この回転速度調整部は、少なくとも運転操作部の反対側において操作可能に設けられる。なお、回転速度調整部は、押しボタンであってもよいし、レバーであってもよいし、ジョグダイヤルであってもよいし、外装部の外部に全周に亘って露出する環状ダイヤルであってもよい。また、回転速度調整部は、無段階で回転速度を調整するようにしてもよいし、段階的に回転速度を調整するようにしてもよい。また、運転操作部の反対側とは、平面視において中心軸を中心とし、運転操作部を0°としたとき、略90°から270°までの範囲である。なお、本回転駆動式調理器には、取り換え可能な付属品(アタッチメント)が用意されていてもよい。かかる場合、外装部の下端部には、その付属品を取り付けるための取付け部が設けられる。
【0021】
このため、ユーザーは、運転操作部に人差し指を置くようにして外装部を片手で保持したときに、回転速度調整部を親指で操作することができる。したがって、ユーザーは、調理を中断することなく回転駆動式調理器の回転速度を調整することができる。なお、運転操作部と回転速度調整部との高さ方向の距離は、例えば、成人女性の指の長さの平均値等を利用して決定してもよい。
【0022】
本発明の第7局面に係る回転駆動式調理器は、第6局面に係る回転駆動式調理器であって、回転速度調整部は、盤形状、柱形状、または、片側にのみ開口する筒形状の部材である。また、この回転速度調整部は、運転操作部の反対側に向かって下方に傾斜する。
【0023】
このため、ユーザーは、運転操作部に人差し指を置くようにして外装部を片手で保持したときに、回転速度調整部を親指で操作しやすくなる。このため、この回転駆動式調理器は、ユーザーの操作性向上に寄与する。また、かかる場合、ユーザーは、回転速度調整部の天面を視認しやすくなる。通常、回転速度調整部の天面には、回転速度の目安メモリが表示される場合が多い。したがって、ユーザーは、回転速度の調整を行いやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係るハンディ式ブレンダーの斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るハンディ式ブレンダーの正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るハンディ式ブレンダーの側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るハンディ式ブレンダーの平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るハンディ式ブレンダーのA−A断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るハンディ式ブレンダーのP部分(図5参照)の拡大断面図である。
【図7】蓋体およびコードブッシュを取り外して回転速度調整ダイヤルの軸に沿ってハンディ式ブレンダーを見たときの図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係るハンディ式ブレンダーの本体を専用カップに装着した状態の正面図である。
【図9】本発明の第1実施形態の変形例(A)に係るハンディ式ブレンダーの側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るハンディ式ブレンダーの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
−第1実施形態−
本発明の第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100は、図1〜図5に示されるように、主に、本体200およびアタッチメント300から構成されている。
以下、本体200およびアタッチメント300それぞれについて詳述する。
【0026】
<本体の構成>
本体200は、図1〜図5に示されるように、主に、外装210、運転停止スイッチ220、ロック解除スイッチ230、回転速度調整ダイヤル240、コードブッシュ250、電源コード260、モータ410およびメインシャフト420から構成される。
以下、本体200の各構成要素について詳述する。
【0027】
(1)外装
外装210は、図1〜図3に示されるように、略円筒形の樹脂成形体であって、主に、胴体部211およびくびれ部215から構成されている。なお、胴体部211は外装210の下部を形成しており、くびれ部215は外装210の上部を形成している。
【0028】
くびれ部215は、図2および図3に示されるように、左右から中央に向かってくびれていると共に後方から前方に向かってくびれており、人の手で安定して把持することができる形状とされている。つまり、このくびれ部215は、把持部として機能する。
【0029】
胴体部211は、略円筒形を呈している。そして、この胴体部211の下端近傍の両脇には、図2および図3に示されるように、アタッチメント取付け部217が設けられている。
【0030】
(2)運転停止スイッチ
運転停止スイッチ220は、図1〜図3に示されるように、くびれ部215の正面に配置されている。この運転停止スイッチ220は、ロック解除スイッチ230によりロックが解除された状態でユーザーによって押圧されると、外装210に収容される電気回路が閉状態となってモータ410を作動させ、ユーザーによって解放されると、電気回路が開状態となってモータ410を停止させる。なお、この運転停止スイッチ220は、通常、人差し指によって操作されるが、中指によって操作されてもよい。
【0031】
(3)ロック解除スイッチ
ロック解除スイッチ230は、安全スイッチであって、図1〜図3に示されるように、くびれ部215の正面に配置されている。なお、このロック解除スイッチ230は、運転停止スイッチ220の下方近傍に配置される。このロック解除スイッチ230は、ユーザーによって押圧されると、ロック状態からロック解除状態に切り換わる。なお、ロック解除スイッチ230がロック状態になっている場合、ユーザーによって運転停止スイッチ220が押圧されても電気回路が閉状態とならず、モータ410が作動しない。一方、ロック解除スイッチ230がユーザーにより押圧されてロック解除状態になっている場合、ユーザーによって運転停止スイッチ220が押圧されると、電気回路が閉状態となり、モータ410が作動する。なお、このロック解除スイッチ230がロック解除された状態でユーザーにより運転停止スイッチ220が押圧されると、その後、ロック解除スイッチが解放されても電気回路は閉状態のままとなり、モータ410は動作し続ける。モータ410を停止させるためには、上述のように、運転停止スイッチ220を開放すればよい。なお、このロック解除スイッチは、運転停止スイッチ220が人差し指によって操作される場合、通常、中指によって操作され、運転停止スイッチ220が中指によって操作される場合、通常、薬指によって操作される。
【0032】
(4)回転速度調整ダイヤル
回転速度調整ダイヤル240は、図4および図7に示されるように、略円環状の部材であって、運転停止スイッチ220の上、すなわち、くびれ部215の上部に設けられている。そして、この回転速度調整ダイヤル240は、回転軸Ad(図5参照)を中心として一定の角度範囲を揺動することができるように外装210に取り付けられている。なお、回転速度調整ダイヤル240の回転軸Adは、モータ410の回転軸As(メインシャフト420の軸に一致)に対して後方に傾斜している。すなわち、この回転速度調整ダイヤル240は、運転停止スイッチ220の反対側に向かって下方に傾斜している(図3および図5参照)。そして、この回転速度調整ダイヤル240には、図7に示されるように、内周面の略中央部から回転軸Adに向かって延びる内歯241が約半周に亘って形成されている。そして、この内歯241は、図7に示されるように、平歯車242にかみ合っている。なお、この平歯車242は、シャフト243を介して可変抵抗器450に接続されている。したがって、ユーザーにより回転速度調整ダイヤル240が揺動されると、可変抵抗器450によりモータ410に通電される電流値が変化し、その結果、モータ410の回転数が変化する。なお、この回転速度調整ダイヤル240は、通常、親指で操作される。
【0033】
また、図6に示されるように、この回転速度調整ダイヤル240の下部の内周面には、周方向に沿って複数の窪み(図示せず)が設けられている。そして、この回転速度調整ダイヤル240の下部の内周面に対して、突起付きのスライド部材244が付勢されている。したがって、ユーザーが回転速度調整ダイヤル240を揺動させると、スライド部材244の突起244aが回転速度調整ダイヤル240の内周面の窪みに対向する度に、突起244aがその窪みに嵌り込む。よって、ユーザーは、回転速度調整ダイヤル240を揺動させる際、クリック感を享受することができる。
【0034】
(5)コードブッシュ
コードブッシュ250は、図1〜図5に示されるように、蓋体212の内側から、蓋体212に形成される開口を通って上方に延びるように設置されており、モータ410から延びる電源コード260を上方へと案内する。なお、蓋体212には2つの爪部213が設けられており、蓋体212は、それらの爪部213により本体200に固定されている。したがって、回転速度調整ダイヤル240が揺動しても、蓋体212は回転することがない。よって、第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100では、回転速度調整ダイヤル240の操作により電源コード260がよじれる等の不具合は生じない。また、このコードブッシュ250の先端部255には開口OPが形成されており、ユーザーは、調理場等に設置されるフック等にハンディ式ブレンダー100を吊り下げることができるようになっている。
【0035】
(6)電源コード
電源コード260は、モータ410および電気回路から外装210および回転速度調整ダイヤル240の内部を通って、上方に向かって延びており、コードブッシュ250を介して外装210の外部に引き出されている。
【0036】
(7)モータ
モータ410は、通常のDCモータであって、図5に示されるように、回転軸Asが胴体部211の軸に沿うようにして、外装210の胴体部211に収容されている。
【0037】
(8)メインシャフト
メインシャフト420は、図5に示されるように、軸が胴体部211の軸に沿うようにして配置されており、モータ410の回転子に連結されている。また、このメインシャフト420は、モータ410の上下に配置される軸受431,432によって支持されている。また、このメインシャフト420の下端には、図5に示されるように、アタッチメント300のシャフト310を連結するための連結部425が取り付けられている。
【0038】
<アタッチメントの種類および構成>
アタッチメント300は、食品を調理するために使用されるものであって、本体200のアタッチメント取付け部217および連結部425に対して交換可能に取り付けられる。アタッチメント300としては、図1〜図3および図5に示されるブレンダー以外に、泡立てビーター、生地こね二―ダー、チョッパーカッター、おろしカッター等がある。
【0039】
なお、アタッチメント300としてブレンダー、泡立てビーター、生地こね二―ダーが使用される場合、外装がアタッチメント取付け部217に取り付けられると同時にシャフト310(図5参照)が連結部425を介してメインシャフト420に取り付けられる。
【0040】
また、アタッチメント300としてチョッパーカッター又はおろしカッターが使用される場合、図8に示されるような専用カップ350が使用される。なお、かかる場合、チョッパーカッター又はおろしカッターは、連結部425を介してメインシャフト420に取り付けられると共に、専用カップ350の底面中央から上方に向かって延びるピン355に支持される。一方、専用カップ350は、アタッチメント取付け部217に取り付けられる。
【0041】
<ハンディ式ブレンダーの使用方法>
(1)アタッチメントとしてブレンダー、泡立てビーター、生地こね二―ダーが使用される場合
ユーザーは、所望のアタッチメント300をアタッチメント取付け部217および連結部425を介して本体200に取り付ける。
【0042】
次に、ユーザーは、人差し指が運転停止スイッチ220に位置し、中指がロック解除スイッチ230に位置し、親指が回転速度調整ダイヤル240に位置するようにくびれ部215を把持すると共に、くびれ部215を把持している手とは逆の手で、調理物が入っている容器等を押さえ、その容器の中にアタッチメント300を挿入する。
【0043】
続いて、中指でロック解除スイッチ230を押圧してロックを解除した状態とし、人差し指で運転停止スイッチ220を押圧して本体200に内蔵されるモータ410を回転させる。なお、この後、ユーザーは、ロック解除スイッチ230を解放してもよい。かかる場合であっても、モータ410はそのまま回転し続ける。すると、本体200のメインシャフト420に連結されるシャフト310が回転し、ユーザーは、泡立てしたり、生地こねをしたり、調理物をブレンドしたりすることができる。なお、第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100では、シャフト310が回転している最中であっても、ユーザーは、親指で回転速度調整ダイヤル240を揺動させてモータ410の回転速度を調整することができる。
【0044】
(2)アタッチメントとしてチョッパーカッター又はおろしカッターが使用される場合
ユーザーは、専用カップ350の蓋351を取り外し、アタッチメント取付け部217を介してその蓋351を本体200に取り付ける。
【0045】
次に、ユーザーは、連結部425を介してアタッチメント300を本体200に取り付ける。
【0046】
次いで、ユーザーは、容器352に調理物を投入した後、本体200およびアタッチメント300が取り付けられた蓋351をその容器352に被せる。なお、このとき、アタッチメント300の下部中央に形成される孔に容器352の底のピン355が挿入され、アタッチメント300が支持される。なお、図8には、このときの状態が示されている。
【0047】
続いて、ユーザーは、人差し指が運転停止スイッチ220に位置し、中指がロック解除スイッチ230に位置し、親指が回転速度調整ダイヤル240に位置するようにくびれ部215を把持すると共に、くびれ部215を把持している手とは逆の手で、専用カップ350を押さえる。
【0048】
続いて、中指でロック解除スイッチ230を押圧してロックを解除した状態とし、人差し指で運転停止スイッチ220を押圧して本体200に内蔵されるモータ410を回転させる。すると、本体200のメインシャフト420に連結されるアタッチメント300が回転し、ユーザーは、調理物を切り刻んだり、大根おろしを作ったりすることができる。なお、第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100では、アタッチメント300が回転している最中であっても、ユーザーは、親指で回転速度調整ダイヤル240を揺動させてモータ410の回転速度を調整することができる。
【0049】
<ハンディ式ブレンダーの特徴>
(1)
本発明の第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100には、外装210の外部に全周に亘って露出する回転速度調整ダイヤル240が、運転停止スイッチ220の上方に設けられている。このため、このハンディ式ブレンダー100では、ユーザーは、360°どの位置からでも回転速度調整ダイヤル240を親指等で操作することができる。また、このハンディ式ブレンダー100では、ユーザーは、利き手を気にすることなく、回転速度調整ダイヤル240を操作することができる。
【0050】
(2)
本発明の第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100では、回転速度調整ダイヤル240が、運転停止スイッチ220の反対側に向かって下方に傾斜している。このため、ユーザーは、運転停止スイッチ220に人差し指を置くようにして外装210のくびれ部215を片手で保持したときに、回転速度調整ダイヤル240を親指で操作しやすくなる。このため、このハンディ式ブレンダー100は、ユーザーの操作性向上に寄与する。
【0051】
(3)
本発明の第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100では、コードブッシュ250が、蓋体212の内側から蓋体212の開口を通って上方に延びるように設置されており、モータ410および電気回路から延びる電源コード260を上方へと案内している。このため、このハンディ式ブレンダー100では、電源コード260がユーザーの手に引っ掛かりにくい。
【0052】
(4)
本発明の第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100では、コードブッシュ250の先端部255に開口OPが形成されている。このため、ユーザーは、調理場等に設置されるフック等にハンディ式ブレンダー100を吊り下げることができる。
【0053】
(5)
本発明の第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100では、ユーザーが回転速度調整ダイヤル240を揺動させると、スライド部材244の突起244aが回転速度調整ダイヤル240の内周面の窪みに対向する度に、突起244aがその窪みに嵌り込む。よって、ユーザーは、回転速度調整ダイヤル240を揺動させる際、クリック感を享受することができる。
【0054】
<変形例>
(A)
第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100では回転速度調整ダイヤル240が運転停止スイッチ220の上方に設けられていたが、図9に示されるハンディ式ブレンダー101のように、運転停止スイッチ220の脇にジョグダイヤル245が設けられてもよい。なお、かかる場合、ジョグダイヤル245は、外装210の内部に収容される伝達機構を介して可変抵抗器450に接続されている。つまり、ユーザーによりジョグダイヤル245が回転させられると、その回転は伝達機構を介して可変抵抗器450に伝達され、その結果、可変抵抗器450の抵抗が変化する。また、このジョグダイヤル245は、横向きに配置されてもかまわない。また、このジョグダイヤル245にスイッチ機能を付与して、ジョグダイヤル245を回転速度調整ダイヤル兼ロック解除スイッチとして利用してもかまわない。
【0055】
(B)
第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100では回転速度調整ダイヤル240が運転停止スイッチ220の上方に設けられていたが、運転停止スイッチ220の脇に操作レバーが設けられてもよい。なお、かかる場合、操作レバーは、外装210の内部に収容される伝達機構を介して可変抵抗器450に接続されている。つまり、ユーザーにより操作レバーがスライドされると、そのスライドは伝達機構を介して可変抵抗器450に伝達され、その結果、可変抵抗器450の抵抗が変化する。また、この操作レバーは、上下方向に移動するように構成されてもよいし、左右方向に移動するように構成されてもよい。
【0056】
(C)
第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100では回転速度調整ダイヤル240が運転停止スイッチ220の上方に設けられていたが、運転停止スイッチ220の脇に、運転停止スイッチ220のようなスイッチが設けられてもよい。なお、かかる場合、例えば、ユーザーがスイッチを押圧する回数によりモータ410の回転速度が調整されるようにしてもよい。また、例えば、ユーザーがスイッチを長押しすると、回転速度が初期設定の回転速度に戻るようにしてもよい。
【0057】
(D)
第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100では、回転速度調整ダイヤル240の下部の内周面に対して、突起付きのスライド部材244が付勢されていたが、突起付きのスライド部材244は特に設けなくてもかまわない。かかる場合、ユーザーはクリック感を享受することができないが、回転速度調整ダイヤル240を無段階で調整することができる。
【0058】
(E)
第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100では人差し指が運転停止スイッチ220に位置し、中指がロック解除スイッチ230に位置し、親指が回転速度調整ダイヤル240に位置するようにくびれ部215が把持されたが、中指が運転停止スイッチ220に位置し、薬指がロック解除スイッチ230に位置し、親指が回転速度調整ダイヤル240に位置するようにくびれ部215が把持されてもかまわない。
【0059】
(F)
第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100では、回転軸Adを中心として一定の角度範囲を揺動することができるように回転速度調整ダイヤル240が外装210に取り付けられていたが、回転速度調整ダイヤル240は、自由に回転するように組み付けられてもよい。
【0060】
−第2実施形態−
第2実施形態に係るハンディ式ブレンダー102は、(a)蓋体212が存在しないこと、(b)回転速度調整ダイヤル240が回転速度調整ダイヤル540に置き換えられたこと、(c)コードブッシュ250がコードブッシュ550に置き換えられたこと、(d)電源コードが、くびれ部215の上部に形成される開口からコードブッシュ550を介して引き出されていることを除き、第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100と同様である。したがって、以下、第1実施形態に係るハンディ式ブレンダー100との相違点についてのみ説明する。
【0061】
(1)回転速度調整ダイヤル
回転速度調整ダイヤル540は、片側にのみ開口する略円筒形状の樹脂成形体であって、図10に示されるように、開口側が下方を向くようにして外装210の上部に取り付けられている。なお、この回転速度調整ダイヤル540の内部構造、回転速度調整の仕組み等は、第1実施形態に記載される通りである。
【0062】
(2)コードブッシュ
コードブッシュ550は、図10に示されるように、くびれ部215の上部に形成される開口を通って後方に延びるように配置されており、モータ410および電気回路から延びる電源コード260を後方へと案内する。また、このコードブッシュ550の先端部555には、第1実施形態に係るコードブッシュ250の先端部255と同様に、開口が形成されており、ユーザーは、調理場等に設置されるフック等にハンディ式ブレンダー102を吊り下げることができるようになっている。
【0063】
<変形例>
(A)
第2実施形態に係るハンディ式ブレンダー102では回転速度調整ダイヤル540が、片側にのみ開口する略円筒形状の樹脂成形体であったが、回転速度調整ダイヤル540は円柱形状であってもよいし、円盤形状であってもよい。なお、かかる場合、回転速度調整ダイヤル540の下面に、別途、歯車を取り付ける必要がある。なお、このとき、歯車は、外歯車であってもよいし、内歯車であってもよい。
【0064】
(B)
第1実施形態の変形例(D)、(E)および(F)を適用してもよい。
【符号の説明】
【0065】
100 ハンディ式ブレンダー(回転駆動式調理器)
210 外装(外装部)
220 運転停止スイッチ(運転操作部)
230 回転速度調整ダイヤル(回転速度調整部)
260 電源コード
410 モータ(回転駆動部)
420 メインシャフト(シャフト)
540 回転速度調整ダイヤル(回転速度調整部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒形状の外装部と、
前記外装部の内部に挿通されるシャフトと、
前記外装部の内部に収容され、前記シャフトの軸を中心軸として前記シャフトを回転駆動させる回転駆動部と、
前記外装部の側壁の外側から操作可能に設けられ、前記回転駆動部を運転または停止させる運転操作部と、
前記外装部の側壁の外側から操作可能に設けられ、前記回転駆動部の回転速度を調整する回転速度調整部と
を備える、回転駆動式調理器。
【請求項2】
前記回転速度調整部は、前記中心軸に沿って見た場合において前記運転操作部と重ならない位置で操作可能となるように設けられる
請求項1に記載の回転駆動式調理器。
【請求項3】
前記回転速度調整部は、前記外装部の外部に全周に亘って露出する環状の部材であり、回転可能に又は揺動可能に設けられる
請求項1または2に記載の回転駆動式調理器。
【請求項4】
前記回転速度調整部は、前記運転操作部よりも上方に配置され、前記運転操作部の反対側に向かって下方に傾斜する
請求項3に記載の回転駆動式調理器。
【請求項5】
前記回転駆動部に電気を供給するための電源コードをさらに備え、
前記外装部は、天面を有し、
前記電源コードは、前記天面に形成される開口から前記外装部の外部に引き出されている
請求項1から4のいずれかに記載の回転駆動式調理器。
【請求項6】
筒形状の外装部と、
前記外装部の内部に挿通されるシャフトと、
前記外装部の内部に収容され、前記シャフトの軸を中心軸として前記シャフトを回転駆動させる回転駆動部と、
前記外装部の側壁の外側から操作可能に設けられ、前記回転駆動部を運転または停止させる運転操作部と、
前記外装部の天面上に設けられ、前記回転駆動部の回転速度を調整する回転速度調整部と
を備え、
前記回転速度調整部は、少なくとも前記運転操作部の反対側において操作可能に設けられる
回転駆動式調理器。
【請求項7】
前記回転速度調整部は、盤形状、柱形状、または、片側にのみ開口する筒形状の部材であり、前記運転操作部の反対側に向かって下方に傾斜する
請求項6に記載の回転駆動式調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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