図形コード読取装置
【課題】図形コード読取に失敗した場合に、セルサイズ算出結果、合焦度合判定結果履歴情報、セルサイズ算出結果履歴情報と合焦度合判定結果履歴情報のいずれか一または二以上に基づいて、図形コードと撮像レンズとの距離の、適切な距離に対する位置関係などを判定し、その結果に基づいて位置調整の適切な指示を出力することのできる、図形コード読取装置を提供する。
【解決手段】セルサイズ算出結果、合焦度合判定結果履歴情報、セルサイズ算出結果履歴情報と合焦度合判定結果履歴情報のいずれか一または二以上に基づいて、図形コードと撮像レンズとの距離の、適切な距離に対する位置関係などを判定し、その結果に基づいて位置調整の適切な指示を出力する。ユーザに位置調整の適切な指示を出力することで、図形コード読取にかかる時間を短縮することができる。
【解決手段】セルサイズ算出結果、合焦度合判定結果履歴情報、セルサイズ算出結果履歴情報と合焦度合判定結果履歴情報のいずれか一または二以上に基づいて、図形コードと撮像レンズとの距離の、適切な距離に対する位置関係などを判定し、その結果に基づいて位置調整の適切な指示を出力する。ユーザに位置調整の適切な指示を出力することで、図形コード読取にかかる時間を短縮することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置における図形コード読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯端末装置の一つである携帯電話のカメラ機能を利用して、図形コードを読み取ることが可能となっている。図形コードを正しく読み取るには、読取対象となる図形コードが撮像レンズに対し適切な距離にある必要がある。適切な距離とは、図形コードが撮像レンズの焦点の合う合焦範囲にあり、図形コードの最小構成単位であるセルが、ある一定数以上の画素数で撮像レンズから入力される距離である。従来、ハンディタイプのバーコードリーダの場合は、カメラ周辺に設置したLED等の位置決め用の照明装置を用い、適切な距離になると照明の投影光が一つに重なるようにするなどして、ユーザに位置決めを行いやすくする為のガイドを提供してきた。それに対して、一般的にカメラ付き携帯電話での図形コード読取では、このような位置決め用の照明を設置することが困難であるため、携帯電話の表示部をファインダとし、その中に枠を表示し、図形コードが入るようにユーザに調整させている。
【特許文献1】特開平5−128292
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、携帯電話においてはカメラの解像度よりも表示部の解像度の方が低いので、画像は縮小されて表示されることになり、焦点が合っているかどうかファインダを見て判定することが困難な場合がある。そのため、距離が適切でない場合は、図形コードの読み取りは失敗する。図形コードの読み取りは連続して行われ、適切な位置に調整できれば読み取りは成功するが、読み取りが失敗した場合、ユーザにとって、もっと近づけた方が良いのか、あるいは遠ざけた方が良いのかの判定がつかず、近づけたり、遠ざけたりと何度も調整しないと読み取りが成功せず、読み取りに時間がかかってしまう、という問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、図形コード読取に失敗した場合に、セルサイズ算出結果、合焦度合判定結果履歴情報、セルサイズ算出結果履歴情報と合焦度合判定結果履歴情報のいずれか一または二以上に基づいて、図形コードと撮像レンズとの距離の、適切な距離に対する位置関係などを判定し、その結果に基づいて位置調整の適切な指示を出力することのできる、図形コード読取装置を提供する。
【発明の効果】
【0005】
以上のような構成をとる本発明によって、図形コードと撮像レンズの距離が図形コードの読取可能な距離にない場合には、位置調整の適切な指示が出力されるため、ユーザは、位置調整が容易となり、図形コード読取の操作性が向上し、読み取りにかかる時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下に、携帯端末装置における図形コード読取を、カメラ付き携帯電話によるQRコード読取を例にして、図を用いて本発明の実施の形態について説明する。QRコード(登録商標)は、高速読取を重視した二次元コードとして株式会社デンソーウェーブにより開発された図形コードである。JIS規格となっており、携帯電話によるQRコード読取は一般的となっている。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0007】
図1に示すのは、本発明に示す図形コード読取装置の概念の一例を説明するための図である。携帯電話(0101)の背面底部に撮像レンズ(0103)が設置されている場合のQRコード読取を示している。QRコード(0102)を読み取ろうとした場合、図1左に示すように、携帯電話のファインダ(0106)に映像が映し出されるため、ユーザ自身がその映像を見ながらQRコードが読み取れるまで携帯電話を上下することになる。この時、紙等(0105)に印刷されたQRコード(0102)と撮像レンズ(0103)の距離と、QRコード読取の関係は図1右に示すようになる。(a)ではQRコード(0102)と撮像レンズ(0103)の距離が近すぎるため、QRコードの画像(0104)の焦点が合っていない。逆に(c)ではQRコード(0102)撮像レンズ(0103)の距離が遠すぎるため、読取可能な大きさよりもQRコードの画像(0104)が小さくコードが不鮮明となる。そのため(a)や(c)の場合はQRコードの読み取りに失敗してしまう。それに対して、(b)に示すようにQRコード(0102)と撮像レンズ(0103)が適切な距離にあるときは読み取りが成功し、QRコード内の情報がファインダ(0106)に表示される。本発明は(a)や(c)のような図形コードの読取失敗の原因が図形コードと撮像レンズとの距離にある場合に、ユーザに撮像レンズを適切な方向に動かすように出力する図形コード読取装置である。例えば、(a)の場合には「遠ざけてください」、(c)の場合には「近づけてください」などの位置調整情報(0107)をファインダ(0106)に出力する。
【0008】
なお、実施形態1は、主に請求項1,8、9について説明する。実施形態2は、主に請求項2、10について説明する。実施形態3は、主に請求項3、11について説明する。さらに詳しく、実施形態3−1は、請求項4、12について説明する。実施形態3−2では、主に請求項5,13について説明する。実施形態3−3は、主に請求項6,14について説明する。実施形態3−4は、主に請求項7,15について説明する。図26に各実施形態の概念をまとめている。実施形態1の図形コード読取装置は、撮像レンズが読取不可領域(A1)にあるのか、読取可能領域(A2、A3、A4)にあるのかを判定することができる。実施形態2の図形コード読取装置は、読取可能領域のなかでさらに合焦方向に移動しているのか(B1)、合焦方向に移動していないのか(B2)を判定することができる。実施形態3の図形コード読取装置は、さらに合焦領域よりも図形コードと撮像レンズの距離が近距離であるのか(C1、C4)、遠距離であるのか(C2、C3)を判定することができる。また、図27には、各請求項における構成要件を示している。
≪実施形態1≫
<実施形態1の概要>
【0009】
図2は、本実施形態の概念の一例を示すものである。図2(a)のように紙等に印刷された図形コードと、携帯端末装置の撮像レンズとの距離が読取可能な距離よりも遠い場合、ファインダには図2(b)のように表示され、図形コードの画像は小さく不鮮明となっており、図形コード読取に失敗してしまう。本実施形態は、セルサイズ算出部からのセルサイズが設定した最小値よりも小さいという算出結果に基づいて、図形コードが適切な距離に対して遠すぎると判定し、ユーザに撮像レンズをもっと近づけるように、例えば「近づけてください」のような位置調整情報を出力する図形コード読取装置を有する携帯端末装置である。
<実施形態1の構成>
【0010】
図3に本実施形態での機能ブロックの一例を示した。本実施形態の「図形コード読取装置」(0300)は、「カメラ部」(0301)と、「図形コード情報出力部」(0302)と、「セルサイズ算出部」(0303)と、「読取可否判定部」(0304)と、「調整情報出力部」(0305)を有する。
【0011】
「カメラ部」(0301)は、撮像レンズから入力した図形コードの画像の画像信号を出力するように構成されている。撮像レンズは、図形コードの光学像を撮像素子の感光面上に結像させる。撮像レンズの種類は、有効に図形コードを読み取ることのできる画質を提供できるものであればよく、例えば、プラスチックレンズやガラスレンズを用いることができる。また、ズーム機能やマクロ機能を有しているものが好ましい。撮像素子は、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)やCCD(電化結合素子)などを用いることができる。図形コードは、数字、記号、文字、画像などの情報を含んだ図形で、本発明の読み取り対象をいう。例えば、JANコードに代表されるバーコードや、QRコードに代表される二次元コードがある。本発明においては、その種類は限定されない。また、画像信号とは、撮像された画像を変換してデジタル信号としたものをいう。
【0012】
「図形コード情報出力部」(0302)は、前記カメラ部(0301)から出力される画像信号に基づいて、図形コード情報を出力するように構成されている。図形コード情報とは、カメラ部から出力された画像信号のうち、ファインダパターンの画像信号のみを抽出した情報をいう。ファインダパターンとは、図形コードの種類により既知であり、図形コードの位置、大きさ等を特定するための図形をいう。図4にQRコードのファインダパターンを示す。QRコードのファインダパターン(0400)は、一辺が7セルで構成される正方形の図形で、中心部を通るように横方向へ移動した場合の黒:白:黒:白:黒の幅の比率は、1:1:3:1:1と規定されている。セルとは、図形コードの最小構成単位であり、前記比率において縦横ともに1となる升目である。図4において、黒あるいは白で示されているが、セルの色は2値化できるものであれば、黒と白の組み合わせに限られない。カメラ部から出力される画像信号には、撮像したファインダ内のすべての信号が含まれるため、図形コード読取に必要のないまわりの文字等の信号も含まれる可能性があるが、図形コード情報出力部は、その中からファインダパターンの画像信号のみを抽出し、出力する機能を有する。図形コード情報の抽出は、ファインダパターンに特徴的な黒:白:黒:白:黒の幅の1:1:3:1:1という比率を検出することにより行う。
【0013】
「セルサイズ算出部」(0303)は、前記図形コード情報出力部(0302)から出力された図形コード情報に基づいて、セルサイズを算出するように構成されている。QRコードの一辺の長さや1辺を構成するセル数が変化してもファインダパターンの幅の比率は変化しないため、図形コード情報を用いることにより、必ずセルサイズを算出することができる。セルサイズとは、1セルを構成する撮像素子の画素数をいう。セルサイズは、図形コード画像情報であるファインダパターンを構成しているセルの画素数から計算することによって求める。例えば、ファインダパターンの幅から1セルの幅を計算することによって求めたり、あるいは中心部の一辺が3セルの黒の正方形を形成している9セル分の画素数から求めることもできる。その他1セルを構成する画素数を効率よく算出することのできる方法であれば、これらに限られない。したがって、図形コードのセル幅が大きいほどセルサイズは大きくなり、図形コードのセル幅が小さいほどセルサイズは小さくなる。すなわち、セルサイズが大きいときは図形コードと撮像レンズが近距離にあり、セルサイズが小さいときは図形コードと撮像レンズが遠距離にあることになる。
【0014】
なお、上記の機能の説明はQRコードを例としたものであるが、本発明においては、ファインダパターンはスタートコードやストップコード、セルはバーやモジュール、のようなバーコードの場合において同様の機能を指す用語の意味をも含むものとする。
【0015】
「読取可否判定部」(0304)は、前記セルサイズ算出部(0303)にて算出したセルサイズ算出結果から、算出したセルサイズが設定した最小値より小さいために、合焦の有無に関わらず読み取りが不可であるか否かを判定するように構成されている。図形コード読取の可能な距離とは、図形コードの情報を読み取ることのできる距離をいう。読取可能である最小のセルサイズは、サンプリング定理より2画素であるが、入力画像のノイズやボケの影響を抑えるため、2画素+数画素を設定するのが好ましい。例えば、最小のセルサイズを3画素とすることができる(特許文献1)。本実施形態の読取可否判定部は、セルサイズが設定した最小値よりも小さく読み取りが不可であると判定した場合は、撮像レンズが図形コード読取の可能な距離にないと判定する。
【0016】
「調整情報出力部」(0305)は、前記読取可否判定部(0304)での判定結果に基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する。読取可否判定部において図形コードが図形コード読取の可能な距離にないと判定された場合は、図形コードと撮像レンズの距離をもっと近づけるように位置調整情報を出力する。調整情報の出力方法は、文字による表示に限られず、図形、音声、振動、光、画面の色などでもよい。出力方法の一例を図5(A)に示す。(a)のように文字により出力する場合には「近づけてください」や「DOWN」等のように、撮像の妨げとならないようにファインダに表示することができる。ユーザに気づかせやすいように点滅等させてもよい。また、(b)のように矢印等の図形で表すこともできる。振動や光によって出力する場合には、振動の間隔や光の色の変化などを設定しておき、あるいはユーザ自身が設定することにより行うことができるようにしてもよい。
【0017】
「携帯端末装置」とは、図形コード読取機能を備えた持ち運びのできる機器をいう。例えば、携帯電話やPDAなどがある。
<実施形態1の処理の流れ>
【0018】
図6は実施形態1での処理の流れの一例を示したものである。この図にあるように、まず撮影によって入力された図形コードの画像を出力し(図形コード画像出力ステップ S0601)、得られた画像情報から図形コード情報を出力する(図形コード情報出力ステップ S0602)。次に、図形コード情報出力ステップにて得られた図形コード情報に基づいてセルサイズを算出する(セルサイズ算出ステップ S0603)。続いて、前記セルサイズ算出ステップにて算出したセルサイズ算出結果から、算出したセルサイズが読み取りが不可であるかを判定する(読取可否判定ステップ S0604)。最後に、読取可否判定ステップにて判定された読取可否判定結果に基づいて、撮像のための位置調整情報を出力する(調整情報出力ステップ S0605)。
【0019】
上記の各処理を具体例をあげて説明する。以下の具体的な処理方法は一例であり、本発明の実施形態はこれらに限られない。図形コード画像出力ステップ(S0601)では、撮像レンズから取り込まれた図形コードの画像は、CCD等の撮像素子に結合され、A/D変換によりアナログ信号からデジタル信号へと変換し、出力される。次に図形コード情報出力ステップ(S0602)では、パターンマッチングを行い、図形コード画像出力ステップにて出力された画像情報の中から、1:1:3:1:1という規定の比率の信号を有するファインダパターンの画像信号のみを抽出し、図形コード情報だけを出力する。セルサイズ算出ステップ(S0603)では、図形コード情報出力ステップ(S0602)にて出力された図形コード情報に基づいて、その輪郭の座標から各セルの位置座標を計算し、一辺を構成する画素数、あるいは中心部の黒の9セル分を構成する画素数から、計算によってセルサイズを算出する。このとき、セルサイズ算出ステップ(S0603)にて算出したセルサイズが設定した最小値よりも小さい場合には、読取可否判定ステップ(S0604)にて撮像レンズが図形コード読取の可能な距離にないと判定し、調整情報出力ステップ(S0605)にて撮像レンズをもっと近づけるように位置調整情報を出力する。
【0020】
以上の処理は、計算機に実行させるためのプログラムで実行させることができ、また、このプログラムを計算機によって読み取り可能な記録媒体に記録することができる。(本明細書の全体を通して同様である。)
<実施形態1の効果>
【0021】
従来、図形コード読取に失敗した場合、その原因が何であるかをユーザが判定できず、図形コードに対して撮像レンズを近づけた方が良いのか遠ざけた方が良いのかの判定が困難であった。しかし、本実施形態の図形コード読取装置においては、図形コードと撮像レンズの距離が遠すぎるために図形コード読取に失敗した場合は、調整情報出力部から撮像レンズを近づけるように指示が出力されるため、ユーザは容易に図形コードと撮像レンズの距離を調整することができる。
≪実施形態2≫
<実施形態2の概要>
【0022】
図7は本実施形態の概念の一例を示すものである。本実施形態は、合焦していないことにより図形コード読取に失敗した場合に、合焦度合いの変化の履歴から、ユーザの携帯端末装置を動かしている方向が正しい方向であるのか、間違った方向であるのかを判定し、その後どう携帯端末装置を動かせばよいのかを、例えば「そのまま動かしてください」のように出力する図形コード読取装置である。
<実施形態2の構成>
【0023】
図8に本実施形態の機能ブロックの一例を示した。前記実施形態1を基本として、さらに合焦度合判定部と合焦度合履歴情報保持部を有することを特徴とする。本実施形態の「図形コード読取装置」(0800)は、「カメラ部」(0801)と、「図形コード情報出力部」(0802)と、「セルサイズ算出部」(0803)と、「読取可否判定部」(0804)と、「合焦度合判定部」(0805)と、「合焦度合判定結果履歴情報保持部」(0806)と、「適切方向判定部」(0807)と、「調整情報出力部」(0808)を有する。
【0024】
「合焦度合判定部」(0805)は、前記カメラ部(0801)における図形コードの画像の合焦度合いを判定するように構成されている。合焦度合いとは、焦点の合っている程度をいい、コントラスト比(明るい部分と暗い部分の明暗比)により決まる。例えば、合焦度合いが大きいとは、コントラスト比が大きいことをいう。また、コントラスト比が図形コード読取に必要な閾値以上であるときを、合焦状態(焦点が合っている状態)であるという。すなわち、図形コードと撮像レンズの距離が近すぎたり遠すぎたりする場合には、合焦度合いは小さく、ある一定の距離範囲にある場合に、合焦度合いは大きい。マクロ機能を有する携帯端末の場合、ある一定の距離で合焦するように設定されているため、その距離から離れるほど合焦度合いは小さくなる。また、画像が合焦しており、図形コードに組み込まれた数字や文字等の情報を読み取ることのできる距離を、適切な距離という。撮像レンズと図形コードとが近すぎる場合には、焦点が合わないために図形コードの情報が読み取れず、適切な距離とはいえない。逆に、撮像レンズと図形コードとが遠すぎる場合には図形コードの情報を読み取ることのできるだけの解像度が得られず、適切な距離とはいえない。言い換えれば、撮像レンズと図形コードとが近すぎず、また遠すぎもしない距離が、適切な距離といえる。
【0025】
「合焦度合判定結果履歴情報保持部」(0806)は、前記合焦度合判定部(0805)からの合焦度合いの変化の履歴である合焦度合判定結果履歴情報を保持するように構成されている。図9は時間と合焦度合いの関係を示した一例である。(a)の場合には、焦点が合っていくという合焦度合判定結果履歴情報を保持し、(b)の場合には、焦点が合わなくなっていくという合焦度合判定結果履歴情報を保持する。
【0026】
「適切方向判定部」(0807)は、前記合焦度合判定結果履歴情報保持部(0806)に記録された合焦度合判定結果履歴情報に基づいて、撮像レンズと図形コードとの過去の相対的移動が合焦方向の移動であったか、合焦方向の移動でなかったかを判定するように構成されている。合焦度合判定結果履歴情報が合焦度合いが大きくなっているという情報である場合には、合焦方向に移動していると判定し、逆に合焦度合判定結果履歴情報が合焦度合いが小さくなっているという情報である場合には、合焦方向に移動していないと判定する。
【0027】
調整情報出力部(0808)は、実施形態1で示した機能に加え、さらに前記読取可否判定部(0804)の判定結果及び適切方向判定部(0807)からの判定結果に基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力するように構成されている。読取可否判定部において撮像レンズが図形コード読取の可能な距離にあると判定され、適切方向判定部において合焦方向に移動していると判定した場合には、撮像レンズを現在ユーザが動かしている方向にそのまま動かし続けるように出力する。また、読取可否判定部において図形コードが図形コード読取の可能な距離にあると判定され、適切方向判定部において合焦方向に移動していないと判定した場合には、撮像レンズを現在ユーザが動かしている方向とは逆方向に動かすように出力する。調整情報の出力方法には、実施形態1と同様に文字、図形、音声、振動、光、画面の色などを用いる。例えば、図5(C)のように文字による場合には「そのまま動かしてください」や「逆方向に動かしてください」と表示する。
【0028】
その他の各部の処理については、実施形態1と同様である。
<実施形態2の処理の流れ>
【0029】
図10は実施形態2の処理の流れを示したものである。まず撮像した図形コードの画像を出力し(図形コード画像出力ステップ S1001)、得られた画像情報に基づいて図形コード情報を出力する(図形コード情報出力ステップ S1002)。次に、図形コード情報出力ステップにて得られた図形コード情報から、セルサイズを算出し(セルサイズ算出ステップ S1003)、前記セルサイズ算出ステップにて算出したセルサイズ算出結果から、算出されたセルサイズが読取可能であるかを判定する(読取可否判定ステップ S1004)。前記読取可否判定ステップにて読取可能と判定された場合に、図形コード画像出力ステップにて出力された図形コード画像の合焦度合いを判定し(合焦度合判定ステップ S1005)、その合焦度合判定結果の履歴情報を保持する(合焦度合判定結果履歴情報記録ステップ S1006)。さらに、前記合焦度合判定結果履歴情報記録ステップにて記録された合焦度合判定結果履歴情報に基づいて、撮像レンズと図形コードとの過去の相対的移動が合焦方向の移動であったか、合焦方向の移動でなかったかを判定する(適切方向判定ステップ S1007)。最後に、適切方向判定ステップにて判定された判定結果に基づいて、撮像のための位置調整情報を出力する(調整情報出力ステップ S1008)。
【0030】
上記の各処理を具体例をあげて説明する。図形コード画像出力ステップ、図形コード情報出力ステップ、セルサイズ算出ステップ、読取可否判定ステップについては実施形態1と同様である。読取可否判定ステップ(S1004)にて、撮像レンズが図形コード読取の可能な距離にあると判定された場合、図形コード画像出力ステップにて出力された図形コード画像のコントラスト比を計算することにより、合焦度合いを判定し(合焦度合判定ステップ S1005)、その変化を合焦度合判定結果履歴情報として記録媒体に保持する(合焦度合判定結果履歴情報記録ステップ S1006)。このとき、合焦度合判定結果履歴情報が合焦度合いが大きくなっていくという履歴情報である場合には、適切方向判定ステップ(S1007)にて、合焦方向に移動していると判定し、調整情報出力ステップ(S1008)にて、現在動かしている方向にそのまま動かし続けるように出力する。一方、合焦度合判定結果履歴情報が合焦度合いが小さくなっていくという履歴情報である場合には、適切方向判定ステップ(S1007)にて、合焦方向に移動していないと判定し、調整情報出力ステップ(S1008)にて、現在動かしている方向とは逆の方向に動かすように出力する。なお、図形コード読取に成功した場合には、記録媒体に記録されたデータは消去される。
<実施形態2の効果>
【0031】
本実施形態の図形コード読取装置においては、図形コード画像が合焦していないことによって図形コード読取に失敗した場合、ユーザの動きにあわせて調整情報出力部に撮像レンズの位置調整方向の指示が出力されるため、ユーザは容易に撮像レンズの位置を調整することができる。
≪実施形態3≫
<実施形態3の概要>
【0032】
図11は、本実施形態の概念の一例を示すものである。本実施形態は、合焦していないことにより図形コード読取に失敗した場合に、合焦方向への移動か否かの判定結果に、セルサイズ算出結果履歴情報を加えることで、図形コードと撮像レンズとの遠近を判定することができることを特徴とする。遠近判定結果に基づいて、例えば「そのまま近づけてください」や「逆に近づけてください」のように実施形態2よりも詳しく位置調整情報を出力する図形コード読取装置である。
<実施形態3の構成>
【0033】
図12に本実施形態の機能ブロックの一例を示した。本実施形態は、前記実施形態2を基本として、さらにセルサイズ算出結果履歴情報保持部を有することを特徴とする。本実施形態の「図形コード読取装置」(1200)は、「カメラ部」(1201)と、「図形コード情報出力部」(1202)と、「セルサイズ算出部」(1203)と、「読取可否判定部」(1204)と、「セルサイズ算出結果履歴情報保持部」(1205)と、「合焦度合判定部」(1206)と、「合焦度合判定結果履歴情報保持部」(1207)と、「適切方向判定部」(1208)と、「遠近判定部」(1209)と、「調整情報出力部」(1210)を有する。
【0034】
「セルサイズ算出結果履歴情報保持部」(1205)は、前記セルサイズ算出部(1203)において算出したセルサイズ算出結果の履歴情報を記録するように構成されている。セルサイズ算出結果の履歴情報とは、セルサイズの変化の履歴をいう。例えば、撮像レンズを図形コードに近づけた場合には、20画素から25画素、40画素のように、セルサイズが大きくなっていくという変化の情報である。また、撮像レンズを図形コードから遠ざけた場合には、50画素から45画素、30画素のように、セルサイズが小さくなっていくという変化の履歴の情報である。
【0035】
「遠近判定部」(1209)は、前記適切方向判定部(1208)からの判定結果と、前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部(1205)に記録されたセルサイズ算出結果履歴情報とに基づいて、撮像レンズと図形コードとの距離の適切な距離に対する遠近を判定するように構成されている。適切方向判定部(1208)からの判定結果が、合焦方向に移動しているという情報である場合、セルサイズ算出結果履歴情報保持部(1205)に記録されたセルサイズ算出結果履歴情報が、セルサイズが小さくなっているという情報であるときには、撮像レンズが適切な距離に対して近距離にあると判定し、セルサイズが大きくなっているという情報であるときには、撮像レンズが適切な距離に対して遠距離にあると判定する。また、適切方向判定部(1208)からの判定結果が、合焦方向に移動していないという情報である場合、セルサイズ算出結果履歴情報保持部(1205)に記録されたセルサイズ算出結果履歴情報が、セルサイズが小さくなっているという情報であるときには、撮像レンズが適切な距離に対して遠距離にあると判定し、セルサイズが大きくなっているという情報であるときには、撮像レンズが適切な距離に対して近距離にあると判定する。
【0036】
調整情報出力部(1210)は、実施形態1及び2で示した機能に加え、さらに前記遠近判定部(1209)の判定結果に基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力するように構成されている。遠近判定部(1209)において、撮像レンズが適切な距離に対して近距離であると判定した場合には、図形コードと撮像レンズの距離をもっと遠ざけるように位置調整情報を出力する。逆に、撮像レンズが適切な距離に対して遠距離であると判定した場合には、図形コードと撮像レンズの距離をもっと近づけるように位置調整情報を出力する。例えば、遠距離であると判定した場合には、実施形態1で示したのと同様に図5(A)のように出力する。近距離であると判定した場合の出力方法の一例を図5(B)に示している。(a)のように文字により出力する場合には「遠ざけてください」や「UP」等の文字を表示する。また、(b)のように矢印等の図形で表すこともできる。振動や光により出力する場合は、実施形態1と同様に行うことができる。さらに、前記遠近判定部の判定結果には、適切方向判定結果も含まれているため、「そのまま近づけてください」や「逆に遠ざけてください」のように、上記に示したものよりも詳しく出力することも可能である。
【0037】
その他の各部の処理については、実施形態1と同様である。
<実施形態3の処理の流れ>
【0038】
図13は実施形態3の処理の流れを示したものである。まず撮像した図形コードの画像を出力し(図形コード画像出力ステップ S1301)、得られた画像情報に基づいて図形コード情報を出力する(図形コード情報出力ステップ S1302)。次に、図形コード情報出力ステップにて得られた図形コード情報から、セルサイズを算出し(セルサイズ算出ステップ S13303)、算出したセルサイズ算出結果から、算出したセルサイズが設定した最小値より大きいかを判定する(読取可否判定ステップ S1304)。前記読取可否判定ステップにて読取可能と判定された場合に、セルサイズ算出ステップにて算出したセルサイズ算出結果の履歴情報を記録する(セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップ S1305)。続いて、図形コード画像出力ステップにて出力された図形コード画像の合焦度合いを判定し(合焦度合判定ステップ S1306)、その合焦度合判定結果の履歴情報を記録する(合焦度合判定結果履歴情報記録ステップ S1307)。さらに、前記合焦度合判定結果履歴情報記録ステップにて記録された合焦度合判定結果履歴情報に基づいて、撮像レンズと図形コードとの過去の相対的移動が合焦方向の移動であったか、合焦方向の移動でなかったかを判定する(適切方向判定ステップ S0908)。さらに次に、適切方向判定ステップにて判定された判定結果と、前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部に記録されたセルサイズ算出結果履歴情報と、に基づいて、撮像レンズと図形コードとの距離の、適切な距離に対する遠近を判定する(遠近判定ステップ S0909)。最後に、前記遠近判定ステップにて取得される判定結果に基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する(調整情報出力ステップ S0910)。
≪実施形態3−1≫
<実施形態3−1の概要>
【0039】
以下に実施形態3をより具体的な実施例をあげて説明する。図14は、本実施形態の概念の一例を示すものである。図において、図形コードと撮像レンズとの適切な距離は、斜線部で示している。図14(a)のように、携帯端末装置による図形コード読取おいて、紙等に印刷された図形コードと撮像レンズとの距離が、合焦度合いは大きくなっているが、図形コードの読取可能な適切な距離に対して近距離にある場合は、ファインダには図14(b)のように表示され、図形コード画像が大きすぎてぼやけているため図形コード読取に失敗してしまう。本実施形態は、前記実施形態2を基本として、セルサイズが設定した最小値よりも大きく、またセルサイズが小さくなっていくという履歴情報と、合焦度合いが大きくなっていくという履歴情報を取得した場合に、図形コードと撮像レンズの距離が適切な距離に対して近すぎると判定し、図14のように、ユーザに撮像レンズをもっと遠ざけるように位置調整情報を出力する図形コード読取装置である。
<実施形態3−1の構成>
【0040】
図15に本実施形態の機能ブロックの一例を示した。本実施形態は、前記実施形態3を基本として、遠近判定部がさらに第一遠近判定手段を有することを特徴とする。ここでは、遠近判定部が、第一遠近判定手段のみを有する場合について説明する。本実施形態の「図形コード読取装置」(1500)は、「カメラ部」(1501)と、「図形コード情報出力部」(1502)と、「セルサイズ算出部」(1503)と、「読取可否判定部」(1504)と、「セルサイズ算出結果履歴情報保持部」(1505)と、「合焦度合判定部」(1506)と、「合焦度合判定結果履歴情報保持部」(1507)と、「適切方向判定部」(1508)と、「遠近判定部」(1509)と、「調整情報出力部」(1510)を有し、さらに遠近判定部は、「第一遠近判定手段」(1511)を有する。
【0041】
「第一遠近判定手段」(1511)は、前記遠近判定部(1510)を構成し、前記適切方向判定部(1508)からの合焦方向に移動しているという情報と、セルサイズ算出結果履歴情報保持部(1505)からのセルサイズが小さくなっていくという情報とを取得した場合、図形コードが適切な距離に対して近距離にあると判定する機能を有する。図16(a)は合焦度合いとセルサイズの関係を示した一例である。この図において、読取可能なセルサイズの最小値をCmin、合焦閾値をFminとした。セルサイズがセルサイズ最小値Cmin以上であり、さらに合焦度合いが合焦閾値Fmin以上であるときが、図形コードと撮像レンズの適切な距離であり、図形コードの読取可能な範囲である(以下、図19、22、25において同様)。第一遠近判定手段は、撮像レンズが読取可能領域にあり、セルサイズが小さくなっていくに従い合焦度合いが大きくなっていくという情報を取得した場合、すなわち図16中の点Xが矢印の方向に動いているとういう情報を取得した場合、図形コードが適切な距離に対して近距離にあると判定する機能を有する。
<実施形態3−1の処理の流れ>
【0042】
実施形態3−1の処理の流れは、実施形態3の図13と同様である。本実施形態においては、適切方向判定ステップ(1308)にて撮像レンズが合焦方向に移動しているという判定結果であり、セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップ(S1305)にて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報がセルサイズが小さくなっていくという履歴情報である場合には、遠近判定ステップ(S1309)にて図形コードが適切な距離に対して近距離にあると判定する。この場合には、調整情報出力ステップ(S1310)にて撮像レンズを遠ざけるように位置調整情報を出力する。
<実施形態3−1の効果>
【0043】
図形コードと撮像レンズとの距離が、適切な距離に対して近すぎるために図形コード読取に失敗した場合、調整情報出力部に撮像レンズを遠ざけるように指示が出力されるため、ユーザは容易に撮像レンズの位置を調整することができる。
≪実施形態3−2≫
<実施形態3−2の概要>
【0044】
図17は、本実施形態の概念の一例を示すものである。図17(a)のように、携帯端末装置による図形コード読取おいて、紙等に印刷された図形コードと撮像レンズとの距離が、合焦度合いは大きくなっているが適切な距離に対して遠距離にある場合は、ファインダには図17(b)のように表示され、図形コードの画像は小さく不鮮明となり図形コード読取に失敗してしまう。本実施形態は、セルサイズが設定した最小値よりも大きく、またセルサイズが大きくなっていくという履歴情報と、合焦度合いが大きくなっていくという履歴情報を取得した場合に、図形コードと撮像レンズの距離が適切な距離に対して遠すぎると判定し、ユーザに撮像レンズをもっと近づけるように位置調整情報を出力する図形コード読取装置である。
<実施形態3−2の構成>
【0045】
図18に本実施形態の機能ブロックの一例を示した。本実施形態は実施形態3を基本として、遠近判定部がさらに第二遠近判定手段を有することを特徴とする。ここでは遠近判定部が第二遠近判定手段のみを有する場合について説明する。「図形コード読取装置」(1800)は、「カメラ部」(1801)と、「図形コード情報出力部」(1802)と、「セルサイズ算出部」(1803)と、「読取可否判定部」(1804)と、「セルサイズ算出結果履歴情報保持部」(1805)と、「合焦度合判定部」(1806)と、「合焦度合判定結果履歴情報保持部」(1807)と、「適切方向判定部」(1808)と、「調整情報出力部」(1809)を有し、さらに適切方向判定部は、「遠近判定部」(1810)を有し、遠近判定部は「第二遠近判定手段」(1811)を有する。なお、本実施形態は実施形態3に限られず、実施形態3−1を基本としてもよい。
【0046】
「第二遠近判定手段」(1811)は、遠近判定部(1810)を構成し、前記適切方向判定部(1808)からの合焦方向に移動しているという情報と、セルサイズ算出結果履歴情報保持部(1805)からのセルサイズが大きくなっていくという情報とを取得した場合、図形コードが適切な距離に対して遠距離にあると判定する機能を有する。撮像レンズが読取可能な範囲にあり、合焦度合いが大きくなっていくに従いセルサイズが大きくなっていくという履歴情報を取得した場合、すなわち、図19中の点Xが矢印の方向に動いているとういう情報を取得した場合、図形コードが適切な距離に対して遠距離にあると判定する機能を有する。
【0047】
その他の各部の処理については、実施形態1、2と同様である。
<実施形態3−2の処理の流れ>
【0048】
実施形態3−2の処理の流れは、実施形態3の図13と同様である。本実施形態においては、適切方向判定ステップ(1308)にて撮像レンズが合焦方向に移動しているという判定結果であり、セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップ(S1305)にて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報がセルサイズが大きくなっていくという履歴情報である場合には、遠近判定ステップ(S1309)にて図形コードが適切な距離に対して遠距離にあると判定する。この場合には、調整情報出力ステップ(S1310)にて撮像レンズを近づけるように位置調整情報を出力する。
(実施形態4の効果)
【0049】
図形コードと撮像レンズとの距離が、適切な距離に対して遠すぎるために図形コード読取に失敗した場合、調整情報出力部に撮像レンズを近づけるように指示が出力されるため、ユーザは容易に撮像レンズの位置を調整することができる。
≪実施形態3−3≫
<実施形態3−3の概要>
【0050】
図20は、本実施形態の概念の一例を示すものである。図20(a)のように、携帯端末装置による図形コード読取おいて、紙等)に印刷された図形コードと撮像レンズとの距離が、適切な距離に対して遠距離にあり、さらに合焦度合いも小さくなっている場合は、ファインダには図20(b)のように表示され、図形コードの画像は小さく不鮮明となり図形コード読取に失敗してしまう。本実施形態は、セルサイズが設定した最小値よりも大きく、またセルサイズが小さくなっていくという履歴情報と、合焦度合いが小さくなっていくという履歴情報を取得した場合に、図形コードと撮像レンズとの距離が適切な距離に対して遠すぎると判定し、ユーザに撮像レンズをもっと近づけるように位置調整情報を出力する図形コード読取装置である。
<実施形態3−3の構成>
【0051】
図21に本実施形態の機能ブロックの一例を示した。本実施形態は実施形態3を基本として、遠近判定部がさらに第三遠近判定手段を有することを特徴とする。ここでは遠近判定部が第三遠近判定手段のみを有する場合について説明する。本実施形態の「図形コード読取装置」(2100)は、「カメラ部」(2101)と、「図形コード情報出力部」(2102)と、「セルサイズ算出部」(2103)と、「読取可否判定部」(2104)と、「セルサイズ算出結果履歴情報保持部」(2105)と、「合焦度合判定部」(2106)と、「合焦度合判定結果履歴情報保持部」(2107)と、「適切方向判定部」(2108)と、「遠近判定部」(2109)と、「調整情報出力部」(2110)を有し、さらに遠近判定部は「第三遠近判定手段」(2111)を有する。なお、本実施形態は実施形態3に限られず、実施形態3−1または3−2を基本としてもよい。
【0052】
「第三遠近判定手段」(2111)は、前記適切方向判定部(2108)からの合焦方向に移動していないという情報と、セルサイズ算出結果履歴情報保持部(2105)からのセルサイズが小さくなっていくという情報とを取得した場合、図形コードが適切な距離に対して遠距離にあると判定する機能を有する。撮像レンズが読取可能な範囲にあり、合焦度合いが小さくなっていくに従いセルサイズが小さくなっていくという情報を取得した場合、すなわち、図22中の点Xが矢印の方向に動いているとういう情報を取得した場合、図形コードが適切な距離に対して遠距離にあると判定する機能を有する。
【0053】
その他の各部の処理については、実施形態1、2と同様である。
<実施形態3−3の流れ>
【0054】
実施形態3−2の処理の流れは、実施形態3の図13と同様である。本実施形態においては、適切方向判定ステップ(1308)にて撮像レンズが合焦方向に移動していないという判定結果であり、セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップ(S1305)にて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報がセルサイズが小さくなっていくという履歴情報である場合には、遠近判定ステップ(S1309)にて図形コードが適切な距離に対して遠距離にあると判定する。この場合には、調整情報出力ステップ(S1310)にて撮像レンズを近づけるように位置調整情報を出力する。
(実施形態3−3の効果)
【0055】
図形コードと撮像レンズとの距離が、適切な距離に対して遠すぎるために図形コード読取に失敗した場合、調整情報出力部に撮像レンズを近づけるように指示が出力されるため、ユーザは容易に撮像レンズの位置を調整することができる。
≪実施形態3−4≫
<実施形態3−4の概要>
【0056】
図23は、本実施形態の概念の一例を示すものである。図23(a)のように、携帯端末装置による図形コード読取おいて、紙等に印刷された図形コードと撮像レンズとの距離が、適切な距離に対して近距離にあり、さらに合焦度合いも小さくなっている場合は、ファインダには図23(b)のように表示され、図形コード画像が大きすぎてぼやけているため図形コード読取に失敗してしまう。本実施形態は、セルサイズが設定した最小値よりも大きく、またセルサイズが大きくなっていくという履歴情報と、合焦度合いが小さくなっていくという履歴情報を取得した場合に、図形コードと撮像レンズとの距離が適切な距離に対して近すぎると判定し、ユーザに撮像レンズをもっと遠ざけるように位置調整情報を出力する図形コード読取装置である。なお、本実施形態は実施形態3に限られず、実施形態3−1から3−3のいずれか一を基本としてもよい。
<実施形態3−4の構成>
【0057】
図24に本実施形態の機能ブロックの一例を示した。本実施形態は実施形態3のいずれか一を基本として、遠近判定部がさらに第四遠近判定手段を有することを特徴とする。ここでは遠近判定部が第四遠近判定手段のみを有する場合について説明する。本実施形態の「図形コード読取装置」(2400)は、「カメラ部」(2401)と、「図形コード情報出力部」(2402)と、「セルサイズ算出部」(2403)と、「読取可否判定部」(2404)と、「セルサイズ算出結果履歴情報保持部」(2405)と、「合焦度合判定部」(2406)と、「合焦度合判定結果履歴情報保持部」(2407)と、「適切方向判定部」(2408)と、「遠近判定部」(2409)と、「調整情報出力部」(2410)を有し、さらに遠近判定部は、「第四遠近判定手段」(2411)を有する。
【0058】
「第四遠近判定手段」(2411)は、遠近判定部(2410)を構成し、前記適切方向判定部(2408)からの合焦方向に移動していないという情報と、セルサイズ算出結果履歴情報保持部(2405)からのセルサイズが大きくなっていくという情報とを取得した場合、図形コードが適切な距離に対して近距離にあると判定する機能を有する。撮像レンズが読取可能な範囲にあり、合焦度合いが小さくなっていくに従いセルサイズが大きくなっていくという情報を取得した場合、すなわち、図25中の点Xが矢印の方向に動いているとういう情報を取得した場合、図形コードが適切な距離に対して近距離にあると判定する機能を有する。
【0059】
その他の各部の処理については、実施形態1、2と同様である。
<実施形態3−4の流れ>
【0060】
実施形態3−4の処理の流れは、実施形態3の図13と同様である。本実施形態においては、適切方向判定ステップ(1307)にて撮像レンズが合焦方向に移動していないという判定結果であり、セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップ(S1305)にて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報がセルサイズが大きくなっていくという履歴情報である場合には、遠近判定ステップ(S1308)にて図形コードが適切な距離に対して近距離にあると判定する。この場合には、調整情報出力ステップ(S1309)にて撮像レンズを遠ざけるように位置調整情報を出力する。
<実施形態3−4の効果>
【0061】
図形コードと撮像レンズとの距離が、適切な距離に対して近すぎるために図形コード読取に失敗した場合、調整情報出力部に撮像レンズを遠ざけるように指示が出力されるため、ユーザは容易に撮像レンズの位置を調整することができる。
【0062】
図26には、各実施形態の概念をまとめている。図は図形コード(最下線)からの撮像レンズの距離を表し、B,Cに示されている線の矢印は合焦度合いの履歴方向を示している。また細くなっていく矢印はセルサイズが小さくなっていくという履歴を示し、太くなっていく矢印は、セルサイズが大きくなっていくという履歴を示している。実施形態1の図形コード読取装置は、セルサイズ算出結果に基づいて、読取不可領域(A1)にあるのか、読取可能領域(A2、A3、A4)にあるのかを判定することができる。実施形態2の図形コード読取装置は、読取可能領域にある場合に、さらに合焦度合判定結果履歴情報に基づいて、合焦方向に移動しているのか(B1)、合焦方向に移動していないのか(B2)を判定することができる。実施形態3の図形コード読取装置は、さらにセルサイズ算出結果履歴情報に基づいて、合焦領域よりも図形コードと撮像レンズの距離が近距離であるのか(C1、C4)、遠距離であるのか(C2、C3)を判定することができる。
【0063】
図27には、各請求項における構成要件を示している。○は必須構成要件を示し、(○)は選択構成要件を示している。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図形コード読取の概念を説明する図
【図2】実施形態1の概念を説明する図
【図3】実施形態1を説明する機能ブロック図
【図4】ファインダパターンを説明する図
【図5】位置調整情報の出力方法の例を示した図
【図6】実施形態1の処理の流れを説明する図
【図7】実施形態2の概念を説明する図
【図8】実施形態2を説明する機能ブロック図
【図9】実施形態2の合焦度合判定結果履歴情報を説明する図
【図10】実施形態2の処理の流れを説明する図
【図11】実施形態3の概念を説明する図
【図12】実施形態3を説明する機能ブロック図
【図13】実施形態3のセルサイズと合焦度合いの関係の一例を示した図
【図14】実施形態3−1の概念を説明する図
【図15】実施形態3−1を説明する機能ブロック図
【図16】実施形態3−1のセルサイズと合焦度合いの関係の一例を示した図
【図17】実施形態3−2の概念を説明する図
【図18】実施形態3−2を説明する機能ブロック図
【図19】実施形態3−2のセルサイズと合焦度合いの関係の一例を示した図
【図20】実施形態3−3の概念を説明する図
【図21】実施形態3−3を説明する機能ブロック図
【図22】実施形態3−3のセルサイズと合焦度合いの関係の一例を示した図
【図23】実施形態3−4の概念を説明する図
【図24】実施形態3−4を説明する機能ブロック図
【図25】実施形態3−4のセルサイズと合焦度合いの関係の一例を示した図
【図26】本発明の概念をまとめた図
【図27】本発明の構成要件をまとめた図
【符号の説明】
【0065】
0300 図形コード読取装置
0301 カメラ部
0302 図形コード情報出力部
0303 セルサイズ算出部
0304 適切方向判定部
0305 調整情報出力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置における図形コード読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯端末装置の一つである携帯電話のカメラ機能を利用して、図形コードを読み取ることが可能となっている。図形コードを正しく読み取るには、読取対象となる図形コードが撮像レンズに対し適切な距離にある必要がある。適切な距離とは、図形コードが撮像レンズの焦点の合う合焦範囲にあり、図形コードの最小構成単位であるセルが、ある一定数以上の画素数で撮像レンズから入力される距離である。従来、ハンディタイプのバーコードリーダの場合は、カメラ周辺に設置したLED等の位置決め用の照明装置を用い、適切な距離になると照明の投影光が一つに重なるようにするなどして、ユーザに位置決めを行いやすくする為のガイドを提供してきた。それに対して、一般的にカメラ付き携帯電話での図形コード読取では、このような位置決め用の照明を設置することが困難であるため、携帯電話の表示部をファインダとし、その中に枠を表示し、図形コードが入るようにユーザに調整させている。
【特許文献1】特開平5−128292
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、携帯電話においてはカメラの解像度よりも表示部の解像度の方が低いので、画像は縮小されて表示されることになり、焦点が合っているかどうかファインダを見て判定することが困難な場合がある。そのため、距離が適切でない場合は、図形コードの読み取りは失敗する。図形コードの読み取りは連続して行われ、適切な位置に調整できれば読み取りは成功するが、読み取りが失敗した場合、ユーザにとって、もっと近づけた方が良いのか、あるいは遠ざけた方が良いのかの判定がつかず、近づけたり、遠ざけたりと何度も調整しないと読み取りが成功せず、読み取りに時間がかかってしまう、という問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、図形コード読取に失敗した場合に、セルサイズ算出結果、合焦度合判定結果履歴情報、セルサイズ算出結果履歴情報と合焦度合判定結果履歴情報のいずれか一または二以上に基づいて、図形コードと撮像レンズとの距離の、適切な距離に対する位置関係などを判定し、その結果に基づいて位置調整の適切な指示を出力することのできる、図形コード読取装置を提供する。
【発明の効果】
【0005】
以上のような構成をとる本発明によって、図形コードと撮像レンズの距離が図形コードの読取可能な距離にない場合には、位置調整の適切な指示が出力されるため、ユーザは、位置調整が容易となり、図形コード読取の操作性が向上し、読み取りにかかる時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下に、携帯端末装置における図形コード読取を、カメラ付き携帯電話によるQRコード読取を例にして、図を用いて本発明の実施の形態について説明する。QRコード(登録商標)は、高速読取を重視した二次元コードとして株式会社デンソーウェーブにより開発された図形コードである。JIS規格となっており、携帯電話によるQRコード読取は一般的となっている。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0007】
図1に示すのは、本発明に示す図形コード読取装置の概念の一例を説明するための図である。携帯電話(0101)の背面底部に撮像レンズ(0103)が設置されている場合のQRコード読取を示している。QRコード(0102)を読み取ろうとした場合、図1左に示すように、携帯電話のファインダ(0106)に映像が映し出されるため、ユーザ自身がその映像を見ながらQRコードが読み取れるまで携帯電話を上下することになる。この時、紙等(0105)に印刷されたQRコード(0102)と撮像レンズ(0103)の距離と、QRコード読取の関係は図1右に示すようになる。(a)ではQRコード(0102)と撮像レンズ(0103)の距離が近すぎるため、QRコードの画像(0104)の焦点が合っていない。逆に(c)ではQRコード(0102)撮像レンズ(0103)の距離が遠すぎるため、読取可能な大きさよりもQRコードの画像(0104)が小さくコードが不鮮明となる。そのため(a)や(c)の場合はQRコードの読み取りに失敗してしまう。それに対して、(b)に示すようにQRコード(0102)と撮像レンズ(0103)が適切な距離にあるときは読み取りが成功し、QRコード内の情報がファインダ(0106)に表示される。本発明は(a)や(c)のような図形コードの読取失敗の原因が図形コードと撮像レンズとの距離にある場合に、ユーザに撮像レンズを適切な方向に動かすように出力する図形コード読取装置である。例えば、(a)の場合には「遠ざけてください」、(c)の場合には「近づけてください」などの位置調整情報(0107)をファインダ(0106)に出力する。
【0008】
なお、実施形態1は、主に請求項1,8、9について説明する。実施形態2は、主に請求項2、10について説明する。実施形態3は、主に請求項3、11について説明する。さらに詳しく、実施形態3−1は、請求項4、12について説明する。実施形態3−2では、主に請求項5,13について説明する。実施形態3−3は、主に請求項6,14について説明する。実施形態3−4は、主に請求項7,15について説明する。図26に各実施形態の概念をまとめている。実施形態1の図形コード読取装置は、撮像レンズが読取不可領域(A1)にあるのか、読取可能領域(A2、A3、A4)にあるのかを判定することができる。実施形態2の図形コード読取装置は、読取可能領域のなかでさらに合焦方向に移動しているのか(B1)、合焦方向に移動していないのか(B2)を判定することができる。実施形態3の図形コード読取装置は、さらに合焦領域よりも図形コードと撮像レンズの距離が近距離であるのか(C1、C4)、遠距離であるのか(C2、C3)を判定することができる。また、図27には、各請求項における構成要件を示している。
≪実施形態1≫
<実施形態1の概要>
【0009】
図2は、本実施形態の概念の一例を示すものである。図2(a)のように紙等に印刷された図形コードと、携帯端末装置の撮像レンズとの距離が読取可能な距離よりも遠い場合、ファインダには図2(b)のように表示され、図形コードの画像は小さく不鮮明となっており、図形コード読取に失敗してしまう。本実施形態は、セルサイズ算出部からのセルサイズが設定した最小値よりも小さいという算出結果に基づいて、図形コードが適切な距離に対して遠すぎると判定し、ユーザに撮像レンズをもっと近づけるように、例えば「近づけてください」のような位置調整情報を出力する図形コード読取装置を有する携帯端末装置である。
<実施形態1の構成>
【0010】
図3に本実施形態での機能ブロックの一例を示した。本実施形態の「図形コード読取装置」(0300)は、「カメラ部」(0301)と、「図形コード情報出力部」(0302)と、「セルサイズ算出部」(0303)と、「読取可否判定部」(0304)と、「調整情報出力部」(0305)を有する。
【0011】
「カメラ部」(0301)は、撮像レンズから入力した図形コードの画像の画像信号を出力するように構成されている。撮像レンズは、図形コードの光学像を撮像素子の感光面上に結像させる。撮像レンズの種類は、有効に図形コードを読み取ることのできる画質を提供できるものであればよく、例えば、プラスチックレンズやガラスレンズを用いることができる。また、ズーム機能やマクロ機能を有しているものが好ましい。撮像素子は、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)やCCD(電化結合素子)などを用いることができる。図形コードは、数字、記号、文字、画像などの情報を含んだ図形で、本発明の読み取り対象をいう。例えば、JANコードに代表されるバーコードや、QRコードに代表される二次元コードがある。本発明においては、その種類は限定されない。また、画像信号とは、撮像された画像を変換してデジタル信号としたものをいう。
【0012】
「図形コード情報出力部」(0302)は、前記カメラ部(0301)から出力される画像信号に基づいて、図形コード情報を出力するように構成されている。図形コード情報とは、カメラ部から出力された画像信号のうち、ファインダパターンの画像信号のみを抽出した情報をいう。ファインダパターンとは、図形コードの種類により既知であり、図形コードの位置、大きさ等を特定するための図形をいう。図4にQRコードのファインダパターンを示す。QRコードのファインダパターン(0400)は、一辺が7セルで構成される正方形の図形で、中心部を通るように横方向へ移動した場合の黒:白:黒:白:黒の幅の比率は、1:1:3:1:1と規定されている。セルとは、図形コードの最小構成単位であり、前記比率において縦横ともに1となる升目である。図4において、黒あるいは白で示されているが、セルの色は2値化できるものであれば、黒と白の組み合わせに限られない。カメラ部から出力される画像信号には、撮像したファインダ内のすべての信号が含まれるため、図形コード読取に必要のないまわりの文字等の信号も含まれる可能性があるが、図形コード情報出力部は、その中からファインダパターンの画像信号のみを抽出し、出力する機能を有する。図形コード情報の抽出は、ファインダパターンに特徴的な黒:白:黒:白:黒の幅の1:1:3:1:1という比率を検出することにより行う。
【0013】
「セルサイズ算出部」(0303)は、前記図形コード情報出力部(0302)から出力された図形コード情報に基づいて、セルサイズを算出するように構成されている。QRコードの一辺の長さや1辺を構成するセル数が変化してもファインダパターンの幅の比率は変化しないため、図形コード情報を用いることにより、必ずセルサイズを算出することができる。セルサイズとは、1セルを構成する撮像素子の画素数をいう。セルサイズは、図形コード画像情報であるファインダパターンを構成しているセルの画素数から計算することによって求める。例えば、ファインダパターンの幅から1セルの幅を計算することによって求めたり、あるいは中心部の一辺が3セルの黒の正方形を形成している9セル分の画素数から求めることもできる。その他1セルを構成する画素数を効率よく算出することのできる方法であれば、これらに限られない。したがって、図形コードのセル幅が大きいほどセルサイズは大きくなり、図形コードのセル幅が小さいほどセルサイズは小さくなる。すなわち、セルサイズが大きいときは図形コードと撮像レンズが近距離にあり、セルサイズが小さいときは図形コードと撮像レンズが遠距離にあることになる。
【0014】
なお、上記の機能の説明はQRコードを例としたものであるが、本発明においては、ファインダパターンはスタートコードやストップコード、セルはバーやモジュール、のようなバーコードの場合において同様の機能を指す用語の意味をも含むものとする。
【0015】
「読取可否判定部」(0304)は、前記セルサイズ算出部(0303)にて算出したセルサイズ算出結果から、算出したセルサイズが設定した最小値より小さいために、合焦の有無に関わらず読み取りが不可であるか否かを判定するように構成されている。図形コード読取の可能な距離とは、図形コードの情報を読み取ることのできる距離をいう。読取可能である最小のセルサイズは、サンプリング定理より2画素であるが、入力画像のノイズやボケの影響を抑えるため、2画素+数画素を設定するのが好ましい。例えば、最小のセルサイズを3画素とすることができる(特許文献1)。本実施形態の読取可否判定部は、セルサイズが設定した最小値よりも小さく読み取りが不可であると判定した場合は、撮像レンズが図形コード読取の可能な距離にないと判定する。
【0016】
「調整情報出力部」(0305)は、前記読取可否判定部(0304)での判定結果に基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する。読取可否判定部において図形コードが図形コード読取の可能な距離にないと判定された場合は、図形コードと撮像レンズの距離をもっと近づけるように位置調整情報を出力する。調整情報の出力方法は、文字による表示に限られず、図形、音声、振動、光、画面の色などでもよい。出力方法の一例を図5(A)に示す。(a)のように文字により出力する場合には「近づけてください」や「DOWN」等のように、撮像の妨げとならないようにファインダに表示することができる。ユーザに気づかせやすいように点滅等させてもよい。また、(b)のように矢印等の図形で表すこともできる。振動や光によって出力する場合には、振動の間隔や光の色の変化などを設定しておき、あるいはユーザ自身が設定することにより行うことができるようにしてもよい。
【0017】
「携帯端末装置」とは、図形コード読取機能を備えた持ち運びのできる機器をいう。例えば、携帯電話やPDAなどがある。
<実施形態1の処理の流れ>
【0018】
図6は実施形態1での処理の流れの一例を示したものである。この図にあるように、まず撮影によって入力された図形コードの画像を出力し(図形コード画像出力ステップ S0601)、得られた画像情報から図形コード情報を出力する(図形コード情報出力ステップ S0602)。次に、図形コード情報出力ステップにて得られた図形コード情報に基づいてセルサイズを算出する(セルサイズ算出ステップ S0603)。続いて、前記セルサイズ算出ステップにて算出したセルサイズ算出結果から、算出したセルサイズが読み取りが不可であるかを判定する(読取可否判定ステップ S0604)。最後に、読取可否判定ステップにて判定された読取可否判定結果に基づいて、撮像のための位置調整情報を出力する(調整情報出力ステップ S0605)。
【0019】
上記の各処理を具体例をあげて説明する。以下の具体的な処理方法は一例であり、本発明の実施形態はこれらに限られない。図形コード画像出力ステップ(S0601)では、撮像レンズから取り込まれた図形コードの画像は、CCD等の撮像素子に結合され、A/D変換によりアナログ信号からデジタル信号へと変換し、出力される。次に図形コード情報出力ステップ(S0602)では、パターンマッチングを行い、図形コード画像出力ステップにて出力された画像情報の中から、1:1:3:1:1という規定の比率の信号を有するファインダパターンの画像信号のみを抽出し、図形コード情報だけを出力する。セルサイズ算出ステップ(S0603)では、図形コード情報出力ステップ(S0602)にて出力された図形コード情報に基づいて、その輪郭の座標から各セルの位置座標を計算し、一辺を構成する画素数、あるいは中心部の黒の9セル分を構成する画素数から、計算によってセルサイズを算出する。このとき、セルサイズ算出ステップ(S0603)にて算出したセルサイズが設定した最小値よりも小さい場合には、読取可否判定ステップ(S0604)にて撮像レンズが図形コード読取の可能な距離にないと判定し、調整情報出力ステップ(S0605)にて撮像レンズをもっと近づけるように位置調整情報を出力する。
【0020】
以上の処理は、計算機に実行させるためのプログラムで実行させることができ、また、このプログラムを計算機によって読み取り可能な記録媒体に記録することができる。(本明細書の全体を通して同様である。)
<実施形態1の効果>
【0021】
従来、図形コード読取に失敗した場合、その原因が何であるかをユーザが判定できず、図形コードに対して撮像レンズを近づけた方が良いのか遠ざけた方が良いのかの判定が困難であった。しかし、本実施形態の図形コード読取装置においては、図形コードと撮像レンズの距離が遠すぎるために図形コード読取に失敗した場合は、調整情報出力部から撮像レンズを近づけるように指示が出力されるため、ユーザは容易に図形コードと撮像レンズの距離を調整することができる。
≪実施形態2≫
<実施形態2の概要>
【0022】
図7は本実施形態の概念の一例を示すものである。本実施形態は、合焦していないことにより図形コード読取に失敗した場合に、合焦度合いの変化の履歴から、ユーザの携帯端末装置を動かしている方向が正しい方向であるのか、間違った方向であるのかを判定し、その後どう携帯端末装置を動かせばよいのかを、例えば「そのまま動かしてください」のように出力する図形コード読取装置である。
<実施形態2の構成>
【0023】
図8に本実施形態の機能ブロックの一例を示した。前記実施形態1を基本として、さらに合焦度合判定部と合焦度合履歴情報保持部を有することを特徴とする。本実施形態の「図形コード読取装置」(0800)は、「カメラ部」(0801)と、「図形コード情報出力部」(0802)と、「セルサイズ算出部」(0803)と、「読取可否判定部」(0804)と、「合焦度合判定部」(0805)と、「合焦度合判定結果履歴情報保持部」(0806)と、「適切方向判定部」(0807)と、「調整情報出力部」(0808)を有する。
【0024】
「合焦度合判定部」(0805)は、前記カメラ部(0801)における図形コードの画像の合焦度合いを判定するように構成されている。合焦度合いとは、焦点の合っている程度をいい、コントラスト比(明るい部分と暗い部分の明暗比)により決まる。例えば、合焦度合いが大きいとは、コントラスト比が大きいことをいう。また、コントラスト比が図形コード読取に必要な閾値以上であるときを、合焦状態(焦点が合っている状態)であるという。すなわち、図形コードと撮像レンズの距離が近すぎたり遠すぎたりする場合には、合焦度合いは小さく、ある一定の距離範囲にある場合に、合焦度合いは大きい。マクロ機能を有する携帯端末の場合、ある一定の距離で合焦するように設定されているため、その距離から離れるほど合焦度合いは小さくなる。また、画像が合焦しており、図形コードに組み込まれた数字や文字等の情報を読み取ることのできる距離を、適切な距離という。撮像レンズと図形コードとが近すぎる場合には、焦点が合わないために図形コードの情報が読み取れず、適切な距離とはいえない。逆に、撮像レンズと図形コードとが遠すぎる場合には図形コードの情報を読み取ることのできるだけの解像度が得られず、適切な距離とはいえない。言い換えれば、撮像レンズと図形コードとが近すぎず、また遠すぎもしない距離が、適切な距離といえる。
【0025】
「合焦度合判定結果履歴情報保持部」(0806)は、前記合焦度合判定部(0805)からの合焦度合いの変化の履歴である合焦度合判定結果履歴情報を保持するように構成されている。図9は時間と合焦度合いの関係を示した一例である。(a)の場合には、焦点が合っていくという合焦度合判定結果履歴情報を保持し、(b)の場合には、焦点が合わなくなっていくという合焦度合判定結果履歴情報を保持する。
【0026】
「適切方向判定部」(0807)は、前記合焦度合判定結果履歴情報保持部(0806)に記録された合焦度合判定結果履歴情報に基づいて、撮像レンズと図形コードとの過去の相対的移動が合焦方向の移動であったか、合焦方向の移動でなかったかを判定するように構成されている。合焦度合判定結果履歴情報が合焦度合いが大きくなっているという情報である場合には、合焦方向に移動していると判定し、逆に合焦度合判定結果履歴情報が合焦度合いが小さくなっているという情報である場合には、合焦方向に移動していないと判定する。
【0027】
調整情報出力部(0808)は、実施形態1で示した機能に加え、さらに前記読取可否判定部(0804)の判定結果及び適切方向判定部(0807)からの判定結果に基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力するように構成されている。読取可否判定部において撮像レンズが図形コード読取の可能な距離にあると判定され、適切方向判定部において合焦方向に移動していると判定した場合には、撮像レンズを現在ユーザが動かしている方向にそのまま動かし続けるように出力する。また、読取可否判定部において図形コードが図形コード読取の可能な距離にあると判定され、適切方向判定部において合焦方向に移動していないと判定した場合には、撮像レンズを現在ユーザが動かしている方向とは逆方向に動かすように出力する。調整情報の出力方法には、実施形態1と同様に文字、図形、音声、振動、光、画面の色などを用いる。例えば、図5(C)のように文字による場合には「そのまま動かしてください」や「逆方向に動かしてください」と表示する。
【0028】
その他の各部の処理については、実施形態1と同様である。
<実施形態2の処理の流れ>
【0029】
図10は実施形態2の処理の流れを示したものである。まず撮像した図形コードの画像を出力し(図形コード画像出力ステップ S1001)、得られた画像情報に基づいて図形コード情報を出力する(図形コード情報出力ステップ S1002)。次に、図形コード情報出力ステップにて得られた図形コード情報から、セルサイズを算出し(セルサイズ算出ステップ S1003)、前記セルサイズ算出ステップにて算出したセルサイズ算出結果から、算出されたセルサイズが読取可能であるかを判定する(読取可否判定ステップ S1004)。前記読取可否判定ステップにて読取可能と判定された場合に、図形コード画像出力ステップにて出力された図形コード画像の合焦度合いを判定し(合焦度合判定ステップ S1005)、その合焦度合判定結果の履歴情報を保持する(合焦度合判定結果履歴情報記録ステップ S1006)。さらに、前記合焦度合判定結果履歴情報記録ステップにて記録された合焦度合判定結果履歴情報に基づいて、撮像レンズと図形コードとの過去の相対的移動が合焦方向の移動であったか、合焦方向の移動でなかったかを判定する(適切方向判定ステップ S1007)。最後に、適切方向判定ステップにて判定された判定結果に基づいて、撮像のための位置調整情報を出力する(調整情報出力ステップ S1008)。
【0030】
上記の各処理を具体例をあげて説明する。図形コード画像出力ステップ、図形コード情報出力ステップ、セルサイズ算出ステップ、読取可否判定ステップについては実施形態1と同様である。読取可否判定ステップ(S1004)にて、撮像レンズが図形コード読取の可能な距離にあると判定された場合、図形コード画像出力ステップにて出力された図形コード画像のコントラスト比を計算することにより、合焦度合いを判定し(合焦度合判定ステップ S1005)、その変化を合焦度合判定結果履歴情報として記録媒体に保持する(合焦度合判定結果履歴情報記録ステップ S1006)。このとき、合焦度合判定結果履歴情報が合焦度合いが大きくなっていくという履歴情報である場合には、適切方向判定ステップ(S1007)にて、合焦方向に移動していると判定し、調整情報出力ステップ(S1008)にて、現在動かしている方向にそのまま動かし続けるように出力する。一方、合焦度合判定結果履歴情報が合焦度合いが小さくなっていくという履歴情報である場合には、適切方向判定ステップ(S1007)にて、合焦方向に移動していないと判定し、調整情報出力ステップ(S1008)にて、現在動かしている方向とは逆の方向に動かすように出力する。なお、図形コード読取に成功した場合には、記録媒体に記録されたデータは消去される。
<実施形態2の効果>
【0031】
本実施形態の図形コード読取装置においては、図形コード画像が合焦していないことによって図形コード読取に失敗した場合、ユーザの動きにあわせて調整情報出力部に撮像レンズの位置調整方向の指示が出力されるため、ユーザは容易に撮像レンズの位置を調整することができる。
≪実施形態3≫
<実施形態3の概要>
【0032】
図11は、本実施形態の概念の一例を示すものである。本実施形態は、合焦していないことにより図形コード読取に失敗した場合に、合焦方向への移動か否かの判定結果に、セルサイズ算出結果履歴情報を加えることで、図形コードと撮像レンズとの遠近を判定することができることを特徴とする。遠近判定結果に基づいて、例えば「そのまま近づけてください」や「逆に近づけてください」のように実施形態2よりも詳しく位置調整情報を出力する図形コード読取装置である。
<実施形態3の構成>
【0033】
図12に本実施形態の機能ブロックの一例を示した。本実施形態は、前記実施形態2を基本として、さらにセルサイズ算出結果履歴情報保持部を有することを特徴とする。本実施形態の「図形コード読取装置」(1200)は、「カメラ部」(1201)と、「図形コード情報出力部」(1202)と、「セルサイズ算出部」(1203)と、「読取可否判定部」(1204)と、「セルサイズ算出結果履歴情報保持部」(1205)と、「合焦度合判定部」(1206)と、「合焦度合判定結果履歴情報保持部」(1207)と、「適切方向判定部」(1208)と、「遠近判定部」(1209)と、「調整情報出力部」(1210)を有する。
【0034】
「セルサイズ算出結果履歴情報保持部」(1205)は、前記セルサイズ算出部(1203)において算出したセルサイズ算出結果の履歴情報を記録するように構成されている。セルサイズ算出結果の履歴情報とは、セルサイズの変化の履歴をいう。例えば、撮像レンズを図形コードに近づけた場合には、20画素から25画素、40画素のように、セルサイズが大きくなっていくという変化の情報である。また、撮像レンズを図形コードから遠ざけた場合には、50画素から45画素、30画素のように、セルサイズが小さくなっていくという変化の履歴の情報である。
【0035】
「遠近判定部」(1209)は、前記適切方向判定部(1208)からの判定結果と、前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部(1205)に記録されたセルサイズ算出結果履歴情報とに基づいて、撮像レンズと図形コードとの距離の適切な距離に対する遠近を判定するように構成されている。適切方向判定部(1208)からの判定結果が、合焦方向に移動しているという情報である場合、セルサイズ算出結果履歴情報保持部(1205)に記録されたセルサイズ算出結果履歴情報が、セルサイズが小さくなっているという情報であるときには、撮像レンズが適切な距離に対して近距離にあると判定し、セルサイズが大きくなっているという情報であるときには、撮像レンズが適切な距離に対して遠距離にあると判定する。また、適切方向判定部(1208)からの判定結果が、合焦方向に移動していないという情報である場合、セルサイズ算出結果履歴情報保持部(1205)に記録されたセルサイズ算出結果履歴情報が、セルサイズが小さくなっているという情報であるときには、撮像レンズが適切な距離に対して遠距離にあると判定し、セルサイズが大きくなっているという情報であるときには、撮像レンズが適切な距離に対して近距離にあると判定する。
【0036】
調整情報出力部(1210)は、実施形態1及び2で示した機能に加え、さらに前記遠近判定部(1209)の判定結果に基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力するように構成されている。遠近判定部(1209)において、撮像レンズが適切な距離に対して近距離であると判定した場合には、図形コードと撮像レンズの距離をもっと遠ざけるように位置調整情報を出力する。逆に、撮像レンズが適切な距離に対して遠距離であると判定した場合には、図形コードと撮像レンズの距離をもっと近づけるように位置調整情報を出力する。例えば、遠距離であると判定した場合には、実施形態1で示したのと同様に図5(A)のように出力する。近距離であると判定した場合の出力方法の一例を図5(B)に示している。(a)のように文字により出力する場合には「遠ざけてください」や「UP」等の文字を表示する。また、(b)のように矢印等の図形で表すこともできる。振動や光により出力する場合は、実施形態1と同様に行うことができる。さらに、前記遠近判定部の判定結果には、適切方向判定結果も含まれているため、「そのまま近づけてください」や「逆に遠ざけてください」のように、上記に示したものよりも詳しく出力することも可能である。
【0037】
その他の各部の処理については、実施形態1と同様である。
<実施形態3の処理の流れ>
【0038】
図13は実施形態3の処理の流れを示したものである。まず撮像した図形コードの画像を出力し(図形コード画像出力ステップ S1301)、得られた画像情報に基づいて図形コード情報を出力する(図形コード情報出力ステップ S1302)。次に、図形コード情報出力ステップにて得られた図形コード情報から、セルサイズを算出し(セルサイズ算出ステップ S13303)、算出したセルサイズ算出結果から、算出したセルサイズが設定した最小値より大きいかを判定する(読取可否判定ステップ S1304)。前記読取可否判定ステップにて読取可能と判定された場合に、セルサイズ算出ステップにて算出したセルサイズ算出結果の履歴情報を記録する(セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップ S1305)。続いて、図形コード画像出力ステップにて出力された図形コード画像の合焦度合いを判定し(合焦度合判定ステップ S1306)、その合焦度合判定結果の履歴情報を記録する(合焦度合判定結果履歴情報記録ステップ S1307)。さらに、前記合焦度合判定結果履歴情報記録ステップにて記録された合焦度合判定結果履歴情報に基づいて、撮像レンズと図形コードとの過去の相対的移動が合焦方向の移動であったか、合焦方向の移動でなかったかを判定する(適切方向判定ステップ S0908)。さらに次に、適切方向判定ステップにて判定された判定結果と、前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部に記録されたセルサイズ算出結果履歴情報と、に基づいて、撮像レンズと図形コードとの距離の、適切な距離に対する遠近を判定する(遠近判定ステップ S0909)。最後に、前記遠近判定ステップにて取得される判定結果に基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する(調整情報出力ステップ S0910)。
≪実施形態3−1≫
<実施形態3−1の概要>
【0039】
以下に実施形態3をより具体的な実施例をあげて説明する。図14は、本実施形態の概念の一例を示すものである。図において、図形コードと撮像レンズとの適切な距離は、斜線部で示している。図14(a)のように、携帯端末装置による図形コード読取おいて、紙等に印刷された図形コードと撮像レンズとの距離が、合焦度合いは大きくなっているが、図形コードの読取可能な適切な距離に対して近距離にある場合は、ファインダには図14(b)のように表示され、図形コード画像が大きすぎてぼやけているため図形コード読取に失敗してしまう。本実施形態は、前記実施形態2を基本として、セルサイズが設定した最小値よりも大きく、またセルサイズが小さくなっていくという履歴情報と、合焦度合いが大きくなっていくという履歴情報を取得した場合に、図形コードと撮像レンズの距離が適切な距離に対して近すぎると判定し、図14のように、ユーザに撮像レンズをもっと遠ざけるように位置調整情報を出力する図形コード読取装置である。
<実施形態3−1の構成>
【0040】
図15に本実施形態の機能ブロックの一例を示した。本実施形態は、前記実施形態3を基本として、遠近判定部がさらに第一遠近判定手段を有することを特徴とする。ここでは、遠近判定部が、第一遠近判定手段のみを有する場合について説明する。本実施形態の「図形コード読取装置」(1500)は、「カメラ部」(1501)と、「図形コード情報出力部」(1502)と、「セルサイズ算出部」(1503)と、「読取可否判定部」(1504)と、「セルサイズ算出結果履歴情報保持部」(1505)と、「合焦度合判定部」(1506)と、「合焦度合判定結果履歴情報保持部」(1507)と、「適切方向判定部」(1508)と、「遠近判定部」(1509)と、「調整情報出力部」(1510)を有し、さらに遠近判定部は、「第一遠近判定手段」(1511)を有する。
【0041】
「第一遠近判定手段」(1511)は、前記遠近判定部(1510)を構成し、前記適切方向判定部(1508)からの合焦方向に移動しているという情報と、セルサイズ算出結果履歴情報保持部(1505)からのセルサイズが小さくなっていくという情報とを取得した場合、図形コードが適切な距離に対して近距離にあると判定する機能を有する。図16(a)は合焦度合いとセルサイズの関係を示した一例である。この図において、読取可能なセルサイズの最小値をCmin、合焦閾値をFminとした。セルサイズがセルサイズ最小値Cmin以上であり、さらに合焦度合いが合焦閾値Fmin以上であるときが、図形コードと撮像レンズの適切な距離であり、図形コードの読取可能な範囲である(以下、図19、22、25において同様)。第一遠近判定手段は、撮像レンズが読取可能領域にあり、セルサイズが小さくなっていくに従い合焦度合いが大きくなっていくという情報を取得した場合、すなわち図16中の点Xが矢印の方向に動いているとういう情報を取得した場合、図形コードが適切な距離に対して近距離にあると判定する機能を有する。
<実施形態3−1の処理の流れ>
【0042】
実施形態3−1の処理の流れは、実施形態3の図13と同様である。本実施形態においては、適切方向判定ステップ(1308)にて撮像レンズが合焦方向に移動しているという判定結果であり、セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップ(S1305)にて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報がセルサイズが小さくなっていくという履歴情報である場合には、遠近判定ステップ(S1309)にて図形コードが適切な距離に対して近距離にあると判定する。この場合には、調整情報出力ステップ(S1310)にて撮像レンズを遠ざけるように位置調整情報を出力する。
<実施形態3−1の効果>
【0043】
図形コードと撮像レンズとの距離が、適切な距離に対して近すぎるために図形コード読取に失敗した場合、調整情報出力部に撮像レンズを遠ざけるように指示が出力されるため、ユーザは容易に撮像レンズの位置を調整することができる。
≪実施形態3−2≫
<実施形態3−2の概要>
【0044】
図17は、本実施形態の概念の一例を示すものである。図17(a)のように、携帯端末装置による図形コード読取おいて、紙等に印刷された図形コードと撮像レンズとの距離が、合焦度合いは大きくなっているが適切な距離に対して遠距離にある場合は、ファインダには図17(b)のように表示され、図形コードの画像は小さく不鮮明となり図形コード読取に失敗してしまう。本実施形態は、セルサイズが設定した最小値よりも大きく、またセルサイズが大きくなっていくという履歴情報と、合焦度合いが大きくなっていくという履歴情報を取得した場合に、図形コードと撮像レンズの距離が適切な距離に対して遠すぎると判定し、ユーザに撮像レンズをもっと近づけるように位置調整情報を出力する図形コード読取装置である。
<実施形態3−2の構成>
【0045】
図18に本実施形態の機能ブロックの一例を示した。本実施形態は実施形態3を基本として、遠近判定部がさらに第二遠近判定手段を有することを特徴とする。ここでは遠近判定部が第二遠近判定手段のみを有する場合について説明する。「図形コード読取装置」(1800)は、「カメラ部」(1801)と、「図形コード情報出力部」(1802)と、「セルサイズ算出部」(1803)と、「読取可否判定部」(1804)と、「セルサイズ算出結果履歴情報保持部」(1805)と、「合焦度合判定部」(1806)と、「合焦度合判定結果履歴情報保持部」(1807)と、「適切方向判定部」(1808)と、「調整情報出力部」(1809)を有し、さらに適切方向判定部は、「遠近判定部」(1810)を有し、遠近判定部は「第二遠近判定手段」(1811)を有する。なお、本実施形態は実施形態3に限られず、実施形態3−1を基本としてもよい。
【0046】
「第二遠近判定手段」(1811)は、遠近判定部(1810)を構成し、前記適切方向判定部(1808)からの合焦方向に移動しているという情報と、セルサイズ算出結果履歴情報保持部(1805)からのセルサイズが大きくなっていくという情報とを取得した場合、図形コードが適切な距離に対して遠距離にあると判定する機能を有する。撮像レンズが読取可能な範囲にあり、合焦度合いが大きくなっていくに従いセルサイズが大きくなっていくという履歴情報を取得した場合、すなわち、図19中の点Xが矢印の方向に動いているとういう情報を取得した場合、図形コードが適切な距離に対して遠距離にあると判定する機能を有する。
【0047】
その他の各部の処理については、実施形態1、2と同様である。
<実施形態3−2の処理の流れ>
【0048】
実施形態3−2の処理の流れは、実施形態3の図13と同様である。本実施形態においては、適切方向判定ステップ(1308)にて撮像レンズが合焦方向に移動しているという判定結果であり、セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップ(S1305)にて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報がセルサイズが大きくなっていくという履歴情報である場合には、遠近判定ステップ(S1309)にて図形コードが適切な距離に対して遠距離にあると判定する。この場合には、調整情報出力ステップ(S1310)にて撮像レンズを近づけるように位置調整情報を出力する。
(実施形態4の効果)
【0049】
図形コードと撮像レンズとの距離が、適切な距離に対して遠すぎるために図形コード読取に失敗した場合、調整情報出力部に撮像レンズを近づけるように指示が出力されるため、ユーザは容易に撮像レンズの位置を調整することができる。
≪実施形態3−3≫
<実施形態3−3の概要>
【0050】
図20は、本実施形態の概念の一例を示すものである。図20(a)のように、携帯端末装置による図形コード読取おいて、紙等)に印刷された図形コードと撮像レンズとの距離が、適切な距離に対して遠距離にあり、さらに合焦度合いも小さくなっている場合は、ファインダには図20(b)のように表示され、図形コードの画像は小さく不鮮明となり図形コード読取に失敗してしまう。本実施形態は、セルサイズが設定した最小値よりも大きく、またセルサイズが小さくなっていくという履歴情報と、合焦度合いが小さくなっていくという履歴情報を取得した場合に、図形コードと撮像レンズとの距離が適切な距離に対して遠すぎると判定し、ユーザに撮像レンズをもっと近づけるように位置調整情報を出力する図形コード読取装置である。
<実施形態3−3の構成>
【0051】
図21に本実施形態の機能ブロックの一例を示した。本実施形態は実施形態3を基本として、遠近判定部がさらに第三遠近判定手段を有することを特徴とする。ここでは遠近判定部が第三遠近判定手段のみを有する場合について説明する。本実施形態の「図形コード読取装置」(2100)は、「カメラ部」(2101)と、「図形コード情報出力部」(2102)と、「セルサイズ算出部」(2103)と、「読取可否判定部」(2104)と、「セルサイズ算出結果履歴情報保持部」(2105)と、「合焦度合判定部」(2106)と、「合焦度合判定結果履歴情報保持部」(2107)と、「適切方向判定部」(2108)と、「遠近判定部」(2109)と、「調整情報出力部」(2110)を有し、さらに遠近判定部は「第三遠近判定手段」(2111)を有する。なお、本実施形態は実施形態3に限られず、実施形態3−1または3−2を基本としてもよい。
【0052】
「第三遠近判定手段」(2111)は、前記適切方向判定部(2108)からの合焦方向に移動していないという情報と、セルサイズ算出結果履歴情報保持部(2105)からのセルサイズが小さくなっていくという情報とを取得した場合、図形コードが適切な距離に対して遠距離にあると判定する機能を有する。撮像レンズが読取可能な範囲にあり、合焦度合いが小さくなっていくに従いセルサイズが小さくなっていくという情報を取得した場合、すなわち、図22中の点Xが矢印の方向に動いているとういう情報を取得した場合、図形コードが適切な距離に対して遠距離にあると判定する機能を有する。
【0053】
その他の各部の処理については、実施形態1、2と同様である。
<実施形態3−3の流れ>
【0054】
実施形態3−2の処理の流れは、実施形態3の図13と同様である。本実施形態においては、適切方向判定ステップ(1308)にて撮像レンズが合焦方向に移動していないという判定結果であり、セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップ(S1305)にて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報がセルサイズが小さくなっていくという履歴情報である場合には、遠近判定ステップ(S1309)にて図形コードが適切な距離に対して遠距離にあると判定する。この場合には、調整情報出力ステップ(S1310)にて撮像レンズを近づけるように位置調整情報を出力する。
(実施形態3−3の効果)
【0055】
図形コードと撮像レンズとの距離が、適切な距離に対して遠すぎるために図形コード読取に失敗した場合、調整情報出力部に撮像レンズを近づけるように指示が出力されるため、ユーザは容易に撮像レンズの位置を調整することができる。
≪実施形態3−4≫
<実施形態3−4の概要>
【0056】
図23は、本実施形態の概念の一例を示すものである。図23(a)のように、携帯端末装置による図形コード読取おいて、紙等に印刷された図形コードと撮像レンズとの距離が、適切な距離に対して近距離にあり、さらに合焦度合いも小さくなっている場合は、ファインダには図23(b)のように表示され、図形コード画像が大きすぎてぼやけているため図形コード読取に失敗してしまう。本実施形態は、セルサイズが設定した最小値よりも大きく、またセルサイズが大きくなっていくという履歴情報と、合焦度合いが小さくなっていくという履歴情報を取得した場合に、図形コードと撮像レンズとの距離が適切な距離に対して近すぎると判定し、ユーザに撮像レンズをもっと遠ざけるように位置調整情報を出力する図形コード読取装置である。なお、本実施形態は実施形態3に限られず、実施形態3−1から3−3のいずれか一を基本としてもよい。
<実施形態3−4の構成>
【0057】
図24に本実施形態の機能ブロックの一例を示した。本実施形態は実施形態3のいずれか一を基本として、遠近判定部がさらに第四遠近判定手段を有することを特徴とする。ここでは遠近判定部が第四遠近判定手段のみを有する場合について説明する。本実施形態の「図形コード読取装置」(2400)は、「カメラ部」(2401)と、「図形コード情報出力部」(2402)と、「セルサイズ算出部」(2403)と、「読取可否判定部」(2404)と、「セルサイズ算出結果履歴情報保持部」(2405)と、「合焦度合判定部」(2406)と、「合焦度合判定結果履歴情報保持部」(2407)と、「適切方向判定部」(2408)と、「遠近判定部」(2409)と、「調整情報出力部」(2410)を有し、さらに遠近判定部は、「第四遠近判定手段」(2411)を有する。
【0058】
「第四遠近判定手段」(2411)は、遠近判定部(2410)を構成し、前記適切方向判定部(2408)からの合焦方向に移動していないという情報と、セルサイズ算出結果履歴情報保持部(2405)からのセルサイズが大きくなっていくという情報とを取得した場合、図形コードが適切な距離に対して近距離にあると判定する機能を有する。撮像レンズが読取可能な範囲にあり、合焦度合いが小さくなっていくに従いセルサイズが大きくなっていくという情報を取得した場合、すなわち、図25中の点Xが矢印の方向に動いているとういう情報を取得した場合、図形コードが適切な距離に対して近距離にあると判定する機能を有する。
【0059】
その他の各部の処理については、実施形態1、2と同様である。
<実施形態3−4の流れ>
【0060】
実施形態3−4の処理の流れは、実施形態3の図13と同様である。本実施形態においては、適切方向判定ステップ(1307)にて撮像レンズが合焦方向に移動していないという判定結果であり、セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップ(S1305)にて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報がセルサイズが大きくなっていくという履歴情報である場合には、遠近判定ステップ(S1308)にて図形コードが適切な距離に対して近距離にあると判定する。この場合には、調整情報出力ステップ(S1309)にて撮像レンズを遠ざけるように位置調整情報を出力する。
<実施形態3−4の効果>
【0061】
図形コードと撮像レンズとの距離が、適切な距離に対して近すぎるために図形コード読取に失敗した場合、調整情報出力部に撮像レンズを遠ざけるように指示が出力されるため、ユーザは容易に撮像レンズの位置を調整することができる。
【0062】
図26には、各実施形態の概念をまとめている。図は図形コード(最下線)からの撮像レンズの距離を表し、B,Cに示されている線の矢印は合焦度合いの履歴方向を示している。また細くなっていく矢印はセルサイズが小さくなっていくという履歴を示し、太くなっていく矢印は、セルサイズが大きくなっていくという履歴を示している。実施形態1の図形コード読取装置は、セルサイズ算出結果に基づいて、読取不可領域(A1)にあるのか、読取可能領域(A2、A3、A4)にあるのかを判定することができる。実施形態2の図形コード読取装置は、読取可能領域にある場合に、さらに合焦度合判定結果履歴情報に基づいて、合焦方向に移動しているのか(B1)、合焦方向に移動していないのか(B2)を判定することができる。実施形態3の図形コード読取装置は、さらにセルサイズ算出結果履歴情報に基づいて、合焦領域よりも図形コードと撮像レンズの距離が近距離であるのか(C1、C4)、遠距離であるのか(C2、C3)を判定することができる。
【0063】
図27には、各請求項における構成要件を示している。○は必須構成要件を示し、(○)は選択構成要件を示している。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図形コード読取の概念を説明する図
【図2】実施形態1の概念を説明する図
【図3】実施形態1を説明する機能ブロック図
【図4】ファインダパターンを説明する図
【図5】位置調整情報の出力方法の例を示した図
【図6】実施形態1の処理の流れを説明する図
【図7】実施形態2の概念を説明する図
【図8】実施形態2を説明する機能ブロック図
【図9】実施形態2の合焦度合判定結果履歴情報を説明する図
【図10】実施形態2の処理の流れを説明する図
【図11】実施形態3の概念を説明する図
【図12】実施形態3を説明する機能ブロック図
【図13】実施形態3のセルサイズと合焦度合いの関係の一例を示した図
【図14】実施形態3−1の概念を説明する図
【図15】実施形態3−1を説明する機能ブロック図
【図16】実施形態3−1のセルサイズと合焦度合いの関係の一例を示した図
【図17】実施形態3−2の概念を説明する図
【図18】実施形態3−2を説明する機能ブロック図
【図19】実施形態3−2のセルサイズと合焦度合いの関係の一例を示した図
【図20】実施形態3−3の概念を説明する図
【図21】実施形態3−3を説明する機能ブロック図
【図22】実施形態3−3のセルサイズと合焦度合いの関係の一例を示した図
【図23】実施形態3−4の概念を説明する図
【図24】実施形態3−4を説明する機能ブロック図
【図25】実施形態3−4のセルサイズと合焦度合いの関係の一例を示した図
【図26】本発明の概念をまとめた図
【図27】本発明の構成要件をまとめた図
【符号の説明】
【0065】
0300 図形コード読取装置
0301 カメラ部
0302 図形コード情報出力部
0303 セルサイズ算出部
0304 適切方向判定部
0305 調整情報出力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像レンズから入力した図形コードの画像の画像信号を出力するカメラ部と、
前記カメラ部から出力される画像信号に基づいて、図形コード情報を出力する図形コード情報出力部と、
前記図形コード情報出力部から出力される図形コード情報に基づいて図形コードの最小構成単位であるセルのセルサイズを算出するセルサイズ算出部と、
前記セルサイズ算出部にて算出したセルサイズ算出結果から、算出したセルサイズが最小値より小さいために、合焦の有無に関わらず読み取りが不可であるか判定する読取可否判定部と、
前記読取可否判定部の判定結果に基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する調整情報出力部と、
を有する図形コード読取装置。
【請求項2】
前記カメラ部から出力される図形コードの画像の合焦度合いを判定する合焦度合判定部と、
前記合焦度合判定部の判定結果から合焦度合いの変化の履歴である合焦度合判定結果履歴情報を保持する合焦度合判定結果履歴情報保持部と、
前記合焦度合判定結果履歴情報保持部に保持された合焦度合判定結果履歴情報に基づいて、撮像レンズと図形コードとの過去の相対的移動が合焦方向の移動であったか、合焦方向の移動でなかったかを判定する適切方向判定部と、をさらに有し、
前記調整情報出力部は、さらに前記適切方向判定部の判定結果にも基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する請求項1に記載の図形コード読取装置。
【請求項3】
前記セルサイズ算出部の算出結果からセルサイズの変化の履歴であるセルサイズ算出結果履歴情報を保持するセルサイズ算出結果履歴情報保持部と、
前記適切方向判定部からの判定結果と、前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部に保持されたセルサイズ算出結果履歴情報と、に基づいて、撮像レンズと図形コードとの距離の、適切な距離に対する遠近を判定する遠近判定部と、をさらに有し、
前記調整情報出力部は、さらに前記遠近判定部の判定結果にも基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する請求項2に記載の図形コード読取装置。
【請求項4】
前記適切方向判定部からの判定結果が、合焦方向に移動しているという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部に保持されているセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほど、セルサイズが小さくなっていくという情報である場合には、
前記遠近判定部は、図形コードが適切な距離よりも近距離にあると判定する第一遠近判定手段を有する請求項3に記載の図形コード読取装置。
【請求項5】
前記適切方向判定部からの判定結果が、合焦方向に移動しているという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部に保持されているセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほど、セルサイズが大きくなっていくという情報である場合には、
前記遠近判定部は、図形コードが適切な距離よりも遠距離にあると判定する第二遠近判定手段を有する請求項3又は4に記載の図形コード読取装置。
【請求項6】
前記適切方向判定部からの判定結果が、合焦方向に移動していないという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部に保持されているセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほど、セルサイズが小さくなっていくという情報である場合には、
前記遠近判定部は、図形コードが適切な距離よりも遠距離にあると判定する第三遠近判定手段を有する請求項3から5のいずれか一に記載の図形コード読取装置。
【請求項7】
前記適切方向判定部からの判定結果が、合焦方向に移動していないという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部に保持されているセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほど、セルサイズが大きくなっていくという情報である場合には、
前記遠近判定部は、図形コードが適切な距離よりも近距離にあると判定する第四遠近判定手段を有する請求項3から6のいずれか一に記載の図形コード読取装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一に記載の図形コード読取装置を有する携帯端末装置。
【請求項9】
図形コードの画像を出力する図形コード画像出力ステップと、
前記図形コード画像出力ステップにて出力された図形コード画像に基づいて図形コード情報を出力する図形コード情報出力ステップと、
前記図形コード情報出力ステップにて出力される図形コード情報に基づいてセルサイズを算出するセルサイズ算出ステップと、
前記セルサイズ算出ステップでのセルサイズ算出結果から、算出したセルサイズが最小値より小さいために、合焦の有無に関わらず読み取りが不可であるか判定する読取可否判定ステップと、
前記読取可否判定ステップにて取得される判定結果に基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する調整情報出力ステップと、
を含む図形コード読取装置の動作方法。
【請求項10】
図形コードの画像を出力する図形コード画像出力ステップと、
前記図形コード画像出力ステップにて出力された図形コード画像に基づいて図形コード情報を出力する図形コード情報出力ステップと、
前記図形コード情報出力ステップにて出力される図形コード情報に基づいてセルサイズを算出するセルサイズ算出ステップと、
前記セルサイズ算出ステップでのセルサイズ算出結果から、算出したセルサイズが最小値より小さいために、合焦の有無に関わらず読み取りが不可であるか判定する読取可否判定ステップと、
前記読取可否判定ステップにて読取可能と判断された場合に、
前記カメラ部にて出力される図形コード画像に基づいて図形コードの画像の合焦度合いを判定する合焦度合判定ステップと、
前記合焦度合判定ステップにて判定した合焦度合いの経時的な変化の履歴である合焦度合判定結果履歴情報を記録する合焦度合判定結果履歴情報記録ステップと、
前記合焦度合判定結果履歴情報記録ステップにて記録された合焦度合判定結果履歴情報に基づいて、撮像レンズと図形コードとの過去の相対的移動が合焦方向の移動であったか、合焦方向の移動でなかったか、を判定する適切方向判定ステップと、
前記適切方向判定ステップにて取得される判定結果にも基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する調整情報出力ステップと、
を含む図形コード読取装置の動作方法。
【請求項11】
図形コードの画像を出力する図形コード画像出力ステップと、
前記図形コード画像出力ステップにて出力された図形コード画像に基づいて図形コード情報を出力する図形コード情報出力ステップと、
前記図形コード情報出力ステップにて出力される図形コード情報に基づいてセルサイズを算出するセルサイズ算出ステップと、
前記セルサイズ算出ステップでのセルサイズ算出結果から、算出したセルサイズが最小値より小さいために、合焦の有無に関わらず読み取りが不可であるか判定する読取可否判定ステップと、
前記読取可否判定ステップにて読取可能と判断された場合に、
前記セルサイズ算出ステップにて算出したセルサイズの経時的な変化の履歴であるセルサイズ算出結果履歴情報を記録するセルサイズ算出結果履歴情報記録ステップと、
前記カメラ部にて出力される図形コード画像に基づいて図形コードの画像の合焦度合いを判定する合焦度合判定ステップと、
前記合焦度合判定ステップにて判定した合焦度合いの経時的な変化の履歴である合焦度合判定結果履歴情報を記録する合焦度合判定結果履歴記録記録ステップと、
前記合焦度合判定結果履歴情報記録ステップにて保持された合焦度合判定結果履歴情報に基づいて撮像レンズと図形コードとの過去の相対的移動が合焦方向の移動であったか、合焦方向の移動でなかったか、を判定する適切方向判定ステップと、
前記適切方向判定ステップにて判定した判定結果と、前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部に記録されたセルサイズ算出結果履歴情報と、に基づいて、撮像レンズと図形コードとの距離の、適切な距離に対する遠近を判定する遠近判定ステップと、
前記遠近判定ステップにて取得される判定結果にも基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する調整情報出力ステップと、
を含む図形コード読取装置の動作方法。
【請求項12】
前記適切方向判定ステップにて取得される判定結果が、合焦方向に移動しているという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップにて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほどセルサイズが小さくなっていくという情報である場合には、
前記図形コードが適切な距離よりも近距離にあると判定し、
ユーザに撮像レンズを遠ざけるように出力する請求項11に記載の図形コード読取装置の動作方法。
【請求項13】
前記適切方向判定ステップにて取得される判定結果が、合焦方向に移動しているという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップにて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほどセルサイズが大きくなっていくという情報である場合には、
前記図形コードが適切な距離よりも遠距離にあると判定し、
ユーザに撮像レンズを近づけるように出力する請求項11又は12に記載の図形コード読取装置の動作方法。
【請求項14】
前記適切方向判定ステップにて取得される判定結果が、合焦方向に移動していないという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップにて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほどセルサイズが小さくなっていくという情報である場合には、
前記図形コードが適切な距離よりも遠距離にあると判定し、
ユーザに撮像レンズを近づけるように出力する請求項11から13のいずれか一に記載の図形コード読取装置の動作方法。
【請求項15】
前記適切方向判定ステップにて取得される判定結果が、合焦方向に移動していないという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップにて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほどセルサイズが大きくなっていくという情報である場合には、
前記図形コードが適切な距離よりも近距離にあると判定し、
ユーザに撮像レンズを遠ざけるように出力する請求項11から14のいずれか一に記載の図形コード読取装置の動作方法。
【請求項1】
撮像レンズから入力した図形コードの画像の画像信号を出力するカメラ部と、
前記カメラ部から出力される画像信号に基づいて、図形コード情報を出力する図形コード情報出力部と、
前記図形コード情報出力部から出力される図形コード情報に基づいて図形コードの最小構成単位であるセルのセルサイズを算出するセルサイズ算出部と、
前記セルサイズ算出部にて算出したセルサイズ算出結果から、算出したセルサイズが最小値より小さいために、合焦の有無に関わらず読み取りが不可であるか判定する読取可否判定部と、
前記読取可否判定部の判定結果に基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する調整情報出力部と、
を有する図形コード読取装置。
【請求項2】
前記カメラ部から出力される図形コードの画像の合焦度合いを判定する合焦度合判定部と、
前記合焦度合判定部の判定結果から合焦度合いの変化の履歴である合焦度合判定結果履歴情報を保持する合焦度合判定結果履歴情報保持部と、
前記合焦度合判定結果履歴情報保持部に保持された合焦度合判定結果履歴情報に基づいて、撮像レンズと図形コードとの過去の相対的移動が合焦方向の移動であったか、合焦方向の移動でなかったかを判定する適切方向判定部と、をさらに有し、
前記調整情報出力部は、さらに前記適切方向判定部の判定結果にも基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する請求項1に記載の図形コード読取装置。
【請求項3】
前記セルサイズ算出部の算出結果からセルサイズの変化の履歴であるセルサイズ算出結果履歴情報を保持するセルサイズ算出結果履歴情報保持部と、
前記適切方向判定部からの判定結果と、前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部に保持されたセルサイズ算出結果履歴情報と、に基づいて、撮像レンズと図形コードとの距離の、適切な距離に対する遠近を判定する遠近判定部と、をさらに有し、
前記調整情報出力部は、さらに前記遠近判定部の判定結果にも基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する請求項2に記載の図形コード読取装置。
【請求項4】
前記適切方向判定部からの判定結果が、合焦方向に移動しているという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部に保持されているセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほど、セルサイズが小さくなっていくという情報である場合には、
前記遠近判定部は、図形コードが適切な距離よりも近距離にあると判定する第一遠近判定手段を有する請求項3に記載の図形コード読取装置。
【請求項5】
前記適切方向判定部からの判定結果が、合焦方向に移動しているという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部に保持されているセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほど、セルサイズが大きくなっていくという情報である場合には、
前記遠近判定部は、図形コードが適切な距離よりも遠距離にあると判定する第二遠近判定手段を有する請求項3又は4に記載の図形コード読取装置。
【請求項6】
前記適切方向判定部からの判定結果が、合焦方向に移動していないという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部に保持されているセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほど、セルサイズが小さくなっていくという情報である場合には、
前記遠近判定部は、図形コードが適切な距離よりも遠距離にあると判定する第三遠近判定手段を有する請求項3から5のいずれか一に記載の図形コード読取装置。
【請求項7】
前記適切方向判定部からの判定結果が、合焦方向に移動していないという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部に保持されているセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほど、セルサイズが大きくなっていくという情報である場合には、
前記遠近判定部は、図形コードが適切な距離よりも近距離にあると判定する第四遠近判定手段を有する請求項3から6のいずれか一に記載の図形コード読取装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一に記載の図形コード読取装置を有する携帯端末装置。
【請求項9】
図形コードの画像を出力する図形コード画像出力ステップと、
前記図形コード画像出力ステップにて出力された図形コード画像に基づいて図形コード情報を出力する図形コード情報出力ステップと、
前記図形コード情報出力ステップにて出力される図形コード情報に基づいてセルサイズを算出するセルサイズ算出ステップと、
前記セルサイズ算出ステップでのセルサイズ算出結果から、算出したセルサイズが最小値より小さいために、合焦の有無に関わらず読み取りが不可であるか判定する読取可否判定ステップと、
前記読取可否判定ステップにて取得される判定結果に基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する調整情報出力ステップと、
を含む図形コード読取装置の動作方法。
【請求項10】
図形コードの画像を出力する図形コード画像出力ステップと、
前記図形コード画像出力ステップにて出力された図形コード画像に基づいて図形コード情報を出力する図形コード情報出力ステップと、
前記図形コード情報出力ステップにて出力される図形コード情報に基づいてセルサイズを算出するセルサイズ算出ステップと、
前記セルサイズ算出ステップでのセルサイズ算出結果から、算出したセルサイズが最小値より小さいために、合焦の有無に関わらず読み取りが不可であるか判定する読取可否判定ステップと、
前記読取可否判定ステップにて読取可能と判断された場合に、
前記カメラ部にて出力される図形コード画像に基づいて図形コードの画像の合焦度合いを判定する合焦度合判定ステップと、
前記合焦度合判定ステップにて判定した合焦度合いの経時的な変化の履歴である合焦度合判定結果履歴情報を記録する合焦度合判定結果履歴情報記録ステップと、
前記合焦度合判定結果履歴情報記録ステップにて記録された合焦度合判定結果履歴情報に基づいて、撮像レンズと図形コードとの過去の相対的移動が合焦方向の移動であったか、合焦方向の移動でなかったか、を判定する適切方向判定ステップと、
前記適切方向判定ステップにて取得される判定結果にも基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する調整情報出力ステップと、
を含む図形コード読取装置の動作方法。
【請求項11】
図形コードの画像を出力する図形コード画像出力ステップと、
前記図形コード画像出力ステップにて出力された図形コード画像に基づいて図形コード情報を出力する図形コード情報出力ステップと、
前記図形コード情報出力ステップにて出力される図形コード情報に基づいてセルサイズを算出するセルサイズ算出ステップと、
前記セルサイズ算出ステップでのセルサイズ算出結果から、算出したセルサイズが最小値より小さいために、合焦の有無に関わらず読み取りが不可であるか判定する読取可否判定ステップと、
前記読取可否判定ステップにて読取可能と判断された場合に、
前記セルサイズ算出ステップにて算出したセルサイズの経時的な変化の履歴であるセルサイズ算出結果履歴情報を記録するセルサイズ算出結果履歴情報記録ステップと、
前記カメラ部にて出力される図形コード画像に基づいて図形コードの画像の合焦度合いを判定する合焦度合判定ステップと、
前記合焦度合判定ステップにて判定した合焦度合いの経時的な変化の履歴である合焦度合判定結果履歴情報を記録する合焦度合判定結果履歴記録記録ステップと、
前記合焦度合判定結果履歴情報記録ステップにて保持された合焦度合判定結果履歴情報に基づいて撮像レンズと図形コードとの過去の相対的移動が合焦方向の移動であったか、合焦方向の移動でなかったか、を判定する適切方向判定ステップと、
前記適切方向判定ステップにて判定した判定結果と、前記セルサイズ算出結果履歴情報保持部に記録されたセルサイズ算出結果履歴情報と、に基づいて、撮像レンズと図形コードとの距離の、適切な距離に対する遠近を判定する遠近判定ステップと、
前記遠近判定ステップにて取得される判定結果にも基づいて、ユーザに撮像のための位置調整情報を出力する調整情報出力ステップと、
を含む図形コード読取装置の動作方法。
【請求項12】
前記適切方向判定ステップにて取得される判定結果が、合焦方向に移動しているという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップにて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほどセルサイズが小さくなっていくという情報である場合には、
前記図形コードが適切な距離よりも近距離にあると判定し、
ユーザに撮像レンズを遠ざけるように出力する請求項11に記載の図形コード読取装置の動作方法。
【請求項13】
前記適切方向判定ステップにて取得される判定結果が、合焦方向に移動しているという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップにて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほどセルサイズが大きくなっていくという情報である場合には、
前記図形コードが適切な距離よりも遠距離にあると判定し、
ユーザに撮像レンズを近づけるように出力する請求項11又は12に記載の図形コード読取装置の動作方法。
【請求項14】
前記適切方向判定ステップにて取得される判定結果が、合焦方向に移動していないという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップにて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほどセルサイズが小さくなっていくという情報である場合には、
前記図形コードが適切な距離よりも遠距離にあると判定し、
ユーザに撮像レンズを近づけるように出力する請求項11から13のいずれか一に記載の図形コード読取装置の動作方法。
【請求項15】
前記適切方向判定ステップにて取得される判定結果が、合焦方向に移動していないという情報であり、
前記セルサイズ算出結果履歴情報記録ステップにて記録されるセルサイズ算出結果履歴情報が、時間的に後のセルサイズの算出結果ほどセルサイズが大きくなっていくという情報である場合には、
前記図形コードが適切な距離よりも近距離にあると判定し、
ユーザに撮像レンズを遠ざけるように出力する請求項11から14のいずれか一に記載の図形コード読取装置の動作方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2006−344066(P2006−344066A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170025(P2005−170025)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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