図書閲覧システム,装置及び方法
【課題】現場で必要な図面を少ない操作で閲覧する。
【解決手段】図面データを記憶する記憶部と、前記図面データの複数図面に共通する文字列を検索するリストアップ部と、前記図面データを表示し、表示した図面内の文字列が選択されると、前記検索された文字列のリンク先を表示する閲覧部と、前記リンク先を、複数図面に共通する文字列間のリンクの中から、ルールに従ってリンクを生成するリンク生成部と、を有する図書閲覧システム。図面データを記憶する記憶部と、図面のリンクを生成するリンク生成部を有する図書閲覧装置の図書閲覧方法において、前記図書閲覧装置が、前記図面データの複数図面に共通する文字列を検索し、前記複数図面に共通する文字列についてルールに従ってリンクを生成する図書閲覧方法。
【解決手段】図面データを記憶する記憶部と、前記図面データの複数図面に共通する文字列を検索するリストアップ部と、前記図面データを表示し、表示した図面内の文字列が選択されると、前記検索された文字列のリンク先を表示する閲覧部と、前記リンク先を、複数図面に共通する文字列間のリンクの中から、ルールに従ってリンクを生成するリンク生成部と、を有する図書閲覧システム。図面データを記憶する記憶部と、図面のリンクを生成するリンク生成部を有する図書閲覧装置の図書閲覧方法において、前記図書閲覧装置が、前記図面データの複数図面に共通する文字列を検索し、前記複数図面に共通する文字列についてルールに従ってリンクを生成する図書閲覧方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現場で必要な図面の閲覧方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現場で必要な図面の閲覧に関するものとして、特開平09−091327号公報,特開平07−296065号公報があげられる。特開平09−091327号公報は、CAD図面と関連する図面があり、閲覧者がCAD図面の要素をマウスで選択すると、選択要素のキーワードで図面検索して、閲覧者が検索結果から選んだ図面を表示する。
【0003】
特開平07−296065号公報では、作業エラーの頻度から作業難易度を評価し、作業難易度に合わせて、作業者に表示する図面を定める発明について記載されている。あらかじめ人手でリンクを複数用意しておいたなかから、難易度にあわせて選択するものであり、人手でリンクしていく必要がある。また、画像データに文字列の画像イメージが含まれていても、その文字列をキーワード検索することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−091327号公報
【特許文献2】特開平07−296065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、現場で必要な図面を少ない操作で閲覧することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表示した図面内の部位が選択されると、リンク先を表示する閲覧システムを構築するために、複数図面に共通する文字列間のリンク候補の中から、ルールに従って1つ選択してリンクを生成することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
閲覧者が次に見たい図面に直接リンクが貼られているため、閲覧者は図面のID部を指定して見たい図面をすばやく表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】システム構成図である。
【図2】画面操作例である。
【図3】画面操作例である。
【図4】画面操作例である。
【図5】IDインデックスの構成例である。
【図6】リンク情報6の構成例である。
【図7】図書閲覧装置200の動作フロー図である。
【図8】リンク生成部5の動作フロー図である。
【図9】参照の流れ順のデータ構成例である。
【図10】RFID情報11のデータ構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
画像図面であれば図面認識した後、図面から文字列を抽出し、複数の図面間で共通の文字列が抽出されれば、その文字列間をリンク候補とし、ルールに従ってリンクを生成することで実現した。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明装置の一実施例のシステム構成図である。
【0011】
図面閲覧システムは閲覧端末100,図書閲覧装置200,支援装置300を有する。閲覧端末100は、閲覧端末などの閲覧するために必要な機能である。現場に持ち込む閲覧端末は、この部分があれば機能する。閲覧端末は携帯型のコンピュータなどであり、閲覧部7,作業モード指定部8はCPUにより各機能が制御される。作業モード指定部8の情報はリーダ10と接続する入出力部より取得する。図面データベース1とリンク情報データベース6は記録装置であり、閲覧端末内に設けても良いし、別として入出力部を介してデータベースと通信することで情報を取得しても良い。図書閲覧装置200は、サーバやコンピュータなどの図書閲覧装置であり、リンク情報6を生成するために必要な機能である。新しい図面データが図面データ1に登録される、または、更新されるタイミングで動作しても良いし、ユーザーが起動を駆けても良い。支援装置300は、コンピュータなどの支援装置であり、入力デバイスをサポートする機能である。なくても閲覧端末100は動作するが、あれば、現場でID入力をし易い。
【0012】
図面データベース1には、設計図面として、機器間のケーブル接続仕様を示すケーブル接続図、ケーブルの発点から着点までを経由するケーブルトレイと電線管の配線を示す配線表、フロア内のケーブルトレイ位置を示すトレイ図、フロア内の電線管位置を示す電線管図などの図面データが記録され、保持されている。これらの設計図面は、機器名やケーブル名が文字列として検索できる様式(例:pdfなど)の図面もあるが、画像として文字列として検索できない様式(例:tiffなど)のものもある。図面認識部2は、画像様式の図面を図面認識して、文字列とその図面内位置を抽出する。尚、図面認識部2の文字列の図面内位置は図面内に複数の文字を有してリンクを別々に生成する場合に利用でき、一箇所しかない場合などは無くても良い。図面内位置があることによりリンクを作成する文字列と図面との対応を容易に把握することができる。また、図面認識部2は、図面データ1に図面,文字列などが既に入力されている場合は無くても良い。
【0013】
IDリストアップ部3は、図面間で共通する文字列をIDとして抽出し、IDインデックス4に登録する。抽出したい文字列は人が入力しても良いし、図面認識部2で抽出された文字列を抽出したい文字列とすることもできる。抽出は、この文字列と同じ文字列を有する図面があるかどうか、前記図面データベース1の図面データの中から検索する。このとき、IDを指定するID辞書を用いて、図面から辞書に含まれるIDを抽出しても良い。
【0014】
リンク生成部5は、IDとして抽出された文字列が、2つ以上の図面、または、図面内で複数ある場合にその間のリンクを自動生成して、リンク情報6に登録する。リンクは、作業モードにあわせてカスタマイズできるよう、作業モード別にリンク情報5を保持しても良い。リンクは、リンク情報で登録された図面同士を片方の図面から他方の図面を呼び出して開くことができる。閲覧の流れが図面種A→図面種B→図面種Cとなる作業においては、リンクが貼られていれば、1クリックだけで次の図面を見ることができる。リンクが貼られていなければ、ID検索画面にもどって次の図面を選びなおす手間がかかる。詳細は後述する。
【0015】
閲覧部7は、表示部と入力部を持ち、表示部に現在閲覧中の図面内の文字列であるID部位をユーザーが指定したら、それにリンクされている図面のIDの部分を表示部に表示し、そのID部を強調表示する。また、入力部によりユーザーの操作を受け付け、必要な図面を表示する。図面内のID部位をユーザーが指定する手段として、入力部であるマウスや表示部に一体化されたタブレットを用いる。また、作業モード指定部8により作業モード指定をうけ、これにあわせたリンク情報6に従って図面を表示する。
【0016】
作業モード指定部8は、閲覧部7と同じ表示部と入力部により、表示部に表示したメニューに対し、入力部によりユーザーからの入力を受ける。たとえば、ケーブル接続作業であれば、「図面確認」「結線作業」「シーケンステスト作業」等のメニューを画面に表示して、ユーザーから選択を受ける。あるいは、特定の入力デバイスから入力されたかどうかで自動で作業モードを決定すると、入力操作が少なくてよい。たとえば、後述のリーダ10より入力を受けた場合は、閲覧者は現場にいるので、事務所で図面を確認する「図面確認」の作業モードであれば、現場にいる「結線作業」または「シーケンステスト作業」の作業モードに自動で変更しても良い。
【0017】
表示部に現在閲覧中の図面内のID部位をユーザーが指定する代わりに、ID変換部9,リーダ10,RFID情報11によって、IDを指定しても良い。あらかじめ、ケーブルなどの対象物にRFIDを取付けて、RFID情報11にRFIDと対象物のIDを対応付けておく。リーダ10はRFIDがリードされたら、RFIDをID変換部9に送る。ID変換部9は受けたRFIDをRFID情報11から探し、対応付けられているIDに変換して閲覧部7に渡す。閲覧部7は、表示部に現在閲覧中の図面内からID変換部9より受けたIDを検索して、そのID部位の選択を受けたものと同じ動作をする。
【0018】
図書閲覧装置200の操作は、次の手順で行う。まず、ユーザーは、(1)紙図面をスキャナー等で読み取って画像ファイルにする。そして、(2)画像ファイルの属性データをたとえば以下のように入力する。
【0019】
ファイル名:ECWD1.TIF
データ種別:“ケーブル接続図”
顧客名:“H社”
工事名:“HプラントT部A盤リプレース”
日付:2008年7月16日
さらに、(3)図書閲覧装置200に属性データを添付した画像ファイルを登録し、図書閲覧装置200の起動をかける。図書閲覧装置200は、システム登録ファイルを検出することで、ユーザーが操作せずとも自動的に起動がかかるようにすると手間が少なくてよい。(4)以上から、図書閲覧装置200の出力結果として、リンク情報6を得て、図2,図3に示す操作が可能になる。このときのシステム動作は、図7,図8に後述する。
【0020】
図2,図3により、閲覧端末100の画面操作の例を示す。図2,図3に表示されている図面は画像として文字列として検索できない様式(例:tiffなど)であり、あらかじめ図書閲覧装置200により、図面認識後にリンク情報6を生成済みである。
【0021】
図2の7−100から7−105はウィンドウ画面であり、7−104と7−105はスクロールバーであり、その内側に図面が部分的に表示され、閲覧者はスクロールバーを操作することで、図面の必要な部分を表示することができる。7−101から7−103は、IDとして抽出され他へのリンクがある部分であり、点線で囲うことで示している。色を変えたり、アンダーバーなどリンクを示すマークを付けても良い。リンクがある部分を示すことで、誤認識がありリンクが生成されなかった部分がわかる効果がある。また、認識された部分を示してしまうと、誤認識も含めて表示され、操作上混乱するため、リンクがある部分のみ表示することで、混乱を避ける効果がある。1−106は普段は画面上に表示されない、図面の属性内容である。ツールバー7−100には、7−107から7−110のボタンが配置されている。このボタンによる動作は後述する。図3の内容も図2と同様である。
【0022】
リンク情報6には、図2のケーブル接続図の7−102のリンク先として、図3に示す配線表の7−202が登録されている。図2の7−102をマウス等で指示すると、画面に図3の表示がされ、7−202の部位が強調表示される。強調表示は、リンクがある部分と異なる強調の仕方をすると良い。
【0023】
閲覧者が、リンク先以外の同じIDが含まれる図面を閲覧したい場合に備えて、次のような操作を受け付けると良い。
【0024】
図2ツールバー7−100には、7−107から7−110のボタンが配置されている。同じ図面内で、ボタン7−107は次のID部位を検索する。同じページの画像の中に同じIDが複数ある場合、最初の一つを強調し、ボタン7−107で次のIDを強調してもよいし、同じページのすべてのID部位を強調し、ボタン7−107で次のページ以降のIDを含むページを表示してもよい。ボタン7−107は前のID部位を検索し、ボタン7−108は次のページのID部位を検索し、ボタン7−109は前のページのID部位を検索し、ボタン7−110は前のページのID部位を検索するようにする。
【0025】
リンク先以外にIDが存在する図面リストを表示するには、図2の7−102を、たとえばマウス等で右クリックにより指定すると、図4に示すように、同じIDが含まれる図面の大分類項目として“ケーブル接続図”,“配線表”,“電線管図”,“トレイ図”が表示され、その中での小分類項目として“議事録”,“更新管理表”や個別の図面,画像A,画像B,画像Cを指定できるようにする。IDインデックスの内容を、閲覧者が参照できるようにしても良い。これにより、およそ決まった図面を参照する場合には、簡単な操作で、次に参照する図面を表示することができ、しかも、必要なときには、次に表示する図面を選択できる。
【0026】
リンク先が表示されても、それがユーザーが閲覧したかった図面ではなく、7−107〜7−110、あるいは、7−102右クリック等で、閲覧したい図面にたどり着いた場合は、当初のリンク先を、たどり着いた先に入れ替えておくことで、次回からは、少ない手間で目的の図面を閲覧できる。そのためには、図2には無いが、同じ画面内にリンク先貼り直しメニューボタンを設け、これが選択されたら、後述のリンク情報をたどり着いた先に差し替える。間違えてリンクを入れ替えることを防ぐために、リンク先貼り直しメニューボタンが選択されたら、リンク先貼り直しの内容を表示して、ユーザーの確認を仰ぎ、ユーザーがOKボタンを押すことで実行すると良い。
【0027】
図5に、IDインデックス4の構成例を示す。4−100はIDとして抽出した文字列が、どの画像データに含まれるかのインデックステーブルである。4−101〜4−106は、各図面のどの位置にIDがあるかを保持するデータである。図の例では、RI077A01というIDはECWD1.TIFとCCL1.TIFの図面に含まれており、ECWD1.TIF内のlページ目の座標(x1,y1)(x1+w1,y1+h1)の対角線を持つ矩形部位に位置していることを示す(4−101)。w1は矩形の幅サイズ、h1は矩形の高さサイズである。画像でない図面であれば、図面内位置はl1ページ、m1行,n1カラムからl2ページ,m2行,n2カラムまでというデータの保持方法でも良い。
【0028】
図6に、リンク情報6の構成例を示す。図5に示したIDインデックスをコピーして、リンク先を追加する。図の例では、RI077A01というIDはECWD1.TIFとCCL1.TIFの図面に含まれている。6−101〜6−106で示すデータはリンク情報である。ECWD1.TIF内のlページ目の座標(x1,y1)(x1+w1,y1+h1)の対角線を持つ矩形部位に位置するRI077A01から6−101で示すデータを指定すると、CCL1.TIFのjページ目の座標(x5,y5)(x5+w5,y5+h5)の対角線を持つ矩形部位に位置するRI077A01の部分(6−101で示すデータ)が画面表示されるように指示するリンク情報である。図6の例では、ECWD1.TIFのRI077A01のリンク先はすべて、CCL1.TIFの同じRI077A01の部分となっている。また、参照の流れ順で下流の図面がないCCL1.TIFのRI077A01は、同じデータの次に出てくるRI077A01にリンクされている。このリンクの設定ができる受付画面を設け、人手で指定できるようにすると使用者の参照順にあわせて指定できて良いが、膨大な量がある場合、面倒である。後述の手順によれば、人手を介さずにリンクを生成できる。図6には、リスト構造からなる方式で説明したが、そのほかの構造でも良い。
【0029】
図9に、参照の流れ順のデータ例を示す。参照の流れ順などのデータはリンク生成部でリンクを生成する際のルールである。このルールはIDインデックスデータベース4に記録されるが、別のデータベースに記録しても良い。図面の図面種の属性値による順を示しているが、階層(上位の階層ほど参照の流れ順が最初に来る)、日付(日付が新しいほど参照の流れ順が最初に来る)などの属性値の順でも良い。また、属性種毎に順を示し、さらに、属性種間の優先順を示しても良い。たとえば、属性種間の優先順位を、図面種>階層>日付で優先するルールを設けておくことで、図面種も階層も同じ図面間で日付が異なるものがあれば、日付が新しいほど参照の流れ順が最初に来る。また、直接、画像名に順を対応させても良い。属性種による流れ順と画像名による流れ順が矛盾する場合は、前者でも良いが、後者の流れ順を採用するようにすれば、特殊事情を考慮できる。また、優先順位の一番高いもののみにリンクを生成するようにしても良く、このようにすると他のリンク候補を表示させないので表示が煩雑となることを回避することができる。また、リンクは流れ順になるように設定されるが、作業者が当初のリンク先が間違っていると判断し、別の文字列へリンク先を変更した場合、流れ順のデータも修正された正しいリンク先に入れ替えることで、次回からは目的の図面をすぐ閲覧できる。例えば、図9の参照の流れにおいて、作業者が参照の流れ1番目のケーブル接続図を参照しているときに、リンク先をトレイ図に変更した場合、参照の流れのデータの4番目のトレイ図をケーブル接続図のリンク先である2番目へ変更する。それと共に参照の流れ2番目だった配線表を3番目に変更する。それ以降の流れも同様に1つずつ後ろの流れへ変更する。尚、このように流れ順を変更することにより、トレイ図と配線表のリンク順序も定まるので、変更された順序より後の順序とのリンク関係も変更による矛盾はなく、整合させることができる。
【0030】
図7に、図1の図書閲覧装置200の動作フローを示す。手順7−1で図面1には示していない計算機の機能により、図面が登録されたまたは更新されたのを検知すると、手順7−2で図面認識部2は文字列を含まない画像データかを判断し、そうであれば、手順7−3で図面認識する。
【0031】
手順7−4でIDリストアップ部3は図面内のIDをリストアップしてIDインデックス4に登録する。それは、以下の手順で行う。まず、図面からIDとなりうる文字列を抽出し、図面専用インデックスに登録する。登録されているすべての図面について、図面専用インデックスを登録作成する。そして、すべての図面専用インデックスのすべてのIDについて、そのIDが他の図面にも含まれているかどうかを検索により調べ、含まれていれば、IDインデックス4に登録する。あるいは、以下の手順で行う。IDを指定するID辞書を用いて、図面から辞書に含まれるIDを抽出する。
【0032】
手順7−5でリンク生成部5はリンク情報を生成してリンク情報6に登録する。手順7−5の詳細は図8に示す。
【0033】
手順7−1で、計算機の機能により、図面が登録されたまたは更新されたのを検知するかわりに、使用者が動作の起動をかけても良い。画像データを対象にしない場合は、手順7−2,7−3は不要である。また、画像データのみを対照する場合は、手順7−2は不要で、手順7−1の後に手順7−3を実施する。
【0034】
図8に、リンク生成部5の動作フローを示す。
【0035】
手順8−1でリンク情報5の追加または更新したIDすべてについて終了するまで繰り返す。手順8−2でIDを含む図面を参照の流れ順に並べる。参照の流れ順は、図9の説明で述べたように行う。手順8−3でIDを含む図面すべてについて終了するまで、参照の流れ順が上位の図面から以下を実施する。手順8−4で参照の流れ順が次の図面があるかを判定し、あれば、手順8−5で参照の流れ順が次の図面の最初のIDへのリンクを登録する。このとき、最も優先度の高い属性種だけでは、参照先として複数の図面がある場合に、他の属性種(たとえば、階層,日付)から優先される図面を1つ選択すると良い。また、同じ図面に同じIDが繰り返し出てくる場合は、最初のIDとするなど、ルールを設けておく。ユーザーがリンク先の表示に納得いかない場合は、図2に示す7−107〜1−110ボタンや図4に示した機能により、見たい位置にリンクをたどっていける。参照の流れ順が次の図面がなければ、手順8−6で同じ図面の次のIDへのリンクを登録する。
【0036】
図10に、RFID情報11の構成例を示す。必要な図面を検索するためのID指定には、RFIDなどを用いて現場で指定しやすくする。ここでは、ケーブルEE55D02の心線番号1には、末尾が9F661F4BであるRFIDを取付けたことを示している。図2の状態において、表示部に現在閲覧中の図面内の文字列であるID部位をユーザーが指定する代わりに、リーダ10でRFIDをリードすることで、文字列であるIDを指定できるようにするためには、次の機能を設ける。すなわち、ID変換部9は、リーダ10でリードしたRFIDをRFID情報データベース11に探しに行き、読み取ったRFIDと対応付けられている文字列であるID(ケーブル番号や端子番号など)を得る。そして得られた文字列であるIDを表示中の図面から探す。探した文字列としてケーブル番号,端子番号などがあるが、図2に表示中のカーソル位置から以降に最初に出現するIDを探し閲覧部7に渡す。閲覧部7はそこにリンクされている図面を画面に表示する。カーソル位置から以降に最初に出現するIDを探すかわりに、ID種別(ケーブル番号,端子番号など)に優先順位を設けておき、もっとも優先度の高いIDから順に探すと早く目的の図面を表示できる。カーソル位置から以降でなく、図面の先頭から順(図6で、nextをたどってデータを得るが、その順序)でも良い。RFIDから目的の図書を閲覧できる利点がある。
【0037】
現場で図面を参照するためには、作業に合ったブラウジングができることが要となるので、このリンク自動生成機能はおおいに役立つ。
【0038】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0039】
上述した実施例の装置は、記憶手段やCPUを備えたコンピュータなどで実施することができ、また装置の有する機能としての処理手段などはプログラムモジュールであり、モジュールを読み込んでコンピュータに実行させることで各機能を実施することができる。また、上記の各構成は、それらの一部又は全部が、ハードウェアで構成されても、プロセッサでプログラムが実行されることにより実現されるように構成されてもよい。また、プログラムモジュールを記録した記録媒体をコンピュータに読み込ませることにより各機能を実施可能である。
【0040】
尚、上述した実施例では、各装置の中に、各機能や各データベースを設けて、処理を実行することとしたが、それぞれの処理を別々の装置で実行し、相互の装置間で通信することでも実行することができる。データベースを別装置として相互の装置間で通信することでも実行することができる。
【0041】
上述したように、図面データを記憶する記憶部と、図面データの複数図面に共通する文字列を検索するリストアップ部と、表示した図面内の文字列が選択されると、検索された文字列のリンク先を表示する閲覧部と、リンク先を、複数図面に共通する文字列間のリンクの中から、ルールに従ってリンクを生成するリンク生成部を有する図書閲覧システムにより、リンク候補を容易に抽出し、現場作業手順に沿った図面表示のリンク作成を容易とすることができる。このようにリンク付けを行っておけば、閲覧の流れが図面種A→図面種B→図面種Cとなる作業においては、リンクが貼られていれば、1クリックだけで次の図面を見ることができる。リンクが貼られていなければ、ID検索画面にもどって次の図面を選びなおす手間がかかる。
【0042】
また、図面データを記憶する記憶部と、図面データの複数図面に共通する文字列を検索するリストアップ部と、複数図面に共通する文字列について、ルールに従ってリンクを生成するリンク生成部を有する図書閲覧装置でも同様の効果がある。
【0043】
また、図面データを記憶する記憶部と、図面のリンクを生成するリンク生成部を有する図書閲覧装置の図書閲覧方法において、図書閲覧装置が、図面データの複数図面に共通する文字列を検索し、複数図面に共通する文字列についてルールに従ってリンクを生成する
図書閲覧方法でも同様の効果がある。
【0044】
また、図面データのうち画像と文字列であるものを区別して認識する図面認識部を有する図書閲覧方式により、画像データに文字列の画像イメージが含まれていても、その文字列をキーワード検索できる。複数図面を共通の文字列でリンクできる。
【0045】
また、閲覧部は、位置座標に対応したリンク先が生成された図面内の部位を、ユーザーが見てわかるように強調表示する図書閲覧システムにより、図面のどこにリンクが貼られているかをユーザーは知ることができる。誤認識等で文字列を抽出できなかった部分をユーザーは知ることができる。
【0046】
また、閲覧部の図面内の文字列の選択は、RFIDをリードすることで文字列を入力する図書閲覧システムにより選択動作が不要になる。
【0047】
また、図面データの属性に対応付けた参照の流れ順の表を記録した記録装置を有し、リンク生成部は、第一の図面と第二の図面に共通の文字列があれば、参照の流れ順が先の図面の文字列から流れ順が後の図面の文字列にリンクを生成する図書閲覧システムにより業務にあわせた閲覧の流れに沿ったリンクを作成でき、業務にあわせた閲覧ができる。
【0048】
また、参照の流れ順は、使用者による変更を受け付ける入出力部を有する図書閲覧システムにより、業務ごとに閲覧の流れを変えられる。業務手順が変わり閲覧の流れが変わっても対応できる。
【0049】
また、閲覧部は、同じ図面内で次のID部位を検索する、同じ図面内で前のID部位を検索する、次のページのID部位を検索する、前のページのID部位を検索する、リンク先以外にIDが存在する図面リストを表示するいずれかの操作指定を受け付けて実行する図書閲覧システムにより、リンク先が閲覧したい対象で無かった場合、ほかの図面を簡単に探せる。
【0050】
また、閲覧部は、ユーザーからリンク先貼り直しの操作指定を受け付けたら、その操作に従うように参照の流れ順を更新する図書閲覧システムにより、当初のリンク先が間違っていた場合、正しいリンク先に入れ替えることで、次回からは目的の図面をすぐ閲覧できる。
【符号の説明】
【0051】
1 図面データ
2 図面認識部
3 IDリストアップ部
4 IDインデックス
5 リンク生成部
6 リンク情報
7 閲覧部
8 作業モード指定部
9 ID変換部
10 リーダ
11 RFID情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、現場で必要な図面の閲覧方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現場で必要な図面の閲覧に関するものとして、特開平09−091327号公報,特開平07−296065号公報があげられる。特開平09−091327号公報は、CAD図面と関連する図面があり、閲覧者がCAD図面の要素をマウスで選択すると、選択要素のキーワードで図面検索して、閲覧者が検索結果から選んだ図面を表示する。
【0003】
特開平07−296065号公報では、作業エラーの頻度から作業難易度を評価し、作業難易度に合わせて、作業者に表示する図面を定める発明について記載されている。あらかじめ人手でリンクを複数用意しておいたなかから、難易度にあわせて選択するものであり、人手でリンクしていく必要がある。また、画像データに文字列の画像イメージが含まれていても、その文字列をキーワード検索することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−091327号公報
【特許文献2】特開平07−296065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、現場で必要な図面を少ない操作で閲覧することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表示した図面内の部位が選択されると、リンク先を表示する閲覧システムを構築するために、複数図面に共通する文字列間のリンク候補の中から、ルールに従って1つ選択してリンクを生成することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
閲覧者が次に見たい図面に直接リンクが貼られているため、閲覧者は図面のID部を指定して見たい図面をすばやく表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】システム構成図である。
【図2】画面操作例である。
【図3】画面操作例である。
【図4】画面操作例である。
【図5】IDインデックスの構成例である。
【図6】リンク情報6の構成例である。
【図7】図書閲覧装置200の動作フロー図である。
【図8】リンク生成部5の動作フロー図である。
【図9】参照の流れ順のデータ構成例である。
【図10】RFID情報11のデータ構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
画像図面であれば図面認識した後、図面から文字列を抽出し、複数の図面間で共通の文字列が抽出されれば、その文字列間をリンク候補とし、ルールに従ってリンクを生成することで実現した。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明装置の一実施例のシステム構成図である。
【0011】
図面閲覧システムは閲覧端末100,図書閲覧装置200,支援装置300を有する。閲覧端末100は、閲覧端末などの閲覧するために必要な機能である。現場に持ち込む閲覧端末は、この部分があれば機能する。閲覧端末は携帯型のコンピュータなどであり、閲覧部7,作業モード指定部8はCPUにより各機能が制御される。作業モード指定部8の情報はリーダ10と接続する入出力部より取得する。図面データベース1とリンク情報データベース6は記録装置であり、閲覧端末内に設けても良いし、別として入出力部を介してデータベースと通信することで情報を取得しても良い。図書閲覧装置200は、サーバやコンピュータなどの図書閲覧装置であり、リンク情報6を生成するために必要な機能である。新しい図面データが図面データ1に登録される、または、更新されるタイミングで動作しても良いし、ユーザーが起動を駆けても良い。支援装置300は、コンピュータなどの支援装置であり、入力デバイスをサポートする機能である。なくても閲覧端末100は動作するが、あれば、現場でID入力をし易い。
【0012】
図面データベース1には、設計図面として、機器間のケーブル接続仕様を示すケーブル接続図、ケーブルの発点から着点までを経由するケーブルトレイと電線管の配線を示す配線表、フロア内のケーブルトレイ位置を示すトレイ図、フロア内の電線管位置を示す電線管図などの図面データが記録され、保持されている。これらの設計図面は、機器名やケーブル名が文字列として検索できる様式(例:pdfなど)の図面もあるが、画像として文字列として検索できない様式(例:tiffなど)のものもある。図面認識部2は、画像様式の図面を図面認識して、文字列とその図面内位置を抽出する。尚、図面認識部2の文字列の図面内位置は図面内に複数の文字を有してリンクを別々に生成する場合に利用でき、一箇所しかない場合などは無くても良い。図面内位置があることによりリンクを作成する文字列と図面との対応を容易に把握することができる。また、図面認識部2は、図面データ1に図面,文字列などが既に入力されている場合は無くても良い。
【0013】
IDリストアップ部3は、図面間で共通する文字列をIDとして抽出し、IDインデックス4に登録する。抽出したい文字列は人が入力しても良いし、図面認識部2で抽出された文字列を抽出したい文字列とすることもできる。抽出は、この文字列と同じ文字列を有する図面があるかどうか、前記図面データベース1の図面データの中から検索する。このとき、IDを指定するID辞書を用いて、図面から辞書に含まれるIDを抽出しても良い。
【0014】
リンク生成部5は、IDとして抽出された文字列が、2つ以上の図面、または、図面内で複数ある場合にその間のリンクを自動生成して、リンク情報6に登録する。リンクは、作業モードにあわせてカスタマイズできるよう、作業モード別にリンク情報5を保持しても良い。リンクは、リンク情報で登録された図面同士を片方の図面から他方の図面を呼び出して開くことができる。閲覧の流れが図面種A→図面種B→図面種Cとなる作業においては、リンクが貼られていれば、1クリックだけで次の図面を見ることができる。リンクが貼られていなければ、ID検索画面にもどって次の図面を選びなおす手間がかかる。詳細は後述する。
【0015】
閲覧部7は、表示部と入力部を持ち、表示部に現在閲覧中の図面内の文字列であるID部位をユーザーが指定したら、それにリンクされている図面のIDの部分を表示部に表示し、そのID部を強調表示する。また、入力部によりユーザーの操作を受け付け、必要な図面を表示する。図面内のID部位をユーザーが指定する手段として、入力部であるマウスや表示部に一体化されたタブレットを用いる。また、作業モード指定部8により作業モード指定をうけ、これにあわせたリンク情報6に従って図面を表示する。
【0016】
作業モード指定部8は、閲覧部7と同じ表示部と入力部により、表示部に表示したメニューに対し、入力部によりユーザーからの入力を受ける。たとえば、ケーブル接続作業であれば、「図面確認」「結線作業」「シーケンステスト作業」等のメニューを画面に表示して、ユーザーから選択を受ける。あるいは、特定の入力デバイスから入力されたかどうかで自動で作業モードを決定すると、入力操作が少なくてよい。たとえば、後述のリーダ10より入力を受けた場合は、閲覧者は現場にいるので、事務所で図面を確認する「図面確認」の作業モードであれば、現場にいる「結線作業」または「シーケンステスト作業」の作業モードに自動で変更しても良い。
【0017】
表示部に現在閲覧中の図面内のID部位をユーザーが指定する代わりに、ID変換部9,リーダ10,RFID情報11によって、IDを指定しても良い。あらかじめ、ケーブルなどの対象物にRFIDを取付けて、RFID情報11にRFIDと対象物のIDを対応付けておく。リーダ10はRFIDがリードされたら、RFIDをID変換部9に送る。ID変換部9は受けたRFIDをRFID情報11から探し、対応付けられているIDに変換して閲覧部7に渡す。閲覧部7は、表示部に現在閲覧中の図面内からID変換部9より受けたIDを検索して、そのID部位の選択を受けたものと同じ動作をする。
【0018】
図書閲覧装置200の操作は、次の手順で行う。まず、ユーザーは、(1)紙図面をスキャナー等で読み取って画像ファイルにする。そして、(2)画像ファイルの属性データをたとえば以下のように入力する。
【0019】
ファイル名:ECWD1.TIF
データ種別:“ケーブル接続図”
顧客名:“H社”
工事名:“HプラントT部A盤リプレース”
日付:2008年7月16日
さらに、(3)図書閲覧装置200に属性データを添付した画像ファイルを登録し、図書閲覧装置200の起動をかける。図書閲覧装置200は、システム登録ファイルを検出することで、ユーザーが操作せずとも自動的に起動がかかるようにすると手間が少なくてよい。(4)以上から、図書閲覧装置200の出力結果として、リンク情報6を得て、図2,図3に示す操作が可能になる。このときのシステム動作は、図7,図8に後述する。
【0020】
図2,図3により、閲覧端末100の画面操作の例を示す。図2,図3に表示されている図面は画像として文字列として検索できない様式(例:tiffなど)であり、あらかじめ図書閲覧装置200により、図面認識後にリンク情報6を生成済みである。
【0021】
図2の7−100から7−105はウィンドウ画面であり、7−104と7−105はスクロールバーであり、その内側に図面が部分的に表示され、閲覧者はスクロールバーを操作することで、図面の必要な部分を表示することができる。7−101から7−103は、IDとして抽出され他へのリンクがある部分であり、点線で囲うことで示している。色を変えたり、アンダーバーなどリンクを示すマークを付けても良い。リンクがある部分を示すことで、誤認識がありリンクが生成されなかった部分がわかる効果がある。また、認識された部分を示してしまうと、誤認識も含めて表示され、操作上混乱するため、リンクがある部分のみ表示することで、混乱を避ける効果がある。1−106は普段は画面上に表示されない、図面の属性内容である。ツールバー7−100には、7−107から7−110のボタンが配置されている。このボタンによる動作は後述する。図3の内容も図2と同様である。
【0022】
リンク情報6には、図2のケーブル接続図の7−102のリンク先として、図3に示す配線表の7−202が登録されている。図2の7−102をマウス等で指示すると、画面に図3の表示がされ、7−202の部位が強調表示される。強調表示は、リンクがある部分と異なる強調の仕方をすると良い。
【0023】
閲覧者が、リンク先以外の同じIDが含まれる図面を閲覧したい場合に備えて、次のような操作を受け付けると良い。
【0024】
図2ツールバー7−100には、7−107から7−110のボタンが配置されている。同じ図面内で、ボタン7−107は次のID部位を検索する。同じページの画像の中に同じIDが複数ある場合、最初の一つを強調し、ボタン7−107で次のIDを強調してもよいし、同じページのすべてのID部位を強調し、ボタン7−107で次のページ以降のIDを含むページを表示してもよい。ボタン7−107は前のID部位を検索し、ボタン7−108は次のページのID部位を検索し、ボタン7−109は前のページのID部位を検索し、ボタン7−110は前のページのID部位を検索するようにする。
【0025】
リンク先以外にIDが存在する図面リストを表示するには、図2の7−102を、たとえばマウス等で右クリックにより指定すると、図4に示すように、同じIDが含まれる図面の大分類項目として“ケーブル接続図”,“配線表”,“電線管図”,“トレイ図”が表示され、その中での小分類項目として“議事録”,“更新管理表”や個別の図面,画像A,画像B,画像Cを指定できるようにする。IDインデックスの内容を、閲覧者が参照できるようにしても良い。これにより、およそ決まった図面を参照する場合には、簡単な操作で、次に参照する図面を表示することができ、しかも、必要なときには、次に表示する図面を選択できる。
【0026】
リンク先が表示されても、それがユーザーが閲覧したかった図面ではなく、7−107〜7−110、あるいは、7−102右クリック等で、閲覧したい図面にたどり着いた場合は、当初のリンク先を、たどり着いた先に入れ替えておくことで、次回からは、少ない手間で目的の図面を閲覧できる。そのためには、図2には無いが、同じ画面内にリンク先貼り直しメニューボタンを設け、これが選択されたら、後述のリンク情報をたどり着いた先に差し替える。間違えてリンクを入れ替えることを防ぐために、リンク先貼り直しメニューボタンが選択されたら、リンク先貼り直しの内容を表示して、ユーザーの確認を仰ぎ、ユーザーがOKボタンを押すことで実行すると良い。
【0027】
図5に、IDインデックス4の構成例を示す。4−100はIDとして抽出した文字列が、どの画像データに含まれるかのインデックステーブルである。4−101〜4−106は、各図面のどの位置にIDがあるかを保持するデータである。図の例では、RI077A01というIDはECWD1.TIFとCCL1.TIFの図面に含まれており、ECWD1.TIF内のlページ目の座標(x1,y1)(x1+w1,y1+h1)の対角線を持つ矩形部位に位置していることを示す(4−101)。w1は矩形の幅サイズ、h1は矩形の高さサイズである。画像でない図面であれば、図面内位置はl1ページ、m1行,n1カラムからl2ページ,m2行,n2カラムまでというデータの保持方法でも良い。
【0028】
図6に、リンク情報6の構成例を示す。図5に示したIDインデックスをコピーして、リンク先を追加する。図の例では、RI077A01というIDはECWD1.TIFとCCL1.TIFの図面に含まれている。6−101〜6−106で示すデータはリンク情報である。ECWD1.TIF内のlページ目の座標(x1,y1)(x1+w1,y1+h1)の対角線を持つ矩形部位に位置するRI077A01から6−101で示すデータを指定すると、CCL1.TIFのjページ目の座標(x5,y5)(x5+w5,y5+h5)の対角線を持つ矩形部位に位置するRI077A01の部分(6−101で示すデータ)が画面表示されるように指示するリンク情報である。図6の例では、ECWD1.TIFのRI077A01のリンク先はすべて、CCL1.TIFの同じRI077A01の部分となっている。また、参照の流れ順で下流の図面がないCCL1.TIFのRI077A01は、同じデータの次に出てくるRI077A01にリンクされている。このリンクの設定ができる受付画面を設け、人手で指定できるようにすると使用者の参照順にあわせて指定できて良いが、膨大な量がある場合、面倒である。後述の手順によれば、人手を介さずにリンクを生成できる。図6には、リスト構造からなる方式で説明したが、そのほかの構造でも良い。
【0029】
図9に、参照の流れ順のデータ例を示す。参照の流れ順などのデータはリンク生成部でリンクを生成する際のルールである。このルールはIDインデックスデータベース4に記録されるが、別のデータベースに記録しても良い。図面の図面種の属性値による順を示しているが、階層(上位の階層ほど参照の流れ順が最初に来る)、日付(日付が新しいほど参照の流れ順が最初に来る)などの属性値の順でも良い。また、属性種毎に順を示し、さらに、属性種間の優先順を示しても良い。たとえば、属性種間の優先順位を、図面種>階層>日付で優先するルールを設けておくことで、図面種も階層も同じ図面間で日付が異なるものがあれば、日付が新しいほど参照の流れ順が最初に来る。また、直接、画像名に順を対応させても良い。属性種による流れ順と画像名による流れ順が矛盾する場合は、前者でも良いが、後者の流れ順を採用するようにすれば、特殊事情を考慮できる。また、優先順位の一番高いもののみにリンクを生成するようにしても良く、このようにすると他のリンク候補を表示させないので表示が煩雑となることを回避することができる。また、リンクは流れ順になるように設定されるが、作業者が当初のリンク先が間違っていると判断し、別の文字列へリンク先を変更した場合、流れ順のデータも修正された正しいリンク先に入れ替えることで、次回からは目的の図面をすぐ閲覧できる。例えば、図9の参照の流れにおいて、作業者が参照の流れ1番目のケーブル接続図を参照しているときに、リンク先をトレイ図に変更した場合、参照の流れのデータの4番目のトレイ図をケーブル接続図のリンク先である2番目へ変更する。それと共に参照の流れ2番目だった配線表を3番目に変更する。それ以降の流れも同様に1つずつ後ろの流れへ変更する。尚、このように流れ順を変更することにより、トレイ図と配線表のリンク順序も定まるので、変更された順序より後の順序とのリンク関係も変更による矛盾はなく、整合させることができる。
【0030】
図7に、図1の図書閲覧装置200の動作フローを示す。手順7−1で図面1には示していない計算機の機能により、図面が登録されたまたは更新されたのを検知すると、手順7−2で図面認識部2は文字列を含まない画像データかを判断し、そうであれば、手順7−3で図面認識する。
【0031】
手順7−4でIDリストアップ部3は図面内のIDをリストアップしてIDインデックス4に登録する。それは、以下の手順で行う。まず、図面からIDとなりうる文字列を抽出し、図面専用インデックスに登録する。登録されているすべての図面について、図面専用インデックスを登録作成する。そして、すべての図面専用インデックスのすべてのIDについて、そのIDが他の図面にも含まれているかどうかを検索により調べ、含まれていれば、IDインデックス4に登録する。あるいは、以下の手順で行う。IDを指定するID辞書を用いて、図面から辞書に含まれるIDを抽出する。
【0032】
手順7−5でリンク生成部5はリンク情報を生成してリンク情報6に登録する。手順7−5の詳細は図8に示す。
【0033】
手順7−1で、計算機の機能により、図面が登録されたまたは更新されたのを検知するかわりに、使用者が動作の起動をかけても良い。画像データを対象にしない場合は、手順7−2,7−3は不要である。また、画像データのみを対照する場合は、手順7−2は不要で、手順7−1の後に手順7−3を実施する。
【0034】
図8に、リンク生成部5の動作フローを示す。
【0035】
手順8−1でリンク情報5の追加または更新したIDすべてについて終了するまで繰り返す。手順8−2でIDを含む図面を参照の流れ順に並べる。参照の流れ順は、図9の説明で述べたように行う。手順8−3でIDを含む図面すべてについて終了するまで、参照の流れ順が上位の図面から以下を実施する。手順8−4で参照の流れ順が次の図面があるかを判定し、あれば、手順8−5で参照の流れ順が次の図面の最初のIDへのリンクを登録する。このとき、最も優先度の高い属性種だけでは、参照先として複数の図面がある場合に、他の属性種(たとえば、階層,日付)から優先される図面を1つ選択すると良い。また、同じ図面に同じIDが繰り返し出てくる場合は、最初のIDとするなど、ルールを設けておく。ユーザーがリンク先の表示に納得いかない場合は、図2に示す7−107〜1−110ボタンや図4に示した機能により、見たい位置にリンクをたどっていける。参照の流れ順が次の図面がなければ、手順8−6で同じ図面の次のIDへのリンクを登録する。
【0036】
図10に、RFID情報11の構成例を示す。必要な図面を検索するためのID指定には、RFIDなどを用いて現場で指定しやすくする。ここでは、ケーブルEE55D02の心線番号1には、末尾が9F661F4BであるRFIDを取付けたことを示している。図2の状態において、表示部に現在閲覧中の図面内の文字列であるID部位をユーザーが指定する代わりに、リーダ10でRFIDをリードすることで、文字列であるIDを指定できるようにするためには、次の機能を設ける。すなわち、ID変換部9は、リーダ10でリードしたRFIDをRFID情報データベース11に探しに行き、読み取ったRFIDと対応付けられている文字列であるID(ケーブル番号や端子番号など)を得る。そして得られた文字列であるIDを表示中の図面から探す。探した文字列としてケーブル番号,端子番号などがあるが、図2に表示中のカーソル位置から以降に最初に出現するIDを探し閲覧部7に渡す。閲覧部7はそこにリンクされている図面を画面に表示する。カーソル位置から以降に最初に出現するIDを探すかわりに、ID種別(ケーブル番号,端子番号など)に優先順位を設けておき、もっとも優先度の高いIDから順に探すと早く目的の図面を表示できる。カーソル位置から以降でなく、図面の先頭から順(図6で、nextをたどってデータを得るが、その順序)でも良い。RFIDから目的の図書を閲覧できる利点がある。
【0037】
現場で図面を参照するためには、作業に合ったブラウジングができることが要となるので、このリンク自動生成機能はおおいに役立つ。
【0038】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0039】
上述した実施例の装置は、記憶手段やCPUを備えたコンピュータなどで実施することができ、また装置の有する機能としての処理手段などはプログラムモジュールであり、モジュールを読み込んでコンピュータに実行させることで各機能を実施することができる。また、上記の各構成は、それらの一部又は全部が、ハードウェアで構成されても、プロセッサでプログラムが実行されることにより実現されるように構成されてもよい。また、プログラムモジュールを記録した記録媒体をコンピュータに読み込ませることにより各機能を実施可能である。
【0040】
尚、上述した実施例では、各装置の中に、各機能や各データベースを設けて、処理を実行することとしたが、それぞれの処理を別々の装置で実行し、相互の装置間で通信することでも実行することができる。データベースを別装置として相互の装置間で通信することでも実行することができる。
【0041】
上述したように、図面データを記憶する記憶部と、図面データの複数図面に共通する文字列を検索するリストアップ部と、表示した図面内の文字列が選択されると、検索された文字列のリンク先を表示する閲覧部と、リンク先を、複数図面に共通する文字列間のリンクの中から、ルールに従ってリンクを生成するリンク生成部を有する図書閲覧システムにより、リンク候補を容易に抽出し、現場作業手順に沿った図面表示のリンク作成を容易とすることができる。このようにリンク付けを行っておけば、閲覧の流れが図面種A→図面種B→図面種Cとなる作業においては、リンクが貼られていれば、1クリックだけで次の図面を見ることができる。リンクが貼られていなければ、ID検索画面にもどって次の図面を選びなおす手間がかかる。
【0042】
また、図面データを記憶する記憶部と、図面データの複数図面に共通する文字列を検索するリストアップ部と、複数図面に共通する文字列について、ルールに従ってリンクを生成するリンク生成部を有する図書閲覧装置でも同様の効果がある。
【0043】
また、図面データを記憶する記憶部と、図面のリンクを生成するリンク生成部を有する図書閲覧装置の図書閲覧方法において、図書閲覧装置が、図面データの複数図面に共通する文字列を検索し、複数図面に共通する文字列についてルールに従ってリンクを生成する
図書閲覧方法でも同様の効果がある。
【0044】
また、図面データのうち画像と文字列であるものを区別して認識する図面認識部を有する図書閲覧方式により、画像データに文字列の画像イメージが含まれていても、その文字列をキーワード検索できる。複数図面を共通の文字列でリンクできる。
【0045】
また、閲覧部は、位置座標に対応したリンク先が生成された図面内の部位を、ユーザーが見てわかるように強調表示する図書閲覧システムにより、図面のどこにリンクが貼られているかをユーザーは知ることができる。誤認識等で文字列を抽出できなかった部分をユーザーは知ることができる。
【0046】
また、閲覧部の図面内の文字列の選択は、RFIDをリードすることで文字列を入力する図書閲覧システムにより選択動作が不要になる。
【0047】
また、図面データの属性に対応付けた参照の流れ順の表を記録した記録装置を有し、リンク生成部は、第一の図面と第二の図面に共通の文字列があれば、参照の流れ順が先の図面の文字列から流れ順が後の図面の文字列にリンクを生成する図書閲覧システムにより業務にあわせた閲覧の流れに沿ったリンクを作成でき、業務にあわせた閲覧ができる。
【0048】
また、参照の流れ順は、使用者による変更を受け付ける入出力部を有する図書閲覧システムにより、業務ごとに閲覧の流れを変えられる。業務手順が変わり閲覧の流れが変わっても対応できる。
【0049】
また、閲覧部は、同じ図面内で次のID部位を検索する、同じ図面内で前のID部位を検索する、次のページのID部位を検索する、前のページのID部位を検索する、リンク先以外にIDが存在する図面リストを表示するいずれかの操作指定を受け付けて実行する図書閲覧システムにより、リンク先が閲覧したい対象で無かった場合、ほかの図面を簡単に探せる。
【0050】
また、閲覧部は、ユーザーからリンク先貼り直しの操作指定を受け付けたら、その操作に従うように参照の流れ順を更新する図書閲覧システムにより、当初のリンク先が間違っていた場合、正しいリンク先に入れ替えることで、次回からは目的の図面をすぐ閲覧できる。
【符号の説明】
【0051】
1 図面データ
2 図面認識部
3 IDリストアップ部
4 IDインデックス
5 リンク生成部
6 リンク情報
7 閲覧部
8 作業モード指定部
9 ID変換部
10 リーダ
11 RFID情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面データを記憶する記憶部と、
前記図面データの複数図面に共通する文字列を検索するリストアップ部と、
前記図面データを表示し、表示した図面内の文字列が選択されると、前記検索された文字列のリンク先を表示する閲覧部と、
前記リンク先を、複数図面に共通する文字列間のリンクの中から、ルールに従ってリンクを生成するリンク生成部と、
を有する図書閲覧システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記図面データのうち画像と文字列であるものを区別して認識する図面認識部を有する図書閲覧方式。
【請求項3】
請求項2において、
前記図面認識部は、前記文字列の図面内位置座標を取得し、
前記閲覧部は、前記位置座標に対応したリンク先が生成された図面内の部位を、ユーザーが見てわかるように強調表示する図書閲覧システム。
【請求項4】
請求項1において、
前記閲覧部の図面内の文字列の選択は、RFIDをリードすることで前記文字列を入力する図書閲覧システム。
【請求項5】
請求項1において、
前記図面データの属性に対応付けた参照の流れ順の表を記録した記録装置を有し、
前記リンク生成部は、前記第一の図面と第二の図面に共通の文字列があれば、前記参照の流れ順が先の図面の前記文字列から流れ順が後の図面の前記文字列にリンクを生成する図書閲覧システム。
【請求項6】
請求項5において、
前記参照の流れ順は、使用者による変更を受け付ける入出力部を有する図書閲覧システム。
【請求項7】
請求項1において、
前記閲覧部は、同じ図面内で次のID部位を検索する、同じ図面内で前のID部位を検索する、次のページのID部位を検索する、前のページのID部位を検索する、リンク先以外にIDが存在する図面リストを表示するいずれかの操作指定を受け付けて実行する図書閲覧システム。
【請求項8】
請求項5において、
前記閲覧部は、ユーザーからリンク先貼り直しの操作指定を受け付けたら、その操作に従うように参照の流れ順を更新する図書閲覧システム。
【請求項9】
図面データを記憶する記憶部と、
前記図面データの複数図面に共通する文字列を検索するリストアップ部と、
前記複数図面に共通する文字列について、ルールに従ってリンクを生成するリンク生成部と、
を有する図書閲覧装置。
【請求項10】
図面データを記憶する記憶部と、図面のリンクを生成するリンク生成部を有する図書閲覧装置の図書閲覧方法において、
前記図書閲覧装置が、
前記図面データの複数図面に共通する文字列を検索し、
前記複数図面に共通する文字列についてルールに従ってリンクを生成する
図書閲覧方法。
【請求項1】
図面データを記憶する記憶部と、
前記図面データの複数図面に共通する文字列を検索するリストアップ部と、
前記図面データを表示し、表示した図面内の文字列が選択されると、前記検索された文字列のリンク先を表示する閲覧部と、
前記リンク先を、複数図面に共通する文字列間のリンクの中から、ルールに従ってリンクを生成するリンク生成部と、
を有する図書閲覧システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記図面データのうち画像と文字列であるものを区別して認識する図面認識部を有する図書閲覧方式。
【請求項3】
請求項2において、
前記図面認識部は、前記文字列の図面内位置座標を取得し、
前記閲覧部は、前記位置座標に対応したリンク先が生成された図面内の部位を、ユーザーが見てわかるように強調表示する図書閲覧システム。
【請求項4】
請求項1において、
前記閲覧部の図面内の文字列の選択は、RFIDをリードすることで前記文字列を入力する図書閲覧システム。
【請求項5】
請求項1において、
前記図面データの属性に対応付けた参照の流れ順の表を記録した記録装置を有し、
前記リンク生成部は、前記第一の図面と第二の図面に共通の文字列があれば、前記参照の流れ順が先の図面の前記文字列から流れ順が後の図面の前記文字列にリンクを生成する図書閲覧システム。
【請求項6】
請求項5において、
前記参照の流れ順は、使用者による変更を受け付ける入出力部を有する図書閲覧システム。
【請求項7】
請求項1において、
前記閲覧部は、同じ図面内で次のID部位を検索する、同じ図面内で前のID部位を検索する、次のページのID部位を検索する、前のページのID部位を検索する、リンク先以外にIDが存在する図面リストを表示するいずれかの操作指定を受け付けて実行する図書閲覧システム。
【請求項8】
請求項5において、
前記閲覧部は、ユーザーからリンク先貼り直しの操作指定を受け付けたら、その操作に従うように参照の流れ順を更新する図書閲覧システム。
【請求項9】
図面データを記憶する記憶部と、
前記図面データの複数図面に共通する文字列を検索するリストアップ部と、
前記複数図面に共通する文字列について、ルールに従ってリンクを生成するリンク生成部と、
を有する図書閲覧装置。
【請求項10】
図面データを記憶する記憶部と、図面のリンクを生成するリンク生成部を有する図書閲覧装置の図書閲覧方法において、
前記図書閲覧装置が、
前記図面データの複数図面に共通する文字列を検索し、
前記複数図面に共通する文字列についてルールに従ってリンクを生成する
図書閲覧方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−158929(P2011−158929A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17597(P2010−17597)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】
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