説明

図面情報管理システム、及び、図面情報管理方法

【課題】図面にコードを付すことによって図面に関連する各種情報を効率よく授受できる図面情報管理システム、及び、図面情報管理方法を提供する。
【解決手段】図面情報管理システム1は、図面情報管理サーバ20は、製品の加工用図面50に関連する図面関連情報を、広域ネットワークを介して取得可能に格納し、図面情報登録装置30は、図面情報管理サーバ20に図面関連情報、アドレス、及びデータアクセスパスワードを格納させるとともに、このアドレス及びデータアクセスパスワードを含む画像コード55を加工用図面50に出力し、図面情報取得装置40は、加工用図面50に表示された画像コード55を読み取り、画像コード55に含まれるアドレス及びデータアクセスパスワードに基づいて図面情報管理サーバ20にアクセスすることによって、ネットワーク10を介して図面関連情報を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図面に関する情報を管理する図面情報管理システム、及び、図面情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図面を管理する目的で、個々の図面に図面識別用のバーコードを付す方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された方法では、図面IDを示すバーコードを各図面に付与するとともに、各々の図面について、その図面が全体のどの部分の図面であるか、配線図面であるか配管図面であるか等の図面情報を、図面IDに対応させてデータベースに登録する。そして、図面に付されたバーコードを読み取って図面IDを判別し、この図面IDを検索キーとして、データベースから図面情報を取得する。この方法によれば、図面に付されたバーコードを読み取ることで図面情報を取得できるようにして、図面の管理を効率化している。
【特許文献1】特開平11−353317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の方法は、多数の図面を一括して管理するような場所で効率のよいファイリング等を実現するためのものであり、その用途は図面自体の管理に限られていた。
しかし、上記に示したシステムは閉鎖的なシステムに適用される場合のものであって、ユーザがどこにいても図面に関する情報を容易に取得することができるシステムではなかった。また、図面に付されたID情報を読み取ることによって取得された図面情報を、効率よく利用できるシステムが望まれていた。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、図面にコードを付すことによって図面に関連する各種情報を効率よく授受できる図面情報管理システム、及び、図面情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、製品の加工用図面に関連する図面関連情報を、広域ネットワークを介して取得可能に格納する図面情報管理サーバと、前記図面関連情報と、この前記図面関連情報を一意に指定するアドレス情報と、前記図面関連情報を取得する際の認証に用いられる認証情報とを、前記広域ネットワークを介して前記図面情報管理サーバに送信して格納させるとともに、このアドレス情報及び認証情報を含む画像コードを生成し、生成した画像コードを、前記加工用図面に表示可能に出力する図面情報登録装置と、前記加工用図面に表示された前記画像コードを読み取り、この前記画像コードに含まれるアドレス情報及び認証情報に基づいて前記広域ネットワークを介して前記図面情報管理サーバにアクセスすることによって、前記広域ネットワークを介して前記図面関連情報を取得する図面情報取得装置と、を備えること、を特徴とする図面情報管理システムを提供する。
【0006】
この構成によれば、加工用図面に関連する図面関連情報が広域ネットワークを介して取得可能に図面情報管理サーバに格納され、この図面関連情報を取得するためのアドレス情報と認証情報とを含む画像コードが加工用図面に表示され、この加工用図面に表示された画像コードを読み取ることにより、画像コードに含まれるアドレス情報及び認証情報に基づいて、図面情報取得装置により図面関連情報を取得することができる。これにより、広域ネットワークに接続可能な場所であれば、場所を問わず、様々な相手との間で加工用図面に関連する情報を授受することができる。特に、図面関連情報を取得する際には画像コードを読み取って、その画像コードに含まれるアドレス情報に基づいて図面情報管理サーバにアクセスすれば良く、例えばアドレス情報を入力する等の作業を必要としないので、簡単な操作によってミスなくアドレス情報を指定し、図面関連情報を取得できる。さらに、加工用図面に表示された画像コードにアドレス情報とともに認証情報が含まれるので、正規の加工用図面に表示された正規の画像コードを用いてのみ、図面関連情報を取得することが可能になり、その一方で、アドレス情報や認証情報を入力する作業負担が非常に軽くて済む。
【0007】
上記構成において、前記図面関連情報は、前記加工用図面に記載された製品を製造する製造装置によって使用される情報であり、前記図面情報取得装置は、前記広域ネットワークを介して前記図面情報管理サーバから取得した前記図面関連情報を前記製造装置に出力するものとしてもよい。
この場合、図面情報取得装置が広域ネットワークを介して取得した図面関連情報が製造装置に出力されるので、例えば図面関連情報に相当するデータを手作業で入力する場合等に比べて、正確に、かつ速やかに図面関連情報を製造装置に入力できる。
【0008】
また、上記構成において、前記図面情報管理サーバは、前記図面情報取得装置により前記図面関連情報が取得された場合に、その取得された前記図面関連情報を消去するものとしてもよい。
この場合、図面情報管理サーバにおいて、いったん図面情報取得装置により取得された図面関連情報は消去されるので、図面関連情報が既に取得されたか否かを容易に知ることができ、また、図面情報管理サーバにおける記憶容量を節約できる。
【0009】
さらに、上記構成において、前記図面情報登録装置は、前記加工用図面を印刷出力する印刷装置によって、前記画像コードを、前記加工用図面の印刷時に前記製品の図とともに印刷させるものとしてもよい。
この場合、加工用図面に製品の図を印刷する際に、その加工用図面に関連する図面関連情報を取得するためのアドレス情報を含む画像コードが印刷されるので、一つの用紙に製品の図と画像コードとが印刷された加工用図面を、容易に作成できる。従って、加工用図面と画像コードとの対応を確認する作業が必要ないという利点がある。
【0010】
また、本発明は、広域ネットワークを介して相互に接続された図面情報管理サーバと、図面情報登録装置と、図面情報取得装置と、を備えた図面情報管理システムにより実行され、前記図面情報管理サーバによって、製品の加工用図面に関連する図面関連情報を前記広域ネットワークを介して取得可能に格納し、前記図面情報登録装置によって、前記図面関連情報と、この前記図面関連情報を一意に指定するアドレス情報と、前記図面関連情報を取得する際の認証に用いられる認証情報とを、前記広域ネットワークを介して前記図面情報管理サーバに送信して格納させるとともに、このアドレス情報及び認証情報を含む画像コードを生成し、生成した画像コードを、前記加工用図面に表示可能に出力し、前記図面情報取得装置によって、前記加工用図面に表示された前記画像コードを読み取り、この前記画像コードに含まれるアドレス情報及び認証情報に基づいて前記広域ネットワークを介して前記図面情報管理サーバにアクセスすることによって、前記広域ネットワークを介して前記図面関連情報を取得すること、を特徴とする図面情報管理方法を提供する。
【0011】
この方法によれば、加工用図面に関連する図面関連情報が広域ネットワークを介して取得可能に図面情報管理サーバに格納され、この図面関連情報を取得するためのアドレス情報と認証情報とを含む画像コードが加工用図面に表示され、この加工用図面に表示された画像コードを読み取ることにより、画像コードに含まれるアドレス情報及び認証情報に基づいて、図面情報取得装置により図面関連情報を取得することができる。これにより、広域ネットワークに接続可能な場所であれば、場所を問わず、様々な相手との間で加工用図面に関連する情報を授受することができる。特に、図面関連情報を取得する際には画像コードを読み取って、その画像コードに含まれるアドレス情報に基づいて図面情報管理サーバにアクセスすれば良く、例えばアドレス情報を入力する等の作業を必要としないので、簡単な操作によってミスなくアドレス情報を指定し、図面関連情報を取得できる。さらに、加工用図面に表示された画像コードにアドレス情報とともに認証情報が含まれるので、正規の加工用図面に表示された正規の画像コードを用いてのみ、図面関連情報を取得することが可能になり、その一方で、アドレス情報や認証情報を入力する作業負担が非常に軽くて済む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、加工用図面に関連する情報を、広域ネットワークを介して授受することができる。特に、図面関連情報を取得する際には画像コードを読み取って、その画像コードに含まれるアドレス情報及び認証情報に基づいて図面情報管理サーバにアクセスすれば良いので、広域ネットワークに接続可能であれば、場所を問わず様々な相手との間で、簡単な操作によってミスなく図面関連情報を授受できる。
さらに、加工用図面に表示された画像コードに、アドレス情報とともに認証情報が含まれており、この認証情報に基づいて、図面情報管理サーバから図面関連情報を取得する際に認証が行われるので、正規の加工用図面に表示された正規の画像コードを用いてのみ、図面関連情報を取得することが可能になり、その一方で、アドレス情報や認証情報を入力する作業負担が非常に軽くて済む。
また、図面情報取得装置が広域ネットワークを介して取得した図面関連情報が製造装置に出力されるので、正確に、かつ速やかに図面関連情報を製造装置に入力できる。
さらに、図面情報管理サーバにおいて、いったん図面情報取得装置により取得された図面関連情報は消去されるので、図面関連情報が既に取得されたか否かを容易に知ることができ、また、図面情報管理サーバにおける記憶容量を節約できる。
さらにまた、加工用図面に製品の図を印刷する際に、その加工用図面に関連する図面関連情報を取得するためのアドレス情報を含む画像コードが印刷されるので、一つの用紙に製品の図と画像コードとが印刷された加工用図面を容易に作成できる。従って、加工用図面と画像コードとの対応を確認する作業が必要ないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、本発明を適用した実施形態に係る図面情報管理システム1の概略構成を示す図である。
図1に示す図面情報管理システム1は、図面情報管理データベース21を備えた図面情報管理サーバ20と、図面情報登録装置30と、図面情報取得装置40とをネットワーク10を介して相互に通信可能に接続して構成される。この図面情報管理システム1は、機械部品等を製造するための図面に関連する図面関連情報を、図面情報管理サーバ20を用いて授受するシステムである。本第1の実施形態及び後述する他の実施形態では、図面関連情報の一例として、NC(Numerical Control)加工に利用されるNCデータを授受する場合を例に挙げて説明する。NCデータとしては、例えば、製品としてのカムの加工用図面50に対応するカムプロフィールデータ等が挙げられる。
【0014】
ここで、広域ネットワークとしてのネットワーク10は、専用線、公衆電話回線、衛星通信回線、移動体通信回線等の各種通信回線や図示しない各種サーバ装置等を含んで構成され、各種データを送受信可能な通信網であり、その具体的態様は特に限定されない。ネットワーク10と、ネットワーク10に接続される各装置との間には、通信事業者が提供するサーバやファイアーウォール、ゲートウェイ装置等の各種機器が介在する構成としても良いが、ここでは図示しない。
また、図面情報管理サーバ20、図面情報登録装置30及び図面情報取得装置40は、電話事業者が提供する公衆回線網や通信事業者が提供するデータ通信回線等、或いは、携帯電話事業者が提供する携帯電話回線網を介して、ネットワーク10に接続される。
【0015】
図面情報管理サーバ20は、ネットワーク10を介して図面情報登録装置30から送信されるNCデータを格納する図面情報管理データベース21を有する。図面情報管理データベース21には、図面情報登録装置30から送信されたNCデータが、個別のアドレスに対応づけて格納されている。図面情報管理データベース21に格納されるNCデータに対応するアドレスは、図面情報登録装置30が、そのNCデータとともに送信して指定したアドレスである。また、図面情報管理データベース21は、NCデータに対応づけてデータアクセスパスワードを格納する。このデータアクセスパスワードは、各々のNCデータを送信した図面情報登録装置30が、そのNCデータとともに送信したものである。
図面情報管理サーバ20は、ネットワーク10を介して図面情報取得装置40からアクセスされ、このアクセス時に図面情報管理データベース21内の特定のNCデータに対応するアドレスとデータアクセスパスワードが送信された場合は、指定されたアドレスに対応するNCデータと、対応するデータアクセスパスワードとを図面情報管理データベース21から読みだして、データアクセスパスワードによる認証に成功した場合は、NCデータを図面情報取得装置40に送信する。
【0016】
ここで、図面情報管理サーバ20はウェブサーバとして機能し、図面情報登録装置30又は図面情報取得装置40からのアクセスに応じてウェブページのデータを送信し、図面情報登録装置30及び図面情報取得装置40は、ウェブブラウザの機能により、このウェブページを表示し、このウェブページにおいて入力された情報やウェブページにおける操作に対応する情報を、図面情報管理サーバ20に送信する。図面情報管理サーバ20と、図面情報登録装置30及び図面情報取得装置40との間では、ネットワーク10において利用可能な各種のプロトコルに準じてデータが送受信され、その具体的な形式等は特に制限されない。
また、図面情報管理サーバ20は、図面情報登録装置30及び図面情報取得装置40からのアクセスを受けた場合に認証を行う。この認証は、図面情報登録装置30或いは図面情報取得装置40から認証情報としての接続認証コードが送信され、この接続認証コードが正規の接続認証コードであるか否かを判定することによって行われ、この認証に成功した場合にのみ、その後の処理、すなわち図面情報登録装置30から図面情報管理サーバ20へのNCデータの送信、及び、図面情報管理サーバ20から図面情報取得装置40へのNCデータの送信が可能となる。
【0017】
図面情報登録装置30には、製品の設計図面を作成するCAD(Computer Aided Design)装置31が接続され、さらにCAD装置31には加工用図面50を印刷出力する印刷装置32が接続されている。
図面情報登録装置30は、図示しない制御部の制御によって動作し、CAD装置31を介して印刷装置32を制御することで、製品図51が記載された加工用図面50を印刷出力させるとともに、印刷される加工用図面50に関連するNCデータをCAD装置31から取得し、このNCデータを図面情報管理サーバ20に送信して、格納させる装置である。図面情報登録装置30は、図面情報管理サーバ20にNCデータを送信する際に接続認証コードを送信して認証を受ける。この認証に成功した場合、図面情報登録装置30は、NCデータを図面情報管理サーバ20に送信する際に、このNCデータに一意に対応するアドレスと、このNCデータに対応するデータアクセスパスワードとを発行して、NCデータとともに送信する。このアドレスは、送信したNCデータが図面情報管理データベース21に格納された場合に、このNCデータを指定して取得するためのアドレスである。また、データアクセスパスワードは、NCデータを図面情報管理サーバ20から取得する際の認証に用いられるパスワードである。
さらに、図面情報登録装置30は、発行したアドレスを、データアクセスパスワードとともに画像コード55にして、そのアドレスに対応するNCデータに関連する加工用図面50を印刷する際に、製品図51とともに加工用図面50に印刷させる。
【0018】
図面情報登録装置30は、上記制御部に加え、図面情報管理サーバ20にNCデータを格納させる際に指定するアドレスを生成するアドレス発行部34、CAD装置31からNCデータを取得するNCデータ取得部35、及び、画像コード55を生成する画像コード生成部36を備えている。
NCデータ取得部35は、CAD装置31に対してNCデータを要求し、この要求に応答してNCデータが送信された場合に、このNCデータを受信して保存する。
アドレス発行部34は、予め設定されたルールに従って、NCデータ取得部35により新たなNCデータが取得される毎に、そのNCデータに対応するアドレス及びデータアクセスパスワードを発行する。アドレス発行部34が発行するアドレスは、例えば、図面情報管理サーバ20が有する特定のファイルを指定するURL(Uniform Resource Locator)の形式である。
【0019】
画像コード生成部36は、NCデータ取得部35が取得したNCデータに対してアドレス発行部34により発行されたアドレス及びデータアクセスパスワードを含む画像コード55を生成する。アドレス発行部34が発行する画像コード55は、一方向に並ぶ黒線と空白により情報を表示するバーコード(JANコード、EAN、UPC、ITFコード、CODE39、CODE128、NW-7等)、及び、水平方向と垂直方向に並ぶ黒領域と空白領域とにより情報を表示する二次元コード(QRコード(登録商標)、PDF417、CODE49等)のどちらであってもよいが、二次元コードを使用した場合、情報量が多く上記アドレスの文字数等が制限されない等の利点があり、好ましい。
【0020】
CAD装置31は、図面情報登録装置30からの要求に応じて、加工用図面50に関連する図面関連情報を図面情報登録装置30に出力する。
ここでCAD装置31が図面情報登録装置30に出力可能なデータには、加工用図面50自体のCADデータ、加工用図面50に記載される製品を製造するためのCAM(Computer Aided Manufacturing)データ、加工用図面50に記載される製品のスペック、当該製品の部品番号や製品番号等があるが、本第1の実施形態及び以下に説明する他の実施形態では、図面関連情報としてNCデータを出力する。
また、CAD装置31は、図面情報登録装置30の制御に従って印刷装置32を動作させ、加工用図面50を印刷出力させる。この際、CAD装置31は、図面情報登録装置30から入力される画像コード55を、製品図51とともに印刷装置32によって印刷させる機能を有する。
印刷装置32は、所定の用紙に加工用図面50を印刷出力するプリンタ或いはプロッタである。
【0021】
図2は、印刷装置32により出力される加工用図面50の構成例を示す図である。
この図2に例示するように、加工用図面50のほぼ全体を占める領域には、製造・加工される製品の製品図51が記載されており、加工用図面50の右下隅には、製品名や製品番号等の情報が記載される図面情報表示欄52が設けられている。そして、図面情報表示欄52の上にはコード表示欄54が設けられ、ここに画像コード55が印刷されている。
なお、図面情報管理システム1においては、画像コード55が加工用図面50に表示されていればよいので、例えば、印刷装置32又は他のプリンタによって、シールラベル用紙に画像コード55を印刷したものを出力し、このシールラベルがコード表示欄54に貼付されるものとしてもよいが、本第1の実施形態及び後述する他の実施形態では、印刷装置32によって製品図51とともに印刷されるものとする。
【0022】
図1に戻り、図面情報取得装置40は、図面情報取得装置40の各部を制御する制御部(図示略)を備え、この制御部の機能によって後述する各種機能を実現する。
図面情報取得装置40は、加工用図面50に印刷された画像コード55を読み取る画像コード読取装置41に接続され、この画像コード読取装置41により読み取った画像コード55に含まれていたアドレス及びデータアクセスパスワードに基づいて、ネットワーク10を介して図面情報管理サーバ20にアクセスし、図面情報管理サーバ20からNCデータを取得する装置である。
画像コード読取装置41は、例えばCCD素子による撮像又はレーザー光のスキャンを行うことによって画像コード55を読み取るペン型、定置式、或いは手持ち式の装置である。画像コード読取装置41は、画像コード55を読み取って、画像コード55としてコード化されていた文字列等の情報を図面情報取得装置40に出力する。
【0023】
また、図面情報取得装置40には、制御ケーブル42を介してNC加工装置43が接続されている。NC加工装置43は、数値制御による加工を行って製品を製造する装置である。図面情報取得装置40は、NCデータ出力部45を備え、このNCデータ出力部45の機能によって、図面情報管理サーバ20から取得したNCデータをNC加工装置43に出力する。NC加工装置43は、制御ケーブル42を介して入力されたNCデータに基づいて、製品図51(図2)に記載された製品を加工する。
【0024】
図3は、図面情報管理システム1により表示される画面の構成例を示す図であり、図3Aは図面情報登録装置30が表示する画面の構成例を示し、図3Bは図面情報取得装置40が表示する画面の構成例を示す図である。
図3Aに示す図面データ登録画面37は、図面情報登録装置30をオペレータが操作して、CAD装置31からのNCデータの取得及び加工用図面50の印刷出力を実行させる際に、図面情報登録装置30が備える表示装置(図示略)に表示される。
この図面データ登録画面37には、アドレス表示部37A、アクセスパスワード表示部37B、及び接続認証コード入力部37Cが配置される。アドレス表示部37Aには、アドレス発行部34が生成したアドレスが表示され、アクセスパスワード表示部37Bには、データアクセスパスワードが表示される。これらアドレス及びデータアクセスパスワードは図面情報登録装置30において自動的に生成されるものであり、オペレータが入力する必要はない。
これに対し、接続認証コード入力部37Cは、図面情報登録装置30が図面情報管理サーバ20にアクセスする際に図面情報管理サーバ20による認証を受けるための接続認証コードを、オペレータが入力するための入力ボックスである。この接続認証コードは、予め、図面情報管理システム1において共通して設定された符号又は個々の図面情報登録装置30及び図面情報取得装置40に対して発行された符号である。
【0025】
また、図面データ登録画面37には、サーバ接続指示ボタン37D、出図指示ボタン37E、及びNCデータ出力指示ボタン37Fの各操作ボタンが配置されている。
NCデータ出力指示ボタン37Fは、CAD装置31に対してNCデータの出力を指示するためのボタンである。NCデータ出力指示ボタン37Fの操作により、図面情報登録装置30は、NCデータ取得部35の機能によってCAD装置31からNCデータを取得する。
サーバ接続指示ボタン37Dは、CAD装置31から入力されたNCデータと、アドレス表示部37Aに表示されたアドレスと、アクセスパスワード表示部37Bに表示されたデータアクセスパスワードとを、図面情報管理サーバ20に送信する動作を指示するためのボタンである。このサーバ接続指示ボタン37Dの操作により、図面情報登録装置30は、接続認証コード入力部37Cに入力されたデータアクセスパスワードに基づいて図面情報管理サーバ20にアクセスし、NCデータとデータアクセスパスワードとを、アドレスとともに送信する。
【0026】
出図指示ボタン37Eは、加工用図面50の印刷実行を指示するためのボタンである。この出図指示ボタン37Eの操作により、図面情報登録装置30は、図面情報登録装置30に送信したアドレス及びデータアクセスパスワードを含む画像コード55を画像コード生成部36の機能により生成し、CAD装置31を制御して、生成した画像コード55と製品図51とを含む加工用図面50を、印刷装置32により印刷出力させる。
【0027】
図3Bに示す図面データ取得画面47は、図面情報取得装置40をオペレータが操作して、画像コード55を読み取って図面情報管理サーバ20からNCデータを取得する際に、図面情報取得装置40が備える表示装置(図示略)に表示される。
図面データ取得画面47には、アドレス表示部47A、アクセスパスワード表示部47B、及び接続認証コード入力部47Cが配置される。
アドレス表示部47Aには、画像コード読取装置41が画像コード55を読み取って得られたアドレスが表示され、アクセスパスワード表示部47Bには、同様に画像コード読取装置41が画像コード55を読み取ることで得られたデータアクセスパスワードが表示される。なお、データアクセスパスワードは、図3Bに示すように伏せ字で表示されてもよい。
また、接続認証コード入力部47Cは、図面情報取得装置40が図面情報管理サーバ20にアクセスする際に図面情報管理サーバ20による認証を受けるための接続認証コードを、オペレータが入力するための入力ボックスである。この接続認証コードは、オペレータによって入力される。
【0028】
また、図面データ取得画面47には、サーバ接続指示ボタン47D、NCデータ読出指示ボタン47E、及び、NCデータ送出指示ボタン47Fの各操作ボタンが配置されている。
サーバ接続指示ボタン47Dは、図面情報管理サーバ20へのアクセスを指示するためのボタンである。このサーバ接続指示ボタン47Dが操作されると、図面情報取得装置40は、接続認証コード入力部47Cに入力された接続認証コードに基づいて図面情報管理サーバ20にアクセスし、認証を受ける。
NCデータ読出指示ボタン47Eは、図面情報管理サーバ20からのNCデータの取得を指示するためのボタンである。サーバ接続指示ボタン47Dに続いてNCデータ読出指示ボタン47Eが操作されると、図面情報取得装置40は、アドレス表示部47A及びサーバ接続指示ボタン47Dの情報に基づいて図面情報管理サーバ20からNCデータを取得する。
NCデータ送出指示ボタン47Fは、図面情報管理サーバ20から取得したNCデータを、NC加工装置43に出力するよう指示するボタンであり、このNCデータ送出指示ボタン47Fの操作により、図面情報取得装置40は、NCデータ出力部45の機能によってNC加工装置43との間で通信を行い、NCデータを出力する。
【0029】
このように、図面情報管理システム1は、CAD装置31により作成された製品の製品図51に関連するNCデータを、図面情報管理サーバ20によって格納し、ネットワーク10を介して図面情報取得装置40により取得可能としており、これによってNCデータの受け渡しを様々な場所で行うことができる。
以下、図面情報管理システム1の動作についてフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0030】
図4は、図面情報管理システム1の動作を示すフローチャートであり、特に、図面情報登録装置30によりNCデータを図面情報管理サーバ20に格納させる際の動作を示す。図4Aは図面情報登録装置30の動作を示し、図4Bは図面情報管理サーバ20の動作を示す。
図面情報登録装置30は、まず、図面データ登録画面37(図3A)が表示された状態で、アドレス発行部34の機能によりNCデータに対応するアドレスと、データアクセスパスワードとを発行する(ステップS11)。
続いて、図面データ登録画面37の接続認証コード入力部37C(図3A)に、図面情報管理サーバ20用の接続認証コードが入力され(ステップS12)、NCデータ出力指示ボタン37F(図3A)の操作に応じて、NCデータ取得部35の機能によりCAD装置31からNCデータを取得すると(ステップS13)、図面情報登録装置30は、接続認証コードとともに、発行したアドレスとデータアクセスパスワード、及びNCデータを、ネットワーク10を介して図面情報管理サーバ20へ送信する(ステップS14)。
【0031】
これに対し、図面情報管理サーバ20は、図面情報登録装置30から送信された接続認証コード、アドレス、データアクセスパスワード、及びNCデータを受信し(ステップS21)、受信した接続認証コードに基づく認証を行う(ステップS22)。
図面情報登録装置30が送信した接続認証コードが正規の接続認証コードであり、認証に成功した場合(ステップS22;Yes)、図面情報管理サーバ20は、受信したNCデータを、指定されたアドレスに対応する記憶領域に、データアクセスパスワードとともに格納し(ステップS23)、格納が完了した旨の応答を図面情報登録装置30へ送信する(ステップS24)。
【0032】
図面情報登録装置30は、図面情報管理サーバ20から送信された、NCデータの格納が完了した旨の応答を受信し(ステップS15)、画像コード生成部36の機能によって、ステップS11で発行したアドレスとデータアクセスパスワードとを含む画像コードを生成し(ステップS16)、この画像コード55と製品図51とが記載された加工用図面50を、印刷装置32によって印刷出力させ(ステップS17)、本処理を終了する。
また、図面情報登録装置30が送信した接続認証コードが正規の接続認証コードでなく、認証に失敗した場合(ステップS22;No)、図面情報管理サーバ20は、エラーが生じた旨の応答を図面情報登録装置30へ送信する(ステップS25)。図面情報登録装置30は、このエラーの応答を受信した場合、表示画面(図示略)にエラーメッセージを表示する。
【0033】
図5は、図面情報管理システム1の動作を示すフローチャートであり、特に、図面情報取得装置40によりNCデータを図面情報管理サーバ20から取得する際の動作を示す。図5Aは図面情報取得装置40の動作を示し、図5Bは図面情報管理サーバ20の動作を示す。
図面情報取得装置40は、画像コード読取装置41によって加工用図面50に記載された画像コード55を読み取り、この加工用図面50に対応するNCデータのアドレスとデータアクセスパスワードとを取得する(ステップS31)。続いて図面情報取得装置40は、図面データ取得画面47(図3B)を表示画面(図示略)に表示し、ここで接続認証コード入力部47Cに接続認証コードが入力されると、図面情報管理サーバ20にアクセスして、入力された接続認証コードを図面情報管理サーバ20に送信する(ステップS32)。
【0034】
図面情報管理サーバ20は、図面情報取得装置40からのアクセスを検知すると、図面情報取得装置40から送信された接続認証コードを受信し(ステップS41)、認証を行う(ステップS42)。ここで、受信した接続認証コードが正規の接続認証コードであり、認証に成功した場合(ステップS42;Yes)、図面情報管理サーバ20は、図面情報取得装置40に対して認証成功の旨を示す応答を送信する(ステップS43)。
一方、認証に失敗した場合(ステップS42;No)、図面情報管理サーバ20は、エラーが生じた旨の応答を図面情報取得装置40へ送信する(ステップS47)。図面情報取得装置40は、このエラーの応答を受信した場合、例えば、表示画面(図示略)にエラーメッセージを表示する。
【0035】
図面情報管理サーバ20から認証に成功した旨の応答が送信された場合、図面情報取得装置40は、この応答を受信し(ステップS33)、ステップS31で画像コード55を読み取って取得したアドレスに基づいて、図面情報管理サーバ20に対してNCデータを要求するとともに、読み取ったデータアクセスパスワードを図面情報管理サーバ20に送信する(ステップS34)。
【0036】
図面情報管理サーバ20は、図面情報取得装置40から送信されたアドレスとデータアクセスパスワードとを受信し(ステップS44)、受信したデータアクセスパスワードに基づいて認証を行う(ステップS45)。
ここで、要求されたNCデータに対応づけて図面情報管理データベース21に格納されていたデータアクセスパスワードと、図面情報取得装置40が送信したデータアクセスパスワードとが一致し、認証に成功した場合(ステップS45;Yes)、図面情報管理サーバ20は、要求されたNCデータを、ネットワーク10を介して図面情報取得装置40に送信し、本処理を終了する。
また、データアクセスパスワードに基づく認証に失敗した場合(ステップS45;No)、図面情報管理サーバ20は、上記のステップS47に移行する。
【0037】
図面情報取得装置40は、図面情報管理サーバ20からNCデータが送信されると、このNCデータを受信し(ステップS35)、制御ケーブル42を介してNC加工装置43に出力する。
【0038】
以上のように、本発明を適用した第1の実施形態に係る図面情報管理システム1によれば、加工用図面50に関連するNCデータがネットワーク10を介して取得可能に図面情報管理サーバ20の図面情報管理データベース21に格納され、このNCデータを取得するためのアドレスとデータアクセスパスワードとを含む画像コード55が加工用図面50に表示され、この加工用図面50に表示された画像コード55を読み取ることにより、画像コード55に含まれるアドレス及びデータアクセスパスワードに基づいて、図面情報取得装置40によりNCデータを取得することができる。これにより、NCデータ等の加工用図面50に関連する情報を、ネットワーク10に接続可能であれば、場所を問わず様々な相手との間で、ネットワーク10を介して授受することができる。特に、NCデータを取得する際には画像コード55を読み取って、その画像コード55に含まれるアドレスに基づいて図面情報管理サーバ20にアクセスすれば良く、例えばアドレスを入力する等の作業を必要としないので、簡単な操作によってミスなくアドレスとデータアクセスパスワードとを指定して、NCデータを取得できる。さらに、加工用図面50に表示された画像コード55にアドレスとともにデータアクセスパスワードが含まれるので、正規の加工用図面50に表示された正規の画像コード55を用いてのみ、NCデータを取得することが可能になり、その一方で、アドレスやデータアクセスパスワードを入力する作業負担が非常に軽くて済む。
【0039】
また、図面情報取得装置40にはNC加工装置43が接続され、図面情報取得装置40がネットワーク10を介して取得したNCデータがNC加工装置43に出力されるので、例えばNCデータに相当するデータを手作業で入力する場合等に比べて、正確に、かつ速やかにNCデータをNC加工装置43に入力できる。
【0040】
さらに、加工用図面50に製品図51を印刷する際に、その加工用図面50に関連するNCデータを取得するためのアドレスを含む画像コード55が印刷されるので、一つの用紙に製品図51と画像コード55とが印刷された加工用図面50を、容易に作成できる。従って、加工用図面50と画像コード55との対応を確認する作業が必要ないという利点がある。
【0041】
[第2の実施形態]
図6は、本発明を適用した第2の実施形態に係る図面情報管理システム1の動作を示すフローチャートであり、特に、図面情報取得装置40によりNCデータを図面情報管理サーバ20から取得する際の動作を示す。図6Aは図面情報取得装置40の動作を示し、図6Bは図面情報管理サーバ20の動作を示す。
本第2の実施形態において、上記第1の実施形態と同様に構成される各部については、同符号を付して説明を省略する。
【0042】
本第2の実施形態では、上記第1の実施形態において図5A及び図5Bを参照して説明した動作において、図面情報管理サーバ20が、NCデータを消去する構成を備えている。
すなわち、図面情報管理サーバ20は、ステップS46において、図面情報取得装置40から送信されたアドレスにより指定されるNCデータを、ネットワーク10を介して図面情報取得装置40に送信し、その後、送信したNCデータ及び対応するデータアクセスパスワードを、図面情報管理データベース21から消去して(ステップS48)、本処理を終了する。
【0043】
この第2の実施形態によれば、図面情報管理サーバ20において、図面情報取得装置40によりNCデータが取得された場合に、その取得されたNCデータが消去されるので、いったん図面情報取得装置40により取得されたNCデータを再び取得することができない。このため、NCデータが既に取得されたか否かを容易に知ることができる。
また、NCデータの消去を、図面情報取得装置40に対してNCデータを送信した後に行うので、必要なNCデータを消去してしまうことがないという利点がある。
【0044】
[第3の実施形態]
図7は、本発明を適用した第3の実施形態に係る図面情報管理システム1の動作を示すフローチャートであり、特に、図面情報登録装置30によりNCデータを図面情報管理サーバ20に格納させる際の動作を示す。図7Aは図面情報登録装置30の動作を示し、図7Bは図面情報管理サーバ20の動作を示す。
本第3の実施形態において、上記第1の実施形態と同様に構成される各部については、同符号を付して説明を省略する。
【0045】
本第3の実施形態では、上記第1の実施形態において図4A及び図4Bを参照して説明した動作において、図面情報管理サーバ20から図面情報取得装置40を取得できる日時が決められる。
【0046】
図面情報登録装置30は、まず、図面データ登録画面37が表示された状態で、アドレス発行部34の機能によりNCデータに対応するアドレスと、データアクセスパスワードとを発行する(ステップS51)。
ここで、図面情報登録装置30においては、オペレータの入力操作、或いは予め設定されたデータに従って、NCデータの取得が可能になる日時が指定される(ステップS52)。ここで指定される日時は、例えば、日付と時間帯とを含み、或いは、時間帯のみを含む。
【0047】
続いて、図面データ登録画面37の接続認証コード入力部37Cに、図面情報管理サーバ20用の接続認証コードが入力され(ステップS53)、NCデータ出力指示ボタン37Fの操作に応じて、NCデータ取得部35の機能によりCAD装置31からNCデータを取得すると(ステップS54)、図面情報登録装置30は、接続認証コードとともに、発行したアドレスとデータアクセスパスワード、NCデータを取得可能とする日時、及びNCデータを、ネットワーク10を介して図面情報管理サーバ20へ送信する(ステップS55)。
【0048】
図面情報管理サーバ20は、図面情報登録装置30から送信された接続認証コード、アドレス、データアクセスパスワード、NCデータを受信可能とする日時、及びNCデータを受信し(ステップS61)、受信した接続認証コードに基づく認証を行う(ステップS62)。
図面情報登録装置30が送信した接続認証コードが正規の接続認証コードであり、認証に成功した場合(ステップS62;Yes)、図面情報管理サーバ20は、受信したNCデータを、指定されたアドレスに対応する記憶領域に、データアクセスパスワードとともに格納し(ステップS63)、格納が完了した旨の応答を図面情報登録装置30へ送信する(ステップS64)。
【0049】
図面情報登録装置30は、図面情報管理サーバ20から送信された、NCデータの格納が完了した旨の応答を受信し(ステップS56)、画像コード生成部36の機能によって、ステップS51で発行したアドレスとデータアクセスパスワードとを含む画像コードを生成し(ステップS57)、この画像コード55と製品図51が記載された加工用図面50を、印刷装置32によって印刷出力させ(ステップS58)、本処理を終了する。
また、図面情報登録装置30が送信した接続認証コードが正規の接続認証コードでなく、認証に失敗した場合(ステップS62;No)、図面情報管理サーバ20は、エラーが生じた旨の応答を図面情報登録装置30へ送信する(ステップS65)。図面情報登録装置30は、このエラーの応答を受信した場合、表示画面(図示略)にエラーメッセージを表示する。
【0050】
このように図面情報管理サーバ20からNCデータを取得する際、図面情報取得装置40は、上記の第1及び第2の実施形態と同様、加工用図面50の画像コード55からアドレスとデータアクセスパスワードとを読み取って、図面情報管理サーバ20にアクセスし、図面情報管理サーバ20において接続認証コードによる認証を受ける。
ここで、図面情報管理サーバ20は、接続認証コードによる認証に成功した場合に、図面情報取得装置40から要求されたNCデータを取得可能な日時または時間帯と、その時点における現在時刻とを比較する。そして、現在時刻が、要求されたNCデータを取得可能な日時または時間帯に適合する場合は、NCデータを図面情報取得装置40に送信し、現在時刻が要求されたNCデータを取得可能な日時または時間帯に適合しない場合は、時間が不適合である旨を示す応答を図面情報取得装置40に送信する。
【0051】
本第3の実施形態によれば、図面情報取得装置40によって画像コード55に基づいてNCデータを取得しようとする場合、正規の画像コード55に含まれるアドレスとデータアクセスパスワード、及び正規の接続認証コードに加えて、そのNCデータを取得可能な日時または時間帯に、図面情報管理サーバ20にアクセスする必要がある。すなわち、NCデータを取得可能な時間帯を知らない他者や、指定された時間帯から大幅にずれた時期にNCデータを取得できない。つまり、パスワード等の複雑な情報の数を増やすことなく、さらに一段階の認証処理を経ないとNCデータを取得できないようにしているので、秘匿性を向上させることができる。
【0052】
また、図面情報管理サーバ20は、例えば図面情報登録装置30から送信されたNCデータ及びデータアクセスパスワードを図面情報管理データベース21に格納してから、設定された時間内のみ、図面情報取得装置40によりNCデータを取得可能としてもよい。この場合、NCデータ及びデータアクセスパスワードを格納したときに計時を開始し、このときから、例えば2時間以内に、図面情報取得装置40が画像コード55のアドレス及びデータアクセスパスワードに基づいて図面情報管理サーバ20にアクセスした場合にのみ、NCデータを取得できる。この場合も上記と同様の効果が得られ、さらに、NCデータを取得可能な時間帯の指定が簡単で済むという利点がある。また、図面情報管理データベース21に格納されたNCデータの取得可能な日時または時間帯が過ぎた後に、再び、図面情報登録装置30から設定を要求して、NCデータに対応づけて図面情報管理データベース21に格納された日時または時間帯に関する情報を更新し、このNCデータを、新たに取得可能としてもよい。この場合、図面情報登録装置30による管理のもとに、一つのNCデータを繰り返し使用できる。
【0053】
なお、上記第1から第3の各実施形態に係る図面情報管理システム1を構成する各装置は、図1に示した形態に限定されるものではない。例えば、図面情報登録装置30は、ネットワーク10を介して各種情報を送受信する機能に加え、CAD装置31及び印刷装置32を制御するものであり、例えばパーソナルコンピュータによって、上記機能に相当するソフトウェアを実行することで実現可能である。また、CAD装置31がCADソフトウェアを実行するパーソナルコンピュータにより実現される場合に、図面情報登録装置30の機能とCAD装置31の機能とを一つのコンピュータにより実現する構成としてもよい。図面情報取得装置40も同様に、ネットワーク10を介して各種情報を送受信する機能に加え、画像コード読取装置41を制御し、NC加工装置43との間で各種情報を入出力するものであり、例えばパーソナルコンピュータによって、上記機能に相当するソフトウェアを実行することで実現可能である。また、画像コード読取装置41は、パーソナルコンピュータ、PDA或いは携帯型電話機が備えるカメラと、このカメラにより撮影された画像を解析するソフトウェアとによって実現可能である。従って、図面情報取得装置40及び画像コード読取装置41は、その機能を一体に備えたコンピュータ、PDA又は携帯電話機により実現可能である。その他、ネットワーク10と図面情報登録装置30及び図面情報取得装置40との接続態様も任意であり、無線通信回線を介して接続されるものであってもよい。
【0054】
また、上記第1から第3の各実施形態においては、加工用図面50に一つの製品図51と、この製品の製造に用いるNCデータを取得するための一つの画像コード55が記載される場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、加工用図面50は複数の製品に関する製品図51が掲載された図面であってもよく、この場合、加工用図面50に複数のコード表示欄54を設け、各製品に対応する図面関連情報を取得するための画像コード55を、それぞれ印刷しても良い。その他の細部構成についても、本発明の主旨を逸脱することのない範囲において、適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】第1の実施形態に係る図面情報管理システムの構成を示す図である。
【図2】図面情報管理システムにおいて使用される図面の構成例を示す図である。
【図3】図面情報管理システムにおいて表示される画面の構成例を示す図であり、図3Aは図面情報登録装置が表示する画面の例を示し、図3Bは図面情報取得装置が表示する画面の例を示す。
【図4】図面情報管理システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】図面情報管理システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態における図面情報管理システムの動作を示すフローチャートである。
【図7】第3の実施形態における図面情報管理システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1 図面情報管理システム
10 ネットワーク(広域ネットワーク)
20 図面情報管理サーバ
21 図面情報管理データベース
30 図面情報登録装置
31 CAD装置
32 印刷装置
34 アドレス発行部
35 NCデータ取得部
36 画像コード生成部
37 図面データ登録画面
40 図面情報取得装置
41 画像コード読取装置
42 制御ケーブル
43 NC加工装置
45 NCデータ出力部
47 図面データ取得画面
50 加工用図面
51 製品図
54 コード表示欄
55 画像コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の加工用図面に関連する図面関連情報を、広域ネットワークを介して取得可能に格納する図面情報管理サーバと、
前記図面関連情報と、この前記図面関連情報を一意に指定するアドレス情報と、前記図面関連情報を取得する際の認証に用いられる認証情報とを、前記広域ネットワークを介して前記図面情報管理サーバに送信して格納させるとともに、このアドレス情報及び認証情報を含む画像コードを生成し、生成した画像コードを、前記加工用図面に表示可能に出力する図面情報登録装置と、
前記加工用図面に表示された前記画像コードを読み取り、この前記画像コードに含まれるアドレス情報及び認証情報に基づいて前記広域ネットワークを介して前記図面情報管理サーバにアクセスすることによって、前記広域ネットワークを介して前記図面関連情報を取得する図面情報取得装置と、を備えること、
を特徴とする図面情報管理システム。
【請求項2】
前記図面関連情報は、前記加工用図面に記載された製品を製造する製造装置によって使用される情報であり、
前記図面情報取得装置は、前記広域ネットワークを介して前記図面情報管理サーバから取得した前記図面関連情報を前記製造装置に出力すること、
を特徴とする請求項1記載の図面情報管理システム。
【請求項3】
前記図面情報管理サーバは、前記図面情報取得装置により前記図面関連情報が取得された場合に、その取得された前記図面関連情報を消去すること、
を特徴とする請求項1又は2記載の図面情報管理システム。
【請求項4】
前記図面情報登録装置は、前記加工用図面を印刷出力する印刷装置によって、前記画像コードを、前記加工用図面の印刷時に前記製品の図とともに印刷させること、
を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の図面情報管理システム。
【請求項5】
広域ネットワークを介して相互に接続された図面情報管理サーバと、図面情報登録装置と、図面情報取得装置と、を備えた図面情報管理システムにより実行され、
前記図面情報管理サーバによって、製品の加工用図面に関連する図面関連情報を前記広域ネットワークを介して取得可能に格納し、
前記図面情報登録装置によって、前記図面関連情報と、この前記図面関連情報を一意に指定するアドレス情報と、前記図面関連情報を取得する際の認証に用いられる認証情報とを、前記広域ネットワークを介して前記図面情報管理サーバに送信して格納させるとともに、このアドレス情報及び認証情報を含む画像コードを生成し、生成した画像コードを、前記加工用図面に表示可能に出力し、
前記加工用図面に表示された前記画像コードを読み取り、この前記画像コードに含まれるアドレス情報及び認証情報に基づいて前記広域ネットワークを介して前記図面情報管理サーバにアクセスすることによって、前記広域ネットワークを介して前記図面関連情報を取得すること、
を特徴とする図面情報管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−230197(P2009−230197A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−71405(P2008−71405)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】