説明

固体酸化物形燃料電池

【課題】燃料電池セル本体とコネクタ間の電気的導通の確実性を向上した固体酸化物形燃料電池を提供する。
【解決手段】固体酸化物形燃料電池は,燃料電池セル本体140と,インターコネクタ110(1)(2)と,集電体147、181とからなり,前記集電体の面上に配置され,前記燃料電池セル本体と前記集電体とが通電するように第1の強度で接続される第1の領域Af1、Af2と,前記第1の強度より弱い第2の強度で接続される第2の領域An1と,前記第2の領域と対応して,前記集電体の面上に配置され,前記インターコネクタと前記集電体とが通電するように前記第2の強度より強い第3の強度で接続される第3の領域Af3と,前記第1の領域Af1、Af2と対応して,前記集電体の面上に配置され,前記コネクタと前記集電体とが前記第1および前記第3の強度より弱い第4の強度で接続される第4の領域As1、As2と,を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,固体酸化物形燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電解質に固体酸化物を用いた固体酸化物形燃料電池(以下,「SOFC」または単に「燃料電池」と記す場合がある)が知られている。SOFCは,例えば,板状の固体電解質体の各面に燃料極と空気極とを備えた燃料電池セルを多数積層したスタック(燃料電池スタック)を有する。燃料極および空気極それぞれに,燃料ガスおよび酸化剤ガス(例えば,空気中の酸素)を供給し,固体電解質体を介して化学反応させることで,電力を発生させる。
【0003】
燃料電池セルは,一対のインターコネクタ,燃料電池セル本体(空気極,固体電解質体,燃料極が積層されたもの)を有する。燃料電池セル本体とインターコネクタの電気的接続のために,集電体が配置される。
ここで,燃料電池セルが温度変化等により変形した際に,燃料電池セル本体とインターコネクタの電気的接続が解除される可能性がある。例えば,集電体が塑性変形することで(例えば,座屈),集電体−燃料電池セル本体間,または集電体−インターコネクタ間の接触が断たれ,燃料電池セル本体とインターコネクタの電気的接続が解除される可能性がある。
【0004】
次のような場合,集電体が変形しやすくなる。即ち,集電体に塑性変形し易い材料を用いる可能性が有る。固体電解質層,集電体,インターコネクタ,フレーム等の部材の全てに硬い材質を用い,SOFCのスタックを作製,組み付けると(ボルト締め付け),固体電解質層が割れる可能性がある。このため,アノード側の集電体に軟らかい材質,若しくはスポンジ状の材質が用いられることがある。この場合,高温により集電体が塑性変形(例えば,座屈)する可能性が高くなる。
【0005】
なお,燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをフレームで囲い,燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−303666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は,燃料電池セル本体とコネクタ間の電気的導通の確実性を向上した固体酸化物形燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る固体酸化物形燃料電池は,発電機能を有する燃料電池セル本体と,前記燃料電池セル本体と対向して配置される,コネクタと,前記燃料電池セル本体と前記コネクタの間に配置され,前記燃料電池セル本体側の第1の面と,前記コネクタ側の第2の面と,を有する集電体と,前記第1の面上に配置され,前記燃料電池セル本体と前記集電体とが通電するように第1の強度で接続される第1の領域と,前記第1の面上に配置され,前記燃料電池セル本体と前記集電体とが前記第1の強度より弱い第2の強度で接続される第2の領域と,前記第2の領域と対応して,前記第2の面上に配置され,前記コネクタと前記集電体とが通電するように前記第2の強度より強い第3の強度で接続される第3の領域と,前記第1の領域と対応して,前記第2の面上に配置され,前記コネクタと前記集電体とが前記第1および前記第3の強度より弱い第4の強度で接続される第4の領域と,を具備する。
【0009】
集電体の第1の面に第1,第2の領域が,第2の面に第4,第3の領域が第1,第2の領域と対応して配置される。第1,第3の領域での接続強度は第2,第4の領域での接続強度より強い。このため,熱応力等が集電体に加わった場合に,接続強度の弱い第2,第4の領域の接続が断たれ,接続強度の強い第1,第3の領域の接続は保持される傾向となる。この結果,第1,第3の領域を通して,燃料電池セル本体,集電体,コネクタ間の電気的導通が確保される。
【0010】
(1)前記第1の領域と前記第2の領域の間に配置され,前記燃料電池セル本体と前記集電体とが前記第1の強度より弱い第5の強度で接続される第5の領域と,前記第5の領域と対応して,前記第3の領域と前記第4の領域の間に配置され,前記コネクタと前記集電体とが前記第3の強度より弱い第6の強度で接続される第6の領域と,をさらに具備しても良い。
この場合,第1,第3の領域での接続強度は第2,第4〜第6の領域での接続強度より強い。このため,熱応力等が集電体に加わった場合に,接続強度の強い第1,第3の領域の接続は保持される傾向となる。この結果,第1,第3の領域を通して,燃料電池セル本体,集電体,コネクタ間の電気的導通が確保される。
【0011】
(2)前記第2の領域及び前記第4の領域の少なくとも一部に,アルミナを含む層が配置されても良い。
アルミナを含む層を配置することで,第2,第4の領域の接続強度を第1,第3の領域より弱くすることができる。
【0012】
(3)前記第1の領域及び前記第3の領域の少なくとも一方に,NiまたはPtの少なくともいずれかを含む層が配置されても良い。
NiまたはPtの少なくともいずれかを含む層を配置することで,第1,第3の領域の接続強度および電気的導通を確保できる。
【0013】
(4)前記集電体が,多孔質の金属から構成されても良い。
集電体を多孔質の金属から構成することで,組み立て時等での燃料電池セル本体の破壊を防止できる。その反面,集電体が塑性変形し易くなる。この場合でも,第1,第3の領域を通して,燃料電池セル本体,集電体,コネクタ間の電気的導通が確保される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば,燃料電池セル本体とコネクタ間の電気的導通の確実性を向上した固体酸化物形燃料電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池10を表す斜視図である。
【図2】燃料電池セル100の断面図である。
【図3】燃料電池セル100の分解斜視図である。
【図4】燃料電池セル100の断面図である(集電体181変形時)。
【図5】集電体181と対象物の接続強度を測定している状態を表す側面図である。
【図6】集電体181と対象物の接続強度を測定している状態を表す正面図である。
【図7】本発明の比較例に係る燃料電池セル100xの断面図である。
【図8】燃料電池セル100xの断面図である(集電体181変形時)。
【図9】本発明の変形例1に係る燃料電池セル100aの断面図である。
【図10】本発明の変形例2に係る燃料電池セル100bの断面図である。
【図11】本発明の変形例3に係る燃料電池セル100cの断面図である。
【図12】本発明の変形例4に係る燃料電池セル100dの断面図である。
【図13】本発明の変形例5に係る燃料電池セル100eの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態)
以下,図面を参照して,本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は,本発明の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタック)10を表す斜視図である。固体酸化物形燃料電池10は,燃料ガスと酸化剤ガスの供給を受けて発電する装置である。
【0017】
燃料ガスとしては,水素,還元剤となる炭化水素,水素と炭化水素との混合ガス,及びこれらのガスを所定温度の水中を通過させ加湿した燃料ガス,これらのガスに水蒸気を混合させた燃料ガス等が挙げられる。炭化水素は特に限定されず,例えば,天然ガス,ナフサ,石炭ガス化ガス等が挙げられる。この燃料ガスとしては水素が好ましい。これらの燃料ガスは1種のみを用いてもよいし,2種以上を併用することもできる。また,50体積%以下の窒素及びアルゴン等の不活性ガスを含有していてもよい。
【0018】
酸化剤ガスとしては,酸素と他の気体との混合ガス等が挙げられる。更に,この混合ガスには80体積%以下の窒素及びアルゴン等の不活性ガスが含有されていてもよい。これらの酸化剤ガスのうちでは安全であって,且つ安価であるため,空気(約80体積%の窒素が含まれている。)が好ましい。
【0019】
固体酸化物形燃料電池10は,略直方体形状をなし,上面11,底面12,貫通孔21〜28を有する。貫通孔21〜24は,上面11,底面12の辺近傍(後述の燃料極フレーム160の辺近傍)を貫通し,貫通孔25〜28は,上面11,底面12の頂点近傍(後述の燃料極フレーム160の頂点近傍)を貫通する。貫通孔21〜28にはそれぞれ,連結部材(締結具であるボルト41〜48,ナット51〜58)が取り付けられる。なお,ナット53,54,57は,判りやすさのために,図示を省略している。
【0020】
上面11側の貫通孔21〜24の開口に,部材60が配置される。部材60(部材62)の貫通孔,貫通孔21〜24にボルト41〜44が挿通され,ナット51〜54がねじ込まれる。
【0021】
部材60は,部材62,導入管61を有する。部材62は,略円筒形状をなし,略平面状の上面および底面,曲面状の側面に,導入管61は上面と底面間を貫通する貫通孔を有する。部材62の貫通孔と導入管61の貫通孔とが連通する。
【0022】
部材62の貫通孔と貫通孔21〜24の径は略同一である。これらの径より,ボルト41〜44の軸の径が小さいことで,部材62の貫通孔とボルト41〜44の軸間,および貫通孔21〜24とボルト41〜44の軸間をガス(酸化剤ガス(空気),発電後の残余の燃料ガス,発電後の残余の酸化剤ガス,燃料ガス)が通過する。即ち,酸化剤ガス(空気),燃料ガスが導入管61から流入し,貫通孔21,24をそれぞれ経由して,固体酸化物形燃料電池10内に流入する。発電後の残余の酸化剤ガス(空気),発電後の残余の燃料ガスが固体酸化物形燃料電池10から流入し,貫通孔23,22をそれぞれ経由して,導入管61から流出する。
【0023】
固体酸化物形燃料電池10は,発電単位である平板形の燃料電池セル100が複数個積層されて構成される。複数個の燃料電池セル100が電気的に直列に接続される。
【0024】
図2は,燃料電池セル100の断面図である。図3は,燃料電池セル100の分解斜視図である。
図2に示すように,前記燃料電池セル100は,いわゆる燃料極支持形タイプの燃料電池セルであり,上下一対の金属製のインターコネクタ110(1),110(2)の間に,燃料電池セル本体140が配置される。燃料電池セル本体140とインターコネクタ110(1),110(2)の間に,空気流路101,燃料ガス流路102が配置される。
【0025】
燃料電池セル本体140は,空気極(カソード)機能層141,反応防止層142,固体電解質層143,燃料極(アノード)機能層144,燃料極(アノード)基板層145が積層されて構成される。
【0026】
空気極機能層141は,空気極層として機能する。空気極機能層141の材料としては,例えば,各種の金属,金属の酸化物,金属の複酸化物等を用いることができる。金属としては,Pt,Au,Ag,Pd,Ir,Ru及びRh等の金属又は2種以上の金属を含有する合金が挙げられる。更に,金属の酸化物としては,La,Sr,Ce,Co,Mn及びFe等の酸化物(La,SrO,Ce,Co,MnO及びFeO等)が挙げられる。また,複酸化物としては,少なくともLa,Pr,Sm,Sr,Ba,Co,Fe及びMn等を含有する複酸化物(La1−xSrCoO系複酸化物,La1−xSrFeO系複酸化物,La1−xSrCo1−yFe系複酸化物,La1−xSrMnO系複酸化物,Pr1−xBaCoO系複酸化物及びSm1−xSrCoO系複酸化物等)が挙げられる。
【0027】
反応防止層142は,空気極機能層141,固体電解質層143間での反応を制限するためのものである。その材質は特に限定されず,例えば,通常,CeOのCeの一部が少なくとも1種の希土類元素により置換されたCeO系酸化物が用いられる。
【0028】
固体電解質層143の材料としては,例えばZrO系セラミック,LaGaO系セラミック,BaCeO系セラミック,SrCeO系セラミック,SrZrO系セラミック,及びCaZrO系セラミック等が挙げられる。
【0029】
燃料極機能層144,燃料極基板層145の全体が燃料極層として機能する。
燃料極機能層144,燃料極基板層145の構成材料は同一でもよく,同一でなくても良い。燃料極機能層144,燃料極基板層145の構成材料を同一とする場合,これらの熱膨張係数が同程度となり,熱処理時や高温での作動時にこれらの間での剥離を抑制する効果がより大きい。
【0030】
なお,燃料極機能層144,燃料極基板層145の構成材料として,例えば,金属,金属の酸化物,金属の複酸化物,金属と金属の酸化物の混合物などを用いることができる。
金属としては,Pt,Au,Ag,Pd,Ir,Ru,Ni及びRh等の金属又は2種以上の金属を含有する合金が挙げられる。
更に金属の酸化物としては,固体電解質層143と同等の材料で,例えばZrO系セラミック,LaGaO系セラミック,BaCeO系セラミック,SrCeO系セラミック,SrZrO系セラミック,及びCaZrO系セラミック等が挙げられる。
金属と金属の酸化物の混合物として,例えば,Ni金属とZrO系セラミックの混合物が挙げられる。なお,この場合,NiOとZrO系セラミックの混合物を初期材料(燃料電池セル100動作開始前の構成材料)として用いることができる。燃料極側では還元雰囲気に曝されるために,還元反応が進行した結果,NiOとZrO系セラミックの混合物が,Ni金属とZrO系セラミックの混合物に変化するからである。
【0031】
また,燃料極基板層145内での燃料の拡散を促進するため,燃料極基板層145の空孔率を燃料極機能層144より高く設定することが望ましい。
【0032】
図3に示すように,燃料電池セル100は,上下一対のインターコネクタ110(1),110(2)の間に,ガスシール部120,セパレータ130,ガスシール部150,燃料極フレーム160,ガスシール部170,集電体181を備え,それらが積層されて一体に構成されている。
【0033】
空気極機能層141とインターコネクタ110(1)との間に,その導通を確保するために集電体147が配置されている。燃料極基板層145とインターコネクタ110(2)との間に,その導通を確保するために集電体181が配置されている。集電体181の上面(第1の主面)が燃料極基板層145と電気的に接続される。集電体181の下面(第2の主面)がインターコネクタ110(2)(コネクタ)と電気的に接続される。集電体181は,「燃料電池セル本体とコネクタの間に配置され,前記燃料電池セル本体側の第1の面と,前記コネクタ側の第2の面と,を有する集電体」に対応する。
【0034】
集電体181は,多孔質の金属(例えば,Ni)から構成される。集電体181は,多孔質のため,潰れ易く,後述のように,高温等に起因する応力の印加により塑性変形する可能性がある。
一方,集電体147は,非多孔質(多孔質でない)の金属(例えばステンレス)から構成され,座屈等の塑性変形は事実上無視できる。なお,集電体147を多孔質とすることも可能である。
【0035】
以下,燃料電池セル100を構成する各部材について,更に詳細に説明する。なお,燃料電池セル100の平面形状は正方形であるので,燃料電池セル100を構成する各部材の平面形状も正方形に形成することが望ましい。各部材を正方形とする場合,ボルトで締め付けた際に燃料電池セル本体140面内にほぼ均一に荷重を印加することが可能となり,荷重の不均一による燃料電池セル本体140の割れなどを抑制する効果が大きい。
なお,各部材の平面形状は,「正方形」に限らず,他の平面形状とすることも可能である。例えば,長方形,円形などが挙げられる。他の平面形状とした場合では,燃料電池セル本体140面内の荷重をある程度均一にすることができる。
【0036】
インターコネクタ110(1),110(2)は,例えばフェライト系ステンレスからなる厚み0.3〜2.0mmの板材であり,その外縁部には,前記ボルト41〜48が貫挿される例えば直径10mmの丸孔である貫通孔21〜28が,等間隔に形成されている。インターコネクタ110(2)は,「燃料電池セル本体と対向して配置される,コネクタ」に対応する。
【0037】
ガスシール部120は,空気極機能層141側に配置され,例えばマイカからなる厚み0.2〜1.0mmの枠状の板材であり,その四隅の角部には,前記ボルト45〜48が貫挿される各貫通孔25〜28が形成されている。
【0038】
このガスシール部120の四方の各辺の縁部には,前記ボルト41〜44が貫挿される各貫通孔21〜24と連通するように,その辺に沿って,ガスの流路となる略長方形状(長さ100mm×幅10mm)の貫通孔121〜124が形成されている。つまり,各貫通孔121〜124は,積層方向から見た場合,各貫通孔21〜24を含むように形成されている。
【0039】
ガスシール部120には,中央の正方形の開口部125と左右の貫通孔121,123と連通するように,ガスシール部120の右左の枠部分に,細径(長さ20mm×幅5mm)のガス流路となる長方形の切り欠き127がそれぞれ4本ずつ形成されている。
【0040】
なお,この切り欠き127は,貫通孔として形成しても良く,ガスシール部120の一方の表面を掘って形成された溝でも良い。また,切り欠き127は,レーザやプレス加工によって形成できる。
【0041】
この切り欠き127のガス流路の流れ方向(図3左右方向)における断面積(流れ方向と垂直の断面積)は,各貫通孔121,123の流れ方向(図3上下方向:積層方向)における断面積(流れ方向と垂直の断面積)より小さく設定されている。また,各切り欠き127は,左右の辺の中点を結んだ線を中心とした線対称となるように配置されているが,その本数については,例えば1つの辺について6本以上など,適宜設定すればよい。
【0042】
セパレータ130は,燃料電池セル本体140の外縁部の上面に接合して空気流路101と燃料ガス流路102との間を遮断するものであり,「固体電解質層に接続され,前記空気極層側,前記燃料極層側の空間を分画する,導電性セパレータ」として機能する。セパレータ130は,例えばフェライト系ステンレスからなる厚み0.02〜0.30mmの枠状の板状であり,その中央の正方形の開口部135には,開口部135を閉塞するように前記燃料電池セル本体140が接合される。
【0043】
このセパレータ130においても,前記ガスシール部120と同様に,その四隅の角部に同形状の各貫通孔25〜28が形成されるとともに,四方の各辺に沿って(第1ガス流路となる)同形状の各貫通孔131〜134が形成されている。
【0044】
ガスシール部150は,燃料極基板層145側に配置され,例えばマイカからなる厚み0.2〜1.0mmの枠状の板材であり,その四隅の角部には,前記ボルト45〜48が貫挿される各貫通孔25〜28が形成されている。
【0045】
このガスシール部150の四方の各辺の縁部には,前記ボルト41〜44が貫挿される各貫通孔21〜24と連通するように,その辺に沿って,ガスの流路となる略長方形状(長さ100mm×幅10mm)の貫通孔151〜154が形成されている。つまり,各貫通孔151〜154は,積層方向から見た場合,各貫通孔21〜24を含むように形成されている。
ガスシール部150は,中央に正方形の開口部155を有する。
【0046】
燃料極フレーム160は,燃料ガス流路102側に配置され,中央に開口部165を備えた例えばフェライト系ステンレスからなる厚み0.5〜2.0mmの枠状の板材である。前記燃料極フレーム160は,前記セパレータ130と同様に,その四隅の角部に同形状の各貫通孔25〜28が形成されるとともに,四方の各辺に沿って,ガス流路となる各貫通孔161〜164が形成されている。
【0047】
ガスシール部170は,燃料極フレーム160より図3下方の燃料極機能層144側に配置され,ガスシール部120と同様に,中央に開口部175を備えた例えばマイカからなる厚み0.2〜1.0mmの枠状の板材である。ガスシール部170は,その四隅の角部には同形状の各貫通孔25〜28が形成されるとともに,四方の各辺に沿って,ガス流路となる同形状の各貫通孔171〜174が形成されている。
【0048】
このガスシール部170にも,対向する各枠部分に,開口部175と貫通孔172,174と連通するように,細径(長さ20mm×幅5mm)のガス流路となる切り欠き176が,それぞれ4本ずつ設けられている。
【0049】
本実施形態に係る燃料電池セル100は,図2,図3に示すように,燃料電池セル本体140と集電体181間(集電体181の上面),および集電体181とインターコネクタ110(2)間(集電体181の下面)に,固着領域Af1〜Af3,固着抑制領域As1,As2,通常領域An1〜An3を有する。
集電体181の上面に固着領域Af1,Af2,通常領域An1が,集電体181の下面に固着領域Af3,固着抑制領域As1,As2,通常領域An2,An3が配置される。
【0050】
固着領域Af1〜Af3は,集電体181と燃料電池セル本体140またはインターコネクタ110(2)間の面積当たりの接続強度が固着抑制領域As1,As2,通常領域An1〜An3より大きい。
固着抑制領域As1,As2は,集電体181と燃料電池セル本体140またはインターコネクタ110(2)間の面積当たりの接続強度が固着領域Af1〜Af3,通常領域An1〜An3の何れよりも小さい。
即ち,固着領域Af1〜Af3,固着抑制領域As1,As2,通常領域An1〜An3それぞれでの単位面積当たりの接続強度をPf,Ps,Pnとすると,Pf>Pn>Psの順番となる。
【0051】
固着領域Af1,Af2は,「第1の面上に配置され,前記燃料電池セル本体と前記集電体とが通電するように第1の強度で接続される第1の領域」に対応する。
固着領域Af3は,「第2の領域と対応して,前記第2の面上に配置され,前記コネクタと前記集電体とが通電するように前記第2の強度より強い第3の強度で接続される第3の領域」に対応する。
【0052】
固着抑制領域As1,As2は,「第1の領域と対応して,前記第2の面上に配置され,前記コネクタと前記集電体とが前記第1および前記第3の強度より弱い第4の強度で接続される第4の領域」に対応する。
【0053】
通常領域An1中,通常領域An2,An3と対応しない領域は,「第1の面上に配置され,前記燃料電池セル本体と前記集電体とが前記第1の強度より弱い第2の強度で接続される第2の領域」に対応する。
通常領域An1中,通常領域An2,An3と対応する領域は,「第1の領域と前記第2の領域の間に配置され,前記燃料電池セル本体と前記集電体とが前記第1の強度より弱い第5の強度で接続される第5の領域」に対応する。
通常領域An2,An3は,「第5の領域と対応して,前記第3の領域と前記第4の領域の間に配置され,前記コネクタと前記集電体とが前記第3の強度より弱い第6の強度で接続される第6の領域」に対応する。
【0054】
このように接続強度の異なる領域Af,As,Anは,例えば,次のようにして形成できる。
通常領域An1〜An3では,集電体181と燃料電池セル本体140またはインターコネクタ110(2)間に特に何も介在させない。
既述のように,燃料極基板層145(燃料電池セル本体140)は,ZrO系セラミック,CeO系セラミック等のセラミックの混合物から構成される。また,集電体181は,多孔質の金属(例えば,Ni)から構成される。インターコネクタ110(2)は,例えば,フェライト系のステンレスから構成される。
【0055】
燃料極基板層145と集電体181間の接着は,熱によるセラミック混合物と金属間の接着であり,また,集電体181とインターコネクタ110(2)間の接着は,熱による金属間の接着である。このように何も介在させない状態で熱固着を行うことにより,これらの間での接着が達成され,更に,前記固着領域Af1〜Af3より弱く,前記固着抑制領域As1,As2より強い接着が達成される。
【0056】
固着領域Af1〜Af3には,導電性を有し,接続力を高める材料を配置する。固着領域Af1,Af2に,例えば,Ptおよび/またはNiOを含むペーストを配置する。これらを含有するペーストを配置し,焼成することで,金属とセラミック混合物間の接続力(接続強度)を高めることが可能になると同時に,NiOは還元によりNiとなることで,導電性も同時に確保できることとなる。また,固着領域Af3に,例えば,Ptおよび/またはAgを含むペーストを配置する。これらを含有するペーストを配置し,焼成することで,金属間の接続力を高めることが可能になると同時に,導電性も確保できる。なお,集電体181の上下でペーストに含まれる材料が必ずしも一致しないのは,集電体181の上下で接続される構成材料が異なるためである。
なお,集電体181の下側の固着領域Af3での接続に熱固着を採用しても良い。熱固着とは,加熱によって部材同士が接着することを指す。ここでは,集電体181とコネクタ110(2)間の金属同士の接着が加熱のみにより達成されることを示す。
【0057】
固着抑制領域As1,As2には,接続力を弱める材料,例えば,アルミナを含むペーストを配置する。燃料電池セル100の作製工程において,このペーストを焼成することで,固着抑制領域As1,As2にアルミナを含む層が形成される。この層が固着抑制領域As1,As2の接続強度を弱める。アルミナを含む層は,固着抑制領域As1,As2の一部にのみ配置しても良い。固着抑制領域As1,As2の全域にアルミナを均一に配置しなくても,固着抑制領域As1,As2の接続強度を固着領域Af1〜Af3および通常領域An1〜An3の接続強度より低下できる。
【0058】
以上のように,固着領域Af1〜Af3の接続強度は,固着抑制領域As1,As2,通常領域An1〜An3の接続強度より大きい。このため,集電体181に熱応力等が印加された場合に,固着抑制領域As1,As2,通常領域An1〜An3での接続が失われた場合でも,固着領域Af1〜Af3での接続が確保される。この結果,固着領域Af1〜Af3を介して,燃料電池セル本体140,集電体181,インターコネクタ110(2)間での電気的導通が確保される。
【0059】
既述のように,集電体181は,比較的潰れやすい材料から構成される。これは,インターコネクタ110(1),110(2),燃料電池セル本体140,集電体147,181を積層し,締結具(ボルト41〜48,ナット51〜58)で締め付けたときに,燃料電池セル本体140,特に,固体電解質層143が割れることを防止するためである。集電体181が変形することで,燃料電池セル本体140に印加される応力が緩和される。
【0060】
しかし,集電体181を比較的潰れやすい材料から構成したことで,例えば,固体酸化物形燃料電池10の運転時の高温による熱応力により,集電体181が塑性変形する(例えば,座屈)可能性が高くなっている。後述の図8では,集電体181の変形により,集電体181−燃料電池セル本体140間,または集電体181−インターコネクタ110(2)間での接触が断たれている。この結果,燃料電池セル本体140−集電体181−インターコネクタ110(2)間での直接的な電気的導通が遮断されている。
【0061】
本実施形態では,集電体181が座屈等変形した場合でも,固着領域Af1〜Af3を通じて,燃料電池セル本体140−集電体181−インターコネクタ110(2)間での電気的導通が確保される。これは,固着領域Af1〜Af3の配置が図4の上下および左右に分散して配置していることに基づく。即ち,固着領域Af1,Af3(あるいは固着領域Af2,Af3)は,集電体181の上下左右の何れについても並んで配置されていない(斜めに配置されている)。このように,集電体181の上下左右に分散して配置される固着領域Af1,Af3が有れば,燃料電池セル本体140−インターコネクタ110(2)間での電気的導通を確保できる。
【0062】
ここで,図4に示す,最大座屈幅Wmaxに対して,固着領域Af1,Af2(正確には,固着抑制領域As1,As2と上下に重なり合う領域)の幅W1が十分大きいことが好ましい。例えば,「W1/Wmax≧10」であることが好ましい。
最大座屈幅Wmaxは,集電体181が座屈したときの集電体181と燃料電池セル本体140(またはインターコネクタ110(2))間の間隔の最大値を言う。比W1/Wmaxを大きくすることで,集電体181が座屈した場合に,固着領域Af1,Af2にかかる引っ張りの力が緩和され,固着領域Af1,Af2と燃料電池セル本体140との剥離を防止できる。この結果,固着領域Af1〜Af3による,燃料電池セル本体140と,インターコネクタ110(2)の間での電気的導通の確実性がより向上する。
なお,集電体147には,このような固着領域Af1,Af2,固着抑制領域As1,As2を必ずしも設ける必要はない。集電体147は,集電体181と異なり,多孔質では無いため,塑性変形し難いからである。
【0063】
固着領域Af1〜Af3,固着抑制領域As1,As2,通常領域An1〜An3での接続強度は,以下の方法に基づき測定できる。図5,図6はそれぞれ,集電体181と対象物(燃料電池セル本体140またはコネクタ110(2))の接続強度を測定している状態を表す側面図および正面図である。
【0064】
この測定には,集電体固定部FX,フォースゲージFGが用いることができる。集電体固定部FX,フォースゲージFGは,フックFK1,FK2で接続される。集電体固定部FXは,集電体181をネジSC等で固定する。フォースゲージFGはフックFK1に印加される荷重を測定するものである。
【0065】
(1)測定の準備
集電体181と対象物(燃料電池セル本体140またはコネクタ110(2))それぞれの面積の1/2が固着領域,固着抑制領域,通常領域の何れかにより,接続されているとする(接続領域A1)。また,集電体181と対象物の残りの面積が接続されていないとする(非接続領域A2)。
【0066】
接続領域A1と非接続領域A2の境界で,集電体181を垂直に折り曲げ、非接続領域A2側を集電体固定部FXに固定する。例えば,ネジSCによる固定(ネジ止め)により,集電体181の非接続領域A2が集電体固定部FXに挟まれ,固定される。ここで,非接続領域A2中,集電体固定部FXに挟まれた領域の長さL1と集電体固定部FXに挟まれない領域の長さL2を等しくする。
【0067】
フォースゲージFGとして,接続領域A1の接続強度(接着強度)に応じて,荷重(力)を測定できるもの(計測器)を選択できる。例えば,2Nから1000Nまでの荷重を測定可能なものを用いることができる。フォースゲージFGの一例として,IMADA製高性能型デジタルフォースゲージZP(Z2)シリーズを挙げることができる。
【0068】
(2)測定
測定の準備が完了後,図5,図6に示すように,フォースゲージFGを介して,集電体181の非接続領域A2を対象物(燃料電池セル本体140またはコネクタ110(2))に対して垂直方向に向かって,例えば,1cm/minの速度Vで引っ張る。そして,集電体181の接続領域A1が対象物の表面から完全に剥がれた時点の荷重(力)をフォースゲージFGによって測定する。このようにして,固着領域,固着抑制領域,通常領域の接続強度を測定できる。なお,本実施形態では,接続強度の大小関係が問題であり,接続強度の具体的な数値にはそれほど大きな意味は無いため,接続強度の数値を規定していない。
【0069】
(比較例)
図7,図8は,本発明の比較例に係る燃料電池セル100xの断面図であり,それぞれ図2,図4に対応する。
燃料電池セル100xの集電体181上には,固着領域Af1〜Af3,固着抑制領域As1,As2を有しない(通常領域のみ)。
このため,図8に示すように,集電体181への応力の印加時に,集電体181の上下いずれかの接続が全面的に解除され,インターコネクタ110(1),110(2)間の導通が確保されない可能性が大きい。
【0070】
(変形例1)
図9は,本発明の変形例1に係る燃料電池セル100aの断面図であり,図4に対応する。
燃料電池セル100aは,燃料電池セル本体140と集電体181間(集電体181の上面),および集電体181とインターコネクタ110(2)間(集電体181の下面)に,固着領域Af11〜Af13,固着抑制領域As11,通常領域An11〜An14を有する。この変形例では,通常領域An11と固着領域Af12,固着領域Af11と固着抑制領域As11,通常領域An12と固着領域Af13が対応して上下に配置される。この結果,集電体181への熱応力等の印加により,固着抑制領域As11,通常領域An11〜An14での接続が解除されても,固着領域Af11〜Af13での接続が確保され,燃料電池セル本体140と,インターコネクタ110(2)の間での電気的導通が保たれる。
【0071】
(変形例2)
図10は,本発明の変形例2に係る燃料電池セル100bの断面図であり,図4に対応する。
変形例1と比較して,燃料電池セル100bは,集電体181に換えて,集電体1811,1812を有する。また,集電体1811,1812の上下に,固着領域Af11に換えて,固着領域Af111,Af112,固着抑制領域As11に換えて,固着抑制領域As111,As112を有する。その他の固着領域Af12等は変形例1と同様である。即ち,変形例1に対して,この変形例2では,集電体181が2つに区分され,固着領域Af11,固着抑制領域As11それぞれが2つに区分される。この結果,集電体1811では,固着領域Af111,Af12,集電体1812では,固着領域Af112,Af13により,燃料電池セル本体140と,インターコネクタ110(2)の間での電気的導通の確実性が確保される。
【0072】
なお,集電体181を3つ以上に区分することも可能である。また,区分した集電体の全てに固着領域,固着抑制領域を配置しなくても良い。即ち,区分した集電体の一方のみで電気的導通の確実性を図っても良い。
ここで,既述のように,最大座屈幅Wmaxに対して,固着領域Af111,Af112(正確には,固着抑制領域As111,As112と上下に重なり合う領域)の幅W1が十分大きいことが好ましい。例えば,「W1/Wmax≧10」であることが好ましい。
【0073】
(変形例3)
図11は,本発明の変形例3に係る燃料電池セル100cの断面図であり,図4に対応する。
燃料電池セル100cは,集電体1811,1812の上下に,固着領域Af31〜Af36,固着抑制領域As31,As32,通常領域An31〜An38を有する。この変形例3では,集電体1811,1812それぞれでの固着領域,固着抑制領域の配置は,燃料電池セル100aの集電体181と同様である。この結果,集電体1811,1812それぞれでの電気的導通の確実性を確保できる。
【0074】
なお,集電体181を3つ以上に区分することも可能である。また,区分した集電体の全てに固着領域,固着抑制領域を配置しなくても良い。最大座屈幅Wmaxに対して,固着領域Af31〜Af36(正確には,固着抑制領域As31,通常領域An31,An32,固着抑制領域As32,通常領域An35,An36と上下に重なり合う領域)の幅W1が十分大きいことが好ましい。例えば,「W1/Wmax≧10」であることが好ましい。
【0075】
(変形例4)
図12は,本発明の変形例4に係る燃料電池セル100dの断面図であり,図4に対応する。
燃料電池セル100dは,また,集電体1811,1812の上下に,固着領域Af41〜Af46,固着抑制領域As41〜As44,通常領域An41〜An46を有する。この変形例4では,集電体1811,1812それぞれでの固着領域,固着抑制領域の配置は,燃料電池セル100の集電体181と同様である。この結果,集電体1811,1812それぞれでの電気的導通の確実性を確保できる。
【0076】
なお,集電体181を3つ以上に区分することも可能である。また,区分した集電体の全てに固着領域,固着抑制領域を配置しなくても良い。最大座屈幅Wmaxに対して,固着領域Af41〜Af46(正確には,固着抑制領域As41,As42,通常領域An41,固着抑制領域As43,As44,通常領域An44と上下に重なり合う領域)の幅W1が十分大きいことが好ましい。例えば,「W1/Wmax≧10」であることが好ましい。
【0077】
(変形例5)
図13は,本発明の変形例5に係る燃料電池セル100eのガスシール部170と集電体181の配置を表す平面図である。なお,この図では,集電体181の上下の固着領域Af1〜Af3を示している。
燃料電池セル100では,図2,図3に示すように,全ての集電体181に固着領域Af1〜Af3,固着抑制領域As1,As2が配置されるのに対して,燃料電池セル100eでは,一部の集電体181にのみ固着領域Af1〜Af3,固着抑制領域As1,As2が配置される。この場合でも,この一部の集電体181により,燃料電池セル本体140と,インターコネクタ110(2)の間での電気的導通の確実性を確保できる。
【0078】
(その他の実施形態)
本発明の実施形態は上記の実施形態に限られず拡張,変更可能であり,拡張,変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0079】
(1)上記実施形態では,集電体181上(燃焼極側)に固着領域,固着抑制領域を配置し,集電体181が変形した場合でも,燃料電池セル本体140の燃料極側とインターコネクタ110(2)間の電気的導通を確保している。
これに対して,集電体147上(空気極側)に固着領域,固着抑制領域を配置しても良い。この場合,集電体147が変形した場合でも,燃料電池セル本体140の空気極側とインターコネクタ110(1)間の電気的導通の確保が可能となる。
【0080】
(2)上記実施形態では,燃料電池セル本体140とインターコネクタ110(2)間の電気的導通を確保している。
インターコネクタ110は,燃料電池セル100間での電気的導通を確保するために,燃料電池セル100間に配置される。このインターコネクタ110(2)を,固体酸化物形燃料電池10の上端または下端の端末コネクタとしてもよい。即ち,インターコネクタ110(2)に替えて,コネクタ一般への適用が可能である。
【符号の説明】
【0081】
10 固体酸化物型燃料電池
11 上面
12 底面
21-28 貫通孔
41-48 ボルト
51-58 ナット
60 部材
61 導入管
62 部材
100 燃料電池セル
101 空気流路
102 燃料ガス流路
110 インターコネクタ
120 ガスシール部
121-124 貫通孔
125 開口部
127 切り欠き
131-134 貫通孔
151-154 貫通孔
161-164 貫通孔
171-174 貫通孔
130 セパレータ
135 開口部
140 燃料電池セル本体
141 空気極機能層
142 反応防止層
143 固体電解質層
144 燃料極機能層
145 燃料極基板層
147 集電体
150 ガスシール部
155 開口部
160 燃料極フレーム
165 開口部
170 ガスシール部
175 開口部
176 切り欠き
181 集電体
1811,1812 集電体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機能を有する燃料電池セル本体と,
前記燃料電池セル本体と対向して配置される,コネクタと,
前記燃料電池セル本体と前記コネクタの間に配置され,前記燃料電池セル本体側の第1の面と,前記コネクタ側の第2の面と,を有する集電体と,
前記第1の面上に配置され,前記燃料電池セル本体と前記集電体とが通電するように第1の強度で接続される第1の領域と,
前記第1の面上に配置され,前記燃料電池セル本体と前記集電体とが前記第1の強度より弱い第2の強度で接続される第2の領域と,
前記第2の領域と対応して,前記第2の面上に配置され,前記コネクタと前記集電体とが通電するように前記第2の強度より強い第3の強度で接続される第3の領域と,
前記第1の領域と対応して,前記第2の面上に配置され,前記コネクタと前記集電体とが前記第1および前記第3の強度より弱い第4の強度で接続される第4の領域と,
を具備することを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
【請求項2】
前記第1の領域と前記第2の領域の間に配置され,前記燃料電池セル本体と前記集電体とが前記第1の強度より弱い第5の強度で接続される第5の領域と,
前記第5の領域と対応して,前記第3の領域と前記第4の領域の間に配置され,前記コネクタと前記集電体とが前記第3の強度より弱い第6の強度で接続される第6の領域と,
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の固体酸化物形燃料電池。
【請求項3】
前記第2の領域及び前記第4の領域の少なくとも一部に,アルミナを含む層が配置される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池。
【請求項4】
前記第1の領域及び前記第3の領域の少なくとも一方に,NiまたはPtの少なくともいずれかを含む層が配置される
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
【請求項5】
前記集電体が,多孔質の金属から構成される
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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