説明

固定スペーサプレートを使用する分割燃料棒集合体設計

【課題】スペーサプレートを一定の軸方向位置に機械的に閉じ込める分割燃料棒を使用する燃料棒設計を対象とする。
【解決手段】スペーサプレート150は、燃料棒セグメント110間の軸方向接続点300のところに配置することができ、燃料棒セグメント110が対合するとき、例示的な実施形態のスペーサプレート150は、この対併せ部によって機械的に保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態は、一般に、原子力発電所で使用される燃料構造体および燃料構造体を使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、原子力発電所は、核分裂によって発電するために中に燃料が配置される原子炉炉心を含む。米国の原子力発電所での一般的な設計は、原子炉炉心内に配置される燃料アセンブリ、または燃料集合体として互いに束ねられた複数の被覆された燃料棒内に燃料を配置することである。これらの燃料集合体は通常、燃料棒の振動を減衰させ、燃料棒の最小限の離隔距離および相対的な位置決めを確保し、かつその中の集合体およびスペーサを通り軸方向に流れる冷却剤を混合させるための、集合体の全体にわたり軸方向に配置されるいくつかの間隔保持要素を含む。
【0003】
図1に示すように、BWRなどの原子炉の従来型の燃料集合体10は、上側タイプレート14および下側タイプレート16を取り囲む外側溝形材12を含むことができる。複数の全長の燃料棒18および/または部分長の燃料棒19が、燃料集合体10内にマトリックスで配置され、互いに軸方向に間隔のあいた、その所与のマトリックス内に棒18、19を維持する(スペーサ格子としても知られている)複数のスペーサ20を貫通する。
【0004】
燃料棒18、19は一般に、全長燃料棒18の場合下側タイプレート16から上側タイプレート14までである、それらの基部から終端まで連続である。従来型のスペーサ20は、スペーサ20を貫通する各棒の外側に当接する、ストップおよび/またはスプリングとして知られている抵抗力のある接触セグメントの使用を介して、燃料棒18および19に対して摩擦的に把持する溶接格子である。この方法で、従来型のスペーサ20を、高速の冷却剤が集合体10を通り軸方向に流れるとき、抵抗力のある接触点によって燃料集合体内の一定の軸方向位置に静止して保持することができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示的な実施形態は、スペーサプレートを一定の軸方向位置に機械的に閉じ込める、分割燃料棒を使用する燃料棒および集合体の設計を対象とする。例示的な実施形態のスペーサプレートは、燃料棒セグメントの間の対併せ部(mating)と呼ばれる軸方向接続点のところに配置することができ、燃料棒セグメントが対合するとき、例示的な実施形態のスペーサプレートは、対併せ部によって機械的に保持することができる。例示的な実施形態のスペーサプレートは、溶接または移動可能な部品の必要なく、単一の打ち抜き/成型工程で製作することができる。例示的な実施形態のスペーサプレートおよび分割燃料棒集合体は、スペーサプレートの滑りを減少させ、スペーサプレートの滑りに起因する燃料損傷を減少させ残骸腐食によって引き起こされる燃料障害の可能性を減少させることができる。例示的な実施形態のスペーサプレートおよび分割燃料棒集合体は、例示的な実施形態のスペーサプレートを収容する燃料集合体を通り流れる冷却剤の増加する混合を伴う圧力低下の減少をさらにもたらすことができる。
【0006】
例示的な実施形態の核燃料集合体は、軸方向通路内に複数の軸方向燃料棒セグメントを有する、軸方向の、あるいは長手方向の流れ通路を含むことができる。この燃料棒セグメントは、軸方向に互いに脱着可能に対合させることができ、かつ個々に被覆することができる。例示的な実施形態のスペーサプレートは、軸方向に直角な横断方向に通路を差し渡すことができ、このスペーサプレートは、燃料棒セグメント間の少なくとも1つの対併せ部によって通路内に堅固に閉じ込められる。
【0007】
例示的な実施形態は、同様な要素が同様な参照番号によって示され、それらが説明のためのみに与えられ、したがって本明細書での例示的な実施形態を制限するものではない添付の図面を、詳細に説明することによってより明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
例示的な実施形態の詳細な説明のための実施形態が本明細書に開示される。ただし、本明細書で開示される特定の構造的かつ機能的な詳細は、例示的な実施形態を説明する目的のための典型に過ぎない。しかし、この例示的な実施形態は、多くの代替の形態で実施することができ、本明細書に記載される唯一の例示的な実施形態に限定されるとして解釈すべきではない。
【0009】
様々な要素を説明するために用語、第1の、第2の、等が本明細書で使用される場合があるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことは理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素を他の要素から区別するためにのみ使用される。例えば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と名づけることができ、かつ同様に、第2の要素は第1の要素と名づけることができる。本明細書で使用されるとき、用語「および/または」は、1つまたは複数の関連して列挙される品目の任意のかつ全ての組み合わせを含む。
【0010】
ある要素が別の要素に「接続されて(connected)」、「連結されて(coupled)」、「対合されて(mated)」、「取り付けられて(attached)」あるいは「固定されて(fixed)」いると呼ばれるとき、それは他の要素に直接的に接続されまたは連結されていることができ、あるいは介在する要素が存在することができることは理解されるであろう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接的に接続されて(directly connected)」、「直接的に連結されて(directly coupled)」いると呼ばれるとき、介在する要素は全く存在しない。要素間の関係を説明するのに使用される他の言葉は、同様なやり方で解釈すべきである(例えば、「間に(between)」対「直接的に間に(directly between)」、「隣接して(adjacent)」対「直接的に隣接して(directly adjacent)」等)。
【0011】
本明細書で使用される術語は、具体的な実施形態を説明する目的のためのみであり、例示的な実施形態を限定するためのものではない。本明細書で使用されるとき、単数形態「1つの(a, an)」、および「その(the)」は、その言葉が明示的にそうではないと示さない限り複数の形態も同様に含むことを意図している。本明細書で使用されるとき、用語「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、「含む(include)」、および/または「含んでいる(including)」は、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成部品の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成部品および/またはそれらの群の存在または追加を除外しないこともさらに理解されるであろう。
【0012】
いくつかの代替の実施では、言及される機能/作用は図に言及される順序から外れて起きる場合があることにも留意すべきである。例えば、連続して示される2つの図は、実際は実質的に同時に実行される場合があり、あるいは含まれる機能性/作用に応じて時には逆の順序で実行される場合がある。
【0013】
図2は、上端部部片120と下端部部片130の間の部分長の棒セグメント101および全長の棒セグメント102の両方として示される、複数の例示的な実施形態の棒セグメントを示す。上端部部片120と下端部部片130は、例示的な実施形態の燃料集合体100の下側タイプレート16および上側タイプレート14それぞれと対合するためのネジまたは他の対合機構を含むことができる。棒セグメント101および102は、例示的な実施形態の燃料集合体100を取り囲む溝形材12内に配設することができる。
【0014】
図3に示すように、軸方向に隣接する棒セグメントは、直接的にまたはアダプタサブアセンブリを介して互いに相互接続、または対合させることができ、直接接続は、接続点、または対併せ部300の点線円内に全体的に示されている。例示的な実施形態の棒セグメントは、例えば、タング/レセプタ(tang/receptor)、ネジ/ネジ穴、内部マジックテープ(登録商標)(internal hook and loop)等を含む、様々な対合手段によって対合させることができる。例示的な実施形態の棒セグメント110は、棒アセンブリ100の軸方向全長を形成できるように、(図2の)上側部片120と下端部部片130の間でかつ互いに対して取り付けることができる。
【0015】
図4に示すように、例示的な実施形態の棒セグメント110A、例示的な実施形態の棒セグメント110B、および上端部部片120および下端部部片130の各1つは、棒アセンブリ100の軸方向長さに沿った接続点300のところで直接的に、またはアダプタサブアセンブリによって接続することができる。例示的な実施形態の棒セグメント110Aおよび110Bは、製造工程を容易にするために固定長セグメントであることができる。
【0016】
例示的な実施形態の棒セグメントは、耐食性があり他の原子炉構成部品と相性のよい材料から構築することができる。例えば、ジルコニウム合金を例示的な実施形態の棒セグメントを製造するのに使用することができる。例示的な実施形態の燃料棒セグメントが上記で説明されてきたが、「棒セグメント」または「燃料棒セグメント」に対するどのような参照も上記の説明を思い起こさせ、一方では単独で使用される「燃料棒」または「棒」は背景の項で説明された連続した棒を指すことは理解されるであろう。
【0017】
図3および4は、例示的な実施形態の燃料棒セグメント集合体100を形成できるように、複数の例示的な実施形態のスペーサプレート150と組み合わされた複数の対合された例示的な実施形態の棒セグメントを示す。例示的なスペーサプレート150は、例示的な実施形態の集合体100の軸に沿って、対併せ部または接続点300と位置合わせされる。例示的な実施形態のスペーサプレート150は、例えば、例示的な実施形態のスペーサプレート150の連結リング155を貫通する燃料セグメント110の相補的な端部111によって、対併せ部300によって機械的に固定することができる。すなわち、燃料セグメント110の対応する端部が対併せ部300のところで互いに連結されるところでは、例示的な実施形態のスペーサプレート150は、燃料セグメント110の対併せ部によって閉じ込めることができる。以下で論じかつ図示される別の例示的な実施形態は、どのようにそのような閉じ込めを達成することができるかのいくつかの異なる方法を示す。この方法で、例示的な実施形態のスペーサプレート150は、摩擦または溶接なしで、例示的な実施形態の燃料集合体内の軸方向位置で機械的に固定することができる。
【0018】
図5、5Aおよび5Bは、例示的な実施形態のスペーサプレート150を例示的な実施形態の燃料セグメントの対併せ部300に閉じ込める2つの異なる方法を示す。図5に示すように、対併せ部300のところの例示的な実施形態の燃料棒セグメント110Bおよび110Aは、対合することができる相補的な端部111A/111Bおよび112A/112Bをとることができる。この111Aオス対合要素は、機械加工された領域116を含むことができ、一方111Bオス対合要素は、実質的にショルダ147までのネジ148を有することができる。
【0019】
5Aに示すように、対合要素111Aおよび112Aは、タング/レセプタ型式の対併せ部を介して連結することができる。111Aおよび112A形式の対合要素によって完全に対合されるとき、セグメント110Aと110Bの間に接続凹部115を形成することができる。同様に、対合要素111Bおよび112Bは、ネジ穴/ネジ形式の対併せ部を介して連結することができる。図5Aに示すように要素111Bおよび112Bが完全に対合されるとき、ショルダ147およびネジ148の一部分は暴露することができる。
【0020】
図5Bは、どのように様々な例示的な実施形態のスペーサ150を例示的な実施形態の棒セグメント110Aと110Bの間に閉じ込めることができるかを示す。図5Bに示すように、例示的な実施形態のスペーサプレート150は、例示的なセグメント110Aと110Bの対合要素111Aと112Aの周りでかつ/またはそれらを介して、接続凹部116内に嵌合させることができる。対合要素111Aが貫通することができる例示的な実施形態のスペーサプレート150内の環状孔の内径152および外径151は、どのように例示的な実施形態のスペーサプレート150が対合する例示的な実施形態の棒セグメント110Aと110Bの間に機械的に閉じ込められ得るかを示すために、図5Bに影で示されている。同様に、対合要素111Bと112Bは、オス対合要素111B上にねじ込むように内径152上にネジ切り部を含むことができる、例示的な実施形態のスペーサプレート150と一緒にかつそれを通りねじ込むことができる。この方法で、対合要素111Aと112Aまたは111Bと112Bが互いに連結されるとき、例示的な実施形態のスペーサプレート150は、摩擦的な接触力のみではない通常の接触力によって、例示的な実施形態の燃料セグメント110Aまたは110Bのいずれかが軸方向に上下に移動することを防止することができる。同様に、例示的な実施形態のスペーサプレートは、対合要素111A/111Bの周りに嵌合させることによって軸方向に直角な横断方向で固定することができる。(図3に示すように)いくつかの例示的な実施形態の燃料セグメント110が例示的な実施形態の燃料集合体100を形成するように使用される場合は、例示的な実施形態のスペーサプレート150が対併せ部300の軸周りを回転することをさらに防止し、したがって、例示的な実施形態のスペーサプレート150をそれらを収容する例示的な実施形態の燃料棒セグメント集合体に対して並進的にかつ角度的に静止して保持することができる。
【0021】
図5、5Aおよび5Bに示す例示的な実施形態はタング/レセプタおよびネジ穴/ネジ間の対併せ部によって形成される凹部領域内に閉じ込められたスペーサプレートを示すけれども、例示的な実施形態のスペーサプレートは2つの軸方向に隣接する棒セグメントの間の接続点のところで任意の数の他の手段によって保持することができる。例えば、例示的な実施形態のスペーサプレートは、接続点のところで対合要素を貫通しまたは対合要素と相互接続することができ、あるいは2つの軸方向に隣接する燃料棒セグメントの対併せ部によって別の方法で機械的にクランプする、留める等することができる。
【0022】
例示的な実施形態の棒セグメント110およびスペーサプレート150から形成される棒セグメントアセンブリ100が図2〜5Bに示されており、図2〜5Bに示す棒アセンブリ100、棒セグメント110、および/またはスペーサプレート150のうちの1つまたは複数は、例示的な実施形態の燃料集合体内に挿入できることが分かる。例えば、棒アセンブリ100および/またはスペーサプレート150は、図1の燃料集合体10内の燃料棒18および19とスペーサプレート20のうちの1つまたは複数に置き換えることができる。
【0023】
例示的な実施形態の燃料集合体が溶接または摩擦なしで特定の軸方向位置に固定される例示的な実施形態のスペーサプレートを含むので、例示的な実施形態の燃料集合体は、連続する棒の半径方向外側にのみ取り付けられるスペーサプレートを使用する従来型の燃料集合体と比較して、損傷を受け難くすることができ、かつ核分裂生成物の逃げに対する可能性を減少させることができる。例えば従来型のスペーサプレートは、それらが従来型棒と接触する摩擦的な方法に起因して、それらが接触する従来型連続燃料棒に沿って滑り、燃料棒上で磨耗し、または燃料棒の腐食を高める可能性がある。しかしながら、例示的な実施形態のスペーサプレートおよび集合体は、2つの燃料棒セグメント間にスペーサプレートを機械的に固定し、滑りおよび磨耗を防止し、および/または対合要素の剛体のかつ/または非燃料的性質に起因して、核分裂生成物が逃げる可能性のない燃料棒に沿った対合位置に腐食を移動させることによってこれらの問題点を防止しまたは軽減させる。
【0024】
図6は、図2〜5Bに対して上記で論じた例示的な実施形態の燃料集合体に使用することができる例示的な実施形態のスペーサプレート150を示す。図6に示すように、例示的な実施形態のスペーサプレートは、内径151および外径152、流れ孔158、および厚さ159を伴ういくつかの連結リング155を有する実質的に平らなプレートであることができる。この連結リング155は、例示的な実施形態の燃料棒の対合要素が連結リング155を貫通し対併せされ、それによってこの対併せ部のところで連結リング155を固定できるような形状にすることができる。例えば、この連結リングは、それを貫通する例示的な実施形態の燃料セグメントの対合要素の外径に実質的に等しい内径151を伴う環状であることができる。
【0025】
いくつかの間隔保持セグメント156が、隣接する連結リング155を連結しかつ堅固に保持することができ、例示的な実施形態のスペーサプレートに取り付けられる燃料棒セグメントの堅固な間隔保持と振動軽減を与えることができる。この連結リング155および間隔保持セグメント156は、単一の平面を占有し90度間隔で間隔のあけられた連結リング155を有して、図5に格子のような配列で示されている。4つの間隔保持セグメント156が、他の連結リング155と接続するように90度毎に各内部連結リング155の外径152から横断方向に延びることができる。この方法で、例示的な実施形態のスペーサプレート150は、実質的に正方形の形状と各側面に等しい数の連結リング155を有することができる。スペーサプレート150は、棒セグメント110aおよび110b内で横方向に機械的強度を与えるが、スペーサプレート150の材料および関連する機械的強度および弾力性に基づく、棒セグメント110aと110bとの間の差のある伸びのわずかな差に対して調整するように柔軟であるような、厚さ159を有することができる。
【0026】
図6の例示的な実施形態は実質的に正方形であるけれども、連結リング155および間隔保持セグメント156の任意の所望の配置が、様々な燃料集合体形状および棒位置に対応するために可能である。例えば、連結リング155および間隔保持セグメント156の6角形または円形の格子は、それらの形状を有する例示的な実施形態の燃料集合体に対応することができる。同様に、間隔保持セグメント156の任意の数が、様々な規則正しいまたは不規則な位置で各連結リング155を堅固に保持することができる。連結リング155および間隔保持セグメント156は、棒セグメント形状および例示的な実施形態のスペーサプレート150を通り流れる冷却剤の所望の流れ特性に応じて、異なる形状を有することができる。
【0027】
図6に示す例示的な実施形態のスペーサプレート150は、例示的な実施形態の燃料棒セグメント集合体の中央により大きな水ロッドまたは通路を収容する隙間157を含むことができるが、この隙間157は集合体設計に応じて必ずしも存在しない。さらに、この隙間157は、他の、中央位置でない位置に配置することができ、他の、非正方形の形状を有することができる。
【0028】
図5Bおよび6に示すように、例示的な実施形態のスペーサプレート150の環状連結リングの外径152は、その特定の連結リングのところで対合する燃料棒セグメント110の外径と実質的に等しくすることができる。この方法で、例示的な実施形態のスペーサプレート150および燃料棒セグメント110は、例示的な実施形態の燃料棒セグメント集合体を収容する作動している原子炉炉心内で燃料棒セグメントに沿って軸方向に流れる冷却剤に対して連続的な軸方向外形を与えることができる。例示的な実施形態の燃料棒セグメント集合体のこの連続的な外形は、燃料棒から横断方向に延びる従来型のスペーサプレートに対してよく起きる残骸捕捉を減少させることができる。例示的な実施形態のスペーサプレートおよび集合体による捕捉される残骸の減少は、捕捉された残骸は従来型の燃料棒の腐食に寄与する可能性があるので、腐食および核分裂生成物の解放のリスクをさらに減少させることができる。
【0029】
図6に示すように、複数の流れ孔158を連結リング155と間隔保持セグメント156の接点によって形成することができる。冷却剤は、例示的な実施形態の燃料棒セグメント集合体を収容する作動している原子炉炉心内で流れ孔158を通り流れることができる。連結リング155の外径152を、連結リング155に隣接する例示的な実施形態の燃料棒セグメントに実質的に等しくすることができるので、例示的な実施形態のスペーサプレート150を通り流れる冷却剤の圧力低下は、従来型の集合体を貫通する流れ通路のより大きな部分を占有する従来型のスペーサプレートと比較して減少させることができる。すなわち、間隔保持セグメント156のサイズの減少が、より小さな流れ面積を有する従来型のスペーサプレートと比較して例示的な実施形態のスペーサプレート150を通る圧力低下をさらに減少させることができるように、間隔保持セグメント156のみが流れ孔158を通り流れる冷却剤の圧力低下に実質的に寄与することができる。例示的な実施形態の集合体およびスペーサプレートを通るより低い圧力低下に伴って、冷却剤を移動させ炉心を通らせるのに必要なポンプ輸送エネルギー(または、ポンプ輸送ヘッド)を減少させることができる。自然循環プラントの例では、これは結果としてより高い炉心流れ、改善される核効率、および/または熱制限の改善になる。
【0030】
図7は、図6に示す例示的な実施形態と同様ないくつかの要素を有する、別の例示的な実施形態のスペーサプレート170を示し、その冗長な説明は省略される。例示的な実施形態のスペーサプレート170は、異なる例示的な実施形態の燃料集合体水ロッド設計に対応するために、どのように隙間157を代わりの形状にすることができるかを示す。さらに図7は、例示的な実施形態の棒セグメント間の接続点でスペーサを固定する代替の方法を受け入れるために、どのように内径152がネジを含むことができるかを詳細A内に示す。
【0031】
図8に示すように、例示的な実施形態のスペーサプレート160は、例示的な実施形態のスペーサプレート160を含む例示的な実施形態の燃料棒セグメント集合体の流れ通路内に延びるいくつかの混合タブ161も含むことができる。混合タブ161は、連結リング155から例示的な実施形態の集合体の軸方向に対し直角な横断方向に、流れ孔158内に延びることができる。混合タブ161はさらに、例示的な実施形態のスペーサプレート160を通る冷却剤の流れの方向に曲げることができる。1つまたは複数の混合タブが各連結リング155から延びることができる。
【0032】
この混合タブ161は、例示的な実施形態のスペーサプレート160を通り流れる冷却剤内に、渦および流れ捩れなどの乱れまたは代替の流れパターンを誘起することができる。この混合タブは、より良好な冷却剤混合したがって例示的な実施形態の棒セグメントから冷却剤への熱伝達をもたらすことができる。さらに、この混合タブ161は、特定の流れ通路を通る所望の流れおよび混合パターンを達成させるためにサイズおよび形態を変更することができる。例えば、より大きな混合タブ161は、対応する流れ孔158を通る流量を減少させる場合があり、一方曲がっていないまたは険しい縁部を有する混合タブ161は、冷却剤流れ内により多くの乱れおよび圧力低下を誘起する場合がある。
【0033】
例示的な実施形態のスペーサプレート160は、周囲連結リング155から延びる1つまたは複数のスプリングタブ154をさらに含むことができる。スプリングタブ154は、隣接するスペーサプレート160間の所望の間隔を位置決めし、かつ/または維持することができ、それによってスペーサプレート160を収容する例示的な実施形態の燃料集合体間の同様な位置決めおよび/または間隔を維持することができる。スプリングタブ154は、例示的な実施形態のスペーサプレート160と全体的に連続であることができる。別法として、スプリングタブ154は、溶接、半田付け、リベット等を含む任意の適切な手段によってスペーサプレート160に連結することができる。スプリングタブ154は、このスプリングタブ154が軸方向で上向きまたは下向きにも延びることができるように、ある角度で連結リング155から延びることができる。スプリングタブ154は、動作サイクルの全体を通して集合体形状の変化に対応するようにある程度の弾力性で隣接する燃料集合体の間の堅固な間隔保持を可能にする、以下で論じるスペーサプレート160のものと同様な材料から作ることができる。この方法で、スプリングタブ154は、集合体内の実際の燃料棒に触れるかつ/または腐食させることなしに、炉心内でいくつかの軸方向スペーサプレート位置のところで隣接する燃料集合体を堅固に位置合わせすることができる。
【0034】
例示的な実施形態のスペーサプレートは、例示的な実施形態の燃料セグメントおよび集合体を適切に間隔をあけさせかつ維持し、隣接する棒間の軸方向の異なる伸びのわずかな差を可能にするのに必要な柔軟性をもたらすことができるように、作動する原子炉炉心内の状態と相性のよい、かつ最小限の剛性を維持するいくつかの異なる種類の材料から製作することができる。例えば、従来型の原子炉炉心環境で使用されるジルコニウムを含有する知られた耐食性合金を例示的な実施形態のスペーサプレートを製作するために使用することができる。別法として、原子炉炉心の状態と相性のよい耐食性ステンレス鋼または他の材料を使用することができる。
【0035】
例示的な実施形態のスペーサプレートは、多数の部品の組み立てまたは溶接を必要とせず、したがって内部的に連続であることができるので、それらは適切な材料シートからの単一の打ち抜きで製作することができる。この簡単な製作工程が、製作コストを減少させ、作動している炉心内にかつ内側に挿入する前の例示的な実施形態のスペーサプレートおよび燃料集合体の検査を容易にすることができる。
【0036】
上記で述べたように例示的な実施形態が説明されたが、例示的な実施形態は日常的な実験およびさらなる発明的な活動なしで変更できることを当業者は理解するであろう。変形形態はこの例示的な実施形態の趣旨および範囲から逸脱したものと見なされるべきではなく、当業者に対し明らかであろうような全てのそのような改変は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】アセンブリに摩擦的に固定されるスペーサプレートを有する従来技術の燃料アセンブリの図である。
【図2】例示的実施形態のスペーサプレートを含む例示的な実施形態の分割燃料棒アセンブリの図である。
【図3】部分的に組み立てられた例示的実施形態の分割燃料棒アセンブリの詳細図である。
【図4】例示的実施形態のスペーサプレートを有する、例示的実施形態の分割燃料棒セグメントの図である。
【図5】例示的実施形態のスペーサプレートなしで対合する前を示す、例示的実施形態の燃料棒セグメントの詳細図である。
【図5A】例示的実施形態のスペーサプレートなしで対併せされた後を示す、図5の例示的実施形態の燃料棒セグメントの詳細図である。
【図5B】間に接続された例示的実施形態のスペーサプレートと対併せされた後を示す、図5の例示的実施形態の燃料棒セグメントの詳細図である。
【図6】例示的実施形態のスペーサプレートの図である。
【図7】別の例示的実施形態のスペーサプレートの図である。
【図8】別の例示的実施形態のスペーサプレートの図である。
【符号の説明】
【0038】
10 BWR核燃料集合体アセンブリ/例示的な実施形態の燃料集合体
12 外側通路
14 上側タイプレート
16 下側タイプレート
20 スペーサ/スペーサ格子プレート
22 タブなしの水ロッド
24 タブなしの水ロッド
100 燃料棒アセンブリの全、軸方向長さ/棒セグメントアセンブリ(5X)
101 部分的な燃料棒アセンブリの軸方向長さ
部分長の分割された燃料棒101
110 燃料棒セグメント
110a 例示的な実施形態の燃料セグメント
110b 例示的な実施形態の燃料セグメント
111 対合要素/相補的端部
111a 対合要素/相補的端部
112 対合要素/相補的端部
114a アダプタアセンブリ302のサブアダプタ(オス)
114b アダプタアセンブリ302のサブアダプタ(メス)
115 オスサブアダプタ114a上の機械加工された凹部領域
116 機械加工された緩衝域/オス端部プラグ
146 例示的な実施形態のスペーサ170のみの、ネジ切りされた孔
147 オスサブアダプタ114a上のショルダ
148 オスサブアダプタ114a上の接続ネジ
150 例示的な実施形態のスペーサ150、160および170
151 連結リング155の外径
152 連結リング155の内径
155 材料156の接合部/ストリップにより相互接続される、連結リング155
156 連結部によって相互接続される、連結リング155
157 スペーサ格子プレート内の水ロッド領域の隙間/開口部
158 冷却剤流れ特性
159 例示的な実施形態のスペーサ150、160および170の厚さ
160 例示的な実施形態のスペーサ150、160および170
161 混合タブ
170 例示的な実施形態のスペーサ150、160および170
300 対併せ部/接続点
302 アダプタサブアセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝形材(12)内に軸方向に配設される複数の燃料棒(110)であって、少なくとも1つの燃料棒(110)が前記軸方向に互いに脱着可能に対併せされかつ個々に被覆される複数の燃料棒セグメント(110)から形成される燃料棒(110)と、
前記燃料棒セグメント(110)の間の少なくとも1つの対併せ部(300)によって前記溝形材内に堅固に閉じ込められた、前記軸方向に対し直角な横断方向に前記溝形材(12)を差し渡す少なくとも1つのスペーサプレート(150)とを備える、核燃料集合体(10)。
【請求項2】
前記スペーサプレート(150)が連続であり、溶接されておらず、かつ穿孔されていることを特徴とする請求項1記載の集合体。
【請求項3】
前記スペーサプレート(150)が、作動する原子炉炉心環境内でその物理的特性を実質的に維持するように設計される材料から作製されることを特徴とする請求項1記載の集合体。
【請求項4】
前記スペーサプレート(150)が、ジルコニウムを含む合金から作製されることを特徴とする請求項3記載の集合体。
【請求項5】
前記スペーサプレート(150)が、複数の間隔保持セグメント(156)によって相互接続される複数の連結リング(155)を含むことを特徴とする請求項1記載の集合体。
【請求項6】
前記連結リング(155)の各々が、前記スペーサプレート(150)を対併せされた第1と第2の燃料棒セグメント(110)の間に閉じ込めることができるように、接続部材を第1の燃料棒セグメント(110)から前記連結リング(155)を貫通し第2の燃料棒セグメント(110)の収容部材内に入れることができる、内径(152)と厚さ(159)を有し、
前記連結リング(155)の各々が、前記第1および第2の燃料棒セグメント(110)のうちの少なくとも1つの直径と実質的に等しい外径(151)を有し、
かつ隣接する連結リング間の前記間隔保持セグメント(156)の各々が、前記リングを堅固な間隔で間隔をあけるように構成される長さを有し、前記間隔保持セグメント(156)が前記隣接する連結リングと連続であることを特徴とする請求項5記載の集合体。
【請求項7】
前記スペーサプレート(150)が前記連結リング(155)のうちの1つに接続される少なくとも1つの混合タブ(161)を含み、前記混合タブ(161)が前記スペーサプレート(150)を通り流れる冷却剤を混合するように構成されることを特徴とする請求項6記載の集合体。
【請求項8】
前記連結リング(155)および間隔保持セグメント(156)が、前記集合体内の少なくとも1つの隙間(157)を画成することを特徴とする請求項6記載の集合体。
【請求項9】
前記スペーサプレート(150)が、前記スペーサプレート(150)の周囲から延びる少なくとも1つのスプリングタブ(154)を含み、前記少なくとも1つのスプリングタブ(154)が前記燃料集合体(10)の相対的な横断方向位置を維持するように構成されることを特徴とする請求項1記載の集合体。
【請求項10】
間隔保持セグメント(156)によって接続される複数の連結リング(155)を有するプレート(150)を備え、前記プレートが平面であり溶接されておらず、前記連結リング(155)が、燃料棒セグメント(110)からの接続部材が前記連結リング(155)を貫通できる内径(152)を有する、核燃料集合体用のスペーサプレート(150)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−133856(P2009−133856A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295094(P2008−295094)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(508177046)ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナージー・アメリカズ・エルエルシー (101)
【氏名又は名称原語表記】GE−HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC