説明

固形描画材

【課題】 従来公知の流動パラフィンなどの油脂類やカルナバワックスなどのワックス類、更に粘着性を付与するテルペン樹脂など用いた固形描画材よりも軽い書き味にて良好な発色性を有し、更に重ね塗りにおいてはカス出が非常に少ない固形描画材を提供する。
【解決手段】 着色材と、ポリブテンと、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、非結晶ポリプロピレン、エチレン−極性モノマー共重合体、ポリエチレン、ポリイソブチレン、非晶性ポリα−オレフィンから選ばれる1種もしくは2種類以上からなる混合物とを少なくとも含有する固形描画材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレヨン、パステル、固形修正具、色鉛筆芯など、着色材を、結合材、体質材などと混練、成形して得られる、描画対象物に擦られる事によって自己が摩耗して描画対象物に着色材を付着させて描画跡を形成する固形描画材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、クレヨン、パステル、固形修正具、色鉛筆芯などの固形描画材は、有機系顔料、無機系顔料などの着色材と、粘土、ベントナイト、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン樹脂などの結合材と、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等の体質材と、カルナバワックス、ポリエチレンワックスなどの摩耗性付与材とを混練し、必要に応じて水、メチルエチルケトン(MEK)等の溶剤を加えたものを成形して得られている。
【0003】
また色鉛筆芯においては、シャープペンシル用の細径芯として、ベントナイト、カオリン、クレーなどの粘土質結合材と塩化ビニル樹脂などの有機系結合材とを併用し、タルク、窒化ホウ素などの体質材を用い雰囲気調整をしながら熱処理を施して得た白色焼結芯体に染料などを浸み込ませ着色化する色鉛筆芯において、染料を浸み込ませる前の芯体をペルヒドロポリシラザンのキシレン溶液中に数回浸漬して熱処理することにより、熱処理により有機系結合材が飛散して形成された気孔中に窒化ケイ素骨格を幾重にも生成させて強度を向上した白色焼結芯体を形成し、この白色焼結芯体に染料を浸み込ませた色鉛筆芯が提案されている
【0004】
このような固形描画材は、固形描画材自身が紙面に対して摩耗により付着もしくは定着させて筆跡や描画跡を形成する、着色粉をより多く固形描画材から摩耗させれば濃い筆跡が得られる。よって、摩耗が促進される物質として、流動パラフィン、鉱物油などの油脂類、カルナバワックス、モンタンワックスなどのワックス類を、固形描画材に使用することが知られている(特許文献1)。
また、摩耗した着色粉を紙面に定着させるものとして、ワックスとテルペン樹脂及び/又はテルペン樹脂誘導体とからなる固形修正具が知られている(特許文献2)。
【特許文献1】特開平03−221574号公報
【特許文献2】特開平04−189199号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明のように、発色性の向上のために摩耗を促進させる流動パラフィン、鉱物油などの油脂類やカルナバワックス、モンタンワックスなどのワックス類を使用した固形描画材の筆跡は、これら油脂類やワックス等が潤滑作用をも付与するので、紙面の表面において繊維の凸部分には着色粉が定着し難いことがあり、描画で同一箇所を再度塗り込む重ね塗りなどでは、擦過で空滑りした着色粒子がカス出となり紙面を汚したりしてしまう不具合があった。
また、特許文献2に記載の発明のように、テルペン樹脂をワックスと併用することで得られる固形描画材の筆跡は、着色粉が紙面に比較的均一に被覆した状態となるが、テルペン樹脂の軟化点は高いことから硬度が硬く、更に粘着性を有しているので、運筆タッチが重く、大きな荷重で描画することとなり、重ね塗りなどでは一度塗布した所を剥がしてしまい、厚みがあって隠蔽性の高い濃い筆跡が得られ難いとの問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本発明は、着色材と、ポリブテンと、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、非結晶ポリプロピレン、エチレン−極性モノマー共重合体、ポリエチレン、ポリイソブチレン、非晶性ポリα−オレフィンから選ばれる1種もしくは2種類以上からなる混合物とを少なくとも含有する固形描画材を要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
粘着性を有する液状のポリブテンを含有する固形描画材は、液状のポリブテンが着色粒子間に均一に分散するので、比較的低荷重で筆記して着色粒子を紙面に固着させることが出来る、また、低荷重での筆記により同一箇所を塗り足す重ね塗りをした際には、塗布した所を剥がす機会が極力低減出来、更に、ポリブテンと比較して元に戻ろうとする特性に強い、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、非結晶ポリプロピレン、エチレン−極性モノマー共重合体、ポリエチレン、ポリイソブチレン、非晶性ポリα−オレフィンのいずれかを含有する固形描画材は、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、非結晶ポリプロピレン、エチレン−極性モノマー共重合体、ポリエチレン、ポリイソブチレン、非晶性ポリα−オレフィンの元に戻ろうとする特性によって、擦過の際に生じた着色粒子が飛散してカス出とならないように描画面へ戻そうとする力も働き、結果としてこれら相互作用で塗膜面が厚くなり隠蔽性が向上する。よって、軽い筆記感と少ないカス出、及び濃い筆跡とを両立することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
ポリブテンは、例えば、イソブチレンを重合したもの、あるいはイソブチレンと少量の炭素数4のオレフィンとを共重合したもの、ナフサ分解により生成するC留分のうちブタジエンを除いたブタン−ブテン留分の一部を重合することによって得られるもので、代表的な市販品としては、新日本石油化学(株)製のLV−50、LV−100、HV−15、HV−35、HV−50、HV100、HV300、HV1900、HV3000、出光石油化学(株)製のOH、5H、10H−T、15H、2000H、15R、35R、100R、300R、日本油脂(株)製の0N、06N、015N、3N、5N、10N、30N、200N等がある。これらポリブテンの使用量は、揮発溶剤分を除く固形描画材全量に対して1重量%以上20重量%以下が良い。1重量%より少ない使用量であると軽い加重での描画が困難であり更に、着色粒子を紙面に固着させることが困難になり、20重量%を超える使用量では、発色性は得られるが粘着性が大きくなり軽い筆記感が得られなくなる。
【0009】
エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、非結晶ポリプロピレン、エチレン極性モノマー共重合体、ポリエチレン、ポリイソブチレン、非晶性ポリα−オレフィンは、これらを使用して得られた固形描画材にて描画したとき、紙面との擦過で摩耗した着色粒子同士が飛散せず描画塗布面に戻ろうとする特性を付与するものである。
エチレン−プロピレン−ブテン共重合体は、数平均分子量2000以上50000以下で、最も重ね塗りで擦過の際に生じる着色粒子を紙面にもどす特性が発揮され、軽い筆記間が得られる。この三元共重合体を構成する単量体単位の割合はエチレンとプロピレンとのモル比が50:50ないし1:99の範囲が飛散しようとする着色粒子を戻す特性が最も得られやすい。更にエチレンとプロピレンの合計とブテンとのモル比が15:85ないし85:15の範囲が飛散した着色粒子をもどす特性が良く発揮され、軽い筆記感が得られる。ブテンの割合が少ないと飛散した着色粒子をもどす特性が低下してカス出が多くなり、ブテンの割合が多いと粘着性が大きくなり、筆記感が重く悪化してしまう。
この三元共重合体は、これら3成分から構成されていればよく、その形式はランダム型、ブロック型、グラフト型のいずれも使用可能である。このエチレン−プロピレン−ブテン共重合体の使用量は、固形描画材全量(揮発成分が配合されている場合には、この揮発溶剤分を除く)に対し、0.3重量%以上5重量%以下が良い。配合割合がこの範囲に満たない場合には、十分な着色粉の移動抑制効果が得られないが、他の非結晶ポリプロピレン、エチレン極性モノマー共重合体、ポリエチレン、ポリイソブチレン、非晶性ポリα−オレフィンで補うこともできる。
【0010】
非結晶性ポリプロピレンは、主にアタクチック構造からなるもので、例えば、結晶性ポリプロピレン製造の際に副生する非結晶性ポリプロピレンである。非結晶性ポリプレンには数%程度の結晶性プロピレンを含有しているものも含まれ、この非結晶性ポリプロピレンの使用量は固形描画材全量(揮発成分が配合されている場合には、この揮発溶剤分を除く)に対し、0.2重量%以上5重量%以下が良い。配合割合がこの範囲に満たない場合には、十分な着色粉の移動抑制効果が得られないが、他のエチレン−プロピレン−ブテン共重合体、エチレン極性モノマー共重合体、ポリエチレン、ポリイソブチレン、非晶性ポリα−オレフィンで補うこともできる。
【0011】
エチレン−極性モノマー共重合体は、極性モノマーとしてエチレンと共重合可能な、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸、一酸化炭素、あるいはこれら2種類以上を任意に組み合わせて使用でき、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−酢酸ビニル共重合体などであり、特にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)およびエチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)が上げられる。これらの共重合体は極性モノマーの含有量が1〜30重量%好ましくは2重量%以上28重量%以下が重ね塗りした際の擦過で飛散した着色粒子をもどす特性が発揮されやすく、筆記感が重くなりにくい。これらエチレン−極性モノマー共重合体の使用量は、固形描画材全量(揮発成分が配合されている場合には、この揮発溶剤分を除く)に対し0.1重量%以上3重量%以下が良い。配合割合がこの範囲に満たない場合には、十分な着色粉の移動抑制効果が得られないが、他のエチレン−プロピレン−ブテン共重合体、非結晶ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、非晶性ポリα−オレフィンで補うこともできる。
【0012】
ポリエチレンは、エチレンを重合することによって得られる。このポリエチレンの使用量は固形描画材全量(揮発成分が配合されている場合には、この揮発溶剤分を除く)に対し、0.1重量%以上3重量%が良い。配合割合がこの範囲に満たない場合には、十分な着色粉の移動抑制効果が得られないが、他のエチレン−プロピレン−ブテン共重合体、非結晶ポリプロピレン、エチレン−極性モノマー共重合体、ポリイソブチレン、非晶性ポリα−オレフィンで補うこともできる。
【0013】
ポリイソブチレンは、イソブチレンを重合することによって得られる。ポリイソブチレンの使用量は、固形描画材全量(揮発成分が配合されている場合には、この揮発溶剤分を除く)に対し、0.1重量%以上2重量%以下が良い。配合割合がこの範囲に満たない場合には、十分な着色粉の移動抑制効果が得られないが、他のエチレン−プロピレン−ブテン共重合体、非結晶ポリプロピレン、エチレン−極性モノマー共重合体、ポリエチレン、非晶性ポリα−オレフィンで補うこともできる。
【0014】
非晶性ポリα−オレフィンは、C〜Cの炭素数を有するエチレン炭化水素を単独あるいは2つ以上よりなる共重合体あるいはこれらとエチレンとの共重合体である。具体的には、非晶性プロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、またはこれらにヘキセン等を共重合させたもの等を挙げることができる。その使用量は、固形描画材全量(揮発成分が配合されている場合には、この揮発溶剤分を除く)に対し0.1重量%以上3重量%以下が良い。配合割合がこの範囲に満たない場合には、十分な着色粉の移動抑制効果が得られないが、他のエチレン−プロピレン−ブテン共重合体、非結晶ポリプロピレン、エチレン−極性モノマー共重合体、ポリエチレン、ポリイソブチレンで補うこともできる。
【0015】
本発明で使用する固形描画材の材料としては、上記以外に、賦形させるための樹脂、粘土、ベントナイトなどの結合材と、タルクやマイカなどの体質材、各種無機、有機系顔料などの着色材などを配合し使用することができる。また本発明の効果の効果で述べる着色粉を紙面に定着させる特性を低下させない範囲で、カルナバワックスやパラフィンワックスなどのワックス類、ステアリン酸、各種ステアリン酸金属塩、流動パラフィン、αオレフィンオリゴマーなどの油脂類を使用することができ、その使用量は使用するワックス類、油脂類の種類にもよるが固形描画材全量(揮発成分が配合されている場合には、この揮発溶剤分を除く)に対して、概ね30重量%以下であればよい。
【0016】
結合材としては、ポリスチレン、ポリスチレンブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル−スチレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、マレイン酸重合物、ポリエステルポリオール樹脂、ポリエステルポリエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が使用できる。これらは単独で用いても、2種以上を併用しても構わない。上述したこれら結合材の使用は、得られた固形描画材の賦形効果を奏するものであるが、使用量によっては本発明の効果で述べる軽い書き味の特性を低下させる恐れがあるので、使用する結合材の種類にもよるが固形描画材全量(揮発成分が配合されている場合には、この揮発溶剤分を除く)に対して、概ね40重量%以下であればよい。
【0017】
体質材としては、タルク、マイカ、カオリンクレー、ベントナイト、雲母、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、板状アルミナ、硫酸マグネシウム、窒化ホウ素などや有機板状体質材としてN−ラウロイル−β−アラニンの各種金属塩などを任意に使用でき、これらは単独で用いても、2種以上を併用しても構わない。上述したこれら体質材の使用は、固形描画材の摩耗促進材として働きながら、描画時の滑り性も付与するので、本発明の効果で述べる着色粉を紙面に定着させる特性を低下させる恐れがあり、使用する体質材の種類にもよるが固形描画材全量(揮発成分が配合されている場合には、この揮発溶剤分を除く)に対して、概ね60重量%以下であれば本発明の効果を低下させることはない。その他に押出成型時に配向性を促す繊維状物としてチタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、二酸化チタンウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、硫酸カルシウムウィスカー、硫酸アルミニウムウィスカー、硼酸アルミニウムウィスカー等も同様に使用出来、これら補強剤の使用は結合材の賦形効果を補助する目的で使用されるので結合材と同様に書き味の低下が少ない範囲での使用が好ましく、使用する補強剤の種類にもよるが固形描画材全量(揮発成分が配合されている場合には、この揮発溶剤分を除く)に対して、概ね30重量%以下であれば問題なく使用することが出来る。
【0018】
着色材としては、特に限定されず、天然系、合成系各種染料や無機系、有機系各種顔料を任意に使用することができる。染料としては、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラック200−L(同19)、ウォーターブラック♯7(同19)、カヤセットブラックW9(同19)、ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトディープブラック(同38類似品)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤクダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー)、ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンプリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンプリムラビンコンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンプリムラレッド4BH(同81)、カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、ベンゾブリリアントスカイブルー8GS(同41)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー♯3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、ダイワブルー215H(同87)、カヤラススプラルブルーFFRL(同108)、カヤラススプラルブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラクターコイズブルーFBL(同199)等の直接染料やアシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、ウォーターブラックR455(同2)、ウォーターブラックR510(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、カヤノールミリングブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラウニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)、アシッドイエロー♯10(C.I.アシッドエロー1)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(同7:1)、カヤシルエローCG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ウォーターイエロー♯1(同23)、ダイワダートラジン(同25)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエロー0(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターイエロー♯6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、ウオータースカーレット(同18)、ダイワ赤色102号(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、ダイワ赤色106号(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アリザリンルビノール5G(同83)、アイゼネオシンGH(同87)、ウオーターレッド♯2(同87)、ダイワ赤色103WB(同87)、ウオーターピンク♯2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ダイワ赤色104号(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(同17)、ウォーターバイオレット♯1(同49)、インキバイオレットL10(同49)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー♯106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー♯9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、インキブルーL20(同9)、スプラノールブルーB(同15)、ウォーターブルー♯116(同15)、オリエントスルブルブルーOBX(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーR(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/e(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー♯105(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スプラノールシアニン7BF(同100)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、アシッドブルー(同103)、アシランブリリアントブルーFFR(同104)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールシアニン2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アッシッドブリリアントミリンググリーン(同9)、ダイワグリーン♯70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)、ウォーターオレンジ♯17(C.I.アシッドオレンジ56)等の酸性染料、ウオーターイエロー♯2(C.I.フードエロー3)、食品用黄色5号(C.I.フードエロー3)、食品用赤色3号(C.I.フードレッド14)、食品用青色2号(C.I.アシッドブルー74)、食品用緑色2号(C.I.アシッドグリーン5)等の食用染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、ローダミンF4G(C.I.45160)、ローダミン6GCP(C.I.45160)等の塩基性染料が挙げられる。
【0019】
顔料としてはSpecial Black6、同S170、同S610、同5、同4、同4A、同550、同35、同250、同100、Printex 150T、同U、同V、同140U、同140V、同95、同90、同85、同80、同75、同55、同45、同P、同XE2、同L6、同L、同300、同30、同3、同35、同25、同200、同A、同G(以上、デグサ・ジャパン(株)製)、♯2400B、#2350、#2300、#2200B、#1000、#950、#850、#MCF88、MA600、MA100、MA7、MA11、#50、#52、#45、#44、#33、#32、#30、CF9、#20B、#4000B(以上、三菱化成(株)製)、MONARCH 1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、MOGUL L、REGAL 400R、同660R、同500R、同330R、同300R、同99R、ELFTEX 8、同12、BLACK PERALS 2000(以上、米国、キャボットCo.LTD製)、Raven7000、同5750、同5250、同5000、同3500、同2000、同1500、同1255、同1250、同1200、同1170、同1060、同1040、同1035、同1020、同1000、同890H、同890、同850、同790、同780、同760、同500、同450、同430、同420、同410、同22、同16、同14、同825Oil Beads、同H20、同C、Conductex 975、同900、同SC(以上、コロンビヤン・カーボン日本(株)製)などのカーボンブラック、KA−10、同10P、同15、同20、同30、同35、同60、同80、同90、KR−310、同380、同460、同480(以上、チタン工業(株)製)、P25(日本アエロジル(株)製)などの粒子状酸化チタン、BS−605、同607(以上、東洋アルミ(株)製)、ブロンズパウダーP−555、同P−777(以上、中島金属箔工業(株)製)、ブロンズパウダー3L5、同3L7(以上、福田金属箔工業(株)製)などの金属粉顔料、また、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム等の無機顔料、ハンザエロー−10G、同5G、同3G、同4、同GR、同A、ベンジジンエロー、パーマネントエローNCCG、タートラジンレーキ、キノリンエロー、スダーン1、パーマネントオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGN、パーマネントブラウンFG、パラブラウン、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミン6B、ボルドー5B、チオインジゴレッド、ファストバイオレットB、ジオキサンバイオレット、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、インジゴ、アシッドグリーンレーキ、フタロシアニングリーン等の有機顔料などが挙げられる。また、この他に硫化亜鉛、珪酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウム等の無機蛍光顔料が挙げられる。
【0020】
本発明において、上記材料を固形描画材として成形するに際して、これら配合材料を任意に配合し、使用する結合材の特性によっては水、メチルエチルケトン、アルコール等の極性溶剤や、トルエン等の無極性溶剤を任意に使用しながら、ヘンシェルミキサー、ボールミル、ロールミル等の攪拌、粉砕、分散機により混練を行い、クレヨンやパス等は加熱溶融しながら型入れした後、冷却し成形する方法が採用できる。更に、色鉛筆芯などの場合には、若干溶剤分を残存させた材料を縦型押し出し機用のシリンダーに装填し、油圧ピストンでシリンダー内材料を押し出し成形し、含まれる有機溶剤については乾燥機を利用して強制乾燥する等、従来公知の方法を採用することができる。
【0021】
また、白色焼結色芯への使用に際しては、含浸成分の各種染料と混合して含浸成分として使用しても差し支えはないが、従来公知の含浸成分である流動パラフィン、シリコーン油やスピンドル油、スクワラン、α―オレフィンオリゴマーなどと任意の割合で混合しても良い。その際の含浸方法として、加熱した含浸成分中に芯体を浸漬する加温による方法、または減圧、加圧して含浸する方法、有機溶剤で希釈させ流動性を上げてから含浸する方法等を用いることできる。含浸後は適宜、遠心分離機などで焼成芯体表面の余分な含浸成分を除去して焼結色芯とすれば良い。
【実施例】
【0022】
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
(混合物1の調合)
ポリブテンHV100(ポリブテン、新日本石油化学(株)製) 90重量部
ベストプラスト508(エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体、構成モル比:エチレン:プロピレン:ブテン=5:30:65、ヒュルス社製) 10重量部
<実施例1>
ニトロセルロース(結合材) 25重量部
混合物1 5重量部
タルク(体質材) 30重量部
ステアリン酸 10重量部
プロピレンカーボネート(可塑材) 5重量部
カーボンブラック(着色材) 25重量部
メチルエチルケトン(溶剤) 100重量部
上記材料を配合して、ヘンシェルミキサーで分散後、3本ロールで混練およびさらなる分散を行い、溶剤分を調整しながら縦型押し出し機で成形後、残存溶剤分を完全に除くため80℃で8時間乾燥して、直径が2.0mmの黒色の色鉛筆芯を得た。
【0023】
<実施例2>
実施例1において、混合物1を下記混合物2とした以外は実施例1と同様にして黒色の色鉛筆芯を得た。
(混合物2の調合)
ポリブテンHV100(ポリブテン、新日本石油化学(株)製) 90重量部
APP−B(非結晶性ポリプロピレン、徳山曹達(株)製) 10重量部
【0024】
<実施例3>
実施例1において、混合物1を下記混合物3とした以外は実施例1と同様にして黒色の色鉛筆芯を得た。
(混合物3の調合)
ポリブテンHV100(ポリブテン、新日本石油化学(株)製) 90重量部
エバフレックス♯210(エチレン−アクリル酸エチル共重合体、三井ポリケミカル(株)製) 10重量部
【0025】
<実施例4>
実施例1において、混合物1を下記混合物4とした以外は実施例1と同様にして黒色の色鉛筆芯を得た。
(混合物4の調合)
ポリブテンHV100(ポリブテン、新日本石油化学(株)製) 90重量部
レクスロン(ポリエチレン、新日本石油化学(株)製) 10重量部
【0026】
<実施例5>
実施例1において、混合物1を下記混合物5とした以外は実施例1と同様にして黒色の色鉛筆芯を得た。
(混合物5の調合)
ポリブテンHV100(ポリブテン、新日本石油化学(株)製) 90重量部
ビスタネックスMML120(ポリイソブチレン、エッソ社製) 10重量部
【0027】
<実施例6>
実施例1において、混合物1を下記混合物6とした以外は実施例1と同様にして黒色の色鉛筆芯を得た。
(混合物6の調合)
ポリブテンHV100(ポリブテン、新日本石油化学(株)製) 70重量部
ビスタネックスMML120(ポリイソブチレン、エッソ社製) 30重量部
【0028】
<実施例7>
カーボンブラック(着色材) 30重量部
ポリエチレン(結合材) 10重量部
タルク(体質材) 26重量部
流動パラフィン(油脂) 1重量部
ステアリン酸アミド(滑材) 3重量部
混合物1 5重量部
155°パラフィンワックス(ワックス) 15重量部
ポリエチレンワックス(ワックス) 10重量部
上記材料をヘンシェルミキサーで加熱溶融して混合した後冷却しペレット化したものを成型機にて射出成形し直径3.0mmの黒色の色鉛筆芯を得た。
【0029】
<実施例8>
窒化ホウ素(体質材) 40重量部
塩化ビニル樹脂(結合材) 40重量部
ジオクチルフタレート(可塑剤) 14重量部
ステアリン酸亜鉛(摩耗性付与材) 1重量部
メチルエチルケトン(溶剤) 100重量部
上記、材料を配合してヘンシェルミキサーで混合分散し、ロ−ルで混練した後、細線状に押し出し成形し、空気中180℃で熱処理し、残留する可塑剤を除去し、更に窒素雰囲気中1000℃で熱処理して、樹脂成分が炭化した焼成芯体を得、この焼成芯体を空気中700℃で熱処理して、残留している炭化した樹脂成分を除去して白色の焼成芯体(ア)(気孔率47.8%)を得た。この焼成芯体(ア)をペルヒドロポリシラザン含有キシレン溶液(ペルヒドロポリシラザンの含有量20wt%)中に浸漬させ、焼成芯体(ア)の気孔中に当該ペルヒドロポリシラザン含有キシレン溶液を含浸させた後に、アルミナなどの耐熱容器に入れ窒素雰囲気中500℃で熱処理して焼成芯体(イ)を得た。この焼成芯体(イ)を、再度ペルヒドロポリシラザン含有キシレン溶液中に浸漬し、その気孔中にペルヒドロポリシラザン含有キシレン溶液を含浸させた後に、再度耐熱容器に入れ窒素雰囲気中500℃で熱処理して、焼成芯体の気孔中に窒化珪素前駆体ポリマーを生成した焼成芯体(ウ)を得た。得られた焼成芯体(ウ)を、更に耐熱性容器に入れ窒素雰囲気中1250℃で熱処理し、気孔中に窒化珪素を生成した直径0.570mmの白色の焼成芯体(エ)(気孔率21.3%)を得た。この白色焼結芯体(エ)を100℃に加熱した下記の混合物7に10時間浸漬し、気孔中に混合物7を含浸させた後、表面上の余分な混合物7を除去して緑色の焼結色鉛筆芯を得た。
(混合物7の調合)
ブリリアントグリーンGX(緑色インキ) 21重量部
流動パラフィン 20重量部
ポリブテンHV100(ポリブテン、新日本石油化学(株)製) 80重量部
ベストプラスト508(エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体、構成モル比:エチレン:プロピレン:ブテン=5:30:65、ヒュルス社製) 20重量部
【0030】
<実施例9>
ニトロセルロース(結合材) 25重量部
ポリブテンHV100(ポリブテン、新日本石油化学(株)製) 3.5重量部
ビスタネックスMML120(ポリイソブチレン、エッソ社製) 1.5重量部
タルク(体質材) 30重量部
ステアリン酸 10重量部
プロピレンカーボネート(可塑材) 5重量部
カーボンブラック(着色材) 25重量部
メチルエチルケトン(溶剤) 50重量部
メチルシクロヘキサン(溶剤) 50重量部
上記材料を配合して、ヘンシェルミキサーで分散後、3本ロールで混練およびさらなる分散を行い、溶剤分を調整しながら縦型押し出し機で成形後、残存溶剤分を完全に除くため80℃で8時間乾燥して、直径2.0の黒色の色鉛筆芯を得た。
【0031】
<比較例1>
実施例1において、混合物1の代わりにテルペン樹脂(PX800 ヤスハラケミカル(株)製)に代えた以外は全て実施例1と同様にして黒色の描画材を得た。
【0032】
<比較例2>
実施例7において、混合物1の代わりにテルペン樹脂(PX800 ヤスハラケミカル(株)製)に代えた以外は全て実施例7と同様にして黒色の描画材を得た。
【0033】
<比較例3>
実施例8において、混合物7のHV100、ベストプラスと508をテルペン樹脂PX800 ヤスハラケミカル(株)製)に代えた以外は全て実施例8と同様にして緑色の焼結色鉛筆芯を得た。
【0034】
<比較例4>
実施例1において、混合物1を使用しない以外は実施例1と同様にして黒色の描画材を得た。
【0035】
<比較例5>
実施例7において、混合物1を使用しない以外は実施例7と同様にして黒色の描画材を得た。
【0036】
<比較例6>
実施例8において、混合物7中のポリブテンHV100及びベストプラスト508を除き、ブリリアントグリーンGXを20重量部及び流動パラフィンを80重量部に換えた以外は実施例8と同様にして緑色の焼結色芯を得た。
【0037】
以上、各例で得られた固形描画材について、JIS S 6005(2000年版)に基づいたレコード式画線機にて描画した描画跡の濃度(単位;D)を測定した。色鉛筆芯については予め市販の鉛筆削り機で先端をφ0.6mmとなるように削ってから測定した。
【0038】
重ね塗り時のカス出については、上記レコード式画線機にて筆記して得られた筆跡へ再度同一試料で同じ箇所を2回繰り返して描画し、合計3回分の描画跡に生じる描画跡から離れた粉を採取し、得られた粉の総重量を測定した(単位mg)。
【0039】
筆記感は、JIS S 6005(1984年版)に記載の動摩擦試験機を用いて摩擦係数を測定した。測定した値が低いほど書き味が良好であることを意味する。
以上の結果を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
本発明より得られた各実施例は、軽い書き味にて良好な発色性を有し更に、重ね塗り時のカス出も非常に少ない固形描画材を提供することが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色材と、ポリブテンと、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、非結晶ポリプロピレン、エチレン−極性モノマー共重合体、ポリエチレン、ポリイソブチレン、非晶性ポリα−オレフィンから選ばれる1種もしくは2種類以上からなる混合物とを少なくとも含有する固形描画材。

【公開番号】特開2006−206734(P2006−206734A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−20675(P2005−20675)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【出願人】(000005511)ぺんてる株式会社 (899)
【Fターム(参考)】