説明

固形燃料

【課題】 コンロ内に載置し易くしかつ載置後の安定化を図り、取り扱いを容易にするとともに、着火をさせ易くし、燃焼が均一で燃焼時間の設定が容易に行なえるようにする。
【解決手段】 植物の炭化物としての木炭を粉砕して得られた粉粒体Faにバインダを加えて所定形状に成形してなる固形燃料Fにおいて、板状に成形するとともに、上下面に亘って貫通する複数の孔1を行列状に形成し、孔1を上面の面積SAがSA=100cm2 当たり、10〜2500個設けるとともに、孔1の直径Dを1mm≦D≦20mmとし、厚さtを1mm≦t≦30mmとし、密度ρを0.4g/cm3 ≦ρ≦0.8g/cm3 とし、木炭の粉粒体Faとして、粒径DがD≦4mmの粉粒体Faで構成し、表面に着火剤5を塗布した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卓上コンロ等で使用する小形の固形燃料に係り、特に、木炭等の植物の炭化物からなる粉粒体にバインダを加えて所定形状に成形してなる固形燃料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、卓上コンロ等で使用する小形の固形燃料としては、パラフィンやアルコール等を原料とした固形燃料が多く用いられている。
ところで、近年、旧来からある植物の炭化物としての木炭の利用が見直され、この木炭を卓上コンロ等で利用することも研究されてきている。この種の木炭を用いた燃料としては、例えば、特開平8−127785号公報記載の固形燃料の技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この固形燃料は、木炭粉100重量部に対して4から10重量部の範囲内の無機系のバインダ、例えばけい酸マグネシウムを添加したものを混合した後、水を加えて混合し、十分に粘性が得られるまで混練する。これを押し出し成型機で例えば直径30mm,長さ100mmの円柱状に成形した後、100℃で12時間乾燥して製造される。この固形燃料は、木炭粉を成形しているので、木炭そのものに比較して、燃焼中において有害ガスや不快臭が発生することが極めて少なく、かつ燃焼中に簡単に崩壊しない強度を有する利点がある。
【0004】
【特許文献1】特開平8−127785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の固形燃料においては、例えば、卓上コンロで用いる場合、この固形燃料をコンロ内の火格子に数個載置して燃焼させるが、形状が円柱状の単なる塊なので、着火させ難く、また、円柱状の単なる塊なので、燃焼が不均一であり、燃焼時間の設定が難しいという問題があった。更に、この固形燃料は、円柱状の単なる塊なので、コンロ内の火格子に載置しにくいとともに載置しても安定しにくく、取り扱いが煩雑になっているという問題もある。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、コンロ内に載置し易くしかつ載置後の安定化を図り、取り扱いを容易にするとともに、着火させ易くし、燃焼が均一で燃焼時間の設定が容易に行なえる固形燃料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するための本発明の技術的手段は、植物の炭化物からなる粉粒体にバインダを加えて所定形状に成形してなる固形燃料において、板状に成形するとともに、上下面に亘って貫通する複数の孔を形成した構成としている。
上記植物の炭化物としては、例えば、木炭,竹炭,椰子がら炭等どのようなものでも良い。粉粒体にする方法としては、炭化物の塊を粉砕し、あるいは、おが屑のように先に粉粒状にした材料を炭化させても良い。
上記バインダとしては、例えば、セルロース誘導体等の有機系の結合剤が用いられる。このバインダは、比較的安価であり、燃やしても有害物質が発生しない。また、固形燃料製造時に粉粒体とバインダとを混合する時に、粉粒体を均一にすることができ、製品の品質を均一でムラのないものにすることができる。
【0008】
これにより、例えば、卓上コンロに使用する場合には、空気孔が設けられた火格子としての載置台に載置する。この場合、固形燃料は板状なので、載置し易く、従来の棒状のものに比較して取り扱いが極めて容易になるとともに、板状なので載置の安定化が向上させられる。
そして、この状態で、固形燃料に着火すると、固形燃料は板状に成形され、複数の孔が形成されているので、固形燃料の孔に空気が良く流通し、そのため、炎が固形燃料の裏面全体に行き渡るとともに、固形燃料の孔内に行き渡り、着火が容易に行なわれる。
固形燃料に着火すると、固形燃料は板状に成形され、複数の孔が形成されているので、固形燃料の孔に空気が良く流通し、燃焼が均一に行なわれる。
また、この固形燃料の燃焼程度は、固形燃料の大きさ、特に外形,厚さ,孔の径や数によって異なるが、外形,厚さ,孔の径や数は製造時に容易に設定可能なので、燃焼時間の設定を容易に行なうことができ、所要の燃焼時間を確保できる。
また、粉粒体は天然素材の植物からなり、余分な化学物質を含まないので、自然界サイクルの燃料であり現代に見合う利便性を有し、合理的かつ経済的な燃料となる。
【0009】
そして、必要に応じ、上記孔を行列状に形成した構成としている。孔が行列状に形成されているので、空気の流通が平均化し、より一層燃焼が均一に行なわれる。
また、必要に応じ、上記孔を上面の面積SAがSA=100cm2 当たり、10〜2500個設けるとともに、上記孔の直径Dを1mm≦D≦20mmとした構成としている。孔の面積比を適宜変更することにより、火力と燃焼時間を調節できる。また、この孔の大きさ及び分布により、孔に空気が良く流通し、燃焼が均一に行なわれる。
【0010】
更に、必要に応じ、厚さtを1mm≦t≦30mmとした構成にしている。望ましくは、厚さtを5mm≦t≦25mmとした構成にしている。これにより、厚さを適宜変更することにより、火力と燃焼時間を調節できる。また、この厚さにより、孔に空気が良く流通し、燃焼が均一に行なわれる。取り扱いも極めて容易になる。
更にまた、必要に応じ、密度ρを0.4g/cm3 ≦ρ≦0.8g/cm3 としている。軽量で着火させ易くなるとともに燃焼が均一に行なわれる。
【0011】
また、必要に応じ、上記粉粒体として、粒径DがD≦4mmの粉粒体で構成している。
この場合、必要に応じ、上記粉粒体として、全粉粒体の重量に対し、D≦1mmの粉粒体を25重量%〜35重量%,1mm<D≦2mmの粉粒体を10重量%〜20重量%,2mm<D≦3mmの粉粒体を15重量%〜25重量%,3mm<D≦4mmの粉粒体を30重量%〜40重量%含む構成としている。
ここで、粒径Dとは、この粒径D範囲のふるいで分級される粒度を言う。また、各粒径の粉粒体の重量比は、トータルの重量が100重量%になるように、比率を考慮して上記数値範囲内において定められる。
【0012】
これにより、粒度の違う粉粒体が互いに分散しており、粒度の小さい粉粒体は比較的速く燃焼し、大きい粉粒体は比較的燃焼の持続性がある傾向にあることからこれらの燃焼程度の違うもの同士が互いに作用しあって、燃焼が安定して燃焼が円滑に行なわれる。
また、粒径の異なる粉粒体を適宜比率で混合することにより、同じ形状の固形燃料でも着火時間や火力の異なった固形燃料が製造される。
【0013】
また、必要に応じ、着火剤を塗布または/及び含浸させた構成としている。着火が容易に行なわれる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の固形燃料によれば、板状なので、載置し易く、従来の棒状のものに比較して取り扱いが極めて容易になるとともに、板状なので載置の安定化が向上させられる。また、固形燃料は板状に成形され、複数の孔が形成されているので、固形燃料の孔に空気が良く流通し、そのため、炎が固形燃料に行き渡り易く、着火を容易に行なわせることができる。更に、着火すると、固形燃料は板状に成形され、複数の孔が形成されているので、固形燃料の孔に空気が良く流通し、燃焼を均一に行なわせることができる。
【0015】
また、この固形燃料の燃焼程度は、固形燃料の大きさ、特に外形,厚さ,孔の径や数によって異なるが、密度をある程度一定にすれば、外形,厚さ,孔の径や数は製造時に容易に設定可能なので、燃焼時間の設定を容易に行なうことができ、所要の燃焼時間を確保できる。
また、粉粒体は天然素材の植物からなり、余分な化学物質を含まないので、自然界サイクルの燃料であり現代に見合う利便性を有し、合理的かつ経済的な燃料となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る固形燃料について詳細に説明する。
図1には、本発明の実施の形態に係る固形燃料Fを示す。この固形燃料Fは、植物の炭化物からなる木炭を粉砕して得られた粉粒体Faにバインダ2を加えて所定形状に成形してなるものである。
【0017】
木炭は、例えば、岩手産のなら木炭,竹炭などが用いられ、木炭の品質が最上級品のものが望ましい。例えば、岩手産のなら木炭の場合では、炭化温度が500〜700℃,精錬1〜8,カロリーが、7000〜9500cal/gのものが用いられる。
【0018】
木炭の粉粒体Faとしては、粒径Dとして、粒径DがD≦4mmの粉粒体Faで構成されている。詳しくは、全粉粒体Faの重量に対し、D≦1mmの粉粒体Faを25重量%〜35重量%,1mm<D≦2mmの粉粒体Faを10重量%〜20重量%,2mm<D≦3mmの粉粒体Faを15重量%〜25重量%,3mm<D≦4mmの粉粒体Faを30重量%〜40重量%含む。
実施の形態では、D≦1mmの粉粒体Faを30重量%,1mm<D≦2mmの粉粒体Faを15重量%,2mm<D≦3mmの粉粒体Faを20重量%,3mm<D≦4mmの粉粒体Faを35重量%含む。
【0019】
バインダ2としては、例えば、有機系の結合剤が用いられる。具体的には、セルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム(繊維素グリコール酸ナトリウム)を含有した糊が用いられる。加える重量は、全粉粒体Faの5〜15重量%、望ましくは、8〜12重量%である。実施の形態では、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム(繊維素グリコール酸ナトリウム)を含有した糊を、10重量%加えている。
【0020】
そして、この固形燃料Fは、上記の粉砕して得られた粉粒体Faにバインダ2を加えて矩形板状に成形されている。大きさは、縦a,横bとして、例えば、a×b=(3〜15)cm×(3〜15)cm、実施の形態では、7cm×12cmに設定されている。厚さtは、1mm≦t≦30mm、望ましくは、5mm≦t≦25mmに設定されている。密度ρは、木炭の種類によっても異なるが、0.4g/cm3 ≦ρ≦0.8g/cm3 になるように設定されている。実施の形態では、ρ=0.5g/cm3 である。
【0021】
また、この固形燃料Fにおいて、上下面に亘って貫通する複数の孔1が形成されている。孔1は、行列状に形成されている。孔1は、上面の面積SA(a×b)がSA=100cm2 当たり、10〜2500個設けられている。上記孔1の直径Dは、1mm≦D≦20mmに設定されている。実施の形態では、孔1が18個/100cm2 ,直径D=5mmに設定されている。
更に、この固形燃料Fにおいて、着火剤5が塗布または/及び含浸させられている。実施の形態では、例えば、パラフィンやアルコール等を原料とした着火剤5が表面に塗布されている。
【0022】
次に、図2を用い、この実施の形態に係る固形燃料Fの製造方法を説明する。ここでは、粉粒体Faの重量を50gにした固形燃料Fを12枚製造する場合について説明する。
(1)撹拌工程
まず、容器11に、粉粒体Faを入れ、水を適宜量(例えば500〜800ml)加えてなじませる。粉粒体Faの配合比率は、D≦1mmの粉粒体Faを180g,1mm<D≦2mmの粉粒体Faを90g,2mm<D≦3mmの粉粒体Faを120g,3mm<D≦4mmの粉粒体Faを210g、総合計600gとした。
【0023】
次にバインダ2を調整する。バインダ2には例えばカルボキシメチルセルロース・ナトリウム(繊維素グリコール酸ナトリウム)を含有した糊を使用する。具体的には、製品名「カセローズ」(四国化成工業株式会社製)のもので、水分7.0%(max),純分53%(min),エーテル化度0.57〜0.73,PH(1%溶液)8.0〜10.0の粉末を使用した。バインダ2の量は粉粒体Faの1割重量としている。この場合のバインダ2の分量は60gとなる。容器12に、バインダ2を入れ、水を適宜量(例えば500〜800ml)加えて溶かし、糊状になるように練り上げる。
そして、容器10において、水を加えた粉粒体Faと糊状にしたバインダ2を混ぜ、良く撹拌して混合する。
【0024】
(2)押圧工程
粉粒体Faとバインダ2の混合物13を板状に伸ばす。板状に伸ばした混合物13の上に5〜10個のレンガ等の錘14を載せて約12時間押圧する。このとき、厚さは適宜調整する。
【0025】
(3)開孔工程
押圧工程後、最終的に作りたい形状に合わせて切断するためのガイド線15を入れるとともに、孔1をポンチなどを用いて開ける。
【0026】
(4)着火剤塗布工程
着火剤5を塗布する。
(5)乾燥工程
板状の混合物13を送風機で3〜4日乾燥させる。
【0027】
(6)切断工程
開孔工程で入れたガイド線15に従って分断する。これにより製品が完成する。
【0028】
次に、このように製造された固形燃料Fの使用方法の一例を説明する。図3及び図4に示すように、この例は、卓上コンロ20に使用する例である。卓上コンロ20は、陶器でボックス状に形成され、側部に空気孔21が設けられている。内部には、固形燃料Fが載置される載置台30が設けられる。載置台30は、金属板を折曲形成したもので、固形燃料Fが載置され複数の孔31が開けられた天板32と、天板32の左右に設けられた脚部33とからなる。
【0029】
そして、卓上コンロ20内において、載置台30の天板32に固形燃料Fを載置する。この場合、固形燃料Fは板状なので、コンロ20内に載置し易く、また、天板32上で安定し、従来の棒状のものに比較して取り扱いが極めて容易で、安定化も向上させられる。
【0030】
この状態で、固形燃料Fの着火剤5にマッチ等で点火する。これにより、数分で固形燃料Fが着火する。この場合、固形燃料Fに着火剤5が塗布されているので、着火が容易に行なわれる。また、固形燃料Fは板状に形成され、複数の孔1が形成されているので、天板32の孔31及び固形燃料Fの孔1に空気が良く流通し、そのため、炎が固形燃料Fの裏面全体に行き渡るとともに、固形燃料Fの孔1内に行き渡り、着火が容易に行なわれる。一般の木炭であると、着火までに15〜20分かかるが、本実施の形態の固形燃料Fは数分で着火し、早く火を使用することができる。
【0031】
固形燃料Fに着火すると、固形燃料Fは板状に成形され、複数の孔1が形成されているので、天板32の孔31及び固形燃料Fの孔1に空気が良く流通し、燃焼が均一に行なわれる。特に、孔1が行列状に形成されているので、空気の流通が平均化し、より一層燃焼が均一に行なわれる。
また、固形燃料Fの木炭の粉粒体Faは、D≦1mmの粉粒体Faを30重量%,1mm<D≦2mmの粉粒体Faを15重量%,2mm<D≦3mmの粉粒体Faを20重量%,3mm<D≦4mmの粉粒体Faを35重量%含むので、粒度の違う粉粒体Faが互いに分散しており、粒度の小さい粉粒体Faは比較的速く燃焼し、大きい粉粒体Faは比較的燃焼の持続性がある傾向にあることからこれらの燃焼程度の違うもの同士が互いに作用しあって、燃焼が安定して燃焼が円滑に行なわれる。
そして、食品を焼いたときの遠赤外線等の効果は、通常の固形木炭で焼いた場合と変わらない。使用後の後始末も簡単である。
【0032】
また、この固形燃料Fの燃焼程度は、固形燃料Fの大きさ、特に外形,厚さ,孔1の径や数によって異なるが、密度をある程度一定にすれば、外形,厚さ,孔1の径や数は製造時に容易に設定可能なので、燃焼時間の設定を容易に行なうことができ、所要の燃焼時間を確保できる。
即ち、例えば、図5に示すように、燃焼時間に応じて、種々の固形燃料Fを作成しておけば、適宜これを選択して用いることにより、所要の燃焼時間を確保できる。
このように、この固形燃料Fにおいては、着火後の有効燃焼時間を適宜設定でき、一般的に良く使用されているパラフィンやアルコールが主原料の固形燃料よりも長く火を使用できるという利点がある。
また、固形燃料Fを割ることでも燃焼時間の調節を行なうことができる。更に、板状に成形しているので、重ねて燃焼時間の調節を行なうことができる。
更にまた、板状に成形しているので、重ねて収納することができ、一般の木炭と比較してコンパクトに収納できる。更にまた、板状なので嵩張らず、野外活動等での持ち運びに便利である。
【0033】
図6乃至図8には、別の実施の形態に係る固形燃料Fを示している。図6に示す固形燃料Fは、上記に比較して厚さが薄く設定され、孔1の径も小さい。図7に示す固形燃料Fは、上記に比較して厚さが厚く設定され、孔1の径も大きい。図8に示す固形燃料Fは、外形を円形に成形している。このように、固形燃料Fの大きさ、特に外形,厚さ,孔1の径や数を製造時に適宜設定して、燃焼時間の設定を容易に行なうことができ、所要の燃焼時間を確保できる。
【0034】
図9には、他の実施の形態に係る固形燃料Fをその使用方法の一例とともに示す。この固形燃料Fは、上記と略同様であるが、上記と異なって着火剤が塗布されていない。そして、固形燃料Fに着火するときは、例えば、天板32の下にゼリー状の着火剤22を置き、この着火剤22にマッチ等で点火する。これにより、数分で固形燃料Fが着火する。この場合、固形燃料Fは板状に成形され、複数の孔1が形成されているので、天板32の孔31及び固形燃料Fの孔1に空気が良く流通し、そのため、着火剤22の炎が載置台30の天板32の孔31を通って固形燃料Fの裏面全体に行き渡るとともに、固形燃料Fの孔1内に行き渡り、着火が容易に行なわれる。一般の木炭であると、着火までに15〜20分かかるが、本実施の形態の固形燃料Fは数分で着火し、早く火を使用することができる。他の作用,効果は上記と同様である。
【0035】
尚、上記実施の形態において、固形燃料Fの形状は矩形板状や円盤状のものに限定されるものではなく、三角形や星型など、種々の形状に製造して良い。また、上記実施の形態において、植物の炭化物としては木炭を用いているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、竹や椰子がら等木質のものを炭化させたもの等、種々の植物を炭化させたものであって良いことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の固形燃料によれば、卓上コンロ用のみならず、長時間使用する業務用の炭焼き器具用、キャンプでの炊事用、バーベキュー用等、広い用途が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態に係る固形燃料を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る固形燃料の製造方法を示す工程図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る固形燃料の使用状態を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る固形燃料をこれを載置する載置台とともに示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る固形燃料において種類別の形状に係る数値の特徴を示す表図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る固形燃料の別の例を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る固形燃料のまた別の例を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る固形燃料の更に別の例を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る固形燃料の他の例をその使用状態とともに示す図である。
【符号の説明】
【0038】
F 固形燃料
Fa 粉粒体
1 孔
2 バインダ
5 着火剤
D 粒径
a 縦寸法
b 横寸法
t 厚さ寸法
SA(a×b) 上面の面積
10 容器
11 容器
12 容器
13 混合物
14 錘
15 ガイド線
20 卓上コンロ
21 空気孔
22 着火剤
30 載置台
31 孔
32 天板
33 脚部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の炭化物からなる粉粒体にバインダを加えて所定形状に成形してなる固形燃料において、
板状に成形するとともに、上下面に亘って貫通する複数の孔を形成したことを特徴とする固形燃料。
【請求項2】
上記孔を行列状に形成したことを特徴とする請求項1記載の固形燃料。
【請求項3】
上記孔を上面の面積SAがSA=100cm2 当たり、10〜2500個設けるとともに、上記孔の直径Dを1mm≦D≦20mmとしたことを特徴とする請求項1または2記載の固形燃料。
【請求項4】
厚さtを1mm≦t≦30mmとしたことを特徴とする請求項1,2または3記載の固形燃料。
【請求項5】
密度ρを0.4g/cm3 ≦ρ≦0.8g/cm3 としたことを特徴とする請求項1,2,3または4記載の固形燃料。
【請求項6】
上記粉粒体として、粒径DがD≦4mmの粉粒体で構成したことを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の固形燃料。
【請求項7】
上記粉粒体として、全粉粒体の重量に対し、D≦1mmの粉粒体を25重量%〜35重量%,1mm<D≦2mmの粉粒体を10重量%〜20重量%,2mm<D≦3mmの粉粒体を15重量%〜25重量%,3mm<D≦4mmの粉粒体を30重量%〜40重量%含むことを特徴とする請求項6記載の固形燃料。
【請求項8】
着火剤を塗布または/及び含浸させたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7記載の固形燃料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−22206(P2006−22206A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−201496(P2004−201496)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(596022684)株式会社西塚商店 (2)
【Fターム(参考)】