説明

固液分離回収装置

【課題】スクリーン筒内の厨芥詰まりを確実に解消できる固液分離回収装置を提供する。
【解決手段】スクリーン筒6と、スクリーン筒6の内部に配置されて、スクリーン筒6に流入するスラリーをスクリーン筒6の排出側に搬送するスクリュー7と、スクリーン筒6の排出側の開口に取付けられた押さえ蓋13と、スクリュー7を回転駆動する電動機8を備える固液分離回収装置1において、スクリーン筒6に向けて、水を噴射する注水ノズル17と、電動機8に加わる負荷が所定の閾値を超えた場合に、注水ノズル17を動作させるコントローラ4を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスポーザーから排出されるスラリーから固体成分を分離・回収する固液分離回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスポーザーは、厨芥を粉砕して、厨芥と水の混合物(スラリー)を生成する装置である。一般家庭等においては、ディスポーザーで生成されたスラリーは、そのまま公共下水道等に排出されるが、給食用調理施設等、大量の厨芥が発生する施設では、スラリーを固液分離回収装置に通して、スラリーから固体成分(粉砕された厨芥)を分離回収し、液体成分(汚水)だけを公共下水道等に排出している。
【0003】
特許文献1には、多数の脱水孔が穿たれたスクリーン筒の内部にスクリューを備えて、スラリーをスクリーン筒の一方端から他方端(排出側)に搬送する間に、スラリーの液体成分(汚水)をスクリーン筒の脱水孔から排出する固液分離回収装置が開示されている。また、スクリーン筒の排出側の開口には押さえ蓋があって、スラリーから分離された固体成分(粉砕された厨芥)は、押さえ蓋を押し上げて、開口部と押さえ蓋の間隙から排出される。
【0004】
さて、例えば、スラリーの中にキャベツや牛蒡などの強い繊維質が含まれていると、繊維成分が固液分離回収装置のスクリーン筒の中で絡み合って固まったり、スクリーン筒の脱水孔に絡んだりして、厨芥の排出が妨げられて、スクリーン筒に詰まってしまうことがある。また、厨芥が詰まると、スクリューを駆動するモータに過大な負荷が加わって、モータが焼損する恐れもある。
【0005】
特許文献1の固液分離回収装置では、この問題を解決するために、スクリューを駆動するモータの負荷が大きくなったときに、押さえ蓋をスクリューの回転方向に回転させて、スクリーン筒の中に詰まった繊維成分等の排出を促している。
【0006】
また、特許文献2には、固液分離回収装置に押さえ蓋を開放する蓋開き装置を設けて、スクリューを駆動するモータの過負荷信号で蓋開き装置を動作させることが開示されている。
【0007】
また特許文献3には、重錘の重さが押さえ蓋を閉じる方向に作用するように、重錘を押さえ蓋に連結した固液分離回収装置が開示されている。該固液分離回収装置は、更に、必要に応じて該重錘を下から持ち上げるリフターを備えて、スクリューを駆動するモータに過負荷が加わったときに、リフターを動作させて、押さえ蓋を閉じる力を軽減するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許3628121号公報
【特許文献2】特開2004−276046号公報
【特許文献3】特開2004−344960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、特許文献1〜3の固液分離回収装置は、押さえ蓋の開放を助勢する手段を備えて、スクリーン筒の中で厨芥が詰まって、スクリューを駆動するモータの負荷が大きくなった場合に、該手段を動作させて、厨芥の排出を促している。
【0010】
しかしながら、このような構成によっても、なお、厨芥の詰まりが解消されない場合があった。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、スクリーン筒内の厨芥詰まりを確実に解消できる固液分離回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の固液分離回収装置は、スクリーン筒と、前記スクリーン筒の内部に配置されて、前記スクリーン筒に流入するスラリーを前記スクリーン筒の排出側に搬送するスクリューと、前記スクリーン筒の前記排出側の開口に取付けられた押さえ蓋と、前記スクリューを回転駆動する駆動手段を備える固液分離回収装置において、前記スクリーン筒に向けて、水を噴射する注水ノズルと、前記駆動手段に加わる負荷が所定の閾値を超えた場合に、前記注水ノズルを動作させる制御手段を備えることを特徴とする。
【0013】
上記の構成に加えて、前記押さえ蓋の開放を助勢する助勢手段を備えて、前記制御手段は、前記駆動手段に加わる負荷が所定の閾値を超えた場合に、前記助勢手段を動作させるようにしてもよい。
【0014】
さらに、前記制御手段は、前記駆動手段に加わる負荷が所定の閾値を超える状態が第1の所定時間を超えて継続した場合に、前記注水ノズル及び前記助勢手段を動作させるようにしてもよい。
【0015】
また、前記制御手段は、前記注水ノズル及び前記助勢手段の動作開始から第2の所定時間が経過した時に前記助勢手段の動作を停止させるともに、前記第2の所定時間の経過から第3の所定時間が経過した時に前記注水ノズルの動作を停止させるようにしてもよい。
【0016】
あるいは、前記制御手段は、前記第2の所定時間が経過した時点で、前記駆動手段に加わる負荷が所定の閾値を超えている場合に、前記助勢手段の動作を延長して、前記第2の所定時間の経過から第4の所定時間が経過した時に前記助勢手段の動作を停止させるようにしてもよい。
【0017】
また、前記制御手段は、前記第4の所定時間の経過した時点で、前記駆動手段に加わる負荷が所定の閾値を超えている場合に、固液分離回収装置の運転を停止するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スクリーン筒内に詰まった厨芥に注水して、厨芥を軟化させるので、厨芥詰まりが容易に解消され、厨芥が排出される。
【0019】
また、厨芥に水を浴びせると同時に助勢手段を動作させて開口を開放すれば、厨芥はさらに確実に排出される。
【0020】
また、駆動手段の過負荷状態が所定時間を超えて継続することを、注水開始の条件とすれば、偶発的一時的な過負荷状態に対する注水を回避できる。
【0021】
また、開口の開放と注水を継続しても過負荷状態が解消しない場合に、開口の開放時間を延長すれば、さらに確実に、厨芥詰まりを解消できる。
【0022】
また、開口の開放時間を延長しても過負荷状態が解消しない場合に、固液分離回収装置の運転を停止するようにすれば、固液分離回収装置の致命的な損傷(例えば、モータの焼き付き等)を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】固液分離回収装置の概念的な構成図である。
【図2】詰まり解消プログラムによる処理の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0025】
固液分離回収装置1は、本発明の実施形態の一例であり、図1に示すように、筐体2の内部に、脱水機3と、コントローラ4を備えて構成されている。
【0026】
脱水機3は、外筒5の内部にスクリーン筒6を、スクリーン筒6の内部にスクリュー7を備えて構成されている。また、脱水機3の下部には電動機8があって、スクリュー7を回転駆動する。
【0027】
スクリーン筒6の下端には供給口9があって、供給口9は図示しないディスポーザーに接続され、該ディスポーザーで生成されたスラリーが供給口9を通ってスクリーン筒6に流入する。流入したスラリーはスクリュー7によって、スクリーン筒6の上方に押し上げられる。
【0028】
スクリーン筒6には、図示しない多数の脱水孔が穿たれていて、スラリーがスクリーン筒6の中を通る間に、スラリー中の液体成分(汚水)は該脱水孔を通って、スクリーン筒6の外部(スクリーン筒6と外筒5の間の空間)に流れ出る。そして、液体成分(汚水)は排水口10を通って、脱水機2の外部に排出され、最終的には図示しない公共下水道等に排出される。また、液体成分(汚水)を失ったスラリー、つまりスラリー中の固形分(厨芥)は、スクリーン筒6の上端の排出口11から排出され、排出シュート12を通って、図示しない容器(例えばゴミバケツ)に収容される。
【0029】
また、排出シュート12の内部には、押さえ蓋13があって、ヒンジ14を介して排出シュート12に取り付けられて、排出口11を覆っている。また、押さえ蓋13にはレバー15が連結されて、レバー15の端部と筐体2の間には、ばね16が掛け渡されている。ばね16は、押さえ蓋13を排出シュート12に押し付ける方向、つまり排出口11を塞ぐ方向に作用する。そのため、スクリュー7で押し上げられたスラリーの固形成分(厨芥)は、ばね16の力に逆らって、押さえ蓋13を押し上げて、排出口11の外に出る。この時、スラリーの固形成分(厨芥)はスクリュー7と押さえ蓋13の間に挟まれて、圧縮され、残っていた液体成分(汚水)が絞り出される。
【0030】
上記の構成によって、固液分離回収装置1の基本的な機能は実現されるが、固液分離回収装置1は、これらに加えて、スクリーン筒6の厨芥詰まりを解消するために、注水ノズル17とリニアヘッド18を備える。
【0031】
注水ノズル17は、スクリーン筒6に向けて水を噴射するノズルであり、外筒5に固定されている。また、注水ノズル17は電磁弁19を介して図示しない給水源(例えば、上水道)に接続され、電磁弁19はコントローラ4に接続されて、コントローラ4の指令によって開閉される。つまり、注水ノズル17はコントローラ4の指令で動作する。
【0032】
詳細は後述するが、注水ノズル17はスクリーン筒6内でスラリーの固形成分(厨芥)が詰まった場合に、コントローラ4の指令で動作して、スクリーン筒6内で固まったスラリーの固形成分(厨芥)に水を加えて、該固形成分(厨芥)を軟化させて、スクリーン筒6からの排出を促す手段として機能する。
【0033】
リニアヘッド18は、ケーシング20と出力軸21を備え、ケーシング20に内蔵された図示しない電動機とラック・ピニオン機構で、出力軸21をケーシング20に対して出退させる直動装置であり、出力軸21はワイヤー22を介して、レバー15に連結されている。また、リニアヘッド18のケーシング20は、外筒5に固定されている。このように構成されているので、リニアヘッド18を動作させて、ワイヤー22を引けば、押さえ蓋13が開く。また、リニアヘッド18はコントローラ4に接続されて、コントローラ4の指令によって動作する。つまりリニアヘッド18は、コントローラ4の指令で動作して押さえ蓋13の開放を助勢する装置である。
【0034】
詳細は後述するが、リニアヘッド18はスクリーン筒6内でスラリーの固形成分(厨芥)が詰まった場合に、言い替えれば、スクリュー7の推力だけでは、押さえ蓋13を押し開けられない場合に動作する。
【0035】
なお、コントローラ4は、リニアヘッド18及び電磁弁19だけでなく、電動機8を含む固液分離回収装置1全体を制御するコンピュータであり、固液分離回収装置1はコントローラ4の指令によって運転される。あるいは、コントローラ4は、図示しない上位のシステム(例えば、ディスポーザー、貯留タンク、排水ポンプ及び固液分離回収装置1を組み合わせてなる厨芥処理システム)の指令を受けて、固液分離回収装置1を運転する。
【0036】
コントローラ4には、固液分離回収装置1の運転手順を記述したプログラムがインストールされて、コントローラ4は該プログラムに従って固液分離回収装置1を運転する。コントローラ4には、通常運転(スクリーン筒6内でスラリーの固形成分(厨芥)の詰まりが生じていない場合の運転)の手順を記述したプログラムに加えて、図2に示すような、詰まり解消プログラムがインストールされている。前述した注水ノズル17とリニアヘッド18の動作手順は詰まり解消プログラムに記述されている。以下、図2を参照しながら、詰まり解消プログラムによる処理を説明する。
【0037】
詰まり解消プログラムは、通常運転中にスクリーン筒6で厨芥が詰まった場合に起動される割込プログラムである。具体的には、電動機8の駆動電流をコントローラ4で監視し、駆動電流が所定の閾値を超えた場合(以下、駆動電流が所定の閾値を超えた状態を「過負荷状態」という)に、起動される。つまり、固液分離回収装置1では、電動機8の駆動電流が所定の閾値を超えると、厨芥詰まりが発生したとみなして、詰まり解消プログラムを起動する。
【0038】
詰まり解消プログラムが起動されると、まず3秒間(第1の所定時間)、そのまま待機する(ステップ01)。そして第1の所定時間の経過後に電動機8の駆動電流が所定の閾値を下回っていたら、つまり過負荷状態が解消していたら(ステップ02;NO)、詰まり解消プログラムは終了する。第1の所定時間の経過後も、電動機8の駆動電流が所定の閾値を超えていたら、つまり過負荷状態が継続していたら(ステップ02;YES)、ステップ03に進む。このように、過負荷状態が発生から3秒以内に解消した場合には、以下に説明するような注水等の処理を行わない。これは、一時的、偶発的な厨芥詰まりの度に、注水を行うと固液分離回収装置1から排出される厨芥に余分な水分が加わってしまい、固液分離回収装置1の本来の機能を果たせないので、一時的、偶発的な厨芥詰まりに対する注水を避けるためである。
【0039】
さて、電動機8の過負荷状態が3秒以上継続したら(ステップ02;YES)、リニアヘッド18を動作させて、ワイヤー22を引き寄せる(ステップ03)。すると、押さえ蓋13がヒンジ14の回りに回動して、排出口11が開放される。そして電磁弁19を開放して、注水ノズル17から水を噴射する。つまり、スクリーン筒6の中に詰まった厨芥に対する注水を開始する(ステップ04)。
【0040】
このように、排出口11において厨芥を押さえていた押さえ蓋13が開くとともに、スクリーン筒6の中に詰まった厨芥は注水を受けて軟化するので、排出口11からの厨芥の排出が促進される。言い替えれば、スクリーン筒6内の厨芥詰まりの解消が促進される。
【0041】
そして、5秒間(第2の所定時間)待機する(ステップ05)。その後、第2の所定時間が経過した時点で、電動機8の過負荷状態が継続していたら(ステップ06;YES)、ステップ11に進む。過負荷状態が解消していたら(ステップ06;NO)、リニアヘッド18の動作を解除する。つまり引き寄せていたワイヤー22を元に戻す(ステップ07)。そして、再び5秒間待機する(ステップ08)。
【0042】
更に20秒間待機して(ステップ09)、その後、つまり第2の所定時間の経過から25秒(第3の所定時間)が経過したら、電磁弁19を閉鎖して、注水ノズル17の水噴射(注水)を停止して(ステップ10)、詰まり解消プログラムを終了する。その後、固液分離回収装置1は通常運転に戻る。
【0043】
さて、ステップ06において、電動機8の過負荷状態が継続していたら(ステップ06;YES)、5秒間待機する(ステップ11)。つまり、押さえ蓋13の開放状態を5秒間(第4の所定時間)延長する。その後、すなわち第4の所定時間が経過した時点で、電動機8の過負荷状態が解消していたら(ステップ12;NO)、リニアヘッド18の動作を解除する。つまり引き寄せていたワイヤー22を元に戻す(ステップ13)。そして、ステップ09に進み、前述したような経過を辿って、詰まり解消プログラムを終了する。その後、固液分離回収装置1は通常運転に戻る。
【0044】
一方、ステップ12においても、電動機8の過負荷状態が継続していたら(ステップ12;YES)、固液分離回収装置1を緊急停止する(ステップ14)。なお、緊急停止は、固液分離回収装置1の全ての運転を停止して行う。つまり、電動機8だけでなく、リニアヘッド18と電磁弁19に対する通電も停止される。
【0045】
以上説明したように、固液分離回収装置1はスクリーン筒6内にスラリーの固形成分(厨芥)が詰まって、電動機8が過負荷状態になった場合に、リニアヘッド18と電磁弁19を動作させて、押さえ蓋13を開放し、また注水ノズル17からスクリーン筒6内のスラリーの固形成分(厨芥)に注水するので、スクリーン筒6の厨芥詰まりを確実に解消できる。
【0046】
なお、上記の固液分離回収装置1は、本発明の実施形態の一例であって、本発明の技術的範囲は固液分離回収装置1によっては限定されない。本発明は、特許請求の範囲に記載された技術的思想の限りにおいて、自由に応用、変形、あるいは改良して実施することができる。
【0047】
例えば、上記実施形態では、電磁弁19を給水源(上水道)に接続して、注水ノズル17から常温の水を噴射する例を示したが、給水源と注水ノズル17の間に加温手段(例えば、給湯器)を備えて、注水ノズル17から温水が噴射されるようにしてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、電動機8に供給される駆動電流をコントローラ4でモニタして、該駆動電流が所定の閾値を超えた状態を過負荷状態と判断していたが、電動機8の負荷の大小を検出する手段はこれには限定されない。例えば、電動機8の出力軸にトルクセンサを取り付けて、電動機8の出力トルクをモニタしてもよい。あるいは、電動機8の回転速度をモニタして、電動機8の回転速度が低下、あるいは停止した状態を過負荷状態と判断するようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、図面が煩雑になるのを防ぐために、電動機8、リニアヘッド18および電磁弁19とコントローラ4を直接に接続した例を示したが、これは、あくまでも概念的な構成の例示であって、本発明が、コンピュータ(コントローラ4)と電動機8等を直接に接続したものに限定される訳ではない。コンピュータと電動機8の間に、電動機8の駆動電流をモニタする電流監視回路を置いて、該駆動電流が所定の閾値を超えた場合に、電流監視回路が信号をコンピュータに送るようにしてもよい。あるいは、リニアヘッド18、電磁弁19を動作させる電流を入切するリレーを備えて、コンピュータから送られる信号で該リレーが動作するようにしてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、電磁弁19を給水源(上水道)に接続して、注水ノズル17から常温の水を噴射する例を示したが、給水源と注水ノズル17の間に加温手段(例えば、給湯器)を備えて、注水ノズル17から温水が噴射されるようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、押さえ蓋13をヒンジ14で軸支し、ばね16で、押さえ蓋13を排出シュート12に押し付ける例を示したが、これらは例示であって、各種の構成、形式を選択することができる。要するに、スクリュー7によって排出口11から押し出されて来るスラリーの固形成分(厨芥)を押さえ蓋13が適度な力で押し返すよう構成されていれば十分である。
【0052】
また、上記実施形態では、助勢手段の具体例として、レバー15とリニアヘッド18をワイヤー22で連結した例を示したが、これらは例示であって、各種の構成、形式を選択することができる。要するに、スクリュー7によって排出口11から押し出されるスラリーの固形成分(厨芥)の推力だけでは押さえ蓋13を開放できない場合に、押さえ蓋13の開放に必要な力の全部または一部を助勢できれば十分である。例えば、特許文献1に開示されたような、スクリューと同じ方向に押さえ蓋を回転させて押さえ蓋の開放を助勢するものであってもよいし、特許文献3に開示されたような、押さえ蓋を閉鎖する方向に作用する重錘をリフトで持ち上げて、押さえ蓋を閉鎖する力を低減するものであってもよい。また助勢手段を駆動する動力は電力に限られない。例えば、空気力や油圧を動力とするものであってもよい。
【0053】
なお、詰まり解消プログラムの説明において、第1ないし第4の所定時間について、具体的な数値を示して説明したが、これらの数値は例示であって、本発明の技術的範囲がこれらの数値によって限定されないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0054】
1 固液分離回収装置
2 筐体
3 脱水機
4 コントローラ
5 外筒
6 スクリーン筒
7 スクリュー
8 電動機
9 供給口
10 排水口
11 排出口
12 排出シュート
13 押さえ蓋
14 ヒンジ
15 レバー
16 ばね
17 注水ノズル
18 リニアヘッド
19 電磁弁
20 ケーシング
21 出力軸
22 ワイヤー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーン筒と、
前記スクリーン筒の内部に配置されて、前記スクリーン筒に流入するスラリーを前記スクリーン筒の排出側に搬送するスクリューと、
前記スクリーン筒の前記排出側の開口に取付けられた押さえ蓋と、
前記スクリューを回転駆動する駆動手段を備える固液分離回収装置において、
前記スクリーン筒に向けて、水を噴射する注水ノズルと、
前記駆動手段に加わる負荷が所定の閾値を超えた場合に、前記注水ノズルを動作させる制御手段を備える
ことを特徴とする固液分離回収装置。
【請求項2】
前記押さえ蓋の開放を助勢する助勢手段を備えて、
前記制御手段は、前記駆動手段に加わる負荷が所定の閾値を超えた場合に、前記助勢手段を動作させる
ことを特徴とする請求項1に記載の固液分離回収装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記駆動手段に加わる負荷が所定の閾値を超える状態が第1の所定時間を超えて継続した場合に、前記注水ノズル及び前記助勢手段を動作させる
ことを特徴とする請求項2に記載の厨芥処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記注水ノズル及び前記助勢手段の動作開始から第2の所定時間が経過した時に前記助勢手段の動作を停止させるともに、前記第2の所定時間の経過から第3の所定時間が経過した時に前記注水ノズルの動作を停止させる
ことを特徴とする請求項3に記載の固液分離回収装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第2の所定時間が経過した時点で、前記駆動手段に加わる負荷が所定の閾値を超えている場合に、前記助勢手段の動作を延長して、前記第2の所定時間の経過から第4の所定時間が経過した時に前記助勢手段の動作を停止させる
ことを特徴とする請求項4に記載の固液分離回収装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第4の所定時間の経過した時点で、前記駆動手段に加わる負荷が所定の閾値を超えている場合に、固液分離回収装置の運転を停止する
ことを特徴とする請求項5に記載の固液分離回収装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−255323(P2011−255323A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132504(P2010−132504)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(593047552)株式会社フロム工業 (27)
【Fターム(参考)】