説明

固相合成用担体

【課題】有機溶媒の種類による膨潤度の変動が少ない、多孔質樹脂ビーズ状の固相合成用担体を提供する。
【解決手段】スチレン−(メタ)アクリロニトリル−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる多孔質樹脂ビーズの形態であって、構造単位の合計量に対する(メタ)アクリロニトリルの構造単位の量が2〜11mmol/gであることを特徴とする固相合成用担体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多孔質樹脂ビーズ状の固相合成用担体に関し、詳しくは、有機溶媒の種類による膨潤度の変動が少ない、スチレン−(メタ)アクリロニトリル−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる多孔質樹脂ビーズの形態である固相合成用担体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリスチレン系の多孔質樹脂ビーズとしては、ヒドロキシスチレン−ポリエン共重合体からなる樹脂ビーズ(特許文献1、2)や、アルコキシスチレン類と芳香族ポリビニル類と芳香族ビニル化合物の共重合体からなる樹脂ビーズ(特許文献3)が知られており、これらは主にイオン交換樹脂や吸着剤などに使用されている。これらの用途に使用される場合、その多孔質樹脂ビーズは、物質をできるだけ多く吸着させうるものが良好とされるため、従来の多孔質樹脂ビーズの開発指針においては、できるだけ多くの官能基を付与し、比表面積を大きくすることによって、多孔質樹脂ビーズの単位体積当たりの物質の吸着能を高めることを目的としていた。
【0003】
また、これらの多孔質樹脂ビーズは、化学合成反応を効率良く進行させる反応場としての固相合成用担体としても用いられるが、この場合、化学合成反応により生成する物質の合成量を多くするために、有機溶媒中における多孔質樹脂ビーズの膨潤度についてはある程度高い方が好ましいことが知られている。しかしながら、複数の有機溶媒を何度も交換して化学反応を行う場合、各有機溶媒中での多孔質樹脂ビーズの膨潤度が異なると、例えば、自動合成装置を用いて一定容量のカラム状反応容器内で反応を行うと、圧力の変動が生じその結果、自動合成装置が停止する等の問題が生じていた。
【特許文献1】特開昭52−23193号公報
【特許文献2】特開昭58−210914号公報
【特許文献3】特開平5−86132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、有機溶媒の種類による膨潤度の変動が少ない、多孔質樹脂ビーズ状の固相合成用担体を提供することである。
【0005】
また、本発明の他の課題は、固相合成用担体に用いられる多孔質樹脂ビーズ状の固相合成用担体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記課題を解決するために、固相合成において使用される担体に関して、多孔質樹脂ビーズの種類と各種有機溶媒中における膨潤度の変動について検討を行ったところ、多孔質樹脂ビーズとしてスチレン−(メタ)アクリロニトリル−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる多孔質樹脂ビーズであって、その構造単位の合計量に対する(メタ)アクリロニトリルの構造単位の量を2〜11mmol/gとすることで、従来、達成困難であった、各種有機溶媒中における膨潤度の変動を小さくすることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)スチレン−(メタ)アクリロニトリル−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる多孔質樹脂ビーズの形態であって、構造単位の合計量に対する(メタ)アクリロニトリルの構造単位の量が2〜11mmol/gであることを特徴とする、固相合成用担体。
(2)多孔質樹脂ビーズにおける構造単位の合計量に対するヒドロキシスチレンの構造単位の量が0.01〜1.2mmol/gであることを特徴とする、上記(1)に記載の固相合成用担体。
(3)オリゴヌクレオチド又はその誘導体の合成用である、上記(1)又は(2)に記載の固相合成用担体。
(4)スチレン系単量体(アシルオキシ基を有するものを除く)と、(メタ)アクリロニトリルと、アシルオキシスチレン系単量体と、ジビニルベンゼン系単量体とを、有機溶媒及び水を用いて懸濁共重合させて得た共重合体を加水分解することにより、スチレン−(メタ)アクリロニトリル−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体へ変換して多孔質樹脂ビーズよりなる固相合成用担体を製造する方法であって、懸濁共重合における単量体の合計量に対する(メタ)アクリロニトリルの仕込量が17〜75モル%である、固相合成用担体の製造方法。
(5)懸濁共重合における、単量体の合計量に対するアシルオキシスチレン系単量体の仕込量が0.07〜12モル%であることを特徴とする、上記(4)に記載の固相合成用担体の製造方法。
(6)懸濁共重合における、単量体の合計量に対するジビニルベンゼン系単量体の仕込量が1〜18モル%であることを特徴とする、上記(4)または(5)に記載の固相合成用担体の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の多孔質樹脂ビーズの形態である固相合成用担体により、化学合成反応において、例えば、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の各種有機溶媒中で、従来では困難であった、固相合成用担体の膨潤度を比較的高く維持したまま膨潤度の変動を小さくすることができるため、化学合成反応を効率良く行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を、望ましい実施の形態とともに詳細に説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
【0010】
本発明の固相合成用担体は、スチレン−(メタ)アクリロニトリル−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる多孔質樹脂ビーズの形態であり、構造単位の合計量に対する(メタ)アクリロニトリルの構造単位の量が2〜11mmol/gであることが主たる特徴である。なお、「(メタ)アクリロニトリル」とは「アクリロニトリル」もしくは「メタクリロニトリル」又は、「アクリロニトリルとメタクリロニトリルの両方」を指す。
【0011】
本発明の固相合成用担体として用いられる多孔質樹脂ビーズのスチレン、ヒドロキシスチレン、ジビニルベンゼンの各構造単位の典型例は下式の通りである。
【0012】
【化1】

【0013】
ここで上記構造単位(A)〜(C)については、以下のように置換されていても良い。
【0014】
(A)スチレン構造単位における1つ以上の水素原子(ベンゼン環の水素原子を含む)は、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホン酸基(−SOH)、シアノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ニトロ基等の置換基で置換されていても良い。但し、置換基として水酸基は除かれる。
【0015】
(B)ヒドロキシスチレン構造単位における1つ以上の水素原子(ベンゼン環の水素原子を含むが水酸基の水素原子は除く)は、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホン酸基、シアノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ニトロ基等の置換基で置換されていても良い。
【0016】
(C)ジビニルベンゼン構造単位における1つ以上の水素原子(ベンゼン環の水素原子を含む)は、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホン酸基、シアノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ニトロ基等の置換基で置換されていても良い。
【0017】
本発明の固相合成用担体として用いられる多孔質樹脂ビーズに含まれる(メタ)アクリロニトリルの構造単位は、アクリロニトリルの構造単位又はメタクリロニトリルの構造単位がそれぞれ単独で含まれていても良いし、両方の単位が含まれていても良い。
【0018】
本発明の固相合成用担体に用いられる多孔質樹脂ビーズにおける構造単位(即ち、スチレン−(メタ)アクリロニトリル−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体における構造単位)の合計量に対する(メタ)アクリロニトリルの構造単位の量は、その量が少なすぎる場合又は多すぎる場合には、有機溶媒の種類による膨潤度の変動が大きくなるため、2〜11mmol/gであり、好ましくは4〜10mmol/g、さらに好ましくは4〜9mmol/gである。
【0019】
本発明の固相合成用担体に用いられる多孔質樹脂ビーズおける構造単位の合計量に対するヒドロキシスチレンの構造単位の量は、その量が少なすぎる場合、最終的に得られる水酸基量が低くなるため、固相合成用担体として用いたときに得られる合成反応物の量が少なくなる傾向があり、その量が多すぎる場合、隣接する水酸基間の距離が不十分なため、隣り合って起こる化学反応が互いに阻害されやすく、固相合成用担体として用いたときに得られる合成反応物の純度が低くなる傾向がある。従って、好ましくは0.01〜1.2mmol/g、より好ましくは0.08〜0.8mmol/g、さらに好ましくは0.3〜0.5mmol/gである。
【0020】
本発明の固相合成用担体に用いられる多孔質樹脂ビーズにおける構造単位の合計量に対するジビニルベンゼンの構造単位の量は、その量が少なすぎる場合、得られる多孔質樹脂ビーズの比表面積が小さくなるため、固相合成用担体として用いるときに得られる合成反応物の量が少なくなる傾向があり、その量が多すぎる場合、得られる多孔質樹脂ビーズの有機溶媒中での膨潤度が低くなるため、固相合成用担体として用いるときに得られる合成反応物の量が少なくなる傾向がある。従って、好ましくは0.15〜2.3mmol/g、より好ましくは0.3〜1.7mmol/g、さらに好ましくは0.5〜0.8mmol/gである。
【0021】
本発明の固相合成用担体に用いられる多孔質樹脂ビーズの水銀圧入法により測定した平均細孔径は、特に限定はされないが、孔径が小さすぎる場合、固相合成用担体として用いるときに有機溶媒による膨潤度が低いため合成反応の場が小さくなり、その結果所望の反応が起き難くなったり、オリゴヌクレオチドの合成における塩基配列数が所望の数より少なくなったりする傾向があり、また孔径が大きすぎる場合には、反応場である樹脂ビーズ表面の水酸基と反応に関わる物質との接触機会が少なくなり、歩留まりが低下する傾向がある。従って、好ましくは1〜200nmであり、より好ましくは5〜100nm、さらに好ましくは20〜70nmである。
【0022】
本発明の多孔質樹脂ビーズの平均細孔径は水銀圧入法により測定される。具体的には、0.2gの測定試料を水銀ポロシメーターPoroMaster60−GT(QuantaChromeCo.製)に投入し、水銀接触角140℃、水銀表面張力480dyn/cmの条件における水銀圧入法により測定する。
【0023】
本発明の固相合成用担体に用いられる多孔質樹脂ビーズの多点BET法により測定した比表面積は、通常0.1〜500m/g、好ましくは10〜300m/g、より好ましくは50〜200m/gである。比表面積が0.1m/gより小さい場合は有機溶媒中での膨潤度が低くなるため、合成反応が起こりにくくなる傾向があり、500m/gより大きい場合は細孔径が小さくなるため、合成反応が起こりにくくなる傾向がある。
【0024】
本発明の多孔質樹脂ビーズの比表面積は多点BET法により測定される。具体的には、BET法における吸着ガスとして窒素ガスを用い、測定装置として比表面積細孔径分布測定装置NOVA1200(QuantaChromo CO.製)を用いる。測定試料約0.2gを測定セルに入れ、室温、真空下で120分間脱気した後に、多点BET法により比表面積を求める。
【0025】
本発明の固相合成用担体に用いられる多孔質樹脂ビーズのレーザー回折(散乱式)により測定した平均粒径は、通常1〜1000μm、好ましくは5〜500μm、より好ましくは10〜300μmであり、JIS K0070に基づいた滴定により測定した水酸基量は、通常10〜1000μmol/g、好ましくは40〜800μmol/g、より好ましくは100〜500μmol/gである。
【0026】
本発明の多孔質樹脂ビーズの平均粒径はレーザー回折(散乱式)により測定される。具体的には、測定試料を50V/V%エタノール液中で超音波分散する。この分散液を、50V/V%エタノール液を分散媒に用いたレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)により測定し、平均粒径を求める。
【0027】
本発明の多孔質樹脂ビーズの水酸基量はJIS K0070に基いた滴定により測定される。具体的には、無水酢酸25gに全量100mLとなるようにピリジンを加えてアセチル化試薬を作製する。上記アセチル化試薬0.5mLとピリジン4.5mLと試料約0.5gをフラスコに入れ、95〜100℃で2時間加熱して水酸基をアセチル化する。次にフラスコに蒸留水1mLを加えて加熱することによってアセチル化で消費されなかった無水酢酸を酢酸に分解し、この酢酸の量を0.5mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いた中和滴定により測定する。これとは別に試料を入れずに上記と同様の操作により、ブランクの測定を行う。上記2つの測定のモル数の差が、試料の水酸基のアセチル化に消費された無水酢酸のモル数(即ち、試料の水酸基量)であるので、この値を試料重量で割って試料1g当たりの水酸基量を求める。
【0028】
本発明に関しての多孔質樹脂ビーズ状の固相合成用担体の製造方法は、特に限定はされず、アシルオキシスチレン系単量体の代わりにヒドロキシスチレンを用いて直接、本発明の多孔質樹脂ビーズ状の固相合成用担体を製造することもできる。しかし、ヒドロキシスチレンは非常に重合しやすい不安定な単量体であるため取り扱いや保存が容易ではなく、従って各単量体を懸濁共重合して得られる共重合体を加水分解することにより得る方法が好ましい。
【0029】
本発明において、スチレン系単量体とは、スチレン又はその置換体(但し、置換基としてアシルオキシ基は除く)を意味し、好ましくは無置換のスチレンである。スチレンの置換体には、例えば、スチレンの1つ以上の水素原子が、炭素数1〜5のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、イソアミル基、sec−アミル基、tert−アミル基)、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホン酸基、シアノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基)、ニトロ基等で置換された化合物が挙げられる。
【0030】
スチレン系単量体としては、具体的にはスチレンや、エチルスチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、ブチルスチレンなどのアルキルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、フルオロスチレン、ペンタフルオロスチレン、ブロモスチレンなどのハロゲン化スチレン、クロロメチルスチレン、フルオロメチルスチレンなどのハロゲン化アルキルスチレン、安息香酸ビニル、スチレンスルホン酸ナトリウム、シアノスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、ブトキシスチレン、ニトロスチレンなどが挙げられる。なお、後記ジビニルベンゼン系単量体としてジビニルベンゼンを使用する場合、市販のジビニルベンゼン中には不純物としてエチルスチレンが含有しており、実質的にはこのエチルスチレンがスチレン系単量体として機能することもある。
【0031】
本発明において、アシルオキシスチレン系単量体とは、アシルオキシスチレン又はその置換体を意味し、好ましくはp−アセトキシスチレンである。アシルオキシスチレンの置換体には、例えば、アシルオキシ基以外の1つ以上の水素原子が、炭素数1〜5のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基)、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホン酸基、シアノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基)、ニトロ基等で置換された化合物が挙げられる。また、アシルオキシ基とは、X−CO−O−(式中、Xはアルキル基又はフェニル基)の一般式で表される置換基であり、好ましくはXが炭素数1〜5のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基)であるアシルオキシ基であり、より好ましくはアセトキシ基である。アシルオキシ基はビニル基に対してパラ位に配置されることが好ましいが、オルト位又はメタ位に配置されていても良い。アシルオキシスチレン系単量体としては、具体的にはp−アセトキシスチレン、p−ベンゾキシスチレンなどが挙げられる。
【0032】
本発明において、ジビニルベンゼン系単量体とは、ジビニルベンゼン又はその置換体であり、好ましくはジビニルベンゼンである。ジビニルベンゼンの置換体には、例えば、ジビニルベンゼンの1つ以上の水素原子が、炭素数1〜5のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基)、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホン酸基、シアノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基)、ニトロ基等で置換された化合物が挙げられる。2つのビニル基は、パラ位、メタ位、オルト位のいずれに配置されていても良い。ジビニルベンゼン系単量体としては、具体的にはp−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、O−ジビニルベンゼン又はそれらの混合物などが挙げられる。
【0033】
懸濁共重合の際の、スチレン系単量体、(メタ)アクリロニトリル、アシルオキシスチレン系単量体及びジビニルベンゼン系単量体の合計量に対する(メタ)アクリロニトリルの仕込量は、通常17〜75モル%であり、好ましくは30〜65モル%、さらに好ましくは40〜60モル%である。(メタ)アクリロニトリルは、懸濁共重合において、それぞれ単独又は併用で用いることができる。
【0034】
懸濁共重合の際の、スチレン系単量体、(メタ)アクリロニトリル、アシルオキシスチレン系単量体及びジビニルベンゼン系単量体の合計量に対するアシルオキシスチレン系単量体の仕込量は、好ましくは0.07〜12モル%であり、より好ましくは0.5〜8モル%、さらに好ましくは2〜5モル%である。
【0035】
懸濁共重合の際の、スチレン系単量体、(メタ)アクリロニトリル、アシルオキシスチレン系単量体及びジビニルベンゼン系単量体の合計量に対するジビニルベンゼン系単量体の仕込量は、好ましくは1〜18モル%であり、より好ましくは2〜13モル%である。
【0036】
懸濁共重合の際の、スチレン系単量体、(メタ)アクリロニトリル、アシルオキシスチレン系単量体及びジビニルベンゼン系単量体の合計量に対するスチレン系単量体の仕込量は、好ましくは13〜83モル%であり、より好ましくは20〜70モル%である。
【0037】
本発明において、懸濁共重合系には、得られる多孔質樹脂ビーズを用いた固相合成反応に影響しない範囲で、スチレン系単量体、(メタ)アクリロニトリル、アシルオキシスチレン系単量体あるいはジビニルベンゼン系単量体のいずれにも該当しない単量体成分が含まれていても良い。
【0038】
懸濁共重合は、上記の各単量体と有機溶媒の混合物を水中で攪拌乳化することにより行われる。本発明における有機溶媒としては、懸濁共重合系における水以外の溶媒を意味し、好ましくは炭化水素及びアルコールが用いられる。炭化水素としては、脂肪族の飽和または不飽和炭化水素、あるいは芳香族炭化水素を用いることができ、好ましくは炭素数5〜12の脂肪族炭化水素であり、より好ましくは、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、ウンデカン、ドデカン等である。
【0039】
アルコールとしては、例えば、脂肪族アルコールを用いることができ、好ましくは炭素数が5〜12の脂肪族アルコールであり、より好ましくは、2−エチルヘキシルアルコール、t−アミルアルコール、ノニルアルコール、2−オクタノール、デカノール、ラウリルアルコール、シクロヘキサノール等である。
【0040】
また、懸濁重合の際には、得られる多孔質樹脂ビーズの多孔質度が増すため、炭化水素とアルコールとを共存させることが好ましい。炭化水素とアルコールの重量比は、炭化水素及びアルコールの具体的な組み合わせによって適宜変更され、それによって得られる多孔質樹脂ビーズの比表面積を大きくすることができる。炭化水素とアルコールとの好ましい配合割合は、重量比で1:9〜6:4である。
【0041】
懸濁共重合の際の有機溶媒の重量は、単量体の総重量に対して、好ましくは0.5〜2.0倍、より好ましくは0.8〜1.5倍である。この値が上記のより大きくても、また小さくても、この値が大小いずれの場合でも、得られる多孔質樹脂ビーズの比表面積が小さくなり、化学反応による合成反応物の量が少なくなる。
【0042】
分散安定剤としては特に限定はされないが、例えば、従来公知のポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ゼラチン、デンプン、カルボキシメチルセルロース等の親水性保護コロイド剤、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ベントナイト等の難溶性粉末等が用いられる。
【0043】
重合開始剤としては特に限定はされないが、例えば、従来公知のジベンゾイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジステアロイルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカルボネート等の過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が用いられる。
【0044】
懸濁共重合の際の反応条件は、適宜に設定することができ、例えば、60〜90℃における30分間〜48時間の攪拌等が挙げられる。
【0045】
上記記載の懸濁共重合により、スチレン−(メタ)アクリロニトリル−アシルオキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体を得ることができる。得られた共重合体を適宜、洗浄、分級等した後に、以下に記載する加水分解処理を行う。
【0046】
スチレン−(メタ)アクリロニトリル−アシルオキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体におけるアシルオキシ基を水酸基に変換するための加水分解は、公知の手段、条件により行うことができ、塩酸、臭化水素酸、もしくはこれらの酸とメタノール、ジオキサン等の有機溶媒との組合せなどの酸触媒又は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、ヒドラジン水和物、水酸化ナトリウムとエタノールの組合せなどのアルカリ触媒を用いることができる。酸触媒の量は、アシルオキシスチレンの1倍当量以上、好ましくは2倍当量以上であり、アルカリ触媒の量は、アシルオキシスチレンの1倍当量以上、好ましくは2倍当量以上である。なお、加水分解処理においては全てのアシルオキシ基を水酸基に変換する必要はなく、残存するアシルオキシ基は、共重合体中のヒドロキシスチレン構造単位に対して10%程度以下であることが好ましい。このような、アシルオキシ基が残存している共重合体も本発明に包含される。
【0047】
以上の方法により、本発明の多孔質樹脂ビースの固相合成用担体を得ることができる。その際、さらに、適宜、乾燥、分級等の処理を施しても良い。
【0048】
本発明の固相合成用担体は、各種の化学合成反応の担体として用いることができる。本発明の固相合成用担体を用いることにより、化学合成反応の一連の工程において、複数の有機溶媒を交換して使用する場合においても、それぞれの有機溶媒中での膨潤度の変動が小さいため、例えば、一定容量のカラム状反応容器での圧力変動等の問題をなくすことができる。
【0049】
本発明の固相合成用担体は、オリゴヌクレオチド又はその誘導体の合成に特に効果的に使用することができる。
【0050】
本発明の固相合成用担体を用いてオリゴヌクレオチドを合成する方法には、従来公知の方法を使用することができる。本発明の固相合成用担体のヒドロキシル基にリンカーを結合し、次にこのリンカーの末端から所定の塩基配列となるように、アミダイトを一段ずつ結合する。この合成反応は自動合成装置を用いて行うことができる。例えば、リンカーを結合した固相合成用担体を充填した装置内のフロー式反応器に、アセトニトリルなどの各種有機溶媒やアミダイト溶液が順次送られ、反応が繰り返される。最終的には、リンカー部分を加水分解等により切断し、目的のオリゴヌクレオチドを得ることができる。リンカーは、従来公知のものが使用され、例えば、下記の構造をもつヌクレオチドリンカーを結合した固相合成用担体などが挙げられる。
【0051】
【化2】

【実施例】
【0052】
以下に、実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下に記載の実施例によって限定されるものではない。
【0053】
以下の実施例および比較例における共重合体の組成は、以下のとおりに分析した。
【0054】
メタ(アクリロニトリル)の構造単位の量は、CHN元素分析装置を用いて得られた窒素定量値から算出して求めた。具体的には、試料から適量(8〜9mg)を採取し、スズ箔に包み秤量した後、CHN元素分析装置(Elementar製、varioELIII)を用いてN量の定量分析を行った。測定条件は以下のとおりである。燃焼管温度;950℃、還元管温度;500℃、キャリアーガス;He200mL/min、検出器;TCD、標準試料;Acetanilide(元素分析用標準試薬)N=10.36%、定量法;標準試料による多点検量方式。得られた全N量(wt%)から式1を用いて(メタ)アクリロニトリルの構造単位の量(mmol/g)を算出した。
式1:
(メタ)アクリロニトリルの構造単位の量(mmol/g)
=全N量(wt%)/1.4
【0055】
また、ヒドロキシスチレンの構造単位の量は、前述した多孔質樹脂ビーズの水酸基量の測定と同様に、JIS K0070に基いた滴定により算出した。
【0056】
実施例1
(懸濁共重合)
冷却機、攪拌機、窒素導入管を備え付けた500mlのセパラブルフラスコを恒温水相に設置し、ポリビニルアルコール(クラレ製)2.5gおよび蒸留水250gを入れて300rpmにて攪拌し溶解した。これとは別に、スチレン(和光純薬製)31g(41.6モル%対全単量体)、アクリロニトリル(和光純薬製)18g(47.5モル%対全単量体)、p−アセトキシスチレン(アルドリッチ製)4g(3.5モル%対全単量体)、ジビニルベンゼン(和光純薬製、55%)7g(4.2モル%対全単量体)、2−エチルヘキサノール(和光純薬製)58g、イソオクタン(和光純薬製)20g、過酸化ベンゾイル(日本油脂製、25%含水)1g(ただし、全単量体中の残りの3.2モル%は、ジビニルベンゼン試薬中に含まれるエチルスチレンである)を混合、溶解し、この溶液を上記のセパラブルフラスコに加えた。窒素気流下、室温で、十字型プロペラ翼を用いて500rpmで攪拌した後、80℃に昇温して、8時間懸濁共重合を行った。
(洗浄)
得られた重合生成物を、蒸留水及びアセトン(和光純薬製)を用いて濾過洗浄を行い、全量約1Lになるようアセトン中に分散させた。
(分級)
この分散液を静置することによりビーズ状の共重合体が沈殿し、その沈殿が液を傾けても乱れない程度になるまで放置した後、上清のアセトンを廃棄した。この沈殿に再びアセトンを加えて全量を約500mlにした後、静置し、アセトンを廃棄した。上記の操作を10回以上繰り返すことにより分級を行った。この分散液を濾過し、減圧乾燥することにより、スチレン−アクリロニトリル−アセトキシスチレン−ジビニルベンゼン共重合体の粉末を得た。
(加水分解)
500mlのセパラブルフラスコに、上記スチレン−アクリロニトリル−アセトキシスチレン−ジビニルベンゼン共重合体の粉末及びエタノール(和光純薬製)250gを入れて500rpmで攪拌し分散させた。これに、水酸化ナトリウム(和光純薬製)2g及び蒸留水100gの混合溶解液を加えた後、80℃に昇温して、24時間加水分解反応を行った。これを塩酸で中和した後、蒸留水及びアセトンを用いて濾過洗浄を行った。この分散液を濾過し、減圧乾燥することにより、粉末状のスチレン−アクリロニトリル−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン共重合体からなる、多孔質樹脂ビーズ状の固相合成用担体を得た。得られた共重合体の構造単位の量は、アクリロニトリル構造単位4.2mmol/g、ヒドロキシスチレン0.44mmol/gであった。また、加水分解度については顕微鏡FT−IR測定により確認した。具体的には、加水分解前と加水分解後のそれぞれの試料について、サンプリング針でピックアップし、ダイヤモンドコンプレッションセルを用いて顕微鏡FT−IR(Thermo Nicolet製、Magna760/Nic−Plan)を行った。測定条件は以下のとおりである。測定手法;透過法、測定波長;4000〜650cm−1、分解能;4cm−1、積算回数;128回、検出器;MCT/A。1767cm−1(アセトキシ基由来のC=O伸縮振動)と1602cm−1(ベンゼン環由来のC=C伸縮振動)の吸光度の比(1767cm−1/1602cm−1)から式2によって加水分解度を求めた。
式2:
加水分解度(%)=100−(加水分解後の試料の吸光度の比/
加水分解前の試料の吸光度の比)×100
その結果、加水分解度は100%であり、全てのアセトキシスチレン構造単位が、ヒドロキシスチレン構造単位に変換されていることを確認した。
【0057】
実施例2
懸濁共重合系の配合が、スチレン(和光純薬)22g(30.5モル%対全単量体)、メタクリロニトリル(和光純薬製)27g(58.2モル%対全単量体)、p−アセトキシスチレン(アルドリッチ製)4g(3.6モル%対全単量体)、ジビニルベンゼン(和光純薬製、55%)7g(4.3モル%対全単量体)、2−エチルヘキサノール(和光純薬製)55g、イソオクタン(和光純薬製)23g、過酸化ベンゾイル(日本油脂製、25%含水)1g(ただし、全単量体中の残りの3.4モル%は、ジビニルベンゼン試薬中に含まれるエチルスチレンである)であること以外は全て実施例1と同様の方法により、粉末状のスチレン−メタクリロニトリル−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン共重合体からなる、多孔質樹脂ビーズ状の固相合成用担体を得た。得られた共重合体の構造単位の量は、メタクリロニトリル構造単位6.1mmol/g、ヒドロキシスチレン0.49mmol/gであった。
【0058】
比較例1
懸濁共重合系の配合が、スチレン(和光純薬製)49g(85.8モル%対全単量体)、p−アセトキシスチレン(アルドリッチ製)4g(4.5モル%対全単量体)、ジビニルベンゼン(和光純薬製、55%)7g(5.4モル%対全単量体)、2−エチルヘキサノール(和光純薬製)55g、イソオクタン(和光純薬製)23g、過酸化ベンゾイル(日本油脂製、25%含水)1g(ただし、全単量体中の残りの4.3モル%は、ジビニルベンゼン試薬中に含まれるエチルスチレンである)であること以外は全て実施例1と同様の方法により、粉末状のスチレン−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン共重合体からなる、多孔質樹脂ビーズ状の固相合成用担体を得た。得られた共重合体のヒドロキシスチレンの構造単位の量は0.45mmol/gであった。
【0059】
実験例
実施例1、2及び比較例1で得られた多孔質樹脂ビーズ状の固相合成用担体について以下の分析を行った。
(1)平均細孔径の測定
0.2gの測定試料を水銀ポロシメーターPoroMaster60−GT(QuantaChromeCo.製)に投入し、水銀接触角140℃、水銀表面張力480dyn/cmの条件における水銀圧入法により測定した(表1)。
(2)比表面積の測定
吸着ガスとして窒素ガスを用い、測定装置として比表面積細孔径分布測定装置NOVA 1200(QuantaChromeCo.製)を用いた。測定試料約0.2gを測定セルに入れ、室温、真空下で120分間脱気した後に、BET多点法により比表面積を求めた(表1)。
(3)平均粒径の測定
測定試料を50v/v%エタノール液中で超音波分散した。この分散液を、50v/v%エタノール液を分散媒に用いたレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(掘場製作所)により測定し、平均粒径を求めた(表1)。
(4)水酸基量の測定
無水酢酸25gに全量100mLとなるようにピリジンを加えてアセチル化試薬を作製した。上記アセチル化試薬0.5mLとピリジン4.5mLと試料約0.5gをフラスコに入れ、95〜100℃で2時間加熱して水酸基をアセチル化した。次にフラスコに蒸留水1mLを加えて加熱することによってアセチル化で消費されなかった無水酢酸を酢酸に分解し、この酢酸の量を0.5mol/lの水酸化カリウム水溶液を用いた中和滴定により測定した。これとは別に試料を入れずに上記と同様の操作により、ブランクの測定を行った。上記2つの測定のモル数の差が、試料の水酸基のアセチル化に消費された無水酢酸のモル数(即ち、試料の水酸基量)であるので、この値を試料重量で割って試料1g当たりの水酸基量を求めた(表1)。
【0060】
【表1】

【0061】
(5)膨潤度の測定
膨潤度は、(膨潤体積)÷(乾燥体積)により求めた。ここで乾燥体積については、固相合成用担体1.00gを10ml−メスシリンダーに入れ、その見掛けの体積を測定することにより求め、膨潤体積については、上記固相合成用担体を入れたメスシリンダーに、大過剰量の各種有機溶媒を加え室温にて24時間静置した後、その見掛けの体積を測定することにより求めた。
【0062】
各種有機溶媒中での膨潤度は、比較例1では1.1〜2.0であったのに対し、実施例1では1.7〜2.3、実施例2では1.9〜2.5であった(図1)。即ち、本発明の固相合成用担体は、各種有機溶媒中において、比較的高い膨潤度を維持したまま膨潤度の変動を小さくすることが可能であった。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】実施例1、実施例2および比較例1により製造した多孔質樹脂ビーズの形態を有する固相合成用担体の、各種有機溶媒中での膨潤度の試験結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチレン−(メタ)アクリロニトリル−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる多孔質樹脂ビーズの形態であって、構造単位の合計量に対する(メタ)アクリロニトリルの構造単位の量が2〜11mmol/gであることを特徴とする、固相合成用担体。
【請求項2】
多孔質樹脂ビーズにおける構造単位の合計量に対するヒドロキシスチレンの構造単位の量が0.01〜1.2mmol/gであることを特徴とする、請求項1に記載の固相合成用担体。
【請求項3】
オリゴヌクレオチド又はその誘導体の合成用である、請求項1又は2に記載の固相合成用担体。
【請求項4】
スチレン系単量体(アシルオキシ基を有するものを除く)と、(メタ)アクリロニトリルと、アシルオキシスチレン系単量体と、ジビニルベンゼン系単量体とを、有機溶媒及び水を用いて懸濁共重合させて得た共重合体を加水分解することにより、スチレン−(メタ)アクリロニトリル−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体へ変換して多孔質樹脂ビーズよりなる固相合成用担体を製造する方法であって、懸濁共重合における単量体の合計量に対する(メタ)アクリロニトリルの仕込量が17〜75モル%である、固相合成用担体の製造方法。
【請求項5】
懸濁共重合における、単量体の合計量に対するアシルオキシスチレン系単量体の仕込量が0.07〜12モル%であることを特徴とする、請求項4に記載の固相合成用担体の製造方法。
【請求項6】
懸濁共重合における、単量体の合計量に対するジビニルベンゼン系単量体の仕込量が1〜18モル%であることを特徴とする、請求項4または5に記載の固相合成用担体の製造方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2008−74979(P2008−74979A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−256486(P2006−256486)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】