土台パッキンの換気遮断構造
【課題】 換気部を備えた土台パッキンを敷設した場合であっても、パッキン材に形成された換気部および布基礎や土台との隙間を確実に閉塞して、空気の侵入を防止し、良好な気密性を得ることができる土台パッキンの換気遮断構造を提供すること。
【解決手段】 建築物における土台と布基礎の天端との間に介装される所定厚みの敷板部材であって、幅方向には屋外と当該建物の床下との間を換気する複数の貫通孔21・21…が成形されたパッキン材2と、このパッキン材2の貫通孔21・21…に圧縮弾性変形して挿入可能な複数の櫛歯状突片11・11…が連結帯部12によって一体に成形された柔軟な発泡樹脂製のストッピング材1との組み合わせから成るという技術的手段を採用した。
【解決手段】 建築物における土台と布基礎の天端との間に介装される所定厚みの敷板部材であって、幅方向には屋外と当該建物の床下との間を換気する複数の貫通孔21・21…が成形されたパッキン材2と、このパッキン材2の貫通孔21・21…に圧縮弾性変形して挿入可能な複数の櫛歯状突片11・11…が連結帯部12によって一体に成形された柔軟な発泡樹脂製のストッピング材1との組み合わせから成るという技術的手段を採用した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築材料の改良、更に詳しくは、換気部を備えた土台パッキンを敷設した場合であっても、パッキン材に形成された換気部および布基礎や土台との隙間を確実に閉塞して、空気の侵入を防止し、良好な気密性を得ることができる土台パッキンの換気遮断構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、住宅などの建築物の床下構造にあっては、布基礎の天端に板状のパッキン材(土台パッキン)を載置して、この上に床部材や壁部材等の土台を設置することによって隙間を設けて、床下に換気性を持たせるものがある。
【0003】
かかる換気構造としては、パッキン材を所定間隔おきに配置して、パッキン材同士の間を隙間として設ける方法と、幅方向に亙る換気部(孔)が設けられたパッキン材を全長に配置してこの換気部により隙間を設ける方法とが知られている。
【0004】
ところが、施工の際、土台の高さ調節のために換気性のパッキン材をやむなく載置しても、例えば、玄関や浴室などにおいては、室内が冷え込むのを防止するために、床下の換気を遮断したい場合がある。
【0005】
そこで、従来、この換気部の前方に開閉式のシャッター部材を配設して、この換気部を適宜、開放および閉塞できるものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、かかる開閉構造では、構造が複雑であって製造コストが嵩んでしまうとともに、パッキン材の上下各面、即ち、パッキン下面と布基礎との境界、およびパッキン上面と土台との境界においては、不可避的に隙間が生じてしまうため、このような僅かな隙間であっても、冷気が一気に侵入してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−214159号公報(第6−9頁、図1−4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来の建築構造に上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、換気部を備えた土台パッキンを敷設した場合であっても、パッキン材に形成された換気部および布基礎や土台との隙間を確実に閉塞して、空気の侵入を防止し、良好な気密性を得ることができる土台パッキンの換気遮断構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
【0010】
即ち、本発明は、建築物における土台と布基礎の天端との間に介装される所定厚みの敷板部材であって、幅方向には屋外と当該建物の床下との間を換気する複数の貫通孔21・21…が成形されたパッキン材2と、このパッキン材2の貫通孔21・21…に圧縮弾性変形して挿入可能な複数の櫛歯状突片11・11…が連結帯部12によって一体に成形された柔軟な樹脂製のストッピング材1との組み合わせから成るという技術的手段を採用したことによって、土台パッキンの換気遮断構造を完成させた。
【0011】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、パッキン材2の貫通孔21において、上下面の少なくと一方に開口部21aを備えており、この開口部21aから、ストッピング材1の櫛歯状突片11および/または連結帯部12がはみ出し可能にするという技術的手段を採用した。
【0012】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、ストッピング材1の櫛歯状突片11の高さ方向の厚みを、パッキン材2の厚みよりも大きくし、開口部21aから突出したはみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉可能にするという技術的手段を採用した。
【0013】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、ストッピング材1の連結帯部12の高さ方向の厚みを、パッキン材2の厚みよりも大きくし、はみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉可能にするという技術的手段を採用した。
【0014】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、パッキン材2の貫通孔21・21…を等間隔に形成して、かつ、櫛歯状突片11の形成位置をこれらに合致させるという技術的手段を採用した。
【0015】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、ストッピング材1の櫛歯状突片11の先端をテーパ状に成形するという技術的手段を採用した。
【0016】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、ストッピング材1の樹脂材料を発泡ポリウレタン樹脂にするという技術的手段を採用した。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、建築物における土台と布基礎の天端との間に介装される所定厚みの敷板部材であって、幅方向には屋外と当該建物の床下との間を換気する複数の貫通孔が成形されたパッキン材と、このパッキン材の貫通孔に圧縮弾性変形して挿入可能な複数の櫛歯状突片が連結帯部によって一体に成形された柔軟な樹脂製のストッピング材との組み合わせを構成したことによって、気密性の高い床下の換気遮断構造を得ることができる。
【0018】
したがって、本発明の土台パッキンの換気遮断構造によれば、換気部を備えた土台パッキンを敷設した場合であっても、パッキン材に形成された換気部および布基礎や土台との隙間を確実に閉塞して、不陸にも馴染むとともに、空気の侵入を防止し、良好な気密性を得ることができる。
【0019】
また、本発明の換気遮断構造を使用すれば、現場で大掛かりな機材を要して発泡樹脂を注入する作業の必要がなく、工場で予め組み付けしたものを速やかに設置することができることから、非常に使い勝手が良く、実用的利用価値は頗る高いものがある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態のストッピング材を表わす斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態のパッキン材を表わす上面図である。
【図3】本発明の第1実施形態のパッキン材を表わす側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態のパッキン材を表わす下面図である。
【図5】本発明の第1実施形態のストッピング材をパッキン材に装着した状態を表わす斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態のストッピング材をパッキン材に装着した状態を表わす説明断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態の施工状態を表わす説明断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態のストッピング材を表わす斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態のストッピング材をパッキン材に装着した状態を表わす説明断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態のストッピング材を表わす斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態のパッキン材を表わす斜視図である。
【図12】本発明の第3実施形態のストッピング材をパッキン材に装着した状態を表わす説明断面図である。
【図13】本発明の第4実施形態のパッキン材を表わす斜視図である。
【図14】本発明の第4実施形態のストッピング材をパッキン材に装着した状態を表わす説明断面図である。
【図15】本発明のストッピング材をパッキン材に装着した状態を表わす斜視図である。
【図16】本発明のストッピング材をパッキン材に装着した状態を表わす説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための形態を、具体的に図示した図面に基づいて更に詳細に説明すると、次のとおりである。
【0022】
『第1実施形態』
本発明の第1実施形態を図1から図7に基づいて説明する。図中、符号1で指示するものはストッピング材であり、このストッピング材1は、圧縮弾性変形可能な柔軟な樹脂製のブロック体であって、複数の櫛歯状突片11・11…が連結帯部12によって一体に成形されている(図1参照)。
【0023】
本実施形態では、ストッピング材1の樹脂材料を発泡構造にして、独立気泡構造または連続気泡構造を採用することができ、独立気泡構造の場合には、通気遮断が容易であるとともに、連続気泡構造の場合には、圧縮によって気泡が潰されて塞がるため、通気を遮断することができる。この際、発泡ポリウレタン樹脂を採用することによって、良好な弾力性および気密性、遮熱性を得ることができる。なお、ストッピング材1の樹脂材料としては、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)やNBR(アクリルニトリルブタジエンゴム)などのゴム材料を採用することも可能である。
【0024】
また、符号2で指示するものはパッキン材であり、このパッキン材2は、建築物における土台と布基礎の天端との間に介装される所定厚みの敷板部材であって、幅方向には屋外と当該建物の床下との間を換気する複数の貫通孔21・21…が成形されている(図2から図4参照)。
【0025】
しかして、本実施形態においては、前記ストッピング材1に形成された櫛歯状突片11・11…を、パッキン材2の各貫通孔21・21…に充行って、圧縮弾性変形させつゝ挿入して、当該貫通孔21・21…に詰め込む(図5および図6参照)。
【0026】
この際、必要に応じて、ストッピング材1の櫛歯状突片11の先端をテーパ状に成形することによって、挿入作業を容易にすることができる。
【0027】
また、本実施形態では、パッキン材2の貫通孔21・21…を等間隔に形成して、かつ、ストッピング材1の櫛歯状突片11の形成位置をこれらに合致させることによって、位置決めを特定する手間を無くして、施工負担を軽減することができる。
【0028】
このように、ストッピング材1がパッキン材2の貫通孔21・21…を間詰めすることにより、換気部を確実に閉塞して、室内への換気を防止することができる(図7参照)。
【0029】
なお、本実施形態では、必要に応じて、パッキン材2の貫通孔21において、上下面の少なくと一方に開口部21aを備えているものを採用することができる。
【0030】
そして、この開口部21aから、ストッピング材1の櫛歯状突片11および/または連結帯部12をはみ出し可能にすることにより、このはみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎(および/または土台)とパッキン材2との隙間を密閉することができる。
【0031】
『第2実施形態』
本発明の第2実施形態を図8および図9に基づいて説明する。本実施形態では、ストッピング材1の連結帯部12の高さ方向の厚みを、パッキン材2の厚みよりも大きくする(図8参照)。なお、本実施形態では、櫛歯状突片11の下縁においても、連結帯部12から連続的に厚みを全体的に大きくしている(図9参照)。
【0032】
こうすることによって、この連結帯部12のはみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉することができる。
【0033】
『第3実施形態』
本発明の第3実施形態を図10から図12に基づいて説明する。本実施形態では、ストッピング材1の連結帯部12の高さ方向の厚みのみを、パッキン材2の厚みよりも大きくした(図10参照)。
【0034】
本実施形態のストッピング材1は、例えば、図11に示すように、パッキン材2の各貫通孔21に補強バー22がそれぞれ架設されている場合において、貫通孔21の外側縁部から突出した連結帯部12のはみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉することができる。
【0035】
『第4実施形態』
本発明の第4実施形態を図13および図14に基づいて説明する。本実施形態では、前記第3実施形態と同一形状のストッピング材1を使用するものであるが、パッキン材2において、貫通孔21に開口部21aを有していない各筒型の貫通孔を有するものに適用するものである(図13参照)。
【0036】
かかるパッキン材2の形状においては、貫通孔21の外側縁部から突出した連結帯部12のはみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉することができる。
【0037】
本発明は概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、ストッピング材1の櫛歯状突片11の形状は、パッキン材2の貫通孔21に挿入できるものであれば適宜設計変更が可能である。
【0038】
また、パッキン材2に開口部21aが設けられている場合には、図15および図16に示すように、この開口部21aから、即ち、下面(または上面)にストッピング材1の連結帯部12が配置されるようにして、櫛歯状突片11を各貫通孔21に挿入することもでき、この連結帯部12が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉することができる。
【0039】
更にまた、パッキン材2の上面には、必要に応じて、樹脂製(より好ましくは発泡体)を棒状に形成した気密フォームを付加的に貼り付けることもでき、これら何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0040】
1 ストッピング材
11 櫛歯状突片
12 連結帯部
2 パッキン材
21 貫通孔
21a 開口部
22 補強バー
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築材料の改良、更に詳しくは、換気部を備えた土台パッキンを敷設した場合であっても、パッキン材に形成された換気部および布基礎や土台との隙間を確実に閉塞して、空気の侵入を防止し、良好な気密性を得ることができる土台パッキンの換気遮断構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、住宅などの建築物の床下構造にあっては、布基礎の天端に板状のパッキン材(土台パッキン)を載置して、この上に床部材や壁部材等の土台を設置することによって隙間を設けて、床下に換気性を持たせるものがある。
【0003】
かかる換気構造としては、パッキン材を所定間隔おきに配置して、パッキン材同士の間を隙間として設ける方法と、幅方向に亙る換気部(孔)が設けられたパッキン材を全長に配置してこの換気部により隙間を設ける方法とが知られている。
【0004】
ところが、施工の際、土台の高さ調節のために換気性のパッキン材をやむなく載置しても、例えば、玄関や浴室などにおいては、室内が冷え込むのを防止するために、床下の換気を遮断したい場合がある。
【0005】
そこで、従来、この換気部の前方に開閉式のシャッター部材を配設して、この換気部を適宜、開放および閉塞できるものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、かかる開閉構造では、構造が複雑であって製造コストが嵩んでしまうとともに、パッキン材の上下各面、即ち、パッキン下面と布基礎との境界、およびパッキン上面と土台との境界においては、不可避的に隙間が生じてしまうため、このような僅かな隙間であっても、冷気が一気に侵入してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−214159号公報(第6−9頁、図1−4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来の建築構造に上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、換気部を備えた土台パッキンを敷設した場合であっても、パッキン材に形成された換気部および布基礎や土台との隙間を確実に閉塞して、空気の侵入を防止し、良好な気密性を得ることができる土台パッキンの換気遮断構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
【0010】
即ち、本発明は、建築物における土台と布基礎の天端との間に介装される所定厚みの敷板部材であって、幅方向には屋外と当該建物の床下との間を換気する複数の貫通孔21・21…が成形されたパッキン材2と、このパッキン材2の貫通孔21・21…に圧縮弾性変形して挿入可能な複数の櫛歯状突片11・11…が連結帯部12によって一体に成形された柔軟な樹脂製のストッピング材1との組み合わせから成るという技術的手段を採用したことによって、土台パッキンの換気遮断構造を完成させた。
【0011】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、パッキン材2の貫通孔21において、上下面の少なくと一方に開口部21aを備えており、この開口部21aから、ストッピング材1の櫛歯状突片11および/または連結帯部12がはみ出し可能にするという技術的手段を採用した。
【0012】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、ストッピング材1の櫛歯状突片11の高さ方向の厚みを、パッキン材2の厚みよりも大きくし、開口部21aから突出したはみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉可能にするという技術的手段を採用した。
【0013】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、ストッピング材1の連結帯部12の高さ方向の厚みを、パッキン材2の厚みよりも大きくし、はみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉可能にするという技術的手段を採用した。
【0014】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、パッキン材2の貫通孔21・21…を等間隔に形成して、かつ、櫛歯状突片11の形成位置をこれらに合致させるという技術的手段を採用した。
【0015】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、ストッピング材1の櫛歯状突片11の先端をテーパ状に成形するという技術的手段を採用した。
【0016】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、ストッピング材1の樹脂材料を発泡ポリウレタン樹脂にするという技術的手段を採用した。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、建築物における土台と布基礎の天端との間に介装される所定厚みの敷板部材であって、幅方向には屋外と当該建物の床下との間を換気する複数の貫通孔が成形されたパッキン材と、このパッキン材の貫通孔に圧縮弾性変形して挿入可能な複数の櫛歯状突片が連結帯部によって一体に成形された柔軟な樹脂製のストッピング材との組み合わせを構成したことによって、気密性の高い床下の換気遮断構造を得ることができる。
【0018】
したがって、本発明の土台パッキンの換気遮断構造によれば、換気部を備えた土台パッキンを敷設した場合であっても、パッキン材に形成された換気部および布基礎や土台との隙間を確実に閉塞して、不陸にも馴染むとともに、空気の侵入を防止し、良好な気密性を得ることができる。
【0019】
また、本発明の換気遮断構造を使用すれば、現場で大掛かりな機材を要して発泡樹脂を注入する作業の必要がなく、工場で予め組み付けしたものを速やかに設置することができることから、非常に使い勝手が良く、実用的利用価値は頗る高いものがある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態のストッピング材を表わす斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態のパッキン材を表わす上面図である。
【図3】本発明の第1実施形態のパッキン材を表わす側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態のパッキン材を表わす下面図である。
【図5】本発明の第1実施形態のストッピング材をパッキン材に装着した状態を表わす斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態のストッピング材をパッキン材に装着した状態を表わす説明断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態の施工状態を表わす説明断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態のストッピング材を表わす斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態のストッピング材をパッキン材に装着した状態を表わす説明断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態のストッピング材を表わす斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態のパッキン材を表わす斜視図である。
【図12】本発明の第3実施形態のストッピング材をパッキン材に装着した状態を表わす説明断面図である。
【図13】本発明の第4実施形態のパッキン材を表わす斜視図である。
【図14】本発明の第4実施形態のストッピング材をパッキン材に装着した状態を表わす説明断面図である。
【図15】本発明のストッピング材をパッキン材に装着した状態を表わす斜視図である。
【図16】本発明のストッピング材をパッキン材に装着した状態を表わす説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための形態を、具体的に図示した図面に基づいて更に詳細に説明すると、次のとおりである。
【0022】
『第1実施形態』
本発明の第1実施形態を図1から図7に基づいて説明する。図中、符号1で指示するものはストッピング材であり、このストッピング材1は、圧縮弾性変形可能な柔軟な樹脂製のブロック体であって、複数の櫛歯状突片11・11…が連結帯部12によって一体に成形されている(図1参照)。
【0023】
本実施形態では、ストッピング材1の樹脂材料を発泡構造にして、独立気泡構造または連続気泡構造を採用することができ、独立気泡構造の場合には、通気遮断が容易であるとともに、連続気泡構造の場合には、圧縮によって気泡が潰されて塞がるため、通気を遮断することができる。この際、発泡ポリウレタン樹脂を採用することによって、良好な弾力性および気密性、遮熱性を得ることができる。なお、ストッピング材1の樹脂材料としては、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)やNBR(アクリルニトリルブタジエンゴム)などのゴム材料を採用することも可能である。
【0024】
また、符号2で指示するものはパッキン材であり、このパッキン材2は、建築物における土台と布基礎の天端との間に介装される所定厚みの敷板部材であって、幅方向には屋外と当該建物の床下との間を換気する複数の貫通孔21・21…が成形されている(図2から図4参照)。
【0025】
しかして、本実施形態においては、前記ストッピング材1に形成された櫛歯状突片11・11…を、パッキン材2の各貫通孔21・21…に充行って、圧縮弾性変形させつゝ挿入して、当該貫通孔21・21…に詰め込む(図5および図6参照)。
【0026】
この際、必要に応じて、ストッピング材1の櫛歯状突片11の先端をテーパ状に成形することによって、挿入作業を容易にすることができる。
【0027】
また、本実施形態では、パッキン材2の貫通孔21・21…を等間隔に形成して、かつ、ストッピング材1の櫛歯状突片11の形成位置をこれらに合致させることによって、位置決めを特定する手間を無くして、施工負担を軽減することができる。
【0028】
このように、ストッピング材1がパッキン材2の貫通孔21・21…を間詰めすることにより、換気部を確実に閉塞して、室内への換気を防止することができる(図7参照)。
【0029】
なお、本実施形態では、必要に応じて、パッキン材2の貫通孔21において、上下面の少なくと一方に開口部21aを備えているものを採用することができる。
【0030】
そして、この開口部21aから、ストッピング材1の櫛歯状突片11および/または連結帯部12をはみ出し可能にすることにより、このはみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎(および/または土台)とパッキン材2との隙間を密閉することができる。
【0031】
『第2実施形態』
本発明の第2実施形態を図8および図9に基づいて説明する。本実施形態では、ストッピング材1の連結帯部12の高さ方向の厚みを、パッキン材2の厚みよりも大きくする(図8参照)。なお、本実施形態では、櫛歯状突片11の下縁においても、連結帯部12から連続的に厚みを全体的に大きくしている(図9参照)。
【0032】
こうすることによって、この連結帯部12のはみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉することができる。
【0033】
『第3実施形態』
本発明の第3実施形態を図10から図12に基づいて説明する。本実施形態では、ストッピング材1の連結帯部12の高さ方向の厚みのみを、パッキン材2の厚みよりも大きくした(図10参照)。
【0034】
本実施形態のストッピング材1は、例えば、図11に示すように、パッキン材2の各貫通孔21に補強バー22がそれぞれ架設されている場合において、貫通孔21の外側縁部から突出した連結帯部12のはみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉することができる。
【0035】
『第4実施形態』
本発明の第4実施形態を図13および図14に基づいて説明する。本実施形態では、前記第3実施形態と同一形状のストッピング材1を使用するものであるが、パッキン材2において、貫通孔21に開口部21aを有していない各筒型の貫通孔を有するものに適用するものである(図13参照)。
【0036】
かかるパッキン材2の形状においては、貫通孔21の外側縁部から突出した連結帯部12のはみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉することができる。
【0037】
本発明は概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、ストッピング材1の櫛歯状突片11の形状は、パッキン材2の貫通孔21に挿入できるものであれば適宜設計変更が可能である。
【0038】
また、パッキン材2に開口部21aが設けられている場合には、図15および図16に示すように、この開口部21aから、即ち、下面(または上面)にストッピング材1の連結帯部12が配置されるようにして、櫛歯状突片11を各貫通孔21に挿入することもでき、この連結帯部12が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉することができる。
【0039】
更にまた、パッキン材2の上面には、必要に応じて、樹脂製(より好ましくは発泡体)を棒状に形成した気密フォームを付加的に貼り付けることもでき、これら何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0040】
1 ストッピング材
11 櫛歯状突片
12 連結帯部
2 パッキン材
21 貫通孔
21a 開口部
22 補強バー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物における土台と布基礎の天端との間に介装される所定厚みの敷板部材であって、幅方向には屋外と当該建物の床下との間を換気する複数の貫通孔21・21…が成形されたパッキン材2と、このパッキン材2の貫通孔21・21…に圧縮弾性変形して挿入可能な複数の櫛歯状突片11・11…が連結帯部12によって一体に成形された柔軟な樹脂製のストッピング材1との組み合わせから成ることを特徴とする土台パッキンの換気遮断構造。
【請求項2】
パッキン材2の貫通孔21において、上下面の少なくと一方に開口部21aを備えており、この開口部21aから、ストッピング材1の櫛歯状突片11および/または連結帯部12がはみ出し可能であることを特徴とする請求項1記載の土台パッキンの換気遮断構造。
【請求項3】
ストッピング材1の櫛歯状突片11の高さ方向の厚みが、パッキン材2の厚みよりも大きく、開口部21aから突出したはみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉可能であることを特徴とする請求項1または2記載の土台パッキンの換気遮断構造。
【請求項4】
ストッピング材1の連結帯部12の高さ方向の厚みが、パッキン材2の厚みよりも大きく、はみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉可能であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の土台パッキンの換気遮断構造。
【請求項5】
パッキン材2の貫通孔21・21…が等間隔に形成されており、かつ、櫛歯状突片11の形成位置がこれらに合致することを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の土台パッキンの換気遮断構造。
【請求項6】
ストッピング材1の櫛歯状突片11の先端がテーパ状に成形されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の土台パッキンの換気遮断構造。
【請求項7】
ストッピング材1の樹脂材料が発泡ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の土台パッキンの換気遮断構造。
【請求項1】
建築物における土台と布基礎の天端との間に介装される所定厚みの敷板部材であって、幅方向には屋外と当該建物の床下との間を換気する複数の貫通孔21・21…が成形されたパッキン材2と、このパッキン材2の貫通孔21・21…に圧縮弾性変形して挿入可能な複数の櫛歯状突片11・11…が連結帯部12によって一体に成形された柔軟な樹脂製のストッピング材1との組み合わせから成ることを特徴とする土台パッキンの換気遮断構造。
【請求項2】
パッキン材2の貫通孔21において、上下面の少なくと一方に開口部21aを備えており、この開口部21aから、ストッピング材1の櫛歯状突片11および/または連結帯部12がはみ出し可能であることを特徴とする請求項1記載の土台パッキンの換気遮断構造。
【請求項3】
ストッピング材1の櫛歯状突片11の高さ方向の厚みが、パッキン材2の厚みよりも大きく、開口部21aから突出したはみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉可能であることを特徴とする請求項1または2記載の土台パッキンの換気遮断構造。
【請求項4】
ストッピング材1の連結帯部12の高さ方向の厚みが、パッキン材2の厚みよりも大きく、はみ出し部分が施工時に圧縮されて、布基礎および/または土台とパッキン材2との隙間を密閉可能であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の土台パッキンの換気遮断構造。
【請求項5】
パッキン材2の貫通孔21・21…が等間隔に形成されており、かつ、櫛歯状突片11の形成位置がこれらに合致することを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の土台パッキンの換気遮断構造。
【請求項6】
ストッピング材1の櫛歯状突片11の先端がテーパ状に成形されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の土台パッキンの換気遮断構造。
【請求項7】
ストッピング材1の樹脂材料が発泡ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の土台パッキンの換気遮断構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−248864(P2010−248864A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102217(P2009−102217)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(000174884)三井ホーム株式会社 (87)
【出願人】(000010065)フクビ化学工業株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(000174884)三井ホーム株式会社 (87)
【出願人】(000010065)フクビ化学工業株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
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